JP5169032B2 - 撮像装置用近赤外線カットフィルタおよび撮像装置 - Google Patents

撮像装置用近赤外線カットフィルタおよび撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、近赤外線を吸収する色素と透明樹脂とを含有する光学フィルムを、CCD等の撮像素子の前面に設置した撮像装置用の近赤外線カットフィルタ、および当該近赤外線カットフィルタを備える撮像装置に関する。
従来デジタルカメラ等に使用されているCCDやCMOS等の撮像素子は可視域から1100nm付近の近赤外域にわたる分光感度を有している。これに対して人間の目は380〜780nmの波長の光を感じることができる。撮像素子と人間の目では分光感度に大きな差があるため、撮像素子の前面に近赤外域を吸収するフィルタ(近赤外線カットフィルタ)を備えて、人間の目の視感度に補正することが必要である。
このようなフィルタとしては、近赤外波長を選択的に吸収するように、リン酸塩系ガラスにCuOを添加したガラスフィルタが知られている。このガラスフィルタは多量のPを必須成分としてCuOを含有しており、酸化性の溶融雰囲気中で、多数の酸素イオンに配位されたCu2+イオンを形成させることによって青緑色を呈し、近赤外線カット特性を有するものである。
しかし、上記のガラスフィルタは、近赤外線カット効果を促進するためにCuOの含有量を増加させると、一般に400〜500nmの波長域における分光透過性が低下して緑色化の傾向を示す。また、上記のガラスフィルタに用いられるリン酸塩系ガラスは、耐候性が不十分であり、ガラスフィルタとしての長期使用には難点がある。
このような背景から、リン酸塩系ガラスの耐候性の低さを改善するために、特許文献1および2に開示されているように、リン酸塩系ガラスの替わりにフツリン酸塩系ガラスを用い、これにCuOを添加したガラスフィルタが開発され使用されている。また、リン酸塩系ガラスの耐候性の低さを改善するために、特許文献3に示されるように、リン酸基を含有する樹脂成分と、Cu2+イオンを主成分とするイオン性金属成分とを含有する合成樹脂製フィルタが提案されている。
しかしながら、特許文献1記載のフツリン酸塩系ガラスは、失透しやすく、ガラスの耐候性確保のためPの含有量を低く抑えると、熱膨張係数が大きくなり熱衝撃に弱いという欠点がある。溶融後固化したガラスをフィルタとして用いるには、研削、研磨等の工程が必要となるが、上記フツリン酸塩系ガラスは、50〜100℃の温度差でヒートショックによるクラックを生じるため成形加工工程での歩留が極めて低い。この問題を解決したガラスフィルタが上記特許文献2に開示されているが、このガラスフィルタにも以下のような問題点が指摘されている。
フツリン酸塩系ガラスにおいて、CCDなどの撮像素子の小型高密度化のために、近赤外線カットガラスフィルタの肉厚を薄くしようとすると、着色成分であるCuO含有量を増量して分光特性を調整することが必要になる。しかし、フツリン酸塩系ガラスにおいてCuO量を増加してゆくと、ガラス中に結晶が析出したり、顕著な脈理が生じたりして撮像用途、特に高画素数の撮像デバイス用途では使用できなくなるという問題がある。これは、このような用途ではガラスフィルタの傷や付着物だけでなく、表面の微細な凹凸やガラスの不均質に起因する部分的な屈折率差などの存在も撮影画像の品質を損ねる原因となるため、極めて均質なガラスが求められるからである。
また、上記フツリン酸塩系ガラスはリン酸塩系ガラスに比較して耐光性は改善されているが、ガラスの硬度が低いため、切断や研磨等の加工で損傷しやすく、光学面に微小な傷や外形周辺部に微小な欠けを生じる。また研磨加工中に生じた微小な欠損片がガラス基板に付着した場合、後工程や運搬時に光学面を傷付け、欠損片が付着した基板自体は異物不良となり、大きな歩留低下を招くという問題がある。
特許文献3には、リン酸基含有単量体および共重合性単量体よりなる混合単量体の共重合体中に、銅塩を主成分とする金属塩が添加含有されてなる合成樹脂製のフィルタが開示されている。しかし、上記特許文献3記載の合成樹脂製フィルタの場合、フツリン酸塩系ガラスと比較し、外形周辺部に微小な欠けが発生しにくい利点はあるが、注型重合方式でフィルタ材料を作るため、大板での作成が困難であることおよび、切削したのちに研磨が必要であることなど、コストや生産性に問題がある。
一方、別の応用分野であるが、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという。)の視認側には、特許文献4にあるように、近赤外線等の有害光を防止する光学フィルタが用いられる。PDPからは、可視光と同時に、近赤外線、電磁波等の有害光も放射される。そのため、PDPの前面(視認側)に、家電製品用の近赤外線リモコンを誤作動させる近赤外線等の有害光放射を防止する光学フィルタを設置し、850〜1100nmの近赤外線の透過率を例えば20%以下にしている。PDP用の光学フィルタとしては、例えば、近赤外線吸収色素を透明樹脂に分散させ、これをポリエチレンテレフタレート(PET)製等のフィルム上に形成している。しかし、PDP用の光学フィルタは、850〜1100nmの近赤外線の遮蔽を主目的に設計・製造されているため、780〜850nmの遮蔽は十分でなく、そのままでは、CCDやCMOS等の撮像素子に必要な感度補正に適用することは難しい。
特開平1−219037号公報 特開平8−253341号公報 特開平6−118228号公報 特開2005−62506号公報
上述したように、CCDなどの撮像素子の1画素あたりの面積は極めて微小なものとなり、撮像素子の前面に置かれる近赤外カットフィルタにおいても肉厚を薄くする必要がある。その要求に対応するためには、従来のリン酸塩系ガラスにCuOを添加したガラスフィルタでは、分光透過性が低下する問題が生じ、さらに耐候性も不十分である。
また、フツリン酸塩系ガラスを用い、これにCuOを添加したガラスフィルタでは、ガラスの硬度が低いため、光学面に微小な傷や外形周辺部に微小な欠けを生じるなどの問題がある。
また、リン酸基含有単量体および共重合性単量体よりなる混合単量体の共重合体中に、銅塩を主成分とする金属塩が添加含有されてなる合成樹脂製のフィルタにはコストや生産性に問題がある。
さらに、PDP用の光学フィルタは、CCDやCMOS等の撮像素子の感度補正に必要な780〜850nmの波長域での遮蔽は十分でなく、そのままでは適用することは難しいという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、近赤外波長における吸収特性が良好であるとともに、小型で肉厚の薄い形状が容易に得られ、なおかつ研磨加工時に上記微小欠陥が発生しにくく、コストと生産性に優れた近赤外線カットフィルタを提供することを目的とする。
発明は、下記化学式(1)で表されるジイモニウム系色素、シアニン系色素、透明樹脂とオニウム塩とを含有する光学フィルムを備える撮像装置用近赤外線カットフィルタであって、
波長750nmの光の透過率が10%以下であり、
波長400〜700nmの範囲の光の平均透過率が60%以上である
ことを特徴とする撮像装置用近赤外線カットフィルタを提供する。
Figure 0005169032
式()中、Xは、(RSOまたは(RSOで表される陰イオン、Rは炭素数1〜4のフルオロアルキル基であり、
〜Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキニル基であり、アルキル基はアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、またはカルボキシル基等の置換基を有してもよい。
Figure 0005169032
〜R14とYの組合せは、R〜R14がn−ブチルでYがSbF、R〜R14がi−ブチルでYがSbFまたはトリフルオロメタンスルホニルイミド酸である。
また、本発明は、前記光学フィルムが、ガラス板上に形成されている上記撮像装置用近赤外線カットフィルタを提供する。
また、本発明は、前記ガラス板上のシランカップリング剤を介して光学フィルムが形成された上記撮像装置用近赤外線カットフィルタを提供する。
また、本発明は、前記光学フィルムと、ガラス板または撮像素子との間に粘着剤層を備えた上記撮像装置用近赤外線カットフィルタを提供する。
また、本発明は、前記撮像装置用近赤外線カットフィルタを、撮像素子の前面に備えることを特徴とする撮像装置を提供する。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタは、ジイモニウム系色素、シアニン系色素と透明樹脂とを含有する光学フィルムを備えるため、耐湿性、耐熱性に優れ、光学特性が良好で、しかも簡易な構成で、薄く小型の撮像装置用光学フィルタを、安定的に安価で製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタは、ジイモニウム系色素、シアニン系色素と透明樹脂とを含有する光学フィルムを備える。ジイモニウム系色素、シアニン系色素と透明樹脂とを含有することによって、撮像装置用近赤外線カットフィルタに必要な、波長750nmの光の透過率が10%以下で、かつ波長400〜700nmの範囲の光の平均透過率が60%以上となる撮像装置用近赤外線カットフィルタが得られる。
本発明に用いられるジイモニウム系色素は、塩化合物で下記化学式(1)で表される。
Figure 0005169032
式(I)中、Xは、(RSOまたは(RSOで表される陰イオンを表す。合成の容易さから、Xは(RSOであることが好ましい。
ここで、Rは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基であり、炭素数1〜2のフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数1のフルオロアルキル基であることが最も好ましい。炭素数が上記範囲内であると、耐熱性、耐湿性などの耐久性、および後述する有機溶剤への溶解性が良好である点で好ましい。このようなRとしては、例えば−CF、−C、−C、C等のパーフルオロアルキル基、−CH、−CH、−CH等が挙げられる。
特に、前記フルオロアルキル基がパーフルオロアルキル基であると、耐湿性に最も優れるため、好ましい。さらに、トリフルオロメチル基であることが最も好ましい。
陰イオンとして上記陰イオン(X)を有するジイモニウム系色素を用いることにより耐湿性が向上する理由は、必ずしも明らかではない。従来、ジイモニウム系色素の陰イオンとしては、主に、SbF 、PF 、BF 、ClO 等の無機陰イオンが用いられているが、これらの無機陰イオンは水の影響をうけやすく、ジイモニウム系色素の安定性が悪い。これに対し、本発明で用いられる陰イオン(X)は、RSO基の電子吸引性が高いことが作用して、ジイモニウム系色素が安定的に存在できるためと推測される。
また、式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキニル基である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、第三ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、または第三オクチル基等が挙げられる。該アルキル基はアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、またはカルボキシル基等の置換基を有してもよい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、またはオクテニル基等を示す。該アルケニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アリール基としては、例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−メチルベンジル基、2−フェニルメチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、α−ナフチルメチル基、またはβ−ナフチルエチル基等を示す。該アリール基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アルキニル基としては、例えば、プロピニル基、ブチニル基、2−クロロブチニル基、ペンチニル基、またはヘキシニル基等を示す。該アルキニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
これらの中でも、炭素数4〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。炭素数4以上とすることにより、有機溶媒に対する溶解性が良好になり、炭素数6以下とすることにより耐熱性が向上する。耐熱性が向上する理由としては、当該ジイモニウム系色素の融点が上がるためと推測される。
ジイモニウム系色素は、特に、下記の測定方法により測定される1000nm付近のモル吸光係数εが約0.8×10〜1.5×10であることが好ましい。
(モル吸光係数(ε)の測定方法)
当該ジイモニウム系色素を、試料濃度が20mg/Lとなるようにクロロホルムで希釈し、試料溶液を作製する。この試料溶液の吸収スペクトルを、分光光度計を用いて、300〜1300nmの範囲で測定し、その最大吸収波長(λmax)を読み取り、該最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(ε)を下記式から算出する。
ε=−log(I/I
(ε:吸光係数、I:入射前の光強度、I:入射後の光強度)
ε=ε/(c・d)
(ε:吸光係数、c:試料濃度(mol/L)、d:セル長)
さらに、光学フィルムとして実用的な耐久性を付与するためには、98%以上の純度を有するジイモニウム系色素、または210℃以上の融点を有するジイモニウム系色素を使用することが好ましい。特に、98%以上の純度を有し、かつ210℃以上の融点を有するジイモニウム系色素を使用することが好ましい。
本発明の光学フィルム中におけるジイモニウム系色素の配合量は、ジイモニウム系色素と、後述する、ジイモニウム系色素以外の近赤外線吸収色素とを合わせて、透明樹脂に対して、0.1〜20質量%の範囲にすることが好ましい。0.1質量%以上とすることで充分な近赤外線吸収能が得られ、20質量%以下とすることで、色素間の相互作用が抑えられ、色素の安定性が良好となる。これらの観点から、特に1〜15質量%の範囲にすることが好ましい。
本発明に用いられるシアニン系色素は、市販のシアニン系色素や、特開2005−49847号公報に記載の安定化シアニン系色素が使用できる。
シアニン系色素は、ジイモニウム系色素と同様な測定方法により測定される750nm付近から900nm付近のモル吸光係数εが約0.8×10〜5.0×10であることが好ましい。
本発明の光学フィルム中におけるシアニン系色素の配合量は、シアニン系色素と、ジイモニウム系色素と、後述するシアニン系色素とジイモニウム系色素以外の近赤外線吸収色素とを合わせて、透明樹脂に対して、0.1〜20質量%の範囲にすることが好ましい。0.1質量%以上とすることで充分な近赤外線吸収能が得られ、20%質量以下とすることで、色素間の相互作用が抑えられ、色素の安定性が良好となる。これらの観点から、特に1〜15質量%の範囲にすることが好ましい。
本発明における光学フィルムには、ジイモニウム系色素、シアニン系色素と透明樹脂に加えて、オニウム塩を含有することが好ましい。本発明に用いられるオニウム塩は、可視光領域の透過率改善効果を有するからである。
本発明に用いられるオニウム塩は、市販のものが使用でき、下記化学式(2)で表される。
Figure 0005169032

ここで、R〜R14とYは、例えば表1に示す組合せのものを用いることができる。TFSIは、トリフルオロメタンスルホニルイミド酸であり、Buはブチルである。特に、No3の組合せが、透過率改善効果が大きく好ましい。
Figure 0005169032
オニウム塩は、特に、下記の測定方法により測定される950nm付近のモル吸光係数εが約0.8×10〜1.0×10であることが好ましい。
(モル吸光係数(ε)の測定方法)
当該オニウム塩を、試料濃度が20mg/Lとなるようにクロロホルムで希釈し、試料溶液を作製する。この試料溶液の吸収スペクトルを、分光光度計を用いて、300〜1300nmの範囲で測定し、その最大吸収波長(λmax)を読み取り、該最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(ε)を下記式から算出する。
ε=−log(I/I
(ε:吸光係数、I:入射前の光強度、I:入射後の光強度)
ε=ε/(c・d)
(ε:吸光係数、c:試料濃度(mol/L)、d:セル長)
本発明の光学フィルム中におけるオニウム塩の配合量は、オニウム塩と、オニウム塩以外の上述した近赤外線吸収色素とを合わせて、透明樹脂に対して、0.1〜20質量%の範囲にすることが好ましい。0.1質量%以上とすることで充分な近赤外線吸収能が得られ、20質量%以下とすることで、色素間の相互作用が抑えられ、色素の安定性が良好となる。これらの観点から、特に1〜15質量%の範囲にすることが好ましい。
上述の色素の他に、光学フィルム中の成分として、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、最大吸収波長が300〜800nmの範囲にある色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、または紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
本発明において、透明樹脂は、実用的な耐久性を維持できること、成形性が容易であることと、成形時の色素の劣化が抑制されることなどから、ガラス転移温度が80〜180℃の範囲にあることが好ましく、特に120〜180℃の範囲であることが好ましい。
好ましい透明樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。この樹脂は、例えば、鐘紡社製、商品名「O−PET」のポリエステル系樹脂、JSR社製、商品名「ARTON」のポリオレフィン系樹脂、日本ゼオン社製、商品名「ゼオネックス」のポリシクロオレフィン系樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、商品名「ユーピロン」のポリカーボネート系樹脂、帝人化成社製、商品名「PC−N1」のポリカーボネート樹脂、日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」などのポリアクリル系樹脂などの市販品を用いることができる。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタに備えられた光学フィルムは、以下のようにして形成することが可能である。即ち、ジイモニウム系色素、シアニン系色素と透明樹脂、または、ジイモニウム系色素、シアニン系色素、オニウム塩と透明樹脂とを有機溶剤に溶解させ、得られた塗工液を基材上に塗工し、乾燥させることにより形成できる。
上述した各色素と透明樹脂とを溶解するための有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類またはn−ヘキサン、シクロヘキサノリグロイン等の脂肪族炭化水素類、テトラフルオロプロピルアルコールやペンタフルオロプロピルアルコール等のフッ素系溶剤等を用いることができる。
塗工液の塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、またはコンマコーター法等のコーティング法を用いて行うことができる。
光学フィルムの厚さは、0.3〜50μmの範囲にすることが好ましい。0.3μm以上とすることで、近赤外線吸収能を充分に発揮することができ、50μm以下とすることで成形時の有機溶媒の残留を低減することができる。これらの観点から、特に0.5〜20μmの範囲にすることが好ましい。
塗工液を塗工する基材としては、ガラス板、透明支持フィルム、剥離性の基材等を用いることができる。
基材がガラス板の場合、基材上に直接塗工、乾燥することで撮像装置用近赤外線カットフィルタとすることができ構造やプロセスが簡易となる。さらに、ガラス板にシランカップリング剤等の前処理を施した後に、塗工液を塗工すると、塗工液乾燥後の光学フィルムのガラスに対する密着性がさらに高まりより好ましい。ガラスは、可視域で透明なガラス材料から適宜選択して使用することができるが、特に白板ガラス、硼珪酸ガラスは、一般的に入手し易い高硬度のガラスであり、小型サイズや薄い形状を得るための切断加工、研磨加工が容易にでき、光学面における傷や異物等の発生が抑えられるため好ましい。
ガラス板に前処理を施すシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランのようなアミノシラン類や、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシシラン類、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランのようなビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いることができる。
基材が透明支持フィルムの場合、支持フィルム材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリアクリレート類、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリアクリレート類、ポリカーボネート(PC)類、ポリスチレン類、トリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン類、セロファン等の材料の中から適宜選択して使用することができ、好ましくはPET、PC、PMMAが挙げられる。
透明支持フィルムの厚みは、10〜500μmの範囲において作業性が良好で、ヘイズ値が低く抑えられるという面から好ましい。また、透明支持フィルム上に光学フィルムを形成する前に、該透明支持フィルムの表面にコロナ処理や易接着処理を施すことが好ましい。
基材が剥離性の基材の場合、光学フィルムは剥離性の基材上に形成した後、剥離すること等により製造される。剥離性の基材は、フィルム状または板状のものであればよく、特に材料に限定はない。剥離性を良好にするために、該基材表面にシリコ−ンや低表面張力の樹脂などを用いて離型処理をすることが好ましい。
透明支持フィルム基材や、剥離性の基材上に形成された光学フィルムは、粘着剤層を設けて高い剛性を有するガラス板に貼着することができ、容易に、撮像装置用近赤外線カットフィルタとすることができるため構造やプロセスが簡易となる。ガラス材料としては、可視域で透明なガラス材料から適宜選択して使用することができるが、特に白板ガラス、硼珪酸ガラスは、一般的に入手し易い高硬度のガラスであり、小型サイズや薄い形状を得るための切断加工、研磨加工が容易にでき、光学面における傷や異物等の発生が抑えられるため好ましい。さらに、この光学フィルムに粘着剤層を設けて撮像装置に直接貼着してもよい。
粘着剤層の粘着剤としては、市販されている粘着剤を使用することができるが、好ましい具体例としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン共重合体系ゴム、ブチルゴム、またはシリコーン樹脂等の粘着剤を挙げることができる。さらに、粘着剤層を積層する場合には、その粘着面にシリコーンが塗布されたPET等の離型フィルムを貼付しておくことが、作業性の点で好ましい。粘着剤を用いる場合、この粘着剤に紫外線吸収剤などの種々の機能を有する添加剤を添加してもよい。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタは、ガラス、および複数の色素と透明樹脂からなる光学フィルムで構成されており、PDP用の光学フィルタとは全く異なるCCDやCMOS等の撮像素子に必要な視感度補正を行うことができる。具体的には、750nm以上の近赤外域での透過率を10%以下にするとともに、400〜700nmの可視域での平均透過率が60%以上(両面反射防止膜無し(以下反射防止膜をARという。))、最高透過率が80%程度(両面AR無し)を実現している。なお、本発明は、色素の吸収を利用しているため、分光透過率の入射角度依存性を抑えることもできる。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタは、白板ガラス、硼珪酸ガラス等一般的に入手し易い高硬度のガラスを使用することで、小型サイズや薄い形状を得るための切断加工、研磨加工が容易にでき、光学面における傷や異物等の発生が抑えられる。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタに用いるガラスとして、フツリン酸塩系ガラス等の加工しにくいガラスを用いることもできる。この場合、複数の色素と透明樹脂からなる光学フィルムと一体になっているため、CuO含有量を増量しなくとも所望の近赤外吸収特性や400〜700nmの可視域における透過率性能が得られるともに、加工性が改善される。また、CuO含有量を増量していないため、ガラスの均質性も向上して撮影画像の品質も向上できる。
本発明の撮像装置用近赤外線カットフィルタは、ガラスに光学フィルムを直接形成、もしくは、光学フィルムを別に作製してからガラスに貼合形成するため、大板ガラスに光学フィルムを形成した後、切断加工できるため、コストと生産性に優れた近赤外線カットフィルタを提供することができる。
本発明の撮像装置は、撮像装置用近赤外線カットフィルタを、撮像素子の前面に備えることにより撮像装置を作製できる。この作製方法としては、撮像装置用近赤外線カットフィルタを、撮像素子の前面から離れた位置に配置し撮像素子以外の部分に固定しても良いし、撮像素子の前面の撮像素子や撮像素子筐体自身に直接固定しても作製することができる。
以下に、発明をより詳細に説明するために実施例を示す。例1〜5および例8は実施例、例6、7および例9は比較例である。本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
(例1)
アクリル樹脂塗料(日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」:樹脂のガラス転移温度=89℃)を、メチルエチルケトン(MEK)に15質量%になるように溶解して、主剤溶液を得た。この主剤溶液の樹脂分に対して、ジイモニウム系色素(N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ヘキサフルオロアンチモン酸イモニウム塩):日本化薬社製、商品名「IRG−022」)4.7質量%、安定化シアニン系色素(住友精化社製、商品名「SD−AG01」、λmaxが877nmであり、εが3.1×10)0.8質量%、およびヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−40MCS」、λmaxが830nmであり、εが2.7×10)1.5質量%を主剤溶液に添加し、これらを溶解させた塗工液を得た。この塗工液をマイクログラビアにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが5μmとなるようにコーティングし、120℃で5分間乾燥させて、光学フィルムを得た。
(例2)
例1で用いたジイモニウム系色素を、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン・−ビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸)イモニウム塩(日本カーリット社製、商品名「CIR−1085」)に代え、ヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素をトリフルオロメタンスルホニルイミド酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−40MCFI」、λmaxが830nmであり、εが2.7×10)に代えた以外は例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例3)
例1の主剤溶液を、透明ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製、商品名「PC−N1」、ガラス転移温度190℃)と、樹脂分の15質量%になるように、シクロペンタノンに溶解した主剤溶液に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例4)
例1で用いた主剤溶液の樹脂分に対して、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン・−ビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸)イモニウム塩(日本カーリット社製、商品名「CIR−1085」)3.1質量%、オニウム塩(表1参照 NO.3 λmaxが943nmであり、εが8.8×10)1.1質量%、ヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−10」、λmaxが781nmであり、εが3.4×10)1.4質量%および安定化シアニン系色素(住友精化社製、商品名「SD−AG01」、λmaxが877nmであり、εが3.1×10)0.6質量%を主剤溶液に添加し、例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例5)
例4で用いた基材を厚み100μmの反射防止フィルム(日本油脂社製、商品名「リアルックRL9000」)に変更し、例4と同様にして光学フィルムを得た。
(例6)
アクリル樹脂塗料(日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」:樹脂のガラス転移温度=89℃)を、MEKに15質量%になるように溶解して、主剤溶液を得た。この主剤溶液の樹脂分に対して、ジイモニウム系色素(N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ヘキサフルオロアンチモン酸イモニウム塩):日本化薬社製、商品名「IRG−022」)4.7質量%を主剤溶液に添加し、溶解させた塗工液を得た。この塗工液をマイクログラビアにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが5μmとなるようにコーティングし、120℃で5分間乾燥させて、光学フィルムを得た。
(例7)
アクリル系粘着剤(東洋インキ社製、商品名「NCK101」、酸価;0mgKOH/g)42.3gおよび架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートHL」)0.5gを溶解させて粘着剤組成物を調製した。この主剤粘着剤の樹脂分に対して、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−12」)0.5質量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−14」)0.4質量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、商品名「TX−EX−906B」)0.4質量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、商品名「TX−EX−910B」)0.7質量%からなる近赤外線吸収色素(NIR吸収色素)をメチルエチルケトン7.7gに溶解させ、主剤溶液に添加し塗工液を得た。この粘着剤組成物をアプリケーターにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが25μmとなるようにコーティングして、粘着フィルムを得た。この粘着フィルムをゴムローラーにて基板であるガラスに貼合して光学フィルタを得た。
例1〜7で得た光学フィルム/光学フィルタの光学特性(可視域平均透過率、近赤外線透過率)を下記方法で評価した。その結果を表2に示す。
分光光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用い、各試料から切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを380〜1300nmの範囲で測定し、可視領域(400〜700nm)における平均透過率を算出した。ここで、平均透過率とは、波長400〜700nmにおける光の透過率の積分値を、波長の差300で徐したものである。また、可視域、近赤外領域の500nm、550nm、600nm、650nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1000nm、1050nm、1100nmの光の透過率を表2に比較表示した。
Figure 0005169032
表2に示すように、例1〜5の光学フィルム(実施例)は、いずれも、近赤外域(750〜1100nm)の透過率は、10%以下であり良好であった。また、可視域における平均透過率も、両面ARコート無しの状態で64%前後でており良好であった。なかでも、オムニム塩が添加されている例4は、近赤外域の特性を維持しながら可視域平均透過率も高くなっており優れた光学特性を示した。例5は、オムニム塩の効果にさらに片面ARが施されたフィルムであり、さらに可視域平均透過率も高くなっている。
これに対し、比較例である例6(比較例1)は、色素としてジイモニウム塩を1種類使用したもの、例7(比較例2)は、色素としてフタロシアニン系色素を4種類使用したものである。例6は近赤外域の透過率が抑えられておらず、撮像素子の視感度補正には不適である。また、比較例である例7は、近赤外域の特性は改善されてはいるものの十分では無く、かつ、可視域の平均透過率も低下しており、こちらも、撮像素子の視感度補正には不適である。
下記の例8、例9では、厚みが0.3mmで4mm角の撮像装置用近赤外線カットフィルタを作製したときの傷や異物、画像を評価した。
(例8)
アクリル系粘着剤(東洋インキ社製、商品名「NCK101」、酸価;0mgKOH/g)42.3gおよび架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートHL」)0.5gを溶解させて粘着剤組成物を調製し、アプリケーターにて例1で作製した光学フィルムに上に乾燥塗膜の厚みが25μmとなるようにコーティングして、粘着フィルムを作製した。この粘着フィルム付き光学フィルムを、あらかじめ研磨で0.3mm厚まで薄くしたショット製の150mm角の白板ガラスB270に、ゴムローラーにて粘着させて、ダイシングで4mm角に切断・洗浄を行ない撮像装置用近赤外線カットフィルタを得た。
(例9)
ガラス組成が、質量百分率で、P 36.2%、MgF 14.1%、SrF 11.5%、BaF 19.7%、LiF 8.5%、KF 0.2%、AlF 0.5%、CaO 8.3%、LiO 1.0% 、CuO 1.5% のフツリン酸塩系ガラスを切断して125mm角の板とした。これを♯600のカーボン系砥粒を用い両面研摩機で肉厚1mmとなるまで粗磨りし、ダイヤモンド超鋼刃を用いたスクライブマシンにより40mm角に割断した。
次に上記40mm角のガラス板の表裏面を両面研摩機にて、♯1200のアルミナ系砥粒でさらにラッピングし、表面の粗さ仕上げと板厚を0.4mmの厚みまで削り込んだ。続いてこのガラス板に対し、最終製品の仕様となるガラス面の鏡面仕上げを、両面研摩機でセリア系の研磨材にてポリッシング処理を行ない、精密洗浄装置で洗浄して、40mm×40mm×0.3mmの寸法のガラス板にした。上記ガラス板を、ダイシング装置を用いて最終サイズの4mm角に切断・洗浄を行ない、撮像装置用近赤外線カットフィルタを得た。
例8で作製した近赤外線カットフィルタは、白板ガラスを使用しているためガラス内部は均一で、また、白板ガラス表面の研磨状態や切断状態も良好であり、5μm程度の傷や異物等の発生は無く、例8の近赤外線カットフィルタを撮像装置内の撮像素子の手前に配置したところ良好な画像が確認された。
例9で作製した近赤外線カットフィルタは、フツリン酸塩系ガラスを用いているため、切断や研磨等の加工性に問題があり、5μm程度の微小なものを含む傷、欠けの発生率は50%を超え、加工工程での傷、欠けの発生率が高かった。この近赤外線カットフィルタを撮像装置内の撮像素子の手前に配置したところ撮影画像の劣化が確認された。
本発明の撮像素子用近赤外線カットフィルタは、デジタルカメラ等に使用されているCCDやCMOS等の撮像素子は近年小型が進み、小型化された撮像素子の近赤外線カットに使用される。

Claims (5)

  1. 下記化学式(1)で表されるジイモニウム系色素、シアニン系色素、透明樹脂と下記化学式(2)で表されるオニウム塩とを含有する光学フィルムを備える撮像装置用近赤外線カットフィルタであって、
    波長750nmの光の透過率が10%以下であり、
    波長400〜700nmの範囲の光の平均透過率が60%以上である
    ことを特徴とする撮像装置用近赤外線カットフィルタ。
    Figure 0005169032
    式()中、Xは、(RSOまたは(RSOで表される陰イオン、Rは炭素数1〜4のフルオロアルキル基であり、
    〜Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキニル基であり、アルキル基はアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、またはカルボキシル基等の置換基を有してもよい。
    Figure 0005169032
    〜R14とYの組合せは、R〜R14がn−ブチルでYがSbF、R〜R14がi−ブチルでYがSbFまたはトリフルオロメタンスルホニルイミド酸である。
  2. 前記光学フィルムが、ガラス板上に形成されている請求項に記載の撮像装置用近赤外線カットフィルタ。
  3. 前記ガラス板上のシランカップリング剤を介して光学フィルムが形成された請求項またはに記載の撮像装置用近赤外線カットフィルタ。
  4. 前記光学フィルムと、ガラス板または撮像素子との間に粘着剤層を備える請求項1〜のいずれかに記載の撮像装置用近赤外線カットフィルタ。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の撮像装置用近赤外線カットフィルタを、撮像素子の前面に備えることを特徴とする撮像装置。
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