JP6012527B2 - 熱線遮蔽材、合わせガラス用中間膜および合わせガラス - Google Patents

熱線遮蔽材、合わせガラス用中間膜および合わせガラス Download PDF

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Description

本発明は、熱線遮蔽材、合わせガラス用中間膜および合わせガラスに関する。
近年、二酸化炭素削減のための省エネルギー施策の一つとして、自動車や建物の窓に対する熱線遮蔽性付与材料が開発されている。このような熱線遮蔽材としては、遮蔽性能として、具体的には高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することが求められている。
例えば、金属Ag薄膜は、その反射率の高さから、熱線反射材として一般に使用されているが、可視光や熱線だけでなく電波も反射してしまうため、可視光透過性及び電波透過性が低いことが問題となっていた。可視光透過性を上げるために、Ag及びZnO多層膜を利用したLow−Eガラス(例えば旭硝子株式会社製)は、広く建物に採用されているが、Low−Eガラスは、ガラス表面に金属Ag薄膜が形成されているため、電波透過性が低いという問題があった。
これに対し、特許文献1や2に記載の六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有層からなる熱線反射層を用いた熱線遮蔽材が知られており、特許文献1や2に記載の方法では赤外線のみを反射できることから、電磁波の遮蔽の問題を解決することができる。特許文献1や2では、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子をある程度の高面積率で塗布をして、金属粒子含有層を形成していた。
特許文献1には、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の面積率が20%以上、塗布膜中の粒子の中心間距離の分布変動係数20%以下(塗布膜中で粒子の配列が良い)の熱線遮蔽材が提案されている。
特許文献2には合わせガラス用の、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を用いた転写フィルムが提案されている。
特開2011−253094号公報 特開2010−088191号公報
本発明者らが特許文献1に記載の熱線遮蔽材を検討したところ、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立する観点からは不十分であることがわかった。その原因を解明すべく、本発明者らが特許文献1の実施例のSEM像を解析した結果、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子以外の粒子(以下、ノイズ粒子とも言う)が多いことがわかった。特許文献1では、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子は単分散性がよい(すなわち、粒子の円相当径の変動係数が小さい)が、その他のノイズ粒子を含めて全粒子(平板、非平板、形状によらず、全て含めて)で変動係数を算出すると、同文献の実施例のSEM像からは23%と算出されることがわかった。したがって特許文献1に記載の熱線遮蔽材は単分散性が悪いため、遮熱性能改善の余地があるものであった。また、特許文献1には粒子自体の単分散性に関する記載はなく、特許文献1の実施例にも粒子の円相当径の変動係数は開示されていなかった。
特許文献2についても、特許文献1と同じ処方で形成した粒子を用いているため、ノイズ粒子が多く、遮熱性能改善の余地があるものであった。
これらの文献に記載された態様では、上記のとおり熱線遮蔽能力が不十分であり、更なる改良が望まれていた。
また、金属平板粒子の面積被覆率が15%程度の場合も検討したところ、可視光透過率は金属平板粒子の粒径変動係数によらず一定程度で問題がなかったが、一方で金属平板粒子の面積被覆率が50%程度の場合は可視光透過率が金属平板粒子の粒子径の変動係数によって大きく変動してしまうため、2種以上の金属平板粒子を混合しにくくなるという製造管理上の問題や、塗布膜中に粒子を均一配列する点でも問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができる熱線遮蔽材を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討した。その結果、平板状金属粒子を従来よりもさらに高密度で存在させると、全日射透過率TTSを低くできるものの、粒子間のプラズモン共鳴が発現しにくくなり、可視光透過率が急落してしまうことを見出すに至った。また、このような現象は、平板状金属粒子を特許文献1に記載の程度の密度で平板状金属粒子を分散させた場合には生じず、平板状金属粒子を高密度で存在させた場合に特有の、新たな問題であることがわかった。
そこで、このような新たな問題を解決するために本発明者らがさらに鋭意検討をした結果、面積被覆率が30%以上である場合であっても、平板、非平板、形状によらず全金属粒子の円相当径の変動係数を特定の範囲に制御することにより、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができることを見出し、本発明の完成に至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下のとおりである。
[1] 少なくとも金属粒子を含む金属粒子含有層を有し、
前記金属粒子として少なくとも平板状金属粒子を含み、
下記式(1)で表される面積被覆率が30%以上であり、
全金属粒子の円相当径の変動係数が22%以下であることを特徴とする熱線遮蔽材。
式(1) 面積被覆率=B/A×100%
(Aは金属粒子含有層の表面に対して垂直方向から見たときの金属粒子含有層の正射影の面積を表し、Bは金属粒子含有層の表面に対して垂直方向から見たときの金属粒子の正射影の面積の合計を表す。)
[2] [1]に記載の熱線遮蔽材は、前記式(1)で表される面積被覆率が40%以上であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の熱線遮蔽材は、前記金属粒子含有層の全金属粒子の円相当径の変動係数が18%以下であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材は、前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属粒子の粒子間距離の変動係数が20%以下であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材は、前記金属粒子が銀を含むことが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材は、前記金属粒子が、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を60個数%以上有することが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材を含むことを特徴とする合わせガラス中間膜。
[8] [7]に記載の合わせガラス中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする合わせガラス。
本発明によると、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができる熱線遮蔽材を提供することができる。
図1は、全日射透過率TTSが0.5および0.53の場合における、全金属粒子の円相当径の変動係数と、可視光透過率の関係を示したグラフである。 図2は、全日射透過率TTSが0.65の場合における、全金属粒子の円相当径の変動係数と、可視光透過率の関係を示したグラフである。 図3は、本発明の熱線遮蔽材を含む、本発明の合わせガラスの一例を示す断面の概略図である。 図4Aは、本発明の熱線遮蔽材に好ましく用いられる金属平板粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、円形状の金属平板粒子を示す。 図4Bは、本発明の熱線遮蔽材に好ましく用いられる金属平板粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、六角形状の金属平板粒子を示す。 図5Aは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図であって、金属平板粒子を含む金属粒子含有層(基材の平面とも平行)と金属平板粒子の主平面(円相当径Dを決める面)とのなす角度(θ)を説明する図を示す。 図5Bは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図であって、金属粒子含有層の熱線遮蔽材の深さ方向における金属平板粒子の存在領域を示す図である。 図5Cは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の一例を示した概略断面図である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[熱線遮蔽材]
本発明の熱線遮蔽材は、少なくとも金属粒子を含む金属粒子含有層を有し、前記金属粒子として少なくとも平板状金属粒子を含み、上記式(1)で表される面積被覆率が30%以上であり、全金属粒子の円相当径の変動係数が22%以下であることを特徴とする。
このような構成により、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができる熱線遮蔽材となる。
以下、本発明の熱線遮蔽材のより好ましい態様について、具体的に説明する。
<熱線遮蔽材の特性>
本発明の熱線遮蔽材の紫外線透過率としては、耐光性を付与する観点から、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下が特に好ましく、0.5%以下がより特に好ましい。
本発明の熱線遮蔽材の可視光線透過率としては、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることが特に好ましい。前記可視光線透過率が、60%以上であると、例えば、建物用ガラスとして用いた時に、外部が見やすい。自動車用ガラスとして用いる場合、例えばフロントガラス乃至フロントドアガラスでは70%以上でなければならない。
本発明の熱線遮蔽材のヘイズとしては、0%以上2%以下であることが好ましく、0%〜1%%であることがより好ましく、0%〜0.6%であることが特に好ましい。
<熱線遮蔽材の構成>
図3は、合わせガラスの一例であり、ガラス板21および中間層22に熱線遮蔽材が挟持されている態様である。合わせガラスの詳細については後述する。
本発明の熱線遮蔽材の好ましい態様としては、図3に示すように、本発明の熱線遮蔽材は、金属粒子を含む金属粒子含有層2を有し、支持体1を介して金属酸化物粒子含有層14を有する態様である。このような態様とすることで、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができる。
また、本発明の熱線遮蔽材は、外光側から、紫外線吸収層と、金属粒子を含有する金属粒子含有層とをこの順に有することが好ましい。さらに、必要に応じて、易接着層、アンダーコート層、オーバーコート層、粘着層、支持体(以下、基材ともいう)、金属酸化物粒子含有層、バックコート層などのその他の層を有する態様も好ましい。
アンダーコート層としては、屈折率が異なる2層のアンダーコート第1層およびアンダーコート第2層を有する構成であってもよく、図3に一例を示すように、支持体、アンダーコート第1層、アンダーコート第2層、金属粒子含有層、およびオーバーコート層の順で有する構成が好ましい。
以下、図面をもとに本発明の熱線遮蔽材の好ましい構成について説明する。
(金属粒子含有層)
本発明の熱線遮蔽材は、平板状金属粒子を含有する金属粒子含有層を有し、上記式(1)で表される面積被覆率が30%以上であり、全金属粒子の円相当径の変動係数が22%以下である。このような金属粒子含有層を有することで、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができる。
前記金属粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属粒子含有層の厚みをdとしたとき、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在していることが好ましく、前記金属粒子含有層の表面からd/3の範囲に存在することよりが好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもなく、また、本発明の熱線遮蔽材は以下の製造方法に限定されるものではないが、前記金属粒子含有層を製造するときに特定のポリマー(好ましくはラテックス)を添加することなどにより、金属平板粒子を前記金属粒子含有層の一方の表面に偏析させることができる。
−1−1.金属粒子−
本発明の熱線遮蔽材では、前記金属粒子は、平板状の金属粒子を60個数%以上有することが好ましく、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を60個数%以上有することがより好ましい。
前記金属粒子含有層において、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の存在形態としては、金属粒子含有層の一方の表面(本発明の熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材表面)に対して六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の主平面が平均0°〜±30°の範囲で面配向していることが好ましく、平均0°〜±20°の範囲で面配向していることがより好ましく、平均0°〜±10°の範囲で面配向していることが特に好ましい。
なお、前記金属粒子含有層の一方の表面は、フラットな平面であることが好ましい。本発明の熱線遮蔽材の前記金属粒子含有層が仮支持体としての基材を有する場合は、基材の表面とともに略水平面であることが好ましい。ここで、前記熱線遮蔽材は、前記仮支持体を有していてもよく、有していなくてもよい。
前記金属粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、500nm以下の平均粒子径を有するものであってもよい。
前記金属粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線(近赤外線)の反射率が高い点から、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金などが好ましく、その中でも銀がより好ましい。
−1−2.金属平板粒子−
前記金属平板粒子としては、2つの主平面からなる粒子(図4A及び図4B参照)であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状、円形状、三角形状などが挙げられる。これらの中でも、可視光透過率が高い点で、六角形状以上の多角形状〜円形状であることがより好ましく、六角形状または円形状であることが特に好ましい。
本明細書中、円形状とは、後述する金属平板粒子(平板状金属粒子と同義)の平均円相当径の50%以上の長さを有する辺の個数が1個の金属平板粒子当たり0個である形状のことを言う。前記円形状の金属平板粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で金属平板粒子を主平面の上方から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本明細書中、六角形状とは、後述する金属平板粒子の平均円相当径の20%以上の長さを有する辺の個数が1個の金属平板粒子当たり6個である形状のことを言う。なお、その他の多角形についても同様である。前記六角形状の金属平板粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で金属平板粒子を主平面の上方から観察した際に、六角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状の角が鋭角のものでも、鈍っているものでもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、角が鈍っているものであることが好ましい。角の鈍りの程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属平板粒子の材料としては、特に制限はなく、前記金属粒子と同じものを目的に応じて適宜選択することができる。前記金属平板粒子は、少なくとも銀を含むことが好ましい。
前記金属粒子含有層に存在する金属粒子のうち、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子は、金属粒子の全個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上がより好ましく、70個数%以上が特に好ましい。前記金属平板粒子の割合が、60個数%以上であると、可視光線透過率が高くなる。
−1−2−1.面配向−
本発明の熱線遮蔽材において、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子は、その主平面が金属粒子含有層の一方の表面(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材表面)に対して、平均0°〜±30°の範囲で面配向していることが好ましく、平均0°〜±20°の範囲で面配向していることがより好ましく、平均0°〜±10°の範囲で面配向していることが特に好ましい。
前記金属平板粒子の存在状態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、図5A〜図5Cは、本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図である。図5A、図5Bおよび図5Cは、金属粒子含有層2中における金属平板粒子3の存在状態を示す。図5Aは、基材1の平面と金属平板粒子3の主平面(円相当径Dを決める面)とのなす角度(±θ)を説明する図である。図5Bは、金属粒子含有層2の熱線遮蔽材の深さ方向における存在領域を示すものである。
図5Aにおいて、基材1の表面と、金属平板粒子3の主平面(円相当径Dを決める面)または主平面の延長線とのなす角度(±θ)は、前記の面配向における所定の範囲に対応する。即ち、面配向とは、熱線遮蔽材の断面を観察した際、図5Aに示す傾角(±θ)が小さい状態をいい、特に基材1の表面と金属平板粒子3の主平面とが接している状態、即ち、θが0°である状態が好ましい。基材1の表面に対する金属平板粒子3の主平面の面配向の角度、即ち図5Aにおけるθが±30°を超えると、熱線遮蔽材の所定の波長(例えば、可視光域長波長側から近赤外光領域)の反射率が低下してしまう。
前記金属粒子含有層の一方の表面(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材表面)に対して金属平板粒子の主平面が面配向しているかどうかの評価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適当な断面切片を作製し、この切片における金属粒子含有層(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材)及び金属平板粒子を観察して評価する方法であってもよい。具体的には、熱線遮蔽材を、ミクロトーム、集束イオンビーム(FIB)を用いて熱線遮蔽材の断面サンプルまたは断面切片サンプルを作製し、これを、各種顕微鏡(例えば、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等)を用いて観察して得た画像から評価する方法などが挙げられる。
前記熱線遮蔽材において、金属平板粒子を被覆するバインダーが水で膨潤する場合は、液体窒素で凍結した状態の試料を、ミクロトームに装着されたダイヤモンドカッター切断することで、前記断面サンプルまたは断面切片サンプルを作製してもよい。また、熱線遮蔽材において金属平板粒子を被覆するバインダーが水で膨潤しない場合は、前記断面サンプルまたは断面切片サンプルを作製してもよい。
前記の通り作製した断面サンプルまたは断面切片サンプルの観察としては、サンプルにおいて金属粒子含有層の一方の表面(熱線遮蔽材が基材を有する場合は、基材表面)に対して金属平板粒子の主平面が面配向しているかどうかを確認し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FE−SEM、TEM、光学顕微鏡などを用いた観察が挙げられる。前記断面サンプルの場合は、FE−SEMにより、前記断面切片サンプルの場合は、TEMにより観察を行ってもよい。FE−SEMで評価する場合は、金属平板粒子の形状と傾角(図5Aの±θ)が明瞭に判断できる空間分解能を有することが好ましい。
−1−2−2.平均粒子径(平均円相当径)の粒度分布における変動係数−
本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子の粒度分布における変動係数としては、22%以下が好ましく、18%以下であることがより好ましく、0〜15%以下が特に好ましい。前記変動係数が、18%以下であることが熱線遮蔽材における熱線の反射波長域がシャープになることから好ましい。
ここで、前記金属平板粒子の粒度分布における変動係数は、例えば前記の通り得た平均値の算出に用いた200個の金属平板粒子の粒子径の分布範囲をプロットし、粒度分布の標準偏差を求め、前記の通り得た主平面直径(最大長さ)の平均値(平均粒子径(平均円相当径))で割った値(%)である。
−1−2−3.金属平板粒子の厚み・アスペクト比−
本発明の熱線遮蔽材では、前記金属平板粒子の厚みは14nm以下であることが好ましく、5〜14nmであることがより好ましく、5〜12nmであることが特に好ましい。
前記金属平板粒子のアスペクト比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、波長800nm〜1,800nmの赤外光領域での反射率が高くなる点から、6〜40が好ましく、10〜35がより好ましい。前記アスペクト比が6未満であると反射波長が800nmより小さくなり、40を超えると、反射波長が1,800nmより長くなり、十分な熱線反射能が得られないことがある。
前記アスペクト比は、金属平板粒子の平均粒子径(平均円相当径)を金属平板粒子の平均粒子厚みで除算した値を意味する。平均粒子厚みは、金属平板粒子の主平面間距離に相当し、例えば、図4A及び図4Bに示す通りであり、原子間力顕微鏡(AFM)や集束イオンビーム(FIB)によって切削した粒子の断面をFE−SEMやTEM観察することにより測定することができる。
前記平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板に金属平板粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させて、粒子1個の厚みを測定する方法などが挙げられる。
−1−2−4.金属平板粒子の存在範囲−
本発明の熱線遮蔽材において、前記金属平板粒子の存在領域の厚みは、5〜80nmであることが好ましく、10〜60nmであることがより好ましく、10〜40nmであることがさらに好ましい。
前記金属平板粒子の存在領域の厚みが80nmより厚い場合は、金属平板粒子が同一平面上に存在しなくなることから粒子間のプラズモン共鳴が効果的に発現せず、近赤外光の反射率が低下する。
本発明の熱線遮蔽材では、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在することが好ましく、d/3の範囲に存在することがより好ましく、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の60個数%以上が前記金属粒子含有層の一方の表面に露出していることが更に好ましい。金属平板粒子が金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在するとは、金属平板粒子の少なくとも一部が金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に含まれていることを意味する。すなわち、金属平板粒子の一部が、金属粒子含有層の表面よりも突出している金属平板粒子も、金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在する金属平板粒子として扱う。
また、金属平板粒子が前記金属粒子含有層の一方の表面に露出しているとは、金属平板粒子の一方の表面の一部が、金属粒子含有層の表面よりも突出していることを意味する。
ここで、前記金属粒子含有層中の金属平板粒子存在分布は、例えば、熱線遮蔽材の断面試料をFE−SEM観察した画像より測定することができる。
本発明の熱線遮蔽材において、図5Bに示すように、金属粒子含有層2における金属平板粒子3を構成する金属のプラズモン共鳴波長をλとし、金属粒子含有層2における媒質の屈折率をnとするとき、前記金属粒子含有層2が、熱線遮蔽材の水平面からの深さ方向において、(λ/n)/4の範囲で存在することが好ましい。この範囲内であると、熱線遮蔽材の上側と下側のそれぞれの金属粒子含有層の界面での反射波の位相により反射波の振幅が強めあう効果が十分大きく、可視光透過率及び熱線最大反射率が良好となる。
前記金属粒子含有層における金属平板粒子を構成する金属のプラズモン共鳴波長λは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線反射性能を付与する点で、400nm〜2,500nmであることが好ましく、可視光透過率を付与する点から、700nm〜2,500nmであることがより好ましい。
−1−2−5.金属粒子含有層の媒質−
前記金属粒子含有層における媒質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明の熱線遮蔽材は、前記金属粒子含有層がポリマーを含むことが好ましく、透明ポリマーを含むことがより好ましい。前記ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、本発明では、前記ポリマーの主ポリマーがポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂であることが前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の金属平板粒子の80個数%以上を前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在させやすい観点からより好ましく、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂であることが本発明の熱線遮蔽材のこすり耐性をより改善する観点から特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂の中でも、飽和ポリエステル樹脂であることが二重結合を含まないために優れた耐候性を付与できる観点からより特に好ましい。また、分子末端に水酸基またはカルボキシル基を持つことが、水溶性・水分散性の硬化剤等で硬化させることで高い硬度・耐久性・耐熱性を得られる観点から、より好ましい。
前記ポリマーとしては、商業的に入手できるものを好ましく用いることもでき、例えば、互応化学工業株式会社製の水溶性ポリエステル樹脂である、プラスコートZ−687やDIC株式会社製の水溶性ポリウレタン樹脂であるハイドランHW−350などを挙げることができる。
また、本明細書中、前記金属含有層に含まれる前記ポリマーの主ポリマーとは、前記金属含有層に含まれるポリマーの50質量%以上を占めるポリマー成分のことを言う。
前記金属粒子含有層に含まれる前記金属粒子に対する前記ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂の含有量が1〜10000質量%であることが好ましく、10〜1000質量%であることがより好ましく、20〜500質量%であることが特に好ましい。前記金属粒子含有層に含まれるバインダーを上記範囲以上とすることで、こすり耐性性等の物理特性を改善することができる。
前記媒質の屈折率nは、1.4〜1.7であることが好ましい。
本発明の熱線遮蔽材は、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の厚みをaとしたとき、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、厚み方向のa/10以上を前記ポリマーに覆われていることが好ましく、厚み方向のa/10〜10aを前記ポリマーに覆われていることがより好ましく、a/8〜4aを前記ポリマーに覆われていることが特に好ましい。このように前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が前記金属粒子含有層に一定割合以上埋没していることにより、よりこすり耐性を高めることができる。
−1−2−6.金属平板粒子の面積被覆率−
本発明の熱線遮蔽材は、下記式(1)で表される面積被覆率が30%以上であることを特徴とする。
式(1) 面積被覆率=B/A×100%
(Aは金属粒子含有層の表面に対して垂直方向から見たときの金属粒子含有層の正射影の面積を表し、Bは金属粒子含有層の表面に対して垂直方向から見たときの全ての金属粒子の正射影の面積の合計を表す。)
本発明の熱線遮蔽材は、前記面積被覆率が40%以上であることが好ましく、40%〜70%がより好ましく、40〜60%であることが特に好ましい。
ここで、前記面積被覆率は、例えば熱線遮蔽材基材を上からSEM観察で得られた画像や、AFM(原子間力顕微鏡)観察で得られた画像を画像処理することにより測定することができる。
本発明の熱線遮蔽材で規定する金属平板粒子の面積被覆率の範囲まで面積被覆率を高める方法としては特に制限は無く、例えば前記金属粒子含有層を塗布により形成する場合は、金属粒子含有層形成用塗布液の塗布量を増やしたり、金属粒子含有層形成用塗布液中の金属平板粒子の濃度を高めたりする方法を挙げることができる。
−1−2−7.金属平板粒子の平均粒子間距離−
前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属平板粒子の平均粒子間距離としては、可視光線透過率及び熱線の最大反射率の点から、金属平板粒子の平均粒子径の0.9倍〜2倍(平均粒子間距離/平均円相当径が0.9〜2であること)が好ましい。より好ましくは1倍〜1.7倍であり、1倍〜1.6倍が特に好ましい、1倍〜1.5倍がより好ましく、1〜1.4倍がさらに好ましい。
前記金属平板粒子の水平方向に隣接する金属平板粒子の平均粒子間距離が、金属平板粒子の平均粒子径の0.9〜2倍であると、粒子同士の凝集、重なりが少なく、熱線の最大反射率が向上する。0.9倍以下であると、塗布膜中での金属平板粒子の粒子配列疎密が生じたり、粒子同士の凝集が生じているため、熱線の最大反射率が低下する。2倍以上であると、粒子間距離が十分広いためプラズモン共鳴が効果的に発現せず、熱線の最大反射率が低下する。
本発明の熱線反射材は、前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属粒子の粒子間距離の変動係数が20%以下であることが熱線遮蔽材の性能(遮蔽性、可視光透過率)、ヘイズ、耐傷性の観点から好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが特に好ましい。金属粒子の粒子間距離の変動係数は、全銀粒子の金属粒子の粒子間距離の標準偏差を平均金属粒子の粒子間距離で割ることで算出できる。
−1−2−8.金属粒子含有層の層構成−
本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子は、図5A〜図5Cに示すように、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の形態で配置される。
前記金属粒子含有層としては、図5A〜図5Cに示すように単層で構成されてもよく、複数の金属粒子含有層で構成されてもよい。複数の金属粒子含有層で構成される場合、遮熱性能を付与したい波長帯域に応じた遮蔽性能を付与することが可能となる。なお、前記金属粒子含有層が複数の金属粒子含有層で構成される場合、本発明の熱線遮蔽材は、少なくとも最表面の金属粒子含有層において、該最表面の金属粒子含有層の厚みをd’としたとき、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、該最表面の金属粒子含有層の表面からd’/2の範囲に存在することが好ましい。
−1−2−9.金属粒子含有層の厚み−
本発明の熱線遮蔽材は、前記金属粒子含有層の厚みが5〜80nmであることが好ましく、5〜60nmであることがより好ましい。前記金属粒子含有層の厚みdは、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の厚みをaとしたとき、a〜10aであることが好ましく、a〜8aであることがより好ましく、a〜6aであることが特に好ましい。
ここで、前記金属粒子含有層の各層の厚みは、例えば、熱線遮蔽材の断面試料をFE−SEM観察、もしくはTEMした画像より測定することができる。
また、熱線遮蔽材の前記金属粒子含有層の上に、例えば後述するオーバーコート層などの他の層を有する場合においても、他の層と前記金属粒子含有層の境界は同様の方法によって決定することができ、前記金属粒子含有層の厚みdを決定することができる。なお、前記金属粒子含有層に含まれるポリマーと同じ種類のポリマーを用いて、前記金属粒子含有層の上にコーティングをする場合は通常はFE−SEM観察、もしくはTEMした画像によって前記金属粒子含有層との境界を判別できることができ、前記金属粒子含有層の厚みdを決定することができる。
−1−2−10.金属平板粒子の合成方法−
前記金属平板粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を合成し得るものとして挙げられる。これらの中でも、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法、光化学還元法などの液相法が特に好ましい。六角形〜三角形状の金属平板粒子を合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、六角形〜三角形状の金属平板粒子の角を鈍らせて、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を得てもよい。
本発明においては、円相当径の変動係数を小さくする観点から亜硫酸銀の白濁沈殿物混合液添加以降の工程で液温が高いことが好ましいが、製造適正や平板状と非平板状の金属粒子を作り分ける観点から26℃〜35℃にすることが好ましく、28℃〜33℃がより好ましい。また、亜硫酸銀の白濁沈殿物混合液の添加を早くしたり、亜硫酸銀の白濁沈殿物混合液添加以降のpHを従来より1程度上げた状態で反応させたり、クエン酸やポリスチレンスルホン酸などの分散剤の添加量を増やすことも好ましい。
前記金属平板粒子の合成方法としては、前記の他、予めフィルム、ガラスなどの透明基材の表面に種晶を固定後、平板状に金属粒子(例えばAg)を結晶成長させてもよい。
本発明の熱線遮蔽材において、金属平板粒子は、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。前記更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高屈折率シェル層の形成、分散剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することなどが挙げられる。
−1−2−10−1.高屈折率シェル層の形成−
前記金属平板粒子は、可視光域透明性を更に高めるために、可視光域透明性が高い高屈折率材料で被覆されてもよい。
前記高屈折率材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiOx、BaTiO3、ZnO、SnO2、ZrO2、NbOxなどが挙げられる。
前記被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Langmuir、2000年、16巻、p.2731−2735に報告されているようにテトラブトキシチタンを加水分解することにより銀の金属平板粒子の表面にTiOx層を形成する方法であってもよい。
また、前記金属平板粒子に直接高屈折率金属酸化物層シェルを形成することが困難な場合は、前記の通り金属平板粒子を合成した後、適宜SiO2やポリマーのシェル層を形成し、更に、このシェル層上に前記金属酸化物層を形成してもよい。TiOxを高屈折率金属酸化物層の材料として用いる場合には、TiOxが光触媒活性を有することから、金属平板粒子を分散するマトリクスを劣化させてしまう懸念があるため、目的に応じて金属平板粒子にTiOx層を形成した後、適宜SiO2層を形成してもよい。
−1−2−10−2.各種添加物の添加−
本発明の熱線遮蔽材において、前記金属粒子含有層がポリマーを含み、前記ポリマーの主ポリマーがポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂である場合には、架橋剤を添加することが膜強度の観点から好ましい。前記架橋剤としては特に制限はなく、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でカルボジイミド系及びオキサゾリン系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の具体例としては、例えばカルボジライトV−02−L2(日清紡績(株)製)などがある。前記金属粒子含有層中の全バインダーに対して1〜40質量%の架橋剤由来の成分を含有することが好ましく、より好ましくは2〜20質量%である。
また、本発明の熱線遮蔽材において、前記金属粒子含有層がポリマーを含む場合、添加することがハジキの発生を抑えて良好な面状な層が得られる観点から好ましい。界面活性剤を前記界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる界面活性剤の具体例としては、例えばラピゾールA−90(日油株式会社製)、ナロアクティーHN−100(三洋化成工業株式会社製)、リパール870P(ライオン株式会社製)などがある。前記金属粒子含有層中の全バインダーに対して0.05〜10質量%の界面活性剤を含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
前記金属平板粒子は、該金属平板粒子を構成する銀などの金属の酸化を防止するために、メルカプトテトラゾール化合物や、アスコルビン酸等の酸化防止剤を吸着していてもよい。また、酸化防止を目的として、Ni等の酸化犠牲層が金属平板粒子の表面に形成されていてもよい。また、酸素を遮断することを目的として、SiO2などの金属酸化物膜で被覆されていてもよい。
前記金属平板粒子は、分散性付与を目的として、例えば、4級アンモニウム塩、アミン類等のN元素、S元素、及びP元素の少なくともいずれかを含む低分子量分散剤、高分子量分散剤などの分散剤を添加してもよい。
<その他の層>
(紫外線吸収層)
本発明の熱線遮蔽材は、金属粒子含有層よりも外光側に、紫外線吸収層を有していてもよい。
前記紫外線吸収層は単独の機能層として有していても、他の機能を兼ね備える層として有していてもよいが、前記紫外線吸収層は他の機能を兼ね備える層であることが積層数を減らして、熱線遮蔽材の膜厚を薄くできる観点から好ましい。また、積層数についても特に制限はなく、1層のみ有していても複数層有していてもよいが、1層のみ有することが積層数を減らして、熱線遮蔽材の膜厚を薄くできる観点から好ましい。
−紫外線吸収層の配置−
ガラス窓または透明樹脂窓の室内側に貼り合わせて遮熱ガラスを作製する場合の熱線遮蔽材の層構成としては、支持体上にアンダーコート層を介して金属粒子含有層、紫外線吸収層を有する構成を挙げることができる。熱線遮蔽材は、金属粒子含有層の上にさらにオーバーコート層を有することが好ましく、支持体の他面側には金属酸化物粒子層やハードコート層を設けることが好ましい。
また、熱線遮蔽材は、金属粒子含有層乃至オーバーコート層の上に粘着剤層を有することが、熱線遮蔽材を遮熱ガラスの室内側に用いる場合は好ましい。
なお、熱線遮蔽材は、紫外線吸収層かつ支持体である層と、前記アンダーコート層の間に易接着層を有していてもよい。
また、紫外線吸収剤を支持体、アンダーコート層、粘着剤層、オーバーコート層などに含ませてよい。
本発明の熱線遮蔽材は、前記紫外線吸収層の390nmにおける透過率は30%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることが太陽光の紫外線により前記金属平板粒子層や支持体の色味変化を抑制する観点からより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。
−紫外線吸収剤−
本発明の熱線遮蔽材では、前記紫外線吸収層に含まれる紫外線吸収剤の含有量や種類としては、前記紫外線吸収層の390nmにおける透過率を特性の範囲以下に制御できること以外は特に制限はない。
前記紫外線吸収層中の紫外線吸収剤の含有量としては、用いる紫外線吸収層によって異なり、一概に規定することができないが、本発明の熱線遮蔽材において所望の紫外線透過率を与える含有量を適宜選択することが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール(チヌビン326)、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジターシャリーブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記トリアジン系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物、ビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物、トリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物などが挙げられる。
前記モノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記ビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−プロピルオキシフェニル)−6−(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシヘプタエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記トリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−6−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−6−[2,4−ビス[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
なお、前記トリアジン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の例としては、上述した化合物に加えて、さらに特開2012−136019号公報、特開2012−122000号公報、特開2010−514844号公報などに記載のトリアジン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を挙げることができる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、2−エチルヘキシルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視光透明性や日射透明性が高い方が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。なお、バインダーが熱線を吸収すると、金属平板粒子による反射効果が弱まってしまうことから、熱線源と金属平板粒子との間に形成される紫外線吸収層としては、450nm〜1,500nmの領域に吸収を持たない材料を選択したり、該紫外線吸収層の厚みを薄くしたりすることが好ましい。
前記紫外線吸収層の厚みとしては、0.01μm〜1,000μmが好ましく、0.02μm〜500μmがより好ましい。前記厚みが、0.01μm未満であると、紫外線の吸収が足りなくなることがあり、1,000μmを超えると、可視光の透過率が下がることがある。
前記紫外線吸収層の含有量としては、用いる紫外線吸収層によって異なり、一概に規定することができないが、本発明の熱線遮蔽材において所望の紫外線透過率を与える含有量を適宜選択することが好ましい。
前記紫外線透過率としては、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。前記紫外線透過率が、5%を超えると、太陽光の紫外線により前記金属平板粒子層や支持体が色味変化することがある。
(支持体)
本発明の熱線遮蔽材は、支持体を有してもよく、支持体表面に離型層を設けた転写型フィルムであってもよい。
前記支持体としては特に制限は無く公知の支持体を用いることができる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、熱線遮蔽材の使用目的に応じて適宜選択することができ、通常は10μm〜500μm程度であるが薄膜化の要請の観点からはより薄い方が好ましい。前記支持体の厚みは10μm〜100μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、20〜75μmであることが特に好ましい。前記支持体の厚みが十分に厚いと、接着故障が起き難くなる傾向にある。また、前記支持体の厚みが十分に薄いと、熱線遮蔽材として建材や自動車に貼り合わせる際、材料としての腰が強過ぎず、施工し易くなる傾向にある。更に、支持体が十分に薄いことにより、可視光透過率が増加し、原材料費を抑制できる傾向にある。
前記支持体としては、光学的に透明な支持体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可視光線透過率が70%以上のもの、好ましくは80%以上のもの、近赤外線域の透過率が高いものなどが挙げられる。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記熱線遮蔽材の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂などからなるフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムやトリアセチルセルロースが好適である。
支持体に紫外線吸収剤を含ませて、支持体かつ紫外線吸収層である層を設ける構成の場合、前記支持体かつ紫外線吸収層の主成分がポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂であることが好ましい。なお、主成分とは、該紫外線吸収層の50質量%以上を占める成分のことを意味する。前記ポリエステル樹脂の好ましい範囲は、特開2012−136019号公報の[0025]〜[0037]に記載があり、特開2012−136019号公報の[0025]〜[0037]の記載は本発明に組み込まれる。
(粘着剤層)
本発明の熱線遮蔽材は、粘着剤層(以下、粘着層ともいう)を有することが好ましい。
前記粘着剤層の形成に利用可能な材料としては、透明性を損なわないものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの材料からなる粘着層は、貼り合わせにより、形成してもよいし、塗布により形成してもよい。貼り合わせにより形成する場合には、厚みを薄くできるという点から、基材レス粘着剤を用いる場合が好ましい。
さらに、前記粘着剤層には帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などを添加してもよい。
前記粘着剤層の厚みとしては、0.1μm〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
(ハードコート層)
耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有するハードコート層を含むことも好適である。ハードコート層には金属酸化物粒子を含むことができる。
前記ハードコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜その種類も形成方法も選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。前記ハードコート層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましい。前記ハードコート層上に更に反射防止層を形成すると、耐擦傷性に加え、反射防止性が得られ好適である。また、前記ハードコート層に後述の金属酸化物粒子を含有してもよい。
(オーバーコート層)
本発明の熱線遮蔽材において、物質移動による金属平板粒子の酸化・硫化を防止し、耐擦傷性を付与するため、本発明の熱線遮蔽材は、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が露出している方の前記金属粒子含有層の表面に密接するオーバーコート層を有していてもよい。本発明の熱線遮蔽材は特に金属平板粒子が金属粒子含有層の表面に偏在するため、金属平板粒子の剥落による製造工程のコンタミ防止、別層塗布時の金属平板粒子配列乱れの防止、などのため、オーバーコート層を有していてもよい。
前記オーバーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、バインダー、マット剤、及び界面活性剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。前記オーバーコート層の厚みとしては、0.01μm〜5μmが好ましく、0.015〜1μmがより特に好ましい。0.01μmより薄い場合は、金属平板粒子含有層を均一に覆うことができず、耐傷性が悪化する懸念がある。
(アンダーコート層)
一方、本発明の熱線遮蔽材において、前記支持体と前記金属粒子含有層との間に、アンダーコート層を有していてもよい。前記アンダーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記アンダーコート層を複数層設けてもよい。
本発明におけるアンダーコート層を構成する材料としては、金属薄膜、金属酸化物薄膜、またはポリマー含有層の何れかであってもよい。電磁波透過性の観点からは、金属酸化物薄膜もしくはポリマー含有層であることが好ましく、生産性の観点から、水系塗布が容易なポリマー含有層であることが好ましい。アンダーコート層に用いるポリマー(バインダー)は、透明ポリマーであることが好ましく、前記ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、本発明では、前記ポリマーの主ポリマーがポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、中でも(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
アンダーコート層に用いる前記ポリマーが水性分散物であることが、環境影響の観点と、塗布コスト低減の点から好ましい。
中間層に用いる前記ポリマーとして、水溶性ポリエステル樹脂であるプラスコートZ−592(互応化学工業(株)製)、水溶性ポリウレタン樹脂であるハイドランHW−350(DIC(株)製)などを好ましく用いることができる。
−フィラー−
本発明の熱線遮蔽材は、前記アンダーコート層にフィラーを含有してもよい。
前記フィラーとしては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、中空シリカ、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、中空フッ化マグネシウムからなる群から少なくとも一つ以上から選ばれてなることが好ましい。中でも、酸化チタン、酸化ジルコニウム、中空シリカ、フッ化マグネシウムを用いることがより好ましい。
前記アンダーコート層の少なくとも一方に前記フィラーを含有させることで、フィラーを含有する層の屈折率を調整することが可能であり好ましい。隣り合う層間で屈折率差を付与することが好ましく、屈折率差と各層の膜厚を調整することにより、多層光学干渉膜を設計することができる。多層光学干渉膜を適切に設計することにより、例えば、可視光波長域の反射低減や赤外線波長域の反射増強の効果を付与することが可能である。
本発明の熱線遮蔽材に用いられるフィラーの平均粒子径は200nm以下であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは60nm以下である。フィラーの平均粒子径が200nm以上であると、フィラーを含有する層の薄膜化が難しく、光学干渉設計まで考えた場合好ましくない。
アンダーコート層におけるフィラーの含有量としては、10〜250mg/mであることが好ましく、30〜150mg/mであることがより好ましく、40〜100mg/mであることがさらに好ましい。
アンダーコート層にバインダーとフィラーとを有する場合、フィラーのバインダーに対する質量比が、0.1〜2.5であることが好ましく、0.1〜2.0であることがより好ましく、0.5〜1.5であることが特に好ましい。フィラーのバインダーに対する質量比が0.1より小さいと屈折率の調整幅が小さく、所望の光学干渉効果が得られない。フィラーのバインダーに対する質量比が2.5よりも大きいとアンダーコート層の機械強度が弱くなるため好ましくない。
本発明の熱線遮蔽材は、図3に示すように、屈折率が異なる2層のアンダーコート第1層およびアンダーコート第2層を有する構成であることが好ましい。
屈折率が異なる層をそれぞれ積層させ、2層以上の多層構造としてもよい。屈折率が異なる層を有することで、可視光波長域の反射低減や赤外線波長域の反射増強の効果を付与することが可能である。屈折率が異なる層の調整方法としては、屈折率が高いバインダーを含む層と、屈折率が低いバインダーを含む層とを積層させる方法や屈折率の高いフィラー(酸化ジルコニウムなど)を含有するバインダー層と屈折率の低いフィラー(中空シリカなど)を含有するバインダー層とを積層する方法などが挙げられる。
この場合、屈折率がn2である層B(アンダーコート第1層15)、屈折率がn1である層A(アンダーコート第2層16)、および金属粒子含有層2の順で有し、下記条件を(1−1)または条件(2−1)を満たす態様も好適に挙げられる。
条件(1−1):n1<n2、かつ、下記式(1−1)を満たす。
式(1−1)
3λ/8 + mλ/2 −A <n1×d1<3λ/8 + mλ/2 +A
(式(1−1)中、mは0以上の整数を表し、λは反射を防止したい波長(単位:nm)を表し、n1は層Aの屈折率を表し、d1は層Aの厚み(単位:nm)を表す。n1×d1は所定の値±A以内に収まることが好ましく、Aはλ/8、λ/12、λ/16のいずれかを表し、Aが小さいほど反射防止の干渉効果を得られる最適条件に近づくために好ましい。)
条件(2−1):n1>n2、かつ、下記式(2−1)を満たす。
式(2−1)
λ/8 + mλ/2 −A <n1×d1<λ/8 + mλ/2 +A
(式(2−1)中、mは0以上の整数を表し、λは反射を防止したい波長(単位:nm)を表し、n1は層Aの屈折率を表し、d1は層Aの厚み(単位:nm)を表す。n1×d1は所定の値±A以内に収まることが好ましく、Aはλ/8、λ/12、λ/16のいずれかを表し、Aが小さいほど反射防止の干渉効果を得られる最適条件に近づくために好ましい。)
前記条件(1−1)または条件(2−1)の好ましい範囲について説明する。前記式(1−1)および前記式(2−1)中、mは0以上の整数を表し、0〜5の整数であることが製造コストや膜厚のロバスト性の観点から好ましい。前記mは、熱線遮蔽材として本発明の多層構造を用いたときに可視光反射抑制と近赤外光の反射増強を両立した設計ができる観点からは1〜5の整数であることがより好ましく、1であることが可視光反射抑制と1000nm付近の近赤外線の反射増強の観点から特に好ましい。なお、反射増強については、後述する式(5−1)を満たすように前記層Bの屈折率および厚みを制御することで、達成することができる。また、m>5であると膜厚が大きくなりすぎ、膜厚の精密な制御が難しくなることから生産性の観点でm<=5が好ましい。一方、前記mは、斜め入射光の色味変化を小さくする観点や反射光増大を抑制する観点からは、0とすることが好ましいときもある。
図3の構成ではさらに、前記層Bが条件(3−1)または条件(4−1)を満たすことが、より良い反射防止効果を得る観点から好ましい。
条件(3−1):n1<n2、かつ、下記式(3−1)を満たす。
式(3−1)
λ/4 + Lλ/4 − A ≦n2×d2≦ λ/4 + Lλ/4 + A
(式(3−1)中、Lは1以上の整数を表し、λは反射を防止したい波長(単位:nm)を表し、n2は層Bの屈折率を表し、d2は層Bの厚み(単位:nm)を表す。n2×d2は所定の値±A以内に収まることが好ましく、Aはλ/8、λ/12、λ/16のいずれかを表し、Aが小さいほど反射防止の干渉効果を得られる最適条件に近づくために好ましい。)
条件(4−1):n1<n2、かつ、下記式(4−1)を満たす。
式(4−1)
Lλ/4 − A ≦n2×d2≦Lλ/4 + A
(式(4−1)中、Lは1以上の整数を表し、λは反射を防止したい波長(単位:nm)を表し、n2は層Bの屈折率を表し、d2は層Bの厚み(単位:nm)を表す。n2×d2は所定の値±A以内に収まることが好ましく、Aはλ/8、λ/12、λ/16のいずれかを表し、Aが小さいほど反射防止の干渉効果を得られる最適条件に近づくために好ましい。)
条件(3−1)または条件(4−1)の好ましい範囲について説明する。
前記式(3−1)または前記式(4−1)中、Lは1以上の整数を表し、1〜5であることが好ましく、1であることが斜め入射光に対する色味変化を小さくする観点からより好ましい。
図3の構成ではさらに、前記層Bが下記式(5−1)または下記式(6−1)を満たすことが、強い反射を持たせたい波長λ’における反射を増強させる観点から好ましい。
式(5−1)
λ/4 + kλ’/4 − B ≦n2×d2≦ λ/4 + kλ’/4 + B
(式(5−1)中、kは1以上の整数を表し、λ’は強い反射を持たせたい波長(単位:nm)を表し、n2は層Bの屈折率を表し、d2は層Bの厚み(単位:nm)を表す。n2×d2は所定の値±B以内に収まることが好ましく、Bはλ’/8、λ’/12、λ’/16のいずれかを表し、Bが小さいほど反射増強の干渉効果を得られる最適条件に近づくために好ましい。)
式(6−1)
kλ’/4 − B ≦n2×d2≦kλ’/4 + B
(式(6−1)中、kは1以上の整数を表し、λ’は強い反射を持たせたい波長(単位:nm)を表し、n2は層Bの屈折率を表し、d2は層Bの厚み(単位:nm)を表す。n2×d2は所定の値±B以内に収まることが好ましく、Bはλ’/8、λ’/12、λ’/16のいずれかを表し、Bが小さいほど反射増強の干渉効果を得られる最適条件に近づくために好ましい。)
前記式(5−1)または前記式(6−1)の好ましい範囲について説明する。
前記式(5−1)または前記式(6−1)中、kは1以上の整数を表し、1〜5であることが好ましく、1であることが斜め入射光に対する色味変化を小さくする観点からより好ましい。
前記強い反射を防止したい波長λは特に制限はなく、例えば、可視光、紫外光の各帯域などを挙げることができ、その中でも可視光であることが可視光透過率を高める観点から好ましく、本発明の熱線遮蔽材は、前記反射を防止したい波長λが250〜800nmであることが好ましく、400〜700nmであることがより好ましく、550±100nmであることが特に好ましい。
前記強い反射を持たせたい波長λ’は特に制限はなく、例えば、可視光、赤外光、紫外光の各帯域などを挙げることができ、その中でも赤外光であることが熱線遮蔽材として用いる観点から好ましく、本発明の熱線遮蔽材は、前記反射を持たせたい波長λ’が700〜2500nmであることが好ましく、800〜1500nmであることがより好ましく、900〜1200nmであることが特に好ましい。
700nm未満の波長に強い反射を持たせると、赤色の反射光が強く目立ち、可視光透過率の減少につながる。一方で、2500nmより大きい波長に反射を持たせると、太陽光スペクトルに2500nm以上のエネルギーがほとんどないため、熱線遮蔽材としての効果が小さくなる。
前記アンダーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、マット剤、及び界面活性剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
(バックコート層)
一方、本発明の熱線遮蔽材において、前記支持体の前記金属粒子含有層とは反対側の面上に、バックコート層を有していてもよい。前記バックコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記赤外領域に吸収を有する化合物を含む層としてもよく、後述の金属酸化物粒子含有層としてもよいが、前記赤外領域に吸収を有する化合物を含む層や後述の金属酸化物粒子含有層ではない場合の好ましい組成や厚みは、前記オーバーコート層の好ましい組成や厚みと同様である。
(金属酸化物粒子含有層)
本発明の熱線遮蔽材は、長波近赤外線を吸収するために、少なくとも1種の金属酸化物粒子を含有していることが、熱線遮蔽と製造コストのバランスの観点からは好ましい。この場合、例えばオーバーコート層やハードコート層に金属酸化物粒子を含める態様や、図3に記載のように金属酸化物粒子層14を設けることが好ましい。
図3に一例を示すように、金属酸化物粒子層14は、支持体1よりも内側(入射光または外光側とは反対側)に積層されていることが、遮蔽性能の観点から好ましい。金属平板粒子含有層2が太陽光などの熱線の入射方向側となるように本発明の熱線遮蔽材を配置したときに、金属平板粒子含有層2で熱線の一部(または全部でもよい)を反射した後、金属酸化物粒子層14で熱線の一部を吸収することとなり、金属酸化物粒子層14で吸収されずに熱線遮蔽材を透過した熱線に起因して熱線遮蔽材の内側で直接受ける熱量と、熱線遮蔽材の金属酸化物粒子層14で吸収されて間接的に熱線遮蔽材の内側に伝わる熱量の合計としての熱量を低減することができる。
前記金属酸化物粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錫ドープ酸化インジウム(「ITO」と略記することがある)、錫ドープ酸化アンチモン(「ATO」と略記することがある)、セシウム酸化タングステン(以下、「CWO」と略記することがある)酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン、ガラスセラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、熱線吸収能力に優れ、金属平板粒子と組み合わせることにより幅広い熱線吸収能を有する熱線遮蔽材が製造できる点で、ITO、ATO、CWOおよび酸化亜鉛が好ましく、ITO、ATOおよびCWOが可視光透過率を向上させ、かつ、赤外線を十分に遮蔽するという観点からより好ましく、1,200nm以上の赤外線を90%以上遮蔽し、可視光透過率が90%以上である点で、ITOが特に好ましい。
前記金属酸化物粒子の一次粒子の体積平均粒径としては、可視光透過率を低下させないため、0.1μm以下が好ましい。
前記金属酸化物粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、針状、板状などが挙げられる。
前記金属酸化物粒子の前記金属酸化物粒子含有層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1g/m2〜20g/m2が好ましく、0.5g/m2〜10g/m2がより好ましく、1.0g/m2〜4.0g/m2がより好ましい。
前記含有量が、0.1g/m2未満であると、肌に感じる日射量が上昇することがあり、20g/m2を超えると、可視光透過率が悪化することがある。一方、前記含有量が、1.0g/m2〜4.0g/m2であると、上記2点を回避できる点で有利である。
なお、前記金属酸化物粒子の前記金属酸化物粒子含有層における含有量は、例えば、前記熱線遮蔽層の超箔切片TEM像及び表面SEM像の観察から、一定面積における金属酸化物粒子の個数及び平均粒子径を測定し、該個数及び平均粒子径と、金属酸化物粒子の比重とに基づいて算出した質量(g)を、前記一定面積(m2)で除することにより算出することができる。また、前記金属酸化物粒子含有層の一定面積における金属酸化物微粒子をメタノールに溶出させ、蛍光X線測定により測定した金属酸化物微粒子の質量(g)を、前記一定面積(m2)で除することにより算出することもできる。
<熱線遮蔽材の製造方法>
本発明の熱線遮蔽材を製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−1.紫外線吸収層の形成方法−
前記紫外線吸収層の形成方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持体かつ紫外線吸収層である層を形成する場合は、特開2012−136019号公報の[0094]〜[0155]、あるいは、特開2012−122000号公報の[0086]〜[0148]に記載の方法を用いて、紫外線吸収剤を支持体に含ませることができる。
前記紫外線吸収層をオーバーコート層、アンダーコート層、バックコート層として形成する場合の形成方法としては、特に制限はない。
オーバーコート層、アンダーコート層、バックコート層は、塗布により形成することが好ましい。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、前記紫外線吸収剤を含有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法などが挙げられる。
−2.金属粒子含有層の形成方法−
前記金属粒子含有層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材などの下層の表面上に、前記金属平板粒子を有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法が挙げられる。本発明の熱線遮蔽材を製造するとき、後述の実施例で用いた金属粒子含有層の組成とし、ラテックスを添加する等によって、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在するようにすることが好ましい。前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/3の範囲に存在するようにすることがより好ましい。前記ラテックスの添加量に特に制限は無いが、例えば金属平板粒子に対して、1〜10000質量%添加することが好ましい。
なお、面配向を促進するために、金属平板粒子を塗布後、カレンダーローラーやラミローラーなどの圧着ローラーを通すことにより促進させてもよい。
−3.粘着層の形成方法−
前記粘着剤層は、塗布により形成することが可能である。例えば、前記金属粒子含有層、前記オーバーコート層、前記金属酸化物粒子含有層などの下層の表面上に積層することができる。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
(ドライラミネーションによる粘着剤層積層)
金属粒子含有層表面への粘着剤層積層に当っては、当該表面に直接粘着剤入りの塗布液を塗工することもできるが、粘着剤に含まれる各種添加剤、可塑剤や、使用溶剤などが、場合によっては金属粒子含有層の金属粒子の配列を乱したり、金属粒子含有層の金属粒子自身を変質させたりすることがある。そうした弊害を最小限に留めるためには、粘着剤を予め離型フィルム上に塗工及び乾燥させたフィルムを作製しておいて、当該フィルムの粘着剤面と本発明の熱線遮蔽材の金属粒子含有層表面とをラミネートすることにより、ドライな状態のままの積層をすることが有効である。
<熱線遮蔽材の用途>
本発明の熱線遮蔽材は、単独で熱線遮蔽材として用いてもよく、他の機能層と積層してもよい。また、本発明の熱線遮蔽材はガラスなどと貼り合わせて遮熱ガラスとしてもよい。また、本発明の熱線遮蔽材は合わせガラスに挟み込んでも、合わせガラスとして用いてもよい。
本発明の熱線遮蔽材は、熱線(近赤外線)を選択的に反射(必要に応じて吸収)するために使用される態様であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体、農業用フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、省エネルギー効果の点で、乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体であることが好ましい。
なお、本発明において、熱線(近赤外線)とは、太陽光に約50%含まれる近赤外線(780nm〜2,500nm)を意味する。
[遮熱ガラス]
本発明の遮熱ガラスは、本発明の熱線遮蔽材の前記粘着剤層上に、ガラスが貼り付けられたことを特徴とする。このとき、本発明の熱線遮蔽材はガラス窓または透明樹脂窓の室内側に、外光側から、紫外線吸収層と、金属粒子を含有する熱線遮蔽金属粒子含有層とがこの順となるように貼り合わせる。
このような構成とすることで、フレッシュ時および耐光性試験後の遮熱性能が良好となる。
<遮熱ガラスの製造方法>
本発明の熱線遮蔽材を使って、既設窓ガラスの類(以下、窓ガラスという場合には、樹脂窓も含まれる)に機能性付与して遮熱ガラスを製造する場合は、粘着剤を積層してガラスの室内側に貼り付けることが好ましい。その際、反射層を外光側(太陽光側)に向けた方が発熱を防ぐことになるので、金属粒子含有層側よりも紫外線吸収層が外光側になるように窓ガラスへ貼合せするのが適切である。
[合わせガラス用中間膜・合わせガラス]
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の熱線遮蔽材を含むことを特徴とする。
また、本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする。本発明の熱線遮蔽材は合わせガラスの中間膜に積層したときに、外光側から、紫外線吸収層と、金属粒子を含有する熱線遮蔽金属粒子含有層とがこの順となるようにして用いたときに、フレッシュ時および耐光性試験後の遮熱性能が良好となる。
図3に本発明の合わせガラスの好ましい態様を示す。図3では、本発明の熱線遮蔽材10の両表面に中間膜22がそれぞれ積層されて、本発明の合わせガラス用中間膜を構成している。さらに、2枚のガラス21で中に得られた本発明の合わせガラス用中間膜が挿入されている。
本発明の合わせガラスのヘイズとしては、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、0.6%以下であることが特に好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
<構成>
(中間膜)
本発明の合わせガラス用中間膜は、中間膜を含む。本発明の合わせガラス用中間膜はさらに第二の中間膜を含むことが好ましい。また、前記第一および第二の中間膜の組成についても、同じであっても異なっていてもよい。
前記第一および第二の中間膜の厚みは、100〜1000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましく、300〜500μmであることが特に好ましい。また、前記第一および第二の中間膜は複数のシートを重ねることによって厚膜化してもよい。
また、前記第一および第二の前記中間膜の脆性の基準としては、引張り試験による破断伸びが100〜800%であることが好ましく、100〜600%であることがより好ましく、200〜500%であることが特に好ましい。
前記第一および第二の中間膜は、樹脂中間膜であることが好ましい。前記樹脂中間膜は、主成分がポリビニルアセタール系の樹脂フィルムであることが好ましい。前記ポリビニルアセタール系の樹脂フィルムとしては特に制限はなく、例えば特開平6−000926号公報や特開2007−008797号公報などに記載のものを好ましく用いることができる。前記ポリビニルアセタール系の樹脂フィルムの中でも、本発明ではポリビニルブチラール樹脂フィルムを用いることが好ましい。前記ポリビニルブチラール樹脂フィルムは、それぞれ、ポリビニルブチラールを主成分とする樹脂フィルムであれば、特に定めるものは無く、広く公知の合わせガラス用中間膜としてのポリビニルブチラール樹脂フィルムを採用できる。その中でも、本発明では、前記中間膜は、ポリビニルブチラールを主成分とする樹脂中間膜またはエチレンビニルアセテートを主成分とする樹脂中間膜であることが好ましく、ポリビニルブチラールを主成分とする樹脂中間膜であることが特に好ましい。なお、主成分である樹脂とは、前記樹脂中間膜の50質量%以上の割合を占める樹脂のことをいう。
(ガラス)
合わせガラスに用いられるガラスとしては特に制限はないが、外光側(入射光側)となる側のガラスとしてクリアガラス乃至青板ガラス(フロートガラス)を用い、内側(入射光とは反対側)となる側のガラスとしてグリーンガラスを用いることが好ましい。
ここで、本明細書中において合わせガラスというときのガラスには、一般的にガラス代替樹脂が含まれる。すなわち、本発明の合わせガラス用中間膜を合わせはさむガラスのかわりに、ガラス代替樹脂形成体、もしくはガラス代替樹脂形成体とガラスの組み合わせたものを用いることができる。ガラス代替樹脂の例としては、ポリカーボネート樹脂やアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂などがあげられる。こうしたガラス代替樹脂上にハードコート層をコーティングしたものを用いることもできる。ハードコート層の例としては、アクリル系ハードコート材、シリコーン系ハードコート材、メラミン系ハードコート材や、これらのハードコート材の中にシリカやチタニア、アルミナ、ジルコニアなどの無機微粒子を分散させたものがあげられる。
<合わせガラス用中間膜・合わせガラスの製造方法>
本発明の合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法としては、例えば、前記第一および第二の中間膜の間に、本発明の熱線遮蔽材を重ね合わせ、熱圧着することが好ましい。
本発明の合わせガラスの製造方法は、前記ガラス板に挟持された本発明の合わせガラス用中間膜を加熱しながら圧着する工程を含むことが好ましい。
前記ガラス板に挟持された本発明の合わせガラス用中間膜とガラス板との貼りあわせは、例えば、真空バッグなどで減圧下において、温度80〜120℃、時間15〜60分で予備圧着した後、オートクレーブ中、1.0〜1.5MPaの加圧下で100〜150℃の温度で貼り合せ、2枚のガラスに積層体が挟まれた合わせガラスとすることができる。また、粘着材等を用いて貼り合わせてもよい。
このとき、1.0〜1.5MPaの加圧下で100〜150℃の温度での加熱圧着の時間は、10〜90分であることが好ましい。
加熱圧着終了後、放冷の仕方については特に制限はなく、適宜圧力を開放しながら放冷して、合わせガラス体を得てもよい。本発明では、加熱圧着終了後、圧力を保持した状態で降温を行うことが、得られる合わせガラス体のシワや割れをさらに改善する観点から好ましい。ここで、圧力を保持した状態で降温するとは、加熱圧着時(好ましくは130℃)の装置内部圧力から、50℃のときの装置内部圧力が加熱圧着時の75%〜100%となるように降温することを意味する。圧力を保持した状態で降温する方法としては、50℃まで降温したときの圧力が上記範囲内であれば特に制限はないが、圧力装置内部圧力が温度減少に伴って自然と低下していくように装置内部から圧力を漏らさずに降温する態様や、装置内部圧力が温度減少に伴って減少しないように外部からさらに加圧しながら降温する態様が好ましい。圧力を保持した状態で降温する場合、100〜150℃で加熱圧着した後、40℃まで1〜5時間かけて放冷することが好ましい。
本発明では、圧力を保持した状態で降温を行った後、次いで圧力を開放する工程を含むことが好ましい。具体的には、圧力を保持した状態で降温を行った後、オートクレーブ内の温度が50℃以下になった後に圧力を開放して降温することが好ましい。
以上より、本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜を、少なくとも2枚のガラス板で挟持する工程と、その後1.0〜1.5MPaの加圧下で100〜150℃の温度で加熱圧着する工程と、圧力を保持した状態で降温を行う工程と、圧力を開放する工程を含むことが好ましい。
前記ガラス板と本発明の合わせガラス用中間膜とを熱圧着させる範囲は、前記ガラス板の全面積にわたる範囲でもよいが、前記ガラス板の周縁部のみでもよく、周縁部の熱圧着はシワの発生をより抑制することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
−金属平板粒子の合成−
純水308mLに1質量%のクエン酸ナトリウム水溶液24.5mLおよび8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液16.7mLを添加し、35℃まで加熱した。この溶液に2.3質量%の水素化ほう素ナトリウム水溶液を1mL添加し、0.6mMの硝酸銀水溶液(Ag−1)316mLを攪拌しながら添加した。この溶液を20分間攪拌した後、1質量%のクエン酸ナトリウム水溶液24.5mLと10mMのアスコルビン酸水溶液33mLおよび純水274mLを添加した。さらに0.6mMの硝酸銀水溶液(Ag−2)199mLを攪拌しながら添加した。30分間攪拌しながら液温度を30℃に冷却した後に、0.35Mのメチルヒドロキノン水溶液197mLおよび重量平均分子量20万の不活性ゼラチン33.5gと重量平均分子量2万の酸化処理ゼラチン22.3gを純水409mLに溶解したゼラチン水溶液を反応釜に添加した。次に、予め、13.5%の亜硫酸ナトリウム水溶液67mL、10%硝酸銀水溶液228mLおよび純水369mLを混合してできた亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を反応釜に添加した。この溶液を75分間攪拌した後、1NのNaOHを123mlと2質量%の1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール水溶液を反応釜に4.46cc添加して、平板状銀分散液A1を得た。この平板状銀分散液A1には、平均円相当径120nmの銀の六角平板粒子(以後Ag六角平板粒子と称する)が生成していることを確認した。
得られた銀平板粒子について、以下のようにして諸特性を評価した。
<<銀粒子の評価>>
−平板粒子の円相当径、円相当径の変動係数(CV値)−
平板状銀分散液A1を200mL抽出し、遠心分離機(コクサン社製H200−N)で7000rpm、60分遠心分離を行い、銀平板粒子を沈殿させた。遠心分離後の上澄み液を190mL捨て、0.2mMのNaOH水溶液を90mL添加し、卓上型ホモジナイザー(三井電気精機社製、SpinMix08)にて15000rpmで20分間分散させることで、平板状銀分散液B1を調液した。平板状銀分散液B1のTEM観察により得られた像を画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した。数視野のTEM像から任意に抽出した1000点の粒子に関して画像解析を行い、1000点の粒子の平均円相当径を平均粒径とした。
結果、平板状銀分散液B1中の銀粒子は、二峰性の粒度分布を有することが判明した。粒径が大きい方の分布は六角形状、円形状、及び三角形状の粒子で構成されており、粒径が小さい方の分布は六角形状、円形状および三角形状の粒子とそれ以外の不定形形状(例えば三角錐形状、四面体形状、球状、涙型、五角形状、菱形形状)の粒子で構成されていた。
粒子の単分散度は平板、非平板、形状を問わず、全銀粒子の円相当径(粒径)の変動係数で評価した。全銀粒子の円相当径(粒径)の変動係数は、全銀粒子の円相当径(粒径)の標準偏差を平均円相当径(粒径)で割ることで算出した。
得られた結果を下記表1に示した。
−平板粒子の厚み−
平板状銀分散液B1を用いて遠心分離、上澄み液廃却、希釈、分散を2回繰り返して作製した銀平板分散液をシリコン基板上に滴下して乾燥し、平板状銀粒子の厚みをFIB−TEM法により測定した。平板状銀分散液B1中の平板状銀粒子の平均厚みは8nmであった。なお、後述の各実施例で得られた平板状銀粒子の平均厚みも8〜14nmの範囲であった。
−熱線遮蔽材の作製−
前記平板状銀分散液B1を用いて、下記に示す組成の金属粒子含有層用の塗布液C1を調液した。
また、別途、金属酸化物粒子含有層用の塗布液C2を調液した。これらを支持体上に形成することで、熱線遮蔽材を作製した。
(金属粒子含有層用の塗布液C1の組成)
水性ウレタン樹脂 : ハイドランHW−350
(DIC(株)製、固形分濃度30質量%) 0.27質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
平板状銀分散液B1 32.3質量部
1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬(株)製、固形分2質量%) 0.62質量部
水 34.67質量部
メタノール 30質量部
(金属酸化物粒子含有層用の塗布液C3の組成)
UV−硬化型 ITO塗料 PI−3(三菱マテリアル電子化成(株)製)
25質量部
トルエン(和光純薬(株)製) 75質量部
ITO塗料PI−3(三菱マテリアル(株)製)は、ITO(インジウム錫酸化物)、分散剤、ポリアクリレート、開始剤、トルエン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−1−プロパノール、エタノールを主成分とする熱線カット塗料である。ITO含有量は28質量%である。
(アンダーコート第1層用の塗布液U1の組成)
−可視光反射率低減高屈折率塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 11.77質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.11質量部
架橋剤:カルボジライトV−02−L2
(日清紡ケミカル(株)製、固形分濃度20質量%イオン交換水希釈)
7.56質量部
蒸留水 73.27質量部
(アンダーコート第2層用の塗布液U2の組成)
−可視光反射率低減低屈折率塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 1.71質量部
中空シリカ粒子:スルーリア4110
(平均粒子径60nm、日揮触媒化成(株)製、固形分20質量%)
3.16質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 26.84質量部
蒸留水 67.10質量部
(オーバーコート層用の塗布液の組成O1)
コロイド状シリカ微粒子:スノーテックスXL(平均粒子径50nm)
(日産化学工業(株)製、固形分10質量%蒸留水希釈) 0.0033質量部
コロイド状シリカ微粒子分散物A 0.079質量部
アクリルポリマー水分散物:AS−563A
(ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%) 0.13質量部
ワックス:セロゾール524
(中京油脂(株)製、固形分3質量%蒸留水希釈) 0.78質量部
架橋剤:カルボジライトV−02−L2
(日清紡ケミカル(株)製、固形分濃度20質量%蒸留水希釈) 0.46質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%蒸留水希釈) 0.63質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%蒸留水希釈) 0.87質量部
ウレタンポリマー水溶液:オレスターUD350
(三井化学(株)製、固形分38質量%) 1.12質量部
蒸留水 95.93質量部
−コロイド状シリカ微粒子分散物Aの調製−
平均一次粒子径40nmのコロイド状シリカ微粒子であるアエロジルOX−50(日本アエロジル(株)製)0.10kgをSUS304製の容器に計量し、イオン交換水0.9kgを添加して、卓上型クイックホモミキサーLR−1(みづほ工業(株)製)を用いて3000rpmで60分間の粗分散を行った。引き続き、BRANSON社製(販売元:日本エマソン(株)ブランソン事業部)の超音波発振器(型式S−8540−12、40kHz)を備えた超音波分散槽に移して設定出力80%で4時間の分散を行って、固形分10質量%のコロイド状シリカ微粒子分散物Aを調製した。
レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920((株)堀場製作所製)を用い、相対屈折率を140a0001に設定して測定を行ったところ、平均粒子径は165nmであった。
PETフィルム(東洋紡(株)製 A4300、厚み:75μm)の表面上に、アンダーコート第1層用塗布液U1を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが100nmと成るように塗布した。その後、130℃で乾燥、固化し、アンダーコート第1層を形成した。
次いで、アンダーコート第2層用塗布液U2を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが220nmとなるように塗布した。その後、130℃で乾燥、固化し、アンダーコート第2層を形成した。
次いで、金属粒子含有層用の塗布液C1を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが20nmになるように塗布した。その後、130℃で1分間加熱し、乾燥、固化し、金属粒子含有層を形成した。
次いで、オーバーコート層用塗布液O1を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが40nmとなるように塗布した。その後、130℃で乾燥、固化し、オーバーコート層を形成した。
次いで、形成した金属粒子含有層の裏面、即ち、PETフィルムの塗布液C1を塗布していない面に、金属酸化物粒子含有層用の塗布液C3を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが1.5μmになるように塗布した。次いで、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射することにより金属酸化物粒子含有層を硬化させた。なお、塗布層に対して紫外線を400mJ/cm2照射した。得られた熱線遮蔽材を実施例1の熱線遮蔽材とした。
なお、前記平均厚みは熱線遮蔽フィルムの断面SEM、TEMを観察することにより算出できる。塗布厚みに応じて適宜選択する。本実施例ではFIB−TEM法で断面加工、断面観察を行い、塗布膜の厚みを10点測定した平均値を膜厚とした。この他にも、機械研磨、イオンミリング法、ミクロトーム法などでも断面加工は可能である。
−銀粒子塗布膜の面積被覆率評価−
PETフィルム上に形成した金属粒子含有層の表面SEM像を画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した。視野内全ての銀粒子面積を視野全体の面積で割ることで、銀粒子の面積被覆率を産出した。
20000倍の表面SEM画像3視野に関して面積被覆率を算出して、その平均値を面積被覆率とした。
得られた結果を下記表1に示した。
−金属粒子の粒子間距離の変動係数(CV値)−
(最隣接金属粒子中心−中心間距離)
得られた熱線遮蔽材のSEM画像を解析ソフトであるImageJに取り込み、画像処理を加えることで金属粒子の解析を行った。2値化後、粒子の輪郭を検出し、金属粒子の厚みが均一であるとして、金属粒子の重心座標を求めた。画像内の全ての金属粒子同士の重心座標間距離を求め、最小値の重心座標間距離を最近接金属粒子中心−中心間距離として求めた。
前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属粒子の粒子間距離の変動係数は、全銀粒子の金属粒子の粒子間距離の標準偏差を平均金属粒子の粒子間距離で割ることで算出した。
得られた結果を下記表1に示した。
−合わせガラスの作製と評価−
<合わせガラスの作製>
厚さ3mmフロートガラスの上に、合わせガラス用ポリビニルブチラール中間膜シート(厚み:380μm)、上記で作製した実施例1の熱線遮蔽材を重ねた。更に、その上に、合わせガラス用ポリビニルブチラール中間膜シート(厚み:380μm)、厚さ3mmのフロートガラスを順に重ねた。この積層体を真空下、90℃で30分予備圧着を行い、その後、オートクレーブ内で1.3MPa、120℃の条件で加熱しながら20分間圧着処理し、合わせガラスを作製した。得られた合わせガラスを実施例1の合わせガラスとした。
<合わせガラスの評価>
(可視光透過率、及び、TTS)
得られた合わせガラスについて、外光側(熱線反射層側)から測定した透過、及び反射スペクトル(波長300〜2500nm)を、積分球ユニットISN−723を付属した紫外可視近赤外分光機(日本分光株式会社製、V−670)を用いて測定した。ISO13837に記載の可視光透過率、及び、TTSの計算方法に基づき、可視光透過率、及び、TTSを算出した。
算出した結果を下記表1に記載した。
(ヘイズの測定)
ヘイズメーター(NDH−5000、日本電色工業株式会社製)のD65光源を用いて、得られた合わせガラスのヘイズ(%)を測定した。
得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例2]
8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液16.7mLの代わりに8g/Lのポリアネトールスルホン酸ナトリウム水溶液16.7mLを用いた以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[実施例3]
実施例1において、8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を16.7mL添加から33.4mL添加に変更した以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[実施例4]
実施例1において、ゼラチン水溶液添加後(亜硫酸銀の白色沈殿物混合液添加前)に新たに8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液の41mLを添加した以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[実施例5]
実施例1において、8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液16.7mLの代わりに8g/Lのポリアネトールスルホン酸ナトリウム水溶液41mLを用いた以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[実施例6]
実施例4において、亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を10分間隔で二回に分割して添加することと、二回目の添加前に8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を33.4mL添加した以外は実施例4と同様にして銀平板粒子を作製した。得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[実施例7]
実施例1において、金属粒子含有層の塗布液を下記に示す組成の金属粒子含有層用の塗布液C2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
金属粒子含有層用の塗布液C2の組成
水性ウレタン樹脂 : ハイドランHW−350
(DIC(株)製、固形分濃度30質量%) 0.27質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
平板状銀分散液B1
25.3質量部
1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬(株)製、固形分2質量%) 0.62質量部
水 41.67質量部
メタノール 30質量部
[実施例8]
実施例7において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに実施例2で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例7と同様にして、実施例8の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[実施例9]
実施例7において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに実施例5で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例7と同様にして、実施例9の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[実施例10]
実施例7において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに実施例6で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例7と同様にして、実施例10の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例1]
実施例1において、液温度の冷却を30℃から25℃に変更し、亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を下記の組成の亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D1に変更し、11cc/minで添加した以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。
(亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D1の組成)
純水369mLに重量平均分子量20万の不活性ゼラチン10gを溶解させたゼラチン水溶液
10%硝酸銀水溶液 228mL
13.5%亜硫酸ナトリウム水溶液 63mL
得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[比較例2]
実施例1において、亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を下記の組成の亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D2に変更し、11cc/minで添加した以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。
(亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D2の組成)
純水369mLに重量平均分子量20万の不活性ゼラチン10gを溶解させたゼラチン水溶液
10%硝酸銀水溶液 228mL
13.5%亜硫酸ナトリウム水溶液 67mL
得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[比較例3]
実施例1において、液温度の冷却を30℃から25℃に変更し、亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を下記の組成の亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D1に変更し、22cc/minで添加した以外は実施例1と同様にして銀平板粒子を形成した。
(亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D1の組成)
純水369mLに重量平均分子量20万の不活性ゼラチン10gを溶解させたゼラチン水溶液
10%硝酸銀水溶液 228mL
13.5%亜硫酸ナトリウム水溶液 63mL
得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[比較例4]
実施例1において、亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を下記の組成の亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D2に変更し、22cc/minで添加した以外は実施例1と同様に銀平板粒子を形成した。
(亜硫酸銀の白色沈殿物混合液D2の組成)
純水369mLに重量平均分子量20万の不活性ゼラチン10gを溶解させたゼラチン水溶液
10%硝酸銀水溶液 228mL
13.5%亜硫酸ナトリウム水溶液 67mL
得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[比較例5]
特開2011−253094号公報の実施例1に記載の通りに金属平板粒子を作製し、平均円相当径200nm、平均厚み20nmの銀平板粒子を得た。
得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[比較例6)
特開2011−253094号公報の実施例48に記載の通りに金属平板粒子を作製し、平均円相当径200nm、平均厚み30nmの銀平板粒子を得た。
得られた銀平板粒子の分散液を平板状銀分散液A1の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6の熱線遮蔽材および合わせガラスを作製した。
[比較例7]
実施例7において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例3で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例7と同様にして、比較例7の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例8]
実施例7において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例5で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例7と同様にして、比較例8の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例9]
実施例7において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例6で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例7と同様にして、比較例9の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例10]
比較例3において、金属粒子含有層の塗布液を下記に示す組成の金属粒子含有層用の塗布液C3に変更した以外は比較例3と同様にして、比較例10の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
金属粒子含有層用の塗布液C3の組成
水性ウレタン樹脂 : ハイドランHW−350
(DIC(株)製、固形分濃度30質量%) 0.27質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%) 1.18質量部
平板状銀分散液
(平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例3で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)
17質量部
1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬(株)製、固形分2質量%) 0.62質量部
水 49.97質量部
メタノール 30質量部
[比較例11]
比較例4において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例4で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は比較例4と同様にして、比較例11の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例12]
比較例5において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例5で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は比較例5と同様にして、比較例12の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例13]
比較例6において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに比較例6で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は比較例6と同様にして、比較例13の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例14]
実施例3において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに実施例3で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例3と同様にして、比較例14の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
[比較例15]
実施例6において、金属粒子含有層の塗布液を上記の金属粒子含有層用の塗布液C2(ただし、金属粒子含有層用の塗布液C2における平板状銀分散液は、平板状銀分散液B1の調製において、平板状銀分散液A1の代わりに実施例6で調製した銀平板粒子の分散液を用いた以外は平板状銀分散液B1と同様の方法で調製したもの)に変更した以外は実施例6と同様にして、比較例15の熱線遮蔽材及び合わせガラスを作製した。
各実施例および比較例の熱線遮蔽材および合わせガラスについて、実施例1と同様にして、評価を行った。得られた結果を下記表1に記載した。
Figure 0006012527
上記表1より、本発明の熱線遮蔽材を用いた本発明の合わせガラスは、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができることがわかった。
一方、比較例1〜9より、全金属粒子の円相当径の変動係数が本発明で規定する上限値を超えると、金属粒子の面積被覆率が同程度に高い熱線遮蔽材を用いたときに可視光透過率が悪いことがわかった。
また、面積被覆率が60%を超える場合、全金属粒子の円相当径の変動係数が23%を超えると、平均粒子間距離が平均円相当径に対して小さくなってくるため、粒子間が凝集して熱線遮蔽能が不十分であることがわかった。
また、比較例10〜15より、金属粒子の面積被覆率が低い熱線遮蔽材を用いた場合は、全日射透過率TTSが高くなってしまうことがわかった。なお、比較例10〜15より、金属粒子の面積被覆率が低い熱線遮蔽材を用いた場合は、全金属粒子の円相当径の変動係数と、可視光透過率の相関関係はあまり見いだせず、本発明は特に金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合に有効であることもわかった。
以上の結果を明確化するために、上記表1に記載の熱線遮蔽材の性能(可視光透過率)と金属粒子の粒径の変動係数(CV値)の関係を、それぞれTTSが0.5および0.53の場合を図1に、TTSが0.65の場合を図2に示した。
[その他の評価]
<銀平板粒子分散液の評価>
実施例1において、銀平板粒子分散液A1中の粒子400個についてTEM画像を観察し、画像処理ソフトImageJを用いて画像処理を施し、六角形状乃至円形状を主とする平板状粒子をA、それ以外の不定形粒子をBとして画像解析を行ったところ、Aに該当する粒子個数の割合(個数%)は96%であった。また、その他の実施例においても同様に銀平板粒子分散液A1に相当する銀平板粒子分散液に含まれる粒子400個についてSEM画像を観察し、同様の評価を行ったところ、Aに該当する粒子個数の割合(個数%)はいずれも90%以上であった。
<熱線遮蔽材の評価>
(金属粒子含有層中の金属平板粒子の存在範囲の確認)
各実施例および比較例の熱線遮蔽材について、塗布膜をFIB加工することで多層構造の垂直方向断面試料を作製した。前記金属粒子含有層の厚みをdとしたとき、前記六角形状乃至円形状の金属平板粒子の80個数%以上が存在する範囲を断面TEM観察した画像から算出した。
その結果、各実施例および比較例の熱線遮蔽材は、前記六角形状乃至円形状の金属平板粒子の80個数%以上がλ/4の範囲に存在することを確認した。
(金属粒子含有層の粒子傾き角の確認)
上記FIB加加工により作製した垂直方向断面試料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して、100個の金属平板粒子の主平面について、基板の水平面に対する傾角(図5Aにおいて±θに相当)を平均値として算出した。
(評価基準)
A:傾角が±10°以下
B:傾角が±10°を超える
その結果、各実施例および比較例の熱線遮蔽材はA評価であった。
本発明の熱線遮蔽材は、金属粒子の面積被覆率が高い熱線遮蔽材を用いた場合にも、高い可視光透過率と低い全日射透過率TTSを両立することができ、遮熱性能が良好であるので、例えば自動車、バス等の乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体などとして、熱線の透過を防止することの求められる種々の部材として好適に利用可能である。
1 支持体
2 金属粒子含有層
3 金属粒子
14 金属酸化物粒子含有層
15 アンダーコート第1層
16 アンダーコート第2層
17 オーバーコート層
21 ガラス
22 中間膜
D 直径
L 厚み
f(λ) 粒子存在域厚み

Claims (7)

  1. 少なくとも金属粒子を含む金属粒子含有層を有し、
    前記金属粒子として少なくとも平板状金属粒子を含み、
    下記式(1)で表される面積被覆率が30%以上であり、
    全金属粒子の円相当径の変動係数が22%以下であり、
    前記金属粒子が、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を60個数%以上有することを特徴とする熱線遮蔽材。
    式(1) 面積被覆率=B/A×100%
    (Aは金属粒子含有層の表面に対して垂直方向から見たときの金属粒子含有層の正射影の面積を表し、Bは金属粒子含有層の表面に対して垂直方向から見たときの金属粒子の正射影の面積の合計を表す。)
  2. 前記式(1)で表される面積被覆率が40%以上である請求項1に記載の熱線遮蔽材。
  3. 前記金属粒子含有層の全金属粒子の円相当径の変動係数が18%以下である請求項1または2に記載の熱線遮蔽材。
  4. 前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属粒子の粒子間距離の変動係数が20%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材。
  5. 前記金属粒子が銀を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の熱線遮蔽材を含むことを特徴とする合わせガラス中間膜。
  7. 請求項に記載の合わせガラス中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする合わせガラス。
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