JP4855070B2 - 金属微粒子分散物及び赤外線遮蔽フィルター - Google Patents
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Description
また、本発明は、CRT(陰極線管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などのディスプレイ前面から発生する赤外線ないし近赤外線を遮蔽し、かつ、透明性を有する赤外線遮蔽フィルターに関するものであり、また、該赤外線遮蔽フィルターを備えた光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネルに関する。
太陽光から発せられる光線は、その波長範囲が約200nm〜5μmの広範囲にわたっており、紫外線や赤外線などの可視光線以外の光線も含んでいる。また、ハロゲンランプやメタルハライドランプのような高輝度光源からも多量の紫外線や赤外線が照射される。
一般に窓ガラスなどに用いられているガラスは、約320nm以上の紫外線や5μm以下の赤外線を完全に吸収することができないため、太陽光からの紫外線や赤外線を容易に透過する。また、ランプの前面レンズなどに使われるガラスやプラスチックも完全に紫外線や赤外線をカットすることはできない。
また、PDPでは、リモコンの誤作動等を防止する目的で近赤外線カット性能が重要な要求特性とされている。特に、最近では、PDPの輝度の向上に伴って、近赤外線の発生量も多くなっていることから、より一層高度な近赤外線カット性能が必要とされている。
しかしながら、近赤外線を吸収する色素の耐久性が十分ではなく、この点での改善が必要とされている。
さらに本発明の別目的は、高い近赤外線カット性能を有するPDP用赤外線遮蔽フィルターを提供することであり、また、PDP用光学フィルターを提供することであり、さらにプラズマディスプレイパネルを提供することである。
また、本発明のさらなる目的は、高い近赤外線カット性能と高い耐久性とを有する、赤外線遮蔽フィルター、及びPDP用光学フィルター、およびプラズマディスプレイを提供することである。
<1> 平板状であり、銀微粒子または銀を含有する合金で構成され、かつ赤外線吸収能を有する金属微粒子を含む分散物の分光吸収スペクトルが、下記一般式Xを満たすことを特徴とする金属微粒子分散物である。
一般式X Amax/Bmax ≦0.25
(一般式Xにおいて、Amaxは450nm〜650nmの分光吸収スペクトルの吸光度の最大値を表し、Bmaxは700nm〜1200nmの分光吸収スペクトルの吸光度の最大値を表す。)
<2> 前記金属微粒子が、球相当径50nm以下であることを特徴とする前記<1>に記載の金属微粒子分散物である。
<3> 硫黄原子および/または窒素原子を1個以上有する分散ポリマーを含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の金属微粒子分散物である。
<4> 前記金属微粒子を含む分散物中に含有する金属微粒子の主平面形状が、実質角を有さない円盤状で、そのアスペクト比が3.0以上である事を特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の金属微粒子分散物である。
<5> 前記金属微粒子を含む分散物中の、金属の固形分重量比が40%以上であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の金属微粒子分散物である。
<6> 前記金属微粒子を含む分散物が、限外ろ過法により、精製・濃縮されることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の金属微粒子分散物である。
<7> 前記金属微粒子は、異なる波長の2つ以上の光を照射し、少なくとも一つは700nm以下の波長を照射することで得られる金属を含有することを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれかに記載する金属微粒子分散物である。
<8> 前記金属粒子は、レーザー光の照射により調製されることを特徴とする前記<7>に記載の金属微粒子分散物である。
<9> 前記<1>〜<8>のいずれかに記載の金属微粒子分散物を用いて形成された赤外線遮光フィルターである。
<10> プラズマディスプレイパネル用であることを特徴とする、前記<9>に記載の赤外線遮光フィルターである。
<11> 前記<9>に記載の赤外線遮光フィルターを有することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用光学フィルターである。
<12> 前記<11>に記載のプラズマディスプレイ用光学フィルターが、反射防止、電磁波シールド、赤外線遮蔽、色調調節、紫外線吸収の機能の少なくとも2つの機能を有することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用光学フィルターである。
<13> 前記<9>に記載の赤外線遮光フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
かつまた、高い耐久性を有する赤外線遮蔽性に優れたフィルターを提供することができ、PDP用途に好適に利用することができる。
以下、本発明の赤外線遮光フィルターについて詳細に説明する。
本発明の赤外線遮蔽フィルターは、平板状の金属微粒子を分散状態で含有してなり、例えば、平板状の金属微粒子を分散状態で膜の形態で(例えばガラス基板等の基板上に設けて)構成することができる。この赤外線遮蔽フィルターを、赤外線(及び紫外線)発光部の発光方向における光路の任意位置に配置することにより、赤外線(及び紫外線)を吸収、カットして遮蔽することができる。
本発明の金属微粒子分散物は、前記一般式Xで表されるAmax/Bmaxの値が、0.25以下であり、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることが更に好ましい。本発明において、前記Amax/Bmaxの値は、分光吸収測定から、可視域(450nm〜650nm)の吸収スペクトルの最大値Amaxと長波領域(700nm〜1200nm)の吸収スペクトルの最大値Bmaxをそれぞれ求め、得られたそれぞれの吸収スペクトルの最大値の比(Amax/Bmax)と定義する。上記式が、前記範囲内であれば、可視域透過率が高まり、赤外カットフィルターとして可視域の色味を抑える効果が得られる。ここで、分光吸収測定には、日立(株)製「U−3410形自記分光光度形」を用いることができる。
金属微粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属微粒子には、2種以上の金属を組み合わせた複合粒子も含まれ、合金微粒子として用いることが可能である。
び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる郡から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。これらの金属のうち、金属微粒子としては、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属の粒子が更に好ましい。
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩など及びこれらを含む複合粒子が挙げられ、金属化合物微粒子としてはこれらの粒子が好適である。
複合粒子は、金属同士、金属化合物同士、金属と金属化合物がそれぞれ結合して1つの粒子になったものであり、例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの(合金を含む。)等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とは、それぞれ1種でも2種以上であってもよい。
本発明に係る微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものである。
コア・シェル型の複合粒子を構成するシェル材料としては、例えば、Si、Ge、AlSb、InP 、Ga、As、GaP 、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、CuBr、CuI、TlCl、TlBr、TlIやこれらの固溶体及びこれらを90mol%以上含む固溶体から選ばれる少なくとも1種の半導体、又は銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
前記シェル材料は、反射率を低下させる目的で屈折率の調整剤としても好適に用いられる。
(1)公知の方法で作製した金属微粒子の表面に、酸化、硫化などにより、金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属微粒子を水などの分散媒に分散させて、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物を添加する方法である。この方法により粒子の表面が硫化されてコアシェル粒子が形成できる。
この場合、用いる金属微粒子は、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができる。金属微粒子の作製方法については、例えば、「超微粒子の技術と応用における最新動向II」(住ベテクノリサーチ(株)、2002年発行)に記載されている。
(2)金属微粒子を作製する過程で連続的に表面に金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属塩溶液に還元剤を添加して、金属イオンの一部を還元して金属微粒子を作製し、次いで硫化物を添加して、作製した金属微粒子の周囲に金属硫化物を形成する方法である。
Advanced Materials 2002,14,80−82やJ.Phys.Chem.B.2003.107,2466−2470等に記載されているように、金属粒子は粒子形状によって色味が変化することが知られている。本発明における金属微粒子は、赤外遮光性を高めるために、色々な種類の粒子を組み合わせることにより得ることができる。粒子を球形や立方体から平板状に変化させることにより、より高い透過濃度を得る。また、平板粒子に主平面形状が実質的に角がない円形状平板粒子ほど可視部透過性が優れ、赤外遮蔽性に優れる。
円盤状平板微粒子とは、主平面形状が実質的に角を有さない円盤状の微粒子であり、具体的な例として、平板粒子の主平面の形状が例えば円盤状や三角形の角が丸まった形等である粒子が挙げられる。中でも円盤状である金属系微粒子、特に円盤状の金属微粒子が好ましい。
六角形平板微粒子は、平板形状が六角形の微粒子であり、具体的な例として、平板粒子の主平面の形状が例えば正六角形や合同な二等辺三角形を4つ重ねた六角形等である粒子が挙げられ、中でも正六角形である金属系微粒子、特に正六角形の金属微粒子が好ましい。
円盤度とは、主平面を持つ三角形平板、六角形平板、円盤状平板を含める平板状粒子全体の個数に対する円盤状平板粒子の割合である。
尚、粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影倍率を補正することにより得られる。
以下、本発明の金属微粒子分散物調製に関する記述をする。
本発明の金属微粒子は、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。また、調製された金属微粒子形状の単分散性の観点から、金属微粒子に光を照射して、形状を制御する方法が好ましい。
金属微粒子に光を照射して粒子形状を制御する方法は Science 294, 1901-1903(2001)やNature 425, 487-490(2003)を参照することができる。
それぞれのフィルターに入射する光束の比を上記条件にすることで、可視域(450nm〜650nm)の吸収スペクトルの最大値Amaxが低下し、可視域透過率が上昇することで、赤外カットフィルターとして可視域の色味を抑える効果が高められる。
また、好ましくは、微粒子分散液中にクエン酸Naを添加することが好ましく、金属とのモル比は好ましくは1以上20以下であり、更に好ましくは3以上12以下である。
また、本発明の金属微粒子分散物は、金属微粒子調整後、共存する金属微粒子以外のイオンや残留還元剤等の不純物を取り除き精製し、同時に金属微粒子を濃縮する事が出来る。
上記、精製・濃縮方法は、遠心分離、デカンテーション、吸引濾過法等いずれの方法もとることが出来るが、赤外遮光フィルターを作製した際の、フィルターの耐湿性、耐熱性の観点から、限外濾過法が好ましい。限外濾過法に関しては、フジテクノシステム株式会社出版「最新の膜処理技術とその応用」に用いられている方法を参照することが出来る。
例えば、n−ヘキサン/7.3、トルエン/8.9、酢酸エチル/9.1、メチルエチルケトン/9.3、アセトン/10.0、エチルアルコール/12.7、メチルアルコール/14.5、水/23.4等である。ここで前記SP値の単位は「(cal/cm3)1/2」である。
溶剤再分散の際にSP値が9.0以上のものを用いると、分散性が特に良好となり、メチルエチルケトン、2−プロパノール、1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、シクロヘキサノン、アセトン、N−メチルピロリドン、あるいはそれらの混合物などが好適に上げられる。
本発明においては、更に分散ポリマー用いて金属微粒子を構成することができ、金属微粒子が該分散ポリマー中に分散された形態が好ましい。分散時における微粒子の存在状態は特に限定されないが、微粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えばコロイド状態にあることがより好ましい。
分散ポリマーを添加する段階は、粒子調製する前に添加し、分散ポリマー存在下で添加しても良いし、粒子調整後、分散状態の制御のために添加してもかまわない。
分散剤として使用可能なポリマーについては、例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、(株)朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
次に、本発明における硫黄原子および/または窒素原子を1個以上有する分散ポリマーについて説明する。これらの分散ポリマーの存在下で金属微粒子を調製することにより、金属微粒子の分散安定性を更に改良できる。
硫黄原子をもつポリマーとしては、チオエーテル基、メルカプト基、スルフィド基、チオキソ基を有するものが好ましく、また、窒素原子をもつポリマーとしては、アミノ基、イミノ基を有するものや含窒素複素環化合物が好ましい。
前記含窒素複素環としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、ベンズイミダゾールが挙げられ、これらの基は未置換でもよいし、置換された形でもよい。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性、コストおよび溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。尚、本願明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記ビニルアルコールのエステル類としては、ベルサト酸ビニル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明における分散ポリマーが硫黄原子を有する場合、ポリマー中の硫黄原子の含有量は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜10.0質量%が更に好ましい。また、本発明における分散性ポリマーが窒素原子を有する場合、ポリマー中の窒素原子の含有量は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜10.0質量%が更に好ましい。更に、本発明における分散ポリマーが硫黄原子および窒素原子の両者を有する場合、硫黄原子(s)と窒素原子(n)との質量比(s/n)は、金属微粒子の分散安定性の観点から、0.01〜200好ましく、0.1〜20が更に好ましい。
チル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
上記のうちアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、アリール基の置換基と同じである。Rのアルキル基およびアリール基は前述と同義である。
前記親水性高分子としては、水に溶解でき、希薄状態において実質的に溶液状態を維持できるものであればいかなるものを用いてもよい。例えば、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチンなどのタンパク質及びタンパク質由来の物質;セルロース、デンプン、アガロース、カラギーナン、デキストラン、デキストリン、キチン、キトサン、ペクチン、マンナンなどの多糖類及び多糖類由来の物質などの天然高分子;ポバール(ポリビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミンなどの合成高分子;又はこれらに由来するゲルなどを用いることができる。ゼラチンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用いることができる。
界面活性剤の例についても、前記「界面活性剤ハンドブック」に記載がある。
前記液晶表示素子は、例えば、カラーフィルターを含む少なくとも2枚の基板と該基板間に設けられた液晶と該液晶に電界を印加する2枚の電極とを設けて構成することができる。
PDP用の赤外線遮蔽フィルターは、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、電磁波シールド機能を有する層や、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレアー層またはアンチグレア層(共にぎらつき防止機能を有する)、特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、赤外線遮蔽機能を有する層と反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの赤外線遮蔽能を有する機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、プラズマディスプレイパネル本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板などの透明基板に貼合してもよい。これらの機能性膜を光学フィルター(または単にフィルター)と呼ぶ。
[実施例1]
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−1>
クエン酸Na水溶液6.2×10−3モル/L800mLにポリマーP−1を7.0×10−2%(W/W)となるように添加し、1.0×10−2モル/L硝酸銀水溶液100ccと5.0×10−2モル/LNaBH4水溶液100mLを同時添加した。さらに45分間室温で攪拌を続け、黄色の球状銀ナノ粒子含有液を調製した。得られた球状銀ナノ粒子は、径が約10nmの球状粒子であった。
透過波長440±50nmのフィルターと透過限界波長が700nmのフィルターを光源の前にそれぞれ設置し、2波長の光がサンプルに照射されるようにフィルターに対してランプと反対側に上記で調製した球状銀ナノ粒子を置き、温度調節装置によりサンプル温度を30℃に保った。それぞれのフィルターに入射する光束(比透過波長440±50nmのフィルター/透過限界波長が700nmのフィルター)比を0.1とし、キセノン光照射を30時間行い球状の粒子を平板状粒子に転化させた。
(ポリマーP-1)
下記のポリビニルピロリドン
重合度:40,000
続いて母液を入れた500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAIP1013(旭化成社製;分画分子量6000)、チューブポンプ、及び、アスピレーターからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約100mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分43%の銀コロイドの溶液が得られた。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は約22.6nmであった。この銀ナノ粒子分散液を粒子分散液A―1とする。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−2>
前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、ポリマーP−1を前述の硫黄含有ポリマーP−2に置き換えた以外は、前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−2を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−3>
前記A−2を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、キセノン光照射時間を30hから50hに置き換えた以外は、前記A−2を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−3を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−4>
前記A−3を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、透過波長440±50nmのフィルターと透過限界波長が700nmのフィルターに入射する光束の比を0.05にし、キセノン光照射時間を50hから70hに置き換えた以外は、前記A−3を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−4を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−5>
前記A−4を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、限外ろ過で濃縮を行う代わりに、以下に示すデカンテーションを用いた以外は、前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−5を調製した。
光照射により球形粒子から平板粒子へ転化させた銀ナノ顔料分散液10Lを、1Nの硝酸でpH7に調製した後1日静置し、銀ナノ粒子を凝集沈降させ、凝集銀ナノ粒子液とした。
凝集銀ナノ粒子液の上澄み液を除去し、これに蒸留水900mlと1Nの硝酸を加えpHを2.5に調整した。その液をスターラーで攪拌して凝集銀ナノ粒子を分散した後1時間静置し、再度凝集銀ナノ粒子を沈降させた。この上澄み液を除去し、凝集銀ナノ粒子液を得た。これをさらに2回繰り返した。
上記凝集銀ナノ粒子液にメタノール900mlを加えてスターラーで攪拌して凝集銀ナノ粒子を分散した後、1時間静置し、凝集銀ナノ粒子を沈降させ、上澄み液を除去して凝集銀ナノ粒子液を得た。これをさらに2回繰り返した。
上記凝集銀ナノ粒子液にアセトン100mlを加えてスターラーで攪拌して凝集銀ナノ粒子を分散した後、1時間静置し、凝集銀ナノ粒子を沈降させ、上澄み液を除去して凝集銀ナノ粒子液を得た。これをさらに1回繰り返し、銀ナノ粒子分散液A−5を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−6>
前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、ポリマーP−1を下記ポリマーP−3に置き換えた以外は、前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−6を調製した。
(ポリマーP−3)
下記のポリビニルアルコール
重合度:500
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−7>
前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、二種類のフィルターを通してAg粒子に二波長の光を照射する代わりに、450 nmと700nmの二種類のレーザー光を用いて光照射する以外は、前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−7を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−8>
前記A−2を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、二種類のフィルターを通してAg粒子に二波長の光を照射する代わりに、450 nmと700nmの二種類のレーザー光を用いて光照射する以外は。前記A−2を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−8を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−9>
前記A−6を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、二種類のフィルターを通してAg粒子に二波長の光を照射する代わりに、450 nmと700nmの二種類のレーザー光を用いて光照射する以外は。前記A−6を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−9を調製した。
<銀ナノ粒子分散液の調製:A−10>
前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成において、照射光の光源をXeランプから蛍光灯にする以外は、前記A−1を用いた銀ナノ粒子分散液作成と同様にして、銀ナノ粒子分散液A−10を調製した。
次に、上記より得た銀ナノ粒子分散液A−1〜10をガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布して100℃で5分間乾燥させ、赤外線遮蔽フィルターを作製した。
<色素を含む赤外線遮光フィルターの作製>
光学用ポリエステル樹脂(鐘紡社製、商品名「O−PET」)を樹脂濃度10%になるようにシクロペンタノンに溶解して、近赤外線遮蔽フィルムの主剤溶液を調製した。この主剤溶液100gに対して、ニッケル,ビス−1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオラト(みどり化学社製、商品名「MIR101」)を5.6mg、フタロシアニン系色素(日本化薬社製、商品名「イーエクスカラー801K」)を3.2mg、ジインモニウム系色素(日本化薬社製、商品名「IRG022」)を22.4mg、およびアントラキノン系色素(大日本精化社製、色素A)を0.4mg溶解させ、色素分散液を調製した。
この色素分散液を、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布して100℃で5分間乾燥させ、赤外線遮蔽フィルターを作製した。
そして、作製した赤外線遮蔽フィルターを液晶ディスプレイの液晶表示部の上に配置することで観察者と表示部との間の光路中に挿入し、以下のようにして赤外線遮蔽効果を評価した。
上記のように赤外線遮蔽フィルターを配置する前の液晶ディスプレイからの発光スペクトルを、分光放射輝度計SR−3(トプコン社製)により測定した。続いて、赤外線遮蔽フィルターを液晶ディスプレイ(メーカー:三星電子、機種:Sync Master 172X)の液晶表示部の上に配置したときの液晶ディスプレイからの発光スペクトルを、赤外線遮蔽フィルターを介して前記同様に測定した。
(耐湿性の評価)
東京理化器械(株)製恒温恒湿試験器KCH-1000を用い、温度60℃、相対湿度90%RHに設定し、500 時間試験後の各試料の波長 850nmの分光透過率を測定し、もとの試験前の値に対する試験後の増加の割合を計算した。
いすゞ製作所(株)社製定温恒温器を用い、温度80℃に設定し、500 時間試験後の各試料の波長850nmの分光透過率を測定し、もとの試験前の値に対する試験後の増加の割合を計算した。
(PDP用光学フィルターの作製)
上記実施例で得た赤外線遮蔽性を有する分散物をポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、厚さ25μmのアクリル系透光性粘着材を介して、ガラス板を貼り合わせた。該アクリル系透光性粘着材層中には光学フィルターの透過特性を調整する調色色素(三井化学製PS−Red−G、PS−Violet−RC)を含有させた。さらに、該ガラス板の反対の主面には、粘着材を介して反射防止フィルム(日本油脂(株)製 商品名リアルック8201)を貼り合わせ、光学フィルターを作製した。
得られた光学フィルターは、透明性に優れかつ近赤外線カット能を有し、反射防止層により視認性に優れていた。また、色素を含有させることによって、調色機能を付与できており、プラズマディスプレイ等の光学フィルターとして好適に使用できる。
Claims (13)
- 平板状であり、銀微粒子または銀を含有する合金で構成され、かつ赤外線吸収能を有する金属微粒子を含む分散物の分光吸収スペクトルが、下記一般式Xを満たすことを特徴とする金属微粒子分散物。
一般式X Amax/Bmax ≦0.25
(一般式Xにおいて、Amaxは450nm〜650nmの分光吸収スペクトルの吸光度の最大値を表し、Bmaxは700nm〜1200nmの分光吸収スペクトルの吸光度の最大値を表す。) - 前記金属微粒子が、球相当径50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属微粒子分散物。
- 硫黄原子および/または窒素原子を1個以上有する分散ポリマーを含有する事を特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の金属微粒子分散物。
- 前記金属微粒子を含む分散物中に含有する金属微粒子の主平面形状が、実質角を有さない円盤状で、そのアスペクト比が3.0以上である事を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
- 前記金属微粒子を含む分散物中の、金属の固形分重量比が40%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
- 前記金属微粒子を含む分散物が、限外ろ過法により、精製・濃縮されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
- 前記金属微粒子は、異なる波長の2つ以上の光を照射し、少なくとも一つは700nm以下の波長を照射することで得られる金属を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物。
- 前記金属粒子は、レーザー光の照射により調製されることを特徴とする請求項7に記載の金属微粒子分散物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属微粒子分散物を用いて形成されたことを特徴とする赤外線遮光フィルター。
- プラズマディスプレイパネル用であることを特徴とする、請求項9に記載の赤外線遮光フィルター。
- 請求項9に記載の赤外線遮光フィルターを有することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
- 請求項11に記載のプラズマディスプレイ用光学フィルターが、反射防止、電磁波シールド、赤外線遮蔽、色調調節、紫外線吸収の機能の少なくとも2つの機能を有することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
- 請求項9に記載の赤外線遮光フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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