JP5878059B2 - 赤外線遮蔽フィルム - Google Patents

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本発明は、遮熱性能が良好な赤外線遮蔽フィルムに関する。
近年、二酸化炭素削減のための省エネルギー施策の一つとして、自動車や建物の窓に対する熱線遮蔽性付与材料が開発されている。
赤外線遮蔽フィルタとして、Ag平板粒子を用いたフィルタが提案されている(特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載の赤外線遮蔽フィルタはプラズマディスプレイパネル(PDP)に用いることを意図したものであり、かかるAg平板粒子は、その配列制御がなされていないことから、主に赤外域の波長光赤外線吸収体として機能し、積極的に熱線を反射する材料として機能するものではなかった。したがって、かかるAg平板粒子からなる赤外線遮蔽フィルタを直射日光の遮熱に使用すると、この赤外線吸収フィルタ自体が暖まることになり、その熱で室温が上昇してしまうために、赤外線遮蔽材としての機能は不十分であった。
特許文献2には粒状の銀を用いた波長選択膜が記載されている。特許文献2ではAgのスパッタリングおよび熱処理によって粒状の銀粒子が分布したAg層を形成しており、同文献の図3によれば粒状の銀粒子の形状は不定型のものが多かった。
一方、特許文献3には、略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子を60個数%以上有し、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の主平面が前記金属粒子含有層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している熱線遮蔽材が開示されている。特許文献4には金属粒子含有層の厚みの好ましい範囲について記載がなく、実施例では金属粒子含有層が0.1〜0.5μm、すなわち100〜500nmである態様が開示されていた。
特許文献4には、略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子を60個数%以上含有し、かつ前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子が二つの吸収ピークを有し、比較的広い範囲の波長領域を遮蔽する熱線遮蔽材が開示されている。
特開2007−178915号公報 特許第3454422号公報 特開2011−118347号公報 特開2011−253093号広報
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の赤外線遮蔽フィルターや、特許文献3に記載の日射反射フィルムは赤外線吸収型のため、太陽光の遮熱に使用すると赤外線吸収体が暖まってしまい、室内の温度上昇を起こしてしまう問題があった。また、窓ガラスに貼り合わせたとき、太陽光が当たる場所と当たらない場所で温度上昇が異なる影響でガラスが割れる(熱われ)などの問題が起こる問題があった。
特許文献2は粒状の銀で赤外線を遮蔽すると、スペクトルの半値巾が大きく、赤外線をシャープに遮蔽することができないため、太陽光のエネルギーが多い短波側の赤外線を十分に遮蔽できない問題があった。
特許文献3に記載の熱線遮蔽材は赤外線を反射でき、赤外線遮蔽フィルムとして有利になるものであった。しかしながら、特許文献3に記載の熱線遮蔽材の多くは形状の近い単一粒子を用いているため、広い波長の赤外線を遮蔽することができなかった。特許文献3の実施例34には、平均粒子径の変動係数の異なる2種の銀平板粒子を用いた態様が記載されているが、この実施態様では金属粒子含有層が厚く、金属粒子の性能を十分引き出せず、熱線反射の性能に不満が残ることがわかった。
特許文献4に記載の熱線遮蔽材は赤外線を反射でき、赤外線遮蔽フィルムとして有利になるものであった。しかしながら多層に銀粒子が塗布されており、かつ層間距離を厳密に制御する必要があるため、製造が複雑となり、コストと製造効率に課題があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決することを目的とする。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、広い範囲(800nmから2000nm)の赤外線を反射(熱線反射)し、吸収(熱線吸収)の少ない赤外線遮蔽フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属平板粒子の形状があまりにランダムであると熱線遮蔽性能に劣ることがわかった。
これに対し、本発明では、金属平板粒子を60個数%以上有し、800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層を形成することで、広い範囲(800nmから2000nm)の赤外線を反射(熱線反射)し、吸収(熱線吸収)の少ない赤外線遮蔽フィルムが得られることを見出すに至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。
[1] 少なくとも1種の金属粒子を含有する金属粒子含有層を有し、前記金属粒子が、金属平板粒子を60個数%以上有し、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
[2] [1]に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmの領域に少なくとも2つの透過ピークを有することが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、金属平板粒子を60個数%以上有し、かつ円相当平均直径の変動係数が35%以下である金属平板粒子を少なくとも2種類含むことが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子を60個数%以上有し、かつ該略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子の円相当平均直径の変動係数が35%以下であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層の少なくとも一方の界面と前記金属平板粒子の主平面とのなす角の平均値が30°以下であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、少なくとも1層の前記金属粒子含有層の厚みが10nm〜80nmであることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属平板粒子が、少なくとも銀を含むことが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、紫外線吸収剤が含まれていることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記赤外線遮蔽フィルムが粘着剤層を有し、前記粘着剤層または前記粘着剤層と前記金属粒子含有層の間の層に前記紫外線吸収剤が含まれることが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、前記金属平板粒子と金属酸化物粒子とがバインダー内に混合分散されてなる層であることが好ましい。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層と、金属酸化物を含む金属酸化物含有層とをそれぞれ少なくとも1層含むことが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、800nm〜2,500nmの波長帯域のうち、反射率が20%以上である波長帯域が800nm以上にわたることが好ましい。
[13] [1]〜[12]のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層が、基材であるポリマーフィルムの少なくとも一方の面上に配置されたことが好ましい。
本発明によれば、広い範囲(800nmから2000nm)の赤外線を反射(熱線反射)し、吸収(熱線吸収)の少ない熱線遮蔽フィルムを効率よく提供することができる。
図1Aは、本発明の赤外線遮蔽フィルムに含まれる平板粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、略円盤形状の平板粒子を示す。 図1Bは、本発明の赤外線遮蔽フィルムに含まれる平板粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、略六角形状の平板粒子を示す。 図2Bは、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図であって、金属平板粒子を含む金属粒子含有層(基材の平面とも平行)と略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の平面とのなす角度(θ)を説明する図を示す。 図2Cは、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図であって、金属粒子含有層の赤外線遮蔽フィルムの深さ方向における金属平板粒子の存在領域を示す図である。 図2Eは、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の一例を示した概略断面図である。 図2Fは、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図2Gは、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図3は、実施例2の赤外線遮蔽フィルムの反射スペクトルである。
以下、本発明の赤外線遮蔽フィルムについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[赤外線遮蔽フィルム]
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、少なくとも1種の金属粒子を含有する金属粒子含有層を有し、前記金属粒子が、金属平板粒子を60個数%以上有し、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有することを特徴とする。
このような構成とすることで、広い範囲(800nmから2000nm)の赤外線を反射(熱線反射)し、吸収(熱線吸収)を少なくすることができる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムの層構成としては、図2B、図2C、図2E、図2Fおよび図2Gに示すように、少なくとも1種の金属粒子を含有する金属粒子含有層2を有し、その表面に金属平板粒子3が偏在している態様が挙げられる。本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基材としてのポリマー層1を有していることも好ましい。
以下、本発明の赤外線遮蔽フィルムの好ましい態様について説明する。
<1.金属粒子含有層>
前記金属粒子含有層は、少なくとも1種の金属粒子を含有する金属粒子含有層を有し、前記金属粒子が、金属平板粒子を60個数%以上有し、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(光学特性)
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する。
但し、本明細書中、反射スペクトルのピーク数とは、任意の測定波長幅で得られた反射スペクトルを800〜2000nmの測定波長において5nm毎に測定し、前後2点を含めた5点の測定値の平均をその点の値とし、前後の点との差分の符号が正から負に変化する回数のことを言う。
同様に、吸収スペクトルのピーク数とは、任意の測定波長幅で得られた吸収スペクトルを800〜2000nmの測定波長において5nm毎に測定し、前後2点を含めた5点の測定値の平均をその点の値とし、前後の点との差分の符号が正から負に変化する回数のことを言う。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmの領域に少なくとも2つの透過ピークを有することが好ましい。
同様に、透過スペクトルのピーク数とは、任意の測定波長幅で得られた透過スペクトルを800〜2000nmの測定波長において5nm毎に測定し、前後2点を含めた5点の測定値の平均をその点の値とし、前後の点との差分の符号が正から負に変化する回数のことを言う。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、800nm〜2,500nmの波長帯域のうち、反射率が20%以上である波長帯域が600nm以上にわたることが好ましく、900nm以上にわたることがより好ましく、1200nm以上にわたることが特に好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記反射スペクトルのピーク数、前記吸収スペクトルのピーク数、前記透過スペクトルのピーク数はそれぞれ独立に2つであることがより好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムはこれらのようなスペクトルを有することにより、赤外光を広帯域にわたって反射(および/または吸収)することができる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムの日射反射率としては800nm〜2,500nmの範囲(好ましくは800nm〜1,800nm)で最大値を有することが、熱線反射率の効率を上げることができる点で好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムの可視光線透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。前記可視光線透過率が、60%未満であると、例えば、自動車用ガラスや建物用ガラスとして用いた時に、外部が見にくくなることがある。
本発明の赤外線遮蔽フィルムの紫外線透過率としては、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。前記紫外線透過率が、5%を超えると、太陽光の紫外線により前記金属平板粒子層の色味が変化することがある。
本発明の赤外線遮蔽フィルムのヘイズは、10%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。前記ヘイズが10%を超えると、例えば、自動車用ガラスや建物用ガラスとして用いた時に外部が見にくくなるなど、安全上好ましくないことがある。
−1−1.金属粒子−
前記金属粒子は金属平板粒子を60個数%以上有する。
前記金属粒子含有層の厚みをdとしたとき、前記金属平板粒子の80個数%以上が前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在していることが好ましく、前記金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/3の範囲に存在することがより好ましい。
なお、前記金属粒子含有層の一方の表面は、フラットな平面であることが好ましい。本発明の赤外線遮蔽フィルムの前記金属粒子含有層が仮支持体としての基材を有する場合は、基材の表面とともに略水平面であることが好ましい。ここで、前記赤外線遮蔽フィルムは、前記仮支持体を有していてもよく、有していなくてもよい。
前記金属粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、500nm以下の平均粒子径を有するものであってもよい。
前記金属粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線(近赤外線)の反射率が高い点から、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金などが好ましく、銀がより好ましい。
−1−2.金属平板粒子−
前記金属平板粒子としては、2つの主平面からなる粒子(図1A及び図1B参照)であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略六角形状、略円盤形状、略三角形状などが挙げられる。これらの中でも、可視光透過率が高い点で、略六角形状以上の多角形状〜略円盤形状であることがより好ましく、略六角形状または略円盤形状であることが特に好ましい。
本明細書中、略円盤形状とは、後述する銀平板粒子の平均円相当径の10%以下の凹凸を無視したときに、平均円相当径の50%以上の長さを有する辺の個数が1個の銀平板粒子当たり0個である形状のことを言う。前記略円盤形状の金属平板粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で金属平板粒子を主平面の上方から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本明細書中、略六角形状とは、後述する銀平板粒子の平均円相当径の10%以下の凹凸を無視したときに、平均円相当径の20%以上の長さを有する辺の個数が1個の銀平板粒子当たり6個である形状のことを言う。なお、その他の多角形についても同様である。前記略六角形状の金属平板粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)またはSEMで金属平板粒子を主平面の上方から観察した際に、略六角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状の角が鋭角のものでも、鈍っているものでもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、角が鈍っているものであることが好ましい。角の鈍りの程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属平板粒子の材料としては、特に制限はなく、前記金属粒子と同じものを目的に応じて適宜選択することができる。前記金属平板粒子は、少なくとも銀を含むことが好ましい。
前記金属粒子含有層に存在する金属粒子のうち、略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子は、金属粒子の全個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上がより好ましく、70個数%以上が更に好ましい。前記金属平板粒子の割合が、60個数%未満であると、可視光線透過率が低くなってしまうことがある。
[1−2−1.面配向]
前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子は、その主平面が金属粒子含有層の一方の表面(赤外線遮蔽フィルムが基材を有する場合は、基材表面)に対して、平均0°〜±30°の範囲で面配向しており、平均0°〜±20°の範囲で面配向していることが好ましく、平均0°〜±5°の範囲で面配向していることが特に好ましい。
前記金属平板粒子の存在状態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する図2F、図2Gのように並んでいることが好ましい。
ここで、図2B、図2C、図2E、図2F、図2Gは、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の存在状態を示した概略断面図である。図2Bは、基材1の平面と金属平板粒子3の平面とのなす角度(±θ)を説明する図である。図2Cは、金属粒子含有層2の赤外線遮蔽フィルムの深さ方向における存在領域を示すものである。図2E、図2Fおよび図2Gは、金属粒子含有層2中における金属平板粒子3の存在状態を示す。
図2Bにおいて、基材1の表面と、金属平板粒子3の主平面または主平面の延長線とのなす角度(±θ)は、前記の面配向における所定の範囲に対応する。即ち、面配向とは、赤外線遮蔽フィルムの断面を観察した際、図2Bに示す傾角(±θ)が小さい状態をいい、特に、図2Fは、基材1の表面と金属平板粒子3の主平面とが接している状態、即ち、θが0°である状態を示す。基材1の表面に対する金属平板粒子3の主平面の面配向の角度、即ち図2Bにおけるθが±30°を超えると、赤外線遮蔽フィルムの所定の波長(例えば、可視光域長波長側から近赤外光領域)の反射率が低下してしまう。
[1−2−2.平均粒子径(平均円相当径)及び平均粒子径(平均円相当径)の粒度分布の変動係数]
前記金属平板粒子の平均粒子径(平均円相当径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70nm〜500nmが好ましく、100nm〜400nmがより好ましい。
ここで、前記平均粒子径(平均円相当径)とは、TEMで粒子を観察して得た像から任意に選んだ200個の平板粒子の主平面直径(最大長さ)の平均値を意味する。
前記金属粒子含有層中に平均粒子径(平均円相当径)が異なる2種以上の金属粒子を含有することができ、この場合、金属粒子の平均粒子径(平均円相当径)のピークが2つ以上有していてもよい。
さらに本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、金属平板粒子を60個数%以上有し、かつ円相当平均直径の変動係数が35%以下である金属平板粒子を少なくとも2種類含むことが好ましい。
また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子を60個数%以上有し、かつ該略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子の円相当平均直径の変動係数が35%以下であることが好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、金属平板粒子の粒度分布における変動係数の上限値は、35%以下であることが好ましく、33%以下であることがより好ましく、30%以下であることが特に好ましい。
ここで、前記金属平板粒子の粒度分布における変動係数は、例えば前記の通り得た平均値の算出に用いた200個の金属平板粒子の粒子径の分布範囲をプロットし、粒度分布の標準偏差を求め、前記の通り得た主平面直径(最大長さ)の平均値(平均粒子径(平均円相当径))で割った値(%)である。
[1−2−3.金属平板粒子の厚み・アスペクト比]
前記金属平板粒子のアスペクト比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、波長800nm〜2,000nmの赤外光領域での反射率が高くなる点から、8〜40が好ましく、10〜35がより好ましい。前記アスペクト比が8未満であると反射波長が800nmより小さくなり、40を超えると、反射波長が1,800nmより長くなり、十分な熱線反射能が得られないことがある。
前記アスペクト比は、金属平板粒子の平均粒子径(平均円相当径)を金属平板粒子の平均粒子厚みで除算した値を意味する。平均粒子厚みは、金属平板粒子の主平面間距離に相当し、例えば、図1A及び図1Bに示す通りであり、原子間力顕微鏡(AFM)により測定することができる。
前記AFMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板に金属平板粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させて、粒子1個の厚みを測定する方法などが挙げられる。
なお、前記金属平板粒子の厚みは5〜20nmであることが好ましく、5〜12nmであることがより好ましい。
[1−2−4.金属平板粒子の存在範囲]
なお、前記金属粒子含有層は、前記金属粒子含有層の厚みをdとしたとき、前記金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在していることが好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもなく、また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは以下の製造方法に限定されるものではないが、前記金属粒子含有層を製造するときに特定のポリマー(好ましくはラテックス)を添加することなどにより、金属平板粒子を前記金属粒子含有層の一方の表面に偏析させることができる。
ここで、前記金属粒子含有層中の金属平板粒子存在分布は、例えば、赤外線遮蔽フィルムの断面試料をSEM観察した画像より測定することができる。
前記金属粒子含有層における金属平板粒子を構成する金属のプラズモン共鳴波長λは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線反射性能を付与する点で、400nm〜2,500nmであることが好ましく、可視光透過率を付与する点から、700nm〜2,000nmであることがより好ましい。
[1−2−5.金属粒子含有層の媒質]
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層における媒質としてポリマーを含むことが好ましい。このような構成により、前記金属粒子含有層と前記ポリマーフィルムの密着がJIS K5600−5−6に定められたクロスカットセロテープ剥離試験で2点以下であるように制御しやすくすることができる。
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、前記ポリマーの主ポリマーがポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂であることが前記略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子の80個数%以上を前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在させやすい観点からより好ましい。
また、本明細書中、前記金属粒子含有層に含まれる前記ポリマーの主ポリマーとは、前記金属粒子含有層に含まれるポリマーの50質量%以上を占めるポリマー成分のことを言う。
前記赤外線遮蔽フィルムは、前記金属粒子含有層に含まれる前記金属粒子に対する前記ポリエステル樹脂の含有量が1〜10000質量%であることが好ましく、10〜1000質量%であることがより好ましく、20〜500質量%であることが特に好ましい。
前記媒質の屈折率nは、1.4〜1.7であることが好ましい。
前記赤外線遮蔽フィルムは、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の厚みをaとしたとき、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の80個数%以上が、厚み方向のa/10以上を前記ポリマーに覆われていることが好ましく、厚み方向のa/10〜10aを前記ポリマーに覆われていることがより好ましく、a/8〜4aを前記ポリマーに覆われていることが特に好ましい。このように前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子が前記金属粒子含有層に一定割合以上埋没していることにより、よりこすり耐性を高めることができる。すなわち、前記赤外線遮蔽フィルムは、図5Gの態様よりも、図5Fの態様の方が好ましい。
[1−2−6.金属平板粒子の面積率]
前記赤外線遮蔽フィルムを上から見た時の基材の面積A(金属粒子含有層に対して垂直方向から見たときの前記金属粒子含有層の全投影面積A)に対する金属平板粒子の面積の合計値Bの割合である面積率〔(B/A)×100〕としては、10%以上60%未満が好ましく、20%以上60%未満がより好ましく、30%以上50%未満が特に好ましい。前記面積率が、10%未満であると、熱線の最大反射率が低下してしまい、遮熱効果が十分に得られないことがある。
ここで、前記面積率は、例えば赤外線遮蔽フィルムを上からSEM観察で得られた画像や、AFM(原子間力顕微鏡)観察で得られた画像を画像処理することにより測定することができる。
[1−2−7.金属平板粒子の平均粒子間距離]
前記金属粒子含有層における水平方向に隣接する金属平板粒子の平均粒子間距離としては、可視光線透過率及び熱線の最大反射率の点から、金属平板粒子の平均粒子径の1/10以上が好ましい。
前記金属平板粒子の水平方向の平均粒子間距離が、前記金属平板粒子の平均粒子径の1/10未満となると、熱線の最大反射率が低下してしまう。
ここで、前記金属平板粒子の水平方向の平均粒子間距離とは、隣り合う2つの粒子の粒子間距離の平均値を意味する。また、前記平均粒子間距離がランダムであるとは、「100個以上の金属平板粒子が含まれるSEM画像を二値化した際の輝度値の2次元自己相関を取ったときに、原点以外に有意な極大点を持たない」ことを意味する。
[1−2−8.金属粒子含有層の層構成]
本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子は、図2B、図2C、図2E〜図2Gに示すように、金属平板粒子を含む金属粒子含有層の形態で配置される。
前記金属粒子含有層としては、図52、図2C、図2E〜図2Gに示すように単層で構成されてもよく、複数の金属粒子含有層で構成されてもよい。複数の金属粒子含有層で構成される場合、遮熱性能を付与したい波長帯域に応じた遮蔽性能を付与することが可能となる。なお、前記金属粒子含有層が複数の金属粒子含有層で構成される場合、前記赤外線遮蔽フィルムは、少なくとも最表面の金属粒子含有層において、該最表面の金属粒子含有層の厚みをd’としたとき、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の80個数%以上が、該最表面の金属粒子含有層の表面からd’/2の範囲に存在することが好ましい。
前記金属粒子含有層の厚みは、少なくとも1層の前記金属粒子含有層の厚みが10〜80nmであることが好ましく、20〜80nmであることがより好ましく、20〜75nmであることが特に好ましい。前記金属粒子含有層の厚みdは、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の厚みをaとしたとき、a〜10aであることが好ましく、2a〜8aであることがより好ましい。前記金属粒子含有層の厚みは、すべての前記金属粒子含有層の厚みの合計が上記範囲内であることが特に好ましい。
ここで、前記金属粒子含有層の各層の厚みは、例えば、赤外線遮蔽フィルムの断面試料をSEM観察した画像より測定することができる。
また、赤外線遮蔽フィルムの前記金属粒子含有層の上に、例えば後述するオーバーコート層などの他の層を有する場合においても、他の層と前記金属粒子含有層の境界は同様の方法によって決定することができ、前記金属粒子含有層の厚みdを決定することができる。なお、前記金属粒子含有層に含まれるポリマーと同じ種類のポリマーを用いて、前記金属粒子含有層の上にコーティングをする場合は通常はSEM観察した画像によって前記金属粒子含有層との境界を判別できることができ、前記金属粒子含有層の厚みdを決定することができる。
[1−2−10.金属平板粒子の合成方法]
前記金属平板粒子の合成方法としては、略六角形状〜略円盤形状を合成し得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが挙げられる。これらの中でも、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法、光化学還元法などの液相法が特に好ましい。六角形〜三角形状の金属平板粒子を合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、六角形〜三角形状の金属平板粒子の角を鈍らせて、略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子を得てもよい。
前記金属平板粒子の合成方法としては、前記の他、予めフィルム、ガラスなどの透明基材の表面に種晶を固定後、平板状に金属粒子(例えばAg)を結晶成長させてもよい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子は、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。前記更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高屈折率シェル層の形成、分散剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することなどが挙げられる。
−1−2−10−1.高屈折率シェル層の形成−
前記金属平板粒子は、可視光域透明性を更に高めるために、可視光域透明性が高い高屈折率材料で被覆されてもよい。
前記高屈折率材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiOx、BaTiO3、ZnO、SnO2、ZrO2、NbOxなどが挙げられる。
前記被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Langmuir、2000年、16巻、p.2731−2735に報告されているようにテトラブトキシチタンを加水分解することにより銀の金属平板粒子の表面にTiOx層を形成する方法であってもよい。
また、前記金属平板粒子に直接高屈折率金属酸化物層シェルを形成することが困難な場合は、前記の通り金属平板粒子を合成した後、適宜SiO2やポリマーのシェル層を形成し、更に、このシェル層上に前記金属酸化物層を形成してもよい。TiOxを高屈折率金属酸化物層の材料として用いる場合には、TiOxが光触媒活性を有することから、金属平板粒子を分散するマトリクスを劣化させてしまう懸念があるため、目的に応じて金属平板粒子にTiOx層を形成した後、適宜SiO2層を形成してもよい。
−1−2−10−2.各種添加物の添加−
本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、金属平板粒子は、該金属平板粒子を構成する銀などの金属の酸化を防止するために、メルカプトテトラゾール、アスコルビン酸等の酸化防止剤を吸着していてもよい。また、酸化防止を目的として、Ni等の酸化犠牲層が金属平板粒子の表面に形成されていてもよい。また、酸素を遮断することを目的として、SiO2などの金属酸化物膜で被覆されていてもよい。
前記金属平板粒子は、分散性付与を目的として、例えば、4級アンモニウム塩、アミン類等のN元素、S元素、及びP元素の少なくともいずれかを含む低分子量分散剤、高分子量分散剤などの分散剤を添加してもよい。
<<2.基材>>
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基材であるポリマーフィルムを有し、前記金属粒子含有層と前記ポリマーフィルムの密着がJIS K5600−5−6に定められたクロスカットセロテープ剥離試験で2点以下であることを特徴とする。
前記赤外線遮蔽フィルムは、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子の80個数%以上が偏在している方の前記金属粒子含有層の表面とは反対側の表面に、基材を有することが好ましい。
前記基材としては、光学的に透明な基材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可視光線透過率が70%以上のもの、好ましくは80%以上のもの、近赤外線域の透過率が高いものなどが挙げられる。
前記基材としては、ポリマーフィルムであること以外はその形状、構造、大きさ、材料などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記赤外線遮蔽フィルムの大きさなどに応じて適宜選択することができる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムに用いられる前記基材の材料としては、ポリマーフィルムであること以外は特に制限はなく、様々な透明プラスチックフィルムの中から、状況に応じて適宜選択することができる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;セルロースアセテート等のセルロース系樹脂などからなるフィルム;又はこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。
この基材フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、日射遮蔽フィルムの使用目的に応じて適宜選択することができ、通常は10μm〜500μm程度であり、12μm〜300μmが好ましく、16μm〜125μmがより好ましい。
<3.その他の層>
<<3−1.粘着層>>
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、粘着層を有することが好ましい。前記粘着層は、紫外線吸収剤を含むことができる。
前記粘着層の形成に利用可能な材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの材料からなる粘着層は、塗布により形成することができる。
さらに、前記粘着層には帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などを添加してもよい。
前記粘着層の厚みとしては、0.1μm〜30μmが好ましい。
<<3−2.ハードコート層>>
耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有するハードコート層を含むことも好適である。ハードコート層には金属酸化物粒子を含むことができる。
前記ハードコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜その種類も形成方法も選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。前記ハードコート層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましい。前記ハードコート層上に更に反射防止層及び/又は防眩層を形成すると、耐擦傷性に加え、反射防止性及び/又は防眩性を有する機能性フィルムが得られ好適である。また、前記ハードコート層に前記金属酸化物粒子を含有してもよい。
<<3−3.オーバーコート層>>
本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて、物質移動による金属平板粒子の酸化・硫化を防止し、耐擦傷性を付与するため、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子が露出している方の前記金属粒子含有層の表面に密接するオーバーコート層を有していてもよい。また、前記金属粒子含有層と後述の紫外線吸収層との間にオーバーコート層を有していてもよい。本発明の赤外線遮蔽フィルムは特に金属平板粒子が金属粒子含有層の表面に偏在するため場合は、金属平板粒子の剥落による製造工程のコンタミ防止、別層塗布時の金属平板粒子配列乱れの防止、などのため、オーバーコート層を有していてもよい。
前記オーバーコート層には紫外線吸収剤を含んでもよい。
前記オーバーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、バインダー、マット剤、及び界面活性剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。
前記オーバーコート層の厚みとしては、0.01μm〜1,000μmが好ましく、0.02μm〜500μmがより好ましく、0.1〜10μmが特に好ましく、0.2〜5μmがより特に好ましい。
<3−4.紫外線吸収剤>
前記紫外線吸収剤を含有する層は、目的に応じて適宜選択することができ、粘着層であってもよく、また、前記粘着層と前記金属粒子含有層との間の層(例えば、オーバーコート層など)であってもよい。いずれの場合も、前記紫外線吸収剤は、前記金属粒子含有層に対して、太陽光が照射される側に配置される層に添加されることが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール(チヌビン326)、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジターシャリーブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記トリアジン系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物、ビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物、トリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物などが挙げられる。
前記モノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記ビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−プロピルオキシフェニル)−6−(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシヘプタエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記トリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−6−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−6−[2,4−ビス[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、2−エチルヘキシルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視光透明性や日射透明性が高い方が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。なお、バインダーが熱線を吸収すると、金属平板粒子による反射効果が弱まってしまうことから、熱線源と金属平板粒子との間に形成される紫外線吸収層としては、450nm〜1,500nmの領域に吸収を持たない材料を選択したり、該紫外線吸収層の厚みを薄くしたりすることが好ましい。
前記紫外線吸収層の厚みとしては、0.01μm〜1,000μmが好ましく、0.02μm〜500μmがより好ましい。前記厚みが、0.01μm未満であると、紫外線の吸収が足りなくなることがあり、1,000μmを超えると、可視光の透過率が下がることがある。
前記紫外線吸収層の含有量としては、用いる紫外線吸収層によって異なり、一概に規定することができないが、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいて所望の紫外線透過率を与える含有量を適宜選択することが好ましい。
前記紫外線透過率としては、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。前記紫外線透過率が、5%を超えると、太陽光の紫外線により前記金属平板粒子層の色味が変化することがある。
<<3−5.金属酸化物粒子>>
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、長波赤外線を吸収するために、少なくとも1種の金属酸化物粒子を含有することが、熱線遮蔽と製造コストのバランスの観点から、好ましい。本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、前記金属平板粒子と金属酸化物粒子とがバインダー内に混合分散されてなる層であることが好ましい。一方、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層と、金属酸化物を含む金属酸化物含有層とをそれぞれ少なくとも1層含むことも好ましい。さらに、本発明の赤外線遮蔽フィルムでは、前記金属酸化物粒子を含有する層が、前記金属粒子含有層の前記略六角形状〜略円盤形状の金属平板粒子が露出している方の前記金属粒子含有層の表面とは反対側の表面側に、有することが好ましい。この場合、例えばオーバーコート層に金属酸化物粒子を含むことが好ましい。オーバーコート層は、基材を介して、前記金属酸化物粒子含有層と積層されていてもよい。このような構成であると、金属平板粒子含有層が太陽光などの熱線の入射方向側となるように本発明の赤外線遮蔽フィルムを配置したときに、金属平板粒子含有層で熱線の一部(または全部でもよい)を反射した後、オーバーコート層で熱線の一部を吸収することとなり、金属酸化物含有層で吸収されずに赤外線遮蔽フィルムを透過した熱線に起因して赤外線遮蔽フィルムの内側で直接受ける熱量と、赤外線遮蔽フィルムの金属酸化物含有層で吸収されて間接的に赤外線遮蔽フィルムの内側に伝わる熱量の合計としての熱量を低減することができる。すなわち、金属酸化物含有層を設けることで、広い範囲(800nmから2000nm)の赤外線の吸収(熱線吸収)の少ない熱線遮蔽フィルムを提供することができる。
前記金属酸化物粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錫ドープ酸化インジウム(以下、「ITO」と略記する。)、錫ドープ酸化アンチモン(以下、「ATO」と略記する。)、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン、ガラスセラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、熱線吸収能力に優れ、銀平板粒子と組み合わせることにより幅広い熱線吸収能を有する赤外線遮蔽フィルムが製造できる点で、ITO、ATO、酸化亜鉛がより好ましく、1,200nm以上の赤外線を90%以上遮蔽し、可視光透過率が90%以上である点で、ITOが特に好ましい。
前記金属酸化物粒子の一次粒子の体積平均粒径としては、可視光透過率を低下させないため、0.1μm以下が好ましい。
前記金属酸化物粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、針状、板状などが挙げられる。
前記金属酸化物粒子の前記金属酸化物粒子含有層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1g/m2〜20g/m2が好ましく、0.5g/m2〜10g/m2がより好ましく、1.0g/m2〜4.0g/m2がより好ましい。
前記含有量が、0.1g/m2未満であると、肌に感じる日射量が上昇することがあり、20g/m2を超えると、可視光透過率が悪化することがある。一方、前記含有量が、1.0g/m2〜4.0g/m2であると、上記2点を回避できる点で有利である。
なお、前記金属酸化物粒子の前記金属酸化物粒子含有層における含有量は、例えば、前記熱線遮蔽層の超箔切片TEM像及び表面SEM像の観察から、一定面積における金属酸化物粒子の個数及び平均粒子径を測定し、該個数及び平均粒子径と、金属酸化物粒子の比重とに基づいて算出した質量(g)を、前記一定面積(m2)で除することにより算出することができる。また、前記金属酸化物粒子含有層の一定面積における金属酸化物微粒子をメタノールに溶出させ、蛍光X線測定により測定した金属酸化物微粒子の質量(g)を、前記一定面積(m2)で除することにより算出することもできる。
<4.赤外線遮蔽フィルムの製造方法>
本発明の赤外線遮蔽フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布方法により、前記基材の表面に前記金属粒子含有層、前記紫外線吸収層、更に必要に応じてその他の層を形成する方法が挙げられる。
−4−1.金属粒子含有層の形成方法−
本発明の金属粒子含有層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材などの下層の表面上に、前記金属平板粒子を有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法が挙げられる。本発明の赤外線遮蔽フィルムを製造するとき、後述の実施例で用いた金属粒子含有層の組成とし、ラテックスを添加する等によって、前記略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在するようにすることが好ましい。前記略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子の80個数%以上が、前記金属粒子含有層の表面からd/3の範囲に存在するようにすることがより好ましい。前記ラテックスの添加量に特に制限は無いが、例えば銀平板粒子に対して、1〜10000質量%添加することが好ましく、10〜1000質量%添加することがより好ましく、20〜500質量%添加することが特に好ましい。
なお、面配向を促進するために、金属平板粒子を塗布後、カレンダーローラーやラミローラーなどの圧着ローラーを通すことにより促進させてもよい。
本発明では、前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有するように制御する方法としては特に制限はなく、平均粒子径(平均円相当径)の変動係数が大きくなるように金属平板粒子を有する分散液中に含まれる金属平板粒子の形状を制御してもよく、平均粒子径(平均円相当径)の変動係数が小さい金属平板粒子を有する分散液を2種以上混合して制御してもよい。
本発明では前記金属粒子含有層中に平均粒子径(平均円相当径)が異なる2種以上の金属粒子を含有する場合、平均粒子径(平均円相当径)の変動係数が小さい(平均円相当径がある程度揃った)金属粒子分散液を2種以上用い、金属粒子の平均粒子径(平均円相当径)のピークが2つ以上となるように調製し、金属粒子含有層を形成することが好ましい。このような構成とすることにより、2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有するようにスペクトルを制御くしやすく、好ましい。
具体的には、反射スペクトルおよび/または吸収スペクトルのピークが2以上となるように制御する観点からは、平均粒子径(平均円相当径)の差が50〜300nm異なり、ともに平均粒子径(平均円相当径)の変動係数が前述の好ましい範囲内である2種以上の金属粒子を含有させることが好ましく、平均粒子径(平均円相当径)の差が100〜300nm異なることがより好ましい。
−4−2.オーバーコート層の形成方法−
オーバーコート層は、塗布により形成することが好ましい。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、前記紫外線吸収剤を含有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法などが挙げられる。
−4−3.ハードコート層の形成方法−
ハードコート層は、塗布により形成することが好ましい。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、前記紫外線吸収剤を含有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法などが挙げられる。
−4−4.粘着層の形成方法−
前記粘着層は、塗布により形成することが好ましい。例えば、前記基材、前記金属粒子含有層、前記紫外線吸収層などの下層の表面上に積層することができる。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
−4−5.ドライラミネーションによる粘着剤層積層−
本発明の赤外線遮蔽フィルムを使って、既設窓ガラスの類に機能性付与する場合は、粘着剤を積層してガラスの室内側に貼り付ける。その際、反射層をなるべく太陽光側に向けた方が発熱を防ぐことになるので、銀ナノディスク粒子層の上に粘着剤層を積層し、その面から窓ガラスへ貼合するのが適切である。
銀ナノディスク層表面への粘着剤層積層に当っては、当該表面に直接粘着剤入りの塗布液を塗工することもできるが、粘着剤に含まれる各種添加剤、可塑剤や、使用溶剤などが、場合によっては銀ナノディスク層の配列を乱したり、銀ナノディスク自身を変質させたりすることがある。そうした弊害を最小限に留めるためには、粘着剤を予め離型フィルム上に塗工及び乾燥させたフィルムを作製しておいて、当該フィルムの粘着剤面と本発明フィルムの銀ナノディスク層表面とをラミネートすることにより、ドライな状態のままの積層をすることが有効である。
[貼合せ構造体]
本発明の赤外線遮蔽フィルムと、ガラス及びプラスチックのいずれかとを貼り合わせてなる貼合せ構造体を製造することができる。
前記貼合せ構造体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上述のように製造した本発明の赤外線遮蔽フィルムを、自動車等の乗り物用ガラスまたはプラスチックや、建材用ガラスまたはプラスチックに貼合せる方法などが挙げられる。
[赤外線遮蔽フィルム及び貼合せ構造体の使用態様]
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、熱線(近赤外線)を選択的に反射または吸収するために使用される態様であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体、農業用フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、省エネルギー効果の点で、乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体であることが好ましい。
なお、本発明において、熱線(近赤外線)とは、太陽光に約50%含まれる近赤外線(780nm〜1,800nm)を意味する。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[比較例1]
−金属平板粒子の合成−
2.5mMのクエン酸ナトリウム水溶液500mLに8g/Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を25mL添加し、35℃まで加熱した。この溶液に3mMの水素化ほう素ナトリウム水溶液を30mL添加し、0.5mMの硝酸銀水溶液(Ag−1)300mLを20mL/minで攪拌しながら添加した。この溶液を30分間攪拌した後、2.5mMのクエン酸ナトリウム水溶液500mLと5.0mMのアスコルビン酸水溶液を25mL添加した。さらに0.5mMの硝酸銀水溶液(Ag−2)300mLを10mL/minの速度で攪拌しながら添加した。30分間攪拌した後、0.35Mのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液を284mLおよび14質量%のゼラチン水溶液400gを反応釜に添加した。次に、0.305Mの亜硫酸ナトリウム水溶液343mLと0.588Mの硝酸銀水溶液343mLを混合してできた亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を添加した。この溶液を300分間攪拌し、銀平板粒子分散液B1を得た。
得られた銀平板粒子分散液B1中の金属粒子について以下の方法で特性を評価したところ、この銀平板粒子分散液B1中には、平均円相当径105nmの銀の六角平板粒子(以下、六角銀平板粒子と称する)が生成していることを確認した。
−金属粒子の評価−
(平板粒子の割合、平均粒子径(平均円相当径)、変動係数)
Ag平板粒子の形状均一性は、観察したSEM画像から任意に抽出した200個の粒子の形状を、略六角形状及び略円盤形状のいずれかの粒子をA、涙型などの不定形形状及び略六角形未満の多角形状の粒子をBとして画像解析を行い、Aに該当する粒子個数の割合(個数%)を求めた。得られた結果を下記表1に記載した。
また同様にAに該当する粒子100個の粒子径をデジタルノギスで測定し、その平均値を平板粒子Aの平均粒子径(平均円相当径)とした。得られた結果を下記表1に記載した。
粒径分布の標準偏差を平均粒子径(平均円相当径)で割った平板粒子Aの平均円相当直径(粒度分布)の変動係数(%)を求めた。得られた結果を下記表1に記載した。
(平均粒子厚み)
得られた銀平板粒子分散液B1を、ガラス基板上に滴下して乾燥し、Aに該当する金属平板粒子1個の厚みを、原子間力顕微鏡(AFM)(NanocuteII、セイコーインスツル社製)を用いて測定した。なお、AFMを用いた測定条件としては、自己検知型センサー、DFMモード、測定範囲は5μm、走査速度は180秒/1フレーム、データ点数は256×256とした。得られたデータの平均値を平板粒子Aの平均粒子厚みとした。得られた結果を下記表1に記載した。
あわせて得られたAに該当する金属平板粒子の平均粒子径(平均円相当径)及び平均粒子厚みから、平均粒子径(平均円相当径)を平均粒子厚みで除算して、平板粒子Aのアスペクト比を算出した。得られた結果を下記表1に記載した。
−金属粒子含有層の作製−
500mLの前記銀平板粒子分散液B1を、遠心分離器(コクサン社製H−200N、アンブルローターBN)で7,000rpm30分間遠心分離を行い、六角銀平板粒子を沈殿させた。遠心分離後の上澄み液450mLを捨て、純水を200mL添加し、沈殿した六角銀平板粒子を再分散させ、銀平板分散液を調製した。
さらに以下の化合物を添加して塗布液1を調製した。
塗布液1の組成:
・銀平板粒子分散液B1 160ml(銀2.8g)
・ポリエステル樹脂バインダー:プラスコートZ−687(互応化学工業株式会社製)
100g
・カルボジイミド系架橋剤:カルボジライトV−02−L2(日清紡ホールディングス(株)社製)
8.8g
・界面活性剤A:ラピゾールA−90(日油株式会社製) 9.6g
・界面活性剤B:ナロアクティーHN−100(三洋化成工業株式会社製)
12.0g
・純水 300cc
この塗布液1をワイヤー塗布バーNo.6(R.D.S Webster N.Y.社製)を用いてPETフィルム(コスモシャインA4300、東洋紡(株)製、厚み:75μm)上に塗布し、乾燥させて、表面に六角銀平板粒子が固定されたフィルムを得た。
以上により、比較例1の赤外線遮蔽フィルムを作製した。
(被覆率)
得られた比較例1の赤外線遮蔽フィルムについて、金属粒子含有層の被覆率を以下の方法で測定した。
銀平板粒子を含む層を塗布、乾燥後、その表面を日立製作所製S4300走査型電子顕微鏡を用いて表面SEM像を観察し、その単位面積中の銀平板粒子の投影面積の割合を、被覆率として求めた。
得られた被覆率を下記表1に記載した。
(平板粒子の存在領域の厚み)
得られた比較例1の赤外線遮蔽フィルムについて、六角銀平板粒子の存在領域の厚みを以下の方法で測定した。
エポキシ樹脂にて塗布試料を包埋した後、ミクロトームを用いて超薄切片を作成した後、日立ハイテクノロジーズ社製S−5500型FE−SEMを用いて、SEM観察を行った。その結果、金属粒子含有層の厚みは70nmであった。また、六角銀平板粒子は金属粒子含有層の上部に、PETフィルムにほぼ平行に配列していた。
(金属粒子含有層の特性)
得られた比較例1の赤外線遮蔽フィルムについて、金属粒子含有層の反射ピーク数と吸収ピーク数を以下の方法で数え、測定した。
赤外線遮蔽フィルムの反射および吸収スペクトルを日立製作所製U3500分光光度計を用いて5nm毎に測定し、前後2点を含めた5点の測定値の平均をその点の値とし、前後の点との差分の符号が正から負に変化する場合をピークとした。
得られた金属粒子含有層の反射ピーク数と吸収ピーク数を下記表1に記載した。
[比較例2]
比較例1において0.5mMの硝酸銀水溶液(Ag−1)の添加量を75mLに変更した以外は、比較例1と同様にして銀平板粒子分散液B2を調製し、銀平板粒子分散液B2を用いた以外は比較例1と同様にして塗布液2を調製した。塗布液2を用いた以外は比較例1と同様にして、下記表1に示す構成の比較例2の赤外線遮蔽フィルムを調製した。
[比較例3]
比較例1において0.5mMの硝酸銀水溶液(Ag−1)の添加量を120mLに変更したこと、0.882Mの亜硫酸ナトリウム水溶液343mLと0.588Mの硝酸銀水溶液343mLを混合してできた亜硫酸銀の白色沈殿物混合液を添加したこと以外は比較例1と同様にして、塗布液3を調製した。塗布液3を用いた以外は比較例1と同様にして、下記表1に示す構成の比較例3の赤外線遮蔽フィルムを調製した。
[実施例1]
比較例1の中で調製した銀平板粒子分散液B1と比較例2の中で調製した銀平板粒子分散液B2を1:1の重量比で混合して、銀粒子分散液4を得た以外は、比較例1と同様にして塗布液4を調製した。塗布液4を用いた以外は比較例1と同様にして、下記表1に示す実施例1の赤外線遮蔽フィルムを調製した。
[比較例4、5、6および実施例2]
比較例1、2、3および実施例1において、塗布液1〜4の調製に使用する各銀平板粒子分散液の量を240mL(銀4.2g)に変更し、純水の添加量を220ccとした以外は、比較例1、2、3および実施例1と同様にして、下記表1に示す構成の比較例4、5、6および実施例2の赤外線遮蔽フィルムを調製した。
[比較例7、8、9および実施例3]
比較例4、5、6および実施例2において、PETフィルム銀平板粒子分散液の塗布面とは裏側の面に、ITOハードコート塗布液(三菱マテリアル株式会社製EI−1)を乾燥後の層厚み1.5μmとなるようワイヤー塗布バーNo.10(R.D.S Webster N.Y.社製)を用いて塗布して金属酸化物粒子含有層を設け、表1に示す比較例7、8、9および実施例3の赤外線遮蔽フィルムを調製した。なお、以下のようにして測定した前記ITO粒子の前記金属酸化物粒子含有層における含有量は、3.0g/m2であることが分かった。
−ITO粒子の含有量の測定−
前記ITO粒子の赤外線遮蔽フィルム全体の質量に対する含有量は、熱線遮蔽赤外線遮蔽フィルム全体の一定面積におけるITO粒子をメタノールに溶出させ、蛍光X線測定によりITO粒子の質量を測定し、その質量を前記一定面積で除することにより算出した。
[実施例4]
−紫外線吸収層用の塗布液U1の調製−
下記に示す組成の紫外線吸収層用の塗布液U1を調製した。
紫外線吸収層用の塗布液U1の組成:
紫外線吸収剤:チヌビン326 10質量部
(チバ・ジャパン社製)
バインダー:10質量%ポリビニルアルコール溶液 10質量部
水 30質量部
これらを混合し、ボールミルを用いて体積平均粒径を0.6μmに調整した。
−紫外線吸収層の形成−
実施例3において、赤外線遮蔽フィルムの金属粒子含有層の上に、紫外線吸収層用の塗布液U1を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが0.5μmになるように塗布した。その後、100℃で2分間加熱し、乾燥、固化し、オーバーコート層を兼ねる紫外線吸収層を形成した。
金属酸化物粒子含有層/PETフィルム/平板粒子を含む金属粒子含有層/オーバーコート層を兼ねる紫外線吸収層の順に積層された積層体を、熱線遮蔽フィルムとした。
−粘着層の形成−
得られた熱線遮蔽フィルムの表面を洗浄した後、粘着層を貼り合わせた。粘着層(粘着剤)として、サンリッツ(株)社製PET−Wを用い、PET−Wの一方の剥離シートを剥がした面を、前記熱線遮蔽フィルムの紫外線吸収層表面と貼り合わせた。以上により、金属酸化物粒子含有層/PETフィルム/平板粒子を含む金属粒子含有層/オーバーコート層を兼ねる紫外線吸収層/粘着層の順に積層された、実施例4の赤外線遮蔽フィルムを作製した。
得られた実施例4の赤外線遮蔽フィルムについて、金属粒子含有層の厚みおよび平板粒子の存在領域を実施例1と同様の方法で測定した。その結果、金属粒子含有層の厚みは75nmであった。また、平板粒子は金属粒子含有層とオーバーコート層を兼ねる紫外線吸収層の界面にほぼ平行に配列していた。
[評価]
−光学性能評価−
(熱線反射率)
各実施例および比較例の赤外線遮蔽フィルムについて、日立製作所製のU3500型分光器を用いて測定した、800nmから2000nmまで反射率の値の平均値を、熱線反射率(%)とした。得られた結果を下記表1に記載した。
(反射率20%超の反射帯域幅)
作製した各実施例および比較例の赤外線遮蔽フィルムについて、800nm〜2,000nmまで測定した各波長の反射率から、反射率が20%を超える反射帯域幅を求め、遮熱性能の評価を行った。反射率は日立製作所製U3500分光光度計を用いて測定し、本発明の遮光フィルムが無い場合に対して、20%以上の反射率の帯域を決定した。反射帯域の幅は広いことが好ましい。
<評価基準>
◎:20%を超える反射帯域幅900nm以上
○:20%を超える反射帯域幅600nm以上900nm未満
△:20%を超える反射帯域幅400nm以上600nm未満
×:20%を超える反射帯域幅400nm未満
評価した結果を下記表1に記載した。
(熱線吸収率)
また、各実施例および比較例の赤外線遮蔽フィルムの熱線吸収率は、以下の方法で求めた。すなわち、日立製作所製のU3500型分光器を用いて測定した、800nmから2000nmまで透過率の値の平均値を熱線透過率(%)とし、100%から、前記熱線反射率および熱線透過率を差し引いた値を、熱線吸収率(%)とした。得られた結果を下記表1に記載した。
Figure 0005878059
表1に示すように、本発明のごとく、赤外領域(800−2000nm)に二つの反射ピークを有する(吸収ピークも2つのピークを有する)金属粒子を一つの層に有する各実施例の赤外線遮蔽フィルムは、単一の反射(吸収)ピークを有する金属粒子含有層からなる各比較例の赤外線遮蔽フィルムに比較して良好な熱線反射特性を示し、20%超反射帯域幅も広いことがわかった。
さらに、熱線を吸収する金属酸化物ITOを併用した場合には、熱線吸収量を低減でき、熱割れ等の危険性が減少することが比較例9と実施例3の比較などからわかった。
また、実施例4の赤外線遮蔽フィルムについて、実施例3と同様に緒特性を検討したところ、実施例3と同様の傾向であった。
なお、比較例5および6の赤外線遮蔽フィルムは、同じ塗布銀量の実施例2の本発明の試料と比較するとで、熱線反射率および20%超反射帯域ともに劣った。
−粒子傾き角−
エポキシ樹脂で各実施例の赤外線遮蔽フィルムを包埋処理した後、液体窒素で凍結した状態で剃刀で割断し、赤外線遮蔽フィルムの垂直方向断面試料を作製した。この垂直方向断面試料を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、100個の金属平板粒子について、基板の水平面に対する傾角(図5Bにおいて±θに相当)を平均値として算出した。その結果、各実施例の赤外線遮蔽フィルムは、いずれも傾角が±5°から±15°の範囲にあった。
また、各実施例および比較例の赤外線遮蔽フィルムの金属粒子含有層の反射ピーク数および吸収ピーク数を数えたときに用いたスペクトルのうち、代表例として実施例2の赤外線遮蔽フィルムの金属粒子含有層の反射スペクトルを図3に示した。図3より、実施例2の赤外線遮蔽フィルムの金属粒子含有層は反射ピーク数が2つであることがわかる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、熱線反射率が高く、遮熱性能に優れるので、例えば自動車、バス等の乗り物用フィルムや貼合せ構造体、建材用フィルムや貼合せ構造体などとして、熱線の透過を防止することの求められる種々の部材として好適に利用可能である。
1 基材であるポリマーフィルム
2 金属粒子含有層
3 金属平板粒子

Claims (13)

  1. 少なくとも1種の金属粒子を含有する金属粒子含有層を有し、
    前記金属粒子が、金属平板粒子を60個数%以上有し、
    前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有し、
    少なくとも1層の前記金属粒子含有層の厚みが10nm〜80nmであり、
    前記金属平板粒子の厚みをaとしたとき前記金属粒子含有層の厚みが2a〜8aであることを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
  2. 前記金属粒子含有層のうち少なくともひとつの層が800〜2000nmの領域に少なくとも2つの透過ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  3. 前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、金属平板粒子を60個数%以上有し、かつ円相当平均直径の変動係数が35%以下である金属平板粒子を少なくとも2種類含むことを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  4. 前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子を60個数%以上有し、かつ該略六角形状又は略円盤形状の金属平板粒子の円相当平均直径の変動係数が35%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  5. 前記金属粒子含有層の少なくとも一方の界面と前記金属平板粒子の主平面とのなす角の平均値が30°以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  6. 前記金属平板粒子の厚みが5〜12nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  7. 前記金属平板粒子が、少なくとも銀を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  8. 紫外線吸収剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  9. 前記赤外線遮蔽フィルムが粘着剤層を有し、
    前記粘着剤層または前記粘着剤層と前記金属粒子含有層の間の層に前記紫外線吸収剤が含まれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  10. 前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層が、前記金属平板粒子と金属酸化物粒子とがバインダー内に混合分散されてなる層であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  11. 前記800〜2000nmに少なくとも2つの吸収ピークまたは少なくとも2つの反射ピークを有する金属粒子含有層と、金属酸化物を含む金属酸化物含有層とをそれぞれ少なくとも1層含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  12. 800nm〜2,000nmの波長帯域のうち、反射率が20%以上である波長帯域が600nm以上にわたることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  13. 前記金属粒子含有層が、基材であるポリマーフィルムの少なくとも一方の面上に配置されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
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