JPS6047561B2 - 反射防止膜 - Google Patents

反射防止膜

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JPS6047561B2
JPS6047561B2 JP51059896A JP5989676A JPS6047561B2 JP S6047561 B2 JPS6047561 B2 JP S6047561B2 JP 51059896 A JP51059896 A JP 51059896A JP 5989676 A JP5989676 A JP 5989676A JP S6047561 B2 JPS6047561 B2 JP S6047561B2
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進 伊藤
登 菅原
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光の吸収体てある金属や半金属の表面の反射防
止方法に関するものである。
近年、光学機器や光エネルギーを他のエネルギーに変え
る変換素子,或(くはI−Cなどの電子部品製造プロセ
スでのフォトエッチング技術,或いはレーザビームによ
る薄膜加工技術やレーザビームで書き込む永久記録媒体
などの進歩がめざましい。
そこて金属や半金属の光を吸収する物体(以下光吸収体
と呼ふ)の表面ての反射光を制御することが要求される
様になつてきた。
一般に金属や半金属の光吸収体表面の反射率は高く、可
視域内で、銀が94〜98%,アルミニウムが88〜9
1%,銅が50〜97%,クロームが50%前後,ゲル
マニウムが40〜60%,金が35%〜98%,シリコ
ンが40%前後を示す。
これらの金属や半金属を材料として、光学機器の部品や
エネルギー変換素子を作つた場合、光の反射率が高い為
に入射光束のエネルギーの有効な活用が出来なかつたり
、光の反射が機器や素子の性能に悪影響を与える場合が
起る。
そこて、従来より金属を空気中て加熱して熱酸化したり
、電解液中て陽極酸化して表面の薄い層を透明化して干
渉により反射を減少せしめたり、あるいは真空蒸着法に
より金属表面に誘導体の薄い層をコーティングして干渉
により反射を減少せしめることは公知てある。
又はニッケルメッキ層上に同じく電気メッキ法によりN
iSとZnSを主体とした混合層のブラックニッケル層
を付着せしめる方法、或いはブラックペイントによる黒
化などの様な本来黒色の性質を有する物質により金属表
面を干渉の考慮が必要のない位厚く被覆する方法も知ら
れている。
しかし上記2種類の方法は、充分反射減少の効果がなか
つたり、反射防止効果の波長域が狭かつたり、あるいは
反射防止の中心波長が所望の波長に合致させられないと
いう欠点がある。
更には、上記の方法により作つた装置が反射防止の使用
条件に耐えられないという欠点がある。他の方法として
は金属の基板上に誘電体層,金属層,誘電体層の順に3
層膜を設け、基板の金属の表面反射を減少させる方法が
JOumalOfOpticalSOcietyOfA
merica?,VOl43,l953年に示されてい
る。
これによるとアルミニウム基板上にSiO2−Cr−S
iO2の3層膜を設けたり、モリブデン基板上にAe2
O3−MO−Ae2O3の3層膜を真空蒸着法によつて
コーティングすることにより、金属基板(Af,MO)
表面の反射を減少せしめ吸収を増大させるものてある。
しかしこの方法は誘電体層の厚さと、それに挟まれた金
属層の厚さのバランスが難しく、更には可視域に限つて
みても反射防止帯域の広さや反射率に於いても充分とは
言い難い。本発明は上述した欠点を改良し、製造が容易
で耐久力かつ反射防止効果の優れた吸収体(金属,半金
属)表面の反射防止法を提供するものてある。
本発明に於いては吸収体の表面ての反射を防止する為に
、吸収体表面上に吸収体(金属,半金属)の薄膜を真空
蒸着法或いはスパッタリング法などの真空蒸着技術を用
いて形成し、更にその上・に誘電体層を被覆するものて
ある。
本明細書に於ける金属及び半金属を総称して用いる吸収
体とは、その複素屈折率n−1kの消衰係数kが反射防
止の設計波長に於いて0.3以上のものを指している。
又、本発明に於ける反射防止膜の一部を形成する吸収体
層は、その複素屈折率n−1kがk/n〈1,即ち虚数
部kが実数部nに比して小さい吸収体を用いる事が望ま
しく、更にこの吸収体の薄膜の厚さはほぼ70A〜10
00Aの範囲に存するのてあlる。更に反射防止膜の一
部に用いられる誘電体層の厚さは、その光学的厚さが反
射防止の設計波長の114J:).下である。
まず、第1図を用いて本発明の定性的な考え方について
述べる。
第1図において、10は屈折率庚の外部媒質である。
11は屈折率がn1の反射防止膜の誘電体層てあり、膜
厚がd1である。
12は複素屈折率がN2一1k2の反射防止膜の吸収体
(金属,半金属)層であり、膜厚は?である。
13は複素屈折率がN3−Ik3の(金属,半金属)基
板で、光が透過しない位の厚さを有している。
外部媒質10と反射防止膜の誘電体層11との境界にお
けるフレネル係数をdとし、反射防止膜の誘電体層11
と反射防止膜の吸収体層12との境界におけるフレネル
係数をGとし、そして反射防止膜の吸収体層12と吸収
体基板13との境界におけるフレネル係数をGとする。
いま、光が屈折率■の外部媒質10より、境界面1に入
射してきたとすると、境界面1てはその一部を反射して
残りの光束が境界面■に達する。境界面■でも同様に光
束の一部を反射して残りが透過して境界面■に達する。
境界面■ても境界面1,■と同様に光束の一部を反射し
て残りが透過する。このときの各境面界1,■,■に入
射する光の振巾及び位相に対して、該境界面て反射する
反射光の振巾の大きさの割合と位相のすれを表わすのが
各境界面のフレネル係数D,外,式である。次に境界面
■と境界面■ての反射光を干渉を考慮して合成する場合
に関して述べる。境界面■を透過した光は反射防止膜の
吸収体層12内を振巾を減衰させながら境界面■に対し
、更に境界面■のフレネル係数R3に従つて一部を反射
させる。この反射光が更に振巾を減衰させながら吸収体
層12内を進み境界面■に達するが、ここでも一部を反
射させ残りは誘電体層11内へ透過する。境界■て反射
した光は再度吸収体層12内を進み更に減衰して境界面
■に達し、上記の透過・反射・減衰を無限に繰り返す。
この過程を通つて、境界■て反射された光て境界面■を
透過した光全てを振巾、位相を考慮してたし合せたもの
と、境界面■で反射される光のフレネル係数を合せたも
のを、位相も考慮した振巾反射率)とすると、境界面■
と境界面■を仮想的にフレネル係数dを持つ一つの境界
面と考えることが出来る。このフレネル係数R2をもつ
仮想境界面1を上に述べた境界面■と境界面■の合成と
同じ手続きにより、新たな仮想面とすることが出来る。
たStlこのときは反射防止膜の誘電体層は吸収がない
のて減衰を考慮する必要はない。本発明は反射防止膜の
薄い吸収層を利用して、上記振巾反射率にの絶対値を境
界面■のフレネル係数式の絶対値よりも小さくしている
更には振巾反射率Gの絶対値と境界面1のフレネル係数
Gの絶対値を等しくすること、及び、境界面■と境界面
■を合成した仮層境界面から反射して境界面Iを透過し
た光を全て合成したものの位相と、境界面1での反射光
束のフレネル係数の位相を誘電体の膜厚によつてπの奇
数倍だけずらすことによつて吸収体基板面の反射を防止
するものてある。次に以上述べた事を理論的に説明する
。む,式,冗を第1図に示したフレネル係数とするとと
なる。
但しである。
又、反射防止膜の誘電体層11の中を波長λの光が往復
することによる位相のずれを表わすδ1てある。
又、反射防止膜の吸収体層12の中を波長が入の光が往
復することにより起る位相のずれ&ぇや、振巾の減衰8
,を表わす&。はと表わせる。
従つて、8,並びにフレネル係数GとR3の位相も考慮
に入れた元と)の合成振巾反用イ率Eはとなる。
但してある。
更に上記げとdの位相及び81を考慮した)とdの合成
振巾反射率(総合振巾反射率)式は次の様になる。×従
つて系全体のエネルギー反射率Rは総合振巾反射率R,
とこのR,の共役複素数Ri*の積で表わせるのでとな
る。
(16)式において、rlく1,ア,〈1であるのでR
の分母〉Oである。従つてエネルギー反射率Rが零とな
る条件はとなる。
従つて(19),(20拭をある波長入についてRlO
9nl9n29K29n39k39dl!D2が同時に
満足するときにエネルギー反射率が零になるわけである
。即ち(19),(20)式は波長島第1図に示すとな
る。(17)式は振巾条件,(18拭は位相条件と呼ば
れるものである。(17拭,(18)式を(13)式を
(1(転)をつかつて書き換えるとNO,nl,rl2
,k,,rl3,k3,d,,d,を変数とする連立方
程式である。
上記連立方程式は方程式が2つのところに多数のパラメ
ーターが存するので、一見した場合、パラメーターは定
まらない様に思えるが、波長入は任意に定まる事ができ
、又N.,n3,k3は外部媒質,吸収体基板が定まれ
は決まる値である。
従つて、例えは反射防止膜に用いる吸収体の種類と厚さ
を決めればRl2,k,,d2が定まり残りのパラメー
タはN,,dlだけとなり(19),(20拭より求め
る事ができる。又他の方法としては誘電体の種類と膜厚
をあらかじめ定める事によりN,,d,が定まり、残り
のパラメーターはN2,K2,d,となる。従つてこの
吸収体層のパラメーター(島,K2,d2)の内、任意
に一つのパラメーターを定めれば他のパラメーターは(
19),(20)式より求める事ができる。この反射防
止膜の設計方法としては上述した如く反射防止膜を構成
する吸収体層又は誘電体層のどちらか一方を予め定める
のであるが、吸収体層の屈折率を定める場合は本願に伴
う実験の結果よゝり、次式(21),(22)を満足す
る吸収体か望ましい。
斯様な目安により定められたRl2,k2より吸収体層
の膜厚鳴を求める場合、膜厚山は特願昭49一1478
43に示した如く、を考慮して定める事がてきる。
この場合吸収体層の厚さ専は、該層に入射する光束の干
渉性がなくなる以上に厚くならないこととする。次に本
発明に係る反射防止膜の設計例を述べる。
第1設計例 真空中で室温に保たれたガラス基板に銀を光が透過しな
い位厚く蒸着した表面を、同じく基板温度を室温とした
クローム蒸着膜と誘電体層て反射防止膜を形成する。
このときの銀の複素屈折率を第1表に、同じくクローム
蒸着膜の複素屈折率を第2表に示す。先す厚い銀蒸着膜
の上に設けるクローム蒸着膜の適宜な厚さを(23拭に
より求める。
設計波長を500r1m,外部媒質を空気(RlO=1
.0)として、(23)式における右辺のlを1とする
と、D,=26.4nmと導き出すことが出来る。しか
し実際のクロームの膜厚は近辺なら任意に選んでもよい
事からD,=22.0r1mを採用する。上記(1)〜
(l獣を考慮し、(20拭のmを1として(19),(
20)式の連立方程式を解くとN,=1.98,d1=
37.7nmが得られる。即ち、第1表に示した複素屈
折率をもつ厚い銀膜表面に、第2表に示した複素屈折率
をもつクローム膜を厚さ22.0r1mだけコートし、
更に屈折率が1.98の誘電体を厚さ37.7nmだけ
コートすれば、波長入=50011mの光束に対する反
射率は零となる。たN゛しこのときの外部媒質の屈折率
N.は1.Oてある。この第1設計例で得た構成の反射
防止膜の分光反射率の設計値(計算値)を第2図に示す
。第2図における曲線21は、厚い銀膜表面の反射率て
あり、曲線22は該銀膜上にクロームを22.011m
の厚さでコートしたときの反射率、曲線23は該銀一ク
ローム上に誘電体(nl=1.98)を37.7nmの
厚さでコートしたときの反射率である。第2設計例 第1設計例の銀と同様の方法て作製した厚いアルミニウ
ム蒸着膜の表面を、第1設計例の第2表で示した複素屈
折率を有するクローム膜と誘電体層で反射防止をする。
尚アルミニウムの複素屈折率は第3表に示す。本設計例
に於いて設計波長は500r1m,外部媒質の屈折率は
1.0とする。先す、第1設計例と同様に(23)式の
′を1としてクローム層の厚さを求めるとD2=37.
5nmと求まる。実際の膜の値としては37.5nm近
傍の32.nmを採用し、上記(1)〜(14)式を考
慮し、(20)式のmを1として(19),(20)式
より誘電体の屈折率Nl,及び厚さd1を求めるとn1
=2.12,d1=37.3nmとなる。この第2設計
例による構成の反射防止膜の分光反射率を第3図に示す
第3図に於いて曲線31は厚いアルミニウム膜の表面反
射率であり、曲線32は該アルミニウム表面にクローム
を32r1mの厚さてコートした時の反射率、曲線33
は更にそのアルミニウム−クロームの表面に屈折率2.
12の誘電体を37.3nmの厚さでコートした時の反
射率である。
第3設計例 第1設計例の銀蒸着膜と同様な方法て作成した厚い同の
蒸着膜表面を、第2表て示した複素屈折率をもつ薄いク
ローム蒸着膜と、誘電体層により反射防止する場合てあ
る。
このときの銅蒸着の複素屈折率は第4表に示す。尚設計
波長は500r1mて、外部媒質の屈折率は1.0であ
る。
(23)式よりe=1としてクローム層のl適正膜厚を
求めるとD2=22.7nmとなるが、実際の膜厚とし
て4=20r1mを用いる。上記(1)〜(14)式を
考慮し、(20)式のmを1として(19),(20)
式より誘電体層のNl,dlを求めるとn1=2.00
,d1=40.3nmとなる。この第3設計例による構
成の反.射防止膜の分光反射率を第4図に示す。曲線4
1は厚い銅の反射率て、曲線42はこの厚い銅蒸着膜に
クローム膜を20r1mの厚さにコートした時の反射率
、曲線43は前記銅蒸着膜−クローム蒸着膜上に屈折率
2.0の誘電体を40.3nmの厚さにコートした時の
反射率てある。第4設計例 真空中で約300℃に保たれたガラス基板に、クローム
を光が透過しない以上に厚く蒸着した膜表面を、シリコ
ンの薄い蒸着膜と誘電体蒸着膜で反射防止する場合であ
る。
このときのクローム蒸着膜の複素屈折率は第5表に、シ
リコン蒸着膜の複素屈折率は第6表に示す。
尚ここで用いるクロームの蒸着膜の複素屈折率が第1設
計例〜第3設計例での反射防止膜のクローム層の複素屈
折率と異なるのは蒸着時の基板温度が異なることによる
ものである。設計波長λ、及び外部媒質の屈折率■はλ
=500nm,T10=1.00である。
先す厚いクローム層の上につけるシリコン層の膜厚は、
e=1として(23)式より求めると、D2=37.6
nmとなるが、ここではこの辺のものとして山=36.
0r1mを用いる。次にこのクローム層−シリコン層の
上につける誘電体層の屈折率n1および厚さd1を(1
)〜(14)式を考慮し、(20)式のmを1として(
19),(20)の連立方程式を解いて求めると、n1
:ニ1.7■1=56.0r1mとなる。この第4設計
例による構成の反射防止膜の分光反射率を第5図に示す
。第5図における曲線51は基板温度300′Cのガラ
スに厚くつけたクローム蒸着の表面反射率であり、曲線
52はこのクローム層上に薄いシリコン蒸着膜を36.
0r1mの厚さにつけたときの反射率であり、曲線53
はこのクローム蒸着層−シリコン蒸着層の上に更に屈折
率1.7の誘電体層を56.0r1mの厚さにつけたと
きの反射率てある。上記各設計例で示した様に、計算に
よつて求められる誘電体の屈折率は天然に存在する誘電
体の屈折率にない物の方が多いが、斯様な場合には、計
算値の屈折率に最も近い屈折率を有する誘電体を選ぶも
のである。
次に上記設計例に従う実施例について述べる。
第1実施例第1設計例に従う実施例を述べる。
圧力が10−6〜5x10−5TT1mHgに保たれた
真空槽内に配置されて温度が室温のガラス基板に、タン
グステンボートにより加熱蒸発せしめられた銀を約25
00A位の厚さに付着する。続いてこの銀膜の表面に、
タングステンコニカルバスケット又は電子銃により加熱
蒸発せしめられたクロームを、波長が500r1mの光
束でモニターし、その反射率が最も低くなるまでクロー
ムを付着させる。
更にこの表面に、電子銃により加熱蒸発せしめられた酸
化ジルコニウムを、波長が500r1mの光束でモニタ
ーし、その反射率が最も低くなるまで酸化ジルコニウム
を付着させる。この様にして作製した試料を真空槽外に
取り出して測定した分光反射率が第6図の曲線62てあ
る。尚曲線61は銀だけ蒸着して測定したときの反射率
曲線である。第6図の曲線62と、第1設計例による第
2図曲線23を比較してみるとほぼ同程度の反射率であ
る。
第2実施例 第2設計例に従つた実施例を述べる。
圧力が10−6〜5刈0−5rT1mHgに保たれた真
空槽内配置されて温度が室温のガラス基板に、タングス
テンヘリカルコイルにより加熱蒸発せしめられたアルミ
ニウムを約2500A位の厚さに付着する。続いてこの
アルミニウム膜表面に、タングステンコニカルバスケッ
ト又は電子銃により加熱蒸発せしめられたクロームを、
波長が500r1mの光束でモニターし、その反射率が
最も低くなる厚さまで付着させる。更にこの表面に、電
子銃により加熱蒸発せしめられた酸化ジルコニウムを、
波長が500r1mの光束でモニターし、その反射率が
最も低くなる厚さまで付着させる。この様にして作製し
た試料を真空槽外に取り出して測定した分光反射率が第
7図の曲線72である。第7図の曲線71は、上述アル
ミニウムだけ蒸着して取り出し、測定した反射率の曲線
である。第7図の曲線72は第2設計例による特性曲線
33に比較して若干劣るが、これは最終層の酸化ジルコ
ニウム膜の屈折率(N,″.1.94)が設計値(n1
=2.12)より低いためと、膜厚が若干厚めになつた
ためと考える。
しかし反射防止膜としての機能は充分満足するものであ
る。第3実施例 第3設計例に基ずく実施例を述べる。
圧力が10−6〜5×10−5mmHgに保たれた真空
槽内に配置されて、温度が室温のガラス基板に、クング
ステンポートにより加熱蒸発せしめられた銅2500A
位の厚さに付着させる。続いてこの銅膜表面にタングス
テンコニカルバスケット又は電子銃により加熱蒸発せし
められたクロームを、波長が500r1mの光束てモニ
ターし、その反射率が最も低くなる厚さまでクロームを
付着させる。更にこの上に電子銃により蒸発せしめられ
た酸化ジルコニウムを波長が500r1mの光束でモニ
ターし、その反射率が最低になる厚さまで付着させる。
この様にして作製した試料を真空槽外に取り出して測定
した分光反射率が第8図の曲線82である。第8図の曲
線81は、銅だけ蒸着して取り出し、測定したときの分
光反射率てある。第8図の曲線82は、第3設計例の分
光反射率特性を示す第4図曲線43と比べると、可視域
の短波長側で若干劣るが、これは最終層の誘電体膜の屈
折率が設計例ではn1=2.00となるのに対し、実際
の実施例においてはn1=1.94となり若干低くなる
ことと、又誘電体層の膜厚が厚めになつたためである。
しかし銅膜表面を反射防止する点においては充分その効
果が発揮出来る。第4実施例第4設計例に従つた実施例
を述べる。
圧力が10−6〜5×10−5mmHgに保たれた真空
槽内に配置されて、温度が2700〜310′Cに保た
れたガラス基板に、タングステンコニカルバスケット又
は電子銃により加熱せしめられたクロームを2500A
位の厚さに付着させる。続いてこのクローム膜表面に、
電子銃により加熱蒸発せしめられたシリコンを、波長5
0Ch1mの光束てモニターし、その反射力が最も低く
なる厚さまで付着させる。更に、適度の混合比からなる
酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの混合物を電子銃
により加熱蒸発せしめ、前記シリコン膜上に、波長が5
00r1mの光束でモニターし、その反射率が最低にな
る膜厚まで付着させる。この様にして作製した試料を真
空槽より取り出して分光反射率を測定した結果が第9図
の曲線92てある。第9図の曲線91は前記方法により
クロームだけを蒸着したときのクローム表面の分光反射
率てある。第9図の曲線92を設計例による分光反射率
特性を有する第5図の曲線53と比較すると、可視域全
般にわたり若干劣つているが、これは最終層の誘電体膜
が設計例ではn1=1.7であるのに対し、実施例ては
n1半1.65と低いことと、設計例に用いたシリコン
膜の複素屈折率と実施例の複素屈折率が若干異つたため
であると考えられる。しかし本実施例によるクローム膜
表面の反射防止膜は充分にその効果が認められるもので
ある。以上の実施例に於いては、その表面での反射を減
少させる吸収体の基板として、銀、アルミニウム、銅、
クロムの金属蒸着膜について述べたが、他の吸収体薄膜
や、バルクの吸収体又は合金基板の様な吸収体について
も本発明は適用可能である。
又、外部媒質は空気以外の透明媒質であつても良い。
更に反射防止を行なう基板は上述した光を透過しない位
の厚い金属の表面の外に、透明体基板上の半透明金属膜
面についても、半透明金属膜表面及ひ該金属膜と透明体
基板の境界面を合成し一つの仮想面として考えれば上述
した反射防止法と全く同様の取り扱いができるものてあ
る。
以上本発明の反射防止法に於いては、金属又は半金属の
吸収体基板の表面ての反射を防止する為に、前記吸収体
基板の表面を該基板側より順に、薄い吸収体層、薄い透
明体層て被覆するものてあり、簡易な手段により吸収体
基板表面の反射を効果的に防止するものてある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る反射防止膜の断面を示す図、第2
図から第5図は本発明の反射防止膜を計算的に求めた設
計例に於ける分光反射率を示すものて第2図は銀の基板
表面の反射を、第3図はアルミニウムの基板表面の反射
を、第4図は銅の基板表面の反射を、第5図はクロムの
基板表面ての反射を、それぞれ防止する状態を示すもの
てある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複素屈折率n_3−ik_3を有する金属又は半金
    属物質の表面に複素屈折率がn_2−ik_2でその膜
    厚がd_2なる金属又は半金属物質より成る薄膜を、更
    にその上に屈折率がn_1でその膜厚がd_1なる誘電
    体薄膜を設け、以下の条件k_2/n_2<1k_2/
    n_2<k_3/n_3Tan^−^1{(2n_0k
    _2)/(n^2_0−n^2_2−k^2_2)}−
    Tan^−^1{2(n_2k_3−n_3k_2)/
    (n^2_2−n^2_3+k^2_2−k^2_3)
    }+4πn_2d_2/λ=(2l−1)π{r^2_
    2+2r_2r_3e^−^δ^ I cos(δ_R+
    △_2−△_3)+r^2_3e^−^2^δ^ I 1
    +2r_2r_3e^−^δ^ I cos(δ_R−△
    _2−△_3)+r^2_2r^2_3e^−^2^δ
    ^ I =r^2_1(2m−1)π+Tan^−^1 ▲数式、化学式、表等があります▼ ▲数式、化学式、表等があります▼ −△_1=δ_1 但し、 r_1=(n_0−n_1)/(n_0+n_1)▲数
    式、化学式、表等があります▼▲数式、化学式、表等が
    あります▼ δ_1=4πn_1d_1/λ △_1={π……(n_0−n_1)/(n_0+n_
    1)<0のとき0……(n_0−n_1)/(n_0+
    n_1)>0のとき△_2=Tan^−^1{2n_1
    k_2/(n^2_1−n^2_3−k^2_2)}△
    _3=Tan^−^1{2(n_2k_3−n_3k_
    2)/(n^2_2−n^2_3+k^2_2−k^2
    _3)}δ_R−δ_ I i=4π(n_2−ik_2
    )d_2/λl、m……自然数を満足することにより、
    前記複素屈折率n_3−ik_3の物質の表面での反射
    を防止することを特徴とする反射防止膜。
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