JP2007206260A - 近赤外線吸収フィルムおよび製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外領域を大きく、かつ、幅広く吸収を有し、近年のディスプレイの高輝度化、フルハイビジョン放送による高精細化や高画質化に対応し得る、近赤外線吸収層の塗膜外観に高度に優れる近赤外線吸収フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材上に、樹脂、近赤外線吸収色素を含有する組成物からなる近赤外線吸収層を積層してなる近赤外線吸収フィルムにおいて、前記透明基材と近赤外線吸収層積層の間に、π電子共役系導電性高分子を含有する導電層を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルム。

Description

本発明は、近赤外線を吸収するフィルムに関するものであり、詳しくは近赤外領域に幅広く大きな吸収を有し、かつ、近年の高精細化に対応できる微小欠点の少ない近赤外線吸収フィルムに関するものである。
近赤外線の吸収能を有する光学フィルターは、近赤外線を遮断し、可視光を通過させる性質を有しており、各種の用途に使用されている。
近年、薄型大画面ディスプレイとしてプラズマディスプレイが注目されているが、プラズマディスプレイから放出される近赤外線により、近赤外線リモコンを使用する電子機器が誤動作を起こす問題があり、プラズマディスプレイの前面に近赤外線吸収フィルターが設けられている。
近赤外線吸収フィルターとしては、(1)燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有したフィルター、(2)屈折率の異なる層を積層し、透過光を干渉させることで特定の波長を透過させる干渉フィルター、(3)共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フィルター、(4)樹脂に赤外線吸収色素を分散又は溶解した層を積層したフィルター、が提案されている。
これらの中で(4)のフィルターは、加工性、生産性が良好で、光学設計の自由度も比較的大きく、各種の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜9参照)。
特開2002− 82219号公報 特開2002−214427号公報 特開2002−303720号公報 特開2002−333517号公報 特開2003− 82302号公報 特開2003− 96040号公報
一方、プラズマディスプレイは、省電力化、発光輝度を近年向上させると共に、地上波デジタル方法の目玉の一つである1920×1080ピクセルの高精細なフルハイビジョン放送に対応する為に、開発が進められている。
フルハイビジョン化に伴い、発光する各セルのサイズが小さくなる為、前面に設置されるフィルターの微小な欠点が顕著になる問題がある。
つまり、従来の近赤外線吸収フィルターは、ディスプレイから放出される近赤外線を十分に遮断する能力を有するものがあるが、地上デジタル放送のフルハイビジョンによる高精細、高画質化に対して近赤外線吸収層の外観が十分に満足できるものではなかった。
プラズマディスプレイの高画異質化、高精細化に対応する為に、近赤外線吸収層を積層する塗液中に界面活性剤を添加し、塗工および乾燥時のレベリング性を向上させて微小欠点を低減させる方法が提案されている(特許文献7〜9)。しかし、地上デジタル放送のフルハイビジョンによる高精細、高画質化が要求されるプラズマディスプレイ用の光学フィルターにおいては、さらに近赤外線吸収層の外観を向上させることが要望されていた。
特開2005−92195号公報 特開2005−92196号公報
本発明の目的は、前記の従来技術の課題を解決するためになされたものであり、近赤外領域を大きく、かつ、幅広く吸収を有し、近年のディスプレイの高輝度化、フルハイビジョン放送による高精細化や高画質化に対応し得る、近赤外線吸収層の塗膜外観に高度に優れる近赤外線吸収フィルムを提供する。
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに到った。即ち、本発明は、以下の通りである。
第1の発明は、透明基材上に、樹脂、近赤外線吸収色素を含有する組成物からなる近赤外線吸収層を積層してなる近赤外線吸収フィルムにおいて、前記透明基材と近赤外線吸収層積層の間に、π電子共役系導電性高分子を含有する導電層を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルムである。
第2の発明は、前記π電子共役系導電性高分子が、チオフェンまたはチオフェン誘導体であることを特徴とする第1の発明に記載の近赤外線吸収フィルムである。
第3の発明は、前記の近赤外線吸収色素が、ジインモニウム塩化合物を含むことを特徴とする第1または第2の発明に記載の近赤外線吸収フィルムである。
第4の発明は、透明基材上に、樹脂、近赤外線吸収色素を含有する組成物からなる近赤外線吸収層を積層してなる近赤外線吸収フィルムの製造方法において、透明基材の近赤外線吸収層を積層する側に表面抵抗が1×104〜1×1012Ω/□のπ電子共役系導電性高分子を含有する導電層を積層した後に近赤外線吸収層を積層することを特徴とする近赤外線吸収フィルム製造方法である。
本発明による近赤外線吸収フィルターをプラズマディプレイの前面に設置した場合、従来の近赤外線吸収フィルターと同様に、ディスプレイから放出される不要な近赤外線を吸収し、精密機器の誤動作を防ぐことができるだけでなく、塗工外観が高度に良好で、プラズマディスレイのフルハイビジョンによる高画質化に寄与する利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
(透明基材)
本発明において、透明基材は特に限定されるものではないが、全光線透過率が80%以上で、かつヘイズが5%以下であることが好ましい。基材が透明性に劣る場合には、ディスプレイの輝度を低下させるだけでなく、画像のシャープさが不良となる。
このような透明基材としては、例えばポリエステル系、アクリル系、セルロ−ス系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカ−ボネ−ト、フェノ−ル系、ウレタン系等のプラスチックフィルム又はシート、ガラス及びこれらの任意の2種類以上を貼り合わせたものが挙げられる。好ましくは、耐熱性、柔軟性のバランスが良好なポリエステル系フィルムであり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。
本発明で用いる透明基材として好適なポリエステル系フィルムとは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどをエステル化反応又はエステル交換反応を行い、次いで重縮合反応させて得たポリエステルチップを乾燥後、押出機で溶融し、Tダイからシート状に押し出して得た未延伸シートを少なくとも1軸方向に延伸し、次いで熱固定処理、緩和処理を行うことにより製造されるフィルムである。
前記フィルムは、強度等の点から、二軸延伸フィルムが特に好ましい。延伸方法としては、チューブラ延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等が挙げられるが、平面性、寸法安定性、厚みムラ等から逐次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸フィルムは、例えば、長手方向にポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+30℃)で、2.0〜5.0倍に長手方向にロール延伸し、引き続き、テンターで予熱後120〜150℃で1.2〜5.0倍に幅方向に延伸する。さらに、二軸延伸後に220℃以上(融点−10℃)以下の温度で熱固定処理を行い、次いで幅方向に3〜8%緩和させることによって製造することができる。また、フィルムの長手方向の寸法安定性をさらに改善するために、縦弛緩処理を併用してもよい。
フィルムには、ハンドリング性(例えば、積層後の巻取り性)を付与するために、粒子を含有させてフィルム表面に突起を形成させることが好ましい。フィルムに含有させる粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、等の無機粒子、アクリル、PMMA、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物、等の耐熱性高分子粒子が挙げられる。透明性の点から、フィルム中の粒子の含有量は少ないことが好ましく、例えば1ppm以上1000ppm以下であることが好ましい。さらに、透明性の点から使用する樹脂と屈折率の近い粒子を選択することが好ましい。また、フィルムには必要に応じて各種機能を付与するために、耐光剤(紫外線防止剤)、色素、帯電防止剤などを含有させてもよい。
本発明において、近赤外線吸収層を積層する面の反対面に反射防止層を設ける場合、外部から入射する紫外線による近赤外線吸収色素が劣化しやすくなる為、透明基材内に紫外線吸収剤を含有する必要がある。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤に大別されるが、透
明性の確保の観点からは有機系紫外線吸収剤(低分子タイプ、高分子タイプ)の使用が望
ましい。有機系紫外線吸収剤(低分子タイプ)としては特に限定されないが、例えばベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系など、およびこれらの組み
合わせが挙げられる。これらの中で、耐久性の観点からはベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系が好ましく、更に基材製造時の温度に耐えるために分解温度が290℃以上の紫外線吸収剤の使用が望ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収層の光劣化を抑制できる様に、380nm以下の波長における透過率が10%以下に調整することが好ましい。具体的には、紫外線吸収剤の含有量は、透明基材中に0.1〜4質量%であることが好ましく、0.3〜2質量%であることがより好ましい。紫外線吸収剤量が少なすぎると紫外線吸収能が小さくなり、多すぎるとフィルムが黄変する場合や、フィルムの製膜性が低下する場合があるので好ましくない。
本発明で用いる透明基材は、単層フィルムであっても、表層と中心層を積層した2層以上の複合フィルムであっても構わない。複合フィルムの場合、表層と中心層の機能を独立して設計することができる利点がある。例えば、厚みの薄い表層にのみ粒子を含有させて表面に凹凸を形成することでハンドリング性を維持しながら、厚みの厚い中心層には粒子を実質上含有させないことで、複合フィルム全体として透明性をさらに向上させることができる。また、紫外線吸収能を付与する場合、中心層のみに紫外線吸収剤を含有させることでフィルム製造時や経時での紫外線吸収剤の表面析出を低減でき、近赤外線吸収層への耐熱性の劣化等の悪影響を抑制できる。前記複合フィルムの製造方法は特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると、表層と中心層の原料を別々の押出機から押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸方向に配向させる、いわゆる共押出法による積層が特に好ましい。
透明基材の厚みは素材により異なるが、ポリエステルフィルムを用いる場合には、下限は35μm以上が好ましく、より好ましくは50μm以上である。一方、厚みの上限は260μm以下が好ましく、より好ましくは200μm以下である。厚みが薄い場合には、ハンドリング性が不良となるばかりか、近赤外線吸収層の残留溶媒を少なくなるように乾燥時に加熱した場合に、フィルムに熱シワが発生して平面性が不良となりやすい。一方、厚みが厚い場合にはコスト面で問題があるだけでなく、ロール状に巻き取って保存した場合に巻き癖による平面性不良が発生しやすくなる。
(中間層)
本発明の近赤外線吸収フィルムは、透明基材上に近赤外線吸収層を積層した構成になっているが、透明基材と近赤外線吸収層の密着性の向上や透明基材の透明性向上を目的に中間層を設けることが好ましい。なお、フィルム中に粒子を含有させない場合、粒子を含有する中間層をフィルム製造時に同時に設けることにより、ハンドリング性を維持しながら高度な透明性を得ることができる。
前記中間層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂などが挙げられるが、基材および近赤外線吸収層との密着性が良好である様に選択することが重要であり、具体的には、基材及び近赤外線吸収層を構成する樹脂がエステル系であれば、類似した構造を有するポリエステル系、ポリエステルウレタン系を選定することが好ましい。
前記中間層には、密着性の向上、耐水性の向上を目的に架橋剤を含有させて架橋構造を形成させても構わない。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系が挙げられる。特に、樹脂が高温・高湿度下での白化や強度が低下する場合には、架橋剤による効果が顕著である。なお、架橋剤を用いずに、樹脂として自己架橋性を有するグラフト共重合樹脂を用いてもよい。
中間層には、表面に凹凸を形成させて滑り性を改善する目的で、各種の粒子を含有させてもよい。中間層中に含有させる粒子としては、例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、等の無機粒子、アクリル、PMMA、ナイロン、スチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物、等の有機粒子が挙げられる。なお、透明性の点から使用する樹脂と屈折率の近い粒子を選択することが好ましい。
さらに、中間層に各種機能を付与するために、界面活性剤、帯電防止剤、色素、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
中間層は目的とする機能を有する場合は単層でも構わないが、必要に応じて2層以上に積層しても構わない。
中間層の厚みは、目的とする機能を有すれば特に限定されるものではないが、0.01μm以上5μm以下が好ましい。厚みが薄い場合には中間層としても機能が発現し難くなり、逆に、厚い場合には透明性が不良となりやすくなる。
中間層を設ける方法としては、塗布法が好ましい。塗布法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式などの公知の塗布方法を用いて、フィルムの製造工程で塗布層を設けるインラインコート方式、フィルム製造後に塗布層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。これらの方式のうち、インラインコート方式がコスト面で優れるだけでなく、塗布層に粒子を含有させることで、透明基材に粒子を含有させる必要がなくなるため、透明性を高度に改善することができるため好ましい。
(帯電防止層)
本発明において、透明基材と近赤外線吸収層の間に、帯電防止層を設ける必要がある。
帯電防止層は、上記の中間層と兼ねても良いし、中間層上あるいは中間層の下に帯電防止層を設けても良い。
本発明において、透明基材の近赤外線吸収層を設ける面の表面抵抗は、1×105〜1×1012Ω/□であることが好ましい。1×1012Ω/□より表面抵抗が低い場合には、ロールツウロールで近赤外線吸収層を設ける際に、ロールの巻出し帯電、金属ロール、ゴムロールとの摩擦による帯電を大幅に低減でき、近赤外線吸収層を形成する塗液を塗布する前に、異物等の付着が大幅に低減することが可能となる。表面抵抗は、低いほど異物の付着量を低減できると共に、微小な異物まで付着を防止することができるが、1×105Ω/□より表面抵抗を下げるには、コスト的な問題だけでなく、フィルムの透明性が悪化する問題がある。
更に、帯電防止層を積層することにより、近赤外線吸収層を積層する面が平滑化され、基材起因の微小欠点の軽減も可能となる。
帯電防止性を発現させる方法としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性を有する各種カチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硝酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性を有するアニオン性帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等の各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには上記の高分子化したものを帯電防止層中に含有させる方法が一般的であるが、後述する近赤外線吸収性を有する色素、特にジインモニウム塩化合物がカチオン性やアニオン性の極性基を有する化合物により劣化しやすく、近赤外線吸収フィルムの経時安定性が大幅に悪化する。
本発明において、帯電防止層は、π電子共役系導電性高分子を含有することが必要である。π電子共役系導電性高分子は、近赤外線吸収色素、特に、ジインモニウム塩化合物の劣化を促進することがなく、経時安定性が良好となる。また、近赤外線吸収層を積層後に帯電防止能が残存し、後工程での貼り合せ時のゴミ付着等の低減も可能となる。
π共役系導電性高分子としては、アニリン及び/又はその誘導体、ピロール及び/又はその誘導体、イソチアナフテン及び/又はその誘導体、アセチレン及び/又はその誘導体、チオフェン及び/又はその誘導体等が挙げられる。その中でも着色が少ないチオフェン及び/又はその誘導体が好ましい。
帯電防止層には、π共役系導電性高分子以外に密着性の向上の為に、他の樹脂を混合することが好ましい。混合する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂などが挙げられるが、基材および近赤外線吸収層との密着性が良好である様に選択することが重要であり、具体的には、基材及び近赤外線吸収層を構成する樹脂に類似した構造を有する樹脂であり、アクリル系、エステル系が好ましい。
帯電防止層には、外観向上の為の界面活性剤、紫外線吸収剤、色調調整用の色素や顔料、滑り性付与の為に各種のフィラーを含有しても良い。
帯電防止層の厚みとしては、目的とする帯電防止性を達成すれば特に限定されないが、0.01μm以上10μm以下が好ましい。0.01μm未満の場合には、帯電防止性が不足となると共に、表面の平滑化能が不足する。逆に、10μmより厚い場合には、透明性が不良となりやすい。
帯電防止層を設ける方法としては、塗布法が好ましい。塗布法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式などの公知の塗布方法を用いて、フィルムの製造工程で塗布層を設けるインラインコート方式、フィルム製造後に塗布層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。帯電防止層が中間層を兼ねる場合には、インラインコート方式がコスト面で優れるだけでなく、塗布層に粒子を含有させることで、透明基材に粒子を含有させる必要がなくなるため、透明性を高度に改善することができるため好ましい。
(近赤外線吸収層)
本発明の近赤外線吸収フィルターは、透明基材上に帯電防止層を直接あるいは他の層を介して近赤外線吸収能を有する色素を含む近赤外線吸収層を積層する。
近赤外線吸収色素とは、波長800〜1200nmの近赤外線領域に極大吸収を有する色素であって、ジインモニウム塩系、フタロシアニン系、ジチオ−ル金属錯体系、ナフタロシアニン系、アゾ系、ポリメチン系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、テトラデヒドオコリン系、トリフェニルメタン系、シアニン系、アゾ系、アミニウム系等の化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で又は2種以上を混合して使用されるが、本発明において、近赤外線領域の吸収が大きく、かつ吸収域も広く、さらに可視光領域の透過率も高い下式(1)で示すジインモニウム塩化合物を含むことが必要である。
Figure 2007206260
前記の式(1)中のR1〜R8の具体例としては、(1)メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基などのアルキル基、(2)フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル基などのアリール基、(3)ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などのアルケニル基、(4)ベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などのアラルキル基、が挙げられる。これらの中で、炭素数が多く、かつ、分岐状のiso−ブチル基、ter−ブチル基、更にはベンゼン環を有するフェニルアルキル基が色素自体の耐久性が向上して好ましいが、有機溶剤への溶解性を考慮して選択する必要がある。
また、R1〜R8は、全て同一でも構わないし、異なっても構わない。
また、R9〜12としては、水素、フッ素、塩素、臭素、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド酸イオン、などが挙げられるが、耐久性、色素の溶解性の観点から、イミド酸イオン系を用いることが好ましい。ただし、本発明では、上記例示のものに限定される訳ではない。これらの一部は市販品として入手可能であり、例えば、日本化薬社製Kayasorb IRG−022、IRG−023、IRG−024、IRG−068、日本カーリット社製 CIR−1080、CIR−1081、CIR−1083、CIR−1085、CIR−1085F、CIR−RLなどを好適に用いることができる。
本発明の近赤外線吸収フィルムは、前記の式(1)で示されるジインモニウム塩化合物以外に、近赤外線領域の吸収域の拡大および調整を目的として、他の近赤外線吸収色素を加えることもできる。好ましくは、ジインモニウム塩化合物の劣化を促進させないものがよく、具体的には、800〜1100nmに吸収ピークを有するフタロシアニン、シアニン色素、ジチオ−ル金属錯体が挙げられる。
本発明において、目的とする近赤外線領域の吸収、可視光領域での透過率を制御するために、近赤外線吸収色素の量を、近赤外線吸収層の厚み方向における任意の面で0.01g/m2 以上1.0g/m2 以下と存在するように調整することが好ましい。近赤外線吸収色素の量が少ない場合には、近赤外線領域での吸収能が不足し、逆に、多い場合には可視光領域での透明性が不足してディスプレイの輝度が低下する問題がある。
本発明において、近赤外線吸収色素は樹脂中に分散あるいは溶解した組成物として、塗布法により、透明基材上に積層される。樹脂としては、近赤外線吸収色素を均一に溶解あるいは分散できるものであれば特に限定されないが、ポリエステル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系樹脂を好適に用いることができる。中でも、色素混合時の透明性、耐熱性、耐溶剤性に優れるアクリル系樹脂好ましい。
樹脂のガラス転移温度は、利用する機器の使用保証温度以上であることが好ましい。
ガラス転移温度が機器使用温度以下であると、樹脂中に分散された色素同士が反応しやすくなると共に、樹脂が外気中の水分等を吸収し色素やバインダ−樹脂の劣化が大きくなる。また、本発明において、樹脂のガラス転移温度は、機器使用温度以上であれば特に限定されないが、特に好ましくは85℃以上160℃以下が好ましい。ガラス転移温度が85℃未満の場合、色素と樹脂との相互作用、色素間の相互作用等が起こり、色素の変性が発生する。また、ガラス転移温度が160℃を超える場合、該樹脂を溶媒に溶解し、透明基材上に塗布する時に十分な乾燥をしようとすれば高温にしなければならず、基材の熱シワによる平面性不良、更には、色素の劣化が発生する。また、低温で乾燥した場合、乾燥時間が長く生産性が悪くなり、生産性が不良となる。また、十分な乾燥ができない可能性もあり、溶媒が塗膜中に残留し、前述のように樹脂の見かけのガラス転移温度が低下し、やはり、色素の変性を引き起こす。
近赤外線吸収層における近赤外線吸収色素の量は、樹脂に対し1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。樹脂中の近赤外線吸収色素の量が少ない場合には、目的とする近赤外線吸収能を達成するために近赤外線吸収層の塗工量を増やす必要があり、十分な乾燥をしようとすれば高温及び/又は長時間にする必要があり、色素の劣化や基材の平面性不良などが起こりやすくなる。逆に、樹脂中の近赤外線吸収色素の量が多い場合には、色素間の相互作用が強くなり、残留溶媒が少なくしたとしても色素の経時的な変性が起こりやすくなる。
本発明において、近赤外線吸収層は、近赤外線吸収色素、樹脂、および有機溶媒を含む塗布液を、透明基材上に塗布、乾燥させて形成される。この際に、前記塗布液中に界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤を含有させることにより、近赤外線吸収層の塗工外観、特に、微小な泡によるヌケ、異物等の付着より凹み、乾燥工程でのハジキが低減される。更には、界面活性剤は塗布乾燥により表面にブリードすることにより、滑り性が付与され、近赤外線吸収層あるいは/及び反対面に表面凹凸を形成しなくともハンドリング性が良好となり、ロール状に巻取ることが容易になる。
界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系の公知のものを好適に使用できるが、近赤外線吸収色素との劣化等の問題から極性基を有していないノニオン系が好ましく、更には、界面活性能に優れるシリコン系又はフッ素系界面活性剤が好ましい。
シリコン系界面活性剤としては、ジメチルシリコン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシラン、メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジエン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキシ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレンオキシド変性シロキサンなどが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、4フッ化エチレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物などが挙げられる。
界面活性剤の含有量は、近赤外線吸収層を構成する樹脂に対して0.01質量%以上2.00質量%以下であることが重要である。界面活性剤の含有量が少ない場合には、塗工外観の向上や滑り性付与の効果が不足し、逆に、多い場合には近赤外線吸収層が水分を吸収しやすくなり、色素の劣化が促進される。
本発明において、界面活性剤のHLBは2以上12以下であることが重要である。HLBの下限値は好ましくは3であり、特に好ましくは4である。一方、HLBの下限値は好ましくは11であり、特に好ましくは10である。HLBが低い場合には界面活性能の不足によりレベリング性が不足する。逆に、HLBが高い場合には、滑り性が不足するだけでなく、近赤外線吸収層が水分を吸収しやすくなり、色素の経時安定性が不良となる。
なお、HLBとはアメリカのAtlas Powder社のW.C.GriffinがHydorophil Lyophile Balanceと名付けて界面活性剤の分子中に含まれる親水基と親油基のバランスを特性値として指標化した値でこの値が低いほど親油性が、逆に高いほど親水性が高くなる。
本発明において、近赤外線吸収層は、樹脂、近赤外線吸収色素、界面活性剤を含む塗布液を透明基材上に塗布・乾燥することにより積層されるが、該塗布液は、塗工性より有機溶媒により希釈することが必要である。
該有機溶媒としては、(1)メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等のアルコール類、(2)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のグリコール類、(3)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチレンエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート等のグリコールエーテル類、(4)酢酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル等のエステル類、(5)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソホロン、ジアセトンアルコール等のケトン類、を例示することができ、これら単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
好ましくは、色素の溶解性に優れるケトン類を、塗布液に使用する全有機溶媒に対し、30質量%以上80質量%以下含有させ、その他の有機溶媒は、レベリング性、乾燥性を考慮して選定することが好ましい。また、有機溶媒の沸点は、60℃以上180℃以下が好ましい。沸点が低い場合には、塗工中に塗布液の固形分濃度が変化し、塗工厚みが安定化しにくい。逆に、沸点が高い場合には、塗膜中に残存する有機溶媒量が増え、経時安定性が不良となる。
近赤外線吸収色素および樹脂を有機溶媒中に溶解あるいは分散する方法としては、加温下での攪拌、分散及び粉砕の方法が挙げられる。加温することにより色素及び樹脂の溶解性を向上することができ、未溶解物等による塗工外観への不良が妨げられる。また、分散及び粉砕して樹脂及び色素を0.3μm以下の微粒子状態で塗布液中に分散することにより、透明性に優れる層を形成することが可能となる。分散機及び粉砕機としては、公知のものを用いることができ、具体的には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ホモミキサー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。
塗布液中にコンタミや1μm以上の未溶解物が存在した場合、塗布後の外観が不良になるため、塗布する前に、フィルター等で除去する必要がある。フィルターとして、各種のものが好適に使用できるが、1μmの大きさのものを99%以上除去するものを用いることが好ましい。1μm以上のコンタミや未溶解物を含む塗布液を塗布し乾燥した場合には、その周囲に凹み等が発生し、100〜1000μmサイズの欠点になる場合がある。
塗布液中に含まれる樹脂及び色素等の固形分濃度は、10質量%以上30質量%が好ましい。固形分濃度が低い場合には、塗布後の乾燥に時間が掛かり、生産性が劣るばかりか、塗膜中に残存する溶媒量が増加し、経時安定性が不良となる。逆に、固形分濃度が高い場合には、塗布液の粘度が高くなりレベリング性が不足して塗工外観が不良となる。塗布液の粘度は、10cps以上300cps以下が塗工外観の面で好ましく、この範囲になるように固形分濃度、有機溶媒等を調整することが好ましい。
本発明で、近赤外線吸収層を透明基材上に塗布する方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式、バーコート方式、リップコート方式など通常用いられている方法が適用できる。これらのなかで、均一に塗布することのできるグラビアコート方式、特にリバースグラビア方式が好ましい。また、グラビアの直径は、80mm以下であることが好ましい。直径が大きい場合には流れ方向にうねスジが発生する頻度が増える。
近赤外線吸収層の乾燥後の塗布量は特に限定されないが、下限は1g/m2 が好ましい、より好ましくは3g/m2 であり、上限は50g/m2 が好ましく、より好ましくは30g/m2 である。乾燥後の塗布量が少ない場合には、近赤外線の吸収力が不足しやすくなる。そのため、樹脂中の近赤外線吸収色素の存在量を増やすと、表面及びアンカー層の界面に存在する色素量が多くなり、外気やアンカー層の樹脂の影響を受けやすくなる。その結果、色素の劣化等が起こりやすくなり、経時安定性が不良となる。逆に、乾燥後の塗布量が多い場合には、近赤外線の吸収能は十分であるが、可視光領域での透明性が低下し、ディスプレイの輝度が低下する。そのため、樹脂中の近赤外線吸収色素の存在量を低減すると、光学特性は調節できるが、乾燥が不十分になりやすくなる。その結果、塗膜中の残留溶媒により色素の経時安定性が不良となる。一方、乾燥を十分にした場合には基材の平面性が不良となる。
塗布液を透明基材上に塗布し、乾燥する方法としては、公知の熱風乾燥、赤外線ヒーター等が挙げられるが、乾燥速度が早い熱風乾燥が好ましい。
塗布後の、初期の恒率乾燥の段階では、20℃以上80℃以下で、2m/秒以上30m/秒の熱風を用いて乾燥することが好ましい。初期乾燥を強く行う(熱風温度が高い、熱風の風量が大きい)場合には、泡由来の微小なコートヌケ、微小なハジキ、クラック等の塗膜の微小な欠点が発生しやすくなる。逆に、初期乾燥を弱くする(熱風温度が低い、熱風の風量が小さい)場合には、外観は良好になるが乾燥時間が掛かりコスト面で問題がある。塗布液に界面活性剤を添加しない場合には、上記の微小な欠点が発生しやすく、初期乾燥をかなり弱くする必要がある。
減率乾燥の工程では、初期乾燥よりも高温し、塗膜中の溶媒を減少させる必要があり、好ましい温度は、120℃以上180℃以下である。特に好ましくは、下限値が140℃であり、上限値は170℃である。温度が低い場合には、塗膜中の溶媒が減少しにくくなり、残留溶媒となって色素の経時的な安定性が不十分となる。逆に、高温の場合には、熱シワにより基材の平面性が不良となるだけでなく、近赤外線吸収色素が熱により劣化する。また、通過時間としては、5秒以上180秒以下であることが好ましい。時間が短い場合には塗膜中の残留する溶媒が多くなり経時安定性が不良となり、逆に時間が長い場合には、生産性が不良となるだけでなく、基材に熱シワが発生して平面性が不良となる。通過時間の上限は、生産性と平面性の点から、30秒とすることが特に好ましい。
乾燥の最終では、熱風温度を樹脂のガラス転移温度以下にし、フラットの状態で基材の実温を樹脂のガラス転移温度以下にすることが好ましい。高温のままでは乾燥炉を出た場合には、塗工面がロール表面に接触した際に滑りが不良となり、キズ等が発生するだけでなく、カール等が発生する場合がある。
近赤外線吸収層を積層する側とは反対面に、容易に剥離が可能な保護フィルムを積層し、その状態で近赤外線吸収層を塗布・乾燥することが好ましい。積層時にロールとの摩擦によるキズの発生を無くすことができるだけでなく、全体の強度が向上し乾燥時の熱シワが低減し、更には、乾燥時に基材中のオリゴマーが析出してヘイズを悪化を防止することができる。
(近赤外線吸収フィルム)
本発明において近赤外線吸収フィルムとは、800〜1200nmの近赤外領域の透過率が低く、400nm〜800nmの可視光領域の透過率が高いフィルムのことである。近赤外領域の透過率は低いほど好ましく、具体的には40%以下、より好ましくは30%以下である。透過率が高い場合には、プラズマディスプレイから放出される近赤外線の吸収が不足し、近赤外線リモコンを用いる電子機器の誤動作を防止することができない。
透過率の調整としては、上述の近赤外線吸収色素の種類、単位面積あたりの近赤外線吸収色素の存在量により変更することができる。
近赤外線吸収フィルムの色調としては、Lab表色系で表現すると、a値は−10.0〜+10.0、b値は−10.0〜+10.0であることが好ましい。この範囲であれば、プラズマディスプレイの前面に設置した場合でもナチュラル色となり好ましい。
色調を調整する方法としては、上述の近赤外線吸収色素の種類、単位面積あたりの近赤外線吸収色素の存在量、更には、他の色素の混合により達成できる。なお、後述の近赤外線吸収フィルムの前面または裏面に着色された粘着層を用いて電磁波防止フィルム、反射防止フィルム、ガラス等の他の部材と貼り合せる場合には、光学フィルターとして、ナチュラル色になるように色調を調整することが好ましい。
近赤外線吸収層の塗工外観としては、直径300μm以上、より好ましくは100μmのサイズの欠点を存在しないようにしなければならない。300μm以上の欠点は、プラズマディスプレイの前面に設置すると輝点の様になり、欠点が顕著化される。100μm以上300μm未満の欠点も粘着加工等の貼り合わせにより、レンズ効果等で強調される場合があり、できるだけ存在しないようにしなかればならない。また、塗工層の薄いスジ、ムラ等もディスプレイ前面では顕著化されて問題となる。
近赤外線吸収フィルムは、高温、高湿度下に長期間放置されても、近赤外線の透過率、可視光の透過率が変化しないことが好ましい。高温、高湿度下の経時安定性が不良の場合には、ディスプレイの映像の色調が変化するばかりか、近赤外線リモコンを用いた電子機器の誤動作を防止する本発明の効果がなくなる場合がある。
経時安定性を良好にするには、色素や樹脂の種類、添加剤により変化するが、塗布液で使用する有機溶媒の種類、塗布層の厚み、乾燥条件等を制御することで近赤外線吸収層中の残留溶媒量を低減すること、あるいは樹脂中の色素の含有量を調整することにより良好化することができる。なお、近赤外線吸収層の残留溶媒の量は、少なければ少ないほどよいが、3質量%以下にすることが好ましい。3質量%以下になれば、実質的に経時安定性に差がなくなる。しかしながら、さらに残留溶媒量を低下させるために、例えば、乾燥を過酷な条件とすると、フィルターの平面性が不良になる等の弊害が発生し、減圧乾燥のような方法では生産性が低下する。
本発明において、近赤外線吸収層を設けていない面に、他の機能を付与しても構わない。具体的には、帯電防止層、易接着層、易滑層、反射防止層、電磁波防止層が挙げられる。反射防止層、電磁波防止層を設けることで、光学フィルターの部材を減らすことができ、安価にできるだけでなく、光の干渉する面が減少してプラズマディスプレイの画質が向上することができる。帯電防止層は、近赤外線吸収層の形成時、後工程でのゴミの付着を低減することができ、微小欠点の低減や製造時の歩留まり向上することが可能となる。易接着層は粘着剤で他の部材と貼り合せた際の密着力の向上、易滑層はハンドリング性を向上することが可能となる。
帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、公知のものを用いることができるが、近赤外線吸収フィルムの製造時にロール上で巻き取った際に、近赤外線吸収層に帯電防止層が接触し、近赤外線吸収色素、特にジインモニウム塩化合物が劣化することがある為、アニオン系やカチオン系の界面活性剤タイプや、4級アンモニウム塩のカチオン系樹脂の使用することは好ましくなく、π電子共役系導電性高分子を含有することが必要である。π電子共役系導電性高分子は、近赤外線吸収色素、特に、ジインモニウム塩化合物の劣化を促進することがなく、逆に、経時安定性が良好となる場合がある。π電子共役系導電性高分子としては、アニリン及び/又はその誘導体、ピロール及び/又はその誘導体、イソチアナフテン及び/又はその誘導体、アセチレン及び/又はその誘導体、チオフェン及び/又はその誘導体等が挙げられる。その中でも着色が少ないチオフェン及び/又はその誘導体が好ましい。
本発明において、ディスプレイから放出される有害電磁波を遮断する目的で、赤外線吸収層と同一面、ないしは、反対面に導電層を直接或いは粘着剤を介して設けてもよい。該導電層は金属メッシュと導電薄膜の何れを用いても良く、金属メッシュを用いた場合、開口率が50%以上の金属メッシュ導電層を有している必要がある。金属メッシュの開口率が低ければ電磁波シ−ルド性は良好となるが光線透過率が低下する問題が有る、この為、良好な光線透過率を得る為には開口率が50%以上は必要となる。本発明に用いられる金属メッシュとしては、電気電導性の高い金属箔にエッチング処理を施して、メッシュ状にしたものや、金属繊維を使った織物状のメッシュや、高分子繊維の表面に金属をメッキ等の手法を用いて付着させた繊維を用いてもよい。該電磁波吸収層に使われる金属は、電気電導性が高く、安定性が良ければいかなる金属でも良く特に限定されるものではないが、加工性、コストなどの観点より、好ましくは、銅、ニッケル、タングステンなどがよい。
また、導電薄膜を用いた場合、透明導電層はいかなる導電膜でもよいが、好ましくは、金属酸化物であることが好ましい。これによって、より高い可視光線透過率を得ることが出来る。また、本発明において透明導電層の導電率を向上させたい場合は、金属酸化物/金属/金属酸化物の3層以上の繰り返し構造であることが好ましい。金属を多層化することで、高い可視光線透過率を維持しながら、電導性を得ることができる。本発明に用いられる。金属酸化物は、電導性と可視光線透過性が有していれば如何なる金属酸化物でもよい。一例として、酸化錫、インジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ビスマスなどがある。以上は一例であり、特に限定されるものではない。また、本発明に用いられる金属層は、導電性の観点より、金、銀及びそれらを含む化合物が好ましい。
更に、導電層を多層化した場合、例えばくり返し層数が3層の場合、銀層の厚さは50〜200Åが好ましく、より好ましくは50〜100Åである。これよりも膜厚が厚い場合は、光線透過率が低下し、薄い場合は抵抗値が上がってしまう。また、金属酸化物層の厚さとしては、好ましくは、100〜1000Å、より好ましくは、100〜500Åである。この厚さより厚い場合には着色して色調が変ってしまい、薄い場合には抵抗値が上がってしまう。さらに、3層以上多層化する場合、例えば、金属酸化物/銀/金属酸化物/銀/金属酸化物のように5層とした場合、中心の金属酸化物の厚さは、それ以外の金属酸化物層の厚さよりも厚いことが好ましい。この様にすることで、多層膜全体の光線透過率が向上する。
反射防止層とは、表面反射を防ぎ、蛍光灯等の映り込みを防止する機能を有する。該反射防止機能を付与する方法は限定させず任意に選択できるが、例えば、基材の表面に屈折率の異なる層を積層し、該層の界面における反射光の干渉を利用して低減する方法、表面に凹凸を付与する方法が挙げられる。該方法の反射防止膜を形成する方法として、大きくは下記の2方法が挙げられる。その一つの方法は、基材の表面に、蒸着法やスパッタリング法により反射防止膜を形成する方法であり、他の一つの方法は、基材の表面に、反射防止用塗布液を塗布し乾燥させることにより反射防止膜を形成する方法である。一般論としては、反射防止特性では前者が、経済性では後者が優れていると言われているが、本発明においては、どちらの方法を用いても構わない。
(光学フィルター)
本発明において光学フィルターとは、プラズマディスプレイの前面に設置されるもので、ディプレイから発生する近赤外線、電磁波をカットすると共に、ディスプレイの視認性向上の為の反射防止、色再現性の向上等の機能を有し、更には、ディスプレイの保護の機能を有する。
光学フィルターは、反射防止フィルム、ガラス、電磁波防止フィルム、近赤外線吸収フィルムを粘着剤で貼り合せた構成が一例として挙げられ、粘着剤に紫外線吸収能、色補正機能、色再現性の向上機能を付与することが好ましい。また、フィルムの同一面あるいは反対面に別々の機能を付与した複合フィルムを用いることで、部材数の低減、計量化等で好ましい。更には、軽量化、高画質化の為に、ガラスを用いず、直接プラズマディスプレイのパネルに張り合わせる直貼りフィルターも好ましい。
本発明において、ガラスを用いずに直接プラズマディプレイのパネルに光学フィルターを貼り合せる場合に、本発明の近赤外線吸収フィルムを好適に使用できる。光学フィルターを直接貼り合せることで、画質の向上を図ることができるが、パネルの熱が伝わり易く、高度な耐熱性が要求される。また、ガラスを使用しないことで軽量化が図れるが、外部の衝撃により、ひび割れ等の問題が発生しやすくなり、柔軟性が高度に要求される。
次に本発明の実施例及び比較例を示す。また、本発明で使用した特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
<表面抵抗>
三菱油化製表面抵抗計を用いて、印加電圧500V、20℃、55%RHの条件下で測定した。
<塗布液粘度>
20℃に塗布液を調節し、東京計器製のB型粘度計(BL)を用いて、ローター回転数60rpmにて測定した。
<全光線透過率、ヘイズ>
ヘイズメータ(日本電色工業製、NDH2000)を用いて、全光線透過率およびヘイズを測定した。
<透過率>
分光光度計(島津製作所製UV−3150型)を用い、波長300〜1200nmの範囲で、近赤外線吸収層側に光が照射するようにして、室内の空気を透過率の参照として測定した。
<色調>
色差計(日本電色工業製、ZE−2000)を用い、近赤外線吸収層側に光が照射するようにして、Lab表色系のa値、b値を、標準光としてC光源、2度視野角で測定した。
<経時安定性>
温度80℃、湿度95%雰囲気中で48時間放置した後、上記の透過率、色調を測定した。色調の変化量として、下式よりΔEを求めた。尚、ΔEは値が小さい程、色調の変化が少ないことを示す。
ΔE=√((処理前a値―処理後a値)2+(処理前b値―処理後b値)2
・・・(1)
<塗膜外観>
近赤外線吸収フィルムを白色フィルム(東洋紡製、クリスパーK1212;100μm)上に置き、3波長の蛍光灯下で微小欠点の観察を行った。
まず、目視で欠点と観察されるものをすべてマーキングする。なお、欠点の個数が多い場合は途中で中止する。次いで、光学顕微鏡にて欠点の大きさを確認し、100m2あたりの直径が100μm以上の大きさの微小欠点について、100μm以上200μm未満、200μm以上300μm未満、300μm以上、の大きさの範囲に分類して、欠点の個数を計測する。
実施例1
(基材)
固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を2軸スクリュ−押出機に投入し、T−ダイスから290℃で溶融押出しし、冷却回転金属ロ−ル上で静電印加を付与しながら密着固化させ、未延伸シ−トを得た。
次いで、該未延伸シートをロール延伸機で90℃に加熱して、3.5倍で縦延伸を行った後、縦延伸フィルム上に下記塗布液Aを乾燥後の塗布量が0.5g/m2 となる様に両面に塗布し、風速10m/秒、120℃の熱風下で20秒通過させて、中間塗布層を形成させた。さらに、テンタ−で140℃に加熱して3.7倍横延伸したあと、235℃で幅(横)方向に5%緩和させながら熱処理してフィルムを得た。更に、得られたフィルムの端部をスリットし、1m巾で2000m巻のロールを得た。得られた中間塗布層を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、厚みが100μm、全光線透過率が90.2%で、ヘイズが0.5%であった。
(中間塗布層用塗布液Aの組成)
・イオン交換水 50.0質量%
・イソプロピルアルコール 28.9質量%
・アクリルーメラミン樹脂 10.0質量%
(日本カーバイト製、A−08、固形分濃度:46質量%)
・ポリエステル系樹脂 10.0質量%
(東洋紡績製、MD−1250、固形分濃度:30質量%)
・有機粒子 1.0質量%
(日本触媒製、エポスターMA1001)
・界面活性剤 0.1質量%
(ダウコーニング株式会社製、ペインタッド32)
(帯電防止層の積層)
下記の塗布液B(固形分濃度:1質量%)を上記の中間層上に乾燥後の塗布量が0.1g/m2 になる様にダイレクトグラビア方式で塗布し、100℃で10m/秒の熱風下を10秒間通過させて、帯電防止層を積層した。表面抵抗は、2.1×107Ω/□であった。
(帯電防止層用の塗布液B)
・水 10.0質量%
・イソプロピルアルコール 80.0質量%
・チオフェン系樹脂
(ナガセケミテックス製、デナトロンP−502RG) 10.0質量%
(近赤外線吸収層の積層)
下記の塗布液C(固形分濃度が16質量%、粘度が28cps)を上記の帯電防止層上に、乾燥後の波長950nmにおける透過率が4.3%(塗工量で約8.0g/m2)になるように直径60cmの斜線グラビアを用いてリバースで塗工し、40℃で5m/秒の熱風で20秒間、150℃で20m/秒の熱風で20秒間、さらに、90℃で20m/秒の熱風で10秒間通過させて乾燥し、近赤外線吸収フィルムを作成した。
(近赤外線吸収層用の塗布液C)
下記の質量比で混合し、30分以上攪拌して色素を溶解させた。次いで、公称ろ過精度1μmのフィルターで未溶解物を除去して塗布液を作成した。
・トルエン 23.054質量%
・メチルエチルケトン 23.054質量%
・アクリル系樹脂 52.695質量%
(綜研化学製GS−1030、固形分濃度:30質量%、Tg:110℃)
・ジインモニウム塩化合物 0.731質量%
(日本カーリット製、CIR−RL)
・フタロシアニン系色素 0.407質量%
(日本触媒製、IR−10A)
・界面活性剤 0.059質量%
(ダウコーニング製ペインタッド57、HLB:6.7)
得られた近赤外線吸収フィルムは、近赤外領域の吸収が強く、可視光領域の透過率に優れていた。さらに、経時安定性に優れ、微小欠点も少なく良好であった。近赤外線吸収フィルムの物性を表1、表2に示す。
実施例2
帯電防止層の乾燥後の塗布量が0.02g/m2 になる様に調整したこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。なお、帯電防止層を積層した後の表面抵抗は、3.5×1010Ω/□であった。
得られた近赤外線吸収フィルムは、実施例1と同様に、経時安定性に優れ、微小欠点が少なかった。
実施例3
中間層として、π共役系導電性高分子を含有する下記塗布液Dを用い、帯電防止層を別途設けないこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。なお、中間層形成後の表面抵抗は、7.6×106Ω/□であった。
得られた近赤外線吸収フィルムは、付着異物起因の大きな欠点は更に減少した。これは、中間層を帯電防止層と別々に設けていないため、加工工程が少なくなったためと考えられる。
(中間層用の塗布液D)
・水 30.0質量%
・イソプロピルアルコール 28.9質量%
・チオフェン系樹脂
(ナガセケミテックス製、デナトロンP−502RG) 30.0質量%
・ポリエステル系樹脂 10.0質量%
(東洋紡績製、MD−1250、固形分濃度:30質量%)
・有機粒子 1.0質量%
(日本触媒製、エポスターMA1001)
・界面活性剤 0.1質量%
(ダウコーニング株式会社製、ペインタッド32)
比較例1
実施例1において、帯電防止層を積層しなかったこと以外は実施例と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。なお、近赤外線吸収層を積層する前の透明基材の表面抵抗は、1014Ω/□以上であり、帯電防止性に劣っていた。
そのため、ロール状に巻き取った近赤外線吸収フィルムを巻き出した際に、7kVの帯電が発生した。その結果、巻きだし後の近赤外線吸収フィルムは、空気中の異物を静電気で表面に吸着し、微小欠点の個数が増加した。
比較例2
実施例1において、帯電防止層として、下記の塗布液Eを用いたこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収フィルムを得た。帯電防止層形成後の表面抵抗は、4.2×108Ω/□であった。
(帯電防止層用の塗布液E)
・水 50.0質量%
・イソプロピルアルコール 45.0質量%
・カチオン性高分子帯電防止剤 5.0質量%
(三洋化成製、ケミスタット6300H)
得られた近赤外線吸収フィルムは、帯電防止剤としてカチオン性帯電防止剤を用いたため、近赤外線吸収層中のジインモニウム塩化合物が劣化し、経時安定性が不良となった。
比較例3
実施例1において、帯電防止層として、下記の塗布液Fを用いたこと以外は実施例1と同様にして近赤外線吸収層を得た。帯電防止層形成後の表面抵抗は、4.1×1013Ω/□であった。
(帯電防止層用の塗布液F)
・水 50.0質量%
・イソプロピルアルコール 45.0質量%
・アニオン性高分子帯電防止剤 5.0質量%
(三洋化成製、ケミスタットSA−9)
得られた近赤外線吸収フィルムは帯電防止性に劣っていたため、ロール状に巻き取った近赤外線吸収フィルムを巻き出した際に、5kVの帯電が発生した。その結果、巻きだし後の近赤外線吸収フィルムは、空気中の異物を静電気で表面に吸着し、微小欠点の個数が増加した。さらに、帯電防止剤としてアニオン性帯電防止剤を用いたため、近赤外線吸収層中のジインモニウム塩化合物が劣化し、経時安定性が不良となった。
Figure 2007206260
Figure 2007206260
本発明の近赤外線吸収フィルムは、近赤外領域の透過率が低く、可視光領域の透過率が高く、かつ、塗工外観が良好であるため、近年の高画質、高精細化されたプラズマディスプレイの前面に設置しても欠点の無い良好が映像を表現でき、かつ、近赤外線リモコンを用いて精密機器の誤動作を防止することができ、産業界に寄与することが大である。

Claims (4)

  1. 透明基材上に、樹脂、近赤外線吸収色素を含有する組成物からなる近赤外線吸収層を積層してなる近赤外線吸収フィルムにおいて、前記透明基材と近赤外線吸収層積層の間に、π電子共役系導電性高分子を含有する導電層を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルム。
  2. 前記π電子共役系導電性高分子が、チオフェンまたはチオフェン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収フィルム。
  3. 前記の近赤外線吸収色素が、ジインモニウム塩化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外線吸収フィルム。
  4. 透明基材上に、樹脂、近赤外線吸収色素を含有する組成物からなる近赤外線吸収層を積層してなる近赤外線吸収フィルムの製造方法において、透明基材の近赤外線吸収層を積層する側に表面抵抗が1×104〜1×1012Ω/□のπ電子共役系導電性高分子を含有する導電層を積層した後に近赤外線吸収層を積層することを特徴とする近赤外線吸収フィルム製造方法。
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