JP6514657B2 - 反射防止光学部材 - Google Patents
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Description
条件(1−1):n1<n2、かつ、下記式(1−1)を満たす。
式(1−1)
λ/4 + mλ/2 <n1×d1<λ/2 + mλ/2
(式(1−1)中、mは0以上の整数を表し、λは反射を防止したい波長(単位:nm)を表し、n1は層Aの屈折率を表し、d1は層Aの厚み(単位:nm)を表す。)
条件(2−1):n1>n2、かつ、下記式(2−1)を満たす。
式(2−1)
0 + mλ/2 <n1×d1<λ/4 + mλ/2
(式(2−1)中、mは0以上の整数を表し、λは反射を防止したい波長(単位:nm)を表し、n1は層Aの屈折率を表し、d1は層Aの厚み(単位:nm)を表す。)
特許文献1は反射を防止したい波長λにおける反射光を抑制できる多層構造の提供するものであり、金属微粒子層と、特定の膜厚と屈折率を持つ層A、層Bを備える多層構造である。
また、本発明者らが特許文献2に記載の反射防止光学部材の性能を検討したところ、十分に低い反射率を示さないものであることがわかった。
特許文献3にはメタマテリアルを用いて反射防止光学部材の積層構造を作製することはされていなかった。
[1] 基材の反射を防止するための反射防止構造であり、
誘電体層、超低屈折率層および基材がこの順に積層された積層構造を有し、
超低屈折率層が、反射を防止する光の波長λよりもサイズが小さいゲストをホスト媒質中に含むメタマテリアル構造を有し、
超低屈折率層の屈折率の実部n2がn2<1を満たし、
超低屈折率層の物理厚みd2が下記式1を満たし、
誘電体層が下記式2を満たす反射防止光学部材;
d2<λ/10・・・式1
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
d1は誘電体層の物理厚みを表し、n1は誘電体層の屈折率の実部を表し、mは0以上の整数を表す。
[2] [1]に記載の反射防止光学部材は、誘電体層が最外層であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の反射防止光学部材は、超低屈折率層の屈折率の虚部k2が2以下であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材は、メタマテリアル構造が、単層であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材は、ゲストが、平板状またはロッド状であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材は、ゲストが金属粒子であり、金属粒子がホスト媒質に分散された構造であることが好ましい。
[7] [6]に記載の反射防止光学部材は、金属粒子が、金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム、または、これらのひとつ以上を含む合金を含むことが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材は、反射を防止する光の波長λが400〜700nmであることが好ましい。
[9] [1]〜[7]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材は、反射を防止する光の波長λが700nmを超え2500nm以下であることが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材の製造方法であって、
メタマテリアル構造をリソグラフィー法により製造する工程を含む反射防止光学部材の製造方法。
[11] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の反射防止光学部材の製造方法であって、
メタマテリアル構造を自己組織化法により製造する工程を含む反射防止光学部材の製造方法。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「メタマテリアル」とは、電磁波の波長に対して十分小さなゲスト材料(構造、要素)を組み合わせ、自然界にはない光学特性を実現した物質である。近年、人工のメタマテリアルに注目が集まっている。
「メタマテリアル構造」とは、特定の形状に設計されたゲスト(例えば金属元素を含む粒子)を、ホスト媒質中に複数埋め込んだ構造である。メタマテリアル構造において、個々のゲストのサイズを光の波長より十分小さくすると、ホストとなる物質(特にゲスト周辺の領域)は、光にとってあたかも均質な物質のように振る舞い、個々のゲストの形状を変化させることで光学特性を制御できる。メタマテリアル構造により、誘電率と透磁率をそれぞれ独立に制御することができる。
ゲストの「サイズ」とは、個々のゲストの長軸長のことを言う。
「誘電体層」とは、直流電圧に対して電気を通さない絶縁体としてふるまう層のことを言う。
本発明の反射防止光学部材は、基材の反射を防止するための反射防止構造であり、
誘電体層、超低屈折率層および基材がこの順に積層された積層構造を有し、
超低屈折率層が、反射を防止する光の波長λよりもサイズが小さいゲストをホスト媒質中に含むメタマテリアル構造を有し、
超低屈折率層の屈折率の実部n2がn2<1を満たし、
超低屈折率層の物理厚みd2が下記式1を満たし、
誘電体層が下記式2を満たす反射防止光学部材である;
d2<λ/10・・・式1
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
d1は誘電体層の物理厚みを表し、n1は誘電体層の屈折率の実部を表し、mは0以上の整数を表す。
このような構成により、基材の反射を防止するための反射防止光学部材を提供できる。
以下、本発明の反射防止光学部材の好ましい態様について記載する。
本発明における、入射光が誘電体層の表面側から反射防止光学部材へ入射する場合の基材の誘電体層側の界面での反射光を、誘電体層と外界の界面での反射光および誘電体層と超低屈折率層との界面での反射光と干渉させて打ち消すメカニズムを具体的に説明する。
図1に示す例の反射防止光学部材1は、誘電体層5、超低屈折率層4および基材2がこの順に積層された積層構造を有し、誘電体層5が最外層である。超低屈折率層4は、ゲスト42をホスト媒質41中に含む。誘電体層5と超低屈折率層4のことをあわせて反射防止構造3Aと言う。
図13に示す例の反射防止光学部材1は、誘電体層5、超低屈折率層4、第2の誘電体層6および基材2がこの順に積層された積層構造を有し、誘電体層5が最外層である。誘電体層5、超低屈折率層4、第2の誘電体層6のことをあわせて反射防止構造3Bと言う。
なお、本発明の反射防止光学部材は、誘電体層5は最外層でなくてもよい(不図示)。
一般に図2に示す積層構造で基材の反射防止が起こるためには、反射Aと反射Bに関し、「反射の振幅(大きさ)」と、「反射の位相」のそれぞれが、特定の条件を満たす必要がある。
具体的な条件は、
「反射の振幅(大きさ)」に関する条件:Ra=Rb・・・式11
および
「反射の位相」に関する条件:
図1に示す例の反射防止光学部材1の反射防止条件を、説明のために簡易的な図3に置き換え、図3の場合のような構造での反射防止条件を考える。
図3における記号を次のように定義する。
n1:誘電体層の屈折率の実部
n2:超低屈折率層の屈折率の実部
n3:基材の屈折率の実部
d1:誘電体層の物理厚み
d2:超低屈折率層の物理厚み
Δ=4π・n2・d2/λ
このとき、各界面での振幅反射率r0及びrijは以下で定義される。
超低屈折率層の屈折率が小さく、かつ物理厚みが極めて薄い場合、超低屈折率層の光学厚みは、反射を防止する光の波長λに比べて十分に小さくなる。すなわち、Δ=4π・n2・d2/λ<<1となる。このとき、eiΔに関してマクローリン展開を行う事ができ、
これらを満たすd1、d2が反射防止に最適な膜厚であり、誘電体層、超低屈折率層、及び基材の屈折率により変化する。
例えばn1=1.5、n2=0.1、n3=1.5の場合にはd1=40nm、d2=24nmとなる。
この場合、d1は光学厚みで0.11×λ、d2は光学厚みで0.004×λとなり、いずれも通常の反射防止構造で用いられる光学層の光学厚み(λ/4)とは異なる事が分かった。
なお、式16を満たすd2及びそれより導出されるd1が理論的には最適な膜厚となるが、膜厚が式16を満たす膜厚と近い場合には、十分な反射防止効果を得る事が出来る。本発明者らが屈折率と膜厚を変えて光学シミュレーションを実施し、十分な反射防止効果を得ることが出来る範囲を検討したところ、
d2<λ/10・・・式1
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
であることがわかった。
式1を満たさない場合には、超低屈折率層の反射が大きすぎるために十分な打ち消しが起こらない。
式2を満たさない場合には、位相が合わないため、やはり十分な打消しが起こらない。
なお、式2において、m=0の場合、
誘電体層の光学厚みが薄いほど、広帯域での反射防止効果が高くなることが知られており、本発明は、十分な反射防止機能を持つのみでなく、広帯域での反射防止特性を示す構造を提供することが出来る。
図13の態様の場合、本発明の反射防止光学部材は、図13における誘電体層と超低屈折率層との界面での反射光と、超低屈折率層と第2の誘電体層の界面での反射光を合わせて図3における「反射B」と考え、誘電体層5と外界(空気)10との界面での反射光Aと干渉させて打ち消すことができる。
図1に示すように、反射防止構造3Aは、ホスト媒質(例えば超低屈折率層のバインダー)41に複数のゲスト(例えば平板状金属粒子)42が分散されてなる超低屈折率層4と、超低屈折率層4の表面4a側に形成された誘電体層5とからなる。ここで、誘電体層5の屈折率は、基材2の屈折率よりも低い屈折率であってもよいし、同程度の屈折率であってもよい。
反射防止構造は、さらに他の層を備えていてもよい。図13では反射防止構造3Bが第2の誘電体層を含む態様について示した。
反射防止光学部材は、誘電体層および超低屈折率層が直接接していることが好ましい。
反射防止光学部材は、図1に示すように超低屈折率層および基材が直接接していても、図13に示すように他の層を介して積層されていてもよい。
反射を防止する光の波長λは目的に応じて任意に設定することができる。
本発明の反射防止光学部材は、反射を防止する光の波長λが400〜700nmであることが、可視光の反射防止の観点から好ましい。また、本発明の反射防止光学部材は、反射を防止する光の波長λが700nmを超え2500nm以下であることが、近赤外光の反射防止の観点から好ましい。その他、可視光と近赤外光の帯域をまたぐように、例えば、反射を防止する光の波長λを目の視感度のある380nm〜780nmとすることができる。通常は単波長ではなくある波長範囲の光、例えば、可視光帯域を含む白色光などが入射光として用いられる。
基材2としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基材は、可視光の入射光に対し光学的に透明な透明基材であることが好ましい。基材2としては、可視光透過率が70%以上のもの、さらには可視光透過率が80%以上のものが好ましい。
このような基材として各種のガラス、フイルム等を用いることが出来る。
なお、本明細書中において、基材2としてフィルムを用い、反射防止構造が形成される面にハードコート層を備える場合、ハードコート層を含めて基材を指すものとし、基材の屈折率とはハードコート層の屈折率を指すものとする。
基材2としてPETフィルムを用いる場合、PETフィルムは反射防止構造が形成される面に易接着層を備えることが好ましい。易接着層を備えるPETフィルムを用いることで、PETフィルムと積層される層との間に生じるフレネル反射を抑制することができ、より反射防止効果を高めることができるからである。易接着層の膜厚としては、反射を防止したい波長に対して、光路長が1/4となるようにすることが好ましい。このような易接着層を備えるPETフィルムとして、東レ株式会社製ルミラー、東洋紡績株式会社製コスモシャインなどが挙げられる。
本発明の反射防止光学部材は、誘電体層、超低屈折率層および基材がこの順に積層された積層構造を有し、
超低屈折率層が、反射を防止する光の波長λよりもサイズが小さいゲストをホスト媒質中に含むメタマテリアル構造を有し、
超低屈折率層の屈折率の実部n2がn2<1を満たし、
超低屈折率層の物理厚みd2が下記式1を満たす;
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
d1は誘電体層の物理厚みを表し、n1は誘電体層の屈折率の実部を表し、mは0以上の整数を表す。
本明細書中、「超低屈折率層」とは、屈折率の実部が1未満である層のことを言う。
ゲストがロッド状である場合、長軸長と直径はそれぞれ以下の範囲であることが好ましい。
長軸長は、反射を防止する光の波長λよりも小さく、反射を防止する光の波長λの0.8倍以下であることが好ましく、0.6倍以下であることがより好ましく、0.5倍以下であることが特に好ましい。長軸長のサイズの下限値としては特に制限はないが、例えば反射を防止する光の波長λの0.01倍以上であることが好ましく、0.02倍以上であることがより好ましく、0.05倍以上であることが特に好ましい。
直径は、反射を防止する光の波長λの0.5倍よりも小さく、反射を防止する光の波長λの0.4倍以下であることが好ましく、0.3倍以下であることがより好ましく、0.1倍以下であることが特に好ましい。長軸長のサイズの下限値としては特に制限はないが、1nm以上であることが好ましく、2nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが特に好ましい。
金属粒子が、金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム、または、これらのひとつ以上を含む合金を含むことが超低屈折率層の屈折率の実部n2を1未満にしやすい観点から好ましく、金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム、または、これらのひとつ以上を含む合金からなることがより好ましい。これらの中でも、金属粒子が、銀を含むことが特に好ましく、銀からなることがより特に好ましい。
超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質は、誘電体層と異なる材料であっても、同じ材料であってもよい。
超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質が誘電体層と同じ材料である場合、超低屈折率層と誘電体層は、明確な形状の界面を有さなくてもよい。超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質が誘電体層と同じ材料である場合、反射防止光学部材を断面から観察した際に、同じ材料である層内のゲストの厚み方向の分布において中央部に位置する80%のゲストが含まれる範囲の厚みの部分を超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質と定義し、同じ材料である層内の残りの厚みの部分を誘電体層と定義する。具体的には、超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質が誘電体層と同じ材料である場合の超低屈折率層の物理厚みd2は、以下の方法で定める。
まず、ゲストの中で、最も基材から近い面(点)を底面(点)とし、最も基材から遠い面(点)を上面(点)とする。次に、基材から近い底面(点)を持つ10%のゲストと、基材から遠い上面(点)を持つ10%のゲストとを除外して、残りの80%のゲストに注目する。残りの80%のゲストのうち、最も基材から近い底面(点)を持つゲストの底面(点)と、最も基材から遠い上面(点)を持つゲストの上面(点)との距離を、超低屈折率層の物理厚みd2とする。
超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質が誘電体層と同じ材料である場合の超低屈折率層の物理厚みd2を定める方法を、図14を参照して説明する。図14は、本発明の反射防止光学部材において、超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質が誘電体層と同じ材料である場合の一態様の断面を示す概略図である。図14では、超低屈折率層4のメタマテリアル構造のホスト媒質41が、誘電体層5と同じ材料であり、超低屈折率層4と誘電体層5は明確な形状の界面を有さない。図14では、基材から近い底面(点)を持つ10%のゲストと、基材から遠い上面(点)を持つ10%のゲストとを無視した、残り80%のゲスト42を記載してある。図14において、ゲスト42のうち、最も基材2から近い底面(点)を持つゲスト42は図14の紙面上の左、中央および右のゲスト42であり、これらのゲスト42の底面(点)は「超低屈折率層4と基材2の界面」に位置する。図14において、最も基材2から遠い上面(点)を持つゲスト42は図14の紙面上の右のゲスト42であり、図14の紙面上の右のゲスト42の上面(点)を含んで基材2に平行な面の位置を「点線」で示した。この「点線」と、「超低屈折率層4と基材2の界面」との距離を、超低屈折率層の物理厚みd2とする。
超低屈折率層のメタマテリアル構造の内部における、ゲストの位置は特に制限はない。例えば、超低屈折率層のメタマテリアル構造をリソグラフィー法により製造することで、ゲストを超低屈折率層の基材側の表面に位置させることができる。また、超低屈折率層のメタマテリアル構造を自己組織化法により製造することで、ゲストを超低屈折率層の内部または基材とは反対側の表面に位置させることができる。
d2<λ/10・・・式1
超低屈折率層の物理厚みd2が下記式1Aを満たすことがより好ましい。
d2<λ/12・・・式1A
超低屈折率層の物理厚みd2が下記式1Bを満たすことが特に好ましい。
d2<λ/15・・・式1B
以下、本発明の反射防止光学部材の超低屈折率層が金属粒子含有層である場合について代表例として説明するが、本発明の反射防止光学部材の超低屈折率層は金属粒子含有層に限定されない。
図4は、金属粒子含有層の一例の平面視のSEM画像である。図4に示すように、平板状金属粒子は互いに孤立して分散配置されていることが好ましく、前述の金属粒子含有層の中に、前述の複数の平板状金属粒子のうち50%以上が互いに孤立して配置されたことが好ましい。
なお、平板状金属粒子どうしは厚み方向において重なりを有さず、単層に配置されていることが好ましい。
金属粒子含有層に含まれる複数の平板状金属粒子は、2つの対向する主平面を有する平板粒子であることが好ましい。平板状金属粒子は、金属粒子含有層の一方の表面に偏析されていることが好ましい。
平板状金属粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視光の反射率が高い点から、銀、金、アルミニウム、銅、ロジウム、ニッケル、白金などが好ましく、その中でも銀がより好ましい。
これら複数の形状の平板状金属粒子を2種以上混ぜて使用しても良い。
円相当径は、個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径で表される。個々の粒子の投影面積は、電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影倍率で補正する公知の方法により得ることができる。また、平均粒子径(平均円相当径)は、200個の平板状金属粒子の円相当径Dの統計で粒径分布が得られ、算術平均を計算することができる。平板状金属粒子の粒径分布における変動係数は、粒径分布の標準偏差を前述の平均粒子径(平均円相当径)で割った値(%)で求めることができる。
平板状金属粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、平均粒子径は10〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましく、50〜200nmがさらに好ましい。
反射防止光学部材では、平板状金属粒子の厚みTは20nm以下であることが好ましく、2〜15nmであることがより好ましく、4〜12nmであることが特に好ましい。
粒子厚みTは、平板状金属粒子の主平面間距離に相当し、例えば、図5及び図6に示す通りである。粒子厚みTは、原子間力顕微鏡(AFM)や透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することができる。
TEMを用いた平均粒子厚みの測定方法としては、例えば、シリコン基材上に平板状金属粒子を含有する粒子分散液を滴下し、乾燥させた後、カーボン蒸着または金属蒸着を行って被覆処理を施し、集束イオンビーム(FIB)加工により断面切片を作製し、その断面をTEMを用いて観察することにより、粒子の厚み測定を行う方法などが挙げられる。
金属粒子含有層中の平板状金属粒子の平均直径の平均厚みに対する比(アスペクト比)は3以上であることが好ましい。平板状金属粒子のアスペクト比が3以上であれば、可視光帯域の光の吸収を抑制し、反射防止光学部材に入射した光の反射防止機能を奏するための干渉に寄与する反射光の反射率を十分大きなものとすることができる。
可視光の入射光が誘電体層の表面側から積層構造へ入射する場合の誘電体層の表面における反射光を、誘電体層側の金属粒子含有層の界面における反射光と干渉させて打ち消すために、誘電体層側の金属粒子含有層の界面における反射光の波長帯域が前述の可視光の入射光の波長帯域と重なるように調整し、低い反射率を示す反射防止光学部材を提供する観点から、平板状金属粒子のアスペクト比は3〜40が好ましく、5〜40がより好ましい。
可視光の吸収とヘイズを減らす観点から、平板状金属粒子のアスペクト比は3〜40が好ましく、5〜40がより好ましい。アスペクト比が3以上であれば可視光の吸収を抑制でき、40未満であれば可視光帯域でのヘイズも抑制できる。
ここで、バインダー中に複数分散配置される平板状金属粒子の総数のうち60%以上がアスペクト比3以上を満たすことが好ましい。
金属粒子含有層中において、平板状金属粒子の主面は金属粒子含有層の表面に対して0°〜30°の範囲で面配向していることが好ましい。すなわち、図8において、金属粒子含有層の表面と、平板状金属粒子の主平面(円相当径Dを決める面)または主平面の延長線とのなす角度(±θ)が0°〜30°であることが好ましい。平板状金属粒子の金属粒子含有層に含まれる全平板状金属粒子の主平面が、金属粒子含有層の表面に対して0°〜30°の範囲で面配向していなくてもよい。平板状金属粒子の主面は金属粒子含有層の表面に対して角度(±θ)が0°〜20°の範囲で面配向していることがより好ましく、0°〜10°の範囲で面配向していることが特に好ましい。反射防止光学部材の断面を観察した際、平板状金属粒子は、図8に示す傾角(±θ)が小さい状態で配向していることがより好ましい。θが±30°以下であると、反射防止光学部材における可視光の吸収が増加し難い。
また、上述の角度θが0°〜±30°の範囲で面配向している平板状金属粒子が、全平板状金属粒子数の50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
図9および図10は、平板状金属粒子の金属粒子含有層における存在状態を示した概略断面図である。
金属粒子含有層の塗布膜厚みは、塗布膜厚みを下げるほど、平板状金属粒子の面配向の角度範囲が0°に近づきやすくなり、可視光の吸収を減らすことができることから100nm以下であることが好ましく、3〜50nmであることがより好ましく、5〜40nmであることが特に好ましい。
また、平板状金属粒子が金属粒子含有層の一方の表面に露出しているとは、平板状金属粒子の一方の表面の一部が、誘電体層側の界面位置となっていることを意味する。図10は平板状金属粒子の一方の表面が誘電体層側の界面に一致している場合を示す図である。
金属粒子含有層に対して垂直方向から見たときの金属粒子含有層の全投影面積Aに対する平板状金属粒子の面積の合計値Bの割合である面積率〔(B/A)×100〕としては、5〜70%であることが可視光帯域の光の吸収を抑制し、反射防止光学部材に入射した光の反射防止機能を奏するための干渉に寄与する反射光の反射率を十分大きなものとすることができる観点から好ましく、5%以上40%以下がより好ましい。
また、面積率を10%以上、40%以下とすることにより、可視光帯域の光の吸収を更に抑制し、反射防止光学部材に入射した光の反射防止機能を奏するための干渉に寄与する反射光の反射率透過率を更に大きなものとすることができる。
金属粒子含有層における平板状金属粒子の配列は均一であることが好ましい。ここで言う配列の均一とは、各平板状金属粒子に対する最近接粒子までの距離(最近接粒子間距離)を平板状金属粒子の中心間距離で数値化した際、各々の平板状金属粒子の最近接粒子間距離の変動係数(=標準偏差÷平均値)が小さいことを指す。最近接粒子間距離の変動係数は小さいほど好ましく、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、理想的には0%である。最近接粒子間距離の変動係数が十分に小さい場合には、金属粒子含有層内で平板状金属粒子の粗密や粒子間の凝集が生じにくくなり、ヘイズが改善する傾向があるため好ましい。最近接粒子間距離は金属粒子含有層塗布面をSEMなどで観察することにより測定が可能である。
平板状金属粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を合成し得るものとして挙げられる。これらの中でも、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法、光化学還元法などの液相法が特に好ましい。平板状金属粒子が平板状銀粒子(銀ナノディスクと呼ばれることもある)である場合、六角形〜三角形状の平板状銀粒子を合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種を用いたエッチング処理、加熱を用いたエージング処理などを行うことにより、六角形〜三角形状の平板状金属粒子の角を鈍らせて、六角形状乃至円形状の平板状金属粒子を得てもよい。
以下、超低屈折率層のホスト媒質の好ましい材料について、超低屈折率層が金属粒子含有層である場合を例に挙げて説明する。
金属粒子含有層におけるバインダーは、ポリマーを含むことが好ましく、透明ポリマーを含むことがより好ましい。ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンやセルロース等の天然高分子等の高分子などが挙げられる。その中でも、主ポリマーがポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂であることが好ましく、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂であることが平板状金属粒子の80個数%以上を金属粒子含有層の表面からd/2の範囲に存在させやすい観点からより好ましい。
バインダーは2種以上を併用して使用してもよい。
また、本明細書中、金属粒子含有層に含まれる主ポリマーとは、金属粒子含有層に含まれるポリマーの50質量%以上を占めるポリマー成分のことを言う。
金属粒子含有層に含まれる平板状金属粒子に対するポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂の含有量が1〜10000質量%であることが好ましく、10〜1000質量%であることがより好ましく、20〜500質量%であることが特に好ましい。
バインダーの屈折率nは、1.4〜1.7であることが好ましい。
金属粒子含有層がポリマーを含み、ポリマーの主ポリマーがポリエステル樹脂である場合には、架橋剤を添加することが膜強度の観点から好ましい。
また、金属粒子含有層がポリマーを含む場合、界面活性剤を添加することがハジキの発生を抑えて良好な面状な層が得られる観点から好ましい。
架橋剤や界面活性剤としては、特開2014−194446号公報の0066段落に記載の材料などを用いることができ、この公報の記載は本明細書に組み込まれる。
本発明の反射防止光学部材は、誘電体層、超低屈折率層および基材がこの順に積層された積層構造を有し、
誘電体層が下記式2を満たす;
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
d1は誘電体層の物理厚みを表し、n1は誘電体層の屈折率の実部を表し、mは0以上の整数を表す。
誘電体層が最外層である場合における誘電体層の外界は、空気であってもよく、真空であってもよく、例えば空気よりも窒素の割合が高い気体などのその他の媒質であってもよい。誘電体層の外界は、空気であることが好ましい。
具体的には、本発明の反射防止光学部材は、誘電体層が下記式2を満たす;
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
d1は誘電体層の物理厚みを表し、n1は誘電体層の屈折率の実部を表し、mは0以上の整数を表す。
原理的には誘電体層5の光学厚みとしては、光路長(4m+1)×λ/8が最適であるが、金属粒子含有層の条件によって、λ/16〜λ/4程度の範囲で最適値は変化するため、層構成に応じて適宜設定すればよい。
誘電体層が下記式2Aを満たすことがより好ましい。
M−λ/12<n1×d1<M+λ/12・・・式2A
誘電体層が下記式2Bを満たすことが特に好ましい。
M−λ/16<n1×d1<M+λ/16・・・式2A
誘電体層5の厚みが場所により異なる場合、誘電体層5の物理厚みの平均値をd1とする。誘電体層5の厚みが場所により異なる場合の誘電体層5の物理厚みd1を定める方法を、図16を参照して説明する。図16は、本発明の反射防止光学部材において、超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質が誘電体層と同じ材料である場合の他の態様の断面を示す概略図である。図16の紙面上の右のゲスト42の上面(点)を含んで基材2に平行な面の位置を「点線」で示した(図14と同様)。図16では、「点線」と「超低屈折率層4と基材2の界面」との距離が、超低屈折率層の物理厚みd2である(図14と同様)。図16の「点線」から誘電体層5の超低屈折率層とは反対側の表面(紙面上の上)までの距離を場所ごとに求め、場所ごとの誘電体層5の厚みとする。場所ごとの誘電体層5の厚みの平均値を求め、誘電体層の物理厚みd1とした。図16に、「点線」と「一点鎖線」との距離が誘電体層の物理厚みd1となるように、「一点鎖線」を示した。
誘電体層5の厚みが場所により異なる場合、誘電体層5の超低屈折率層とは反対側の表面は、図16に示すようにゲスト42の位置に追随した形状となっていてもよい。誘電体層5の超低屈折率層とは反対側の表面がゲスト42の位置に追随した形状である場合、その形状は断続的に厚みが変化する矩形状であっても、連続的に厚みが変化する波打ち形状であってもよく、波打ち形状であることが好ましい。
具体的には、誘電体層5の屈折率の実部n1は1.2〜2.0であることが好ましい。
エネルギー放射線硬化性ポリマーの例としては、特に限定するものではないが、ユニディックEKS−675(DIC社製紫外線硬化型樹脂)等が挙げられる。エネルギー放射線硬化性モノマーとしては、特に限定するものではないが、後述の含フッ素多官能モノマー等が好ましい。
誘電体層を設ける際に使用する組成物には、含フッ素多官能モノマーを含んでいてもよい。含フッ素多官能モノマーとは、主に複数のフッ素原子と炭素原子から成る(但し、一部に酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい)、実質的に重合に関与しない原子団(以下、「含フッ素コア部」ともいう)と、エステル結合やエーテル結合などの連結基を介して、ラジカル重合性、カチオン重合性、または縮合重合性などの重合性を有する、3つ以上の重合性基を有する含フッ素化合物であり、好ましくは5つ以上、より好ましくは6つ以上の重合性基を有する。
さらに含フッ素多官能モノマーは、そのフッ素含有量が含フッ素多官能モノマーの35質量%以上であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、よりさらに好ましくは45質量%以上である。フッ素化合物におけるフッ素含有量が35質量%以上であると、重合体の屈折率を下げることができ、塗膜の平均反射率が下がるので好ましい。
3つ以上の重合性基を有する含フッ素多官能モノマーは、重合性基を架橋性基とする架橋剤であってもよい。
含フッ素多官能モノマーは2種以上を併用してもよい。
含フッ素多官能モノマーは、種々の重合方法により重合して、含フッ素ポリマー(重合体)として使用することができる。重合に際しては、単独重合、または共重合してもよく、さらには、含フッ素ポリマーを架橋剤として用いてもよい。
含フッ素ポリマーは複数のモノマーから合成してもよい。含フッ素ポリマーは2種以上を併用して使用してもよい。
ラジカル重合開始剤は2種以上を併用しても良い。その場合、ラジカル重合開始剤の総量が上記質量%に含まれることが好ましい。
本発明の反射防止光学部材は、基材と超低屈折率層との間に、第2の誘電体層を備えていても良い。第2の誘電体層を備えることで、反射防止効果を更に高める事が出来る。
第2の誘電体層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜その種類も形成方法も選択することができる。前述の誘電体層の構成材料としてあげた材料の中から選択することも好適である。
第2の誘電体層の屈折率の実部に特に制限はないが、基材2の屈折率よりも大きいまたは同程度の屈折率の実部を有することが、全体としての反射光を低減する観点から、好ましい。
第2の誘電体層の物理厚みに特に制限は無く、目的に応じて選択する事が出来るが、広帯域での反射防止効果を得るために、1/5×λ以下とすることが好ましい。
耐擦傷性を付加するために、基材と超低屈折率層との間にハードコート性を有するハードコート層を含むことも好適である。ハードコート層には金属酸化物粒子や紫外線吸収剤を含むことができる。
ハードコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜その種類も形成方法も選択することができ、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂などが挙げられる。ハードコート層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましい。
ガラス板に反射防止光学部材を貼付する場合には反射防止光学部材の基材2の裏面に粘着剤層が形成されることが好ましい。
この粘着剤層には、紫外線吸収剤を含むことができる。
粘着剤層の形成に利用可能な材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの材料からなる粘着剤層は、塗布やラミネートにより形成することができる。
さらに、粘着剤層には帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などを添加してもよい。
粘着剤層の厚みとしては、0.1μm〜10μmが好ましい。
本発明の反射防止光学部材は、上記各層以外の層を備えていてもよい。たとえば、赤外線吸収化合物含有層、紫外線吸収剤含有層などを備えていてもよい。
本発明の反射防止光学部材は、紫外線吸収剤が含まれている層を有することが好ましい。
紫外線吸収剤を含有する層は、目的に応じて適宜選択することができ、特開2014−184688号公報の0148〜0155段落の記載を参照することができ、この公報の記載は本明細書に組み込まれる。
反射防止光学部材は、熱線を遮蔽するために、少なくとも1種の金属酸化物粒子を含有していても良い。
金属酸化物粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錫ドープ酸化インジウム(以下、「ITO」と略記する。)、アンチモンドープ酸化錫(以下、「ATO」と略記する。)、酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン、ガラスセラミックス、6硼化ランタン(LaB6)、セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3、以下「CWO」と略記する。)などが挙げられる。これらの中でも、熱線吸収能力に優れ、平板状金属粒子と組み合わせることにより幅広い熱線吸収能力を有する反射防止構造が製造できる点で、ITO、ATO、CWO、6硼化ランタン(LaB6)がより好ましく、1,200nm以上の赤外線を90%以上遮蔽し、可視光透過率が90%以上である点で、ITOが特に好ましい。
金属酸化物粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、針状、板状などが挙げられる。
次に、各層の形成方法について説明する。
超低屈折率層の形成方法には、特に制限はない。
本発明の反射防止光学部材は、超低屈折率層のメタマテリアル構造が、リソグラフィー法により製造されてなることが好ましい。リソグラフィー法を用いた製造方法の種類の例としては、例えば、電子線リソグラフィー法、光リソグラフィー法、熱リソグラフィー法、ナノインプリント法などが挙げられ、電子線リソグラフィー法が好ましい。リソグラフィー法を用いた製造方法の具体的な工程の例としては、例えば、以下の工程を挙げることができる。まず、基材などの任意の下層の表面上に、レジストを塗布等の任意の方法で形成し、リソグラフィー法を用いて所望のゲストの位置に応じたレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンの非パターン部に相当する基材上と、レジストパターン上を含む全面にゲストの材料をスパッタや蒸着など任意の方法で積層した後、リフトオフ法など任意の方法でレジストパターンを除去し、ゲストを所望の位置に配置する。この際、ゲスト上に積層されたホスト媒質を、エッチング等の手法により選択的に取り除いてもよい。その後、超低屈折率層をスパッタや蒸着、塗布など任意の方法で形成する。なお、ホスト媒質と超低屈折率を同じ材料とすることで、連続的に形成することもできる。
また、本発明の反射防止光学部材は、メタマテリアル構造が、自己組織化法により製造されてなることが好ましい。自己組織化法を用いた製造方法としては、例えば、基材などの任意の下層の表面上に、平板状金属粒子を含有する分散液(平板状金属粒子分散液)を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法の後で、自己組織化法で面配向させる方法が挙げられる。
その他のメタマテリアル構造のゲストを面配向させる方法として、LB膜法、スプレー塗布などの方法で面配向させる方法が挙げられる。
なお、面配向を促進するために、平板状金属粒子を塗布後、カレンダーローラーやラミローラーなどの圧着ローラーを通してもよい。
誘電体層5および第2の誘電体層6は、塗布により形成することが好ましい。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法などが挙げられる。
ハードコート層は、塗布により形成することが好ましい。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法などが挙げられる。
粘着剤層は、塗布により形成することが好ましい。例えば、基材、金属粒子含有層、紫外線吸収層などの下層の表面上に積層することができる。このときの塗布方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
粘着剤を予め離型フィルム上に塗工及び乾燥させたフィルムを作製しておいて、作製したフィルムの粘着剤面と本発明の反射防止構造表面とをラミネートすることにより、ドライな状態のままの粘着剤層を積層することが可能である。このときのラミネートの方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
反射防止光学部材は、ガラス(好ましくはガラス板)に貼り合せることが好ましい。本発明の反射防止光学部材を貼り合せたガラスを、以下、機能性ガラスとも言う。
反射防止光学部材は、機能性を付与したいガラス板の少なくとも一方の表面に貼付されて用いられることが好ましく、機能性を付与したいガラス板の表裏に貼付されて用いられることがより好ましい。窓ガラス等に用いられる機能性ガラスとしては、1)一方の面からの可視光透過率が高く(概ね80%以上)、視界がクリアであること、2)電波透過性が高く、携帯電話の電波を妨げないことが必要とされている。本発明の反射防止光学部材の好ましい態様では、上記2つの要件を同時に満たすことができる。
機能性ガラスは、本発明の反射防止光学部材を備えているので、可視光の幅広い帯域において、低い反射率を示す。また、機能性ガラスは好ましくは電波透過性を有するものであり、この好ましい態様であれば携帯電話等の電波を透過させることができるため、建物の窓ガラス、ショーウィンドウ、車窓などに好適に用いることができる。
本発明の反射防止光学部材を使って、窓ガラスの類に機能性を付与する場合は、特開2014−184688号公報の0169段落の記載を参照することができ、この公報の記載は本明細書に組み込まれる。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸
脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例
により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例5は参考例である。
Thin Film Center Inc社製の多層膜シミュレーションソフト「Essential macleod」を用い、図3の層構成(基材/超低屈折率層/誘電体層)の各実施例および比較例の反射防止光学部材について、下記表1に記載のとおりに反射を防止する光の波長λ(設計波長)、誘電体層の屈折率の実部n1と虚部k1、誘電体層の物理厚みd1、超低屈折率層の屈折率の実部n2と虚部k2、超低屈折率層の物理厚みd2、基材の屈折率n3を設定して、各実施例および比較例の反射防止光学部材の反射率を計算した。
各実施例および比較例の反射防止光学部材の超低屈折率層の物理厚みd2に対し、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率が最小化されるように誘電体層の物理厚みd1の厚みを最適化した。
各実施例および比較例の反射防止光学部材の反射率の評価を、基材の反射を防止する光の波長λにおける反射率を4%として、以下の基準で行った。
A:基材の反射を防止する光の波長λにおいて、各実施例および比較例の反射防止光学部材の反射率が、基材の反射率の半分未満。
B:基材の反射を防止する光の波長λにおいて、各実施例および比較例の反射防止光学部材の反射率が、基材の反射率の半分以上、基材の反射率未満。
C:基材の反射を防止する光の波長λにおいて、各実施例および比較例の反射防止光学部材の反射率が、基材の反射率よりも大きい。
結果を下記表1にまとめた。
本明細書の表中、M=(4m+1)×λ/8を表す。表中の「m=0 式2」の欄には、反射防止光学部材がm=0の場合に式2を満たす場合は「Y」、満たさない場合は「N」と記載した。「m=1 式2」の欄には、反射防止光学部材がm=1の場合に式2を満たす場合は「Y」、満たさない場合は「N」と記載した。「式1」の欄には、反射防止光学部材が式1を満たす場合は「Y」、満たさない場合は「N」と記載した。
d2<λ/12・・・式1A
また、実施例1−1〜1−8および比較例1の反射防止光学部材について、超低屈折率層の物理厚みd2と反射防止光学部材の反射率の関係を図11に示した。図11より、超低屈折率層の物理厚みd2がM=(4m+1)×λ/8の値に近づくと、反射防止光学部材の反射率を小さくできることがわかった。
一方、比較例1−1〜1−5より、反射防止光学部材が式1を満たさない場合、すなわち超低屈折率層の物理厚みd2がλ/10以上の場合には、反射防止効果が得られないことがわかった。
<誘電体層の物理厚みd1依存性の確認>
下記表1に記載の各設定で誘電体層の物理厚みd1を変化させた場合の、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率の評価を実施例1−1と同様に行った。
結果を下記表1にまとめた。
実施例1−9〜1−13より、誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たす場合に、反射防止効果が得られることがわかった。
一方、誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たさない場合には、反射防止効果が得られないことがわかった。
<超低屈折率層の屈折率の実部n2に対する依存性>
下記表2に記載の各設定で超低屈折率層の屈折率の実部n2を変化させた場合に、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率の評価を実施例1−1と同様に行った。
結果を下記表2にまとめた。
実施例1−14〜1−16より、超低屈折率層の屈折率の実部n2<1の場合は、n2の値によらず反射防止効果が得られることがわかった。このとき、各実施例の反射防止光学部材は、超低屈折率層の物理厚みd2が式1を満たし、かつ誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たしていた。
一方、比較例1−9〜1−12より、超低屈折率層の屈折率の実部n2>1の場合には、超低屈折率層の屈折率の虚部k2=0のときも、及びk2≠0のときも、反射防止効果は得られないことがわかった。
<超低屈折率層の屈折率の虚部k2に対する依存性>
下記表2に記載の各設定で超低屈折率層の屈折率の虚部k2を変化させた場合に、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率の評価を実施例1−1と同様に行った。
結果を下記表2にまとめた。
実施例1−17〜1−19より、超低屈折率層の屈折率の虚部k2の値に寄らず反射防止効果が得られることがわかった。このとき、各実施例の反射防止光学部材は、超低屈折率層の物理厚みd2が式1を満たし、かつ誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たしていた。
但し、超低屈折率層の屈折率の虚部k2>2.0の場合には効果が劣る(B評価)ことがわかった。
<基材の屈折率n3に対する依存性>
下記表2に記載の各設定で基材の屈折率n3を変化させた場合に、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率が最小化されるように誘電体層の物理厚みd1、超低屈折率層の物理厚みd2の厚みを最適化した。
結果を下記表2にまとめた。
実施例1−20〜1−22より、基材の屈折率n3の値によらず反射防止効果が得られることがわかった。このとき、各実施例の反射防止光学部材は、超低屈折率層の物理厚みd2が式1を満たし、かつ誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たしていた。
<誘電体層の屈折率の実部n1に対する依存性>
下記表2に記載の各設定で誘電体層の屈折率の実部n1を変化させた場合に、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率が最小化されるように誘電体層の物理厚みd1、超低屈折率層の物理厚みd2の厚みを最適化した。
結果を下記表2にまとめた。
実施例1−23〜1−27より、誘電体層の屈折率の実部n1の値によらず反射防止効果が得られることがわかった。このとき、各実施例の反射防止光学部材は、超低屈折率層の物理厚みd2が式1を満たし、かつ誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たしていた。
<反射を防止する光の波長λに対する依存性>
下記表2に記載の各設定で反射を防止する光の波長λ(設計波長λ)を変化させた場合に、波長λでの反射防止光学部材の反射率が最小化されるように誘電体層の物理厚みd1、超低屈折率層の物理厚みd2の厚みを最適化した。
結果を下記表2にまとめた。
実施例1−28〜1−30より、λの値によらず反射防止効果が得られることがわかった。このとき、各実施例の反射防止光学部材は、超低屈折率層の物理厚みd2が式1を満たし、かつ誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たしていた。
下記表3に記載の各設定でm=0〜3のそれぞれの場合に、式2を満たす誘電体層の光学厚みにおいて、波長550nmでの反射防止光学部材の反射率の評価を実施例1−1と同様に行った。
結果を下記表3にまとめた。本明細書の表中、「m=2 式2」の欄には、反射防止光学部材がm=2の場合に式2を満たす場合は「Y」、満たさない場合は「N」と記載した。「m=3 式2」の欄には、反射防止光学部材がm=3の場合に式2を満たす場合は「Y」、満たさない場合は「N」と記載した。
実施例2−1〜2−4より、mの値によらず反射防止効果が得られることがわかった。このとき、各実施例の反射防止光学部材は、超低屈折率層の物理厚みd2が式1を満たし、かつ誘電体層の光学厚み(n1×d1)が式2を満たしていた。
また、この際の400nm〜700nmにおける反射率を図12に示した。図12より、m=0の場合が、最も広帯域で反射防止効果が得られるベストモードであることがわかった。
まず、各実施例の反射防止光学部材の作製に用いた各種塗布液の調製および評価について説明する。
NTKR−4製の反応容器(日本金属工業(株)製)にイオン交換水13Lを計量し、SUS316L製のシャフトにNTKR−4製のプロペラ4枚およびNTKR−4製のパドル4枚を取り付けたアジターを備えるチャンバーを用いて撹拌しながら、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lを添加して35℃に保温した。さらにこの反応容器に、8.0g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液0.68Lを添加し、更に0.04mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて23g/Lに調製した水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.041Lを添加した。さらにこの反応容器に、0.10g/Lの硝酸銀水溶液13Lを5.0L/分で添加した。
SUS316L製の溶解タンクにイオン交換水16.7Lを計量した。SUS316L製のアジターで低速撹拌を行いながら、脱イオン処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPC重量平均分子量20万)1.4kgを添加した。更に、この溶解タンクに、脱イオン処理、蛋白質分解酵素処理、および過酸化水素を用いた酸化処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPC重量平均分子量2.1万)0.91kgを添加した。その後40℃に昇温し、ゼラチンの膨潤と溶解を同時に行って完全に溶解させた。
SUS316L製の溶解タンクにイオン交換水8.2Lを計量し、100g/Lの硝酸銀水溶液8.2Lを添加した。SUS316L製のアジターで高速撹拌を行いながら、この溶解タンクに、140g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液2.7Lを短時間で添加して、亜硫酸銀の白色沈澱物を含む亜硫酸銀白色沈殿物混合液を調製した。この亜硫酸銀白色沈殿物混合液は、使用する直前に調製した。
前述の銀平板粒子分散液Aを遠沈管に800g採取して、1mol/LのNaOHおよび0.5mol/Lの硫酸のうち少なくとも一方を用いて25℃でpH=9.2±0.2に調整した。遠心分離機(日立工機(株)製himacCR22GIII、アングルローターR9A)を用いて、35℃に設定して9000rpmで60分間の遠心分離操作を行った後、上澄液を784g捨てた。沈殿した銀平板粒子に0.2mmol/LのNaOH水溶液を加えて合計400gとし、撹拌棒を用いて手撹拌して粗分散液にした。これと同様の操作で24本分の粗分散液を調製して合計9600gとし、SUS316L製のタンクに添加して混合した。更に、このタンクに、界面活性剤であるPluronic31R1(BASF社製)の10g/L溶液(メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液で希釈)を10mL添加した。プライミクス(株)製オートミクサー20型(撹拌部はホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液と界面活性剤の混合物に9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。分散後、25℃に降温してから、プロファイルIIフィルター(日本ポール(株)製、製品型式MCY1001Y030H13)を用いてシングルパスの濾過を行った。
このようにして、銀平板粒子分散液Aに脱塩処理および再分散処理を施して、銀平板粒子分散液Bを調製した。
銀平板粒子分散液Aの中には、六角形状乃至円形状および三角形状の平板状金属粒子が生成していることを確認した。銀平板粒子分散液AのTEM観察により得られた像を、画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施した。数視野のTEM像から任意に抽出した500個の粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当径を算出した。これらの母集団に基づき統計処理した結果、平板状金属粒子の平均直径は120nmであった。
銀平板粒子分散液Bを同様に測定したところ、粒径分布の形状も含め銀平板粒子分散液Aとほぼ同じ結果を得た。
銀平板粒子分散液Bをシリコン基材上に滴下して乾燥し、銀平板粒子の個々の厚みをFIB−TEM法により測定した。銀平板粒子分散液B1中の銀平板粒子10個を測定して平均厚みは8nmであった。
以上より、銀平板粒子分散液Bには、平均直径の平均厚みに対する比が15.0である平板状金属粒子が含まれることを確認した。
下記表4の組成で、銀平板粒子を超低屈折率層のゲストとして含む態様の超低屈折率層を形成するための、超低屈折率層用の塗布液1A、1B、1Cおよび1Dの調製を行った。
各値の単位は質量%である。
下記表5の組成でハードコート層用塗布液の調製を行った。
各値の単位は質量部である。
下表6の組成で誘電体層用塗布液の調製を行った。
各値の単位は質量部である。
基材であるTAC(トリアセチルセルロース)フィルム(TD60UL 富士フイルム(株)製、60μm、屈折率1.5)の表面上に、ハードコート層用塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが10μmになるように塗布した。その後、90℃で1分間加熱して、乾燥した後、酸素濃度1%以下となるように窒素パージしながら、F600用DバルブUVランプ(フュージョンUVシステムズ製)を用いて、照度80mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布膜をハーフキュアさせ、ハードコート層を形成した。
形成したハードコート層の上に、超低屈折率層用塗布液1Aを、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが10nmになるように塗布した。その後、110℃で1分間加熱し、乾燥、固化し、超低屈折率層を形成した。
形成した超低屈折率層の上に、誘電体層用塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の平均厚みが60nmになるように塗布した。その後、60℃で1分間加熱し、乾燥し、酸素濃度0.5%以下となるように窒素パージしながら、F600用DバルブUVランプ(フュージョンUVシステムズ製)を用いて、照度200mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布膜を硬化させ、誘電体層を形成した。
以上の過程により、基材/ハードコート層/超低屈折率層/誘電体層の積層構造の実施例3−1の反射防止光学部材を得た。
実施例3−1の作製において、ハードコート層の上に、超低屈折率層用塗布液1Aを塗布する際に超低屈折率層用塗布液1Aを用いる代わりに超低屈折率層用塗布液1B、1Cおよび1Dをそれぞれ使用したほかは実施例3−1の作製と同様に、実施例3−2〜3−4の反射防止光学部材を得た。
超低屈折率層を形成後、誘電体層の形成前に、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い得られた画像をImageJにより2値化し、FDTD法を用いた光学シミュレーションにより、D. R. Smith et. al., Phys. Rev. B 65, 195104 (2002) に記載の方法を用いて、波長550nmでの超低屈折率層の屈折率n2の導出を行った。
ガラス基材上に誘電体層用塗布液を、スピンコーターを用いて、乾燥後の平均厚みが60nmになるように塗布した。その後、60℃で1分間加熱し、乾燥し、酸素濃度0.5%以下となるように窒素パージしながら、F600用DバルブUVランプ(フュージョンUVシステムズ製)を用いて、照度200mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布膜を硬化させ、誘電体層を形成した。得られた誘電体層を、ファイブラボ株式会社の分光エリプソメータMASSを用い、誘電体層の屈折率n1の測定を行った。
ガラス基材上にハードコート層用塗布液を、スピンコーターを用いて、乾燥後の平均厚みが1μmになるように塗布した。その後、90℃で1分間加熱して、乾燥した後、酸素濃度1%以下となるように窒素パージしながら、F600用DバルブUVランプ(フュージョンUVシステムズ製)を用いて、照度80mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布膜をハーフキュアさせ、ハードコート層を形成した。得られたハードコート層を、ファイブラボ株式会社の分光エリプソメータMASSを用いて屈折率の測定を行った結果を、ハードコート層付き基材の屈折率n3とした。
<反射率の評価>
大塚電子製膜厚測定装置FE3000を用い、波長550nmにおける各実施例の反射防止光学部材の表面反射率の測定を行って、実施例1−1と同様の基準で評価した。実施例3−1〜3−4で用いた基材の波長550nmにおける反射率も4%であった。
評価結果を下記表7にまとめた。
下記表7より、実施例3−1〜3−4の反射防止光学部材は、超低屈折率層の屈折率の実部は1よりも小さくなっており、超低屈折率層の物理厚みはλ/10以下であって式1を満たし、誘電体層の光学厚みは略(2m+1)/8×λであって式2を満たしており、十分な反射防止効果を持つことがわかった。
実施例3−1〜3−4の反射防止光学部材について、走査型電子顕微鏡(SEM)で2.5μm×2.5μmの領域で観察を行い、得られた像の左端から右端まで、金属粒子が連続して繋がっている場合に導電路が形成されているとし、途中で金属粒子が離れている場合に導電路が形成されていないと判断した。
その結果、各実施例の反射防止光学部材は、いずれも金属粒子含有層の中で、複数の平板状金属粒子が面方向に導電路を形成していなかったことがわかった。なお、平板状金属粒子同志は厚み方向において重なりを有さず、単層に配置されていることもわかった。また、光吸収性を有する材料を含む層を金属粒子含有層として有する場合も、金属粒子含有層の中で、複数の平板状金属粒子と光吸収性を有する材料とが面方向に導電路を形成していなかったこともわかった。
さらに、図4に示すように、金属粒子含有層の中に、複数の平板状金属粒子のうち80%以上が互いに孤立して配置されていることを確認した。また、光吸収性を有する材料を含む層を金属粒子含有層として有する場合も、金属粒子含有層の中で、複数の平板状金属粒子と光吸収性を有する材料の合計のうち70%以上が互いに孤立して配置されていることもわかった。
ゲストがロッド状のメタマテリアル構造の場合の反射防止効果について、光学シミュレーションを用いた評価を行った。
図3の積層構成(基材/超低屈折率層/誘電体層)で、超低屈折率層が長さ(サイズ)200nm、直径20nmのナノロッドが体積率20%でn=1.5のバインダーに混合されている場合の屈折率について、FDTD法を用いた光学シミュレーションにより、D. R. Smith et. al., Phys. Rev. B 65, 195104 (2002) に記載の方法を用いて、波長550nmでの超低屈折率層の屈折率の実部n2と虚部k2の導出を行った。
次に、下記表8に記載のとおりに反射を防止する光の波長λ(設計波長)、誘電体層の屈折率の実部n1と虚部k1、誘電体層の物理厚みd1、超低屈折率層の物理厚みd2、基材の屈折率n3を設定して、同じ反射防止光学部材の反射率について、FDTD法を用いた光学シミュレーションにより計算した。
反射率の評価を実施例1−1と同様に行った。評価結果を下記表8にまとめた。
実施例4の反射防止光学部材は、超低屈折率層の屈折率の実部は1よりも小さくなっており、超低屈折率層の物理厚みはλ/10以下であって式1を満たし、誘電体層の光学厚みは略(2m+1)/8×λであって式2を満たしており、十分な反射防止効果を持つことがわかった。
3インチ(1インチは約25.4mm)の旭硝子製ガラスウェハを基材として用いた。
基材上に、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製ポジ型EBレジストFEP171を、ミカサ社製スピンコーターを用いて1200rpmにて回転塗布し、120℃で乾燥を行い、レジストを形成した。
基材上のレジストに対し、日本電子株式会社製電子線描画装置JBX−6700により電子線を照射して露光を行い、直径200nmの正方形パターンを平面上にランダムに描画した。120℃にてポストベークを行った後、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製EBレジスト現像液FHD−5を用いて現像を行い、レジストパターンを形成した。
レジストパターンが形成された基材上に、キャノンアネルバ製スパッタ装置SPF730Hを用いて、20nmのAg薄膜をスパッタリングして形成した。
20nmのAg薄膜が成膜された基材を、アセトン溶液に浸し、超音波洗浄にてレジストパターンの除去を行った。
以上により、基材上に、銀粒子分散構造を得た。得られた基材と銀粒子分散構造を、SEMで観察を行い、図15に示すSEM画像を得た。
基材上に形成した銀粒子分散構造の上を覆うように、アルバックテクノ社製EB蒸着装置EBX−8Cを用いて、60nmの膜厚のシリカ膜を形成した。
得られた積層体を、実施例5の反射防止光学部材とした。実施例5の反射防止光学部材は、超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質と誘電体層が同じ材料(すなわちシリカ膜)である。
SEM画像を、画像処理ソフトウェアImageJを用い2値化した。粒子部分には銀の屈折率、そのほかの部分にはシリカの屈折率を適用し、FDTD法を用いた光学シミュレーションのための超低屈折率層のシミュレーションモデルを作製した。FDTD法を用いた光学シミュレーションにより、D. R. Smith et. al., Phys. Rev. B 65, 195104 (2002)に記載の方法を用いて、波長550nmでの銀粒子層の屈折率n2を導出した。導出した屈折率は、0.4であった。
作製した反射防止光学部材を、FIBを用いて切削し、断面から観察することにより、膜厚の測定を行った。実施例5の反射防止光学部材は、超低屈折率層のメタマテリアル構造のホスト媒質と誘電体層が同じ材料である。また、実施例5の反射防止光学部材は、誘電体層の厚みが場所により異なっており、誘電体層の超低屈折率層とは反対側の表面は、図16に示すようにゲストの位置に追随した波打ち形状となっていた。そのため、本明細書中の方法で図16に示す「点線」および「一点鎖線」の位置を定め、誘電体層の物理厚みd1および超低屈折率層の物理厚みd2を定めた。実施例5の反射防止光学部材の誘電体層の物理厚みd1は40nm、超低屈折率層の物理厚みd2は20nmであった。総膜厚は蒸着したシリカ膜の膜厚と同じ60nmであった。
下記表9から、実施例5の反射防止光学部材は、超低屈折率層の屈折率実部は1よりも小さくなっており、物理厚みはλ/10以下であって、誘電体層用の厚みは略(4m+1)/8×λとなっており、十分な反射防止効果を持つことがわかった。
2 基材
3A 反射防止構造
4 超低屈折率層
5 誘電体層
6 第2の誘電体層
10 外界(空気)
41 ホスト媒質(バインダー)
42 ゲスト(平板状金属粒子)
A 誘電体層と外界(空気)との界面での反射光
B 基材の誘電体層側の界面(超低屈折率層と基材との界面)での反射光
C 誘電体層と超低屈折率層との界面での反射光
T 平板状金属粒子の(平均)厚み
D 平板状金属粒子の(平均)直径
d1 誘電体層の物理厚み
d2 超低屈折率層の物理厚み
Claims (11)
- 基材の反射を防止するための反射防止構造であり、
誘電体層、超低屈折率層および前記基材がこの順に積層された積層構造を有し、
前記超低屈折率層が、反射を防止する光の波長λよりもサイズが小さいゲストをホスト媒質中に含むメタマテリアル構造を有し、
前記超低屈折率層の屈折率の実部n2がn2<1を満たし、
前記超低屈折率層の物理厚みd2が下記式1を満たし、
前記誘電体層が下記式2を満たし、
前記基材が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂もしくはセルロース樹脂を含むフィルムまたはこれらの積層フィルムであり、
前記超低屈折率層の屈折率の実部n2が前記基材の屈折率の実部n3よりも小さい、反射防止光学部材;
d2<λ/10・・・式1
M−λ/8<n1×d1<M+λ/8・・・式2
M=(4m+1)×λ/8・・・式3
d1は前記誘電体層の物理厚みを表し、n1は前記誘電体層の屈折率の実部を表し、mは0以上の整数を表す。 - 前記誘電体層が最外層である、請求項1に記載の反射防止光学部材。
- 前記超低屈折率層の屈折率の虚部k2が2以下である請求項1または2に記載の反射防止光学部材。
- 前記メタマテリアル構造が、単層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止光学部材。
- 前記ゲストが、平板状またはロッド状である請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射防止光学部材。
- 前記ゲストが金属粒子であり、前記金属粒子が前記ホスト媒質に分散された構造である請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射防止光学部材。
- 前記金属粒子が、金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム、または、これらのひとつ以上を含む合金を含む請求項6に記載の反射防止光学部材。
- 前記反射を防止する光の波長λが400〜700nmである請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射防止光学部材。
- 前記反射を防止する光の波長λが700nmを超え2500nm以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射防止光学部材。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の反射防止光学部材の製造方法であって、
前記メタマテリアル構造をリソグラフィー法により製造する工程を含む反射防止光学部材の製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の反射防止光学部材の製造方法であって、
前記メタマテリアル構造を自己組織化法により製造する工程を含む反射防止光学部材の製造方法。
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