JP2007140408A - 液晶表示装置用カラーフィルター並びに液晶表示装置 - Google Patents

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秀之 中村
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Abstract

【課題】色味のずれの発生がない液晶表示装置用カラーフィルターを提供する。
【解決手段】透明基板上に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素層が形成され、各着色画素の間隙にブラックマトリックスが形成されてなる液晶表示装置用カラーフィルターであって、前記ブラックマトリックスが少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有してなり、且つR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色のC光源によるCIE色度図上での色度が、R(x≧0.62,y≦0.35)、G(x≦0.32,y≧0.56)、B(x≦0.17,y≦0.14)の色度範囲にあることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属粒子を含有したブラックマトリックスを有する液晶表示装置用カラーフィルター、並びにこれを用いた液晶表示装置に関する。
カラー液晶ディスプレー等に用いられるカラーフィルターは、透明基板上に着色画素層(R、G、B)が形成され、且つR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各着色画素の間隙には、表示コントラストの向上等の目的で、ブラックマトリックスが形成されている。
近年、液晶表示素子の大画面化及び高精細化の技術開発が進み、その用途はノートパソコン用ディスプレイからデスクトップパソコン用モニター、更にはテレビモニターにまで拡大されてきている。このような背景の下で、液晶表示素子に使用するカラーフィルターも高色純度が求められる様になってきている。しかしながらカラーフィルターの高色純度化を図ると透過率が低下し、輝度が損なわれるという問題がある。
従来、カラーフィルターの各着色成分としては、赤色、緑色、青色の各主顔料に他の顔料等を適当な比率で混合して使用していることが多い。特に、高透過率と高色純度化とを両立させる目的で、上記他顔料として透過領域がより短波長に広がった顔料成分が用いられている。また、高色純度化という観点では、TV用途の主要な色度規格であるHDTV規格、即ちR(x=0.64、y=0.33)、G(x=0.3、y=0.6)、B(x=0.15、y=0.06)を更に上回る様な高色純度化の実現が求められており、様々な工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、表示画像のコントラスト向上という観点から、ブラックマトリックスには高い光学濃度が要求されるようになってきた。しかし、ブラックマトリックスの厚みが厚いとカラーフィルターの表面平滑性が損なわれるため、薄膜に構成されることも必要とされている。
従来より、高い遮光性を有する表示装置用のブラックマトリックスの作製には、金属の薄膜が用いられてきた。これは、蒸着法やスパッタリング法により形成されたクロム等の金属薄膜の上にフォトレジストを塗布し、次いで表示装置用遮光膜用パターンをもつフォトマスクを用いてフォトレジストを露光・現像した後、露出した金属薄膜をエッチングし、最後に金属薄膜の上に残存するフォトレジストを剥離除去することにより形成する方法によるものである(例えば、非特許文献1参照)。
この方法は、金属薄膜を用いるため、膜厚が小さくても高い遮光効果が得られる反面、蒸着法やスパッタリング法という真空成膜工程やエッチング工程が必要となり、コストが高くなるという問題がある。また、金属膜であるため反射率が極めて高く、強い外光の下では表示コントラストが低くなる問題もある。これらに対応して、低反射クロム膜(金属クロムと酸化クロムとの2層からなるもの等)を用いる方法も提案されているが、更なるコストアップとなることは否めない。そして更に、エッチング工程では金属イオンを含有した廃液が排出されるため、環境負荷が大きいという大きな欠点も有している。特に最もよく用いられるクロムは、有害で環境負荷が非常に大きい。
一方、環境負荷の小さいブラックマトリックスを得る技術の一つに、カーボンブラックを用いた技術がある(例えば、特許文献2参照)。これは、カーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させたものを露光、現像してブラックマトリックスとするものである。
しかし、カーボンブラックは、単位塗布量あたりの光学濃度が低いため、高い遮光性、光学濃度を確保しようとすると必然的に膜厚が大きくなり、例えば、上記の金属膜同等の光学濃度を確保しようとすると、どうしても膜厚が厚くなる。そのため、ブラックマトリックスの形成後、赤、青、緑の画素を形成すると、画素エッジ部の段差等によりカラーフィルターの表面が平滑でなくなり、表示品位が低下するという欠点がある。
上記以外に、環境負荷が小さく薄膜で光学濃度の高いブラックマトリックスを得る方法として、カーボンブラックの代わりに銀微粒子等の金属微粒子を用いる方法が知られている(例えば、特許文献3又は4参照)。この方法によると、環境負荷が小さく、薄膜で光学濃度の高いブラックマトリックスを得ることができるとされている。
特開2004−347831号公報 特開昭62−9301号公報 特開2004−240039号公報 特開2005−17322号公報 「カラーTFT液晶ディスプレイ」p.218〜p.220、共立出版(株)発行(1997年4月10日)
しかし、従来の金属微粒子を含有したブラックマトリックスでは反射率が高く、これをカラーフィルターに用いた場合、色味がずれてしまうという問題があった。特に薄膜化したブラックマトリックスにおいて金属充填率を上げる場合などにおいては反射率が非常に高くなり、色味ずれの問題も顕著であった。
本発明は、前記従来における課題を達成することを目的とし、即ち本発明の目的は、色味のずれの発生がない液晶表示装置用カラーフィルター及び液晶表示装置を提供することにある。
前記課題は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、
<1> 透明基板上に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素層が形成され、各着色画素の間隙にブラックマトリックスが形成されてなる液晶表示装置用カラーフィルターであって、前記ブラックマトリックスが少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有してなり、且つR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色のC光源によるCIE色度図上での色度が、R(x≧0.62,y≦0.35)、G(x≦0.32,y≧0.56)、B(x≦0.17,y≦0.14)の色度範囲にあることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルターである。
<2> 前記銀錫合金部を有する金属粒子は、銀(Ag)の割合が30〜90モル%であることを特徴とする前記<1>に記載の液晶表示装置用カラーフィルターである。
<3> 前記ブラックマトリックスが、透過濃度3.5以上、膜厚1.3μm以下、反射率10%未満であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の液晶表示装置用カラーフィルターである。
<4> 前記ブラックマトリックスが、少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有する感光性樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルターである。
<5> 前記ブラックマトリックスが、少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有する感光性転写材料を用いて形成されることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルターである。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルターを備えていることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、色味のずれの発生のない液晶表示装置用カラーフィルター、及び液晶表示装置を提供することができる。また、特に、ブラックマトリックスを薄膜化し且つ金属充填率を上げる必要のある場合においては、顕著な色味ずれの問題をより効果的に抑制することができる。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルターは、透明基板上に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素層が形成され、各着色画素の間隙にブラックマトリックスが形成されてなることを特徴とする。また、前記ブラックマトリックスには銀錫合金部を有する金属粒子が含有され、R、G、Bの画素における3原色のC光源によるCIE色度図上での色度が、R(x≧0.62,y≦0.35)、G(x≦0.32,y≧0.56)、B(x≦0.17,y≦0.14)の色度範囲にあることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず本発明のカラーフィルターにおけるブラックマトリックスについて詳述し、その後RGB画素を含めたカラーフィルターの形成について述べる。
<ブラックマトリックス>
本発明に係るブラックマトリックスは銀錫合金部を有する金属粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」ということがある。)を含有し、通常、樹脂及び/又はその前駆体を少なくとも含んでなる樹脂組成物(以下、「ブラックマトリックス用樹脂組成物」ということがある。)によって形成される。
尚、前記ブラックマトリックスは、透過濃度3.5以上、膜厚1.3μm以下、反射率10%未満であることが好ましく、これらを満たすことにより、色味、コントラストのよいカラーフィルターを得ることができる。前記透過濃度は更に3.8以上であることが好ましく、4.0以上であることが特に好ましい。また、膜厚は1.0μm以下であることが特に好ましい。反射率は6.0%以下であることが特に好ましい。
まず、前記銀錫合金部含有粒子について説明する。
−銀錫合金部を有する金属粒子−
本発明に係る銀錫合金部含有粒子は、各粒子が、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含むものである。
尚、金属の定義については、岩波理化学辞典 第4版(1987年、岩波書店発行)に記載されている通りであり、本発明における銀錫合金は、銀と錫が原子レベルで混合したもので、固溶体、共晶、化合物、金属間化合物などが含まれる。また、合金については、例えば、岩波理化学辞典 第4版(1987年、岩波書店発行)に記載されている。
本発明に係る銀錫合金部含有粒子において、少なくとも一部が銀錫合金で構成されていることは、例えば、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)とを用いて、加速電圧200kVによる各々の粒子の中心15nm□エリアのスペクトル測定により確認することができる。
銀錫合金部含有粒子は、黒濃度が高く、少量であるいは薄膜で優れた遮光性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば200℃以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。
本発明に係る銀錫合金部含有粒子は、銀(Ag)の割合を30〜90モル%としてAgと錫(Sn)とを複合化(例えば合金化)して得られるものであることが好ましい。Agの割合を特に前記範囲とすることで、高温域での熱安定性が高く、光の反射率を抑えた高い黒濃度を得ることができる。
換言すれば、Agの割合が30モル%未満であると、融点が低くなり熱で変化しやすく熱安定性が低下することがあり、一方90モル%を超えると、光の反射率が高くなる懸念がある。中でも、好ましくは40〜80モル%であり、より好ましくは50〜80モル%である。
特に、Agの割合が75モル%以下である粒子は作製が容易であり、得られた粒子も安定で好ましい。
前記ブラックマトリックス用樹脂組成物には、銀錫合金部含有粒子を一種単独で含有するのみならず、Agの割合が前記範囲内で異なる二種以上の銀錫合金部含有粒子を併用して構成するようにしてもよい。
本発明に係る銀錫合金部含有粒子は、坩堝などの中で加熱、溶融混合して形成する等の一般的方法で合金化する等して形成することが可能であるが、Agの融点は900℃付近で、Snの融点は200℃付近であって両者の融点に大きな差があるうえ、複合化(例えば合金化)後の微粒子化工程が余分に必要になることから、粒子還元法によるのが好ましい。すなわち、Ag化合物とSn化合物とを混合し、これを還元するものであり、金属Agと金属Snを同時に接近した位置で析出させ、複合化(例えば合金化)と微粒子化とを同時に達成する方法である。Agは還元されやすく、Snよりも先に析出する傾向にあるため、Ag及び/又はSnを錯塩にすることにより析出タイミングをコントロールすることが好適である。
前記Ag化合物としては、硝酸銀(AgNO)、酢酸銀(Ag(CHCOO))、過塩素酸銀(AgClO・HO)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸銀が好ましい。
前記Sn化合物としては、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、酢酸第一錫(Sn(CHCOO))、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸第一錫が好ましい。
還元は、還元剤を用いる方法、電解により還元する方法等を好ましい還元方法として挙げることができる。中でも、還元剤を用いた前者による方法が、微細な粒子が得られる点で好ましい。前記還元剤としては、ハイドロキノン、カテコール、パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、ヒドロキシアセトンなどが挙げられる。中でも、揮発しやすく、表示装置に悪影響を与えにくい点で、ヒドロキシアセトンが特に好ましい。
また、本発明に係る銀錫合金部含有粒子は、以下に示す物理的性質や、粒子サイズ、粒子形状等を有する粒子であるのが好ましい。
本発明に係る銀錫合金部含有粒子は、示差走査熱量測定法(DSC:Differential Scanning Calorimetry)による測定で、240〜400℃に融点を有する粒子であることが好適である。融点が該範囲であるため、金属Ag(融点:950℃)や金属Sn(融点:230℃)に比し、良好な熱安定性を示す。
具体的には、銀錫合金部含有粒子の融解性(融点)は、試料としてAgSn合金20mgをDSC(SSC/5200、セイコーインスツルメント(株)製)の測定セルにセットし、DSCによる降温結晶化ピークを、10℃/分の降温速度で200℃から室温まで冷却して測定される。
本発明に係る銀錫合金部含有粒子は、数平均粒子サイズで、20〜700nmが好ましく、より好ましくは30〜200nmであり、特に好ましくは40〜100nmである。数平均粒子サイズが特に前記範囲であると、金属Snの粒子とは異なり、いずれの粒子径でも黒い色相を有する。なお、数平均粒子サイズが、700nmを超えると成膜したときの面状が悪くなることがあり、20nm未満であると黒さが減って黄色味を帯びてくることがある。
前記数平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて次のようにして測定されるものである。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとする。なお、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いる。
本発明に係る「銀錫合金部含有粒子」の粒子形状としては、特に制限はなく、キュービック状、高アスペクト、中アスペクト、針状等のいずれの形状であってもよい。
上記の物理的性質、粒子サイズ、粒子形状を少なくとも有し、かつ維持される限り、銀銀錫合金部含有粒子を形成する元素(Ag及びSn)以外に、更に塩や有機物、その他の元素(Ca、P、Na等)などを含んでいてもよい。
銀錫合金部含有粒子の前記ブラックマトリックス用樹脂組成物中における量としては、目的や用途に応じて適宜選択すればよく、高度の遮光性を得る観点からは、組成物の全固形分(体積)に対して、5〜20体積%が好ましく、7〜15体積%がより好ましく、8〜15体積%が最も好ましい。銀錫合金部含有粒子の量が特に前記範囲であると、光の反射率が抑えられ、黒濃度が高く、薄膜で高い遮光性を得ることができ、カラーフィルターのブラックマトリックスとして、高コントラストで鮮やかな表示画像を得ることができる。なお、銀錫合金部含有粒子の量が、5体積%未満であるときには反射率が高く表示コントラストを損なうことがあり、20体積%を超えるときには成膜した際の膜厚が1μmより厚くなることがある。
また、後述する樹脂及びその前駆体との関係では、樹脂及びその前駆体の総量(質量)に対して、0.3〜8.0質量%が好ましく、0.5〜3.0質量%がより好ましい。
−樹脂及びその前駆体−
本発明におけるブラックマトリックス用樹脂組成物は、通常、樹脂及びその前駆体の少なくとも一種を含有する。樹脂はバインダーとしてのポリマー成分であり、樹脂の前駆体は、重合したときに樹脂を構成する成分であり、いわゆるモノマー、オリゴマー成分などが含まれる。
尚、前記ブラックマトリックス用樹脂組成物は、樹脂及びその前駆体より選択される一種又は二種以上を含有することにより、感光性の重合性組成物に構成されるのが好ましい。
前記ブラックマトリックス用の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性バインダー(ポリマー)、光重合開始剤、及びエチレン性不飽和二重結合を含み、光で付加重合するモノマー(以下、「光重合性モノマー」ということがある。)等を含有してなるものである。
前記ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましい。
前記ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物は、光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でも放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。
ポジ型感光性樹脂組成物には、ノボラック系の樹脂を用いたものが挙げられる。例えば、特開平7−43899号公報に記載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用することができる。また、特開平6−148888号公報に記載の、ポジ型感光性樹脂、すなわち該公報に記載のアルカリ可溶性樹脂と、感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと、該公報に記載の熱硬化剤との混合物を含む感光性樹脂を用いることができ、この場合には熱硬化性に構成される。さらに、特開平5−262850号公報に記載の組成物も活用可能である。
ネガ型感光性樹脂組成物としては、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも特に好ましいのは、光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダーを基本構成要素として含む光重合性組成物である。該光重合性組成物には、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」「重合開始剤C」「界面活性剤」「接着助剤」や、その他の組成物が利用できる。
例えば、ネガ型でアルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物としては、主成分としてカルボン酸基含有のバインダー(アルカリ可溶な熱可塑性樹脂等のアルカリ可溶性バインダー)と、光重合開始剤と、光の照射によって付加重合することのできるエチレン性不飽和二重結合含有モノマー(光重合性モノマー)とを含む組成物が挙げられる。
前記アルカリ可溶性バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も挙げることができる。
前記アルカリ可溶性バインダーは、30〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜300000の範囲の重量平均分子量を有するものを選択するのが好ましい。以上の他に、種々の性能、例えば、硬化膜の強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ不溶性のポリマーを添加してもよい。アルカリ不溶なポリマーとしては、アルコール可溶性ナイロンあるいはエポキシ樹脂を挙げることができる。
前記アルカリ可溶性バインダーは、感光性樹脂組成物の全固形分に対して通常、10〜95質量%、さらに20〜90質量%が好ましい。10〜95質量%の範囲では、感光性樹脂層の粘着性が高すぎることもなく、形成される層の強度及び光感度が劣ることもない。
前記光重合開始剤としては、米国特許第2367660号明細書に記載のビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載のアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号及び同第2951758号の各明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。特に好ましくはトリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール、トリアリールイミダゾール二量体である。これら以外に、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
光重合開始剤は、単独でも2種類以上を混合して用いてもよく、特に2種類以上を用いることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
露光感度が高く、黄ばみなどの変色が少なく、表示特性の良い例としては、ジアゾール系光重合開始剤と、トリアジン系光重合開始剤との組合せが挙げられ、中でも、2−トリクロロメチル5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾールと、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキンカルボニルメチル)−3−プロモフェニル]−s−トリアジンとの組合せが最もよい。
これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、好ましくは95/5から20/80、より好ましくは90/10から30/70、最も好ましくは80/20から60/40である。
これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載のものが挙げられる。
さらに、好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
本発明におけるブラックマトリックス用樹脂組成物の固形分全体に占める「銀錫合金部を有する金属粒子」の割合が5〜20体積%付近の場合、前記光重合開始剤にクマリン系化合物を混合することによっても、同様の効果が得られる。クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最もよい。
これらの光重合開始剤とクマリン系化合物の比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、好ましくは20/80から80/20、より好ましくは30/70から70/30、最も好ましくは40/60から60/40である。
ただし、本発明に使用できる光重合性組成物は、これらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
前記光重合開始剤は、ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲内であると、光感度や画像の強度が低下を防止でき、十分に性能を向上させることができる。
前記光重合性モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンもしくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
さらに、特公昭48−41708号、同50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に開示されているウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、同52−30490号の各公報に開示されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
光重合性モノマーは、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
光重合性モノマーの、ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性遮光層の粘着性が過剰になることもない。
前記ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物は、前記成分の他に更に熱重合防止剤を含むことが好ましい。前記熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール、ピロガロール等の芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾキノン、p−トルキノン等のキノン類、ナフチルアミン、ピリジン、p−トルイジン、フェノチアジン等のアミン類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩又はアンモニウム塩、クロラニール、ニトロベンゼン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
前記ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物は、更に必要に応じて公知の添加剤、例えば、可塑剤、界面活性剤、密着促進剤、分散剤、可塑剤、垂れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等を添加することができる。
前記密着促進剤としては、例えばアルキルフェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ポロビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、アクリル樹脂系粘着剤、芳香族系、脂肪族系又は脂環族系の石油樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、本発明に係る銀錫合金部含有粒子を水分散物の形態で用いる場合には、前記ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物として水系のもの用いてもよい。このような感光性樹脂組成物としては特開平8−271727号公報の段落[0015]ないし[0023]に記載のものの他、市販のものとしては例えば、東洋合成工業(株)製の「SPP−M20」等が挙げられる。
−溶媒−
前記ブラックマトリックス用樹脂組成物は、更に溶媒を用いて好適に構成することができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、例えば、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール−N−プロピルアルコール−1−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、等の種々のものを用いることができる。
溶媒は、1種単独で用いる以外に2種以上を組合せて用いてもよい。
前記のようなブラックマトリックス用樹脂組成物(感光性及び/又は熱硬化性のものを含む。)を用いてブラックマトリックスを形成することにより、薄膜でかつ光学濃度が高く、且つ反射率の低いブラックマトリックスを得ることができる。そのため、このブラックマトリックスを備えた本発明の液晶表示装置用カラーフィルターは、色味のずれを効果的に抑制することができる。
−ブラックマトリックスの形成方法及び感光性転写材料−
既述のように、前記ブラックマトリックス用樹脂組成物を用いて本発明に係るブラックマトリックスを形成することができる。なお、樹脂の前駆体を含むブラックマトリックス用樹脂組成物を用いた場合には、ブラックマトリックスは未反応の前駆体を含んでいてもよい。
ブラックマトリックスの形成方法としては、前記樹脂組成物を塗布、乾燥させて樹脂層(感光性樹脂層を含む)を形成し、これをパターニングする方法(塗布法)及び、前記組成物の層が設けられた転写材料を作製し、該層を転写して感光性樹脂層を形成し、これをパターニングする方法(転写法)、のいずれの方法で形成してもよい。なお、パターニングする方法には特に制限はなく、詳細については後述する。
前記樹脂層(感光性樹脂層を含む)は、前記ブラックマトリックス用樹脂組成物を公知の塗布法により塗布し、乾燥させることによって形成することができ、本発明においては、前記塗布を、液を吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いて行なうことが好ましい。
具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いられる。その他にも、前記樹脂層は、ブラックマトリックス用樹脂組成物の溶液を例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより形成することができる。
また、転写法による場合は、後述するブラックマトリックス用の感光性転写材料を用いて、最終の支持体をなす基板上に感光性樹脂層を転写することによって、感光性樹脂層を形成することができる。
〜ブラックマトリックス用感光性転写材料〜
次に、転写法による場合に用いるブラックマトリックス用感光性転写材料について説明する。
上記したように、「銀錫合金部を有する金属粒子」を含むと共に感光性に構成されたブラックマトリックス用樹脂組成物を有する感光性転写材料を作製し、この感光性転写材料を用いた転写法によりブラックマトリックスを形成することができる。
前記ブラックマトリックス用感光性転写材料は、仮支持体の上に、前述のブラックマトリックス用樹脂組成物を用いて形成した感光性樹脂層を設けたものであり、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層、又は保護フィルム等を設けることができる。
前記感光性樹脂層の層厚は、0.2〜2μmの範囲が好ましく、特に0.2〜0.9μmの範囲が好ましい。
仮支持体、熱可塑性樹脂層、及び中間層については、特開2005−17322号公報の段落番号[0061]〜[0070]に記載されており、本発明においてもその記載を参考にすることができる。
前記ブラックマトリックス用感光性転写材料は、仮支持体に、感光性を有する前記ブラックマトリックス用樹脂組成物の溶液を例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー、スリットコーター等の塗布機を用いて塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を形成することによって作製することができる。また、感光性樹脂層以外に、熱可塑性樹脂層、中間層などの他の層を設ける場合も同様に形成することができる。
〜ブラックマトリックスの形成方法〜
次に、ブラックマトリックスの形成方法について説明する。
本発明に係るブラックマトリックスの形成方法は、銀錫合金部含有粒子を含むブラックマトリックス用樹脂組成物、又は前記ブラックマトリックス用感光性転写材料を用いて形成した層又は感光性樹脂層をパターニングすることにより作製することができる。該組成物を用いてブラックマトリックスを形成する、すなわちパターンニングする方法には特に限定はない。
ブラックマトリックスの膜厚は、0.2〜2.0μm程度が好ましく、より好ましくは0.9μm以下である。
前記方法によって得られるブラックマトリックスは、Agの割合が30〜90モル%の「銀錫合金部を有する金属粒子」が分散されてなる膜であるのが好ましく、既述のように薄膜で高度の光学濃度を得ると共に低反射率の膜とすることができる。
分散時における銀錫合金部含有粒子の存在状態は特に限定されないが、銀錫合金部含有粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましい。分散には分散剤として、チオール基含有化合物、ポリエチレンオキサイド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類及び多糖類由来の天然高分子、合成高分子及びこれらに由来するゲルなどを用いることができる。
以下、ブラックマトリックスのパターン形成方法の一例を説明する。
第1の方法は、まず銀錫合金部含有粒子を含有し、感光性を有する組成物を基板に塗布し、黒色材料として銀錫合金部含有粒子を含む感光性樹脂層を形成する。その後、露光・現像してブラックマトリックスをなすパターン以外の部分の感光性樹脂層を除却することによりパターン形成を行ない、ブラックマトリックスとする方法である。また、上述の中間層と同組成の層を感光性樹脂層上に形成して保護層とすることもできる。塗布は、スリット状ノズル、又はスリットコーターを用いるのが好適である。
第2の方法は、まず、銀錫合金部含有粒子を含有し、非感光性の組成物を基板に塗布し、黒色材料として銀錫合金部含有粒子を含む塗布膜を形成する。その後、この塗布膜上に感光性レジスト液を塗布してレジスト層を形成し、次いで露光によりレジスト層を露光・現像してレジスト層にパターンを形成した後、このパターンに応じて塗布膜の、非パターン部(ブラックマトリックスをなさない部分)を溶解してパターン化する。最後にレジスト層を除却し、ブラックマトリックスを形成する方法である。
第3の方法は、予め基板上の非パターン部(ブラックマトリックスをなさない部分)に塗布層を形成しておき、この上に銀錫合金部含有粒子を含有し、非感光性の組成物を塗布し、黒色材料として銀錫合金部含有粒子を含む遮光膜を形成する。次いで、予め形成しておいた塗布層を積層した遮光膜と共に除却し、ブラックマトリックスを形成する方法である。
第4の方法は、既述のブラックマトリックス用感光性転写材料を用いた転写法による方法である。すなわち、既述のブラックマトリックス用感光性転写材料を用いて基板(すなわち最終の支持体)上に少なくとも感光性樹脂層を転写し、基板上に転写された少なくとも感光性樹脂層をパターン状に露光した後、露光された感光性樹脂層を現像処理して不要部(ブラックマトリックスを構成しない部分)を現像除去し、さらに現像処理後の少なくとも感光性樹脂層を加熱してベーク処理を施す方法である。
具体的には、光透過性基板の上に、銀錫合金部含有粒子を含む感光性樹脂層を有するブラックマトリックス用感光性転写材料を、感光性転写材料の感光性樹脂層が接触するように配置して貼り合わせ、次いでブラックマトリックス用感光性転写材料と光透過性基板との積層体から仮支持体を剥離した後、ブラックマトリックス形成用フォトマスクを介して感光性樹脂層を露光、現像してパターン化することにより、ブラックマトリックスを形成する。この方法は、煩瑣な工程を必要とせず低コストである。
ここで、基板上に感光性樹脂層を形成する方法として好適な、(a)ブラックマトリックス用樹脂組成物を公知の塗布法により塗布する方法(塗布法)、及び(b)ブラックマトリックス用感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーター等を用いて貼り付け、転写する方法(転写法)を説明する。
(a)塗布法
組成物の塗布には、スリット状ノズル、又はスリットコータが用いられる。スリット状ノズル及びスリットコータの好ましい具体例等は既述の通りである。
(b)転写法
転写による場合、本発明のブラックマトリックス用感光性転写材料を用い、膜状に形成した感光性樹脂層を基板面に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって貼り付け、更に剥離転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
ブラックマトリックスが形成される基板としては、透明基板が好適であり、例えば、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいはプラスチックフィルム等を挙げることができる。また、基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、ブラックマトリックス用樹脂組成物、又はブラックマトリックス用感光性転写材料の感光性樹脂層との間の密着を良好にすることができる。カップリング処理としては、特開2000−39033記載の方法が好適に用いられる。
上記のようにして感光性樹脂層を設ける場合、感光性樹脂層上には更に酸素遮断膜を設けることができる。これにより、露光感度をアップすることができ、該酸素遮断膜としては、既述のブラックマトリックス用感光性転写材料の中間層における構成と同様にすることができる。
感光性樹脂層の露光、現像は以下のようにして行なうことができる。
基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、該マスク及び場合により熱可塑性樹脂層及び中間層を介してマスクの更に上方(マスクの感光性樹脂層と対向しない側)から露光し(露光工程)、露光完了後、現像液を用いた現像処理を行なう(現像工程)。
前記露光に用いる光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は感光性樹脂層が溶解性を示す現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性の有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。
また、現像液には、更に公知の界面活性剤を添加してもよく、添加する場合の添加濃度は0.01〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等のいずれでもよい。ここで、シャワー現像について説明する。
シャワー現像による場合、露光工程後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。なお、現像前に予め、感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像後には、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
次に、本発明におけるブラックマトリックスの形成方法について、転写法によりブラックマトリックスを形成する具体例を示して更に詳細に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
ブラックマトリックスは、既述のブラックマトリックス用感光性転写材料を用いて基板上に感光性樹脂層を転写する転写工程と、基板上に転写された感光性樹脂層を少なくとも1回露光する露光工程と、露光後の感光性樹脂層を少なくとも1回現像処理する現像工程と、現像後の感光性樹脂層を少なくとも1回熱処理するベーク工程とを経ることによって好適に製造される。具体的には以下の通りである。
i)基板洗浄
まず、無アルカリガラス基板(以下、「基板」と略記する。)を用意し、転写工程前に予め、基板面の汚れを除去するために洗浄を行なう。例えば、25℃に調整したガラス洗浄剤液(商品名:T−SD1、T−SD2 富士写真フイルム(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有す回転ブラシで洗浄し、更に純水シャワー洗浄を行なう。
ii)シランカップリング処理
後の転写工程におけるラミネートによる感光性樹脂層の密着性を高めるために、シランカップリング処理を実施することが好ましい。シランカップリング剤としては、感光性樹脂と相互作用する官能基を有するものが好ましい。例えばシランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。
加熱槽を用いてもよいが、ラミネーターの基板予備加熱でも反応を進めることができる。
iii)ラミネート(転写工程)
洗浄及びシランカップリング処理後の基板を基板予備加熱装置で100℃で2分間加熱し、次のラミネーターに送る。これによりラミネートを均一に行なうことができる。そして、ブラックマトリックス用感光性転写材料の保護フイルムを剥離後、ラミネーターを用い、100℃に加熱された基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートする。ゴムローラーは、150℃以上であると転写材料にシワがはいり、100℃以下では感光性樹脂層の密着が弱くなることがある。
iv)露光(露光工程)
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機でパターン状に露光する。基板サイズが50cm以上の場合、マスクの撓み防止の点で、基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)とをともに垂直に立てた状態で露光するのが好ましい。露光マスク面と感光性樹脂層表面の間の距離は短いほど解像は良いが、異物が付着しやすいので、100〜300μmが望ましい。露光量は、10〜80mJ/cmが望ましい。
v)熱可塑性樹脂層及び中間層の除去
露光後、トリエタノールアミン系現像液T−PD1(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有;富士写真フイルム(株)製)などで熱可塑性樹脂層と中間層とを現像除去する。このとき、理想的には、感光性樹脂層は全く現像されることがないように条件等設定するのが望ましい。例えば、30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー状に供給する態様が望ましい。
vi)感光性樹脂層の現像(現像工程)
引き続いて、感光性樹脂層をアルカリにて現像してブラックマトリックスをなすパターンを形成する。例えば、炭酸Na系現像液T−CD1(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;富士写真フイルム(株)製)が用いられる。条件としては、例えば、35℃で35秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでのシャワー等とする。現像液としては、KOH系、TMAΗ系を用いてもよい。
vii)残渣除去
引き続いて、例えば、洗浄剤T−SD1(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;富士写真フイルム(株)製)、又はT−SD2(炭酸ナトリウム、及びフェノキシポリオキシエチレン系界面活性剤含有;富士写真フイルム(株)製)等を用いて残渣除去を行ない、未露光部における感光性樹脂層の残成分が除去される。条件としては、例えば、33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaでのシャワー及びナイロン毛を有する回転ブラシによる回転等とする。
viii)ポスト露光
引き続いて、基板に対し、パターンが形成されている側から超高圧水銀灯で500mJ/cm程度にてポスト露光を行なう。これにより、後のベークでの重合効果が高まると共に、ポスト露光の量によりベーク後のブラックマトリックスの断面形状を調整することができる。両面から実施してもよく、また、100〜800mJ/cmの範囲で選択できる。
ix)ベーク処理(ベーク工程)
次いで、ベーク処理を行なうことによってモノマー又はオリゴマーを反応させて膜を硬化し、ブラックマトリックスを得る。ベークは、200〜240℃、10〜20分程度の条件が望ましい。
尚、本発明の液晶表示装置用カラーフィルターを作製するには、上記のようにして光透過性の基板上にブラックマトリックスを形成した後に、後述の方法によりR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素を形成してもよいし、まずRGBの着色画素を形成した後に前記方法によりブラックマトリックスを形成してもよい。
いずれの方法においても、ブラックマトリックス形成時に上記の条件でベークすると共に、ブラックマトリックス及び着色画素を形成後、更に200〜240℃で30〜180分熱処理することが望ましい。これらの温度と時間は、ベークによる色変化(黄ばみ等)の発生が少なく、かつ生産タクトを落さないよう、高めの温度でかつ短めの時間に設定されるのが望ましい。
<着色画素>
次いで、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素について説明する。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルターは、透明基板上に、前記ブラックマトリックスと共に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素が形成されてなることを特徴とする。前記着色画素は、特に限定されるわけではないが、(1)バインダーと、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系と、(4)着色剤と、を含む着色感光性樹脂組成物によって形成することが好ましい。
まず、上記(1)〜(4)の各成分について説明する。
(1)バインダー
前記着色画素の形成に用いられるバインダーとしては、特にアルカリ可溶性のバインダーを用いることが好ましい。アルカリ可溶性バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
(2)モノマー又はオリゴマー
前記着色画素の形成に用いられるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系
前記着色画素の形成に用いられる光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
(4)着色剤
前記着色画素の形成に用いられる着色剤としては、公知の染料や顔料が挙げられるが、中でも特に、耐光性や耐熱性及び耐薬品性等を良好にする観点から、顔料が好ましい。該顔料は着色組成物内に均一に分散して用いられるが、その平均粒径としては5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、特に1.0μm以下が好ましい。
本発明の上記顔料としては、赤色顔料や緑色顔料、青色顔料、その他各色の顔料を使用することができる。
上記赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピクメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメンレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド254等が挙げられる。
上記緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピクメントグリーン36等が挙げられる。
上記青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー22、C、I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー64等が挙げられる。
また、上記顔料の他、必要に応じて、黄色顔料やオレンジ顔料、バイオレット顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等を使用することができる。
上記黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー12、C.Iピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.Iピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
上記オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ71等が挙げられる。
上記バイオレット顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット30、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピクメンドバイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット50等が挙げられる。
上記ブラウン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26等が挙げられる。上記黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明に用いる上記の顔料類は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記顔料の中でも、本発明の液晶表示装置用カラーフィルターのR(赤色)画素としては、高色純度と高透過率とを両立させ平坦性を得る観点より、顔料として少なくともC.I.P.R.254(C.I.ピグメントレッド254)を含有するものが好ましい。
また、本発明の上記カラーフィルターのG(緑色)画素としては、高色純度と高透過率とを両立させ平坦性を得る観点より、顔料として少なくともC.I.P.G.36(C.I.ピクメントグリーン36)及びC.I.P.Y.138(C.I.ピグメントイエロー138)、C.I.P.Y.139(C.I.ピグメントイエロー139)、C.I.P.Y.150(C.I.ピグメントイエロー150)の何れかを含有するものが好ましい。
また、本発明のカラーフィルターのB(青色)画素としては、高色純度と高透過率とを両立させ平坦性を得る観点より、顔料として少なくともC.I.P.B.15(C.I.ピグメントブルー15)を含有するものが好ましい。
上記の顔料系は透過領域が長波側にあり高色純度領域において高い透過率を得ることができる。また、顔料の分散性及び安定性が良好であり、本発明の液晶表示装置用カラーフィルター用途に適した物性を有している。
本発明における着色感光性樹脂組成物において、上記着色剤(顔料)の含有量としては、組成物の全固形分質量に対して、0.1〜70質量%が好ましく、0.5〜60質量%がより好ましく、特に1.0〜50質量%が好ましい。
上記の様に顔料系を選定することにより、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色のC光源によるCIE色度図上での色度点が、R(x≧0.62,y≦0.35)、G(x≦0.32,y≧0.56)、B(x≦0.17,y≦0.14)を満足する液晶表示装置用カラーフィルターを容易に得ることができる。これにより、カラーフィルターの透過率を損なうことなく、またバックライト光の利用効率を低下させることなく、TV用途の主要な色度規格であるHDTV規格、即ちR(x=0.64、y=0.33)、G(x=0.3、y=0.6)、B(x=0.15、y=0.06)を更に上回る様な高色純度化を実現することができる。
尚、カラーフィルターのC光源によるCIE色度図上での色度点の測定方法としては、透明基板上に形成された各画素を顕微分光光度計を用いて測定する方法、或いは3cm角程度の大きさの画素を作製し、通常の紫外可視分光光度計で測定する方法等が用いられる。
本発明においては、好適な顔料は分散液として使用することが望ましい。この様な分散液は、例えば、以下の方法によって調製することができる。
(1)上記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述のような溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させる方法、
(2)溶媒(又はビヒクル)に、上記顔料と顔料分散剤を別々に添加して分散させる方法、
(3)上記顔料と顔料分散剤とを予め別々に溶媒(又はビヒクル)に分散し、得られた分散体を混合する方法(この場合、顔料分散剤を溶媒のみで分散してもよい。)、
(4)溶媒(又はビヒクル)に、上記顔料を分散した後、得られた分散体に顔料分散剤を添加する方法。
ここで、上記ビヒクルとは、塗布液が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって上記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)とこれを溶解希釈する成分(溶媒)とを含む。
上記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバー、ホモミキサー、サンドミル、等の公知の分散機が挙げられる。
(その他の添加剤)
−溶媒−
本発明における着色感光性樹脂組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
−界面活性剤−
従来用いられてきたカラーフィルターにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の膜厚のムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の膜厚に直接影響する、感光性樹脂層の形成(塗布)時の、膜厚変動の良化が求められていた。
そのため、画素を均一な膜厚に制御でき、塗布ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
−熱重合防止剤−
本発明における着色感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
−紫外線吸収剤−
本発明における着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
また、本発明の着色感光性樹脂組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
(着色画素の形成方法及び感光性転写材料)
前記着色感光性樹脂組成物を用いて基板上に感光性樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法など、公知の方法によって、本発明に係る着色画素を形成することができる。
着色画素の形成方法としては、前記樹脂組成物を塗布、乾燥させて樹脂層を形成し、これをパターニングする方法(塗布法)及び、前記組成物の層が設けられた転写材料(着色画素用感光性転写材料)を作製し、該層を転写して感光性樹脂層を形成し、これをパターニングする方法(転写法)、のいずれの方法で形成してもよい。
前記塗布法による着色画素の形成は、前記着色感光性樹脂組成物を公知の塗布方法により塗布し乾燥することによって行うことができ、その塗布方法としては、前記ブラックマトリックスの形成方法において用いたのと同様の方法が適用できる。
また、前記転写法による着色画素の形成に際しては、あらかじめ着色画素用感光性転写材料を作製するが、当該転写材料としては、感光性樹脂層を前記着色感光性樹脂組成物によって形成する以外、前記ブラックマトリックスの形成方法において用いたブラックマトリックス用感光性転写材料と同様の構成を有する転写材料を用いることができる。即ち、前記仮支持体の上に、着色感光性樹脂組成物を用いて形成した感光性樹脂層を設け、更に必要に応じて前記熱可塑性樹脂層、中間層、又は保護フィルム等を設けた着色画素用感光性転写材料を用いることができる。
また、着色画素用感光性転写材料の作製も、前記ブラックマトリックス用感光性転写材料と同様の方法にて行うことができる。
但し、着色画素用感光性樹脂転写材料における、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。
更に、前記塗布法及び転写法のいずれにおいても、基板上に感光性樹脂層を形成する工程以外の、露光工程や現像工程等の各工程は、前記ブラックマトリックスの形成方法(感光性樹脂組成物を用いたもの)における各工程と同様の方法によって行うことができる。但し、露光量や現像の条件等は、用いる組成物によって適宜選択することが好ましい。
<液晶表示装置用カラーフィルター>
本発明の液晶表示装置用カラーフィルターはR、G、Bの着色画素と、該画素の間隙にブラックマトリックスが形成されてなり、このカラーフィルターの作製は、既述のように、光透過性の基板上にブラックマトリックスを形成した後に、RGBの各着色画素を形成してもよいし、まずRGBの各着色画素を形成した後にブラックマトリックスを形成してもよい。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルターとしては、少なくとも一方が光透過性の一対の基板(前述の方法によりRGB着色画素とブラックマトリックスとを形成した基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)とを少なくとも備えたものが挙げられる。
このカラーフィルターは平坦性が高いため、該カラーフィルターを備えた液晶表示装置は、カラーフィルターと基板との間にセルギャップムラの発生が抑えられ、色ムラ等の表示不良の発生がない。また、本発明における前記ブラックマトリックスは反射率が低いため、色味ずれの発生を効果的に抑制した液晶表示装置とすることができる。
また、カラーフィルターの別の態様として、少なくとも一方が光透過性の一対の基板(前述の方法によりRGB着色画素とブラックマトリックスとを形成した基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段とを少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ形成されたブラックマトリックスが各アクティブ素子の間に位置するように構成されたものが挙げられる。
液晶表示素子に使用可能な液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶が挙げられる。
また、RGB着色画素の配置としては、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルターを設けて構成されたものである。液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)」に記載がある。
本発明の液晶表示装置には、本発明のカラーフィルターを備える以外に特に制限はなく、例えば前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載された種々の方式の液晶表示装置に構成することができる。中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置を構成するのに有効である。
カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)、1996年発行)」に記載がある。
さらに勿論、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置に構成すること可能である。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門、2001年発行)」の43ページに記載がある。
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルターを備える以外は、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ.視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどの様々な部材を用いて一般的に構成できる。これら部材については、例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003等発行)」に記載されており、LCDの種類としては、STN、TN、VA、IPS、OCS、及びR−OCB等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)等の、様々な表示モードを採用できる。これらの表示モードの中でも、特に高い表示品位の表示装置を提供できる点で、VA(Vertically Aligned)表示モードが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1):塗布法によるブラックマトリックス
<銀錫合金部を有する金属粒子の分散液(分散液H1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)6.0g、酢酸スズ(II)82.0g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(アイエスピー・ジャパン(株)製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。すると、混合液が黒色に変化し、銀錫合金部を有する金属粒子(銀錫合金部含有粒子)を得た。次いで、この液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この操作を2回繰り返して水相の可溶性物質を除去した。
その後、この液に対して更に遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を再び沈殿させた。遠心分離は前記同様の条件にて行なった。遠心分離した後、前記同様に上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水850ml及びアセトン500mlを加え、さらに15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。
再び前記同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を沈殿させた後、前記同様に上澄みを捨て液量を150mlにし、これに純水150ml及びアセトン1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は前記同様である。その後、上澄みを捨て全液量を70mlにし、これにアセトン30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型、メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金部含有粒子分散液(分散液H1)を得た。この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。
この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
尚、前記数平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
<遮光膜用感光性塗布液の調製>
下記組成を混合して、遮光膜用感光性塗布液を調製した。
〔組成〕
・前記銀錫合金部含有粒子分散液(分散液H1) …50.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …28.6部
・メチルエチルケトン …37.6部
・フッ素系界面活性剤 … 0.2部
(F−780−F、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 9.6部
(モル比=56/44、重量平均分子量30,000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 9.6部
(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート
… 0.5部
<保護層用塗布液の調製>
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
〔組成〕
・ポリビニルアルコール … 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.3部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …50.7部
・メチルアルコール …45.0部
[遮光膜付基板の作製(塗布法)]
(1)ガラス基板上に、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて膜厚が0.65μmになるように、上記より得た遮光膜用感光性塗布液を塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性層を形成した(塗布工程)。次いで、この感光性層上にスリットコーターを用いて、上記より得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、遮光膜用感光材料を作製した。
(2)引き続き、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と上記の遮光膜用感光材料とを垂直に立てた状態で、マスク面と遮光膜用感光材料の感光層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、露光量70mJ/cmで全面露光した(露光工程)。次いで、露光後の遮光膜用感光材料を現像処理液TCD(富士写真フイルム(株)製;アルカリ現像液)を用いて現像処理(33℃、20秒;現像工程)し、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成した。
次に、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理し(ベーク工程)、遮光膜付基板を作製した。
[カラーフィルターの作製(転写法)]
−感光性樹脂転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表1に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層とを設け、保護フイルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とRの感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を感光性樹脂転写材料R1とした。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.4部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、
重量平均分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)
フェニル]プロパン(新中村化学(株)製) 9.1部
・界面活性剤1 0.54部
尚、前記処方H1において、
*界面活性剤1(メガファックF−780−F:大日本インキ化学工業(株)製)の組成は、
・C13CHCHOCOCH=CH : 40部と
H(OCH(CH)CHOCOCH=CH : 55部と
H(OCHCHOCOCH=CH :5部と
の共重合体、重量平均分子量3万 30部
・メチルエチルケトン 70部
(中間層用塗布液:処方P1)
・ポリビニルアルコール 2.1部
(PVA205、鹸化率=88%、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール 44部
・蒸留水 53部
次に、前記感光性樹脂転写材料R1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物R1を、下記表1に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物G1及びB1に変更し、それ以外はR1の場合と同様の方法により、感光性樹脂転写材料G1及びB1を作製した。
−レッド(R)画素の形成−
前記遮光膜を形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料R1の保護フイルムを剥離後、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量40mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム(株)製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層を除去した。
引き続き炭酸Na系現像液(0.06mol/Lの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を用い、35℃35秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画素を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名:T−SD1(富士写真フイルム(株)製))を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、レッド(R)の画素を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cmの光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
該感光性樹脂層R1膜厚は2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・レッド254及びC.I.ピグメント・レッド177の塗布量はそれぞれ、0.88g/m、0.22g/mであった。
この遮光膜とRの画素を形成した基板をブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
−グリーン(G)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料G1を用い、前記レッド(R)画素を形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料R1と同様の工程で、グリーン(G)の画素を形成した。但し露光量は40mJ/cm、炭酸Na系現像液による現像は34℃45秒とした。
該感光性樹脂層G1膜厚は2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・グリーン36及びC.I.ピグメント・イエロー150の塗布量はそれぞれ、1.12g/m、0.48g/mであった。
RとGの画素を形成した基板を再び前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
−ブルー(B)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料B1を用い、前記レッド(R)画素とグリーン(G)画素を形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料R1と同様の工程で、ブルー(B)の画素を形成した。但し露光量は30mJ/cm、炭酸Na系現像液による現像は36℃40秒とした。
該感光性樹脂層B1膜厚は2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・ブルー15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット23の塗布量はそれぞれ、0.63g/m、0.07g/mであった。
このR、G、B画素及び遮光膜を形成した基板を240℃で50分ベークして、目的のカラーフィルターを作製した。
Figure 2007140408
ここで、前記表1に記載の着色感光性樹脂組成物R1、G1、B1の調製について説明する。
着色感光性樹脂組成物R1は、まず表1に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量の添加剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm20分間攪拌し、更に、表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
また、着色感光性樹脂組成物G1は、まず表1に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
更に、着色感光性樹脂組成物B1は、まず表1に記載の量のB顔料分散物1、B顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
ここで、表1に記載の組成物について説明する。
*R顔料分散物1の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor RedB−CF、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 8.0部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノ
プロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]
フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
=72/28モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 8.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2部
*R顔料分散物2の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal
Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
*G顔料分散物1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、「商品名:GT−2」)
*Y顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFエローEX3393)
*B顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3357)
*B顔料分散物2(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3383)
*バインダー1の組成は、
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
=78/22モル比のランダム共重合物、分子量4万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*バインダー2の組成は、
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
38/25/37モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*バインダー3の組成は、
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*DPHA液の組成は、
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、
日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
*添加剤1は、燐酸エステル系特殊活性剤(楠本化成(株)製、商品名:HIPLAAD ED152)を、
*界面活性剤1は、前記処方H1における界面活性剤1と同様のものを用いた。
(実施例2、4〜6)
実施例1において、銀錫合金部含有粒子分散液(分散液H1)の調製に用いた酢酸銀(I)6.0g及び酢酸スズ(II)82.0gを、下記表2に示す量[g]に各々変更したこと以外、実施例1と同様にして、分散液を調製すると共に、遮光膜付基板、カラーフィルターを作製した。
Figure 2007140408
(実施例3):転写法によるブラックマトリックス
実施例1において、銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液H1)の調製に用いた酢酸銀(I)6.0g及び酢酸スズ(II)82.0gを、前記表2に示す量[g]に変更して分散液H3を調製し、この分散液H3を含む塗布液を用いた塗布法によるのではなく、以下のようにして作製した感光性転写材料を用いて転写法によりブラックマトリックスを形成するようにしたこと以外、実施例1と同様にして、遮光膜付基板及びカラーフィルターを作製した。なお、銀錫合金部含有粒子は実施例1と同様に、X線散乱によりAgSn合金とAg金属とからなる複合体であることを確認した。
以下、感光性転写材料の作製及び該感光性転写材料を用いた遮光膜付基板の作製について詳述する。
<感光性転写材料の作製>
(1)厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート仮支持体(PET仮支持体)の表面に、スリットノズルを用いて乾燥膜厚が5μmになるように下記処方H2からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させ、熱可塑性樹脂層を形成した。
(2)この熱可塑性樹脂層上に、下記処方P2からなる中間層用塗布液をスリットコーターを用いて乾燥膜厚が1.5μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、中間層を積層した。
(3)次に、実施例1の「遮光膜用感光性塗布液の調製」に用いた分散液H1を前記分散液H3に代えたこと以外、実施例1と同様にして遮光膜用感光性塗布液を調製した。そして、得られた遮光膜用感光性塗布液を、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が0.65μmになるように上記の中間層上に更に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、感光性層を形成した。
更に、感光層上に厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを圧着し、保護フィルムを設けた。以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光層/保護フィルムの積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。
〔熱可塑性樹脂層用塗布液の調製〕
下記処方H2の諸成分を混合し、熱可塑性樹脂層用塗布液を調製した。
−熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H2−
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=54/12/5/29[モル比])の共重合体 … 58部
(重量平均分子量80,000)
・スチレン/アクリル酸(=70/30[モル比])の共重合体 …136部
(重量平均分子量7,000)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン… 90部
(新中村化学工業(株)製、多官能アクリレート)
・F−780−F(大日本インキ化学工業(株)製) … 1部
(フッ素系界面活性剤の2−ブタン30%溶液)
・メチルエチルケトン …541部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 63部
・メチルアルコール …111部
〔中間層用塗布液の調製〕
下記処方P2の諸成分を混合し、中間層用塗布液を調製した。
−中間層用塗布液の処方P2−
・ポリビニルアルコール … 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.5部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …50.5部
・メチルアルコール …45.0部
<転写による遮光膜付基板の作製>
(1)まず、上記より得た感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去した後、露出した感光性層が、被転写体であるガラス基板(厚み1.1mm)の表面と接するように重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件で貼り合わせた。次いで、PET仮支持体を剥離し、ガラス基板上に感光性層/中間層/熱可塑性樹脂層の順に積層されるように転写した(転写工程)。
(2)続いて、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したガラス基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量300mJ/cmで全面露光した(露光工程)。
(3)露光後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)をフラットノズルから25℃、ノズル圧力6.15MPaにて、熱可塑性樹脂層上から58秒間噴射してシャワー現像を行ない、熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性層の未露光部を現像除去してパターンを得た(現像工程)。その後さらに、ガラス基板のパターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成した。
(4)次に、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理を施し(ベーク工程)、遮光膜付基板を作製した。
(比較例1)
実施例1において用いた銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液H1)を下記銀微粒子分散液に変更し、且つ遮光膜付基板の作製を以下の方法に変更した以外、実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製した。
<銀微粒子分散液の調製>
球状の銀微粒子73.5gと、ソルスパース20000(アビシア(株)製;分散剤)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gとを混合した。これを、超音波分散機(Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、円相当径100nmの銀微粒子分散液を得た。
<遮光層用感光性塗布液の調製>
下記組成を混合して、遮光層用感光性塗布液を調製した。
〔組成〕
・銀微粒子分散液 …40.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …28.6部
・メチルエチルケトン …37.6部
・フッ素系界面活性剤(20%) … 0.2部
(F176PF、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 2.1部
(モル比=73/27、分子量30,000)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロ
メチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]
カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.1部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …乾燥膜中でAg粒子の体積
分率が10%になるよう添加
<保護層用塗布液の調製>
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール(PVA−205、(株)クラレ製)… 3.0部
・ポリビニルピロリドン … 1.3部
(PVP−K30、GAFコーポレーション(株)製)
・蒸留水 …50.7部
・メチルアルコール …45.0部
<遮光膜付基板の作製>
(1)ガラス基板上に、スピンコーターを用いて膜厚が0.65μmになるように、得られた遮光層用感光性塗布液を塗布して100℃で5分間乾燥し、感光性層を形成した。次いで、この感光層上にスピンコーターを用いて上記の保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、遮光膜用感光材料を作製した。
(2)次に、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と上記の遮光膜用感光材料とを垂直に立てた状態で、マスク面と遮光膜用感光材料の感光層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、露光量70mJ/cmで全面露光した(露光工程)。次いで、露光後の遮光膜用感光材料を現像処理液TCD(富士写真フイルム(株)製;アルカリ現像液)を用いて現像処理(33℃、20秒)を行なってパターン状の遮光膜(ブラックマトリックス)を形成し、次いで240℃で40分間熱処理(ベーク)を施して、遮光膜付基板を得た。
[評価]
上記の実施例及び比較例で得られた遮光膜付基板及びカラーフィルターについて、以下に示す測定及び評価を行なった。測定及び評価の結果は下記表3及び4に示す。
1.光学濃度
ベーク後のブラックマトリックスの光学濃度を下記方法により測定した。
分光光度計UV−2100(島津製作所(株)製)を用いて、遮光膜付基板の透過光学濃度(OD)を波長555nmで測定すると共に、さらにこれら遮光膜付基板の各々に用いたガラス基板の透過光学濃度(OD)を同様の方法で測定した。そして、ODからODを差し引いた値(透過OD;=OD−OD)を透過光学濃度とした。
2.膜厚
接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて、ベーク後のブラックマトリックスの膜厚を測定した。
3.反射率の測定
スペクトロフォトメーターV−560(日本分光(株)製)と組み合わせた、絶対反射率測定装置ARV−474(日本分光(株)製)を用いて、遮光膜(M)の反射率として、基板の反対側(塗布膜の形成されている面側)の絶対反射率を測定した。尚、測定角度は垂直方向から5度、波長は555nmとした。
4.色度の測定
前述の方法により、R、G、Bの各画素の色度を測定した。
5.ブラックマトリックス反射色相
大塚電子製の顕微分光光度計「MCPD−2000」を用いて、反射光のスペクトルからC光源における原刺激値X、Y、Zを計算し、(x、y)を求めた。
6.目視評価
まず、前記実施例及び比較例にて作製した各カラーフィルターを用い、以下のようにして液晶表示装置を得た。
(ITO透明電極の形成)
カラーフィルターが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[0121]〜[0126]に記載の(実施例1)におけるスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmでプロキシミティ露光した。続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルター側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起を形成した。次いで、230℃下で30分ベークすることにより液晶配向制御用突起を硬化し、液晶表示装置用基板を得た。
=ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方=
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクス
マテリアルズ(株)製、FH−2413F) 53.3部
・メチルエチルケトン 46.7部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製) 0.04部
(液晶表示装置の製造)
上記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
得られた各液晶表示装置について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視及びルーペにて観察し、色ずれの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
〔評価基準〕
○:色ずれはほぼ認められなかった。
△:色ずれが僅かに認められた。
×:色ずれが顕著に認められた。
Figure 2007140408
Figure 2007140408

Claims (6)

  1. 透明基板上に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色画素層が形成され、各着色画素の間隙にブラックマトリックスが形成されてなる液晶表示装置用カラーフィルターであって、前記ブラックマトリックスが少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有してなり、且つR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色のC光源によるCIE色度図上での色度が、R(x≧0.62,y≦0.35)、G(x≦0.32,y≧0.56)、B(x≦0.17,y≦0.14)の色度範囲にあることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター。
  2. 前記銀錫合金部を有する金属粒子は、銀(Ag)の割合が30〜90モル%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  3. 前記ブラックマトリックスが、透過濃度3.5以上、膜厚1.3μm以下、反射率10%未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  4. 前記ブラックマトリックスが、少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有する感光性樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  5. 前記ブラックマトリックスが、少なくとも銀錫合金部を有する金属粒子を含有する感光性転写材料を用いて形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルターを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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