JP2007264489A - 表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物、感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板、液晶表示素子、並びに液晶表示装置 - Google Patents
表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物、感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板、液晶表示素子、並びに液晶表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】樹脂及びその前駆体と合金部分を含む金属微粒子とを含み、4.1以上の光学濃度を有している。
【選択図】なし
Description
<1> 樹脂及びその前駆体の少なくとも一種と合金部分を含む金属微粒子の少なくとも一種とを含み、光学濃度が4.1以上である表示装置用遮光膜である。
<2> 前記金属微粒子が、合金部分と金属部分とからなる金属微粒子であることを特徴とする前記<1>に記載の表示装置用遮光膜である。
<3> 前記合金部分が、銀錫合金であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の表示装置用遮光膜である。
<4> 前記樹脂及びその前駆体の少なくとも一種が熱硬化性を有する前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の表示装置用遮光膜である。
<5> 樹脂及びその前駆体の少なくとも一種と合金部分を含む金属微粒子の少なくとも一種とを含み、厚み0.1〜10μmの膜としたときの光学濃度が4.1以上である表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物である。
<6> 少なくとも1種の溶媒を更に含む前記<5>に記載の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物である。
<7> 仮支持体上に少なくとも感光性樹脂層を有し、該感光性樹脂層が前記<5>又は<6>に記載の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物を用いてなる感光性転写材料である。
<9> 前記<7>に記載の感光性転写材料を用いて基板上に感光性樹脂層を転写する転写工程と、基板上に転写された少なくとも前記感光性樹脂層を露光する露光工程と、前記露光後の前記感光性樹脂層を現像処理する現像工程と、現像処理された少なくとも前記感光性樹脂層をベークするベーク工程とを有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<10> ブラックマトリクスに用いられる前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の表示装置用遮光膜である。
<11> 前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の表示装置用遮光膜を備えた遮光膜付基板である。
<12> カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする前記<11>に記載の遮光膜付基板である。
<13> 前記<11>又は<12>に記載の遮光膜付基板を備えた液晶表示素子である。
<14> 前記<13>に記載の液晶表示素子を備えた液晶表示装置である。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、目的や用途等の必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。これら各成分について具体的に説明する。
本発明に係る合金部分を含む金属微粒子(以下、「金属微粒子」又は「本発明に係る合金含有微粒子」ということがある。)としては、特に限定されず、合金部分を含む金属化合物、合金部分を含む複合微粒子などの中から選択することができ、一種のみならず二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、金属微粒子における「金属」とは、「岩波理化学辞典(第5版)」(1998年、岩波書店発行)に記載の「金属」(352頁)による。また、「金属化合物」とは、金属と金属以外の元素との化合物であり、ここでの金属も前記金属微粒子における金属と同義である。
前記金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがある。このうち、色調、微粒子形成のしやすさ、安定性の点で、硫化銀が特に好ましい。
(1)金属化合物からなる微粒子
(2)2種類以上の金属化合物からなる微粒子が複合して1つの粒子となった微粒子
(3)金属微粒子と金属化合物からなる微粒子とからなる微粒子
また、金属微粒子と金属化合物からなる微粒子とからなる微粒子については、具体例として、銀と硫化銀との複合微粒子、銀と酸化銅(II)との複合微粒子、パラジウムと硫化パラジウムとの複合微粒子などがある。
複合微粒子の場合、粒子の形態に特に制限はなく、例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種類の粒子が合一したもの等を挙げることができる。
数平均粒径が前記範囲内であると、良好な色調(特に黒色調)、分散性が得られる。特に、前記(1)金属化合物からなる微粒子(複合微粒子でないもの)では、数平均粒径が60nm以上であるものが色調の点で好ましい。なお、粒径分布については特に制約はない。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとする。なお、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いる。
例えば、有色の金属化合物の好ましい例として、硫化銀、硫化銅、硫化鉄、硫化パラジウム、酸化銀、チタンブラックなどが挙げられる。
また、本発明に係る合金含有微粒子は、一種単独で用いる以外に、必要に応じて2種類以上を混合して使用することができる。
以下、銀錫(AgSn)合金微粒子について詳細に説明する。
換言すれば、Agの割合が30モル%未満であると、融点が低くなり熱で変化しやすく熱安定性が低下し、80モル%を超えると、光の反射率が高くなる。
中でも、Agの割合は、好ましくは40〜75モル%であり、最も好ましくは50〜75モル%である。特に、Agの割合が75モル%である粒子、すなわちAgSn合金粒子は作製が容易であり、得られた粒子も安定で好ましい。
また、AgSn合金微粒子は、示差走査熱量測定法(DSC:Differential Scanning Calorimetry)による測定で、240〜400℃に融点を有する粒子であることが好適である。融点が該範囲であるため、金属Ag(融点:950℃)や金属Sn(融点:230℃)に比し、良好な熱安定性を示す。
具体的には、AgSn合金の融解性(融点)は、試料としてAgSn合金20mgをDSC(SSC/5200、セイコーインスツルメント(株)製)の測定セルにセットし、DSCによる降温結晶化ピークを、10℃/分の降温速度で200℃から室温まで冷却して測定される。
数平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて、粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を求めることにより得られるものである。なお、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いる。
本発明における金属微粒子の粒度分布は、粒子の分布を正規分布近似し、その数平均粒子径の粒度分布幅D90/D10が、1.2以上20未満であることが好ましい。ここで、粒子径は長軸長さLを粒子直径としたものであり、D90は平均粒径に近い粒子の90%が見出される粒子直径であり、D10は平均粒径に近い粒子の10%が見出される粒子直径である。粒度分布幅は、色調の観点から、より好ましくは2以上15以下であり、さらに好ましくは、4以上10以下である。分布幅が、1.2未満であると色調が単色に近くなる場合があり、20以上であると粗大粒子による散乱によって濁りが生じる場合がある。
本発明における金属微粒子は、下記方法によって寸法の測定が行なえる。すなわち、1個の金属微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属微粒子の寸法と定義する。前記寸法にはL>b≧tの関係をもたせ、同一の場合以外は、bとtの大きい方を幅bと定義する。
具体的には、まず、平面上に金属微粒子を最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される形状が形成される。なお、コイル状やループ状のものは、その形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
金属微粒子の長軸長さLは、10〜1000nmであることが好ましく、10〜800nmであることがより好ましく、20〜400nm(可視光の波長より短い)であることが最も好ましい。長さLが前記範囲内であると、製造上調製が簡便で、しかも耐熱性や色味も良好であり、面状欠陥が少ない利点がある。
金属微粒子の「幅bと厚みtとの比」とは、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。金属微粒子の幅bと厚みtとの比b/tは、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.3以下が特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが、幅bの1.2倍未満であると平板の特徴が生じ、耐熱性が悪化することがあり、幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなり、薄層で高濃度化するのが難しくなることがある。
長軸長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500,000)と原子間力顕微鏡(AFM)とにより行なうことができ、100個の金属微粒子について測定した値の平均値とする。
前記原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けられる。大別すると以下の3つであり、試料に合わせていずれかの方法を採用することが可能である。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
一方、非接触方式は、極めて弱い引力を高感度に検出する必要があるため、カンチレバーの変位を直接測定する静的な力の検出では難しく、カンチレバーの機械的共振を応用している。
合金部分を含む金属微粒子は、組成物中において分散されていることが望ましい。分散時における金属微粒子の存在状態は特に限定されないが、金属微粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属微粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。
ここで、分散剤として、チオール基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類及び多糖類由来の天然高分子や合成高分子及びこれらに由来するゲルなどの高分子類を用いることができ、特開2005−263920号公報の段落番号[0021]に記載の物質が好適なものとして挙げられる。
前記界面活性剤の具体例としては、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリル酸エステルなどがある。界面活性剤の例についても前述の「界面活性剤ハンドブック」に記載されている。
本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物は、樹脂及びその前駆体の少なくとも一種を含有する。樹脂はバインダーとしてのポリマー成分であり、樹脂の前駆体は、重合したときに樹脂を構成する成分であり、いわゆるモノマー、オリゴマー成分などが含まれる。
前記感光性の樹脂組成物は、光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でも放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。
例えば、ネガ型でアルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物としては、主成分としてカルボン酸基含有のバインダー(アルカリ可溶な熱可塑性樹脂等のアルカリ可溶性バインダー)と、光重合開始剤と、光の照射によって付加重合することのできるエチレン性不飽和二重結合含有モノマー(光重合性モノマー)とを含む組成物が挙げられる。
また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載のものが挙げられる。
さらに、好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
これらの光重合開始剤とクマリン系化合物の比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、好ましくは20/80から80/20、より好ましくは30/70から70/30、最も好ましくは40/60から60/40である。
ただし、本発明に使用できる光重合性組成物は、これらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
光重合性モノマーの感光性の樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性遮光層の粘着性が過剰になることもない。
本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物は、更に溶媒を用いて好適に構成することができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、例えば、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール−N−プロピルアルコール−1−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、等の種々のものを用いることができる。
溶媒は、1種単独で用いる以外に2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の表示装置用遮光膜は、少なくとも、樹脂及びその前駆体の少なくとも一種と合金部分を含む金属微粒子の少なくとも一種とを含んで光学濃度が4.1以上に構成されたものであり、さらに他の成分を含んでいてもよい。本発明の表示装置用遮光膜は、既述の本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物を用いて特に好適に構成することができる。なお、樹脂の前駆体を含む感光性樹脂組成物を用いた場合には、表示装置用遮光膜は未反応の前駆体を含んでいてもよい。
上記において、本発明の表示装置用遮光膜を本発明の表示装置用遮光膜の形成方法により形成する場合は、前記スリット状ノズル(又はスリットコーター)が用いられる。
次に、転写法による場合に用いる感光性転写材料について説明する。
本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物を用いて構成された感光性樹脂層を有する感光性転写材料を作製し、この感光性転写材料を用いた転写法により遮光膜(ブラックマトリクスなど)を作製することができる。本発明の感光性転写材料は、既述の本発明の感光性樹脂組成物で構成された感光性樹脂層を有するので、薄膜でかつ光学濃度の高い遮光膜を作製することができる。また、高温域でも熱安定性に優れ、所望形状の遮光膜を安定的に形成することができる。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体に、好ましくは本発明の感光性樹脂組成物の溶液を例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー、スリットコーター等の塗布機を用いて塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を形成することによって作製することができる。また、感光性樹脂層以外に、熱可塑性樹脂層、中間層などの他の層を設ける場合も同様に形成することができる。
次に、表示装置用遮光膜の形成方法について説明する。
本発明の表示装置用遮光膜(以下、単に「遮光膜」ともいう。)は、樹脂及びその前駆体と合金部分を含む金属微粒子とを含む組成物(好ましくは本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物)、又は本発明の感光性転写材料を用いて形成した層又は感光性樹脂層をパターニングすることにより作製することができる。該組成物(好ましくは本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物)を用いて遮光膜を形成する、すなわちパターンニングする方法には特に限定はない。
遮光膜の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.9μmである。膜厚が、0.1未満であると膜を形成するときにピンホールができやすく、10μmを超えると露光の際に下部まで固まりにくくなることがある。
第1の方法は、まず、金属微粒子を含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布し、黒色材料として感光性樹脂層を形成する。その後、感光性樹脂層を露光・現像し、ブラックマトリクスをなすパターン以外の部分の感光性樹脂層を除却することによりパターン形成を行ない、ブラックマトリクスとする方法(塗布法)である。また、上述の中間層と同組成の層を感光性樹脂層上に形成して保護層とすることもできる。塗布は、スリット状ノズル又はスリットコーターを用いるのが好適である。
既述の本発明の感光性転写材料を用いて、基板(すなわち最終の支持体)上に少なくとも感光性樹脂層を転写し、基板上に転写された少なくとも感光性樹脂層をパターン状に露光した後、露光された感光性樹脂層を現像処理して不要部(遮光膜であるブラックマトリクスを構成しない部分)を現像除去し、さらに現像処理後の少なくとも感光性樹脂層を加熱してベーク処理を施す方法である。
具体的には、光透過性基板の上に、金属微粒子を含有する感光性樹脂層を有する本発明の感光性転写材料を、感光性転写材料の感光性樹脂層が接触するように配置して貼り合わせ、次いで感光性転写材料と光透過性基板との積層体から仮支持体を剥離した後、遮光膜形成用フォトマスクを介して感光性樹脂層を露光、現像してパターン化することにより、ブラックマトリクスを形成する。この方法は、煩瑣な工程を必要とせず低コストである。また、仮支持体を介して露光する場合は、感光性転写材料の感光性樹脂層が光透過性基板に接触するように配置して光透過性基板の上に貼り合わせ、遮光膜形成用フォトマスクを介して感光性樹脂層を露光した後に、次いで感光性転写材料と光透過性基板との積層体から仮支持体を剥離した後、現像、又は脱膜してパターン化することにより、ブラックマトリクスを形成する。
(a)塗布法
組成物の塗布には、スリット状ノズル、又はスリットコーターが用いられる。これらの具体例等の詳細については既述の通りである。
(b)転写法
転写による場合、本発明の感光性転写材料を用い、膜状に形成した感光性樹脂層を基板面に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって貼り付け、更に剥離転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、該マスク及び場合により熱可塑性樹脂層及び中間層を介してマスクの更に上方(マスクの感光性樹脂層と対向しない側)から露光し(露光工程)、露光完了後、現像液を用いた現像処理を行なう(現像工程)。
また、現像液には、更に公知の界面活性剤を添加してもよく、添加する場合の添加濃度は0.01〜10質量%が好ましい。
シャワー現像による場合、露光工程後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。なお、現像前に予め、感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像後には、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
本発明の遮光膜付基板は、基板上に既述の本発明の表示装置用遮光膜を設けて構成されたものである。具体的には、光透過性基板の上に、樹脂及び/又はその前駆体と金属微粒子とを含む組成物(好ましくは本発明の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物)を用いて既述したように形成した感光性樹脂層をパターニングすることで作製される。
ブラックマトリクス基板としたときの、遮光膜の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、特に0.2〜5μmが好ましい。また、ブラックマトリクス基板における遮光膜は、銀錫合金部を有する金属粒子を分散させたものが好適であり、薄膜でも高度の光学濃度を有する。
本発明の液晶表示素子は、前記本発明の遮光膜付基板を用いて構成されたものである。
液晶表示素子の1つとして、少なくとも一方が光透過性の一対の基板(本発明の遮光膜付基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)とを少なくとも備えたものが挙げられる。
この場合、本発明の遮光膜付基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いに本発明の感光性樹脂組成物により形成されたブラックマトリクスで離画されているカラーフィルタとして構成される。このカラーフィルタは平坦性が高いため、該カラーフィルタを備えた液晶表示素子は、カラーフィルタと基板との間にセルギャップムラの発生が抑えられ、色ムラ等の表示不良の発生がなく、また、コントラストも高いため、作製された液晶表示素子は鮮やかな画像を表示できる。
また、前記カラーフィルタの前記画素群は、互いに異なる色を呈する2色の画素からなるものでも、3色の画素、4色以上の画素からなるものであってもよい。例えば3色の場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相で構成される。RGB3色の画素群を配置する場合には、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4色以上の画素群を配置する場合にはどのような配置であってもよい。カラーフィルタの作製は、例えば2色以上の画素群を形成した後既述のようにブラックマトリクスを形成してもよいし、逆にブラックマトリクスを形成した後に画素群を形成するようにしてもよい。RGB画素の形成については、特開2004−347831号公報等を参考にすることができる。
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明の液晶表示素子を設けて構成されたものである。液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)」に記載がある。
さらに勿論、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置に構成すること可能である。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門、2001年発行)」の43ページに記載がある。
<金属微粒子の分散液(分散液A1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(ISP社製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
下記組成を混合して、遮光膜用感光性塗布液を調製した。
〔組成〕
・前記銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1) …50.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …28.6部
・メチルエチルケトン …37.6部
・フッ素系界面活性剤 … 0.2部
(F−780−F、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 9.6部
(モル比=56/44、重量平均分子量30,000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 9.6部
(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.5部
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール … 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.3部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …50.7部
・メチルアルコール …45.0部
(1)ガラス基板上に、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて乾燥膜厚が0.85μmになるように、上記より得た遮光膜用感光性塗布液を塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性層を形成した(塗布工程)。次いで、この感光性層上にスピンコーターを用いて、上記より得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、遮光膜用感光材料を作製した。
次に、大気下にて露光量2000mJ/cm2にてポスト露光を行なった後に、ブラックマトリクスが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理し(ベーク工程)、遮光膜付基板を作製した。
実施例1において、銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1)の調製に用いた酢酸銀(I)23.1g及び酢酸スズ(II)65.1gを、下記表1に示す量[g]に各々変更したこと以外、実施例1と同様にして、分散液を調製すると共に、遮光膜付基板を作製した。なお、実施例1と同様にX線散乱により、AgSn合金とSn金属もしくはAg金属とからなる複合体であることを確認した。
実施例1において、銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1)の調製に用いた酢酸銀(I)23.1g及び酢酸スズ(II)65.1gを、前記表1に示す量[g]に変更して分散液A6を調製し、この分散液A6を含む塗布液を用いた塗布法によるのではなく、以下のようにして作製した感光性転写材料を用いて転写法によりブラックマトリクスを形成するようにしたこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。なお、銀錫合金部含有粒子は実施例1と同様に、X線散乱によりAgSn合金とAg金属とからなる複合体であることを確認した。
以下、感光性転写材料の作製及び該感光性転写材料を用いた遮光膜付基板の作製について詳述する。
(1)厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート仮支持体(PET仮支持体)の表面に、スリットノズルを用いて乾燥膜厚が5μmになるように下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させ、熱可塑性樹脂層を形成した。
更に、感光層上に厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを圧着し、保護フィルムを設けた。以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光層/保護フィルムの積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。
下記処方H1の諸成分を混合し、熱可塑性樹脂層用塗布液を調製した。
−熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1−
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=54/12/5/29[モル比])の共重合体 (重量平均分子量80,000) … 58部
・スチレン/アクリル酸(=70/30[モル比])の共重合体 …136部
(重量平均分子量7,000)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン… 90部
(新中村化学工業(株)製、多官能アクリレート)
・F−780−F(大日本インキ化学工業(株)製) … 1部
(フッ素系界面活性剤の2−ブタン30%溶液)
・メチルエチルケトン …541部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 63部
・メチルアルコール …111部
下記処方P1の諸成分を混合し、中間層用塗布液を調製した。
−中間層用塗布液の処方P1−
・ポリビニルアルコール … 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.5部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …50.5部
・メチルアルコール …45.0部
(1)まず、上記より得た感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去した後、露出した感光性層が、被転写体であるガラス基板(厚み1.1mm)の表面と接するように重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件で貼り合わせた。次いで、PET仮支持体を剥離し、ガラス基板上に感光性層/中間層/熱可塑性樹脂層の順に積層されるように転写した(転写工程)。
実施例1において、分散液A1の調製に用いた酢酸銀(I)を過塩素酸銀(I)に代え、下記の「銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A7)の調製」に示すように分散液A7を調製したこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜用感光性塗布液を調製すると共に、遮光膜付基板を作製した。
純水1000mlに、過塩素酸銀(I)61.2g、酢酸スズ(II)35.8g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)5g、及びAGRIMER AL−10LC(ISP社製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液3を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液4を得た。
なお、銀錫合金部含有粒子は、X線散乱によりAgSn合金とAg金属とからなる複合体であることを確認した。
実施例1において、「塗布による遮光膜付基板の作製」での遮光膜用感光性塗布液の乾燥膜厚を0.85μmから1.0μmに変更したこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
実施例1において、「塗布による遮光膜付基板の作製」での遮光膜用感光性塗布液の乾燥膜厚を0.85μmから1.2μmに変更したこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
実施例1において、「塗布による遮光膜付基板の作製」で用いた遮光膜用感光性塗布液を下記の棒状銀微粒子を含有する遮光膜用感光性塗布液に代えると共に、塗布をスピンコーターを用いて乾燥膜厚が0.85μmになるように行なったこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
(1)棒状銀微粒子分散液の調製
棒状銀微粒子(長軸長さL:400nm、幅b:30nm、厚さt:25nm、b/t=1.2)73.5gと、分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア(株)製)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gと、を混合した。これを、超音波分散機(商品名:Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、棒状銀微粒子分散液を得た。
下記組成を混合して、遮光膜用感光性塗布液を調製した。
〔組成〕
・棒状銀微粒子分散液 …40.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …28.6部
・メチルエチルケトン …37.6部
・フッ素系界面活性剤 … 0.2部
(商品名:F176PF、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(モル比=73/27、分子量30000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …下記
(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの量は、塗布液におけるベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体の量を1としたときの質量比率で0.9となる量とし、かつ棒状銀微粒子の体積分率が0.13になる量とした。
・ビス[4−[N−[4−(4、6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.1部
比較例1の〈遮光膜用感光性塗布液の調製〉において、棒状銀微粒子と同様にして棒状金微粒子を得ると共に、比較例1と同様にして、棒状金微粒子分散液を調製し、棒状銀微粒子分散液を棒状金微粒子分散液に代え、塗布液の乾燥膜厚を0.85μmから1.1μmに変更したこと以外、比較例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
実施例1において、「塗布による遮光膜付基板の作製」で用いた遮光膜用感光性塗布液を下記の銀微粒子とカーボンブラックをブレンドした遮光膜用塗布液に代えると共に、乾燥膜厚を0.85μmから1.1μmに変更したこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
(1)カーボンブラック分散液の調製
モーターミルM50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用いて下記処方のカーボンブラック分散液を作製した。
〈処方〉
・ノルマルプロパノール …69部
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体(共重合比=20/80)…10部
・ソルスパース20000(ゼネカ(株)製) … 1部
・カーボンブラック(カーボンブラックMA100、三菱化学(株)製) …20部
ゼラチン112gに蒸留水3,488gを添加し、得られた混合物を約47℃に加熱してゼラチンを溶解した。これに酢酸カルシウム4.0g及びホウ化水素カリウム2.0gを添加し、その直後、蒸留水1.0L(リットル)に溶解した硝酸銀6.0gを、急速に攪拌しながら添加した。さらに蒸留水を添加し、最終重量を5.0kgに調整した。次いで、生成物をゲル化温度近くまで冷却した後、小さな穴を通過させて冷却した水の中へ入れ、微細なヌードルを形成した。このヌードルを、青色銀を生成するための増幅触媒として供給した。便宜上及びヌードルが溶融塊を形成するのを防ぐために、水を用いてヌードルを希釈し、水1対ヌードル3に調整した(ヌードルスラリー)。
溶液A:亜硫酸ナトリウム(無水)…19.5g
重亜硫酸ナトリウム(無水)…0.98g
蒸留水…122.0g
溶液B:硝酸銀…9.75g
蒸留水溶液…122.0g
得られた銀分散スラリー4000gに、分散剤(日本油脂(株)製の「ラピゾールB−90」)6gとパパイン5%水溶液2000gとを添加し、温度37℃で24時間保存した。この液を2000r.p.m.で5分間かけて遠心分離して、銀粒子を沈降させた。上澄み液を棄てた後、蒸留水で洗浄して酵素で分解されたゼラチン分解物を除去した。次いで、該銀粒子沈降物をメチルアルコールで洗浄してから乾燥させた。約60gの銀微粒子の凝集物が得られた。この凝集物53gと分散剤(アビシア(株)製の「ソルスパース20000」)5gとメチルエチルケトン22gとを混合した後、これに2mmφガラスビーズ100gを混合してペイントシェーカーで3時間かけて分散し、目的とする銀粒子分散液を得た。
・上記の銀粒子分散液 …40.0g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …40.0g
・メチルエチルケトン …37.6g
・フッ素系界面活性剤1(F−780−F) … 0.1g
(大日本インキ化学工業(株)、30%メチルエチルケトン溶液)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0・001g
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 2.1g
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s-トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.1g
上記で得られたカーボンブラック分散液と銀粒子含有塗布液とを添加、混合し、遮光層用塗布液を調製した。ここでは、カーボンブラック分散液と銀粒子含有塗布液とのブレンド比が2.64/1となるようにした。
実施例1において、「塗布による遮光膜付基板の作製」で用いた遮光膜用感光性塗布液を下記のカーボンブラックを含有した着色感光性樹脂組成物K1に代えると共に、乾燥膜厚を0.85μmから2.0μmに変更したこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
*K顔料分散物1の組成
・カーボンブラック(Special Black 250、デグッサ社製)…13.1部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズアミダゾロン…0.65部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量40,000)〕…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)…76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…24部
*界面活性剤1
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)製)
(組成)・C6F13CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(O(CH3)CHCH2)7OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2(5部)との共重合体(重量平均分子量30,000)…30部
・メチルエチルケトン…70部
実施例1において、「塗布による遮光膜付基板の作製」で用いた遮光膜用感光性塗布液を下記の遮光膜用塗布液2に変更したこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板を作製した。
下記組成を混合して、遮光膜用塗布液2を調製した。
〔組成〕
・前記銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1) …25.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …28.6部
・メチルエチルケトン …37.6部
・フッ素系界面活性剤 … 0.2部
(F−780−F、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 9.6部
(モル比=56/44、重量平均分子量30,000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 9.6部
(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.5部
上記の実施例及び比較例で得られた遮光膜付基板の各々について、以下に示す測定及び評価を行なった。測定及び評価の結果は下記表3〜表4に示す。
−1.光学濃度−
実施例及び比較例にてブラックマトリクスの形成に用いた塗布液又は組成物を用い、透明基板上にODが3.0以下になるような薄膜の層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、測定用のサンプル(膜状)を得た。この透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD1)。 別途ガラス基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD0)。
OD1からOD0を差し引いた値をブラックマトリクスの透過光学濃度とした。ここで、測定用サンプルの膜厚は接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて測定し、測定結果の透過光学濃度と膜厚との関係から、実施例で作製した膜厚のブラックマトリクスの光学濃度を算出した。
接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール社製)を用いて、ベーク後のブラックマトリクスの膜厚を測定した。
ベーク後のブラックマトリクスについて、オリンパス(株)製の顕微鏡MX50を用いて観察することにより、現像残渣の発生の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
〈評価基準〉
○:現像残渣は全く認められなかった。
△:現像残渣が僅かに認められた。
×:現像残渣が顕著に認められた。
スペクトロフォトメーターV−560(日本分光(株)製)を組合せた、絶対反射率測定装置ARV−474(日本分光(株)製)を用いて、遮光膜付基板のガラス基板側(膜形成されている側と反対側)の絶対反射率を測定し、遮光膜付基板の反射率とした。なお、測定は、測定角度を垂直方向から5°、波長555nmとして行なった。
〈評価基準〉
○:反射率が3%未満。
△:反射率が3%以上5%未満。
×:反射率が5%以上。
ベーク後のブラックマトリクスについて、基板ごと基板面に垂直にカットし、露出した断面を顕微鏡で直接観察した。
〈評価基準〉
○:エッジ形状はシャープできれいであった。
△:エッジ部分に僅かにギザギザが認められた。
×:エッジ形状に顕著にギザギザが認められた。
ベーク後のブラックマトリクスについて、シャーカッセンを用いてブラックマトリクスが形成された側から光を当て、反対側での目視観察をし、モアレの有無を確認した。
〈評価基準〉
○:モアレは全く認められなかった。
△:モアレが僅かに認められた。
×:モアレが顕著に認められた。
これに対し、比較例1〜5では、現像残渣が残った部分が存在し、現像時のシャワー跡が残った部分もあった。また、高い黒濃度は得られるものの、ムラの発生があり、綺麗な格子模様が得られなかった。単独の金属微粒子を含む比較例1〜2のブラックマトリクスでは、観察者側となるブラックマトリクスが形成されていない側からみたときの反射率が高かった。また、比較例4のように、カーボンブラックを黒色材料に用いた場合には、薄膜で実施例と同じ透過ODを得ることは困難であり、また、ブラックマトリクスの剥がれが見られ、現像残渣、現像時のシャワー跡も残ってムラが発生しており、綺麗な格子模様を得ることはできなかった。
実施例1と同様にして遮光膜付基板を得ると共に、得られた遮光膜付基板を用いて以下のようにして液晶表示装置を作製した。
なお、遮光膜付基板におけるブラックマトリクスのパターンは、画素サイズ10インチ、画素数480×640であった。また、ブラックマトリクス幅は24μmであり、画素部の開口は86μm×304μmであった。
下記表5に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1,G1,B1を調製し、実施例6の「感光性転写材料の作製」で用いた遮光膜用感光性塗布液を着色感光性樹脂組成物R1,G1,又はB1に代えたこと以外、実施例6と同様にして、PET仮支持体上/熱可塑性樹脂層/中間層/感光層(R1,G1,又はB1)/保護フィルムの積層構造に構成された、赤色画素形成用の感光性転写材料R1、緑色画素形成用の感光性転写材料G1、及び青色画素形成用の感光性転写材料B1を作製した。
−レッド(R)画素の形成−
実施例6の「転写による遮光膜付基板の作製」において、感光性転写材料を上記より得た感光性転写材料R1に代えたこと以外、実施例6と同様にして転写、露光、現像、ベークの各工程を行ない、遮光膜付基板のブラックマトリクスが設けられている側に赤色画素(R画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は40mJ/cm 2 とし、現像工程での現像処理は35℃で35秒間とし、ベーク工程では220℃で20分間とした。
なお、感光層R1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254、C.I.P.R.177の塗布量はそれぞれ0.88g/m2、0.22g/m2であった。
その後、R画素が形成された遮光膜付基板を再び、上記のように洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
次に、上記のR画素を形成する場合と同様に、感光性転写材料G1を用いて転写、露光、現像、ベークの各工程を行ない、遮光膜付基板のブラックマトリクス及びR画素が設けられている側に緑色画素(G画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は40mJ/cm 2 とし、現像工程での現像処理は34℃で45秒間とし、ベーク工程では220℃で20分間とした。
なお、感光層G1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36、C.I.ピグメント・イエロー(C.I.P.Y.)150の塗布量はそれぞれ1.12g/m2、0.48g/m2であった。
その後、R画素及びG画素が形成された遮光膜付基板を再び、上記のように洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
次に、前記R画素及びG画素を形成する場合と同様に、感光性転写材料B1を用いて転写、露光、現像の各工程(ベーク工程は除く。)を行ない、遮光膜付基板のブラックマトリクス並びにR画素及びG画素が設けられている側に青色画素(B画素)を形成した。但し、露光工程での露光量は30mJ/cm 2 とし、現像工程での現像処理は36℃で40秒間とした。
なお、感光層B1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット(C.I.P.V.)23の塗布量はそれぞれ0.63g/m2、0.07g/m2であった。
〈着色感光性樹脂組成物R1の調製〉
着色感光性樹脂組成物R1は、前記表5に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表5に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、次いで前記表5に記載の量のED152をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で20分間攪拌した。更に、前記表5に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254…8.0部
・N,N'−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−{4−[2−オキソ−1−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルカルバモイル)−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ}−イソフタルアミド…0.8部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…83.2部
・C.I.ピグメント・レッド177…18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…70部
*バインダー2の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)…76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト…24部
*界面活性剤1の組成
・C6F13CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(O(CH3)CHCH2)7OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2(5部)との共重合体(重量平均分子量30,000)…30部
・メチルエチルケトン…70部
*ED152
HIPLAAD ED152(楠本化成(株)製)
着色感光性樹脂組成物G1は、前記表5に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表5に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、前記表5に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
*G顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・グリーン36…18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…12部
・シクロヘキサノン…35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…35部
*Y顔料分散物1
商品名:CFイエローEX3393(御国色素社製)
*バインダー1の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量44,000)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
着色感光性樹脂組成物B1は、前記表5に記載の量のB顔料分散物1、B顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表5に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、前記表5に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
*B顔料分散物1
商品名:CFブルーEX3357(御国色素社製)
*B顔料分散物2
商品名:CFブルーEX3383(御国色素社製)
*バインダー3の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置した。更に、液晶セルの観察者が観る正面となる側に反射防止フィルムを貼り付け、液晶表示装置とした。
Claims (14)
- 樹脂及びその前駆体の少なくとも一種と合金部分を含む金属微粒子の少なくとも一種とを含み、光学濃度が4.1以上である表示装置用遮光膜。
- 前記金属微粒子が、合金部分と金属部分とからなる金属微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用遮光膜。
- 前記合金部分が、銀錫合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置用遮光膜。
- 前記樹脂及びその前駆体の少なくとも一種が熱硬化性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置用遮光膜。
- 樹脂及びその前駆体の少なくとも一種と合金部分を含む金属微粒子の少なくとも一種とを含み、厚み0.1〜10μmの膜としたときの光学濃度が4.1以上である表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物。
- 少なくとも1種の溶媒を更に含む請求項5に記載の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物。
- 仮支持体上に少なくとも感光性樹脂層を有し、該感光性樹脂層が請求項5又は6に記載の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物を用いてなる感光性転写材料。
- 請求項5又は6に記載の表示装置用遮光膜形成用の感光性樹脂組成物をスリット状ノズルにより塗布する塗布工程を有する表示装置用遮光膜の形成方法。
- 請求項7に記載の感光性転写材料を用いて基板上に感光性樹脂層を転写する転写工程と、
基板上に転写された少なくとも前記感光性樹脂層を露光する露光工程と、
前記露光後の前記感光性樹脂層を現像処理する現像工程と、
現像処理された少なくとも前記感光性樹脂層をベークするベーク工程と、
を有する表示装置用遮光膜の形成方法。 - ブラックマトリクスに用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置用遮光膜。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置用遮光膜を備えた遮光膜付基板。
- カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする請求項11に記載の遮光膜付基板。
- 請求項11又は12に記載の遮光膜付基板を備えた液晶表示素子。
- 請求項13に記載の液晶表示素子を備えた液晶表示装置。
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