JP2006184892A - 近赤外線吸収フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外線吸収層を有し、近赤外線を選択的に吸収し得る近赤外線吸収フィルムであって、フィルム長手方向における色調の変動が小さく、且つ近赤外線吸収層の外観が優れている近赤外線吸収フィルムを提供する。
【解決手段】長尺の近赤外線吸収フィルムであって、該フィルムは、近赤外線吸収色素、樹脂、および界面活性剤を含有する近赤外線吸収層と、透明基材を構成要素に含むものであり、且つ所定の測定箇所毎に測定した色調から算出される色差Δの最大値が2.0以下であることを特徴とする近赤外線吸収フィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイ用フィルターに好適な近赤外線吸収フィルムに関するものである。
近赤外線の吸収能を有する近赤外線吸収フィルムは、近赤外線を遮断し、可視光を通過させる性質を有しており、各種の用途に使用されている。
近年、薄型大画面ディスプレイとして注目されているプラズマディスプレイは、プラズマディスプレイから放出される近赤外線により、近赤外線リモコンを使用する電子機器が誤動作を起こす問題がある。そこで、プラズマディスプレイ前面に近赤外線吸収フィルムを構成要素とする近赤外線吸収フィルターを配し、該ディスプレイから放出される近赤外線を吸収することで、上記の問題の解決を図ることが行われている。
近赤外線吸収能を有するフィルターとしては、(1)鱗酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有させたフィルター;(2)屈折率の異なる層を積層し、入射光を干渉させることで特定の波長のみの光を透過させる干渉フィルター;(3)アクリル系共重合体に銅イオンを含有させたアクリル系樹脂フィルター;(4)樹脂に色素を分散または溶解させた層を基材上に積層させたフィルター;などが提案されている。
これらの中でも、上記(4)のフィルターは、加工性、生産性が良好で、光学設計の自由度も比較的大きいことから、多くの提案がなされている(例えば、特許文献1〜9)。
また、近年はプラズマディスプレイも大画面化の傾向にあるが、こうした大画面ディスプレイに適用した際に、光線透過率や色斑が少なくなるようなものとして、フィルム長手方向における特定波長の光線透過率の変動が少ない波長制御フィルムが提案されている(例えば、特許文献10)。この方法は、光線吸収層をフィルムに塗布後、乾燥または冷却前に特定波長のレーザー光を照射し、その透過強度の変動が小さくなるようにマイクログラビアの回転数を制御することにより塗布量を均一にし、プラズマディスプレイなどの大画面に貼り付けた際に、画面内の光線透過率や色斑を少なくするというものである。
ところで、近年のプラズマディスプレイの高輝度化、精細化による高画質化の要求に対しては、上記の基本特性のみならず、画面全体にわたって色調の変動が小さいことはもちろんのこと、製品間の色調の変動も極力小さいこと、並びに近赤外線吸収層の外観が優れていることも重要になっている。
しかしながら、上記の特許文献1〜9に記載の技術では、特に長尺の近赤外線吸収フィルムに対して、色調の変動や外観を改善する方法に関しては記載も示唆もされていない。また、特許文献10に記載の方法では、フィルム長手方向の色調の変動をある程度制御することはできるが、マイクログラビアの回転数による塗工量の制御だけでは長尺の近赤外線吸収フィルムに対して色調の変動を高度に低減することは困難であり、さらに外観に関しては満足のいくものではなかった。
特開2002−82219号公報 特開2002−138203号公報 特開2002−214427号公報 特開2002−264278号公報 特開2002−303720号公報 特開2002−333517号公報 特開2003−82302号公報 特開2003−96040号公報 特開2003−114323号公報 特開2002−341132号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、近赤外線吸収層を有し、近赤外線を選択的に吸収し得る近赤外線吸収フィルムであって、フィルム長手方向における色調の変動が小さく、且つ近赤外線吸収層の外観が優れている近赤外線吸収フィルムを提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の近赤外線吸収フィルムは、長尺のフィルムであって、該フィルムは、近赤外線吸収色素、樹脂、および界面活性剤を含有する近赤外線吸収層と、透明基材を構成要素に含むものであり、且つ下記測定法(A)により求められる色差Δの最大値が2.0以下であるところに要旨を有するものである。
(A)上記フィルムの色調測定を行うに当たり、該フィルムの長手方向について、フィルム物性が安定している定常領域の一端を第1端部、他端を第2端部としたとき、第1端部の内側2m以内で1番目の測定を、また、第2端部の内側2m以内で最終の測定を行うと共に、1番目の測定箇所から10m毎に測定を行い、各測定箇所において下記式(1)で定義される色差ΔEを算出する。
ΔE=[(L−L+(a−a+(b−b1/2 (1)
ここで、L、a、bは、各測定箇所における色調L、a、bを意味し、L、a、bは、全測定箇所における色調L、a、bの平均値を意味する。
上記近赤外線吸収フィルムとしては、上記近赤外線吸収色素として、ジインモニウム塩化合物を含むものが好ましい。また、上記近赤外線吸収フィルムは、長さが100m以上、幅が0.5m以上であることが推奨される。
また、近赤外線吸収色素、樹脂、界面活性剤、および有機溶剤を含む塗布液を、透明基材上に連続的に塗布、乾燥して近赤外線吸収層を形成する近赤外線吸収フィルムの製造方法であって、
上記塗布液を塗布し、乾燥した後に、オンラインで色調および/または特定波長の光線透過率を測定し、該測定結果に応じて塗布液の塗工条件および/または乾燥条件を調整することにより、上記測定法(A)により求められる色差Δの最大値を2.0以下に制御することを特徴とする近赤外線吸収フィルムの製造方法も本発明に包含される。
上記本発明法においては、上記塗布液の塗布を、グラビアロールを有するグラビアコート装置で行い、フィルムの走行速度F(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の速度比G/Fを、0.8〜1.2とすることが好ましい。なお、上記グラビアコート装置としては、リバース回転するグラビアロールによって液供給パンから塗布液をかき上げ、ドクターブレードによって余分な塗布液をかき落とす機構を有してなり、且つドクターブレードの少なくともグラビアロールと接する部分は、セラミックス製またはニッケル製である装置を用いることが推奨される。
また、上記本発明法においては、上記塗布液を塗布した後の乾燥工程が、下記の第1乾燥工程、第2乾燥工程、および冷却工程からなることが推奨される。
第1乾燥工程:温度が20〜80℃、風速が2〜30m/秒の風によって乾燥する;第2乾燥工程:温度が120〜180℃の風で、5〜180秒乾燥する;冷却工程:温度が、近赤外線吸収層を構成する樹脂のガラス転移温度以下の風によって冷却する。
さらに、上記本発明の近赤外線吸収フィルムを巻き取ってなる近赤外線吸収フィルムロール、および該フィルムを構成要素に含む近赤外線吸収フィルターも、本発明に含まれる。
なお、本明細書において、「フィルム」は、所謂シートも含む概念である。
本発明の近赤外線吸収フィルムは、フィルター部材としてプラズマディプレイの前面に設置した場合、従来の近赤外線吸収フィルムと同様に、ディスプレイから放出される不要な近赤外線を吸収して近赤外線リモコンを用いる電子機器の誤動作を防ぐことができるだけでなく、長尺のフィルムの長手方向における色調の変動が小さいために、製造されるプラズマディスレイの機台による色調の差を小さくすることができ、さらに近赤外線吸収層の外観が良好で、光学的な欠点が極めて少ないため、プラズマディスプレイの高画質化に寄与し得る。
また、本発明の製造方法によれば、上記の如き近赤外線吸収フィルムを良好に製造し得る。
以下、本発明の近赤外線吸収フィルムについて詳細に説明する。
<色差Δ>
本発明の近赤外線吸収フィルムは、長尺のフィルムであり、上記測定法(A)により求められる色差Δの最大値が2.0以下であるところに最大の特徴を有している。色差Δは、下記の測定法により求められる。
まず、フィルムの色調測定を行う。色調測定は、フィルムの長手方向について、フィルム物性が安定している定常領域で行うこととし、該定常領域の一端を第1端部、他端を第2端部としたときに、第1端部の内側2m以内で1番目の測定を、また、第2端部の内側2m以内で最終の測定を行うと共に、1番目の測定箇所から10m毎に測定を行う。
なお、色調測定をフィルムの定常領域で測定するのは、本発明のフィルムは、後述するように透明基材上に近赤外線吸収層を形成するための塗布液を塗布し、乾燥させる工程を経て製造されるものであるが、かかる塗布液の塗布工程や乾燥工程での操業が安定するまでは、フィルム物性が変動することがある。本発明は、上記塗布工程や乾燥工程での操業が不安定な時に得られるフィルムの色差Δの均一化を図ることを技術思想とするものではなく、これらの工程での操業が安定し、製造が定常状態に入ったときに得られる物性の安定したフィルムにおいて、従来よりも高度に色差Δの均一化を図るものである。
なお、フィルム物性が安定した定常領域(製造が定常状態に入ったときに得られるフィルム部分)の数は、通常、一つのフィルム中、一箇所(フィルム全長に亘って一箇所の場合を含む)だけである。しかし、製造状況によっては複数箇所に存在することもあり得るので、この場合、色調測定は、定常領域でのみ行えばよい。また、上記定常領域は、例えば、色差Δの値で評価できる。すなわち、色差Δが2以下で安定しているところを定常領域と見ればよい。
色調の測定は、色差計(日本電色工業社製「ZE−2000」など)を用い、標準光をD65光源とし、視野角を10度として、近赤外線吸収層側に光を照射して行い、Lab表示系のL値、a値、b値を求める。色調の測定は、フィルムを巻き取ってフィルムロールとし、該フィルムロールからフィルムを引き出し、別のロールに巻き取りつつ測定するオンライン測定法によってもよく、上記各測定箇所において測定サンプルを切り出し、これらのサンプルについて色調を測定する方法を採用してもよい。
なお、各測定箇所におけるフィルムの測定部位としては、フィルムの幅方向の位置を合わせることが好ましい。例えば、1番目の測定箇所において、フィルム幅方向の中央部で色調測定を行った場合には、2番目以降の測定箇所においても、フィルム幅方向の中央部で色調測定を行う、という意味である。本発明のフィルムは、長手方向での色調の変動を抑制したものであるが、フィルム幅方向については、色調に若干の変動が生じる場合もあるため、フィルム幅方向における色調の測定部位を合わせておかないと、長手方向の色調の変動が正しく評価できないことがあるからである。
L値は明度を示す尺度であり、数値が大きいほど黒ずみが少なく、明度が高いことを意味している。a値は赤味を示す尺度であり、数値が大きいほど赤味が強く、マイナス側に数値が大きくなるほど緑味が強くなる。b値は黄味を示す尺度であり、数値が大きいほど黄味が強く、マイナス側に数値が大きくなるほど青味が強くなる。
各測定箇所において、L値、a値、b値を求め、上記式(1)によって各測定箇所の色差Δを算出する。このようにして求められる各測定箇所での色差Δのうち、最大の値を示すものが2.0以下でなければならない。
色差Δの最大値が上記上限値を超えるフィルムでは、フィルム長手方向での色調の変動が大きく、該フィルムから得られる多数のプラズマディスプレイ用フィルターにおいて、製品間(フィルター間)の色調が異なることとなり、品質の安定したプラズマディスプレイ用フィルターの提供が困難となる。色差Δの最大値は、1.0以下であることがより好ましく、0.5以下であることが更に好ましい。
フィルムの色調としては、例えば、上記a値は−10.0以上+10.0以下、上記b値は−10.0以上+10.0以下であることが好ましい。a値およびb値がこのような範囲内であれば、プラズマディスプレイ用フィルターに用いた場合でも、ナチュラルな色となる。このような色調の調整は、近赤外線吸収色素の種類、近赤外線吸収色素の、近赤外線吸収層の平面視での単位面積当たりの濃度、さらには、他の色素の混合により達成できる。なお、本発明のフィルムは、後述するように、その前面および/または裏面に、他の光学フィルムや粘着層などを設けるなどして、プラズマディスプレイ用フィルターとされることがあるが、こうした層などが設けられる場合には、これらも含めてナチュラルな色となるように、色調の調整を行うことが望ましい。
L値は高いほど好ましい。L値を高くするほど、プラズマディスプレイ用フィルターとしたときに明るいプラズマディスプレイを提供できる。L値は、80以上であることが好ましく、85以上であることがより好ましい。
また、本発明のフィルムでは、フィルム幅方向(フィルム長手方向に直交する方向)において、下記測定法(B)により求められる色差Δの最大値が1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。
(B)フィルムの定常領域において色調測定を行うに当たり、該フィルムの一端を第I端部、他端を第II端部としたとき、第I端部から内側0.1m以内の箇所で1番目の測定を、第II端部から内側0.1m以内の箇所で最終の測定を行うと共に、1番目の測定箇所から最終の測定箇所の間で、略等間隔に3箇所測定を行い、これら5箇所の測定箇所において、上記式(1)で定義される色差Δを算出する。
長手方向の色調の変動が抑えられていると共に、幅方向の色差Δが上記上限値以下のフィルムであれば、該フィルムから得られる多数のプラズマディスプレイ用フィルターにおいて、製品間(フィルター間)での色調斑が抑えられていることに加えて、個々の製品で見ても、色調斑が高度に抑えられており、より高品質のプラズマディスプレイ用フィルターの提供が可能となる。すなわち、フィルム幅方向の色差Δが上記上限値を超えるフィルムでは、プラズマディスプレイ用フィルターとした場合に、ディスプレイ画面の色斑の原因となる場合がある。
このような色調の変動が抑制された(すなわち、フィルム長手方向、さらにはフィルム幅方向の色差Δの最大値が上記上限値以下に制御された)近赤外線吸収フィルムは、下記の各構成および製造方法を採用することにより、得ることができる。
<透明基材>
透明基材としては、高い透明性が確保できる点や、コスト、取り扱い性の容易さの点から、プラスチックフィルムが好ましい。具体的には、ポリエステル系、アクリル系、セルロース系、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレンや、その他の共重合タイプのもの)、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート、フェノール系、ウレタン系、の各種樹脂フィルムなどが挙げられる。中でも、耐熱性、柔軟性のバランスが良好である点でポリエステル系フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
透明基材の「透明」とは、全光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上であることを意味している。また、透明基材のヘーズは、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。透明基材の透明性が劣る場合には、ディスプレイの輝度を低下させる他、画像のシャープさが不良となる。なお、上記全光線透過率およびヘーズは、JIS K 7136に規定の方法により測定される値である。
ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールについてエステル化反応あるいはエステル交換反応を行い、ついで重縮合反応させて得られる物が挙げられ、通常はポリマーチップの形態で供給される。上記ポリエステル系フィルムとしては、このポリマーチップを溶融し、Tダイからシート状に押出して未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムの少なくとも一軸方向(好ましくは二軸方向)に延伸し、次いで熱固定処理、緩和処理などを行うことで製造されるフィルムが一般的である。
ポリエステル系フィルムとしては、強度などの観点から、二軸延伸フィルムが特に好ましい。延伸方法としては、チューブラ延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法などが一般的であるが、得られるフィルムの平面性、寸法安定性、厚み斑などの点で逐次二軸延伸法が推奨される。逐次二軸延伸フィルムは、例えば、ポリエステル系未延伸フィルムの長手方向に、ポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜Tg+30℃で、2.0〜5.0倍にロール延伸し、引き続き、幅方向について、テンターを用いて120〜150℃で1.2〜5.0倍に延伸し、さらに二軸延伸後に220℃以上の温度で熱固定処理を行い、次いで幅方向に3〜8%緩和させることで製造される。
透明基材には、ハンドリング性(例えば、近赤外線吸収層の積層後の巻き取り性)を向上させる目的で、粒子を含有させて表面に突起を形成させることが望ましい。粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機粒子;アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物などの有機粒子;が挙げられる。フィルムの透明性を維持するためには、透明基材中の粒子の含有量は少ないことが好ましく、例えば1000ppm以下にすることが好ましい。また、透明基材には、必要に応じて各種機能を付与するために、着色材、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
透明基材は、単層構造であってもよく、例えば、2層以上(2層、3層、4層など)の積層構造であってもよい。積層構造の場合には、各層の機能を独立して設計することができるといった利点がある。例えば、2層構造の場合には、近赤外線吸収フィルムの表層となる層を薄層とし、該層にのみ上記粒子を含有させて表面に凹凸を形成し、該表層と近赤外線吸収層の間となる層(中心層)は厚層として、該層には上記粒子を実質的に含有させない構成とすることで、粒子の使用量を低減して透明性を向上させつつ、高度なハンドリング性を確保できる。
上記の「粒子を実質的に含有させない」状態とは、外部から不可避的に混入する粒子を除き、積極的に粒子を含有させていない状態のことであり、例えば無機粒子の場合には、蛍光X線法で定量分析を行った際に、検出限界以下となるような状態のことである(本明細書において、以下同じ)。
積層構造の透明基材の製造方法は特に制限されないが、生産性を考慮すると、各層の原料を別個の押出機から押出し、1つのダイスに導いて積層構造の未延伸フィルムとし、これに上記の延伸を施すといった所謂共押出法が好ましく採用できる。
また、透明基材には、該基材と近赤外線吸収層との密着性の向上や、透明基材の透明性向上を目的として、アンカー層を設けることも好ましい。
アンカー層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂などが挙げられが、透明基材のベース層(透明基材の主体となる層)および近赤外線吸収層と密着性に優れる素材を選択することが好ましい。例えば、透明基材のベース層および近赤外線吸収層の樹脂がポリエステル系樹脂の場合には、アンカー層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂やポリエステルウレタン系樹脂を選択することが望ましい。
アンカー層には、近赤外線吸収層との密着性向上や、耐水性向上を目的として、架橋構造を導入することも好ましい。このような架橋構造は、架橋剤(尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系などの各種架橋剤)を用いることで導入できる。特に、アンカー層を構成する樹脂が、高温高湿下において白化したり強度低下したりする場合には、架橋構造の導入による改善効果が顕著に発現する。
ハンドリング性向上を目的として、表面凹凸形成のために用いられる上記粒子は、アンカー層に含有させてもよい。なお、透明性向上の観点からは、アンカー層に用いられる樹脂と屈折率の近い粒子を選択することが望ましく、例えば、アンカー層にポリエステル系樹脂(共重合ポリエステル樹脂など)を用いる場合には、シリカが好適である。透明基材のベース層には実質的に粒子を含有させず、アンカー層にのみ粒子を含有させる構成を採用することで、粒子の使用量を低減して透明性を向上させつつ、高度なハンドリング性を確保できる。
さらに、アンカー層には、各種機能を付与させる目的で、界面活性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
また、アンカー層は単層構造であってもよく、必要に応じて2層以上(2層、3層、4層など)の積層構造としてもよい。
アンカー層の形成方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式などの公知の方法を用いて、透明基材のベース層(上記樹脂フィルム)の製造工程中にアンカー層を設けるインラインコート方式、該ベース層製造後にアンカー層を設けるオフラインコート方式が挙げられる。これらの方式のうち、インラインコート方式が特に好ましい。インラインコート方式であれば、コスト面で優れるだけでなく、塗布厚みを薄くすることが容易であるので、粒子をアンカー層に含有した場合、ベース層中に粒子を実質的に含有させる必要がなく、アンカー層に含有させた粒子で効率よく突起を形成させることができる。そのため、透明基材のハンドリング性を向上させつつ、より透明性を高めることができる。
透明基材の好適な厚みは、その素材により変動するが、例えばポリエステル系フィルムの場合には、35μm以上、より好ましくは50μm以上であって、260μm以下、より好ましくは200μm以下であることが望ましい。厚みが薄過ぎると、ハンドリング性が不良となる他、近赤外線吸収層形成の際に、残留溶剤量を低減すべく厳しい条件で乾燥を施すと、熱シワが発生して平面性が不良となることがある。他方、厚みが厚過ぎると、コスト面で不利である他、ロール状に巻き取って保存したときに巻き癖による平面性不良が発生することがある。
また、アンカー層の厚みは、目的とする機能が確保できる限り特に制限はないが、例えば0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。厚みが薄過ぎるとアンカー層としての機能が発現し難くなり、他方、厚過ぎると透明性が損なわれ易い。
<近赤外線吸収層>
近赤外線吸収層は、近赤外線吸収色素、樹脂および界面活性剤を主たる構成要素とする層であり、透明基材上(透明基材がアンカー層を有する場合はアンカー層上)に形成される層である。なお、上記の「主たる構成要素」とは、近赤外線吸収層中、近赤外線吸収色素、樹脂および界面活性剤の合計量が、80〜100質量%であることを意味する。
近赤外線吸収色素とは、800〜1200nmに極大吸収波長を有する色素である。具体的には、ジインモニウム系、フタロシアニン系、ジチオール金属錯体系、ナフタロシアニン系、アゾ系、ポリメチン系、アントラキノン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、テトラデヒドオコリン系、トリフェニルメタン系などの各種化合物が挙げられる。これらの近赤外線吸収色素は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。中でも、近赤外域の吸収が大きく、吸収域も広く、可視光域の透過率も高い下記一般式(2)で示されるジインモニウム塩化合物を含むことが好ましい。
Figure 2006184892
(式中、R1〜R8は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基を表わし、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R9〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシル基を表わし、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R1〜R12で置換基を結合できるものは置換基を有しても良い。Xは陰イオンを表わす。)
上記式(2)中のR1〜R8の具体例としては、以下のものが挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基などが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル基などが、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
また、上記式(2)中のR9〜R12としては、水素、フッ素、塩素、臭素、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。Xは、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンなどが挙げられる。ただし、本発明では上記で挙げたものに限定されるものではない。これらの一部は市販品として入手可能であり、例えば日本化薬社製「Kayasorb IRG−022」、日本カーリット社製「CIR−1085」などを好適に用いることができる。
本発明の近赤外線吸収フィルムでは、上記式(2)で表わされるジインモニウム塩化合物と共に、近赤外域での吸収域の拡大、色目の調整を目的として、他の近赤外線吸収色素を併用することも好ましい。
本発明のフィルムでは、近赤外線吸収色素は、対象とする近赤外線を十分に吸収する一方、可視光線の透過率は損なわないように、その種類や比率を調整して近赤外線吸収層に含有させることが求められる。例えば、近赤外線吸収層の厚みと近赤外線吸収色素の含有量を調整して、近赤外線吸収フィルムの近赤外線吸収層の平面視における単位面積当たりの近赤外線吸収色素の濃度が、0.01〜1.0g/m2となるように制御することが推奨される。こうした近赤外線吸収層の平面視における単位面積当たりの近赤外線吸収色素量が少な過ぎると、近赤外線域での吸収能が不足することがあり、反対に多過ぎると、可視光域での透過率(すなわち透明性)が不足して、プラズマディスプレイ用フィルターとした場合にディスプレイの輝度を低下させることがある。
近赤外線吸収層に用いる樹脂は、近赤外線吸収色素を均一に溶解または分散でき、且つ透明性が確保できるものであれば特に制限はないが、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系の各種樹脂が好適である。特に、柔軟性などの特性に優れる点で、ポリエステル系樹脂が推奨される。樹脂が硬い場合には、プラズマディスプレイパネルと貼り合わせるための粘着層の形成工程や、プラズマディスプレイパネルとの貼り合わせ工程中に、微小なひび割れが発生する場合がある。
さらに、樹脂のTgが、本発明のフィルムを適用する機器(例えば、プラズマディスプレイ)の使用保証温度以上であることが望ましい。樹脂のTgが適用機器の使用保証温度未満であると、フィルムの使用の際に樹脂中に分散させた色素同士が反応したり、樹脂が該期中の水分を吸収して該樹脂や色素の劣化が進む場合がある。
上記樹脂のTgは、85℃以上(更に好ましくは100℃以上)160℃以下であることがより好ましい。樹脂のTgが上記範囲を下回るときには、色素と樹脂の相互作用、色素間の相互作用などが起こり、色素の変性が発生する頻度が増大傾向にある。また、後述するように、近赤外線吸収層は、近赤外線吸収色素、樹脂、界面活性剤および溶剤を含む塗布液を、透明基材上に塗布し乾燥する方法で形成されるが、該樹脂のTgが上記範囲を超えると、十分に溶剤を除去するためには高温に加熱する必要が生じ、透明基材にシワが入り平面性が低下したり、色素の劣化が発生し易くなったりする。他方、低温での乾燥を行うと、乾燥時間の長時間化は避けられず、生産性が著しく悪化する傾向にある。また、乾燥が不十分となると、近赤外線吸収層中の塗布液溶剤の残留量が増大する。近赤外線吸収層中の残留溶剤量が多くなると、樹脂の見かけのTgが低下するため、色素の変性が生じ易くなる。
樹脂と近赤外線吸収色素との合計量中の近赤外線吸収色素の含有量は、1質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは1.5質量%以上5質量%以下である。
近赤外線吸収色素の含有量が少な過ぎると、目的とする近赤外線吸収能を近赤外線吸収層に付与するためには、該層を厚くしなければならない。よって、近赤外線吸収層を形成するための塗布液の塗布量も増大することから、乾燥効率を高めるために、高温で及び/または長時間乾燥することが必要となる。その結果、高温で乾燥した場合には、色素の劣化や透明基材の平面性不良が発生し易くなり、乾燥が長時間化すると生産性が悪化する。他方、近赤外線吸収色素の含有量が多過ぎると、色素間の相互作用が生じ易くなり、たとえ近赤外線吸収層中の残留溶剤量を低減したとしても、色素の経時的な変性が起こり易くなる。
本発明の近赤外線吸収フィルムは、フィルムの長手方向での色調の変動が抑制されたものであると共に、近赤外線吸収層の外観が極めて良好なものである点に、特徴がある。近赤外線吸収層の外観を向上させる観点からは、該層を形成するための塗布液において、界面活性剤を含有させることが重要である。よって、本発明のフィルムの近赤外線吸収層には、この界面活性剤が含まれることとなる。
界面活性剤を上記塗布液に含有させることにより、近赤外線吸収層の外観、特に塗布液に包含されていた微小な泡に起因する抜け、異物などの付着による凹み、乾燥工程でのハジキなどが改善される。さらには、界面活性剤は、塗布液の塗布・乾燥により近赤外線吸収層表面にブリードすることにより、該表面の滑り性を向上させる作用を発揮する。よって、近赤外線吸収層表面、あるいはフィルムの該層と反対側の表面に、上記粒子の添加などにより表面凹凸を形成しなくても、ハンドリング性が良好となり、近赤外線吸収フィルムをロール状に巻き取ることができる。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤(カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤)を用いることができるが、界面活性剤の共存による色素(近赤外線吸収色素)の劣化を抑制する観点から、分子中に極性基を有していないノニオン系界面活性剤が好ましく、さらには、シリコン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が、界面活性能に優れる点で推奨される。
シリコン系界面活性剤としては、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシラン、メルカプトシラン、ジメチルシランなどのシラン化合物;ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジエン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキシ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレンオキシド変性シロキサンなどのシロキサン化合物;などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、4フッ化エチレン;パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物などのパーフルオロアルキル化合物;などが挙げられる。
なお、界面活性剤のHLB(Hydrophilic−Lyphoilic−Balance)は、3以上12以下であることが好ましい。HLBが低過ぎると、界面活性能が不足し、近赤外線吸収層の外観向上効果が不十分となる場合がある。他方、HLBが大き過ぎると、上述の滑り性向上効果が低下傾向にある他、近赤外線吸収層の吸水性が増大するため、色素の経時安定性が低下する傾向にある。上記HLBとは、界面活性剤と親水性と親油性の均衡を示す指標であり、親水性の最も弱いものを1とし、親水性の最も強いものを40と定義している。すなわち、HLBが高いほど水溶性に近づき、低いほど油溶性に近づくことを意味する。
近赤外線吸収層中の上記界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上2質量%以下とすることが望ましい。界面活性剤の含有量が少なすぎると、界面活性剤を使用することによる近赤外線吸収層の外観向上効果や、滑り性向上効果が不十分となることがある。他方、界面活性剤の含有量が多すぎると、近赤外線吸収層の吸水性が増大するため、近赤外線吸収色素の経時安定性が低下することがある。
近赤外線吸収層を形成するための塗布液は、近赤外線吸収色素、樹脂、界面活性剤、および有機溶剤を含有するものである。有機溶剤は、色素や樹脂を溶解または分散させること、および塗工性を向上させることを目的として用いられる。塗布液は、塗工性向上の観点から、色素や樹脂を別々に溶解または分散させた後混合し、必要に応じて更に有機溶剤で希釈して、固形分濃度を適切な範囲に調整する方法で作製することが好ましい。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチレンエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテートなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソホロン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
上記有機溶剤の中でも、色素の溶解性に優れるケトン類が好適であり、塗布液の含有する全有機溶剤量に対するケトン類の量を、30質量%以上80質量%以下とすることが好ましい。ケトン類以外の有機溶剤は、塗布液のレベリング性や乾燥性を考慮して選定すればよい。
有機溶剤の沸点は100℃以上180℃以下が好ましい。有機溶剤の沸点が低過ぎる場合には、塗工中に塗布液の固形分濃度が変化し易くなる。特に近赤外線吸収フィルムの製造が長時間にわたる場合には、塗布量の経時変化が顕著となり、生産開始時と生産終了時点で、近赤外線吸収フィルムの色調が大きく変化することがある。他方、有機溶剤の沸点が高過ぎると、近赤外線吸収層中の残留溶剤量が増大し易いことから、色素の経時安定性が悪化傾向にあり、特に高温高湿下で長期間保管(例えば、60℃、相対湿度95%、500時間)した場合に、フィルムの透過率や色調の変化が大きくなる傾向にある。
近赤外線吸収色素、樹脂および界面活性剤を有機溶剤中に溶解または分散させる方法としては、加温下での撹拌、分散、粉砕などの方法が採用できる。溶解時に加温することにより、色素および樹脂の溶解性を高めることができ、未溶解物による外観不良を防ぐことができる。また、樹脂および色素を有機溶剤中で分散または解砕して、例えば、平均粒子径が0.3μm以下の微粒子状態で塗布液中に分散させることにより、透明性に優れる近赤外線吸収層を形成することが可能となる。分散機または解砕機としては、公知のものを用いることができる。具体的には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ホモミキサー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
また、大きさが1μm以上の異物や未溶解物(纏めて「異物」という)を含む塗布液をそのまま用いて近赤外線吸収層を形成した場合には、該異物の周囲に凹みなどが発生し、100〜1000μmサイズの欠点となるなど、外観が悪化する場合がある。よって、塗布に先立って、塗布液中の異物をフィルターなどで濾過して除去することが好ましい。フィルターとしては各種のものが好適に使用できるが、特に、大きさが1μm以上の異物を99%以上除去可能なフィルターを用いることが好ましい。
塗布液中の固形分濃度(近赤外線吸収色素、樹脂、および界面活性剤を含む)は、10質量%以上30質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは12質量%以上25質量%以下である。塗布液の固形分濃度が低過ぎると、塗布液中の有機溶剤量が多くなるため、近赤外線吸収層形成の際の乾燥が長時間化し、生産性が悪化するばかりか、近赤外線吸収層中の残留溶剤量が増大し、色素の経時安定性が悪化傾向にあり、特に高温高湿下で長期間保管(例えば、60℃、相対湿度95%、500時間)した場合に、フィルムの透過率や色調の変化が大きくなる傾向にある。他方、塗布液の固形分濃度が高過ぎると、塗布液の粘度が大きくなりレベリング性が不足して近赤外線吸収層の外観不良が発生することがある。
ちなみに、塗布液の粘度は、10cps以上300cps以下に調整することが、近赤外線吸収層の外観向上の観点から好ましい。塗布液の粘度を上記範囲内に調整するには、固形分濃度を調整するか、粘度の低い有機溶剤を用いればよい。なお、塗布液の上記粘度は、B型粘度計で測定した値である。
例えば、本発明のフィルムがプラズマディスプレイ用フィルターに用いられる際に、色調補正機能が要求される場合には、近赤外線吸収層が、可視光域の特定波長(色調補正のために吸収が要求される波長)に最大吸収を有する色素を含有する態様も好ましい。他方、可視光域の透過率を高める観点からは、本発明に係る近赤外線吸収層が、可視光域に最大吸収を有する色素を含有していない態様も好ましい。
<近赤外線吸収フィルムの製造方法>
近赤外線吸収フィルムを製造するには、例えば、近赤外線吸収色素、樹脂、界面活性剤および有機溶剤を含有する上記塗布液を、透明基材上に連続的に塗布する工程、および連続的に乾燥する工程により、透明基材上に近赤外線吸収層を連続的に形成する方法が採用できる。この際、上記乾燥工程後に、オンラインでフィルムの色調および/または特定波長の光線透過率を測定し、該測定結果に応じて塗布液の塗工条件および/または乾燥条件を調整することで、フィルム長手方向にわたって色調の変動が抑制されたフィルム、すなわち、上記測定法(A)により求められる色差Δの最大値が上記上限値以下に制御されたフィルムを得ることができる。
塗工条件としては、塗布液の塗布量を調整することが挙げられる。塗布液の塗布量は、フィルムのL値に影響を与えるため、例えば、製造中のフィルムの色調をオンラインで随時監視し、L値が高いときには塗布液の塗布量が多くなるように、他方、L値が低いときには、塗布液の塗布量が少なくなるように変更する。変更後の色調(L値)の変動が収まれば、その塗布量でフィルム製造を継続し、そうでない場合は、再び塗布量の変更を行う。
塗布液の塗布量は、例えば、後述のリバースグラビアコート装置で塗布を行う場合には、フィルムの走行速度Fに対するグラビアロールの回転速度Gの速度比G/F、グラビアロールに対するドクターブレードの接圧や接角を変更することで、調整できる。すなわち、塗布量を多くするには、G/Fを大きく、ドクターブレードの接圧を小さく、接角を小さくする方向に調整すればよい。また、塗布量を減じるには、G/Fを小さく、ドクターブレードの接圧を大きく、接角を大きくする方向に調整すればよい。塗布液の塗布量の調整は、いずれか一つの条件を変更して行ってもよく、複数の条件を変更して行っても構わない。
また、乾燥条件としては、乾燥効率を調整することが挙げられる。乾燥効率が変化すると、フィルムのa値およびb値に影響を与えるため、例えば、製造中のフィルムの色調をオンラインで随時監視し、a値やb値の変化が生じた場合には、乾燥効率の調整を行う。乾燥効率を調整する方法としては、フィルムの走行速度(乾燥時間)、乾燥風の温度、風量(風速)を制御すればよい。すなわち、より乾燥を進めるには、フィルムの走行速度を下げ、乾燥風の温度を上げ、風量を増大させる方向に制御すればよい。他方、より乾燥の程度を落とすには、フィルムの走行速度を高め、乾燥風の温度を下げ、風量を減少させる方向に制御すればよい。乾燥効率の調整は、いずれか一つの条件を変更して行ってもよく、複数の条件を変更して行っても構わない。例えば、a値が高い場合および/またはb値が低い場合には、乾燥効率を高めるように調整すればよく、他方、a値が低い場合および/またはb値が高い場合には、乾燥効率を落とすように調整すればよい。
なお、フィルム製造時の色調測定は、フィルムの色差Δ算出のための色調測定と同じ方法が採用できる。
また、フィルム製造時の管理を、特定波長の光線透過率で行う場合には、該特定波長の光の透過率をオンラインで随時監視し、透過率に変動が見られれば、これを安定化するように、塗工条件および/または乾燥条件を制御すればよい。例えば、光線透過率が大きくなる方向へ変動している場合には、塗布液の塗布量を増大させる方向へ変更すればよく、光線透過率が小さくなる方向へ変動している場合には、塗布液の塗布量を減少させる方向へ変更すればよい。塗布液の塗布量や、乾燥効率の調整方法は、色調をオンラインで監視する場合について説明した方法を採用することができる。
特定波長の光線透過率は、例えば、分光光度計(大塚電子社製「MCPD−3000」など)を用い、近赤外線吸収層側から特定波長の光を照射し、室内の空気の透過率を参照値(ブランク)として測定することができる。
透明基材上に塗布液を塗布する方法としては、例えば、上記例示の各種方法が採用できるが、グラビアコート方式による塗布方法が好ましく、特に、リバース回転するグラビアロールによって液供給パンから塗布液をかきあげ、ドクターブレートによって余分な塗布液をかき落とす「リバースグラビアコート方式」による塗布方法が好適である。こうしたグラビアコート方式、特にリバースグラビアコート方式を採用することで、より均一な塗布が可能となる。図1にリバースグラビアコート方式を採用した装置を示す。なお、近赤外線吸収層は、本質的に連続層である。よって、グラビアコート方式によっても、近赤外線吸収層は連続層とする。
上記リバースグラビアコート装置では、直径が80mm以下のグラビアロールを用いることが好ましい。直径が大きな場合には、フィルムの走行方向に畝スジが発生し易くなる。リバースグラビアコート装置で用いるドクターブレードは、公知のものが使用可能であるが、少なくとも表面[少なくとも、グラビアロール(グラビアロール上の塗布液)と接触する刃先]がセラミックス製のものが、摩耗し難く塗布液の塗布量を安定化させ易いことから推奨される。勿論、ドクターブレード全体がセラミックス製であることも好ましい。この他、例えば、スウェーデン鋼の表面にニッケルメッキを施したドクターブレードも、セラミックス製のドクターブレードよりは劣るものの摩耗し難く好適である。
リバースグラビアコート装置において、塗布量を制御するための要素としては、上述の通り、フィルムの走行速度に対するグラビアロールの回転数、ドクターブレードを接触させる角度、ドクターブレードの押し圧などが挙げられる。塗布量を増やすためには、グラビアロールの回転数を高くすることが好ましい。フィルムの走行速度F(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の速度比G/Fを0.8以上1.2以下に制御することが、グラビア目の転写、コート欠陥や塗布量の経時安定性の観点から、より好ましい。速度比G/Fを0.9以上1.1以下に制御することが更に好ましい。速度比G/Fが小さ過ぎると、転写量が少なくなり、グラビア目がレベリングせずに残り易くなる。他方、速度比G/Fが大き過ぎると、横段斑、泡スジなどのコート欠陥が発生し易くなる他、ドクターブレードが磨耗し易くなったり、塗布量の経時安定性が不良となる頻度が高くなったりする。なお、グロビアロールの回転速度F(m/分)は、グラビアロールの回転数(回転数/分:rpm)にグラビアロールの円周[円周率×ロール直径(mm)]を乗し、単位をm/分に換算することにより算出できる。
ドクターブレードをグラビアロール上の塗布液に接触させる角度としては、内角で20〜70°が好ましい。角度が小さ過ぎる場合(グラビアロールをドクターブレードの腹で抑えるような状況)には、グラビアロール表面の塗布液のかき取り力が低下して塗布量が増大する他、ドクターブレードの摩耗は生じ難いものの、ドクターブレードに振動などが発生し易く、近赤外線吸収層の外観が悪化し易い。他方、角度が大きい場合(グラビアロールにドクターブレードを突き刺す状況)では、グラビアロール表面の塗布液のかき取り力が向上して塗布量が低下し、ドクターブレードの振動なども発生し難くなるものの、摩耗し易いといった問題が発生する。
ドクターブレードの接圧は、該ブレードが若干しなる程度に調整することが、フィルム幅方向の塗布量を均一化し得る点で好ましい。
また、フィルム幅方向の色調の変動を抑制し、該幅方向の色差Δを上記上限値以下とするには、近赤外線吸収層を形成するための塗布液の塗布を、キスコート方式で行い、透明基材の塗布部における長手方向の張力を、0.5N/mm以上1.2N/mm以下(より好ましくは1.0N/mm以下)に制御して実施することが好ましい。
キスコート方式では、塗布の際には、透明基材の片面(塗布面)のみが、塗布液を塗布するための塗布ロールと接触し、他面はフリーの状態(何にも接触しない状態)である。塗布液の塗布の際に、透明基材の塗布面と反対面がロールなどに接触することによって、該ロール表面に異物が付着している場合や、該ロール表面の微小突起などが形成されている場合には、近赤外線吸収層の外観にも影響が及ぶこともあるが、キスコート方式を採用すれば、こうした影響を回避できるため、より近赤外線吸収層の外観をより均一とすることができる。
キスコート方式を採用して、透明基材上に塗布液を安定して塗布するには、透明基材の塗布部の前後にロールを設置し、透明基材の長手方向に張力をかけて塗布部の平面性を維持するが、この際の張力を上記範囲内に制御することで、透明基材の幅方向に均一に塗布液を塗布できるため、フィルム幅方向における色調の変動が高度に抑制される。上記張力が低過ぎると、透明基材の走行性が不良となり、蛇行などが生じ易くなり、フィルム幅方向に亘って塗布液の塗布の均一性が損なわれて、フィルム幅方向で色調変動が生じ易くなる。他方、上記張力が高過ぎると、透明基材がロール(塗布部の前後のロール)の中央部に寄り、走行方向(長手方向)と平行にトタン状の波が発生し、透明基材の幅方向において、キスロール(塗布ロール)と透明基材の接触の均一性が損なわれるため、却ってフィルム幅方向の色調の変動が大きくなることがある。
透明基材の塗布部における長手方向の張力は、該塗布部の前後に設置されたロールの回転数のバランスを調整することで制御できる。また、フィルム走行時の上記張力は、例えば、ロールへの荷重をロードセルにより測定するといった一般的な方法により測定できる。
以上の通り、本発明のフィルム製造において、透明基材に塗布液を塗布する方式としては、リバースグラビアコート方式が好ましいと共に、フィルム幅方向の色調変動抑制の観点からは、キスコート方式が好適である。よって、塗布方式としては、リバースグラビアキスコート方式が最も好ましい。
塗布液の塗布量は特に制限はないが、乾燥後の量で、1g/m2以上、より好ましくは3g/m2以上であって、50g/m2以下、より好ましくは30g/m2以下とすることが推奨される。塗布量が少な過ぎると、近赤外線の吸収能が不足することがある。そのため、近赤外線吸収層の平面視での単位面積当たりの濃度を増やして、近赤外線の吸収能を目的のレベルに調整する必要が生じるが、この場合、色素間の距離が短くなるため、色素間の相互作用が強くなる結果、色素の劣化などが生じ易くなり、経時安定性が低下する傾向にある。
他方、塗布量が多過ぎると、近赤外線の吸収能は十分となるが、可視光域での透過率が低下し、透明性が低下する傾向にあるため、このような近赤外線吸収フィルムを適用したプラズマディスプレイでは、輝度が低下することがある。これを回避するには、近赤外線吸収層の平面視での色素濃度を減らして、色素間の距離を長くすることにより、可視光域での透過率を高めることも考えられるが、そのためには近赤外線吸収層の厚みを大きくせざるを得ず、塗布液の塗布後の乾燥が不十分になり易い。その結果、近赤外線吸収層中の残留溶剤量が多くなり、色素の経時安定性が悪化し、特に高温高湿下で長期間保管(例えば、60℃、相対湿度95%、500時間)した場合に、フィルムの透過率や色調の変化が大きくなる傾向にある。一方、乾燥の際の温度を上げたり、時間を長くするなどして乾燥条件を厳しいものとすると、例えば熱に弱い色素(ジインモニウム塩化合物など)が変性し易くなるのみならず、熱による透明基材の平面性不良が発生し易くなる。
塗布液を塗布した後の乾燥は、熱風乾燥、赤外線ヒーターによる乾燥など、公知の乾燥方法が採用できるが、乾燥速度が速い熱風乾燥が好適である。
さらに乾燥工程は、下記の第1乾燥工程、第2乾燥工程、および冷却工程からなることが推奨される。
第1乾燥工程は、塗布後、初期の恒率乾燥の工程である。この工程では、温度:20℃以上80℃以下、風速:2m/秒以上30m/秒以下の風を用いて、乾燥することが好ましい。初期の乾燥条件を厳しくする(風の温度を高く、風量を大きくする)と、塗布液が包含していた泡に由来する微小なコート抜け、微小なハジキ、クラックなどの微小な欠点が近赤外線吸収層に発生し易くなる。他方、初期の乾燥条件を甘く(風の温度を低く、風量を小さくする)と、近赤外線吸収層の外観は良好となるが、乾燥に長時間を要し、生産性が悪化するなど、コスト面で問題が生じる。なお、第1乾燥工程での乾燥時間(フィルムの通過時間)は、例えば10〜120秒とすることが好ましい。
第2乾燥工程は、第1乾燥工程後の減率乾燥の工程である。この工程では、第1乾燥工程よりも高温条件とし、近赤外線吸収層中の溶剤を減少させる。具体的には、温度:120℃以上180℃以下の風で乾燥することが好ましい。風の温度が低過ぎると、近赤外線吸収層中の溶剤量が減少し難くなる。他方、風の温度が高過ぎると、透明基材に熱シワが発生して平面性不良となり易く、また近赤外線吸収色素の熱劣化が生じ易くなる。また、乾燥時間(フィルムの通過時間)は5秒以上180秒以下とすることが好ましい。乾燥時間が短い場合には、近赤外線吸収層の残留溶剤が多くなり易い。他方、乾燥時間が長い場合は、生産性が低下する他、透明基材に熱シワが発生して平面性不良となり易い。なお、第2乾燥工程での風速は、例えば2〜50m/秒とすることが推奨される。
冷却工程は、乾燥工程の最終工程である。この工程では、樹脂(近赤外線吸収層中の樹脂)のTg以下の温度の風で冷却し、フィルムがフラットな状態で透明基材の温度を樹脂のTg以下とすることが好ましい。より好ましい風の温度はTg−5℃以下、さらに好ましくはTg−10℃以下である。フィルムが高温のまま乾燥炉から出た場合には、近赤外線吸収層表面が、巻き取りまでの間に、フィルム走行用ロールと接触した際に滑り性が不良となり、該層表面にキズが発生し易くなる他、フィルムにカールなどが発生する場合がある。冷却工程では、風速を、例えば2〜50m/秒とすることが好ましく、また、冷却時間は、例えば5〜120秒とすることが望ましい。
乾燥工程では、フィルム全長に亘って、乾燥状態が安定するように制御することが好ましい。乾燥状態が変動してしまうと、例えば、近赤外線吸収層中の残留溶剤量が多い箇所では色素が劣化し易いため、フィルム長手方向において、色調が変動してしまうことがある。特に塗工初期では、乾燥炉内の蒸発溶剤量が増えていき、徐々にその量が安定するようになるため、塗工開始から500m程度までは、乾燥効率が変化し易い。乾燥効率を安定化するには、乾燥温度、風(熱風)の風量(風速)、乾燥時間などを調整することで制御できる。
乾燥温度は、設定温度に対して、例えば±2℃の範囲内に制御することが好ましく、温度制御を精度よく行うと共に、乾燥炉内の実温度が設定温度に達した後、例えば、30分以上放置して、乾燥温度を安定化させた後に、フィルム製造を行うことが好ましい。温度や風の風量制御を精度よく行うには、精度の高いヒーターやブロアーを使用すればよく、乾燥時間については、精度の高い駆動装置を使用すればよい。
上記製造方法により得られる近赤外線吸収フィルムを巻き取りコア(紙管や金属管などの芯)に巻き取り、ロール状にしたものが本発明の近赤外線吸収フィルムロールである。
<近赤外線吸収フィルムの他の特性>
本発明の近赤外線吸収フィルムは、波長:800〜1200nmの近赤外域における透過性が低く、且つ可視光域(400〜800nm)における透過率が高いフィルムである。
上記近赤外域における透過率は低いほど好ましく、例えば、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。近赤外域における透過率が高過ぎると、プラズマディスプレイ用フィルターに用いた場合に、プラズマディスプレイから放出される近赤外線の吸収が不十分となり、近赤外線リモコンを用いる電子機器の誤動作を十分に防止できなくなることがある。
他方、可視光域の透過率は、高ければ高いほどよく、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。これらの波長域における透過率が低過ぎると、透明性が低下することとなるため、プラズマディスプレイ用フィルターに用いた場合に、ディスプレイの輝度が低下し易くなる。
このように、特定波長における光を選択的に吸収させるための設計方法としては、例えば、近赤外線吸収色素を2種以上、適切に配合することが挙げられる。また、これらの特定波長における光の透過率の調整は、近赤外線吸収色素の、近赤外線吸収層の平面視での単位面積当たりの濃度を適宜変更することで達成できる。
近赤外線吸収層の外観としては、直径が300μm以上、より好ましくは100μm以上のサイズの欠点が存在しないことが望ましい。上記サイズの欠点は、プラズマディスプレイの前面に設置すると輝点となり、光学欠点と認識される頻度が顕著になる。また、近赤外線吸収層の薄いスジ、斑などもディスプレイ前面では顕著となり、欠点とされる。これらの外観欠点の発生は、上述の製造方法を採用することで防止できる。
近赤外線吸収フィルムは、高温高湿下で長時間放置されても、各波長域(近赤外域および可視光域)の光線透過率が変化しないことが好ましい。高温高湿下での経時安定性が不良の場合には、プラズマディスプレイ用フィルターに用いた場合に、ディスプレイの映像の色調を変化させてしまうばかりか、近赤外線リモコンを用いた電子機器の誤動作を防止するという本発明の効果が十分に確保できなくなる場合がある。
上記光線透過率の経時安定性を向上させるには、製造方法の説明において上述した通り、塗布液に用いる溶剤の種類、塗布層の厚み、乾燥条件などの調整により、近赤外線吸収層中の残留溶剤量を低減することや、近赤外線吸収層の平面視における単位面積あたりの色素濃度を調整することで達成できる。なお、近赤外線吸収層の残留溶剤量(塗布液由来の残留溶剤量)は、少なければ少ないほど良いが、例えば、近赤外線吸収層全量中、3質量%以下にすることが好ましい。残留溶剤が3質量%以下となれば、経時安定性に実質的な差が見られなくなる。他方、残留溶剤量の更なる低減を目的として、過度に乾燥条件を厳しくすると、フィルムの平面性が不良になるなどの弊害が発生することがある。
本発明の近赤外線吸収フィルムは、長さが100m以上、幅が0.5m以上であることが好ましい。長さが上記下限値に満たないフィルムは、一般にフィルムの全長に亘る色調変動が小さくなるので、本発明の効果が発現し難くなる。また、幅が0.5mに満たないフィルムは、工業的に利用価値の低いものである。フィルムの長さは300m以上であることがより好ましく、幅は1m以上であることがより好ましい。
<近赤外線吸収フィルター>
本発明の近赤外線吸収フィルムは、他の構成要素と共に、プラズマディスプレイ用途に好適な近赤外線吸収フィルターを構成する。他の構成要素としては、電磁波シールド層、反射防止層、ぎらつき防止層など、従来のプラズマディスプレイ用フィルターが構成要素として採用している各種機能層が挙げられ、これらの層は、近赤外線吸収フィルムの近赤外線吸収層表面またはその反対面に、直接あるいは粘着剤層を介して積層されるのが一般的である。なお、粘着剤層に用いる粘着剤は、従来公知の粘着剤から、本発明の近赤外線吸収フィルターの作用を損なわないもの(例えば、透明性を損なったり、特定波長の光の吸収能を損なったりしないもの)を選択すればよい。
電磁波シールド層としては、金属メッシュまたは透明導電薄膜が挙げられる。金属メッシュとしては、開口率が50%以上の金属メッシュ導電層を有しているものが好適である。開口率が小さいと電磁波シールド性は良好となるが、光線透過率が低下する傾向にある。金属メッシュの具体例としては、電気伝導性の高い金属箔にエッチング処理を施してメッシュ状にしたものや、金属繊維を織物状・編物状にしたものや、高分子繊維の表面に金属をメッキなどの手法で付着させた繊維から構成されるものなどが挙げられる。金属メッシュに用いる金属としては、電気電導性が良好で、安定性に問題が無ければ特に制限はないが、加工性、コストなどの観点から、銅、ニッケル、タングステンなどが好適である。
透明導電薄膜から構成される電磁波シールド層の場合には、その構成材料として、公知の透明導電材料(金属酸化物)が適用できる。透明導電薄膜の導電性をより高めるには、金属酸化物層/金属層/金属酸化物層の如く、金属酸化物層と金属層を3層以上交互に積層した構造を有する多層膜とすることが好ましい。このような構成とすることで、透明導電薄膜の可視光線透過率を高く維持しつつ、導電性を高めることができる。金属酸化物としては、導電性と可視光線透過性が所望する目標値を満足できるのであれば、その種類は特に限定されない。具体的には、酸化錫、インジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ビスマスなどが挙げられる。また、多層構造とする場合の上記金属層に用いられる金属は、導電性向上の観点から、金、銀およびこれらを含む化合物が好適である。
透明導電薄膜が多層膜であって、例えば、金属酸化物層/金属層/金属酸化物層の3層構造の場合、金属層(例えば、銀層)の厚みは50〜200Å(より好ましくは100Å以下)とすることが好ましい。これよりも金属層が厚い場合には、光線透過率が低下し、薄い場合には抵抗値が大きくなる。また、金属酸化物層の厚みは100〜1000Å(より好ましくは500Å以下)とすることが好ましい。金属酸化物層が厚すぎると着色によりフィルターの色調が変化することがあり、薄い場合には抵抗値の低減効果が不十分となることがある。
さらに、金属酸化物層/金属層/金属酸化物層/金属層/金属酸化物層のように5層とする場合には、中央の金属酸化物層を、両端の金属酸化物層よりも厚くすることが望ましい。このような構造とすることで、多層膜全体の光線透過率が向上する。
また、本発明の近赤外線吸収フィルムおよび近赤外線吸収フィルターでは、光による色素の経時劣化を抑制する目的で、紫外線吸収能を有する層を設けるか、いずれかの層に紫外線吸収能を付与して、耐光性を向上させてもよい。紫外線吸収能を確保するには、例えば、近赤外線吸収層、透明基材、粘着剤層、反射防止層、ぎらつき防止層などのいずれかに、紫外線吸収剤を含有させればよいが、透明基材中に紫外線吸収剤を含有させることが特に好ましい。透明基材以外の層は、透明基材に比べて薄くすることが一般的であるため、十分な紫外線吸収能を確保するには、層中の紫外線吸収剤量を多くする必要があり、これにより各層の機能が損なわれることがある。紫外線吸収剤としては、公知の有機系または無機系紫外線吸収剤が使用可能である。
本発明の近赤外線吸収フィルターの実施形態としては、近赤外線吸収フィルムとして、透明基材に紫外線吸収剤を含有させて紫外線吸収能を付与し、上記他の機能層(反射防止層など)と粘着剤層を介さずに積層し、プラズマディスプレイのサイズに合わせて切断したものが最も好適であり、例えば、反射防止層を有する場合には、該層がディスプレイと反対側(最表面側)になるように配置し、ディスプレイに直接粘着剤層を介して貼り付けて使用することが推奨される。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、本実施例で採用した評価方法は、以下の通りである。
(1)光線透過率
分光光度計(日立製作所製「U−3500型」)を用い、波長:1100〜200nmの範囲で、近赤外線吸収層側から特定波長の光を照射し、室内の空気の透過率を参照値(ブランク)として測定する。近赤外域での透過率は、波長:900〜110nmの透過率の平均値、可視光域での透過率は、波長:450〜700nmでの透過率の平均値、で評価する。
(2)色調
色調の測定は、色差計(日本電色工業社製「ZE−2000」)を用い、標準光をD65光源とし、視野角を10度として、近赤外線吸収層側に光を照射して行い、Lab表示系のL値、a値、b値を求める。
(3)色差Δ
後述の各実施例・比較例で得られた長さ500mのフィルムについて、フィルムの第1端部(フィルム製造初期側の端部)から第2端部(フィルム製造終了側の端部)まで、10m間隔の51箇所について、フィルム幅方向の略中央部で、上記色調測定法に従って測定されるL値、a値、b値から、上記式(1)に定義される色差Δを各測定箇所について算出し、これらの内の最も大きな値を、フィルム長手方向の色差Δの最大値とする。
なお、後述の各実施例・比較例のフィルムでは、いずれも色差Δが2以下であり、フィルム全長に亘って定常領域に該当することが確認できている。
(4)近赤外線吸収層外観
近赤外線吸収フィルムを白色フィルム上に置き、3波長の蛍光灯の下で近赤外線吸収層面を目視観察し、下記の基準により評価する。
◎:近赤外線吸収フィルムを動かしながら観察しても、外観不良が見られない,
○:近赤外線吸収フィルムを動かしながら観察すると、外観不良が若干ある,
△:近赤外線吸収フィルムを動かしながら観察すると、外観不良が明確に見られる,
×:静止状態で観察しても、外観不良が明確に見られる。
<透明基材の作製>
固有粘度が0.62dl/gで、粒子を含有させていないPET樹脂を、二軸スクリュー押出機に投入し、Tダイから290℃で溶融押出し、冷却回転金属ロール上で静電印加しながら密着固化させ、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、ロール延伸機で90℃に加熱して3.5倍に縦延伸(長手方向延伸)を行い、その後このフィルムに、表1に示す組成のアンカーコート用塗布液を、乾燥後の塗布量が0.5g/mとなるように塗布し、風速:10m/秒、温度:120℃の熱風中を20秒で通過させて、アンカー層を形成させた。さらに、テンターで140℃に加熱して、幅方向に3.7倍延伸した後、235℃で幅方向に5%緩和させながら熱処理して、アンカー層を両面に有する透明基材(二軸延伸PETフィルム)を得た。得られた透明基材は、厚みが100μm、全光線透過率が90.2%、ヘーズが0.5%であった。なお、全光線透過率およびヘーズは、JIS K 7136に規定の方法で測定した値である。
Figure 2006184892
<近赤外線吸収層形成用塗布液の作製>
表2に示す組成で各成分を混合し、加温下(40℃)で色素および樹脂を溶解させ、公称濾過精度:1μmのフィルターを用いて未溶解物を除去して、塗布液を得た。塗布液の固形分濃度は17質量%であり、粘度(上述の測定法により求められる粘度)は40cpsであった。
Figure 2006184892
実施例1
透明基材に、近赤外線吸収層形成用塗布液を、セラミック製ドクターブレードを角度50度、接圧:0.3MPaで接触させた斜線型グラビアロール(直径:60cm、線数:45線/2.54cm、深度:290μm、セル容積:139cm3/m2)を、リバース回転させることで塗布し、その後乾燥炉に導き、40℃で5m/秒の速度の風中を20秒で通過させ(第1乾燥工程)、続いて、150℃で20m/秒の速度の風中を20秒で通過させ(第2乾燥工程)、さらに90℃で20m/秒の風中を10秒で通過させて(冷却工程)、乾燥させた。乾燥炉の出口からフィルム巻取りまでの間に、オンラインの色差計(大塚電子社社製「MCPD−3000」)を設置し、これにより測定されるL値がほぼ一定となるように、フィルム走行速度Fに対するグラビアロールの回転速度Gの速度比G/Fを0.90から0.94へと、且つa値およびb値が一定となるように乾燥温度を150℃から152℃へと、徐々に変化させていきながら、フィルム長手方向の色調を制御し、近赤外線吸収フィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの評価結果を表3に示す。
実施例2
フィルム製造時のL値の制御を、ドクターブレートとグラビアロールとの接角(内角)の調整により行い、該接角を50度から46度へと徐々に変更させていったこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの評価結果を表3に示す。
実施例3
フィルム製造時の色調変動を、a値およびb値で管理し、これらがほぼ一定となるように、乾燥温度を150℃に設定した乾燥炉内の風速を20m/秒から23m/秒へと徐々に変化させていったこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの評価結果を表3に示す。
実施例4
ドクターブレードの材質をスウェーデン鋼に変更し、且つオンラインの色差計でL値を管理しながら、速度比G/Fを0.90から1.2へと徐々に変化させていったこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの評価結果を表3に示す。
比較例1
フィルム製造時に、塗工条件および乾燥条件を一切変更しない以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの評価結果を表3に示す。
比較例2
ドクターブレードの材質をスウェーデン鋼に変更し、且つフィルム製造時に、塗工条件および乾燥条件を一切変更しない以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。この近赤外線吸収フィルムの評価結果を表3に示す。
Figure 2006184892
表3から分かるように、実施例1〜4の近赤外線吸収フィルムでは、近赤外域の透過率が低く、可視光域では透過率が高い。さらに、フィルム長手方向での色差Δの最大値が小さく、フィルム長手方向での色調の変動が抑制されている。また、近赤外線吸収層の外観も非常に良好である。
なお、実施例4の近赤外線吸収フィルムは、実施例1のフィルムに比べて製造時の色調変動が大きく、速度比G/Fを大きく変更する必要があったため、最終的なフィルムの色調の変動もやや大きくなると共に、最終的な速度比G/Fも大きな値(1.2)としたため、横段などの厚み斑が製造後期ほど大きくなった。
これに対し、比較例1の近赤外線吸収フィルムでは、製造時の色調の変動が大きくなったため、フィルム長手方向の色調の変動が大きくなった。また、近赤外線吸収層の外観も製造後期ほど、スジ状の斑が大きくなった。さらに比較例2の近赤外線吸収フィルムでは、比較例1のフィルムよりも長手方向の色調の変動が大きくなり、近赤外線吸収層の外観も悪化した。ドクターブレードの摩耗により、塗布液の塗布量が変動したためと考えられる。
本発明の実施例で用いたリバースグラビアコート方式の塗布装置の模式図である。
符号の説明
1 塗布液塗布前の透明基材
2 グラビアロール
3 液供給パン
4 ドクターブレード
5 塗布液塗布後の透明基材

Claims (5)

  1. 長尺の近赤外線吸収フィルムであって、
    該フィルムは、近赤外線吸収色素、樹脂、および界面活性剤を含有する近赤外線吸収層と、透明基材を構成要素に含むものであり、且つ下記測定法(A)により求められる色差Δの最大値が2.0以下であることを特徴とする近赤外線吸収フィルム。
    (A)上記フィルムの色調測定を行うに当たり、該フィルムの長手方向について、フィルム物性が安定している定常領域の一端を第1端部、他端を第2端部としたとき、第1端部の内側2m以内で1番目の測定を、また、第2端部の内側2m以内で最終の測定を行うと共に、1番目の測定箇所から10m毎に測定を行い、各測定箇所において下記式で定義される色差ΔEを算出する。
    ΔE=[(L−L+(a−a+(b−b1/2
    ここで、L、a、bは、各測定箇所における色調L、a、bを意味し、L、a、bは、全測定箇所における色調L、a、bの平均値を意味する。
  2. 上記近赤外線吸収色素として、ジインモニウム塩化合物を含むものである請求項1に記載の近赤外線吸収フィルム。
  3. 長さが100m以上、幅が0.5m以上である請求項1または2に記載の近赤外線吸収フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルムを巻き取ってなるものであることを特徴とする近赤外線吸収フィルムロール。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルムを構成要素に含むものであることを特徴とする近赤外線吸収フィルター。
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