JP2007304210A - 転写材料、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

転写材料、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラックマトリクスの形成に有用な、高濃度で、薄膜形成が可能な転写材料、該高濃度のブラックマトリクスであってもピンホールなどの欠陥や、後工程で形成される着色画素の厚みムラのないカラーフィルタ、及び、その製造方法、該カラーフィルタを有する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】仮支持体上に、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子又は金属を有する粒子とを含有する膜厚が1.2μm以下の遮蔽用転写層を有し、かつ、前記仮支持体に対して前記遮蔽転写層の設置側とは反対側の仮支持体上(以下、「バック面」という。)に、マット剤を含有するマット剤含有層を有することを特徴とする転写材料、それを用いたカラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ、並びに液晶表紙装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写材料、液晶表示装置を構成するカラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置に関する。
近年、表示画像のコントラストを向上させるために、ブラックマトリクスには4.0以上の高い光学濃度が要求されるようになってきた。その一方、ブラックマトリクスの厚みが厚いとカラーフィルタの表面平滑性が損なわれるため、薄膜に構成されることが必要とされる。
従来、高い遮光性を有する表示装置用のブラックマトリクスの作製には、金属の薄膜が用いられてきた。これは、蒸着法やスパッタリング法により形成されたクロム等の金属薄膜の上にフォトレジストを塗布し、次いで表示装置用遮光膜用パターンをもつフォトマスクを用いてフォトレジストを露光・現像した後、露出した金属薄膜をエッチングし、最後に金属薄膜の上に残存するフォトレジストを剥離除去することにより形成する方法によるものである(例えば、非特許文献1参照)。
この方法は、金属薄膜を用いるため、膜厚が小さくても高い遮光効果が得られる反面、蒸着法やスパッタリング法という真空成膜工程やエッチング工程が必要となり、コストが高くなるという問題がある。また、金属膜であるため反射率が極めて高く、強い外光の下では表示コントラストが低くなる問題もある。これらに対応して、低反射クロム膜(金属クロムと酸化クロムとの2層からなるもの等)を用いる方法も提案されているが、更なるコストアップとなることは否めない。そして更に、エッチング工程では金属イオンを含有した廃液が排出されるため、環境負荷が大きいという大きな欠点も有している。特に最もよく用いられるクロムは、有害で環境負荷が非常に大きい。
一方、環境負荷の小さいブラックマトリクスを得る技術の一つに、カーボンブラックを用いた技術がある(例えば、特許文献1参照)。これは、カーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させたものを露光、現像してブラックマトリクスとするものである。
しかし、カーボンブラックは、単位塗布量あたりの光学濃度が低いため、高い遮光性、光学濃度を確保しようとすると必然的に膜厚が大きくなり、例えば、上記の金属薄膜同等の光学濃度4.0を確保しようとすると、膜厚は1.2〜1.5μmとなる。そのため、ブラックマトリクスの形成後、赤、青、緑の画素を形成すると、画素エッジ部の段差等によりカラーフィルタの表面が平滑でなくなり、表示品位が低下するという欠点がある。また、顔料の濃度をあげると、表面のアレあるいはブラックマトリクス上に発生するピンホール状の欠陥が生じるという欠点がある。
上記以外に、環境負荷が小さく薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスを得る方法として、カーボンブラックの代わりに金属微粒子を用いる方法が知られている(例えば、特許文献2〜3参照)。この方法によると、環境負荷が小さく、薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスを得ることができるとされている。
また、金属微粒子とカーボンブラックを用いた2層型のブラックマトリクスが知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、ブラックマトリクスを多層化する手段は製造の複雑さから低コスト化が困難である。
一方、カラーフィルタの形成方法には染色法、顔料分散法、電着法などが挙げられるが、中でも顔料分散法が一般的な方法として挙げられる。
顔料分散法には、塗布法、転写法があるが、ブラックマトリクスを転写方法、RGB画素をスリットコーターで塗布形成するのが、画素形成の容易さ、およびブラックマトリクスの製造精度、コストの点で有利であり、カラーフィルタの一般的な作製方法として普及している。
転写方法に用いる転写材料として、搬送不良に起因する転写画像の濃度ムラやゆがみの発生が抑制された転写材料が知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開昭62−9301号公報 特開2004−240039号公報 特開2005−17322号公報 特開2006−11180号公報 特開2006−48024号公報 「カラーTFT液晶ディスプレイ」p.218〜p.220、共立出版(株)発行(1997年4月10日)
本発明は、カラーフィルタのブラックマトリクスの形成に有用な、高濃度で、薄膜形成が可能な転写材料を提供することにある。
また、本発明は、該高濃度のブラックマトリクスであってもピンホールなどの欠陥や、後工程で形成される着色画素の厚みムラのないカラーフィルタ、及び、その製造方法を提供することにある。
さらに、本発明は、前記カラーフィルタを有する、高コントラストで表示品位が良好な低コストで得ることができる液晶表示装置を提供することにある。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>仮支持体上に、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子又は金属を有する粒子とを含有する膜厚が1.2μm以下の遮蔽用転写層を有し、かつ、前記仮支持体に対して前記遮蔽転写層の設置側とは反対側の仮支持体上(以下、「バック面」という。)に、マット剤を含有するマット剤含有層を有することを特徴とする転写材料。
<2>前記バック面の表面粗さが0.008μm〜0.20μmであることを特徴とする上記<1>に記載の転写材料。
<3>前記遮蔽用転写層に含有される金属粒子又は金属を有する粒子の少なくとも一種が、銀錫合金部を有する粒子であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の転写材料。
<4>前記遮蔽用転写層が更に顔料を含有することを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の転写材料。
<5>基板上にブラックマトリクスを有し、該ブラックマトリクスにより離画される領域に形成されたR,G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素とを有するカラーフィルタの製造方法において、上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、基板上に該遮蔽用転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程と、R,G,Bのうちの少なくとも一色を有する塗布液をスリットコーターにより塗布し、着色画素を形成する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
<6>基板上にブラックマトリクスを有し、該ブラックマトリクスにより離画される領域に形成されたR,G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素とを有するカラーフィルタの製造方法において、上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、基板上に該遮蔽用転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程と、R,G,Bのうちの少なくとも一色を有する塗布液をスリットコーターにより塗布し、着色画素を形成する工程と、前記ブラックマトリクス上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物からなる層を形成し、フォトリソ法によりフォトスペーサーを形成する工程を有することを特徴とする上記<5>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<7>前記フォトスペーサーを形成する工程が、仮支持体上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物層を有する転写材料を用いて形成することを特徴とする上記<5>又は<6>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<8>上記<5>〜<7>のいずれか1項に記載の製造方法で作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
<9>上記<8>に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、カラーフィルタのブラックマトリクスの形成に有用な、高濃度で、薄膜形成が可能な転写材料を提供することができる。
また、本発明によれば、該高濃度のブラックマトリクスであってもピンホールなどの欠陥や、後工程で形成される着色画素の厚みムラのないカラーフィルタ、及び、その製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、前記カラーフィルタを有する、高コントラストで表示品位が良好な低コストで得ることができる液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の転写材料の遮蔽用転写層、着色画素について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明のカラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置の詳細についても述べることとする。
<遮蔽用転写層>
本発明の遮蔽用転写層は、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子または金属を有する粒子を含有する層であり、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子または金属を含む粒子を含有する着色組成物を用いて形成される。
該遮蔽用転写層は、金属粒子又は金属を有する粒子を含むので、薄膜としながら高い光学濃度が得られ、例えばブラックマトリクスの作製に好適であると共に、液晶表示装置などを構成した場合に、安定してコントラストの高い画像を表示することができる。
−金属粒子又は金属を有する粒子−
本発明における着色組成物は、金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも一種(以下、「金属系微粒子」ともいう。)を含有する。
金属粒子、金属を有する粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。また、金属と金属化合物との複合微粒子でもよい。
金属粒子としては、金属又は、金属と金属化合物とから形成される粒子(複合金属粒子)が好ましく、金属から形成される粒子が特に好ましい。
特に長周期律表(IUPAC 1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる群郡から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。これらの金属のうち、金属粒子としては、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属の粒子が更に好ましい。
前記金属粒子として好ましい金属の例は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
より好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、カルシウム、イリジウム、及びこれらの合金、更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種である。
とりわけ銀、銀錫合金が好ましく(銀としてはコロイド銀が好ましい)、銀錫合金(部)が最も好ましい。
金属粒子としては、銀錫合金(部)を有する粒子が最も好ましい。
銀錫合金部を有する粒子については後述する。
〈金属化合物粒子〉
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の具体例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
〈複合金属粒子〉
複合金属粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
金属化合物と金属との複合金属粒子の具体例としては、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適に挙げられる。
本発明における金属系微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものであり、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコアシェル微粒子が挙げられる。
<銀錫合金部を有する粒子>
銀錫合金部を有する粒子としては、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含む。
銀錫合金部を有する粒子において、少なくとも一部が銀錫合金で構成されていることは、例えば、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)とを用いて、加速電圧200kVによる各々の粒子の中心15nm□エリアのスペクトル測定により確認することができる。
銀錫合金部を有する粒子は、黒濃度が高く、少量であるいは薄膜で優れた遮光(遮蔽)性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば200度以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。例えば、高度の遮光性が要求され、一般にベーク処理が施されるカラーフィルタ用の遮光膜(いわゆるブラックマトリクス)などに好適である。
銀錫合金部を有する粒子は、銀錫合金部における銀(Ag)の割合を30〜80モル%としてAgと錫(Sn)とを複合化(例えば合金化)して得られるものが好ましい。Agの割合を特に前記範囲とすることで、高温域での熱安定性が高く、光の反射率を抑えた高い黒濃度を得ることができる。特に、Agの割合が75モル%である粒子、すなわちAgSn合金粒子は作製が容易であり、得られた粒子も安定で好ましい。
銀錫合金部を有する粒子は、坩堝などの中で加熱、溶融混合して形成する等の一般的方法で合金化する等して形成することが可能であるが、Agの融点は900℃付近で、Snの融点は200℃付近であって両者の融点に大きな差があるうえ、複合化(例えば合金化)後の微粒子化工程が余分に必要になることから、粒子還元法によるのが好ましい。すなわち、Ag化合物とSn化合物とを混合し、これを還元するものであり、金属Agと金属Snを同時に接近した位置で析出させ、複合化(例えば合金化)と微粒子化とを同時に達成する方法である。Agは還元されやすく、Snよりも先に析出する傾向にあるため、Ag及び/又はSnを錯塩にすることにより析出タイミングをコントロールすることが好適である。
前記Ag化合物としては、硝酸銀(AgNO)、酢酸銀(Ag(CHCOO))、過塩素酸銀(AgClO・HO)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸銀が好ましい。前記Sn化合物としては、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、酢酸第一錫(Sn(CHCOO))、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸第一錫が好ましい。
還元は、還元剤を用いる方法、電解により還元する方法等を好ましい還元方法として挙げることができる。中でも、還元剤を用いた前者による方法が、微細な粒子が得られる点で好ましい。前記還元剤としては、ハイドロキノン、カテコール、パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、ヒドロキシアセトンなどが挙げられる。中でも、揮発しやすく、表示装置に悪影響を与えにくい点で、ヒドロキシアセトンが特に好ましい。
本発明における金属系微粒子は、市販のものを用いることができるほか、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
例えば、棒状やワイヤー状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることによりが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
また、電気分解を用いた方法として、Materials Letters 2001,49,91−95やマイクロ波を照射することにより銀棒を生成する方法がJournal of Materials Research 2004,19,469−473に記載されている。逆ミセルと超音波の併用した例として、Journal of Physical Chemistry B 2003,107,3679−3683が挙げられる。
金に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
本発明における金属系微粒子は、無彩色に近づけるために、色々な種類の粒子を組み合わせることにより得ることができる。粒子を球形や立方体から平板状(六角形、三角形)、棒状へ変化させることにより、より高い透過濃度を得ることができ、これによると遮光層を形成した際に薄膜化を図ることができる。
本発明における前記金属微粒子の粒度分布としては、粒子の分布を正規分布近似し、その数平均粒子径の粒度分布幅D90/D10が、1.2以上20未満であることが好ましい。ここで、粒子径は長軸長さLを粒子直径としたものであり、D90は平均粒径に近い粒子の90%が見出される粒子直径であり、D10は平均粒径に近い粒子の10%が見出される粒子直径である。粒度分布幅は色調の観点から、好ましくは2以上15以下であり、更に好ましくは4以上10以下である。分布幅が1.2未満であると色調が単色に近くなる場合があり、20以上であると粗大粒子による散乱によって濁りが生じる場合がある。
なお、前記粒度分布幅D90/D10の測定は、具体的には、膜中の金属系微粒子を前記三軸径を測定する方法にてランダムに100個測定し、前記長軸長さLを粒子直径とし、粒径分布を正規分布近似し、平均粒子径に近い粒子の数で90%の範囲となる粒子直径をD90とし、平均粒子径から数で10%の範囲となる粒子直径をD10とすることで、D90/D10を算出することができる。
《三軸径》
本発明における金属系微粒子は、下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属系微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属系微粒子の寸法と定義する。前記寸法には、L>b≧tの関係を持たせ、同一の場合以外はbとtの大きい方を幅bと定義する。具体的には、まず、平面上に金属微粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
なお、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
・長軸長さL
棒状金属微粒子の場合など、前記長軸長さLは、10nmないし1000nmであることが好ましく、10nmないし800nmであることがより好ましく、20nmないし400nmである(可視光の波長より短い。)ことが最も好ましい。Lが10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、かつ耐熱性や色味も良好になる利点があり、1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
・幅bと厚みtとの比
棒状金属系微粒子の場合など、幅bと厚みtとの比は、100個の棒状金属系微粒子について測定した値の平均値と定義する。棒状金属系微粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
・長軸長さLと幅b及び厚みtとの関係
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが幅bの1.2倍未満となると平板の特徴が現れて耐熱性が悪化することがある。また、長軸長さLが幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなって薄層高濃度化ができないことがある。
・長さLと幅b及び厚みtとの測定
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることができ、100個の棒状金属系微粒子について測定した値の平均値とする。原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。
大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
一方、前記非接触方式は、極めて弱い引力を高感度に検出する必要がある。そのため、カンチレバーの変位を直接測定する静的な力の検出では難しく、カンチレバーの機械的共振を応用している。
前記の3つの方法を挙げることができるが、試料に合わせいずれかの方法を選択することが可能である。
なお、本発明において、前記電子顕微鏡としては、日本電子社製の電子顕微鏡JEM2010を用いて、加速電圧200kVで測定を行なうことができる。また、原子間力顕微鏡(AFM)は、セイコーインスツルメンツ株式会社製のSPA−400が挙げられる。原子間力顕微鏡(AFM)での測定では、比較にポリスチレンビーズを入れておくことにより測定が容易になる。
本発明においては、金属粒子又は金属を有する粒子として、金属粒子又は、金属を有する金属化合物粒子が好ましく、銀粒子又は、銀を含有する銀化合物粒子がより好ましく、銀錫合金部を含む粒子が最も好ましい。
〈顔料その他〉
本発明では、上記の金属系微粒子と共に、より黒色に近い色相に構成することから顔料を用いることが好ましい。更に、その他の微粒子を用いることもできる。
前記顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、本発明においては上記の金属系微粒子と同一分散剤で分散される顔料が好ましい。好適に使用される顔料の例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができる。有機顔料の色相は、例えば、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が好ましい。
前記黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、又は黒鉛が色味の観点から好適なものとして挙げられる。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は40〜100nmが好ましい。
チタンブラックの平均粒径が40nm未満であると、凝集などの問題が起こりやすく、100nmを超えると好ましい色味が出ないことがある。
黒鉛の例としては、粒子径がストークス径で3μm以下のものが好ましい。3μmを超える黒鉛を用いると、遮光パターンの輪郭形状が不均一になり、シャープネスが悪くなることがある。また、粒子径の大部分は0.1μ以下であることが望ましい。
以下、本発明における着色組成物に使用可能な顔料等の微粒子(着色剤)を列挙する。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
前記微粒子の具体的な例として、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
また、「顔料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、1989」、「COLOUR INDEX、THE SOCIETY OF DYES & COLOURIST、THIRD EDITION、1987」に記載のものを参照して適宜用いることもできる。
顔料は、金属系微粒子の色相と補色関係にあるものを用いることが望ましい。また、顔料は1種でも2種以上を組み合せて用いてもよい。好ましい顔料の組合わせとしては、赤色系及び青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系及び紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組合せや、前記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組み合わせや、青色系と紫色系と黒色系との顔料の組合せを挙げることができる。
また、本発明において、ブラックマトリクス中において、金属系微粒子の添加量Aと顔料の添加量Bの質量比B/Aは0.2以上10以下であり、好ましくは0.3以上6.0以下であり、より好ましくは0.8以上5.0以下である。前記質量比B/Aが10を超えると、ブラックマトリクス中における金属系微粒子が少なくなり、透過光学濃度が低下し、所定の透過光学濃度を維持するためにブラックマトリクスの厚みを高くする必要があり、この結果、ブラックマトリクスとR、G、Bの各画素との重なり(段差)が生じ、カラーフィルタの平坦性が悪くなって液晶表示装置のセルギャップにムラが発生し、色ムラ等の表示不良に繋がり易い。
顔料の球相当直径は、コントラストの観点から5nm以上5μm以下が好ましく、特に10nm以上1μm以下が好ましく、更にカラーフィルタ用としては、20nm以上0.5μm以下が好ましい。
−−金属系微粒子の分散−−
本発明における金属系微粒子は、安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属系微粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。
分散を行なう際の分散剤や、本発明における分散液に配合してもよい添加剤としては、特開2005−17322号公報の段落番号[0027]〜[0031]に記載の分散剤や添加剤が、本発明においても好適なものとして挙げられる。
−樹脂又はその前駆体−
本発明の着色組成物は、樹脂及びその前駆体の少なくとも一種を用いて好適に構成することができる。ここで、樹脂はバインダーとしてのポリマー成分であり、樹脂の前駆体は、重合したときに樹脂を構成する成分であり、いわゆるモノマー、オリゴマー成分などが含まれる。
前記樹脂としては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。このほか、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も好ましく使用することができる。
前記樹脂は、30〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1,000〜300,000の範囲の重量平均分子量とを有するものを選択するのが好ましい。
前記樹脂は、50〜300mgKOH/gの範囲の酸価と7000〜100000の範囲の重量平均分子量とを有するものが好ましく、60〜200mgKOH/gの範囲の酸価と10000〜70000の範囲の重量平均分子量とを有するものが特に好ましい。
また、上記以外に、種々の性能、例えば硬化膜の強度を改良する目的で、現像性等に悪影響を与えない範囲でアルコール可溶性のポリマーを添加してもよい。アルコール可溶性のポリマーとしては、例えば、アルコール可溶性ナイロン、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記「樹脂の前駆体」としては、硬化することで樹脂となるモノマー等が挙げられる。 前記モノマーとしては、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0021]に記載のモノマーが本発明においても好適なものとして用いることができる。
前記モノマーは、一種単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
モノマーの着色組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、着色組成物層の粘着性が過剰になることもない。
本発明における着色組成物を用いて、遮蔽用転写層(パターニングする前の層)を形成した場合、形成された遮蔽用転写層の層厚1μmあたりの光学濃度としては遮光性、コントラストの観点から1以上が好ましく、より好ましくは1以上20以下であり、更に好ましくは2以上15以下であり、特に好ましくは3以上10以下である。
また、着色組成物における金属系微粒子(及び必要に応じて顔料その他)の含有量としては、例えばカラーフィルタの作製時など、ポストベークの際に金属系微粒子(及び必要に応じて顔料その他)が融着するのを防止することを考慮すると、金属系微粒子の着色組成物の全固形分に対する含有量は、10〜90質量%程度、好ましくは10〜80質量%になるように調節することが好ましい。また、金属系微粒子(及び必要に応じて顔料その他)の含有量は、平均粒径による光学濃度の変動を考慮して行なうのが好ましい。後述の感光性を有する着色組成物中に含有する金属系微粒子(及び必要に応じて顔料その他)の含有量についても同様である。
本発明にいう「ブラックマトリクス」とは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部分、更にTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のことであり、このブラックマトリクスの定義は、例えば、「液晶ディスプレイ製造装置用語辞典」(第2版、菅野泰平著、p.64、日刊工業新聞社、1996年)に記載されている。ブラックマトリクスの例としては、有機ELディスプレイ(例えば特開2004−103507号公報)、PDPのフロントパネル(例えば特開2003−51261号公報)、PALCではバックライトの遮光等が挙げられる。
ブラックマトリクスは、表示コントラストを向上させるため、また、薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には、光の電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
<感光性の着色組成物>
前記ブラックマトリクス作製用の着色組成物は、感光性を有することがより好ましい。
具体的には、感光性樹脂組成物を用いて構成することで感光性を付与することができる。前記感光性樹脂組成物は、バインダーとなるポリマー、光重合開始剤、及びエチレン性不飽和二重結合を有し光の照射によって付加重合するモノマー(以下、「光重合性モノマー」という場合がある。)等を含有してなる態様が好ましく挙げられる。
前記感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましく、かかる点からバインダーとなるポリマーとしてアルカリ可溶性ポリマーを用いて構成することが好ましい。
感光性樹脂組成物は、上述のような光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でもよいし、放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。
前記感光性樹脂組成物の成分として、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0021]に記載の着色感光性樹脂組成物を構成する成分が、本発明にも好適なものとして挙げられる。
また、金属系微粒子を銀コロイドのように水分散物として用いる場合には、ブラックマトリクス作製用着色組成物として水系のもの用いることが必要である。このような感光性樹脂組成物としては、特開平8−271727号公報の段落[0015]〜[0023]に記載のもののほか、市販のものとして例えば、東洋合成工業(株)製の「SPP−M20」等が挙げられる。
本発明におけるブラックマトリクス作製用着色組成物(感光性のものを含む。)を用いてブラックマトリクスを作製する場合には、薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスを作製することができる。
本発明における着色組成物は、着色画素部を離隔するブラックマトリクスを形成するのに好適である。
<感光性転写材料>
感光性転写材料(以下、単に「転写材料」とも言う。)は、仮支持体上に少なくともマット剤含有層と、仮支持体に対して該マット剤含有層面(以下、単に「バック面」とも言う。)とは反対側の仮支持体上に少なくとも感光性を有するブラックマトリクス作製用着色組成物を用いて形成した遮蔽転写層を設けたものである。
−仮支持体−
仮支持体としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の基材を用いることができる。中でも、2軸延伸したポリエチレンテレフタレートはコスト、耐熱性、寸法安定性の観点から好ましい。仮支持体の厚みは、15〜200μm程度、より好ましくは30〜150μm程度が好ましい。仮支持体の厚みが前記範囲内にあると、ラミネーション工程時に熱によりトタン板状のしわが発生するのを効果的に抑制することができ、コスト上も有利である。
−マット剤含有層−
本発明の転写材料のバック面には、転写材料を前記遮蔽用転写層を転写する際の搬送性(すべり性)の均一性を保つためにマット剤含有層を有する。
該マット剤含有層を設けることにより、前述の通り転写においてすべり性の均一性が図られ、該転写材料を用いて得られたカラーフィルタを有する液晶表示装置のコントラストを向上させることができる。
本発明の転写材料のバック面に設けるマット剤含有層について説明する。
通常、マット剤含有層は、マット剤、バインダーおよび必要に応じて架橋剤、界面活性剤等を含有する。
マット剤含有層の塗布膜厚は、マット剤の安定的な保持を達成し、且つ、透明性を維持するといった観点からは、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.02〜2.0μmの範囲である。
〔マット剤〕
本発明に用いられるマット剤は、後述する好ましい粒径、粒度分布を有する限りにおいて、有機粒子であっても無機粒子であってもよい。
マット剤を構成する素材としては、有機系では、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、メラミン、ベンゾグアナミンおよびこれらの共重合体などが挙げられ、無機系としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらのうち、硬度や耐熱性の観点から無機系マット剤が好ましく、特に、二酸化ケイ素が好ましい。
本発明に用いるマット剤の形状にはとくに制限はなく、球形粒子、不定形粒子、正6面体などのものを使用できる。なかでも、表面粗さの調節がしやすいという観点から球形粒子が特に好ましい。
本発明に使用しうるマット剤種は特に規定はないが、その平均粒径は0.008〜10.0μmの範囲であることが好ましく、0.15〜3.0μmの範囲がより好ましい。
前記平均粒径が0.008μm未満のものは、搬送性改良効果が不十分であり、逆に10μmを超えるものはマット剤含有層からの剥落が生じ易くなる場合があり好ましくない。
なお、本発明で言う「粒径」は、球形粒子の場合はその直径を表し、マット剤含有層断面の電子顕微鏡写真画像を用いて測定すればよいが、球形粒子以外の場合には、該顕微鏡写真において、1つの粒子を同面積の円とした時の直径を指すものとする。また「平均粒径」とは該電子顕微鏡写真画像において100個の粒子について上記粒径を求め、これらを数量平均した値を指す。
本発明に用いられるマット剤は粒度分布がシャープなものを用いることが好ましく、その目安としては、前記平均粒径をdとしたとき、粒径が0.90dから1.1dの範囲に含まれるものの個数が全体の個数の70%以上であることが好ましい。
即ち、平均粒径dに対し、d±10%の粒径を有するマット剤が全体の70%以上を占めることが好ましく、その割合が90%以上であることがより好ましい態様である。
用いるマット剤の粒径を上記範囲に制御する方法は任意であるが、代表的なものとして、マット剤を分級し、所望の粒径のものを選択して使用する方法が挙げられる。
分級の方法としては乾式、湿式いずれの方法でもよい。乾式としては風力分級、静電気分級などの方法があり、湿式としては沈降分級などの方法がある。分級方法については例えば「超微粒子ハンドブック(斉藤真六監修)株式会社フジ・テクノシステム1990年発行」363ページ、「微粒子工学大系 第I巻 基本技術(柳田 博明監修)株式会社フジ・テクノシステム1990年発行」826ページに記載されており、ここに記載の技術を本発明にも適用することができる。
本発明のマット剤のマット剤含有層における添加量は、搬送性改良効果と、マット剤粒子の剥落抑制の観点からは、0.2〜50mg/mの範囲であることが好ましく、1から30mg/mの範囲がより好ましい。
〔バインダー〕
本発明におけるマット剤含有層には、マット剤を保持して皮膜を形成するためのバインダーを含有する。ここで用いられるバインダーとしては、皮膜形成性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース類、スチレン−マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルピロリドン等が用いられる。
これらのバインダーのなかでも、分子内にカルボン酸基を複数個有するものが、現像性の点から好ましい。
バインダーにカルボン酸基を導入する方法としては、前記樹脂合成と同様に、バインダーの合成時に、カルボン酸基を有するモノマーを用いて共重合する方法をとることが好ましい。カルボン酸基のバインダーへの導入量としては、酸価として5〜400の範囲となる量が好ましく、10〜300が特に好ましい。
また、マット剤含有層中のバインダーの含有量は、マット剤の剥落防止の観点から、70〜99.5質量%の範囲であることが好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明に係るマット剤含有層には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて種々の添加剤を含有することができる。
塗布膜に十分な膜強度が必要な場合には、バインダーを架橋するための架橋剤を添加してもよい。架橋剤として、通常メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアナート化合物、カルボジイミド化合物等が用いられている。このなかでは、低温での架橋反応が可能なカルボジイミド化合物が好ましい。
架橋剤の添加量は、固形分でバインダーの1〜70質量%、より好ましくは2〜30質量%の範囲が望ましい。添加量が1質量%未満の場合、架橋効果が不十分であり、70質量%を超えると塗布液のポットライフが短くなるという問題が生ずる。
また、塗布性を改善するために、界面活性剤を添加してもよい。本発明で用いうる界面活性剤には特に制限はなく、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、ベタイン系の公知の界面活性剤を使用することができる。
界面活性剤の具体例としては、例えば「新版 界面活性剤ハンドブック(吉田 時行ら編)工学図書株式会社、昭和62年発行」に記載されており、これらを適宜選択して用いることができる。
〔塗布溶剤〕
仮支持体上にマット剤含有層を形成するためには、前記したマット剤含有層形成用の材料を適切な溶媒に溶解し、仮支持体上に塗布、乾燥すればよい。
マット剤含有層形成用材料を溶解する塗布溶媒には特に制限はなく、水、メチルアルコール、エチルアルコール、メチルエチルケトン、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなど、およびこれらの混合物を用いることができる。これらのなかでも、水を用いることが、環境負荷、コストの点から特に好ましい。
−その他の層−
本発明の転写材料において、遮蔽用転写層を形成しない側、即ち、バック面側には、前記マット剤含有層以外に、保護層、導電層、下塗り層などを設けてもよい。
(保護層)
本発明におけるマット剤含有層の表面には、マット剤の剥落防止などの目的で保護層を設けることができる。保護層は本発明の転写材料のバック面最外層として設ける層である。保護層は、バインダー(以下、「バインダーポリマー」ともいう。)を主成分とし、必要に応じて架橋剤、界面活性剤、滑り剤などを含有する層である。以下、保護層に含まれる各成分について説明する。
本発明において、保護層に含まれるバインダーとしては、皮膜形成性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース類、スチレン−マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルピロリドン等を用いることが
できる。
これらのバインダーポリマーのなかでも、分子内にカルボン酸基を複数個有するものが好ましい。バインダーポリマーにカルボン酸基を導入する方法としては、先にマット剤含有層に含まれるバインダーポリマーの説明時に述べたのと同様に、カルボン酸基を有するモノマーを共重合する方法をとることが好ましい。
保護層におけるバインダーポリマーにおいても、カルボン酸基のバインダーポリマーへの導入量は、酸価として5〜400の範囲となる量が好ましく、10〜300が特に好ましい。
保護層には膜強度向上を目的として架橋剤を含有することができる。ここで用いられる架橋剤としては、通常、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアナート化合物、カルボジイミド化合物等を挙げることができる。これらのなかでも、マット剤含有層と同様、前述のカルボジイミド化合物を好ましく用いることができる。
保護層には、塗布性向上を目的として界面活性剤を含有することができる。本発明における保護層に用いうる界面活性剤には特に制限はなく、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、ベタイン系の公知の界面活性剤を使用することができる。
界面活性剤の具体例としては、例えば「新版 界面活性剤ハンドブック(吉田 時行ら編)工学図書株式会社、昭和62年発行」に記載されており、これらを適宜選択して用いることができる。
保護層に滑り剤を含有することで、転写材料の搬送性の一層の向上を達成しうる。滑り剤としては、例えば、シリコーン系化合物やワックスを添加する方法を用いることができる。滑り剤として用いうるシリコーン化合物としては、より具体的には、例えば、変性または無変性のポリジメチルシロキサンを、ワックスとしては、例えば、融点が100℃から130℃程度のポリエチレンワックスを、それぞれ挙げることができる。
保護層の厚みは、マット剤含有層の搬送性改良効果を損なうことなく、マット剤の剥落防止効果を得るという観点から、0.01μm〜5μmの範囲であることが好ましく、0.05μm〜2.0μmの範囲がより好ましい。
(導電層)
本発明の転写材料には、帯電防止などの目的で導電層を設けることができる。導電層は導電性材料を含有する層で、バック面の任意の位置に設けることができる。また、導電層を設ける代わりに、前記マット剤含有層に導電性付与剤を添加して導電性を持たせることもできる。
導電層、又は、マット剤含有層に導電性を付与する手段としては、導電性ポリマーや金属及びその酸化物などの導電性材料を添加する手段が挙げられる。
具体的には、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンなどのイオン伝導を示すポリマー、ポリチオフェンのような電子伝導性を示すポリマーなどの有機導電性材料、特開昭61−20033号公報に記載されているアンチモンをドープした酸化スズ微粒子などの金属酸化物導電性材料などを添加する方法が挙げられる。これらのうち、酸化スズ微粒子は安定した導電性が得られること、導電性の湿度依存性がほとんど無いことから特に好ましい。
導電性材料は、帯電防止などの効果の観点からは、バック面の表面抵抗率が25℃30%RHにおいて1010Ω/□以下になるよう添加することが好ましく、10から10Ω/□以下になるように添加することがさらに好ましい。表面抵抗率が1010Ω/□を超えると搬送性改良効果が不十分になり、10Ω/□未満の場合コスト上不利である。
導電性材料の添加量は、素材の種類や導電層の処方により変化するので一概には言えないが、一般的には、10〜500mg/m程度が望ましい。
(下塗り層)
本発明の転写材料においては、仮支持体のバック面の最も仮支持体に近い位置に、仮支持体と、隣接して設けられる層との密着性を向上させ、仮支持体と該塗布層との剥離を防止する目的で、下塗り層を設けることができる。
下塗り層は、通常、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタンなどをバインダーとして含有する層である。
下塗り層の厚みは0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.03μm〜1.0μm程度の範囲が望ましい。下塗り層が0.01μm未満の場合は塗布層の剥離防止効果が不十分であり、2.0μmを超えるとマット剤の搬送性改良効果が低減する。
本発明の転写材料のバック面の表面粗さは0.008μm〜0.20μmであることが好ましく、0.01μm〜0.1μmがより好ましい。前記上限0.20μm、下限0.008μmの範囲を超えるとピンホールが出来やすくなることがある。バック面の表面粗さは、マット剤の種類、含有量などを調節することで、好ましい範囲内にすることができる。
前記表面粗さは、公知の表面粗さ計で測定することができ、例えば、3次元表面粗さ計サーフコム575A(株式会社東京精密製)を用いて下記の方法により測定することができ、本発明においてはこれを用いた値を採用する。
表面粗さの測定方法:3次元表面粗さ計サーフコム575Aを用いて測定倍率20000倍、カットオフ波長0.08mmの条件下で測定する。
尚、本発明の表面粗さとは、上記3次元表面粗さ計サーフコム575Aを用いて測定した時の、「Ra」の値である。
以下、本発明の転写材料の、前記マット剤含有層以外の層構成について説明する。
本発明の転写材料は、前述の仮支持体のマット剤含有層を設けない側の表面に、少なくとも1層の遮蔽用転写層を有する材料である。本発明の転写材料は、さらに必要に応じて、熱可塑性樹脂層、中間層、保護層、剥離層などを設けてもよい。
特に、前記熱可塑性樹脂層、中間層は転写層の転写性や感度改良に有用である。
−遮蔽用転写層−
遮蔽用転写層は、上記のブラックマトリクス作製用の着色組成物を用いて形成した層であり、該遮蔽用転写層の膜厚は、0.2〜1.2μmが好ましく、更には0.2〜1.0μmが好ましく、0.5〜0.8μmが特に好ましい。
該層は、金属粒子又は金属を含む粒子を分散させたものであるため、既述のように薄膜で高い光学濃度(2.5以上)が得られ、例えば液晶表示装置などを構成した場合に、表示コントラストの変動を抑えることができ、安定してコントラストの高い画像を表示することができる。
特に、金属粒子又は金属を含む粒子として、銀錫合金部を有する粒子を用いた場合が効果的である。
ブラックマトリクスの光学濃度としては、2.5以上10.0以下が好ましく、より好ましく3.0以上6.0以下であり、特に好ましく3.5以上5.5以下である。光学濃度が前記範囲内であると、遮光性を付与することができる。
ブラックマトリクスの形成は、金属粒子又は金属を含む粒子と樹脂及びその前駆体の少なくとも1種とを含むブラックマトリクス作製用の着色組成物を用いてなる遮蔽用転写層を転写し、必要に応じてパターン状に露光し、現像して形成する(パターニングする)方法であれば特に制限はない。
本発明の転写材料を構成する上記マット剤含有層、遮蔽用転写層以外の層としては、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載の熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムが好適なものとして挙げられる。
<感光性転写材料の作製>
感光性転写材料の作製は、仮支持体上に、既述のマット剤含有層用塗布液や、感光性を有するブラックマトリクス作製用組成物の溶液を、例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載の通常の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、下記のように、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。熱可塑性樹脂層、中間層を設ける場合も同様にして行なうことができる。
−スリット状ノズルによる塗布−−
塗布膜の形成は、前記組成物が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズルを有するスリットコーターが好適に用いられる。
スリット塗布は、先端に幅数十ミクロンのスリット(間隙)を有し、且つ、矩形基板の塗布幅に対応する長さの塗布ヘッドを、基板とのクリアランス(間隙)を数10〜数100ミクロンに保持しながら、基板と塗布ヘッドとに一定の相対速度を持たせて、所定の吐出量でスリットから供給される塗布液を基板に塗布する塗布方式である。このスリット塗布は、(1)スピン塗布に比して液ロスが少ない、(2)塗布液の飛びちりがないため洗浄処理が軽減される、(3)飛び散った液成分の塗布膜への再混入がない、(4)回転の立ち上げ停止時間がないのでタクトタイムが短縮化できる、(5)大型の基板への塗布が容易である、等の利点を有する。これらの利点から、スリット塗布は大型画面液晶表示装置用のカラーフィルタの作製に好適であり、塗布液量の削減にとっても有利な塗布方式として期待されている。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に前記ブラックマトリクスと、該ブラックマトリクスにより離画される領域に形成されたR,G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素とを有するカラーフィルタの製造方法において、仮支持体上に、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子または金属を含む粒子と、を含有する膜厚が1.2μm以下の遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、基板上に該遮蔽用転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程と、R,G,Bのうちの少なくとも一色を有する塗布液を塗布して、着色画素を形成する工程とを含むことを特徴とする。
更に、本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記方法に更に、前記ブラックマトリクス上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物からなる層を形成し、フォトリソ法によりフォトスペーサーを形成する工程を有することが好ましい。
前記フォトスペーサーを形成する工程が、仮支持体上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物層を有する転写材料を用いて形成することが更に好ましい態様である。
以下、前記ブラックマトリクス、着色画素、フォトスペーサーを形成する方法(工程)について詳細に説明する。
−ブラックマトリクスの形成方法−
本発明におけるブラックマトリクスの形成方法は、金属粒子及び金属を含む粒子の少なくとも一種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも一種と、を含む遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、かつ該遮蔽転写層を設置したのとは反対面の仮支持体上に、基板上に該遮蔽転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程(ブラックマトリクス工程)を有する方法であり、更に、パターン状に露光し、現像してブラックマトリクスを形成することが好ましい。更に、必要に応じて他の工程を設けて構成することができる。
更に、詳細には、本発明におけるブラックマトリクスの形成方法は、感光性転写材料を用いて基板の上に、感光性転写材料を遮蔽用転写層が接触するように配置して積層(転写工程)した後、感光性転写材料と基板との積層体から仮支持体を剥離し、遮蔽用転写層を露光し、現像してブラックマトリクスを得る方法である。この方法は、煩瑣な工程を行なうことを必要とせず、低コストに行なうことができる。
次に、転写工程について更に説明する。
(転写工程)
前記の転写材料を用い、フイルム状に形成した遮蔽用の転写層を、基板上に、加熱及び/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、転写して貼り付けることができる。
具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータ及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
本発明におけるブラックマトリクスの形成工程として、前記転写以外に露光、現像、ポスト露光、加熱処理などの工程を有することができ、これらの工程については特開2005−3861号公報の段落番号[0067]〜[0074]に記載の工程を好適なものとして用いることができる。
−着色画素及び画素形成方法−
本発明における着色画素とは、基板上のブラックマトリクスにより離画される領域に形成された、R、G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素である。
本発明における画素形成方法は、前記ブラックマトリクスを形成する工程で形成されたブラックマトリクスにより離画される領域の凹部にR,G,Bのうち少なくとも一色の塗布液をスリットコーターにより塗布し、着色画素を形成する工程(以下、「画素形成工程」ともいう。)を有する方法である。該画素形成工程は、必要に応じて他の工程を設けて構成することができる。
スリットコーターにより塗布する方法としては、前記、ブラックマトリクス形成工程で述べた「スリット状ノズルによる塗布」が好ましい具体例として挙げられる。
着色画素の形成に用いる塗布液としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0021]に記載の着色感光性樹脂組成物などが好適なものとして挙げられる。
−フォトスペーサー及びその形成方法−
本発明におけるフォトスペーサーは、前記基板間のセル厚を維持するためのスペーサである。
また、前記フォトスペーサは、該ブラックマトリクス上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物(以下、「フォトスペーサー用組成物」ともいう。)からなる層を形成して、フォトリソ法によりフォトスペーサーを形成する工程により形成することが好ましい。
前記フォトスペーサーを形成する工程が、仮支持体上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物層を有する転写材料を用いて、基板上に転写しフォトスペーサを形成する工程により形成されてものであることがより好ましい。
このようにして形成されたフォトスペーサは、液晶セルのセル厚を均一に保つのに有効であり、液晶セルのセル厚の変動で表示ムラを起こし易い液晶表示装置用途に好適に用いることができる。
−フォトスペーサ用光硬化性樹脂組成物−
次に、フォトスペーサ用光硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明におけるフォトスペーサ用光硬化性樹脂組成物には、感光性を有するアルカリ現像が可能な樹脂組成物を用いることが好ましい。
中でも、(A)高分子物質と(B)重合性モノマーと(C)光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて、(D)その他の成分として着色剤や界面活性剤などを用いて構成することができる。
前記フォトスペーサ用光硬化性樹脂組成物としては、特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0054]に記載の「感光性樹脂層」を構成する成分や、特開2006−18222号公報の段落番号[0050]〜[0109]内に記載の「ネガ型感光層」を構成する成分が好適なものとして挙げられる。
本発明におけるフォトスペーサの特性として、変形回復率としては、17μmφのフォトスペーサを50μmφの円錘台圧子で、負荷速度0.145gf/秒、最大荷重78mN、保持時間5秒、測定温度23℃の条件にて負荷−除荷テストを行なった際の変形回復率で、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が更に好ましい。
変形回復率が前記範囲内にあると、外部からの圧縮強度に耐え、パネル形成時における塑性変形を防止して所望厚の液晶層を得ることができる。その結果、厚変化により生じ得る表示ムラが解消され、高画質画像の表示が可能となる。
前記フォトスペーサは、前記ブラックマトリクス上に設けることが好ましい。
前記フォトスペーサを前記ブラックマトリクス上に設けることで、フォトスペーサに起因する光もれを防げ、表示品位が向上する。また、ブラックマトリクスと着色層とが重なり合った部分の上に設けてもよく、この場合は、高さが低いフォトスペーサであっても十分なセルギャップを保つことができ好ましい。更に、本発明におけるブラックマトリクスとフォトスペーサとは膜厚変動が小さいため、該ブラックマトリクスとフォトスペーサとに規定されるセル厚の厚み変動が小さくすることができ、表示品位が向上する。特にセル厚が2〜4μmである薄厚構成の場合に、液晶表示装置が表示する画像中の表示ムラを効果的に防止することができる。
本発明におけるフォトスペーサは、上述のブラックマトリクスの項にて説明した製造方法と同様の製造方法で作製することができる。
前記フォトスペーサ用光硬化性樹脂層を形成する場合、その層厚は0.5〜10.0μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。層厚が前記範囲であると、製造時における塗布形成の際のピンホールの発生が防止され、未露光部の現像除去を長時間要することなく行なうことができる。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に前記ブラックマトリクスと、該ブラックマトリクスにより離画される領域に形成されたR,G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素とを有するカラーフィルタの製造方法において、仮支持体上に、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子または金属を含む粒子と、を含有する膜厚が1.2μm以下の遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、基板上に該遮蔽用転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程と、R,G,Bのうちの少なくとも一色を有する塗布液を塗布して、着色画素を形成する工程とを含むことを特徴とする。
更に、本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記方法に更に、前記ブラックマトリクス上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物からなる層を形成し、フォトリソ法によりフォトスペーサーを形成する工程を有することが好ましい。
前記フォトスペーサーを形成する工程が、仮支持体上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物層を有する転写材料を用いて形成することが更に好ましい態様である。
本発明のカラーフィルタは本発明のカラーフィルタの製造方法で作製されたものである。
このように作製されたカラーフィルタは、薄膜で高濃度のブラックマトリクス高濃度のブラックマトリクスを備えるので、例えば、液晶表示装置などを構成した場合に、経時で表示ムラが発生したり、表示コントラストの変動を抑えることができ、安定してコントラストの高い画像を表示することができる。
さらに、カラーフィルタを液晶表示装置に用いたとき、前記ブラックマトリクス上に形成されたフォトスペーサーによる一定なセルギャップを保つことが可能となり、該液晶表示装置は高コントラスト、かつ低コストで得ることができる。
−基板−
前記カラーフィルタを形成する基板としては、表面に酸化珪素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板或いはプラスチックフィルム等が用いられる。
本発明のカラーフィルタは、既述のように本発明における着色組成物を用いて作製された薄膜で高濃度のブラックマトリクスを備えるので、例えば液晶表示装置などを構成した場合に、経時で表示ムラが発生したり、表示コントラストの変動を抑えることができ、安定してコントラストの高い画像を表示することができる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えたものである。このカラーフィルタは、既述のように、金属粒子又は金属を含む粒子と樹脂又はその前駆体とを含む前記遮蔽用転写層を、パターン状に露光し、現像して形成されたブラックマトリクスを有するものであるので、経時で表示ムラが発生したり、表示コントラストの変動を抑えることができ、安定してコントラストの高い画像を表示することができる。
液晶表示装置の説明については、例えば「電子ディスプレイデバイス」(佐々木昭夫著、隅工業調査会、1990毎発行)、「ディスプレイデバイス」(伊吹順幸著、産業図書側 平成元年発行)などに記載されている。
本発明の液晶表示装置は、前記カラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなど種々の部材を用いて一般に構成される。これらの公知の部材で構成される液晶表示装置において、既述の本発明のカラーフィルタを適用することが可能であり、本発明の液晶表示装置を作製することができる。これらの部材については、例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場」(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)」(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003等発行)に記載されており、LCDの種類としては、STN、TN、VA、IPS、OCS、及びR−OCB等が挙げられる。
液晶表示装置の一つとして、少なくとも一方が光透過性基板である一対の基板間に、カラーフィルタ、液晶層、及び液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)を少なくとも備えたものが挙げられる。
前記カラーフィルタとしては、複数の画素群を有し、画素群を構成する各画素が互いに本発明によるブラックマトリクスにより離画されているカラーフィルタを好適に用いることができる。
また、液晶表示装置の別の態様として、少なくとも一方が光透過性基板である一対の基板間に、カラーフィルタ、液晶層、及び液晶駆動手段を少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ各アクティブ素子間に本発明の着色組成物又は転写材料を用いて作製されたブラックマトリクスが形成されたものが挙げられる。
液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術」(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)に記載されている。本発明においては、適用可能な表示装置(液晶表示素子)に特に制限はなく、例えば、前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載された色々な方式の液晶表示素子に適用できる。中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示素子に対して有効である。
カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ」(共立出版(株)、1996年発行)に記載されている。更に、本発明においては、勿論IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用が可能である。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−」(東レリサーチセンター調査研究部門、2001年発行)の43ページに記載されている。
液晶表示装置に用いることのできる液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<銀錫合金部を有する粒子の分散液(分散液A1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(アイエスピー・ジャパン(株)製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。すると、混合液が黒色に変化し、銀錫合金部を有する粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」ということがある。)を得た。次いで、下記操作(A)を3回繰り返し行ない、水相の可溶性物質を除去すると共に、銀錫合金部含有粒子を分散させた。
−操作(A)−
前記銀錫合金部含有粒子を含有する液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n〔(株)コクサン製〕により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。(ここまでが操作(A))
その後、この液に対して更に遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を再び沈殿させた。遠心分離は前記同様の条件にて行なった。遠心分離した後、前記同様に上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水850ml及びアセトン500mlを加え、さらに15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。
再び前記同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を沈殿させた後、前記同様に上澄みを捨て液量を150mlにし、これに純水150ml及びアセトン1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は前記同様である。その後、上澄みを捨て全液量を70mlにし、これにアセトン30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型(メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金部含有粒子の分散液(分散液A1)を得た。
この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この分散液A1を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
前記数平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
<ブラックマトリクス(BM)用感光性塗布液A1の調製>
下記表1の組成を混合して、BM用感光性塗布液A1を調製した。
Figure 2007304210
*界面活性剤1は、F−780−F、大日本インキ化学工業(株)製を用いた。
*バインダーAは、スチレン/アクリル酸共重合体(モル比=56/44、重量平均分子量30,000)を用いた。
*DPHA液の組成は下記である。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製) …76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト …24部
<ブラックマトリクス(BM)の形成>
−感光性樹脂転写材料の作製−
二軸延伸し、240℃で10分間熱固定した後、コロナ放電処理を施した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを仮支持体として用い、その片面に、スリット状ノズルを用いて、下記マット剤含有層用塗布液1を塗布し、130℃で2分乾燥し、厚さ0.08μmのマット剤含有層を形成した。
(マット剤含有層用塗布液1の処方)
・アクリル樹脂水分散液 30.9部
(ジュリマーET−410、数平均分子量9700、重量平均分子量17000、固形分濃度30%、日本純薬社製)
・カルボジイミド架橋剤水溶液 6.4部
(カルボジライトV−02−L2、固形分濃度40%;日清紡社製)
・マット剤(表4に記載の材料) (表4記載の量)
・界面活性剤2 0.73部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤3 全量が1000質量部になるように添加
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業社製)
・蒸留水 955.5部
次にマット剤含有層の上に下記マット剤含有層保護層形成用塗布液1を塗布し、130℃で2分乾燥し、厚さ0.05μmの保護層を形成した。
〔マット剤含有層保護層形成用塗布液1〕
・ポリエチレンラテックス 17.8部
(ケミパールS120、固形分濃度27%、三井化学社製)
・コロイダルシリカ 11.8部
(スノーテックスC、固形分濃度20%、日産化学社製)
・エポキシ硬化剤 1.7部
(デナコールEX−614B、ナガセ化成社製)
・前記界面活性剤2 0.52部
・前記界面活性剤3 0.59部
次に、仮支持体のマット剤含有層形成面とは反対側の面に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。
次に、この熱可塑性樹脂層上に更に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を積層した。
続いて、中間層上に上記で調製したBM用感光性塗布液A1を塗布し、乾燥させて黒色の感光性樹脂層を更に積層した。
以上のようにして、PET仮支持体上に乾燥層厚14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥層厚1.6μmの中間層と、乾燥層厚1.2μmの感光性樹脂層(遮蔽用転写層)とを設け、感光樹脂層の表面に保護フィルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着して、マット剤含有層/仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フィルムの積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。以下、これをBM用感光性転写材料K1とする。
(熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1)
・メタノール …11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 6.36部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 5.83部
(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、分子量=9万、Tg≒70℃)
・スチレン/アクリル酸共重合体 …13.6部
(共重合比[モル比]=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水縮合した化合物) … 9.1部
・前記界面活性剤1 … 0.54部
(中間層用塗布液の処方P1)
・PVA−205 … 32.2部
〔(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550;ポリビニルアルコール〕
・ポリビニルピロリドン … 14.9部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水 …524部
・メタノール …429部
−ブラックマトリクス(BM)の形成−
無アルカリガラス基板(以下、単位「ガラス基板」という。)を、25℃に調温したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。その後、この基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱し、ラミネータに送った。
シランカップリング処理後のガラス基板に、上記より得たBM用感光性転写材料K1から保護フィルムを剥離除去し、除去後に露出した感光樹脂層の表面と前記ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。
続いて、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と濃色感光層との間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%、商品名:T−PD2、富士写真フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1質量部と純水を11質量部の割合で混合)に希釈した液(30℃)を用いて50秒間、フラットノズルで圧力0.04MPaとしてシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、この基板上にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄を行ない、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続いて、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム;商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液(29℃)を用いて30秒間、コーン型ノズルで圧力0.15MPaにてシャワー現像を行なって感光性樹脂層を現像除去し、パターン像を得た。
続いて、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−SD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液(33℃)を用いて20秒間、コーン型ノズルで圧力0.02MPaにてシャワーにして吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシによってパターン像を擦って残渣除去を行ない、ブラックマトリクスを得た。さらにその後、ブラックマトリクスが形成された基板に対し、両面から超高圧水銀灯で500mJ/cmの露光量でポスト露光後、220℃で15分間熱処理(ベーク)を行なった(ブラックマトリクス基板)。
<カラーフィルタ及び液晶表示装置の作製>
−着色感光性樹脂組成物の調製−
下記表2に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1,G1,及びB1を調製した。
Figure 2007304210
−レッド(R)画素の形成−
前記ブラックマトリクス(BM)が形成されたガラス基板のBM形成面側に、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて膜厚が1.2μmになるように、上記より得た着色感光性樹脂組成物R1を塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性層を形成した(塗布工程)。次いで、この感光性層上にスリット状ノズルを用いて、上記より得た中間層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層(中間層が保護層の機能を持っている。)を形成し、R画素用感光材料を作製した。
引き続き、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と上記のR画素用感光材料とを垂直に立てた状態で、マスク面とR画素用感光材料の感光層の中間層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、露光量70mJ/cmで全面露光した(露光工程)。次いで、露光後のR画素用感光材料を現像処理液T−CD1(富士写真フイルム(株)製;アルカリ現像液)を5倍希釈したもの(使用時のpHは10.2)を用いて現像処理(33℃、20秒;現像工程)し、ブラックマトリクス(BM)が形成されたガラス基板上にR画素を形成した。
次に、R画素が形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理し(ベーク工程)、熱処理済みのR画素を形成した。
−グリーン(G)画素の形成−
ブラックマトリクス及びR画素が形成されたガラス基板のBM等形成面側に、上記より得た着色感光性樹脂組成物G1を用いて、既述のR画素の形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのG画素を形成した。
−ブルー(B)画素の形成−
ブラックマトリクス、R画素及びG画素が形成されたガラス基板のBM等形成面側に、上記より得た着色感光性樹脂組成物B1を用いて、既述のR画素の形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのB画素を形成した。
以上のようにして、カラーフィルタ(以下、「カラーフィルタ基板」ともいう。)を作製した。
なお、前記表2に記載の組成物R1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) …8.0部
・下記化合物1(分散剤) …0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、分子量:3万) …8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …83部
Figure 2007304210
*R顔料分散物2の組成
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) …18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕 …12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …70部
*バインダー2の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物、分子量:4万) …27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …73部
なお、前記表1に記載の組成物G1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*G顔料分散物1
・商品名:GT−2(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
*Y顔料分散物1
・商品名:CFエローEX3393(御国色素(株)製)
*バインダー1の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量38,000) …27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …73部
なお、前記表1に記載の組成物B1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*B顔料分散物1
・商品名:CFブルーEX3357(御国色素(株)製)
*B顔料分散物2
・商品名:CFブルーEX3383(御国色素(株)製)
*バインダー3の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量38,000)…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …73部
−ITO電極形成−
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
−フォトスペーサの形成−
−−フォトスペーサ形成用感光性転写材料−−
前記BM用感光性転写材料K1の作製において、用いた前記BM用感光性塗布液A1を、下記の組成よりなるフォトスペーサ形成用樹脂組成物に変更した以外は上記と同様の方法によって、フォトスペーサ形成用感光性転写材料を作製した。感光性樹脂層の乾燥層厚は2.5μmであった。
−フォトスペーサ形成用樹脂組成物の組成−
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 452部
・メチルエチルケトン 327部
・メタノール 0.035部
・バインダー4 101部
(メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体(=20/80[モル比]、重量平均分子量36000;高分子物質))
・DPHA液 99部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−( N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 2.5部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.039部
・前記界面活性剤1 0.86部
・消色剤 17部
(商品名:ビクトリアピュアブルーBOH−M、保土ヶ谷化学(株)製)
−フォトスペーサの形成−
得られたフォトスペーサ形成用感光性転写材料の保護(カバー)フィルムを剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を、上記で作製したITO膜がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO膜上に重ね合わせ、ラミネータLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。その後、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去し、感光性樹脂層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(層形成工程)。
次に、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を40μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量60mJ/cmにてプロキシミティー露光した。次いで、KOH現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し、未露光部を現像除去してパターン(スペーサーパターン)を得た(パターニング工程)。
得られたスペーサーパターンは、ブラックマトリクスとレッド(R)画素との積層部上に形成されたITO膜上に形成され、直径16μm、平均高さ2.0μmの透明な柱状であった。
次に、スペーサーパターンが設けられたカラーフィルタ基板を、230℃下で30分間加熱処理を行ない(熱処理工程)、フォトスペーサを形成した。
−液晶表示装置の作製−
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
(実施例2)
実施例1において、ブラックマトリクス(BM)用感光性塗布液A1を上記表1に記載のブラックマトリクス(BM)用感光性塗布液A2に変更した以外は、実施例1と同様して、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(実施例3)
実施例1において、銀錫合金部含有粒子の分散液A1(分散液A1)を下記銀微粒子分散液B1に代え、BM用感光性塗布液A3を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
<銀微粒子分散液B1の調製>
平均アスペクト比2.2の銀微粒子73.5gと、分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア(株)製)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gと、を混合した。これを、超音波分散機(商品名:Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、円相当径100nmの銀微粒子の分散液を得た。次いで、下記操作(B)により銀微粒子を分散させた。
−操作(B)−
得られた銀微粒子の分散液に遠心分離処理(10,000rpm、20分)を行ない、上澄み液を捨て、適宜濃縮を行なった。この操作を3回繰り返して行ない、水相の可溶性物質を除去し、銀微粒子分散液B1を得た。
<BM用感光性塗布液A3の調製>
下記組成を混合して、BM用感光性塗布液A3を調製した。
〔BM用感光性塗布液A3の組成〕
・前記銀微粒子分散液B1 …60.00部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …28.6部
・メチルエチルケトン …37.6部
・前記界面活性剤1 … 0.2部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 2.1部
(モル比=73/27、分子量30,000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (下記参照)
(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.1部
ここで、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの添加量は、塗布液中におけるベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体の量を1としたときの質量比率で0.9となる量とし、さらに前記銀微粒子の体積分率が0.13になる量とした。
(実施例4〜5)
実施例1において、マット剤を表4に記載の材料、表4に記載の添加量に変更した以外、実施例1と同様にして、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
(実施例6)
実施例1において、銀錫合金部含有粒子の分散液A1を下記のカーボンブラック分散液C1及び銀粒子分散液B2に変更して調製したBM用感光性塗布液A4を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
<カーボンブラック分散液C1の調製>
モーターミルM50(アイガー社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用いて下記処方のカーボンブラックの分散液を作製した。
・ノルマルプロパノール 69部
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体(共重合比=20:80) 10部
・ソルスパース20000(ゼネカ(株)) 1部
・カーボンブラック(カーボンブラックMA100、三菱化学(株)) 20部
<銀粒子分散液B2の調製>
−銀粒子の作製−
ゼラチン112gに蒸留水3488gを添加し、得られた混合物を約47℃まで加熱してゼラチンを溶解した。これに酢酸カルシウム4.0g及びホウ化水素カリウム2.0gを添加した。その直後に蒸留水1.0Lに溶解した硝酸銀6.0gを、急速に攪拌しながら添加した。更に蒸留水を添加して、最終質量を5.0kgに調整した。次いで生成物をゲル化温度近くまで冷却し、小さな穴を通過させて冷却した水の中へ押し出して、それにより非常に微細なヌードルを作製した。これらのヌードルを、現場で青色銀を生成するための増幅触媒として供給した。便宜上及びヌードルが溶融塊を形成するのを防ぐために、水を用いてヌードルを希釈して水1対ヌードル3にした。
ホウ化水素還元銀核650gに、蒸留水81gに溶解したモノスルホン酸ヒドロキノンカリウム6.5g及びKCl0.29gを添加した。上記のヌードルスラリーを約6℃まで冷却した。また別々の容器に、以下の2種の溶液(A)及び(B)を調製した。
(A)……… 亜硫酸ナトリウム(無水)19.5g、重亜硫酸ナトリウム(無水)0.98g、蒸留水122.0g
(B)………硝酸銀 9.75g、蒸留水溶液 122.0g
上記の溶液(A)及び(B)を混合して攪拌を続け、白色沈殿を形成させた。次いで直ちに、この混合物を短時間で(5分間以内)急速に攪拌しながら上記ヌードルスラリーに添加した。温度を10℃に維持し、そして総ての可溶性銀塩が核の上に還元されるまで、約80分間増幅を進行させた。得られた青色スラリー粒子を、ナイロンメッシュバック中でスラリーを介して水道水を通過させ、そして約30分間洗浄水がバックを通過するようにして洗浄したので、すべての塩を洗い流せた。ゲルスラリーに分散させ洗浄した青色銀を、溶融した場合に1.5質量%の濃度の銀を有する青色銀分散体を得るように、生成物の質量が412gになるまで水気を切った。透過電子顕微鏡写真により測定したところ、この銀が、粒子径80nmの粒子から成ることを示した。
−銀粒子分散液B2の調製−
上記の如くして得られた銀分散スラリー4000gに、分散剤(日本油脂(株)製の「ラピゾールB−90」)6gとパパイン5%水溶液2000gを添加し、温度37℃で24時間保存した。この液を2000rpmで5分間かけて遠心分離して、銀粒子を沈降させた。上澄み液を棄てた後、蒸留水で洗浄して酵素で分解されたゼラチン分解物を除去した。次いで該銀粒子沈降物をメチルアルコールで洗浄してから乾燥させた。約60gの銀微粒子の凝集物が得られた。この凝集物53gと分散剤(アビシア(株)製の「ソルスパース20000」)5g、メチルエチルケトン22gを混合した。これに2mmφガラスビーズ100gを混合して、ペイントシェーカーで3時間かけて分散して、目的とする銀粒子分散液B2を得た。
上記で得られた銀粒子分散液B2に下記の添加剤を添加し混合して、銀粒子含有塗布液A1を得た。
・上記の銀粒子分散液B2 40.0g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40.0g
・メチルエチルケトン 37.6g
・前記界面活性剤1(F−780−F) 0.1g
・ヒドロキノンモノメチルエーテル 0・001g
・シ゛ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.1g
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチルーs−トリアジンー2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 0.1g
(BM用感光性塗布液A4の調製)
上記で得られたカーボンブラック分散液C1と上記で得られた銀粒子含有塗布液A1を添加し混合して、BM用感光性塗布液A4を調製した。BM用感光性塗布液A4に際しては、カーボンブラック/銀粒子のブレンド比が2.64となるように調製した。
(実施例7)
実施例6におけるBM用感光性塗布液A4において、カーボンブラック/銀粒子のブレンド比が1.40となるように調製(BM用感光性塗布液A5)した以外、実施例6と同様にして、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
(比較例1)
実施例1において、マット剤を表4に記載の材料及び添加量に変更した以外、実施例1と同様にして、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
(比較例2〜4)
実施例1において、ブラックマトリクス(BM)用感光性塗布液A1を下記表3に記載のブラックマトリクス(BM)用感光性塗布液K1〜K3に変更した以外、実施例1と同様にして、ブラックマトリクス基板、カラーフィルタを作製し、液晶表示装置を作製した。
Figure 2007304210
*カーボンブラック分散液C2
・カーボンブラック(Nipex35、デグッサ社製) …13.1部
・前記化合物1(分散剤) … 0.80部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、分子量37,000) … 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …79.38部
[評価]
(ピンホール)
上記ブラックマトリクス作製に用いたBM用感光性塗布液を用いて、10cmの黒ベタサンプルを実施例1のブラックマトリクス形成条件と同様に作製して、ピンホールの個数を顕微鏡観察(倍率50倍)により数えた。
(コントラスト)
上記で得られた各液晶表示装置を、下記方法によりコントラスト測定を行なって評価した。評価結果は下記表2に示す。
TOPCON CORPORATION JAPAN社製の輝度計BM−5を各液晶表示装置のパネル面の法線方向50cmの距離のところに設置し、液晶表示装置を黒表示させたときの輝度と、白表示させたときの輝度との比を測定した。測定は、暗室内で行なった。
(光学濃度)
ベーク後のブラックマトリクスの光学濃度を下記方法により測定した。
分光光度計UV−2100〔(株)島津製作所製〕を用いて、ブラックマトリクス基板の透過光学濃度(OD)を波長555nmで測定すると共に、各ブラックマトリクス基板に用いたガラス基板の透過光学濃度(OD)を同様の方法で測定した。そして、ODからODを差し引いた値(透過OD;=OD−OD)を透過光学濃度とした。
(膜厚)
ベーク後のブラックマトリクスの膜厚を、接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定した。
(バック面の表面粗さRa)
上記で得られた転写材料の表面粗さは、3次元表面粗さ計サーフコム575A(株式会社東京精密製)を用いて測定倍率20000倍、カットオフ波長0.08mmの条件下で測定した。
尚、本発明の表面粗さとは、上記3次元表面粗さ計サーフコム575Aを用いて測定した時の、「Ra」の値である。
Figure 2007304210
・KE−E50:(株)日本触媒製シリカ微粒子(商品名:シーホスターKE−E50、固形分20%)
・KE−E40:(株)日本触媒製シリカ微粒子(商品名:シーホスターKE−E40、固形分20%)
・KE−E80:(株)日本触媒製シリカ微粒子(商品名:シーホスターKE−E80、固形分20%)
表4から明らかな通り、比較例2〜4のカーボンブラックでブラックマトリクスを高濃度にするとピンホールの悪化、および表面のアレに起因すると思われるコントラストの低下が見られた。
比較例1と実施例1、4,5を比較すると明らかなように、金属粒子を用いても薄膜高濃度では、ピンホールが悪化しコントラストも低下してしまうが、仮支持体の裏面に本発明のマット層とを組み合わせることでピンホールが少なく、スペーサに起因する光モレによるコントラスト低下もなく優れた表示が得られることが分かった。
実施例6,7からBM中に金属粒子と顔料を併用した場合も本発明の効果が確認できた。

Claims (9)

  1. 仮支持体上に、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属粒子又は金属を有する粒子とを含有する膜厚が1.2μm以下の遮蔽用転写層を有し、かつ、前記仮支持体に対して前記遮蔽転写層の設置側とは反対側の仮支持体上(以下、「バック面」という。)に、マット剤を含有するマット剤含有層を有することを特徴とする転写材料。
  2. 前記バック面の表面粗さが0.008μm〜0.20μmであることを特徴とする請求項1に記載の転写材料。
  3. 前記遮蔽用転写層に含有される金属粒子又は金属を有する粒子の少なくとも一種が、銀錫合金部を有する粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写材料。
  4. 前記遮蔽用転写層が更に顔料を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写材料。
  5. 基板上にブラックマトリクスを有し、該ブラックマトリクスにより離画される領域に形成されたR,G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素とを有するカラーフィルタの製造方法において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、基板上に該遮蔽用転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程と、R,G,Bのうちの少なくとも一色を有する塗布液をスリットコーターにより塗布し、着色画素を形成する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6. 基板上にブラックマトリクスを有し、該ブラックマトリクスにより離画される領域に形成されたR,G、Bのうちの少なくとも一色を有する着色画素とを有するカラーフィルタの製造方法において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮蔽用転写層を有する転写材料を用いて、基板上に該遮蔽用転写層を転写しブラックマトリクスを形成する工程と、R,G,Bのうちの少なくとも一色を有する塗布液をスリットコーターにより塗布し、着色画素を形成する工程と、前記ブラックマトリクス上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物からなる層を形成し、フォトリソ法によりフォトスペーサーを形成する工程を有することを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記フォトスペーサーを形成する工程が、仮支持体上にフォトスペーサー用光硬化性樹脂組成物層を有する転写材料を用いて形成することを特徴とする請求項5又は6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法で作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  9. 請求項8に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
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