JP2015158650A - 赤外線反射パターン形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率が高く、かつ、非パターン部の反射率が低い赤外線反射パターン形成体の提供。【解決手段】支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有し、支持体上に、金属粒子含有パターン層が形成されていない非パターン部を有する赤外線反射パターン形成体であり、平板状金属粒子の主平面が金属粒子含有パターン層の一方の表面に対して平均0?〜?30?の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上である赤外線反射パターン形成体。【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線反射パターン形成体に関する。特に、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率が高く、かつ、非パターン部の反射率が低い赤外線反射パターン形成体に関する。
近年、光学読み取りを利用したコードパターンとしてのバーコードが、主として物流管理システムのために広く利用されている。例えば、POS(販売時点管理)システム用のJANコードや配送伝票、荷分け伝票、納品用のバーコードタグなどの光学的データキャリアとして、バーコードは広く用いられている。また、近年、手書きした字、絵及び記号等を、情報処理装置が扱うことができる電子データに変換する必要性が高まっており、特に、スキャナー等の読取装置を経由せず、手書き情報をリアルタイムでコンピューター等に入力できる入力手段への需要が高まっている。そうした入力手段としては、ドットパターンが印刷されたシートを可視光に対して透明化し、その透明シートをディスプレイ装置の前面に設置し、その透明シート上に直接手書きした内容を情報処理装置に入力することができる入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これらはいずれも印刷物やディスプレイのデザインや視認性への影響を抑える為、赤外光のパターンをデータとして認識するよう設計される。
このような状況のもと、赤外線反射パターンを形成するための材料として、様々な材料を用いることが検討されてきている。
例えば、上述の特許文献1では、複合金属酸化物である無機系赤外線反射顔料や有機系赤外線反射顔料を透明インキに用いているが、実施態様での赤外線反射パターン部と非パターン部の反射率の差を計算すると15%と小さい。
特許文献2は、金属粒子を用いた赤外線反射パターンが形成されていた。特許文献2で赤外線反射層に用いられている金属粒子は酸化チタンやポリマー粒子であり、球状と推定される粒子であった。また、赤外線反射パターン部と赤外線吸収パターン部(本発明における非パターン部)はいずれも反射率が高く、それらの反射率差は小さかった。
特許文献3は、赤外線反射パターンとして、パターン部に周囲よりも厚いプライマー層を用いることでパターンを形成しており、赤外線反射層の材料にはコレステリック液晶が使用されていたが、原理上、片方の円偏光の選択反射、すなわち最大でも50%の反射率しか用いられないため、赤外線反射パターンの反射率を十分に高くすることが難しかった。
一方、特許文献4では、金属平板粒子を用いて良好な分散状態の赤外線反射層を形成しており、赤外域において任意の波長に高い反射率を有することができているが、赤外線反射層のパターンは形成されていなかった。
ここで、情報処理用途として赤外線反射パターン形成体を用いるにあたり、赤外線帯域の特定の波長において、赤外線反射パターン部と、非パターン部の反射率の差を大きくして、パターンの読み取り精度を向上させることが望まれていた。
特許4725417号 特開平9−240132号公報 特許第5093034号 特開2013−195563号公報
しかし、本発明者らがこれらの文献に記載の材料を用いた赤外線反射材料について検討したところ、パターン形成体が適切に形成されていないか、形成されていたとしてもパターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率の高さと、かつ、非パターン部の反射率の低さを両立できないことがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率が高く、かつ、非パターン部の反射率が低い赤外線反射パターン形成体を提供することである。
上述の課題を解決するために本発明者らが鋭意検討したところ、支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有しする赤外線反射パターン形成体であり、平板状金属粒子の主平面が金属粒子含有パターン層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上となるように調整することで、上述の課題を解決した赤外線反射パターン形成体を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
前記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下のとおりである。
[1] 支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有し、
支持体上に、金属粒子含有パターン層が形成されていない非パターン部を有する赤外線反射パターン形成体であり、
平板状金属粒子の主平面が金属粒子含有パターン層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上である赤外線反射パターン形成体。
[2] [1]に記載の赤外線反射パターン形成体は、パターンの大きさが、平板状金属粒子の反射ピーク波長をAμmとしたときに、(4×A)2(μm)2以上であり、
パターン部における平板状金属粒子の密度が20%以上であり、
平板状金属粒子の厚みが5nm以上であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の赤外線反射パターン形成体は、パターン部の780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率が20%以上であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載の赤外線反射パターン形成体は、支持体が透明であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の赤外線反射パターン形成体は、パターン部の550nmにおける透過率が60%以上であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の赤外線反射パターン形成体は、パターン部の厚みが80nm以下であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一つに記載の赤外線反射パターン形成体は、780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率を示す波長が780nm〜1100nmの帯域に存在することが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一つに記載の赤外線反射パターン形成体は、支持体のパターン部を有する面とは反対側の面に、粘着層または接着層を有することが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一つに記載の赤外線反射パターン形成体は、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートであることが好ましい。
本発明によれば、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率が高く、かつ、非パターン部の反射率が低い赤外線反射パターン形成体を提供することができる。
図1は、本発明の赤外線反射パターン形成体の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の赤外線反射パターン形成体の他の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の赤外線反射パターン形成体の他の一例を示す概略図である。 図4は、実施例3で得られた本発明の赤外線反射パターン形成体の態様を示した顕微鏡写真である。 図5は、赤外線反射パターン形成体の反射率を測定する方法の概略図である。 図6Aは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の存在状態を示した概略断面図であって、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層(支持体の平面とも平行)と平板状金属粒子の主平面(円相当径Dを決定する面)とのなす角度(θ)を説明する図を示す。 図6Bは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の存在状態を示した概略断面図であって、金属粒子含有層の赤外線反射パターン形成体の深さ方向における平板状金属粒子の存在領域を示す図である。 図6Cは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図6Dは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図6Eは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図6Fは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の存在状態の他の一例を示した概略断面図である。 図7Aは、本発明の赤外線反射パターン形成体に好ましく用いられる平板状金属粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、円形状の平板状金属粒子を示す。 図7Bは、本発明の赤外線反射パターン形成体に好ましく用いられる平板状金属粒子の形状の一例を示した概略斜視図であって、六角形状の平板状金属粒子を示す。 図8は、本発明の赤外線反射パターン形成体を、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートとして用いたシステムの概略図である。
以下、本発明の赤外線反射パターン形成体について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[赤外線反射パターン形成体]
本発明の赤外線反射パターン形成体は、支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有し、支持体上に、金属粒子含有パターン層が形成されていない非パターン部を有する赤外線反射パターン形成体であり、平板状金属粒子の主平面が金属粒子含有パターン層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上であることを特徴とする。
このような構成をとることにより、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率が高く、かつ、非パターン部の反射率が低い赤外線反射パターン形成体となる。
本発明の赤外線反射パターン形成体の好ましい態様の一つでは、可視域の反射率を低くすることができる。また、本発明の赤外線反射パターン形成体の好ましい態様の一つでは、支持体として透明な支持体を用いることができる。
従来の赤外線反射パターン形成体、例えば特開平9−240132号公報では、金属アルミニウムの鱗片状粒子、あるいは中空ポリマー粒子を用いており、可視域にも強い反射を持つ為、反射光が白くなり、視認性の観点から下層は白色層に限定される。本発明の赤外線反射パターン形成体の上述の好ましい態様などによれば、このような問題も解決することができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体の好ましい態様の一つでは、耐擦傷性も高めることができる。
特許第5093034号では、コレステリック液晶を、凹版ロールに供給し硬化、これをプライマー層を塗工した基材に転写しているが、工程が煩雑であり、かつ表面に凹凸ができ、視認性が高まったり、搬送や使用時に反射パターンが剥がれやすいという問題がある。本発明の赤外線反射パターン形成体の上述の好ましい態様などによれば、このような問題も解決することができる。
<赤外線反射パターン形成体の特性>
本発明の赤外線反射パターン形成体は、パターン部の780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率が10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが特に好ましく、25%以上であることがより特に好ましく、30%以上であることがさらにより特に好ましい。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、パターン部が780nm〜25μm間において最大の反射率を持つ波長における、非パターン部の反射率が20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが特に好ましく、9%以下であることがより特に好ましい。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率を示す波長が780nm〜1100nmの帯域に存在することが好ましく、800〜1100nmの帯域に存在することがより好ましく、800〜1050nmの帯域に存在することが特に好ましい。
本発明では、本発明の赤外線反射パターン形成体の780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率を示す波長を、前記平板状金属粒子の反射ピーク波長A(μm)とすることができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体の550nmにおける透過率としては、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることが特に好ましい。550nmにおける透過率が、60%以上であると、例えば、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートとして用いた時に、画像が見やすくなる観点で好ましい。
<赤外線反射パターン形成体の構成>
本発明の赤外線反射パターン形成体は、支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有し、支持体上に、金属粒子含有パターン層が形成されていない非パターン部を有する赤外線反射パターン形成体である。
さらに、必要に応じて、オーバーコート層、粘着層、紫外線吸収層、金属酸化物粒子含有層、バックコート層、ハードコート層、断熱層、保護層などのその他の層を有する態様も好ましい。
以下、図面をもとに本発明の赤外線反射パターン形成体の好ましい構成について説明する。
本発明の赤外線反射パターン形成体の層構成としては、図1に一例を示すように、赤外線反射パターン形成体100は、支持体40上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子11を含有する金属粒子含有パターン層1をパターン部51として有する。本発明の赤外線反射パターン形成体は、支持体上の同一層中の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有することが好ましい(不図示)。「同一層」とは、同一の組成を有する層を意味する。
また、赤外線反射パターン形成体100は、支持体1上に、金属粒子含有パターン層が形成されていない非パターン部52を有する。非パターン部とは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、支持体の表面のうち六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を実質的に含有していない部分のことを言う。なお、非パターン部は、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が含有しないことが好ましく、例えば非パターン部における六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の粒子密度(詳細は後述する)が、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、前記パターン部の1部分あたりの大きさが、前記平板状金属粒子の反射ピーク波長をAμmとしたときに、(4×A)2(μm)2以上であることが好ましく、(5×A)2(μm)2以上であることがより好ましく、(10×A)2(μm)2以上であることが特に好ましい。パターン部の1部分あたりの大きさが大きいと、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長における反射率を高めることができる。なお、本発明の赤外線反射パターン形成体では、「平板状金属粒子の反射ピーク波長」と、「パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長」が通常は一致する。
平板状金属粒子の吸収ピーク波長をA(μm)としたとき、パターン部の1部分あたりの大きさが(4×A)2(μm)2以上の場合、平板状金属粒子同士が局在プラズモンの共鳴を起こし、それに伴う指向性を持った選択波長反射効果が得られる。このことは、たとえば本発明によって作製した赤外線反射パターン形成体を、赤外線カメラなどを用いて読み取る際に、カメラ側から照射される光源に対し一定の指向性を持つことで、指向性を持たないパターンよりもS/N比が向上するほか、光源も低照度で良いなどの好ましい効果が得られる。
なお、本効果には、パターンの大きさが(4×A)2(μm)2以上であることに加え、単位面積あたりの密度が20%以上であり、かつ平板状金属粒子の厚みが5nm以上であることが好ましい。単位面積当たりの密度は、平板状金属粒子同士の共鳴のために一定距離以内に複数の粒子が存在する必要があるためであり、また、平板状金属粒子の厚みが5nm以上であることにより、十分な反射強度が得られる。
ここで、本明細書中、「平板状金属粒子の反射ピーク波長A」とは、前記平板状金属粒子を含有するパターン部を積分球分光光度計により780nmから25μmの範囲で測定した反射スペクトルにおける最も反射率の高い波長のことを言う。
前記パターン部の1部分あたりの大きさの上限値は特に制限はないが、例えば、(1000×A)2(μm)2以下とすることができる。
なお、表面プラズモン共鳴の特性上、平板状金属粒子に起因する前述の反射ピーク波長と、吸収ピーク波長はほぼ一致する。ただし、平板状金属粒子の周囲の屈折率環境(樹脂やセラミックによる被覆や、空気界面への偏在など)によっては、吸収ピーク波長よりも反射ピーク波長のほうが大きくなる場合もある。
ここでいう吸収ピーク波長は、300nm〜2500nmの分光透過・反射スペクトルを測定した際、それぞれの波長において、100%から透過率及び反射率を差引いた値が最大となる波長を意味する。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、前記パターン部の1部分あたりの、パターン部の一辺の長さが4μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。
前記パターン部の1部分あたりの大きさの上限値は特に制限はない。
ここで、パターン部の一辺の長さは、図3に示すようにほぼ正方形のパターンが繰り返されている場合、パターン部の一辺の長さ53は縦、横ともに同じ長さであってもよい。一方、図4に示すようにほぼ長方形のパターンが繰り返されている場合、パターン部の一辺の長さ53a、パターン部の一辺の長さ53bは異なる長さであってもよい。本発明の赤外線反射パターン形成体は、パターン部の一辺の長さ53、パターン部の一辺の長さ53a、パターン部の一辺の長さ53bの大小関係よりも、前記パターン部の1部分あたりの大きさの大小によって、得られる性能を制御することが好ましい。本発明の赤外線反射パターン形成体のパターン形状は、なんら限定されるものではなく、たとえば円、楕円、メッシュ状、ライン状、など、あらゆる形状をとることができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、図2に一例を示すように、パターン部51および非パターン部52の全体を覆うように形成されたオーバーコート層を有することが好ましい。このような構成を有することにより、耐擦傷性を高めることができる。
また、本発明の赤外線反射パターン形成体は、図2に一例を示すように、支持体40のパターン部を有する面とは反対側の面に、粘着層または接着層6を有することが好ましい。このような構成を有することにより、本発明の赤外線反射パターン形成体を画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートとして用いるときにディスプレイ装置の表面に容易に貼り付けることができる。
<金属粒子含有パターン層>
本発明の赤外線反射パターン形成体は、支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有する。
金属粒子含有パターン層は、少なくとも1種の金属粒子を含有する層である。金属粒子は、平板状金属粒子(平板状の金属粒子)であることが好ましく、金属粒子含有パターン層の一方の表面に平板状金属粒子を偏析させることが好ましい。
−1−1.金属粒子−
本発明の赤外線反射パターン形成体では、金属粒子含有パターン層は、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を60個数%以上有する。
金属粒子含有パターン層において、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の存在形態としては、金属粒子含有パターン層の一方の表面(支持体表面)に対して六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の主平面が平均0°〜±30°の範囲で面配向しており、平均0°〜±20°の範囲で面配向していることが好ましく、平均0°〜±10°の範囲で面配向していることが特に好ましい。
また、上述の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上であり、70個数%以上であることがより好ましく、90個数%以上であることがさらに好ましい。
金属粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線(近赤外線)の反射率が高い点から、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金などが好ましく、その中でも銀がより好ましい。
−1−2.平板状金属粒子−
平板状金属粒子としては、2つの主平面からなる粒子(図7A及び図7B参照)であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状、円形状、三角形状などが挙げられる。これらの中でも、可視光透過率が高い点で、六角形状以上の多角形状〜円形状であることがより好ましく、六角形状または円形状であることが特に好ましい。
本明細書中、円形状とは、後述する平板状の金属粒子の平均円相当径の50%以上の長さを有する辺の個数が1個の平板状金属粒子当たり0個である形状のことを言う。円形状の平板状金属粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で平板状金属粒子を主平面の上方から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本明細書中、六角形状とは、後述する平板状金属粒子の平均円相当径の20%以上の長さを有する辺の個数が1個の平板状金属粒子当たり6個である形状のことを言う。なお、その他の多角形についても同様である。六角形状の平板状金属粒子としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で平板状金属粒子を主平面の上方から観察した際に、六角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六角形状の角が鋭角のものでも、鈍っているものでもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、角が鈍っているものであることが好ましい。角の鈍りの程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
金属粒子含有パターン層に存在する金属粒子のうち、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子は、金属粒子の全個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上がより好ましく、70個数%以上が特に好ましい。平板状金属粒子の割合が、60個数%以上であると、可視光線透過率が高くなる。
[1−2−1.面配向]
本発明の赤外線反射パターン形成体において、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子は、その主平面が金属粒子含有パターン層の一方の表面(基材表面)に対して、平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上であり、70個数%以上であることが好ましく、90個数%以上であることがさらに好ましい。
平板状金属粒子の存在状態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する図6C〜図6Fのように並んでいることが好ましい。
ここで、図6A〜図6Fは、本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の存在状態を示した概略断面図である。図6D〜図6Fは、金属粒子含有パターン層1中における平板状金属粒子11の存在状態を示す。図6Aは、支持体の平面と平板状金属粒子11の主平面(円相当径Dを決める面)とのなす角度(±θ)を説明する図である。図6Bは、金属粒子含有パターン層1の赤外線反射パターン形成体の深さ方向における存在範囲fを示すものである。
図6Aにおいて、支持体の表面と、平板状金属粒子11の主平面(円相当径Dを決める面)または主平面の延長線とのなす角度(±θ)は、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の面配向における所定の範囲に対応する。即ち、面配向とは、赤外線反射パターン形成体の断面を観察した際、図6Aに示す傾角(±θ)が小さい状態をいい、特に、図6Cは、支持体の表面と平板状金属粒子11の主平面とが接している状態、即ち、θが0°である状態を示す。支持体の表面に対する平板状金属粒子11の主平面の面配向の角度、即ち図6Aにおけるθが±30°を超えると、赤外線反射パターン形成体の所定の波長(例えば、可視光域長波長側から近赤外光領域)の反射率が低下してしまう。
金属粒子含有パターン層の一方の表面(支持体表面)に対して平板状金属粒子の主平面が面配向しているかどうかの評価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適当な断面切片を作製し、この切片における金属粒子含有パターン層及び平板状金属粒子を観察して評価する方法であってもよい。具体的には、赤外線反射パターン形成体を、ミクロトーム、集束イオンビーム(FIB)を用いて赤外線反射パターン形成体の断面サンプルまたは断面切片サンプルを作製し、これを、各種顕微鏡(例えば、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等)を用いて観察して得た画像から評価する方法などが挙げられる。
上記の通り作製した断面サンプルまたは断面切片サンプルの観察としては、サンプルにおいて金属粒子含有パターン層の一方の表面(基材表面)に対して平板状金属粒子の主平面が面配向しているかどうかを確認し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FE−SEM、TEMなどを用いた観察が挙げられる。上記断面サンプルの場合は、FE−SEMにより、上記断面切片サンプルの場合は、TEMにより観察を行ってもよい。FE−SEMで評価する場合は、平板状金属粒子の形状と傾角(図6Aの±θ)が明瞭に判断できる空間分解能を有することが好ましい。
[1−2−2.平均粒子径(平均円相当径)および変動係数]
粒子の投影面積を電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影倍率を補正する公知の方法により得ることができる。円相当径は、該方法により得られた個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径で表される。200個の平板状金属粒子の円相当径Dの統計で粒径分布(粒度分布)が得られ、算術平均を計算することで平均粒子径(平均円相当径)を求めることができる。平板状金属粒子の粒度分布における変動係数は、粒度分布の標準偏差を前述の平均粒子径(平均円相当径))で割った値(%)で求めることができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子の粒度分布における変動係数としては、35%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下が特に好ましい。変動係数が、35%以下であることが赤外線反射パターン形成体における熱線の反射波長域がシャープになることから好ましい。
金属粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、平均粒子径は10〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましく、50〜200nmがさらに好ましい。
[1−2−3.平板状金属粒子の厚み・アスペクト比]
本発明の赤外線反射パターン形成体では、平板状金属粒子の厚みは14nm以下であることが好ましく、5〜14nmであることがより好ましく、5〜12nmであることが特に好ましく、5〜10nmであることがより特に好ましい。
平板状金属粒子のアスペクト比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、波長800nm〜1,800nmの赤外光領域での反射率が高くなる点から、6〜40が好ましく、10〜35がより好ましい。アスペクト比が6未満であると反射波長が800nmより小さくなり、40を超えると、反射波長が1,800nmより長くなり、十分な熱線反射能が得られないことがある。
アスペクト比は、平板状金属粒子の平均粒子径(平均円相当径)を平板状金属粒子の平均粒子厚みで除算した値を意味する。粒子厚みは、平板状金属粒子の主平面間距離に相当し、例えば、図7A及び図7Bにaとして示す通りであり、原子間力顕微鏡(AFM)や透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することができる。
AFMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板に平板状金属粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させて、粒子1個の厚みを測定する方法などが挙げられる。
TEMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン基板上に平板状金属粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させた後、カーボン蒸着、金属蒸着による被覆処理を施し、集束イオンビーム(FIB)加工により断面切片を作成し、該断面をTEMによる観察することにより、粒子の厚み測定を行う方法などが挙げられる。
[1−2−4.金属粒子含有パターン層の厚み、平板状金属粒子の存在範囲]
本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層の塗布膜厚み、すなわちパターン部の厚みdは、5〜120nmであることが好ましく、7〜80nmであることがより好ましく、10〜40nmであることが特に好ましく、10〜30nmであることがより特に好ましい。本発明の赤外線反射パターン形成体は、パターン部の1部分厚みを小さくすると、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長における反射率を高めることができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体では、金属粒子含有パターン層の塗布膜厚みdが金属粒子の平均円相当直径Dに対し、d>D/2の場合、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、金属粒子含有パターン層の表面からd/2の範囲に存在することが好ましく、d/3の範囲に存在することがより好ましく、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の60個数%以上が金属粒子含有パターン層の一方の表面に露出していることが更に好ましい。平板状金属粒子が金属粒子含有パターン層の表面からd/2の範囲に存在するとは、平板状金属粒子の少なくとも一部が金属粒子含有パターン層の表面からd/2の範囲に含まれていることを意味する。すなわち、平板状金属粒子の一部が、金属粒子含有パターン層の表面よりも突出している図6Dに記載される平板状金属粒子も、金属粒子含有パターン層の表面からd/2の範囲に存在する平板状金属粒子として扱う。なお、図6Dは、各平板状金属粒子の厚み方向のごく一部が金属粒子含有パターン層に埋没してことを意味し、各平板状金属粒子が金属粒子含有パターン層の表面上に積まれているわけではない。図6B〜図6Dは金属粒子含有パターン層の厚みdがd>D/2である場合を表した模式図であり、特に図6Bは平板状金属粒子の80個数%以上がfの範囲に含まれており、f<d/2であることを表した図である。
また、平板状金属粒子が金属粒子含有パターン層の一方の表面に露出しているとは、平板状金属粒子の一方の表面の一部が、金属粒子含有パターン層の表面よりも突出していることを意味する。
ここで、金属粒子含有パターン層中の平板状金属粒子存在分布は、例えば、赤外線反射パターン形成体の断面試料をSEM観察した画像より測定することができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体では、金属粒子含有パターン層の塗布膜厚みdは金属粒子の平均円相当径Dに対し、d<D/2の場合が好ましく、より好ましくはd<D/4であり、d<D/8がさらに好ましい。金属粒子含有パターン層の塗布厚みを下げるほど、平板状金属粒子の面配向の角度範囲が0°に近づきやすくなり、平板状金属粒子によるプラズモン反射効果を最大限に活用できるため好ましい。また、金属粒子含有パターン層の塗布厚みを下げるほど、各平板状金属粒子の厚み方向の配置バラツキが小さくなり、同一面内高さに並びやすくなり、平板状金属粒子によるプラズモン反射効果を最大限に活用できるため好ましい。図6E、図6Fは金属粒子含有パターン層の厚みdがd<D/2である場合を表した模式図である。
本発明の赤外線反射パターン形成体において、図6Bに示すように、金属粒子含有パターン層1における平板状金属粒子11を構成する金属のプラズモン共鳴波長をλとし、金属粒子含有パターン層1における媒質の屈折率をnとするとき、金属粒子含有パターン層1が、赤外線反射パターン形成体の水平面からの深さ方向において、(λ/n)/4の範囲で存在することが好ましい。この範囲内であると、赤外線反射パターン形成体の上側と下側のそれぞれの金属粒子含有パターン層の界面での反射波の位相により反射波の振幅が強めあう効果が十分大きく、可視光透過率及び熱線最大反射率が良好となる。
金属粒子含有パターン層における平板状金属粒子を構成する金属のプラズモン共鳴波長λは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱線反射性能を付与する点で、400nm〜2,500nmであることが好ましく、可視光透過率を付与する点から、700nm〜2,500nmであることがより好ましい。
本発明では平板状金属粒子を構成する金属のプラズモン共鳴波長λが、前記平板状金属粒子の反射ピーク波長A(μm)であることが好ましい。
[1−2−5.金属粒子含有パターン層の媒質]
金属粒子含有パターン層における媒質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明の赤外線反射パターン形成体は、金属粒子含有パターン層がポリマーを含むことが好ましく、透明ポリマーを含むことがより好ましい。ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、本発明では、ポリマーの主ポリマーがポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂であることが六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上を金属粒子含有パターン層の表面からd/2の範囲に存在させやすい観点からより好ましく、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂であることが本発明の赤外線反射パターン形成体のこすり耐性をより改善する観点から特に好ましい。
ポリエステル樹脂の中でも、飽和ポリエステル樹脂であることが二重結合を含まないために優れた耐候性を付与できる観点からより特に好ましい。また、分子末端に水酸基またはカルボキシル基を持つことが、水溶性・水分散性の硬化剤等で硬化させることで高い硬度・耐久性・耐熱性を得られる観点から、より好ましい。
上記ポリマーとしては、商業的に入手できるものを好ましく用いることもでき、例えば、互応化学工業(株)製の水溶性ポリエステル樹脂である、プラスコートZ−867などを挙げることができる。
また、本明細書中、金属粒子含有パターン層に含まれる前記ポリマーの主ポリマーとは、金属粒子含有パターン層に含まれるポリマーの50質量%以上を占めるポリマー成分のことを言う。
金属粒子含有パターン層に含まれる金属粒子に対するポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂の含有量が1〜10000質量%であることが好ましく、10〜1000質量%であることがより好ましく、20〜500質量%であることが特に好ましい。金属粒子含有パターン層に含まれるバインダーを上記範囲以上とすることで、こすり耐性性等の物理特性を改善することができる。
媒質の屈折率nは、1.4〜1.7であることが好ましい。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の厚みをaとしたとき、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、厚み方向のa/10以上を上記ポリマーに覆われていることが好ましく、厚み方向のa/10〜10aを上記ポリマーに覆われていることがより好ましく、a/8〜4aを上記ポリマーに覆われていることが特に好ましい。このように六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が金属粒子含有パターン層に一定割合以上埋没していることにより、よりこすり耐性を高めることができる。すなわち、本発明の赤外線反射パターン形成体は、図6Dや図6Fの態様よりも、図6Cや図6Eの態様の方が好ましい。
[1−2−6.パターン部における平板状金属粒子の密度(平板状金属粒子の面積率)]
赤外線反射パターン形成体を上から見た時の基材の面積A(金属粒子含有パターン層に対して垂直方向から見たときの金属粒子含有パターン層の全投影面積A)に対する平板状金属粒子の面積の合計値Bの割合である平板状金属粒子の密度(面積率)〔(B/A)×100〕としては、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上であることがより好ましい。
ここで、面積率は、例えば赤外線反射パターン形成体を上からSEM観察で得られた画像や、AFM(原子間力顕微鏡)観察で得られた画像を画像処理することにより測定することができる。
[1−2−7平板状金属粒子の配列]
金属粒子含有パターン層における平板状金属粒子の配列は均一であることが好ましい。ここで言う配列の均一とは、各粒子に対する最近接粒子までの距離(最近接粒子間距離)を粒子の中心間距離で数値化した際、各々の粒子の最近接粒子間距離の変動係数(=標準偏差÷平均値)が小さいことを差す。最近接粒子間距離の変動係数は小さいほど好ましく、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、理想的には0%である。最近接粒子間距離の変動係数が大きい場合には、金属粒子含有パターン層内で平板状金属粒子の粗密や粒子間の凝集が生じ、ヘイズが悪化する傾向があるため好ましくない。最近接粒子間距離は金属粒子含有パターン層塗布面をSEMなどで観察することにより測定が可能である。
[1−2−8.金属粒子含有パターン層の層構成]
本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子は、図6A〜図6Fに示すように、平板状金属粒子を含む金属粒子含有パターン層の形態で配置される。
金属粒子含有パターン層としては、図6A〜図6Fに示すように単層で構成されてもよく、複数の金属粒子含有パターン層で構成されてもよい。複数の金属粒子含有パターン層で構成される場合、遮熱性能を付与したい波長帯域に応じた遮蔽性能を付与することが可能となる。なお、金属粒子含有パターン層が複数の金属粒子含有パターン層で構成される場合、本発明の赤外線反射パターン形成体は、少なくとも最表面の金属粒子含有パターン層において、該最表面の金属粒子含有パターン層の厚みをd’としたとき、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の80個数%以上が、該最表面の金属粒子含有パターン層の表面からd’/2の範囲に存在することが好ましい。
ここで、金属粒子含有パターン層の各層の厚みは、例えば、赤外線反射パターン形成体の断面サンプルをSEM観察したり、断面切片サンプルをTEM観察することにより測定することができる。
また、赤外線反射パターン形成体の金属粒子含有パターン層の上に、例えば後述するオーバーコート層などの他の層を有する場合においても、他の層と金属粒子含有パターン層の境界は同様の方法によって決定することができ、金属粒子含有パターン層の厚みdを決定することができる。なお、金属粒子含有パターン層に含まれるポリマーと同じ種類のポリマーを用いて、金属粒子含有パターン層の上にコーティングをする場合は通常はSEM観察した画像によって金属粒子含有パターン層との境界を判別できることができ、金属粒子含有パターン層の厚みdを決定することができる。
[1−2−9.平板状金属粒子の合成方法]
平板状金属粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を合成し得るものとして挙げられる。これらの中でも、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法、光化学還元法などの液相法が特に好ましい。六角形〜三角形状の平板状金属粒子を合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、六角形〜三角形状の平板状金属粒子の角を鈍らせて、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を得てもよい。
平板状金属粒子の合成方法としては、上記の他、予めフィルム、ガラスなどの透明基材の表面に種晶を固定後、平板状に金属粒子(例えばAg)を結晶成長させてもよい。
本発明の赤外線反射パターン形成体において、平板状金属粒子は、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。上記更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高屈折率シェル層の形成、分散剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することなどが挙げられる。
−1−2−9−1.高屈折率シェル層の形成−
平板状金属粒子は、可視光域透明性を更に高めるために、可視光域透明性が高い高屈折率材料で被覆されてもよい。
高屈折率材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiOx、BaTiO3、ZnO、SnO2、ZrO2、NbOxなどが挙げられる。
被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Langmuir、2000年、16巻、p.2731−2735に報告されているようにテトラブトキシチタンを加水分解することにより銀の平板状金属粒子の表面にTiOx層を形成する方法であってもよい。
また、平板状金属粒子に直接高屈折率金属酸化物層シェルを形成することが困難な場合は、上記の通り平板状金属粒子を合成した後、適宜SiO2やポリマーのシェル層を形成し、更に、このシェル層上に金属酸化物層を形成してもよい。TiOxを高屈折率金属酸化物層の材料として用いる場合には、TiOxが光触媒活性を有することから、平板状金属粒子を分散するマトリクスを劣化させてしまう懸念があるため、目的に応じて平板状金属粒子にTiOx層を形成した後、適宜SiO2層を形成してもよい。
−1−2−9−2.各種添加物の添加−
本発明の赤外線反射パターン形成体において、金属粒子含有パターン層がポリマーを含み、ポリマーの主ポリマーがポリエステル樹脂である場合には、架橋剤を添加することが膜強度の観点から好ましい。架橋剤としては特に制限はなく、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でカルボジイミド系及びオキサゾリン系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の具体例としては、例えばカルボジライトV−02−L2(日清紡ケミカル(株)製)などがある。金属粒子含有パターン層中の全バインダーに対して1〜20質量%の架橋剤由来の成分を含有することが好ましく、より好ましくは2〜20質量%である。
また、本発明の赤外線反射パターン形成体において、金属粒子含有パターン層がポリマーを含む場合、添加することがハジキの発生を抑えて良好な面状な層が得られる観点から好ましい。界面活性剤を界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる界面活性剤の具体例としては、例えばラピゾールA−90(日本油脂(株)製)、ナロアクティーHN−100(三洋化成工業(株)製)などがある。金属粒子含有パターン層中の全バインダーに対して0.05〜10質量%の界面活性剤を含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
平板状金属粒子は、該平板状金属粒子を構成する銀などの金属の酸化を防止するために、メルカプトテトラゾール、アスコルビン酸等の酸化防止剤を吸着していてもよい。また、酸化防止を目的として、Ni等の酸化犠牲層が平板状金属粒子の表面に形成されていてもよい。また、酸素を遮断することを目的として、SiO2などの金属酸化物膜で被覆されていてもよい。
平板状金属粒子は、分散性付与を目的として、例えば、4級アンモニウム塩、アミン類等のN元素、S元素、及びP元素の少なくともいずれかを含む低分子量分散剤、高分子量分散剤などの分散剤を添加してもよい。
防腐剤:
本発明の赤外線反射パターン形成体を作製する際、平板状金属粒子分散液に防腐剤を含有することが、遮熱性能を維持しつつ、可視光透過率も改善する観点から好ましい。なお、防腐剤を含有させたことにより、遮熱性能を維持しつつ、可視光透過率を改善できた理由は不明である。
さらに、いかなる理論に拘泥するものもないが、微生物による腐敗現象が経時安定性に関連していることを本発明者らは見出し、防腐剤を導入することにより、平板状金属粒子分散液の経時安定性を改良できることを見出した。平板状金属粒子分散液の経時安定性が改良されると、平板状金属粒子分散液の保存が実質的に可能となり、平板状金属粒子分散液を造り貯めて一度にまとめて塗布に供給することで、後述する本発明の赤外線反射パターン形成体の生産性が著しく向上する。なお、従来の平板状金属粒子分散液は経時安定性が悪く、大量生産には適さないものであり、特に銀を用いた場合は銀の奏する抗菌性が期待されていたものの、従来の平板状金属粒子分散液は経時安定性が悪かった。
またさらに、いかなる理論に拘泥するものもないが、防腐剤を平板状金属粒子分散液に導入することにより、平板状金属粒子分散液の濾過性を向上させることができる。ここでいう濾過性とは、濾過フィルターに通液する際の圧力上昇が著しく改善されて、長時間連続で(多量の)送液をすることが可能になることをいう。平板状金属粒子分散液の濾過性を向上させることにより平板状金属粒子分散物を原料に用いて調製した液を塗布に供給する際に、その送液途中に濾過フィルターを入れて凝集粒子や塵埃を除去することができ、面状故障が少ない高品質な後述する本発明の赤外線反射パターン形成体を大面積で提供することができる。また、濾過圧力上昇による送液停止すなわち塗布停止による生産性低下の問題も解決される。なお、従来の平板状金属粒子分散液は濾過性が悪く、濾過フィルターに通液すると圧力上昇して送液ができなくなるため、凝集粒子や塵埃を濾過フィルターで捕捉除去することが困難であり、塗布面状故障の少ない赤外線反射パターン形成体を得ることは容易ではなかった。
平板状金属粒子分散液の経時安定性改良と濾過性の改良により、塗布原材料を多量に準備して一度にまとめて塗布することで高い生産性を付与し、且つ面状故障の少ない高品質な赤外線反射パターン形成体を大面積で提供することが可能になる。
本発明の平板状金属粒子分散液は、前記防腐剤が、下記一般式(11)または下記一般式(12)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(11)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2015158650
(一般式(11)中、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、(R16)(R17)−N−C(=O)−または(R16)(R17)−N−C(=S)−を表す。R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基またはアルキルスルホニル基を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成してもよい。R16およびR17はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
Figure 2015158650
(一般式(12)中、R20は低級アルキレン基を表す。Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR21、−N(R22)(R23)または−SO2Mを表す。R21は水素原子、−OM、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基または−N(R24)(R25)を表す。R22およびR23はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COR26または−SO226を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R24およびR25はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。R26は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子及び1価のカチオンを形成するために必要な原子群を表す。pは0または1を表す。qは0から5までの整数を表す。)
前記一般式(11)で表される化合物について記述する。
Figure 2015158650
13は水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の置換または未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、n−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、2−シアノエチル、スルホブチル、N、N−ジメチルアミノエチル)、置換または未置換の環状アルキル基(例えばシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、2−オキソシクロペンチル)、置換または未置換のアルケニル基(例えばアリル、メチルアリル)、置換または未置換のアラルキル基(例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−クロロベンジル、p−iso−プロピルベンジル)、置換または未置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、o−メチルフェニル、m−ニトロフェニル、3.4−ジクロロフェニル)、複素環基(2−イミダゾリル、2−フリル、2−チアゾリル、2−ピリジル)、(R16)(R17)−N−C(=O)−または(R16)(R17)−N−C(=S)を表す。
14およびR15はそれぞれ独立して水素原子、置換または未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、クロロメチル、2−ヒドロキシエチル、tert−ブチル、n−オクチル)、置換または未置換の環状アルキル基(例えばシクロヘキシル、2−オキソシクロペンチル)、置換または未置換のアリール基(例えばフェニル、2−メチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、ナフチル、4−ニトロフェニル、4−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニル)、シアノ基、複素環基(例えば2−イミダゾリル、2−チアゾリル、2−ピリジル)、置換または未置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、2−シアノエチルチオ、2−エトキシカルボニルチオ)、置換または未置換のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、p−メトキシフェニルチオ)、置換または未置換のアルキルスルホキシ基(例えばメチルスルホキシ−ヒドロキシエチルスルホキシ)、置換または未置換のアルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル、2−ブロモエチルスルホニル)を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成してもよい。
16およびR17はそれぞれ独立して水素原子、置換または未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル、2−シアノエチル、2−n−ブトキシカルボニルエチル、2−シアノエチル)、置換または未置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、2−メトキシフェニル、m−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−アセトアミドフェニル)、置換または未置換のアラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、p−iso−プロピルベンジル、o−クロロベンジル、m−メトキシベンジル)を表わす。
さらに、上記一般式(11)で好ましいのは、R13は、水素原子、低級アルキル基を表わし、R14およびR15は互いに結合して芳香環を形成する場合であり、R13が水素原子を表し、R14およびR15は互いに結合してベンゼン環を形成する場合がより好ましい。
次に、前記一般式(11)で表される化合物の代表的具体例は特開平3−119347号公報の一般式(II)で表される化合物の具体例と同様である。
なお、本発明では特開平3−119347号公報の化合物II−25または化合物II−44を用いることが好ましく、化合物II−25を用いることがより好ましい。
次に、一般式(12)で表される化合物について説明する。
Figure 2015158650
一般式(12)において、R20は低級アルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基など)を表わし、特に炭素数1から6までのアルキレン基が好ましい。
Xはハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子フッ素原子)、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、低級アルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル)、低級アルコキシ基−COR21、−N(R22)(R23)または−SO2Mを表す。
21は水素原子、−OM、低級アルキル基(例えばメチル、n−ブチル、tert−オクチル)、アリ−ル基(例えばフェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル)、アラルキル基(例えばベンジル、p−iso−プロピルベンジル、o−メチルベンジル)、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、n−ブトキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ、4−ニトロフェノキシ)、アラルキルオキシ基(例えばベンジルオキシ、p−クロロベンジルオキシ、または−N(R24)(R25)を表す。
22およびR23はそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基(例えばメチル、エチル、2−エチルヘキシル)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル、2−メトキシフェニル、3−アセトアミドフェニル)、アラルキル基(例えばベンジル、o−クロロベンジル)、−COR26または−SO226を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。
24およびR25はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基(例えばメチル、iso−プロピル、2−シアノエチル)、アリール基(例えばフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、3−ニトロフェニル)、アラルキル基(例えばベンジル、p−クロロベンジル)を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。
26は低級アルキル基(例えばエチル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル)、アリ−ル基(例えばフェニル、ナフチル、4−スルホフェニル、4−カルボキシフェニル)を表す。
Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム、カリウム)及び1価のカチオンを形成するために必要な原子群(例えばアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン)を表す。
pは0または1を表す。
qは0から5までの整数を表す。
上記一般式(12)で記述される低級アルキル基、低級アルコキシ基の好ましい炭素数は1から8までの範囲のものである。さらに好ましくは、R20は、1から3までの炭素数で表わされるアルキル基、Xは、低級アルキル基、pは1、qは、0または1で表わされる化合物である。
前記一般式(12)で表される化合物の代表的具体例は特開平3−119347号公報の一般式(IV)で表される化合物の具体例と同様である。
なお、本発明では特開平3−119347号公報の化合物IV−1または化合物IV−18を用いることが好ましく、化合物IV−18を用いることがより好ましい。
これらの例示化合物の大部分は試薬として市販されており、容易に入手することが可能であり、また既存の合成法で容易に合成することも可能である。例えばJ.Am.Chem.Soc.,第41巻、669頁(1919)に記載の方法でm=1の化合物の一部は容易に合成することが可能である。
前記防腐剤の添加量は、前記防腐剤が前記一般式(11)で表される化合物である場合は分散液の総重量に対して1〜500ppmの範囲が適当であり、前記防腐剤が前記一般式(12)で表される化合物である場合は分散液の総重量に対して10〜5000ppmの範囲が適当である。
前記防腐剤は水又はメタノール、イソプロパツール、アセトン、エチレングリコール等の有機溶媒に溶解し、溶液として本発明の平板状金属粒子分散液中に添加してもよく、あるいは高沸点溶媒、低沸点溶媒もしくは両者の混合溶媒に溶解したのち、界面活性剤の存在下乳化分散したのち、本発明の平板状金属粒子分散液に添加する等の方法によってもよい。
消泡剤:
本発明では、平板状金属粒子の調製や再分散の工程において、消泡剤を使用することが好ましい。粒子の調製や再分散においては、反応液や粗分散液を激しく撹拌することがある。対象となる液の性質に依存するが、表面張力を低下させる物質の存在により泡が安定化されるので、界面活性剤や分散剤などの存在により発泡が促進されることが多い。
このような液に対して気液界面の存在下で激しい撹拌を行う場合や、メカニカルシールの代わりに加圧シールを用いた設備を使用する場合など、著しい発泡を生じることがある。開放系であれば、泡が容器から溢れるなどの問題が発生するし、溢れないにしても泡の上部で分散剤などが乾燥により皮膜を形成するなど、好ましくない事態を招くことがある。閉鎖系においても、泡の中に取り込まれた粒子は、以降の粒子成長あるいは分散の操作から外れることになり、均一性を損ねる原因となってしまう。
消泡剤としては、界面活性剤、ポリエーテル系、エステル系、高級アルコール系、ミネラルオイル系、シリコーン系など、一般的なものから選択して用いることができる。中でも界面活性剤は少量の添加で高い消泡効果を発揮でき、且つ経時安定性に優れているので好ましく用いられる。
水系に用いる場合、親油性が高く液体表面に広がりやすいもの、すなわちHLB値の低いものが好ましく用いられる。水系に用いる場合、HLB値で7以下のものが好ましく、5以下のものが更に好ましく、3以下のものが最も好ましい。
消泡剤としては、市販のものを用いることもでき、例えば、Pluronic31R1(BASF社製)などを好ましく用いることができる。
<支持体>
本発明の赤外線反射パターン形成体は、支持体を有する。
前記支持体としては特に制限は無く公知の支持体を用いることができる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。光学的に透明な支持体であっても、可視光領域に色付きがある支持体であっても本発明には用いることができるが、可視光領域に色付きがなく、透明な支持体であることが好ましい。例えば、可視光線透過率が70%以上のもの、好ましくは80%以上のもの、近赤外線域の透過率が高いものなどが挙げられる。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記赤外線反射パターン形成体の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロオレフィンポリマー(COPとも言われる)、シクロオレフィンコポリマー(COCとも言われる)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;トリアセチルセルロース、その他のセルロースアセテート等のセルロース系樹脂などを含むフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。必要に応じて最適な材料を用いることができる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、赤外線反射パターン形成体の使用目的に応じて適宜選択することができ、通常は10μm〜500μm程度であるが薄膜化の要請の観点からはより薄い方が好ましい。前記支持体の厚みは10μm〜100μmであることが好ましく、20〜75μmであることがより好ましく、35〜75μmであることが特に好ましい。前記支持体の厚みが十分に厚いと、接着故障が起き難くなる傾向にある。また、前記支持体の厚みが十分に薄いと、赤外線反射パターン形成体としてディスプレイ装置などに貼り合わせる際、材料としての腰が強過ぎず、施工し易くなる傾向にある。更に、支持体が十分に薄いことにより、可視光透過率が増加し、原材料費を抑制できる傾向にある。
<その他の層・成分>
<<粘着層または接着層>>
本発明の赤外線反射パターン形成体は、粘着層または接着層を有することが好ましい。前記粘着層は、紫外線吸収剤を含むことができる。
前記粘着層の形成に利用可能な材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの材料からなる粘着層は、塗布により形成することができる。
さらに、前記粘着層には帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などを添加してもよい。
前記粘着層の厚みとしては、0.1μm〜10μmが好ましい。
<<ハードコート層>>
耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有するハードコート層を含むことも好適である。ハードコート層には金属酸化物粒子を含むことができる。
前記ハードコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜その種類も形成方法も選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。前記ハードコート層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましい。前記ハードコート層上に更に反射防止層及び/又は防眩層を形成すると、耐擦傷性に加え、反射防止性及び/又は防眩性を有する機能性フィルムが得られ好適である。また、前記ハードコート層に前記金属酸化物粒子を含有してもよい。
ハードコート層は赤外線反射パターン形成体の最表面を保護する目的でフィルム最表面に設置してもよい。具体的には、ディスプレイ装置等への赤外線反射パターン形成体の貼合後、ディスプレイ装置との反対面の赤外線反射パターン形成体の表面は環境に暴露され、暴露された表面は人の接触等により汚れやキズが入る可能性があるため、暴露された表面を保護するために、物理強度の高い前記ハードコート層を設置することが好ましい。また、最表面ではなく、赤外線反射パターン形成体の下層に設置してもよい。この場合、下層に高硬度層があることで、赤外線反射パターン形成体も含めた膜全体の物理強度が向上する。
<<オーバーコート層>>
本発明の赤外線反射パターン形成体において、物質移動による平板状金属粒子の酸化・硫化を防止し、耐擦傷性を付与するため、本発明の赤外線反射パターン形成体は、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子が露出している方の前記金属粒子含有パターン層の表面に密接するオーバーコート層を有していてもよい。また、前記金属粒子含有パターン層と後述の紫外線吸収層との間にオーバーコート層を有していてもよい。本発明の赤外線反射パターン形成体は特に平板状金属粒子が金属粒子含有パターン層の表面に偏在するため場合は、平板状金属粒子の剥落による製造工程のコンタミ防止、別層塗布時の平板状金属粒子配列乱れの防止、などのため、オーバーコート層を有していてもよい。
前記オーバーコート層には紫外線吸収剤を含んでもよい。前記オーバーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、バインダー、マット剤、中空シリカや中空フッ化マグネシウムなどの低屈折率フィラー、及び界面活性剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記低屈折率フィラーを含有することで、パターン部および非パターン部の可視光反射率が低減、及び可視光透過率が向上し、本発明の赤外線反射パターン形成体をディスプレイの前面に装着する用途においてより好ましい。前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。前記オーバーコート層の厚みとしては、0.01μm〜1,000μmが好ましく、0.02μm〜500μmがより好ましく、0.03〜10μmがより特に好ましい。
<<バックコート層>>
一方、本発明の赤外線反射パターン形成体において、前記支持体の前記金属粒子含有パターン層とは反対側の面上に、バックコート層を有していてもよい。前記バックコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ好ましい組成や厚みは、前記オーバーコート層の好ましい組成や厚みと同様である。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の赤外線反射パターン形成体は、紫外線吸収剤が含まれている層を有することが好ましい。
前記紫外線吸収剤を含有する層は、目的に応じて適宜選択することができ、粘着層であってもよく、また、前記粘着層と前記金属粒子含有パターン層との間の層(例えば、オーバーコート層など)であってもよい。いずれの場合も、前記紫外線吸収剤は、前記金属粒子含有パターン層に対して、太陽光が照射される側に配置される層に添加されることが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール(チヌビン326)、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジターシャリーブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記トリアジン系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物、ビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物、トリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物などが挙げられる。
前記モノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記ビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−プロピルオキシフェニル)−6−(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−[3−(メトキシヘプタエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。前記トリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−6−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−6−[2,4−ビス[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、2−エチルヘキシルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視光透明性や日射透明性が高い方が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。なお、バインダーが熱線を吸収すると、平板状金属粒子による反射効果が弱まってしまうことから、熱線源と平板状金属粒子との間に形成される紫外線吸収層としては、450nm〜1,500nmの領域に吸収を持たない材料を選択したり、該紫外線吸収層の厚みを薄くしたりすることが好ましい。
前記紫外線吸収層の厚みとしては、0.01μm〜1,000μmが好ましく、0.02μm〜500μmがより好ましい。前記厚みが、0.01μm未満であると、紫外線の吸収が足りなくなることがあり、1,000μmを超えると、可視光の透過率が下がることがある。
前記紫外線吸収層の含有量としては、用いる紫外線吸収層によって異なり、一概に規定することができないが、本発明の赤外線反射パターン形成体において所望の紫外線透過率を与える含有量を適宜選択することが好ましい。
前記紫外線透過率としては、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。前記紫外線透過率が、5%を超えると、太陽光の紫外線により前記平板状金属粒子層の色味が変化することがある。
<赤外線反射パターン形成体の製造方法>
本発明の赤外線反射パターン形成体を製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。まず、本発明の赤外線反射パターン形成体の金属粒子含有パターン層の製造方法について説明する。
本発明の赤外線反射パターン形成体の金属粒子含有パターン層は、後述の実施例においては、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィーにて形成しているが、本発明はそのような実施態様になんら限定されるものではない。他に金属平板粒子含有パターン層のパターン部を形成する方法として、インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷などの各種印刷手段などを用いることができ、連続性、製造コストの観点から、インクジェット印刷が好ましい。
本発明の赤外線反射パターン形成体の金属粒子含有パターン層の製造方法としては、例えば、前記支持体などの下層の表面上に、前記六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法と、そのようにして形成されたパターン化されていない金属粒子含有層をフォトリソグラフィー法でパターン化する方法の組み合わせが挙げられる。金属粒子含有パターン層は各種印刷手段によって形成されてなることや、塗布およびフォトリソグラフィーの組み合わせにより形成されてなることが好ましい。六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を有する分散液を用いてパターン化されていない金属粒子含有層を形成する場合は、その中でもバーコーターにより塗布する方法が好ましい。
金属粒子含有パターン層を塗布およびフォトリソグラフィーの組み合わせにより形成する場合、塗布液には六角形状乃至円形状の平板状金属粒子や、前記ポリマーの他、溶媒や界面活性剤などのその他の添加剤を添加してもよい。
前記溶媒としては、特に制限はなく水や公知の有機溶媒を用いることができ、例えば、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール、N−プロピルアルコール、1−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、等の種々のものを用いることができる。本発明では、環境影響の観点と、塗布コスト低減の点から水性の溶媒を用いることが好ましい。
前記溶媒は、1種単独で用いる以外に2種以上を組合せて用いてもよい。本発明では、具体的には水とメタノールを組み合わせた水性の溶媒として用いることがより好ましい。
その他の添加剤としては、特開2005−17322号公報の段落番号[0027]〜[0031]に記載の界面活性剤や添加剤が挙げられる。
前記界面活性剤は特に限定されないが、脂肪族、芳香族、フッ素系のいずれの界面活性剤でもよく、また、ノニオン系、アニオン系、カチオン系のいずれの界面活性剤でもよい。前記界面活性剤としては、特開2011−218807号公報に記載のものなどを挙げることができる。
前記界面活性剤としては、具体的には、日本油脂(株)製のラピゾールA−90、三洋化成工業(株)製のナロアクティーCL95等が好ましく用いられる。
前記界面活性剤は、1種単独で用いる以外に2種以上を組合せて用いてもよい。
金属粒子含有パターン層を塗布およびフォトリソグラフィーの組み合わせにより形成する場合、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子およびポリマー塗布量の好ましい範囲は、それぞれ金属粒子含有パターン層中に含まれる六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の含有量および前記ポリマーの含有量の好ましい範囲とそれぞれ同様である。
金属粒子含有パターン層を塗布およびフォトリソグラフィーの組み合わせにより形成する場合、前記塗布液を塗布後、公知の方法で乾燥して、固化し、金属粒子含有パターン層を形成することが好ましい。乾燥方法としては、加熱による乾燥が好ましい。
また、フォトリソグラフィーによる金属粒子含有パターン層の形成においても、ネガ方式、ポジ方式いずれも実施可能であるが、オーバーコート層(保護層)を付与する際に、パターン部の段差に応じて、厚みムラや塗布面状悪化などが発生しにくい観点で、ポジ方式がより好ましい。
パターン化されていない金属粒子含有層をフォトリソグラフィー法でパターン化する方法としては特に制限は無く公知の方法を用いることができる。例えば、特開2013−201005号公報の段落番号0078〜0093に記載の方法を本発明では採用することができ、この公報に記載の内容は本発明に組み込まれる。
−1.金属粒子含有パターン層の形成方法−
本発明の金属粒子含有パターン層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材などの下層の表面上に、前記平板状金属粒子を有する分散液(平板状金属粒子分散液)を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法が挙げられる。
なお、面配向を促進するために、平板状金属粒子を塗布後、カレンダーローラーやラミローラーなどの圧着ローラーを通すことにより促進させてもよい。
−2.オーバーコート層の形成方法−
オーバーコート層は、塗布により形成することが好ましい。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、前記紫外線吸収剤を含有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法などが挙げられる。
−3.粘着層または接着層の形成方法−
前記粘着層または接着層は、塗布により形成することが好ましい。例えば、前記支持体のパターン部を有する面とは反対側の面の表面上に積層することができる。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
粘着材または接着層を予め離型フィルム上に塗工及び乾燥させたフィルムを作製しておいて、当該フィルムの粘着材または接着層面と本発明の赤外線反射パターン形成体表面とをラミネートすることにより、ドライな状態のままの粘着材層を積層することが可能である。このときのラミネートの方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
<赤外線反射パターン形成体の用途>
本発明の赤外線反射パターン形成体の用途は特に制限は無く、公知の赤外線反射パターン形成体を用いたシステムに用いることができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体は、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートであることが好ましい。画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートの好ましい態様としては、特許第4725417号公報の[0024]〜[0031]に記載の態様を挙げることができる。
本発明の赤外線反射パターン形成体を、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートとして用いたシステムの概略図を図8に示す。
図8において、赤外線iを発し、前記パターンの反射光rを検知できるものであれば特に限定されず公知のセンサーを用いれば良く、例えば、ペン型の入力端末106が読取データ処理装置107も具備する例として、特開2003−256137号公報に開示されている、インキや黒鉛等を備えないペン先、赤外線照射部を備えたCMOSカメラ、プロセッサ、メモリ、Bluetooth(登録商標)技術等を利用したワイヤレストランシーバ等の通信インタフェース、及びバッテリ等を内蔵しているものなどが挙げられる。
ペン型入力端末106の動作としては、例えば、ペン先を本発明の赤外線反射パターン形成体100の前面に接触させてなぞるように描画すると、ペン型入力端末106がペン先に加わった筆圧を検知し、CMOSカメラが作動して、ペン先近傍の所定範囲を赤外線照射部から発する所定波長の赤外線で照射するとともに、パターンを撮像する(パターンの撮像は、例えば、1秒間に数10から100回程度行われる)。ペン型入力端末106が読取データ処理装置107を具備する場合には、撮像したパターンをプロセッサで解析することにより手書き時のペン先の移動に伴う入力軌跡を数値化・データ化して入力軌跡データを生成し、その入力軌跡データを情報処理装置へ送信する。
なお、プロセッサ、メモリ、Bluetooth(登録商標)技術等を利用したワイヤレストランシーバ等の通信インタフェース、及びバッテリ等の部材は、図8に示すように、読取データ処理装置107として、ペン型入力端末106の外部に有っても良い。この場合には、ペン型入力端末106は読取データ処理装置107にコード108で接続されていても、電波、赤外線等を用い無線で読取データを送信しても良い。
この他、入力端末106は、特開2001−243006号公報に記載された読取器のようなものであっても良い。
本発明において適用できる読取データ処理装置107は、入力端末106で読み取った連続的な撮像データから位置情報を算出し、それを時間情報と組み合わせ、情報処理装置で扱える入力軌跡データとして提供する機能を有するものであれば特に限定されず、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及びバッテリ等の部材を具備していれば良い。
また、読取データ処理装置107は、特開2003−256137号公報のように入力端末106に内蔵されていても良く、また、ディスプレイ装置を備える情報処理装置に内蔵されていても良い。また、読取データ処理装置107は、ディスプレイ装置を備える情報処理装置に無線で位置情報を送信しても良く、コード等で接続された有線接続で送信しても良い。
ディスプレイ装置105に接続された情報処理装置は、読取データ処理装置107から送信されてきた軌跡情報に基づき、ディスプレイ装置105に表示する画像を順次更新することによって、入力端末106で手書き入力した軌跡を、紙の上にペンで書いたかのようにディスプレイ装置上に表示することが出来る。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<平板状金属粒子の調製と評価>
−平板状金属粒子分散液の調製−
NTKR−4(日本金属工業(株)製)製の反応容器にイオン交換水13Lを計量し、SUS316L製のシャフトにNTKR−4製のプロペラ4枚およびNTKR−4製のパドル4枚を取り付けたアジターを備えるチャンバーを用いて撹拌しながら、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lを添加して35℃に保温した。8.0g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液0.68Lを添加し、更に0.04Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて23g/Lに調製した水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.041Lを添加した。0.10g/Lの硝酸銀水溶液13Lを5.0L/minで添加した。
10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lとイオン交換水11Lを添加して、更に80g/Lのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液0.68Lを添加した。撹拌を800rpmに上げて、0.10g/Lの硝酸銀水溶液8.1Lを0.95L/minで添加した後、30℃に降温した。
44g/Lのメチルヒドロキノン水溶液8.0Lを添加し、次いで、後述する40℃のゼラチン水溶液を全量添加した。撹拌を1200rpmに上げて、後述する亜硫酸銀白色沈殿物混合液を全量添加した。
調製液のpH変化が止まった段階で、1NのNaOH水溶液5.0Lを0.33L/minで添加した。その後、2.0g/Lの1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム水溶液(NaOHとクエン酸(無水物)とを用いてpH=7.0±1.0に調節して溶解した)0.18Lを添加し、更に70g/Lの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(NaOHで水溶液をアルカリ性に調節して溶解した)0.078Lを添加した。このようにして銀平板粒子分散液Aを調製した。
−ゼラチン水溶液の調製−
SUS316L製の溶解タンクにイオン交換水16.7Lを計量した。SUS316L製のアジターで低速撹拌を行いながら、脱イオン処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPC重量平均分子量20万)1.4kgを添加した。更に、脱イオン処理、蛋白質分解酵素処理、および過酸化水素による酸化処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPC重量平均分子量2.1万)0.91kgを添加した。その後40℃に昇温し、ゼラチンの膨潤と溶解を同時に行って完全に溶解させた。
−亜硫酸銀白色沈殿物混合液の調製−
SUS316L製の溶解タンクにイオン交換水8.2Lを計量し、100g/Lの硝酸銀水溶液8.2Lを添加した。SUS316L製のアジターで高速撹拌を行いながら、140g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液2.7Lを短時間で添加して、亜硫酸銀の白色沈澱物を含む混合液を調製した。この混合液は、使用する直前に調製した。
銀平板粒子分散液Aをイオン交換水で希釈し、分光光度計((株)日立製作所製U−3500)を用いて分光吸収を測定したところ、吸収ピーク波長は900nmであり、半値全幅は270nmであった。
銀平板粒子分散液Aの物理特性は、25℃においてpH=9.4(アズワン(株)製KR5Eで測定)、電気伝導度8.1mS/cm(東亜ディーケーケー(株)製CM−25Rで測定)、粘度2.1mPa・s((株)エー・アンド・デイ製SV−10で測定)であった。得られた銀平板粒子分散液Aは、ユニオンコンテナーII型(低密度ポリエチレン製、販売元:アズワン(株))の20Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。
−平板状金属粒子分散液の脱塩および再分散−
前述の銀平板粒子分散液Aを遠沈管に800g採取して、1NのNaOHおよび/または1Nの硫酸を用いて25℃でpH=9.2±0.2に調整した。遠心分離機(日立工機(株)製himacCR22GIII、アングルローターR9A)を用いて、35℃に設定して9000rpm60分間の遠心分離操作を行った後、上澄液を784g捨てた。沈殿した銀平板粒子に0.2mMのNaOH水溶液を加えて合計400gとし、撹拌棒を用いて手撹拌して粗分散液にした。これと同様の操作で24本分の粗分散液を調製して合計9600gとし、SUS316L製のタンクに添加して混合した。更に、Pluronic31R1(BASF社製)の10g/L溶液(メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液で希釈)を10cc添加した。プライミクス(株)製オートミクサー20型(撹拌部はホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液混合物に9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。分散後、25℃に降温してから、プロファイルIIフィルター(日本ポール(株)製、製品型式MCY1001Y030H13)を用いてシングルパスの濾過を行った。
このようにして、分散液Aに脱塩処理および再分散処理を施して、銀平板粒子分散液Bを調製した。
銀平板粒子分散液Bの分光透過率を、銀平板粒子分散液Aと同様の方法で測定したところ、吸収ピーク波長および半値幅は銀平板粒子分散液Aとほぼ同じ結果であった。
分散液Bの物理特性は、25℃においてpH=7.6、電気伝導度0.37mS/cm、粘度1.1mPa・sであった。得られた銀平板粒子分散液Aは、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。
−平板状金属粒子の評価−
銀平板粒子分散液Aの中には、六角形状乃至円形状および三角形状の平板粒子が生成していることを確認した。銀平板粒子分散液AのTEM観察により得られた像を、画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した。数視野のTEM像から任意に抽出した500個の粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当直径を算出した。これらの母集団に基づき統計処理した結果、平均直径は120nmであった。
レーザー回折・散乱式の粒子径・粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300II(日機装(株)製、粒子透過性は反射に設定)を用いて銀平板粒子分散液Aを測定して、メジアン径D50=48nm、D10=33nm、D90=70nm、および平均粒径(体積加重)51nmの結果を得た。また、平板状の金属粒子を測定したところ97個数%であった。
銀平板粒子分散液Bを同様に測定したところ、粒度分布の形状も含め銀平板粒子分散液Aとほぼ同じ結果を得た。
銀平板粒子分散液Bをシリコン基板上に滴下して乾燥し、銀平板粒子の個々の厚みをFIB−TEM法により測定した。銀平板粒子分散液B中の銀平板粒子10個を測定して平均厚みは8nmであった。
<赤外線反射パターン形成体の作製>
以下、赤外線反射パターン形成体の作製について記載する。塗布液調製に用いた原材料は、購入した素原料を希釈したり、あるいは分散物にするなど、適宜加工して使用した。
(金属粒子含有パターン層用の塗布液M1の調製)
−銀平板粒子含有遮熱層塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 0.27質量部
銀平板粒子分散液B 17.85質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 30.00質量部
蒸留水 49.12質量部
(保護層用塗布液O1の調製)
コロイド状シリカ微粒子:スノーテックスXL(平均粒子径50nm)
(日産化学工業(株)製、固形分10質量%蒸留水希釈) 0.0033質量部
コロイド状シリカ微粒子分散物A 0.079質量部
アクリルポリマー水分散物:AS−563A
(ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%) 0.13質量部
ワックス:セロゾール524
(中京油脂(株)製、固形分3質量%蒸留水希釈) 0.78質量部
架橋剤:カルボジライトV−02−L2
(日清紡ケミカル(株)製、固形分濃度20質量%蒸留水希釈) 0.46質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%蒸留水希釈) 0.63質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%蒸留水希釈) 0.87質量部
ウレタンポリマー水溶液:オレスターUD350
(三井化学(株)製、固形分38質量%) 1.12質量部
蒸留水 95.93質量部
−コロイド状シリカ微粒子分散物Aの調製−
平均一次粒子径40nmのコロイド状シリカ微粒子であるアエロジルOX−50(日本アエロジル(株)製)0.10kgをSUS304製の容器に計量し、イオン交換水0.9kgを添加して、卓上型クイックホモミキサーLR−1(みづほ工業(株)製)を用いて3000rpmで60分間の粗分散を行った。引き続き、BRANSON社製(販売元:日本エマソン(株)ブランソン事業部)の超音波発振器(型式S−8540−12、40kHz)を備えた超音波分散槽に移して設定出力80%で4時間の分散を行って、固形分10質量%のコロイド状シリカ微粒子分散物Aを調製した。
レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920((株)堀場製作所製)を用い、相対屈折率設定値を140a0001に設定して測定を行ったところ、平均粒子径は165nmであった。
(金属粒子含有パターン層の作成)
支持体となるロール形態のPETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300、幅:1320mm、厚み:75μm、両面易接着層処理)を15m/分の速度で搬送し、支持体の片面上に下層用の塗布液M1をワイヤーバーを用いて10.6cc/m2となるように塗布し、130℃で乾燥処理を施して、塗布液M1を塗布および乾燥して得られるT1層を設けた。塗布乾燥後のT1層の膜厚は20nmであった。なお、下記表1中、東洋紡(株)製コスモシャインA4300はPETと省略して記載した。
(金属粒子含有層のパターニング工程−金属粒子含有パターン層の形成−)
作製したT1層上に、ポジ型の感光性樹脂組成物であるFH−6400L(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を、15m/分の速度で搬送し、T1層の上にワイヤーバーを用いて7.0cc/m2となるように塗布し、100℃で乾燥処理を施して、FH−6400Lを塗布および乾燥して得られる感光性レジスト層としてT2層を設けた。
この支持体上にT1層・T2層を有するフィルムから、A4サイズのサンプルを切り出した。その後、T2層側に所定のパターンを施したターゲットマスクを接触させ、ML−501D/B(ウシオ電機製)を用いてターゲットマスク側から積算光量50mJとなるようにパターン露光した。実施例1で用いたターゲットマスクは、図3に示したパターン1辺の長さ10μm×10μmのパターン部51と非パターン部52とが市松模様状にA4サイズ全体に繰り返されたパターンを形成できるターゲットマスクであり、パターン部51の形状とマスク部の形状が一致するターゲットマスクであった。
パターン露光したサンプルを、2.38%に調製した水酸化テトラメチルアンモニウム(和光純薬工業(株)製)で120秒処理したのち、蒸留水にて120秒洗浄した。ここまでの現像工程により、感光性レジスト層であるT2層の露光された部分が、サンプル上から洗い落された。
さらに、このサンプルを続けてCP48S−P2(富士フイルム(株)製)で60秒処理した後、蒸留水にて60秒洗浄した後、常温環境下でよく乾燥させた。ここまでの現像工程により、露光された部分のT1層が、サンプル上から洗い落された。
その後、支持体上に非露光部分のT1層と非露光部分のT2層を有するサンプルのT2層側から、ML−501D/B(ウシオ電機製)を用いて積算光量100mJとなるように全面露光した。その後、2.38%に調製した水酸化テトラメチルアンモニウム(和光純薬工業(株)製)で120秒処理したのち、蒸留水にて120秒洗浄した。ここまでの現像工程により、感光性レジスト層であるT2層のパターン露光時の非露光部分も、サンプル上から洗い落された。このようにして、支持体上に非露光部分のT1層を有するサンプルを得た。
(オーバーコート層の積層)
この支持体上に非露光部分のT1層を有するサンプルのパターニングされたT1層側に、最後にワイヤーバーを用いて5.3cc/m2となるように保護層用の塗布液O1を塗布し、130℃で乾燥処理を施して、塗布液O1を塗布および乾燥して得られるO1層を設けた。塗布乾燥後のO1層の膜厚は33nmであった。
以上のような方法を用いて、ターゲットマスクのマスク部の形状と一致する所定の金属粒子含有パターン部と、非パターン部と、パターン部および非パターン部の全体を覆うように形成されたオーバーコート層を有するサンプルを作製した。
得られたサンプルを実施例1の赤外線反射パターン形成体とした。
[比較例1]
実施例1において上記金属粒子含有層のパターニング工程を行わず、T1層およびO1層の積層のみを行った。得られた赤外線反射パターン形成体を、比較例1の赤外線反射パターン形成体とした。
[比較例2]
特開平9−240132号公報の実施例2の製造方法を元に、支持体を以下のとおりに変更した以外は特開平9−240132号公報の実施例2と同様にして、比較例2の赤外線反射パターン形成体を作製した。この際、特開平9−240132号公報の[0055]に記載の白色のポリエチレンフィルム(厚さ188μm)の代わりに、透明のポリエステルフィルム(東洋紡(株)製コスモシャインA4300、幅:1320mm、厚み:75μm、両面易接着層処理)を用いた。
[実施例2]
実施例1において、支持体として東洋紡(株)製コスモシャインA4300の代わりにフジタックTD80(富士フイルム(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の赤外線反射パターン形成体を作製した。なお、下記表1中、フジタックTD80はTACと省略して記載した。
[実施例3]
実施例1において、実施例1で用いたターゲットマスクの代わりに、図4に示したパターン1辺の長さ53aが500μmであり、パターン1辺の長さ53bが55μmの島状のパターン部51と、海状の非パターン部52とがA4サイズ全体に繰り返されたパターンを形成できるターゲットマスクを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の赤外線反射パターン形成体を作製した。
このようにして作製した実施例3の赤外線反射パターンの顕微鏡観察像を図4に示す。
[実施例4]
実施例1において、支持体として東洋紡(株)製コスモシャインA4300の代わりにルミラーX30(東レ(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の赤外線反射パターン形成体を作製した。なお、下記表1中、ルミラーX30は黒PETと省略して記載した。
[実施例5および6]
実施例1において、実施例1で用いたターゲットマスクの代わりに、実施例1で用いたターゲットマスクと相似の形状であって、かつ、パターン1辺の長さがそれぞれ50μmおよび100μmであるターゲットマスクを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5および6の赤外線反射パターン形成体を作製した。
[実施例7]
実施例1において、金属粒子含有パターン層用の塗布液M1の代わりに、下記の金属粒子含有パターン層用の塗布液M3を用い、パターン部厚みを下記表のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の赤外線反射パターン形成体を作製した。
(金属粒子含有パターン層用の塗布液M3の調製)
−銀平板粒子含有遮熱層塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 0.27質量部
銀平板粒子分散液B 35.7質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 30.00質量部
蒸留水 31.27質量部
[実施例8]
実施例7において、金属粒子含有パターン層用の塗布液M3の代わりに、下記の金属粒子含有パターン層用の塗布液M4を用い、パターン部厚みを下記表のとおりに変更した以外は実施例7と同様にして、実施例8の赤外線反射パターン形成体を作製した。
(金属粒子含有パターン層用の塗布液M4の調製)
−銀平板粒子含有遮熱層塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 0.27質量部
銀平板粒子分散液B 41.65質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 30.00質量部
蒸留水 7.47質量部
[実施例9]
実施例1の金属粒子分散液Bの作製において、銀平板粒子分散液Aを遠沈管に800g採取して、1NのNaOHおよび/または1Nの硫酸を用いて25℃でpH=9.2±0.2に調整した後に銀平板粒子分散液Bと同様の方法で遠心分離操作を行った後、上澄液を784g捨てた。沈殿した銀平板粒子に0.2mMのNaOH水溶液を加えて合計200gとした(銀平板粒子分散液Bは400gなので、銀平板粒子分散液Bの実質2倍濃縮となる)、平板銀粒子分散液B3液を作製した。
実施例1において、金属粒子含有層用の塗布液M1の代わりに、下記の金属粒子含有パターン層用の塗布液M5を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の赤外線反射パターン形成体を作製した。
(金属粒子含有パターン層用の塗布液M5の調製)
−銀平板粒子含有遮熱層塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 0.27質量部
銀平板粒子分散液B3 41.65質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 30.00質量部
蒸留水 25.32質量部
[実施例10]
実施例7において、実施例7で用いたターゲットマスクの代わりに、実施例7で用いたターゲットマスクと相似の形状であって、かつ、パターン1辺の長さが3μmであるターゲットマスクを用いた以外は実施例7と同様にして、実施例10の赤外線反射パターン形成体を作製した。
[実施例11]
実施例1において、金属粒子含有パターン層用の塗布液M1の代わりに、下記の金属粒子含有パターン層用の塗布液M2を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の赤外線反射パターン形成体を作製した。
(金属粒子含有パターン層用の塗布液M2の調製)
−銀平板粒子含有遮熱層塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 0.27質量部
銀平板粒子分散液B 12.23質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 30.00質量部
蒸留水 54.74質量部
[実施例12]
実施例7の金属粒子分散液AおよびBの作製において、金属平板粒子厚みが4nm、金属平板粒子直径が45nmになるように作製時の各溶液の濃度、加熱温度及びpHを調整し、平板銀粒子分散液A2、B2液を作製した。
実施例7において、金属粒子分散液Bの代わりに金属粒子分散液B2を用いた以外は実施例7と同様にして、実施例12の赤外線反射パターン形成体を作製した。
[実施例13]
実施例7において、金属粒子含有パターン層用の塗布液M3の代わりに、下記の金属粒子含有パターン層用の塗布液M6を用いた以外は実施例7と同様にして、実施例12の赤外線反射パターン形成体を作製した。
(金属粒子含有パターン層用の塗布液M6の調製)
−銀平板粒子含有遮熱層塗布液−
水性ウレタン樹脂:ハイドランHW350
(DIC(株)製、固形分30質量%) 3.14質量部
銀平板粒子分散液B 17.85質量部
1−(メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(和光純薬工業(株)製、固形分2質量%のアルカリ性水溶液を調製)0.61質量部
界面活性剤A:リパール870P
(ライオン(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 0.96質量部
界面活性剤B:ナロアクティーCL−95
(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%イオン交換水希釈) 1.19質量部
メタノール 30.00質量部
蒸留水 46.25質量部
[赤外線反射パターン形成体の評価]
<パターン部における平板状金属粒子密度>
パターン部における平板状金属粒子密度は、前記パターン部を金属粒子含有パターン層の上から見たときの全体面積Aに対する平板状金属粒子の面積の合計値Bの割合である面積率〔(B/A)×100〕である。より具体的には、各実施例および比較例では、金属粒子含有パターン層を上から(金属粒子含有パターン層側から)走査型顕微鏡で観察した際に得られる画像を、画像処理することにより算出した。得られた結果を下記表1に記載した。
<粒子厚み>
粒子厚みは、平板状金属粒子の主平面間距離に相当し、原子間力顕微鏡(AFM)や透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することができる。
前記AFMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板に平板状金属粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させて、粒子1個の厚みを測定する方法などが挙げられる。
前記TEMによる平均粒子厚みの測定方法としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン基板上に平板状金属粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させた後、カーボン蒸着、金属蒸着による被覆処理を施し、集束イオンビーム(FIB)加工により断面切片を作成し、該断面をTEMによる観察することにより、粒子の厚み測定を行う方法などが挙げられる。
各実施例および比較例では、上述の方法のうち、FIB加工後の断面TEMによる観察を採用し、粒子厚みを求めた。得られた結果を下記表1に記載した。
<金属粒子の面配向性評価>
各実施例および比較例で作製した赤外線反射パターン形成体の断面切片サンプルをそれぞれ作成し、TEM観察により金属粒子の面配向性を評価した。結果、比較例2以外のサンプルでは、金属粒子含有パターン層中の平板状金属粒子の面配向は0°〜±10°以内であった。一方、比較例2のサンプルではそもそも金属粒子が平板状ではなかったため、面配向性を評価できなかった。
<パターン部の厚み>
パターン部の厚みは、例えば、パターン部、非パターン部をいずれも含むサンプルをPtなどで包埋したのち、FIBにて断面を出した試料をFE−SEM観察、もしくはTEM観察した画像より測定することができる。
また、金属粒子含有パターン層の上に、オーバーコート層などの他の層を有する場合においても、他の層と前記金属粒子含有パターン層の境界は同様の方法によって決定することができ、前記金属粒子含有パターン層の厚みを決定することができる。
各実施例および比較例では、上述の方法のうち、FIB加工後の断面TEMによる観察を採用し、パターン部の厚みを求めた。得られた結果を下記表1に記載した。
<パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長およびパターン部の反射率>
(比較測定のための非パターン部形成方法)
各実施例および比較例の赤外線反射パターン形成体では、非パターン部の反射率を直接測定せずに、以下の方法で求めた。非パターン部の反射率測定のための比較サンプル作製方法は、以下のとおりとした。
それぞれ、金属粒子含有パターン層の作製までは、各実施例および比較例の赤外線反射パターン形成体と同様とした。その後、金属粒子含有層のパターニング工程を行う代わりに、下記の工程を行うことで、非パターン部の反射率測定のための比較サンプルを作製した。
作製したT1層上に、ポジ型の感光性樹脂組成物であるFH−6400L(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を、15m/分の速度で搬送し、T1層の上にワイヤーバーを用いて7.0cc/m2となるように塗布し、100℃で乾燥処理を施して、FH−6400Lを塗布および乾燥して得られる感光性レジスト層としてT2層を設けた。
この支持体上にT1層・T2層を有するフィルムから、A4サイズのサンプルを切り出した。その後、T2層側に全面にML−501D/B(ウシオ電機製)を用いてターゲットマスク側から積算光量50mJとなるように全面露光した。
全面露光したサンプルを、2.38%に調製した水酸化テトラメチルアンモニウム(和光純薬工業(株)製)で120秒処理したのち、蒸留水にて120秒洗浄した。ここまでの現像工程により、感光性レジスト層であるT2層の全面が、サンプル上から洗い落された。
さらに、このサンプルを続けてCP48S−P2(富士フイルム(株)製)で60秒処理した後、蒸留水にて60秒洗浄した後、常温環境下でよく乾燥させた。ここまでの現像工程により、全面のT1層が、サンプル上から洗い落された。
このサンプルのT1層が形成されていた側に、最後にワイヤーバーを用いて5.3cc/m2となるように保護層用の塗布液O1を塗布し、130℃で乾燥処理を施して、O1層を設けた。塗布乾燥後のO1層の膜厚は33nmであった。
(パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長Aの算出)
各一辺の長さを図3のように下記表1に記載の1辺の長さのパターンとした市松模様にて作製した各実施例の赤外線反射パターンのサンプル、および、それに相対する非パターン部のみの各実施例の比較サンプルを、5cm角サイズに切り出した。図5のように、光源62から照射された光に対し、サンプルからの直進反射から15°以内の反射光のみを受光部63で測定するように、サンプル設置部64にサンプル65を設置せずにサンプル65と積分球61ユニットを離して設置し、各サンプルの反射スペクトルを紫外可視近赤外分光機(日本分光社製、V−670、積分球ユニットISN−723使用)を用いて300nm〜2500nmの波長域において5nm間隔で測定した。各実施例の赤外線反射パターンのサンプルの反射率と、各実施例の比較サンプルの反射率との間で、最も反射率の差が大きかった波長を「パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長A」とした。
得られた結果を下記表1に記載した。
(パターン部の反射率、非パターン部の反射率の算出)
また、前記パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長Aにおける各実施例の赤外線反射パターンのサンプルの反射率をaとし、非パターンの各実施例の比較サンプルの反射率をbとした際、C=2a+bから算出されるCの値を「パターン部の反射率」とした。
さらにその波長Aにおける非パターンの各実施例の比較サンプルの反射率を、「非パターン部の反射率」とした。
得られた結果を下記表1に記載した。
<550nmの透過率>
各実施例の赤外線反射パターンからサンプルを5cm角サイズに切り出した。透過スペクトルを紫外可視近赤外分光機(日本分光社製、V−670、積分球ユニットISN−723使用)を用いて300nm〜2500nmの波長域において5nm間隔で測定し、550nmにおける透過率を算出した。
得られた結果を下記表1に記載した。
<耐擦傷性>
ラビングテスターのこすり先端部にベンコットM3−II(旭化成せんい製)を治具を用いて固定し、平滑皿中で試料の上下をクリップで固定し、室温25℃で、ベンコットに300gの荷重をかけて、こすり回数を変えてこすりテストを行った。こすり条件は以下のとおり。
こすり距離(片道):5cm、こすり速度:約0.5往復/秒。
こすり終えた試料を観察して、膜剥がれが起こった回数で、こすり耐性を以下の基準に基づいて評価した。なお、B評価以上であることが実用上好ましく、A評価であることがより好ましい。
(評価基準)
0〜10往復で膜剥がれ :C
20〜30往復で膜剥がれ:B
30往復でも膜剥がれなし:A
Figure 2015158650
上記表1より、本発明の赤外線反射パターン形成体は、パターン部と非パターン部の反射率差が最大となるピーク波長において、パターン部の反射率が高く、かつ、非パターン部の反射率が低いことがわかった。なお、本発明の赤外線反射パターン形成体は、非パターン部における六角形状乃至円形状の平板状金属粒子の粒子密度(詳細は後述する)が、1%以下であることを非パターン部の表面SEM観察によって確認した。
一方、比較例1の赤外線反射パターン形成体は、非パターン部を有さないために赤外線反射パターン形成体としての体をなさないものであった。
比較例2の赤外線反射パターン形成体は、特開平9−240132号公報の実施例に開示されている粒子を含有しており、平板状金属粒子の主平面が前記金属粒子含有層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が全平板状金属粒子の50個数%未満であるものであり、非パターン部の反射率が高い点で問題があるものであった。
以上詳細に説明したように、本発明の赤外線反射パターン形成体は、ディスプレイ装置の画面に直接手書きするタイプのデータ入力システムに適用できる赤外線反射パターンが施されたディスプレイ前面に装着されるシートにおいて、赤外線の照射及び検知が可能な入力端末を用いて赤外線反射パターンを読み取ることで、透明シート上における入力端末の位置に関する情報が提供可能となる赤外線反射パターン印刷透明シートにおいても、使用する際赤外反射パターンを気にすることなく、よりディスプレイ画面そのものに近い画像を得ることができる。このため、手軽に使用することができ、実用性能が高く、携帯電話、PDA等の各種携帯端末や、パーソナルコンピュータ、テレビ電話、相互通信機能を備えたテレビジョン、インターネット端末などの種々の情報処理装置に用いることが出来る。
また、本発明の赤外線反射パターン形成体の好ましい態様によれば、可視域で非常に視認性の低い赤外線反射パターンが可能となるため、例えばIDカードの真偽判定システムの情報媒体として、よりIR反射パターン部位の視認性が低く防犯の観点で有利であったり、カードのデザイン自由度が増したりする利点が考えられる。
1 金属粒子含有パターン層
5 オーバーコート層
6 粘着層または接着層
11 平板状金属粒子
40 支持体(基材)
51 パターン部
52 非パターン部
53、53a、53b パターン部の一辺の長さ
61 積分球
62 光源
63 受光部
64 サンプル設置部
65 サンプル
100 赤外線反射パターン形成体
105 ディスプレイ装置
106 ペン型センサー
107 読み取りデータ処理装置
108 コード
a 金属粒子の(平均)厚み
D 金属粒子の(平均)粒子径または(平均)円相当径
f 平板状金属粒子の深さ方向の存在範囲

Claims (9)

  1. 支持体上の少なくとも一部の領域に、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を含有する金属粒子含有パターン層をパターン部として有し、
    前記支持体上に、前記金属粒子含有パターン層が形成されていない非パターン部を有する赤外線反射パターン形成体であり、
    前記平板状金属粒子の主平面が前記金属粒子含有パターン層の一方の表面に対して平均0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子の50個数%以上であることを特徴とする赤外線反射パターン形成体。
  2. 前記パターン部の1部分あたりの大きさが、前記平板状金属粒子の反射ピーク波長をAμmとしたときに、(4×A)2(μm)2以上であり、
    前記パターン部における前記平板状金属粒子の密度が20%以上であり、
    前記平板状金属粒子の厚みが5nm以上である請求項1に記載の赤外線反射パターン形成体。
  3. 前記パターン部の780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率が20%以上である請求項1または2に記載の赤外線反射パターン形成体。
  4. 前記支持体が透明である請求項1〜3のいずれか一項に記載の赤外線反射パターン形成体。
  5. 前記パターン部の550nmにおける透過率が60%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の赤外線反射パターン形成体。
  6. 前記パターン部の厚みが80nm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の赤外線反射パターン形成体。
  7. 780nm以上25μm以下の赤外領域における最も高い反射率を示す波長が780nm〜1100nmの帯域に存在する請求項1〜6のいずれか一項に記載の赤外線反射パターン形成体。
  8. 前記支持体のパターン部を有する面とは反対側の面に、粘着層または接着層を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の赤外線反射パターン形成体。
  9. 画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートである請求項1〜8のいずれか一項に記載の赤外線反射パターン形成体。
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