JP3764069B2 - 近赤外線吸収フィルムを含む多層パネルとそれを用いた映像出力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイなどの映像出力装置または照明器具などから発生される近赤外線を吸収する事で近赤外線の進入を遮断し、当該近赤外線領域の光を通信に使用するリモコン・赤外線通信ポートの誤動作を防ぎ、ひいては、これらの遠隔操作機器で制御する機器の誤動作を防ぐ赤外線吸収パネルに関する。更に詳しくは、透明導電体と組み合わせて、近赤外線吸収効果且つ電磁波遮蔽効果を有する層からなる、多層板からなるパネルに関する。又、光学機器の受光素子や撮像素子に使用されているフォトダイオードや固体イメージセンサ(CCD)カメラの受光感度補正や色調補正等に用いる近赤外線カットフィルター、キャッシュカードやIDカード等の偽造防止に利用するパネルに関する。ここで多層板とは、形態保持機能を有した通常は透明の板に、本願発明の機能を有するフィルムを重層したものをいう。
【0002】
【従来の技術】
近赤外線吸収パネルとしては、ガラスに蒸着膜を施したフィルターや金属イオンを含んだリン酸塩ガラス製のフィルターが知られている。しかし前者は干渉を利用しているために、反射光の障害や視感度との不一致や製造コストが高いなどの問題が、後者は吸湿性や製造工程の煩雑さ等の問題がある。また、従来のガラス製フィルターは重くて割れやすく、曲げる等の加工が施し難い等の問題がある。
【0003】
これらの問題を解決するために、フィルターのプラスチック化を目的に近赤外域に特性吸収を有する多くの材料が提案されている。例えば、特開平6ー214113号公報に記述されているように金属フタロシアニン化合物をメチルメタクリレートのモノマーに溶解させた後に重合させたパネルが知られている。
【0004】
また、フタロシアニン系の化合物やアントラキノン系、シアニン系の化合物を溶融した樹脂中に混練した後に、押し出し成形した近赤外線吸収パネルも知られている。
【0005】
しかし、これらのパネルの製造では高温での溶融押し出しや重合反応の行程を含むために、熱的に不安定であったり、化学反応によって分解・変性するような近赤外吸収材の使用が出来ず、従って、得られるパネルの近赤外吸収特性は十分では無い。
【0006】
さらに、ディスプレイ等のパネルに使用するためには、近赤外線吸収特性と同時に色調も重要である。色調を調整するためには、通常数種類の色素を混合することが必要である。近赤外域に特性吸収を有する色素の中には他の色素と混在すると特性が変化したり、化学反応等や誘電的相互作用によって近赤外線吸収能が変化するものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、かかる従来技術の諸欠点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、透明な高分子材料中に近赤外線吸収能を有する色素を分散させた吸収層を含む多層板からなる近赤外線吸収パネルが、これらの欠点を解消し得ることを見い出し、本発明を完成したものである。
【0008】
また、近赤外線吸収能を有する色素と高分子樹脂とを均一に混合した溶液からキャスト法やコーティング法等の選択した製法で製造する事により、更には、色素と高分子樹脂素材を選択する事により、本発明の多層板からなる近赤外線吸収パネルがこれらの欠点を解消し得ることを見い出し、本発明を完成したものである。
【0009】
その目的とするところは、近赤外線吸収能が高く、可視光線の透過率が高い多層板からなるパネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、透明な高分子樹脂中に近赤外線吸収能を有する色素を分散させた吸収層を含む、近赤外線吸収能を有する多層板からなるパネルにより達成される。
【0011】
即ち、色素の中には、他の色素と混在すると特性が変化したり、化学反応等や誘電的相互作用を有するもの、熱安定性に欠けるものがあるが、それらの特性に応じた成型法で個々にフィルムを製造し、これらのフィルムを複数枚重ねて多層板とすることにより、目的に応じた近赤外線吸収範囲と可視光領域での色調を調整することができる。
【0012】
以下本発明を詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の多層板パネルは透明な高分子樹脂中に近赤外線吸収能を有する色素を分散させた吸収層を含む多層フィルム又は多層板からなる近赤外線吸収パネルである。
【0014】
本発明の近赤外線吸収パネルの透明な高分子樹脂中に近赤外線吸収能を有する色素を分散させた吸収層としては、近赤外線吸収能を有する色素と高分子樹脂と溶剤を均一に混合した溶液からキャスト法によって成膜されたフィルムや、近赤外線吸収能を有する色素と高分子樹脂と溶剤を均一に混合した溶液をポリエステルやポリカーボネイトなどの透明なフィルム上にコーティングして得たフィルムや、近赤外線吸収能を有する色素と高分子樹脂から溶融押し出し法によって成膜されたフィルム、近赤外線吸収能を有する色素とモノマーを均一に混合した混合物を重合または固化することにより作製されたフィルムあるいは、近赤外線吸収能を有する色素、金属、金属酸化物、金属塩を透明プラスチックフィルムに蒸着することにより作製されたフィルムのいずれか、あるいはこれらの2種類以上を併用して用いることができる。
【0015】
即ち、多様な近赤外線吸色素の特性に応じた成型法でフィルムを製造し、これらのフィルムを複数枚重ねるか若しくは単独で使用する事により、目的に応じた近赤外線吸収範囲と可視光領域での色合いを調整することができる。
【0016】
本発明の近赤外線吸収パネルの吸収層としてキャスト法やコーティング法によって成膜されたフィルムを用いる場合は、通常熱溶融押し出し法では200度以上で成膜するのに対し、150度以下のマイルドな乾燥条件で行えるので、使用する近赤外線吸収色素が熱分解することがなく、一般的な有機溶媒に対して均一分散さえすれば、耐熱性の低い色素でも使用できるため色素の選択幅が拡がるという有利点がある。
【0017】
キャスト法やコーティング法で成膜を行う際、本色素のバインダーとして用いる透明な高分子樹脂としては、共重合ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、ポリイソシアネート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース等の公知の透明プラスチックを用いることができる。但し、特に50ミクロン以下の薄いフィルムで目的とする近赤外線の吸収能を得るためには、本色素の種類によって異なるが、1〜5wt%(樹脂の固形分に対して)の高濃度まで本色素を溶解する必要がある。
【0018】
この様な高濃度の安定な溶液を、通常使用されるバインダー用樹脂、例えばポリカーボネイトやアクリル樹脂等からは調製する事が出来ない。例え強制的に溶かし込むことが出来ても、色素の遍在、表面への色素の析出、溶液の凝固等の問題が起こり好ましくない。
【0019】
この様に高濃度まで色素を溶解させる用途には、本出願と同一の出願人による特開平06−184288号公報、特開平06−049186号公報、特開平07−149881号公報、特開平08−100053号公報などに記載されているポリエステル樹脂は、本発明の色素を高濃度まで溶かすことができ好ましい。
【0020】
従って、本発明において、高濃度まで色素を溶解させる目的には、この樹脂を用いることが好適である。
【0021】
上記の樹脂は、一般式(4)から(9)で表される芳香族ジオールを少なくと10mol%以上共重合したポリエステル樹脂である。
【0022】
【化10】
【0023】
(R1は炭素数が2から4までのアルキレン基、R2、R3、R4、R5は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。)
【0024】
【化11】
【0025】
(R6は炭素数が1から4までのアルキレン基、R7、R8、R9、R10及びR11は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。kは1から4の自然数である。)
【0026】
【化12】
【0027】
(R12は炭素数が1から4までのアルキレン基、R13、R14、R15及びR16は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。)
【0028】
【化13】
【0029】
(R17及びR18は炭素数が1から4までのアルキレン基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。R19及びR20は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。l及びmは1から8の自然数である。)
【0030】
【化14】
【0031】
(R21は炭素数が1から4までのアルキレン基、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリ−ル基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。nはから5の自然数である。)
【0032】
【化15】
【0033】
(R28は炭素数が1から4までのアルキレン基、R29及びR30は炭素数が1から10までのアルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。R31、R32、R33及びR34は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、それぞれ同じでも異なっても良い。)
本発明のポリエステル重合体に供する一般式(4)で表される化合物としては例えば、9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−フルオレン、9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−フルオレン、9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−フルオレン、9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]−フルオレン、9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]−フルオレン、等が挙げられ、これらの中でも、9,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−フルオレンが光学特性、耐熱性、成形性のバランスが最も良く特に好ましい。
【0034】
本発明のポリエステル重合体に供する一般式(5)で表される化合物としては例えば、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]シクロヘキサン、及びこれらのシクロヘキサンの水素1〜4個を炭素数1から7のアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換したもの等が挙げられ、これらの中でも、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンが、好ましい。
【0035】
本発明のポリエステル重合体に供する一般式(6)で表される化合物としては例えば、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]−スルフォン、等が挙げらる。
【0036】
本発明のポリエステル重合体に供する一般式(7)で表される化合物としては例えば、トリシクロデカンジメチロール、トリシクロデカンジエチロール、トリシクロデカンジプロピロール、トリシクロデカンジブチロール、ジメチルトリシクロデカンジメチロール、ジエチルトリシクロデカンジメチロール、ジフェニルトリシクロデカンジメチロール、ジベンジルトリシクロデカンジメチロール、テトラメチルトリシクロデカンジメチロール、ヘキサメチルトリシクロデカンジメチロール、オクタメチルトリシクロデカンジメチロール、等が挙げられ、これらの中でも、トリシクロデカンジメチロールが好ましい。
【0037】
本発明のポリエステル重合体に供する一般式(8)で表されるジヒドロキシ化合物としては例えば、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル等、及びこれらの中心炭素に、炭素数1から7のアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換し、且つ、側鎖のフェニル基の水素1〜4個を炭素数1から7のアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換したもの等が挙げられ、これらの中でも、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−フェニルエタンが好ましい。
【0038】
本発明のポリエステル重合体に供する一般式(9)で表される化合物としては例えば、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3−メチルブタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘキサン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3−メチルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘプタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3−メチルヘキサン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−4−メチルヘキサン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−5−メチルヘキサン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3,3−ジメチルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3,4−ジメチルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−4,4−ジメチルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3−エチルペンタン、等が挙げられ、これらの中でも、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−4−メチルペンタンが、適度に大きな枝別かれした側鎖を有しており、有機溶媒への溶解性の向上の効果が大きく、耐熱性を損なうこともないので特に好ましい。また、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−プロパンは、耐熱性、機械強度に優れ、有機溶媒への溶解性も損なわないので特に好ましい。
【0039】
上記のジオール化合物は単独で用いても良いし、必要に応じて2種類以上を組み合せて用いても良い。
【0040】
本発明のポリエステル重合体に供するジカルボン酸としては、通常のポリエステル樹脂に用いられるジカルボン酸が挙げられるが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。高耐熱性が重要な場合には、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、成形性が重要な場合にはテレフタル酸が特に好ましい。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、必要に応じて2種類以上併用しても良い。
【0041】
本発明に用いるポリエステル重合体は、例えばエステル交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液重縮合法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択して製造できる。また、その際の重合触媒等の反応条件も従来通りで良く、公知の方法を用いることができる。
【0042】
本発明に用いるポリエステル重合体を溶融重合法のエステル交換法で製造するには、一般式(4)から(9)で表される化合物群のうち、少なくとも1種類以上の化合物を共重合成分として使用するが、使用するジヒドロキシ化合物の合計が、ジオールの10モル%以上、95モル%以下が特に好ましい。10モル%以上であると、有機溶媒への溶解性がより向上する。95モル%以下であれば、溶融重合反応が十分に進行し、自由自在に分子量を調節してポリエステル重合体を重合することができる。ただし95モル%より多くても、溶液重合法または界面重合法で重合することによって、重合時間を短縮することができる。
【0043】
樹脂と色素を溶解させる溶媒としては、沸点が実用的に好ましい例えば150度以下の有機溶剤ならば何れでも良い。この様な汎用的な溶剤としては、クロロルム、塩化メチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化合物、或いは、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサン等の非ハロゲン系有機溶剤が使われる。
【0044】
本発明の樹脂と色素を溶解させる方法としては、通常の撹拌やニーダーが用いられる。また、高濃度の溶液を調製する場合は、バタフライミキサーやプラネタリーミキサーを用いれば良いが、無論これに限るものではない。
【0045】
上記の方法得られた溶液から本発明に用いるフィルムを作る場合は、キャストかコーティング法が好ましい。キャスト法とは、ガラス板か鏡面仕上げをした金属板の上に、溶液を注ぎ一定の隙間を持った棒で溶液をその表面上に延ばした後、乾燥し、適当な方法でフィルムを当該表面より剥離し、完成品を得る方法を指す。無論、この方法を機械化した、いわゆるキャスト機を用いてフィルムを作製しても良い。
【0046】
コーティング法とは、フィルム又はパネルの上に本発明の溶液を塗布、乾燥の後に、フィルム層を形成せしめる方法一般のこである。例えば透明または他の機能を付与したフィルムの上にコーティングする場合は、通常のコーティング機が使用できる。この機械は、分速数メートルから数十メートルの早さで動いているフィルム上に、T型ダイから一定速度で押し出した本発明の溶液を押し出し、次の乾燥ゾーンで溶媒を除去し、フィルムを巻き取る一連の工程を行うものである。
【0047】
また、本発明の近赤外線吸収パネルの吸収層として、溶融押し出し法用いる場合は、フィルム成形が容易で安価に製造できる有利点がある。この場合は樹脂と色素をフィダーから1軸または2軸の混練機に投入し、所定の温度、通常は300℃近い温度で溶融混練し、T型ダイから押し出してフィルムを成型する方法が一般的であるが、無論これに限るものではない。
【0048】
更に、本発明の近赤外線吸収パネルの吸収層として重合、固化により作製されたフィルムを用いても良い。この場合には、モノマーとして、スチレンやブタジエン、イソプレン、メタアクリル酸メチル等の良く知られたビニル結合を有する化合物を用いる事ができる。色素は予めこれらモノマー及び開始剤と混練して均一な溶液を作成し、ガラス板等でできた型に流し込み、温度を上げるか、又は紫外線を照射することにより反応を開始する。
【0049】
すなわち、本発明の近赤外線吸収パネルの吸収層としては、例えば耐熱性の低い色素を使用する場合にはキャスト法によって成膜したフィルムを用いれば良く、分散性の悪い色素を使用する場合には重合、固化により作製されたフィルムを用いれば良く、それ以外の色素を使用する場合には溶融押し出し法により成膜したフィルムを用いれば良い。これらのフィルムを貼り合わせることにより、いかなる色素をも使用することができ、互いのフィルム層の色素濃度を調整することにより、全体としての色調を自由に制御できる。
【0050】
近赤外線吸収パネルに要求される特性として特に重要なものは、近赤外線、具体的には波長850nmから1200nmにおける光線の吸収性、可視領域、具体的には400nmから800nmにおける光線の透過性、および色調が挙げられる。
【0051】
これらの特性の中でも近赤外線の吸収性が最重要であるが、用途によっては他の二つの特性が非常に重要になる。例えば、映像出力装置から発生される近赤外線を吸収し、当該近赤外線領域で作動するリモコンの誤動作を防ぐ近赤外線吸収パネルとして用いる場合には、可視領域における透過性はもちろんのこと、特にこの映像出力装置がカラー仕様である場合には、色調が非常に重要である。すなわち、全色における色差を極めて小さくする必要があり、具体的にはグレー又はブラウンの色調を有さなければならない。この場合には複数の色素を巧妙に配合する必要がある。
【0052】
従来の方法では、透明高分子樹脂と近赤外吸収能のある色素を混練後、熱溶融押し成形したり、低分子中に色素を取り込み重合する方法により近赤外線吸収パネルを得ていたが、これらの方法では、色素としては熱分解しないものしか使用できず、選択幅が狭くなり、上述の特性を発現させることが極めて困難になる。
【0053】
一方、本発明の近赤外線吸収パネルは、キャスト法及びコーテング法により成膜したフィルムを使用でき、耐熱性の低い色素も使用できるため、色素の選択幅が広いという点で効果的である。
【0054】
本発明の近赤外線吸収パネルの吸収層に用いる色素としては、近赤外領域に吸収を有する色素であるならばいずれでもよく、ポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属錯塩系、ナフトキノン、アントロキノン、トリフェニルメタン系、アミニウム(あるいはアルミニウム)系、ジインモニウム系などが用いられる。
【0055】
この中でも一般式(1)で表される芳香族ジチオール系金属錯体
【0056】
【化16】
【0057】
(R 1 から は炭素数が1から4までのアルキ基、アリール基、アラルキル基、フッ素、水素を示し、Mは4配位の遷移金属)と、一般式(2)又は(3)で表される芳香族ジインモニウム化合物
【0058】
【化17】
【0059】
(R からR 12 は炭素数が1から10までのアルキル基、Xは1価のアニオン)
又は
【0060】
【化18】
【0061】
(R 1 からR 8は炭素数が1から10までのアルキル基、Xは1価のアニオン)及びフタロシアニン系の色素の3種類の内から少なくとも2種類以上を組み合わせることが本発明の1つの新規な特徴である。
【0062】
上記の芳香族ジチオール系金属錯体とは、ニッケルビス1、2ージフェニルー1、2ーエテエンジチオレート及びその二つの芳香環の水素を炭素数が1から4までのアルキ基、アリール基、アラルキル基、フッ素等の基で置換した化合物であり、例えば、化学式(10)及び(11)で表される化合物を使用する事ができるが、無論これに限るものではない。
【0063】
【化19】
【0064】
【化20】
【0065】
さらに、上述のイオン化化合物、例えば化学式(12)で表される化合物も使用する事ができるが、無論これに限るものではない。このような化合物の場合、本発明に使用されているカウンターイオンは化学式(12)に使用されているテトラブチルアンモニウムイオン以外の1価のカチオンであればどれでも良く、例えば文献〔機能性色素の開発と市場動向(シー・エム・シー出版)〕に記載されている様なカチオンであれば良い。
【0066】
【化21】
【0067】
また金属のニッケルに替えて4配位の遷移金属ならどれでも良く、例えば、チタン、バナ
ジウム、ジルコニウム、クロム、モリブデン、ルテニウム、オスニウム、コバルト、白金、パラジウムなどである。
【0068】
この色素は850から900ナノメータ(nm)までの吸収が強く、リモコン等に使用される近赤外線の波長の光を遮断し、リモコン誤動作の防止に効果的である。この色素は、下に詳しく説明するいわゆる低放射ガラス、ITO、IXOタイプの電磁波吸収層と重ね合わせて多層パネルを形成したときに、より効果的に近赤外線の遮断をする。
【0069】
一般式(2)又は(3)
【0070】
【化22】
【0071】
(R からR 12 は炭素数が1から10までのアルキル基、Xは1価のアニオン)又は
【0072】
【化23】
【0073】
(R 13 からR は炭素数が1から10までのアルキル基、Xは1価のアニオン)で表される芳香族ジインモニウム化合物とは、例えば、化学式(13)から(17)で表される化合物を使用する事ができるが、無論これに限るものではない。1価のアニオンとして化学式の六フッ化アンチモン以外に、例えば、六フッ化リン、四フッ化ホウ素、過塩素酸イオンなどが好ましく用いられる。
【0074】
【化24】
【0075】
【化25】
【0076】
【化26】
【0077】
【化27】
【0078】
【化28】
【0079】
この色素は1000nm前後の吸収が強く、リモコン等に使用される近赤外線の波長の光以外に、将来使用が見込まれるコンピュター通信の波長の光をも遮断し、この誤動作の防止に効果的である。この色素は、下に詳しく説明するメッシュやエッチングタイプの電磁波吸収層と重ね合わせて多層パネルを形成したときに、より効果的である。
【0080】
上述の2種類の色素(芳香族ジチオール系金属錯体と芳香族ジインモニウム化合物)が特に効果的である。さらに、これらの色素が可視光線領域に吸収を有している場合には、色調補正用色素を用いて色調を調節する事も可能である。このような色調補正用色素としてはフタロシアニン系の色素が効果的である。本発明におけるフタロシアニン系色素としては、例えば、文献〔機能性色素の開発と市場動向(シーエムシー)〕に記載されている様な色素であればいずれでも良い。
【0081】
上述の近赤外線吸収能のある芳香族ジインモニウム化合物系の色素は一般的に熱に弱い。このため、溶融押し出しや重合、固化では熱分解を起こしてしまい、近赤外線における吸収性が悪くなる。したがって、この色素を吸収層に使用する場合には、キャスト法にてフィルム成膜することが特に好ましい。
【0082】
本発明の近赤外線吸収パネルを作製するにあたり、予め成形した板又はフィルムを適当な方法にて張り合わせる必要がある。これには透明で接着力の高い高分子系接着剤が好ましく用いられる。この様な高分子系接着剤としては例えば2液のエポキシ系の接着剤や、不飽和ポリエステル、ウレタン系の接着剤、フェノール樹脂系の接着剤、ビニル樹脂やアクリル酸系の接着剤が挙げられる。
【0083】
本発明の近赤外線吸収パネルにおいて、多層フィルム又は多層板中、特定の機能を付与した層としては、上述した近赤外線吸収能を有する層のみを使用する場合もあるが、当該層以外に、電磁波吸収層、反射防止層、形状保持層等の他の特定の機能を付与した層を併用した多層フィルム又は多層板として使用するのが好ましい。
【0084】
電磁波吸収層は透明な導電性フィルムで通常はポリエステルフィルムやガラス板、アクリルやポリカーボネイトの板に金属、金属酸化物、金属塩等の薄膜を蒸着した材料が好ましく用いられる。
【0085】
導電性フィルムの面抵抗が低いほど、電磁波の吸収能は高いが、逆に蒸着層が厚くなり光線透過率は低下する。反射防止層は表面反射を防ぎ、光線透過率を上げると同時に「ギラツキ」を防止する。
【0086】
本発明においては、ポリエステルフィルムやガラス板、アクリルやポリカーボネイトの板に蒸着処理した材料が、電磁波吸収層として好ましく用いられるが、無論これに限るものではない。スクリーン印刷等で導電性の塗料をメッシュ状に印刷したものを電磁波吸収層として共することも可能である。
【0087】
また、反射防止層を兼ねた単一の蒸着フィルムを用いる事も出来るが、この場合は該層が最外層となる。形状保持層の機能は、近赤外線吸能を有する層の機械強度が低く形状維持が困難な場合に、パネル全体の形状を維持することである。さらに、パネル全体の耐熱性や表面の対磨耗性を上げる機能もある。
【0088】
形状保持層に好ましく用いられる材料としては、透明な樹脂又はガラスであればいずれでも良く、通常、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステルが好ましく用いられる。特にポリカーボネトは耐熱性の向上の観点より、ポリメチルメタクリレートは透明性と耐磨耗性の観点より好ましく用いられる。
【0089】
また、強度や耐熱性が求められる場合には、ガラスが好ましい。
【0090】
上述した電磁波シールドの透明導電性層としては、ガラスに透明誘電体/金属薄膜/透明誘電体の3層以上を蒸着したいわゆる熱線反射ガラスを用いることができる。このガラスは、建築物の外装材や窓ガラス、自動車の窓ガラス、航空機のガラスに広く使用されている。
【0091】
これに使用される透明誘電体としては、酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化ハフニウム、酸化ビスマス等が好ましく用いられる。また、金属薄膜としては、金、白金、銀、銅、が好ましく用いられる。
【0092】
さらに、金属薄膜との替わりに、窒化チタン、窒化ジルコニア、窒化ハフニウムが好ましく用いられる。
【0093】
電磁波シールドの透明導電性層としては、さらに、透明酸化導電皮膜をコーティングしたものも用いることができる。この様な酸化物としては、フッ素をドープした酸化錫、スズをドープした3酸化2インジウム、アルミニウムをドープした酸化亜鉛等が好ましく用いられる。
【0094】
電磁波シールドの透明導電性層に上述した蒸着層を使用する場合は、それに対応した近
赤外線吸収フィルムを使用する必要がある。例えば、熱線反射ガラスでは1200ナノメーターを越す波長での吸収があるため、色素はそれ以外の波長での吸収を受け持つことになる。無論、熱線反射ガラスの材質によって吸収特性が異なるため、色素の組み合わせや濃度を制御して相手に合わせる必要がある。
【0095】
これには、上述した本発明の色素の内、芳香族ジチオール系金属錯体、好ましくは、芳香族ジチオール系ニッケル錯体、最も好ましくは、ニッケルビス1、2ージフェニルー1、2ーエテエンジチオレート、若しくは、ニッケル ビス1、2ージフェニルー1、2ーエテエンジチオレートのベンゼン環の水素をフッ素かメチル基に置き換えたものが使用される。
【0096】
さらに、色調を整えるためにフタロシアニン系の色素を添加しても良い。
【0097】
上述の電磁波シールドの導電層に近赤外線反射特性がある場合、透明な高分子樹脂に対してジチオール金属錯体をa重量%、フタロシアニン系色素をb重量%、ジイモニウム系色素をc 重量%、アミニウム系色素をd重量%、配合したとする。
【0098】
この場合本発明の色素が有効に作用する範囲は、0.1≦a≦5.0、0.01≦b≦2.0、0.1≦c≦3.0、0.01≦d≦1.0、好ましくは0.5≦a≦2.5、0.01≦b≦2.0、0.2≦c≦1.0、0.1≦d≦0.5である。つまり0.81≦a+b+c+d≦6.0で配合することが好適である。
【0099】
それらをキャスト法、コーティング法、溶融押し出し法、モノマーに配合してからの重合法等で成膜する。a+b+c+d<0.81で配合し、成膜した場合、可視光透過性は高いが、近赤外線吸収性が低く近赤外線遮断フィルターとしての効果がなく好ましくない。a+b+c+d>6.0で配合し、成膜した場合、近赤外線吸収性は高いが可視光透過性が低くなり光学フィルターとして使用することが出来ない。
【0100】
これらの事について実際に、好ましい例を実施例24で、好ましくない例を比較例1で以降提示した。
【0101】
電磁波シールドの透明導電性層に上述した、メッシュタイプを用いる場合は、メッシュに近赤外の吸収が無いために、目的とする波長の吸収は全て色素で行わなくてはならない。
【0102】
また、電磁波シールドを兼ね備えない場合も同様である。この様な色素としては、芳香族ジインモニウム化合物と芳香族ジチオール系金属錯体の混合物が好ましく用いられる。
【0103】
芳香族ジチオール系金属錯体は上述した通り、芳香族ジチオール系ニッケル錯体、最も好ましくは、ニッケルビス1、2ージフェニルー1、2ーエテエンジチオレート、若しくは、ニッケル ビス1、2ージフェニルー1、2ーエテエンジチオレートのベンゼン環の水素をフッ素かメチル基に置き換えたものが使用される。
【0104】
また、芳香族ジインモニウム化合物としては、カウンターアニオンが、6フッ化アンチモン若しくは、6フッ化砒素、パークロライド、4フッ化ホウ素が好ましい。さらに、色調を整えるためにフタロシアニン系の色素を添加しても良い。
【0105】
電磁波シールドの導電層に近赤外線反射特性がない場合、透明な高分子樹脂に対して上記同様、ジチオール金属錯体をa重量%、フタロシアニン系色素をb重量%、ジイモニウム系色素をc重量%、アミニウム系色素をd重量%、配合したとする。
【0106】
本発明で好ましく使用する範囲は、0.1≦a≦3.0、0.01≦b≦2.0、0.1≦c≦5.0、さらに好ましくは0.5≦a≦2.0、0.1≦b≦1.0、1.0≦c≦3.0である。つまり1.6≦a+b+c≦6.0で配合することが好適である。それらをキャスト法、コーティング法、溶融押し出し法、モノマーに配合してからの重合法等で成膜する。
【0107】
上記の範囲外、a+b+c<1.6で配合し、成膜した場合、可視光透過性は高いが、近赤外線吸収性が低く近赤外線遮断フィルターとしての効果がなく好ましくない。a+b+c>6.0で配合し、成膜した場合、近赤外線吸収性は高いが可視光透過性が低くなり光学フィルターとして使用することが出来ない。
【0108】
これらの事について実際に、好ましい例を実施例25で、好ましくない例を比較例3で以降提示した。
【0109】
次に、本発明の実施形態を図1にて具体的に説明する。
【0110】
図1の、1は反射防止層、2はポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の透明樹脂、又はガラスからなる形質保持層、3は電磁波遮断層および近赤外線遮断層を兼ねた透明導電層であり、ポリエステルのフィルムに蒸着したものか、直接にガラスの上に蒸着したものである。
【0111】
4は耐熱性の悪い色素や分散性の悪い色素をコーティング法やキャスト法にて成膜された近赤外線吸収層、5は溶融押し出し法及びモノマーからの重合固化で作製された近赤外線吸収と形状保持を兼ね備えた層である。
【0112】
この様に各性質を有する層からなる多層構造を構成し、以下に示す様な組み合わせが代表的な例として上げられるが、特にそれらに限定されるものでも無く、近赤外線吸収層を必ず含む事以外は任意に組み合わせる事ができる。
【0113】
図1のAは、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ガラス等の形状保持層2に、反射防止層1を貼り付け、もう一方の面に透明導電層3と、コーティング法やキャスト法によって成膜された近赤外線吸収層4を積層して貼り付けて積層した場合の、本発明の実施形態を示す。
【0114】
図1のBは、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ガラス等の形状保持層2の片面に反射防止層1を貼り付け、もう一方の面に透明導電層3と、コーティング法やキャスト法によって成膜された近赤外線吸収層4を積層して貼り付け、さらにポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ガラス等の形状保持層2を貼り付けて積層した場合の、本発明の実施形態を示す。
【0115】
図1のCは、反射防止層1と、透明導電層3と、溶融押し出し法及びモノマーからの重合固化で作製された近赤外線吸収と形状保持を兼ね備えたパネル5を貼り付けて積層した場合の、本発明の実施形態を示す。
【0116】
本発明の有効性と新規性は実施例にて具体的に説明する。
【0117】
【実施例】
実施例における、近赤外線吸収性、可視領域透過率、および色調は次に示す方法によって評価した。
【0118】
(1)近赤外線吸収性
分光光度計(日本分光社製best−570)にて、実施例で製造したパネルについて波長900nm〜1200nmにおける光線透過率の平均値T%を測定し、近赤外線遮断率(%)=100−Tを求め、評価した。
【0119】
(2)可視領域透過性
(1)と同じ分光光度計にて、波長450nm〜700nmにおける平均光線透過率Tv%を測定し、これを可視光透過率とした。
【0120】
実施例1
テレフタル酸ジメチル(DMT)0.4mol、エチレングリコール(EG)0.88mol、ビス9,9−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(BPEF)0.28molを原料として通常の溶融重合でフルオレン系共重合ポリエステル(DMT:BPEF=3:7mol)を得た。そのフルオレン系共重合ポリエステルは極限粘度[η]=0.42、分子量Mw=45000、ガラス転移温度Tg=140度であった。
【0121】
ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを既知の合成法(HarryB.Gray,et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.88,p.43−50,p4870−4875,1966)で得た後、99%以上に再結晶により精製した。
【0122】
得られたフルオレン系共重合ポリエステル及び、それに対して0. 038重量%のニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート、0. 005重量%のフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー801K)、0. 005重量%のフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー802K)を塩化メチレンに分散、溶解し、キャスト法によって製膜した厚さ150μmのフィルムを得た。
【0123】
実施例2
実施例1で得られたフィルムを、厚さ1mmのポリメチルメタクリレート基板でエポキシ系接着剤を用いて両面から挟み込み、更にその片面に近赤外線吸収能を兼ねた電磁波吸収能のある銀錯体〔ITO/銀+白金/ITO、これはITO(インジウム錫酸化物)の間に銀+白金を挟んだ構成を示す。〕を透明ポリエステル上に蒸着して得た厚さ100μmのフィルムを貼りつけ、図1のAの形態の近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの分光スペクトルを図2に示す。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は70%であり、良好であった。
【0124】
実施例3
キャスト用のポリマーをトリアセチルセルロース(ダイセル化学製LT−35)を使用した以外は実施例1と同様にして図1のAの形態の近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は70%であり、良好であった。
【0125】
実施例4
ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0. 005重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー801K)0.001重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー802K)0. 001重量%をポリメチルメタクリレートに分散し、溶融押し出し法により厚さ2mmのフィルムを得た。
【0126】
得られたフィルムと、銀錯体(ITO/銀+白金/ITO)を透明ポリエステル上に蒸着して得た近赤外線吸収能を兼ねた電磁波吸収能のあるフィルム(厚さ100μm)を、互いの片面に貼り合わせ、図1のCの形態の近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は65%であり、良好であった。
【0127】
実施例5
ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0. 005重量%と化16のアミニウム系色素0. 02重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー801K)0. 01重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー802K)0. 01重量%をポリメチルメタクリレートに分散し、溶融押し出し法により厚さ2mmのフィルムを得た。
【0128】
得られたフィルムと、銀錯体(ITO/銀+白金/ITO)を透明ポリエステル上に蒸着して得た電磁波吸収効果のあるフィルム(厚さ100μm)とを、形状保持層に貼り付け、図1のAの形態の近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は64%であり、良好であった。
【0129】
実施例6
化学式(13)のジインモニウム系色素0. 005重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)0. 001重量%とをポリメチルメタクリレートに分散し、溶融押し出し法により厚さ2mmのフィルムを得た。
【0130】
得られたフィルムと、銀錯体(金+銀/ITO、これはITOと銀+白金の構成を示す。)を透明ポリエステルフィルム上に蒸着して得た電磁波遮効果のあるフィルム(厚さ100μm)とを、形状保持層に貼りつけ、図1のCの形態の近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は65%であり、良好であった。
【0131】
実施例7
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.1重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.05重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.03重量%をクロロホルムに混合し常温で乾燥した後、70度で乾燥させて厚さ150μmのフィルムを得た。
【0132】
ポリエステルフィルム上に銀錯体(金+銀/ITO)を蒸着して得た電磁波遮効果のある厚さ200μmのフィルムと、「ギラツキ」防止膜および反射防止膜と、得られた近赤外線吸収フィルムを厚さ3mmのアクリル板に貼り付け、図1のAの形態の近赤外吸収パネルを作製し、特性を評価した。この近赤外線吸収パネルの分光スペクトルを図3に示す。このパネルの近赤外線遮率は95%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0133】
実施例8
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.1重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.05重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.05重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は95%、可視光透過率は62%であり、良好であった。
【0134】
実施例9
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.15重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.05重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.03重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視透過率は60%であり、良好であった。
【0135】
実施例10
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.15重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.05重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視透過率は60%であり、良好であった。
【0136】
実施例11
トリアセチルセルロースに対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.1重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.05重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.03重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視透過率は63%であり、良好であった。
【0137】
実施例12
トリアセチルセルロースに対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.1重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.05重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.05重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視透過率は60%であり、良好であった。
【0138】
実施例13
トリアセチルセルロースに対して化学式(13)のジインモニウム系化合物色素を0.15重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.05重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.03重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視透過率は63%であり、良好であった。
【0139】
実施例14
トリアセチルセルロースに対して化学式13のジインモニウム系化合物色素を0.15重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.05重量%使用した以外は実施例7と同様にして近赤外線吸収パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は95%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0140】
実施例15
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系色素を0.225重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートを0.075重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)0.045重量%を分散させ、易接着性ポリエステルフィルム(ダイアホイル社製)上にコーティングし、乾燥した後、厚さ50μmのフィルムを得た。
【0141】
得られた厚さ50μmのフィルムと、ポリエステルフィルム上に銀錯体〔IDIXO(出光興産製)/銀/IDIXO、これはIDIXOの間に銀を挟んだ状態を示す〕を蒸着した電磁波遮蔽フィルム(厚さ50μm)と、反射防止フィルムと、形状保持基板である厚さ3mmのガラス基板を準備した。
【0142】
次に、形状保持基板の両面に電磁波遮蔽フィルムを電極取りができるように貼り付け、その一方に得られた近赤外吸収フィルムを貼り付け、最後に両面に反射防止フィルムを貼り付けた。
【0143】
こうして得た図1のAの形態をとる近赤外線吸収電磁波遮蔽パネルの特性を評価した。この近赤外線吸収電磁波遮蔽パネルの分光スペクトルを図4に示す。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0144】
実施例16
形状保持基板として厚さ3mmのポリメチルメタクリレート板を使用した以外は実施例15と同様にして近赤外線吸収電磁波遮蔽パネルを得た。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0145】
実施例17
形状保持基板として厚さ3mmのポリカーボネート板を使用した以外は実施例15と同様にして近赤外線吸収電磁波遮蔽パネルを得た、このパネルの近赤外線遮率は97%、可視透過率は60%であり、良好であった。
【0146】
実施例18
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対してニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0.2重量%とフタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)0.08重量%使用した以外は実施例15と同様にして近赤外線吸収電磁波遮蔽パネルを作製し、特性を評価した。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0147】
実施例19
近赤外線吸収フィルムの透明高分子樹脂としてブチラール樹脂(日本電化工業社製デンカブチラール6000E)、樹脂、色素分散用溶媒としてメチルエチルケトンを用いた以外は実施例14と同様にして近赤外線吸収電磁波遮蔽パネルを得た。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0148】
実施例20
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に化学式(13のジインモニウム系色素を0.45重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0.12重量%と、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)0.06重量%を分散させ、易接着性ポリエステルフィルム(東洋紡社製A4100)を基材としてコーティングし、乾燥した後、コート厚さ50μmの近赤外線吸収フィルターを得た。この近赤外線吸収フィルターの分光特性を図5に示す。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0149】
実施例21
樹脂としてトリアセチルセルロース、溶媒としてメチレンクロライド/メタノールの重量比9/1溶液を使用した以外は実施例20と同様にして近赤外線吸収フィルターを得た。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0150】
実施例22
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系色素をポリマーに対して0.40重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0.10重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)0.05重量%を使用した以外は実施例20と同様にして近赤外線吸収フィルターを得た。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0151】
実施例23
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対して化学式(13)のジインモニウム系色素を0.50重量%、ニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0.15重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)0.08重量%とを使用した以外は実施例20と同様にして近赤外線吸収フィルターを得た。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0152】
実施例24
実施例1で得られたフルオレン系ポリエステル共重合体に対してニッケル,ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレート0.6重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー801K)を0.1重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.1重量%配合し、塩化メチレンに分散した後、その溶液を易接着ポリエステルフィルム(東洋紡製A4100、厚さ0.125mm)上にコーティングした後、120度で乾燥させて厚さ0.01mmの近赤外線吸収層をもつフィルムを得た。
【0153】
得られた近赤外線吸収フィルムと近赤外線反射層を有する透明導電性ガラス(酸化亜鉛/銀/酸化亜鉛/銀/酸化亜鉛で1層あたりの銀膜厚:130オングストローム)を貼り合わせて図1のBの形態をとる近赤外線遮断パネルが得られた。
【0154】
その近赤外線遮断パネルの分光透過スペクトルを図6に示す。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は63%であり、良好であった。
【0155】
実施例25
実施例1の方法で得られたフルオレン系共重合ポリエステルに対してニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートをポリマーに対して1.0重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー801K)を0.2重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.3重量%、化学式(13)で表されるジインモニウム系色素(日本化薬製IRG022)を2.3重量%を配合し、塩化メチレンに分散した後、その溶液を易接着ポリエステルフィルム(東洋紡製A4100、厚さ0.125mm)上にコーティングした後、120度で乾燥させて厚さ0.01mmの近赤外線吸収層をもつフィルムを得た。
【0156】
得られた近赤外線吸収フィルムと近赤外線反射層を有する透明導電性フィルム(出光興産製IDIXO)を形状保持層である厚さ3mmのアクリルに貼り合わせて図1のAの形態をとる近赤外線遮断パネルが得られた。その近赤外線吸収パネルの分光スペクトルを図7に示す。このパネルの近赤外線遮率は97%、可視光透過率は60%であり、良好であった。
【0157】
比較例1
実施例1の方法で得られたフルオレン系共重合ポリエステルに対して、実施例1の方法で得られたニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートをポリマーに対して5.5重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を1.5重量%、塩化メチレンに分散した後、その溶液を易接着ポリエステルフィルム(東洋紡製A4100、厚さ0.125mm)上にコーティングした後、120度で乾燥させて厚さ0.01mmの近赤外線吸収層をもつフィルムを得た。その分光スペクトルを図8のGに示す。このパネルの近赤外線遮率は98%と高いが、可視光透過率は25%と低く、劣るものである。
【0158】
比較例2
実施例1の方法で得られたフルオレン系共重合ポリエステルに対して、実施例1の方法で得られたニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートをポリマーに対して0.05重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー801K)を0.01重量%フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.01重量%、塩化メチレンに分散した後、その溶液を易接着ポリエステルフィルム(東洋紡製A4100、厚さ0.125mm)上にコーティングした後、120度で乾燥させて厚さ0.01mmの近赤外線吸収層をもつフィルムを得た。その分光スペクトルを図8のHに示す。このパネルの可視光透過率は85%と高いが、近赤外線遮率は5%と低く、劣るものである。
【0159】
比較例3
実施例1の方法で得られたフルオレン系共重合ポリエステルに対して、実施例1の方法で得られたニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートをポリマーに対して2.0重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を1.5重量%、化学式(13)のジインモニウム系色素を4.0重量%を配合し塩化メチレンに分散した後、その溶液を易接着ポリエステルフィルム(東洋紡製A4100、厚さ0.125mm)上にコーティングした後、120度で乾燥させて厚さ0.01mmの近赤外線吸収層をもつフィルムを得た。その分光透過スペクトルを図8のIに示す。このパネルの近赤外線遮率は98%と高いが、可視光透過率は40%と低く、劣るものである。
【0160】
比較例4
実施例1の方法で得られたフルオレン系共重合ポリエステルに対して、実施例1の方法で得られたニッケル, ビス1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオレートをポリマーに対して0.05重量%、フタロシアニン系色素(日本触媒社製イーエクスカラー803K)を0.01重量%、化学式(13)のジインモニウム系色素を0.05重量%を配合し塩化メチレンに分散した後、その溶液を易接着ポリエステルフィルム(東洋紡製A4100、厚さ0.125mm)上にコーティングした後、120度で乾燥させて厚さ0.01mmの近赤外線吸収層をもつフィルムを得た。その分光透過スペクトルを図8のJに示す。このパネルの可視光透過率は82%と高いが、近赤外線遮率は0%と低く、劣るものである。
【0161】
以上の結果をまとめて表1に示す。
【0162】
【表1】
【0163】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、透明な高分子樹脂中に近赤外線吸収能を有する色素を分散させた吸収層を含む、単層或いは多層の近赤外線吸収フィルム又は多層板からなる近赤外線吸収パネルを得ることにより、プラズマディスプレイなどの映像出力装置または照明器具などから発生される近赤外線を吸収する事で近赤外線の進入を遮断し、当該近赤外線領域の光を通信に仕様するリモコン/赤外線通信ポートの誤動作を防ぎ、ひいては、これらの遠隔操作機器で制御する機器の誤動作を防ぐ事ができ、又キャッシュカード、IDカード等の偽造防止に利用することもできるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】近赤外線吸収フィルム又はパネルの構成の一例を示す図である。
【図2】実施例2の分光スペクトルである。
【図3】実施例7の分光スペクトルである。
【図4】実施例15の分光スペクトルである。
【図5】実施例20の分光スペクトルである。
【図6】実施例24の分光スペクトルである。
【図7】実施例25の分光スペクトルである。
【図8】比較例1から4の分光スペクトルである。
【符号の説明】
1 反射防止層
2 透明な樹脂又はガラスからなる形状保持層
3 電磁波吸収層および近赤外線吸収層を兼ねた蒸着層
4 キャスト法やコーティング法によって成膜された近赤外線吸収フィルム
5 溶融押し出し法、又は近赤外線吸収能を有する色素とモノマーを均一に混合した混合物を、重合又は固化することにより作されたフィルム又はパネル

Claims (2)

  1. 透明な高分子樹脂中に近赤外線吸収能を有する色素を分散させた吸収層を含む、多層板からなる近赤外線吸収パネルであって、
    吸収層は、近赤外線吸収能を有する色素と高分子樹脂と溶剤を均一に混合した溶液からキャスト法、又はコーティング法、何れかによって成膜されたフィルムであり、近赤外線吸収能を有する色素が、フタロシアニン系金属錯体と一般式(1)で表される芳香族ジチオール系金属錯体と、一般式(2)又は(3)で表される芳香族ジインモニウム化合物の少なくとも1種類以上の混合物であり、
    (RDからRDは炭素数が1から4までのアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素、水素を示し、Mは4配位の遷移金属)
    (RDからRD12は炭素数が1から10までのアルキル基。Xは1価のアニオンであり、イオン化化合物の中和を目的としたカウンターイオン。)
    (RD13からRD18は炭素数が1から10までのアルキル基。Xは1価のアニオンであり、イオンの中和を目的としたカウンターイオン。)
    近赤外線吸収能を有する色素と高分子樹脂と溶剤を均一に混合するにおいて、一般式(4)から(9)に表される芳香族ジオールのうち選択される1種類以上を少なくとも10mol%以上共重合したポリエステル樹脂を用いるものであり、
    (R1は炭素数が2から4までのアルキレン基、R2、R3、R4、R5は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。)
    (R6は炭素数が1から4までのアルキレン基、R7、R8、R9、R10及びR11は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。kは1から4の自然数である。)
    (R12は炭素数が1から4までのアルキレン基、R13、R14、R15及びR16は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。)
    (R17及びR18は炭素数が1から4までのアルキレン基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。R19及びR20は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。l及びmは1から8の自然数である。)
    (R21は炭素数が1から4までのアルキレン基、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリ−ル基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。nは0から5の自然数である。)
    (R28は炭素数が1から4までのアルキレン基、R29及びR30は炭素数が1から10までのアルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。R31、R32、R33及びR34は水素または炭素数が1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、それぞれ同じでも異なっても良い。)
    そのフィルム(吸収層)と、電磁波吸収層、反射防止層、形状保持層のうちの少なくとも1層を有する事を特徴とする多層板からなる映像出力装置用近赤外線吸収パネル。
  2. 請求項1に記載の多層板からなる映像出力装置用近赤外線吸収パネルを用いた映像出力装置。
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