JP2007271896A - 着色フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】多層干渉膜に特有のカラーシフトを色補正層により修正し、装飾用フィルムに好適な着色フィルムを提供する。
【解決手段】層厚みが45〜150nmである層を複数有し、熱可塑性樹脂から構成される反射フィルムと、
色補正層を積層してなる積層フィルムであり、
反射フィルムの入射角5°での反射スペクトルにおいて、反射フィルムの可視領域における反射帯域の中心波長A(nm)と、
色補正層の入射角0°での透過スペクトルにおいて、色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長B(nm)とが、
以下の式にあることを特徴とする着色フィルム。
80(nm)≧波長A−波長B≧20(nm)(A>B)
【選択図】なし
【解決手段】層厚みが45〜150nmである層を複数有し、熱可塑性樹脂から構成される反射フィルムと、
色補正層を積層してなる積層フィルムであり、
反射フィルムの入射角5°での反射スペクトルにおいて、反射フィルムの可視領域における反射帯域の中心波長A(nm)と、
色補正層の入射角0°での透過スペクトルにおいて、色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長B(nm)とが、
以下の式にあることを特徴とする着色フィルム。
80(nm)≧波長A−波長B≧20(nm)(A>B)
【選択図】なし
Description
本発明は、選択反射性能を有するフィルムに関するものである。更に詳細には、本発明は、装飾用部材、例えば自動車用外部材、携帯電話の装飾材などの光沢調装飾材に関するものである。
一般に、装飾用途における色材とは着色剤(染料や顔料など)のことを表しており、これを添加することにより可視スペクトルの一部分を選択吸収して、人体の目に届くときに色として認識される。この選択吸収による発色は、裏地の反射率によって大きく視認性が異なり、高い反射率を有する物体にこのような選択吸収層を設けた場合は、人は色を認識することができるが、裏地が暗色の場合、黒っぽくなり、ほとんど色を認識することができない。そのため色彩の視覚効果を高めるには、反射性を高めること(金属光沢を有すること)が重要であり、例えばメタリックインキ印刷、アルミ箔との貼合、アルミニウムを蒸着する方法がある。メタリックインキには金インキ、銀インキと呼ばれるものが含まれ、顔料としてアルミペースト、ブロンズパウダー等を混合したもの等が使用される。しかしこれらの方法で意匠性の高い金属光沢を形成すると、金属層が電磁波を遮蔽するため、包装用途であれば金属探知器に感応する、自動車・携帯電話の装飾材としては電波障害を引き起こすなどの問題がある。また、これらは金属層が光を吸収するため、反射性能に限界があるという問題がある。
これに対し、多層積層フィルムによる光の選択反射による発色は、積層構成によっては金属メッキを上回る反射率が得られるため、非常に視覚効果に優れる利点がある。多層積層フィルムは、屈折率の低い層と高い層とを交互に多数積層したものであり、入射光は、多くの層界面で部分的に反射され、反射成分は互いに干渉しあって、最終的に入射光の正反射方向に強い反射光を返す。白色光の場合、その光の一定の波長を有する成分は反射され、そして、一方他の波長を有する他の成分は反射されないため、スペクトルの選別が起こり、色が発現する原理となっている。それらの特徴に加えて、多層積層フィルムは、入射角を変えることにより、反射色が顕著に変化していくいわゆるカラーシフト(反射光の色変化)が起こることが知られている。これら高反射率、優れた選択反射性、そしてカラーシフト現象を特長として、多層積層フィルムは、装飾ラベル、また、一目で真贋物を見分けることができるため、ホログラムと並んで偽造防止用途などの提案がなされている(特許文献1、2)。一方で、装飾用として用いる場合、カラーシフトは人によっては不良感を示すことがある。そのため、優れた反射率を有しつつも、カラーシフトのない製品が求められてきている。特に、入射角が小さいときは反射率が高く、入射角を大きくするにつれ深みのある色を強調するために徐々に反射率が低減するような構成を持った製品が求められてきている。
入射角によるカラーシフトを制御する手段として、例えば多層薄膜の上に、着色剤を担持させてカラーシフトを吸収させる方法や、2種類以上の多層薄膜を組み合わせることにより多彩な色彩を表現する方法が開示されている(特許文献3、4、5)。しかし、構成する多層薄膜が無機系の材料からなるものであるため、成型性があまりなく、成型時や繰り返しの使用によって、多層薄膜層にクラックや傷が入りやすく、反射特性が劣化するなどの問題があった。また、スパッタ法にて成膜されるため、高コストになるといった問題もあった。また、これらの文献では、多層薄膜の反射色と、着色剤の表面色が全く異なっているため、本発明の好ましい形態のように、入射角を変えるにつれ表面色はあまり変えずに反射率のみを低くするといった用途には用いることができない。
特公表2002−509271号公報
特開平7−146650号公報
特開昭61−105509号公報
特開平2−16044号公報
特開平9−097011号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決せんがため、多層からなる反射フィルムを使用し、その反射帯域に対して着色層の設計をコントロールすることにより、カラーシフトを低減しつつフィルムの成型性を両立することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の着色フィルムは以下の構成からなる。すなわち、本発明の着色フィルムは、層厚みが45〜150nmである層を複数有し、熱可塑性樹脂から構成される反射フィルムと、色補正層を積層してなる積層フィルムであり、反射フィルムの入射角5°での反射スペクトルにおいて、反射フィルムの可視領域における反射帯域の中心波長A(nm)と、
色補正層の入射角0°での透過スペクトルにおいて、色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長B(nm)とが、
以下の式にあることを特徴とする着色フィルムである。
色補正層の入射角0°での透過スペクトルにおいて、色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長B(nm)とが、
以下の式にあることを特徴とする着色フィルムである。
80(nm)≧波長A−波長B≧20(nm)(A>B) 式(I)
A:反射フィルムの入射角5°のときの反射波長(nm)
B:色補正層の入射角0°のときの透過率40%となる最大波長(nm)
また、本発明の着色フィルムの好ましい態様によれば、反射フィルムの反射光の色座標値(x反射、y反射)と色補正層の透過光の色座標値(x補正、y補正)とが以下の関係にある。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II)
また、本発明の着色フィルムの好ましい態様によれば、着色フィルムが色補正層、反射フィルム、支持層をもちいてなるフィルムであり、フィルムを構成する各層の厚みが、以下の式を満たしている請求項1または2に記載の着色フィルム。
A:反射フィルムの入射角5°のときの反射波長(nm)
B:色補正層の入射角0°のときの透過率40%となる最大波長(nm)
また、本発明の着色フィルムの好ましい態様によれば、反射フィルムの反射光の色座標値(x反射、y反射)と色補正層の透過光の色座標値(x補正、y補正)とが以下の関係にある。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II)
また、本発明の着色フィルムの好ましい態様によれば、着色フィルムが色補正層、反射フィルム、支持層をもちいてなるフィルムであり、フィルムを構成する各層の厚みが、以下の式を満たしている請求項1または2に記載の着色フィルム。
(C+D)/4E≧1.0 式(III)
反射フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E。
反射フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E。
また、本発明の着色フィルムの好ましい態様によれば、反射フィルムが、厚み方向に2種類以上の樹脂が20層以上積層された多層反射フィルムである。
本発明の着色フィルムの好ましい態様によれば、ポリエステル樹脂と共重合ポリエステル樹脂の交互多層膜にて構成される。
本発明の着色フィルムは、層厚みが45〜150nmである層を複数有し、熱可塑性樹脂から構成される反射フィルムと色補正層からなる積層フィルムであり、反射スペクトルにおいて、入射角5°のときの、反射フィルムの可視領域における反射帯域の中心波長Aと、透過スペクトルにおいて、入射角0°のときの、色補正層の透過率が40%の時の色補正層の波長の中で最も高波長側にある波長Bとが、以下の式にあることを特徴とするものである。
80≧波長A−波長B≧20(A>B) 式(I)
A:反射フィルムの入射角5°のときの反射波長(nm)
B:色補正層の入射角0°のときの透過率40%となる最大波長(nm)。
A:反射フィルムの入射角5°のときの反射波長(nm)
B:色補正層の入射角0°のときの透過率40%となる最大波長(nm)。
このようにすることにより、高い発色を有しながらもフィルムに成型性を持たせることができる。これにより従来蒸着フィルムなどでは困難であった深絞り成型などを行うことが可能となり、且つ、入射角により生じるカラーシフトを劇的に解消し、色に深みを与える。
また、特に、本発明の好ましい態様によれば、反射フィルムの反射光の色座標値(x反射、y反射)と色補正層の透過光の色座標値(x補正、y補正)とが以下の式を満たすことにより、よりカラーシフトは低減するため好ましい。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II)
また、特に、本発明の好ましい態様によれば、着色フィルムは色補正層、反射フィルム、支持層からなるフィルムであり、フィルムを構成する各層の厚みが、以下の式にあることを特徴とするものである。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II)
また、特に、本発明の好ましい態様によれば、着色フィルムは色補正層、反射フィルム、支持層からなるフィルムであり、フィルムを構成する各層の厚みが、以下の式にあることを特徴とするものである。
(C+D)/4E≧1.0 式(III)
光干渉フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E。
光干渉フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E。
このようにすることにより、着色層の乾燥固化によるカールを抑え、平面性に優れたフィルムを形成することができる。
以下、本発明の着色フィルムについて、実施の形態を詳細に説明する。
本発明における反射フィルムは、層厚みが45〜150nmを複数有する。このような構成にすることにより、高次の反射帯域が可視領域に現れないため、着色や色純度の低下といった問題を抑えることができる。また、ここでいう可視領域とは380〜780nmにおける波長領域とする。
本発明における反射フィルムの入射角5°での反射スペクトルでの可視領域における反射帯域の中心波長A(nm)を説明する。反射帯域の中心波長は、反射フィルムの可視領域における反射率が30%以上である帯域のうち、半値幅の中心線にある波長である。なお半値幅とは、最大反射率の単純な半値ではなく、反射率のベースラインを基準としての半値である。その半値になる波長幅の中間点を半値幅の中心波長とする。また、本発明において、中心波長や反射率は、絶対反射率測定において求めたものであり、ベースラインは、波長380〜780の区間を、ブランクを測定して基線を平坦化しておき、オフセット処理などによりベースラインのドリフトを自動補正したものである。なお、本発明においては、反射帯域の半値幅は限定されないが、より鮮明な原色を発色させる場合、好ましい半値幅の範囲は30〜90nmである。また、反射帯域は可視領域であれば限定されないが、本発明では特に、色の3原色である赤[R]、緑[G]、青[B]であることが好ましい。この3原色は加法混色の原色とも言われ、各成分の強度により、色座標におけるRGB内のすべての色を表すことができるためである。
また、ここで言う入射角とは、フィルム表面に対し垂直な方向と光の入射する方向の差角のことであり、入射角5°の反射帯域の中心波長は、フィルム表面に対し、法線軸より5°傾けて入射した光を測定したものである。また、特に限定のない場合、透過率の入射角は0°で測定したものとする。
本発明は反射フィルムと色補正層を積層してなる積層フィルムである。色補正層の構成としては、特に限定されないが、特に顔料や染料を微分散させたコーティングを反射フィルムの上に設ける形態が好ましい。用いられる染料や顔料は特に限定されず、例えばキノン系、カチオン系、シアニン系、フタロシアニン系、キナクドリン系、ジアリール・トリアリールメタン系、フルギド、アゾ系、スクアリリウム系、オキソノール系、ベンジリデン系、ニトロ系、ニトロソ系、チアゾール系、インジゴイド系など各色素が使用される。特に本発明では、比較的安価で、耐光性にも優れるキノン系やカチオン系の色素などが好ましく使用される。これらは色調補正のために、複数組み合わせて使用することも可能である。また、これらは層中に均一に分散し、透過光のむらがないようにすることが好ましい。
上記のコーティングバインダーは、透明性を有している樹脂が好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニルブチラール樹脂、セルロール系樹脂、およびポリアミド樹脂などが挙げられるが、これらの中でも、特に安価で光安定性に優れるアクリル樹脂が好ましい。
本発明の色補正層の入射角0°での透過スペクトルは、反射フィルムの代わりに同厚みのPETフィルムの上に色補正層を設け、色補正層を入射面(入射角0°)として測定したものである。得られた透過スペクトルで透過率が40%となる波長を読みとり、40%となる波長のうち、最も高波長側にあるものを色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長Bとする。
本発明では、反射フィルムの入射角5°での反射スペクトルにおける反射フィルムの可視領域における反射帯域の中心波長A(mm)と、色補正層の入射角0°での透過スペクトルでの色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長Bとが以下の関係を満たす。
80(nm)≧波長A−波長B≧20(nm)(A>B) 式(I)。
80(nm)≧波長A−波長B≧20(nm)(A>B) 式(I)。
この範囲内に、反射フィルムの反射帯域と、色補正層の吸収帯域を配置することにより、入射角が低いときの反射光は透過するが、入射角が大きい時に現れる顕著に波長転移した反射帯域は、色補正層により実質的に吸収されるためカラーシフトが劇的に解消される。
これは人の視感覚の現象を利用したものである。人は、色相の変化に対して明度の高い色光ほど感受性が高く、干渉反射フィルムのように反射率が高く色相が変化するサンプルは、人は明らかなカラーシフトとして認識する。しかしながら、色相は同じで明度のみが変化した場合は、カラーシフトとは認識しがたい。それは、物体色は外光の反射によって感じられるからであり、明室と暗室では、物体の色が鮮やかに見えたり黒っぽく見えたりすることは周知のとおりである。これは、厳密に言えば物体色は異なっているのだが、人は明度の変化に対しては、経験上同一色として捉えるのである。
ここで、入射角5°のときの反射光λ1と、入射角60°のときの反射光λ2を持つ干渉反射フィルムがあったとすると、λ1とλ2は波長が60nm以上転移するため、明らかな色相の変化が生じ、人はカラーシフトを認識する。しかし、干渉反射フィルムの上に、λ1は透過し、λ2は透過しない色補正層を設けることにより、入射角5°のときは優れた干渉反射色を示すが、入射角60°のときは干渉反射色はカットされ、擬似的に色が暗くなったように見えるため、人はカラーシフトと認識しないのである。
具体例をあげると、650nm反射帯域を持つ赤色の反射フィルムは、およそ600nm付近まで波長転移しても、同じ色相の反射光のため大きく変化したように見えない。しかしながら、580nmまで波長転移した場合、反射色は緑色を帯びるため、人間の視覚は顕著にカラーシフトを認識する。これは緑色でも同様であり、550nm(緑)に反射帯域を持つ反射フィルムは、500nm付近まで波長転移しても大きく変化したようには見えないが、490nm以降では青色を帯びるため、急激にカラーシフトが認識される。このように、人のカラーシフトの認識度は、波長にもよって異なるが、波長が60nm以上異なると大きなカラーシフトとして認識される。そのために、およそ80≧波長A−波長Bとなるように色補正層を入射面側に設置することで顕著なカラーシフトが、(好ましくは50≧波長A−波長Bとする)中間色を含めたカラーシフトを抑えることができる。また、A−B<20の場合は、色補正層の吸収が、反射フィルムの入射角5°の反射光を大きく吸収するため好ましくない。
本発明では、色補正層の色座標値(x反射、y反射)と色補正層の透過光の色座標値(x補正、y補正)とが、以下の関係式(II)にあることが好ましい。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II)。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II)。
さらに好ましくは、前記式の右辺が0.10であり、さらに好ましくは0.08の範囲である。式(I)に従って、入射角が60°の時に干渉反射フィルムの反射色がカットされている場合、色補正層の表面反射色が目立つようになるため、わずかではあるがカラーシフトが見られる。そのため、上記式を満たす構成にすることにより、よりカラーシフトを低減した製品を得ることができるため好ましい。このような製品は、入射角によって擬似的に明度のみが階調的に低下して見えるため、ある種の装飾材として好適である。
このようにするため、色補正層は以下のような調色をする必要がある。まず、上述の式(I)を満たすために、着色層の吸収帯域が、反射帯域よりも低波長側にあることが大前提である。色補正層の吸収帯域は、少なくとも半値幅が50nm以上であることが好ましく、より好ましくは80nm以上である。半値幅が80nm以上であるとカラーシフトの大部分をカットすることができるため好ましい。調色方法は基本的に、色素同士の減法混色により色合わせを行うが、吸収帯域ができるだけ反射帯域の中心波長A〜色補正層の透過率が40%の時の色補正層の波長の中で最も高波長側にある波長Bの範囲にないことが好ましい。現在ではコンピューターを使用したカラーマッチングにより、比較的容易に希望する色に近似させることができる。また、Microsoft ECXELソフトを利用して、反射フィルムの反射スペクトルおよび色補正層の透過スペクトルのデータから三刺激値(X、Y、Z)を算出して、色座標を近似していく方法もとられる。しかし実際には、このように設計しても(x、y)が同じになることはなく、必ずある程度のずれは生じるため注意が必要である。
本発明の着色フィルムは、色補正層、反射フィルムさらに支持層から構成されていることが好ましく、フィルムを構成する各層の厚みが、以下の式(III)を満たしていることが好ましい。
(C+D)/4E≧1.0 式(III)
反射フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E。
反射フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E。
層厚みが50〜200nmの多層構造で構成される反射フィルムは、積層物の構成にもよるが一般的に膜厚みが30μm以下と薄いため、その上にウェットコーティングによる着色層を設けると、乾燥固化による着色層の収縮が起きて、激しいカールが起こることがある。そのため、式(III)を満たすような支持層を設けることにより、カールのない平面性に優れたフィルムを形成できるため、本発明では好ましく用いられる。
支持層として用いられるのは、特に透明性に優れる樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。この支持層は、他の機能、例えば表面保護層、紫外線カット層、黒色層などの機能を担持することも可能である。その場合、光の入射側に設ける場合は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。また、支持層は分割されていても良く、その場合、各層の合計厚みが支持層の厚みEとなる。
本発明の反射フィルムは、厚み方向に2種類以上の樹脂が20層以上積層された多層フィルムであることが好ましい。これは、厚み方向に規則的に積層された構造を有している部分が存在することと定義される。すなわち、例えば2種類の層で積層されている場合、各層をA層・B層とすると、フィルム中のA層とB層は厚み方向において交互に配置されており、厚み比に一定であることが好ましい。また、A層とB層以外の第3の層以上についてはその配置の序列については特に限定されるものではない。また、A層、B層、熱可塑性樹脂CからなるC層を有する場合には、A(BCA)n、A(BCBA)n、A(BABCBA)nなどの規則的順列で積層されることがより好ましい。ここでnは繰り返しの単位数であり、例えばA(BCA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABCABCABCAの順列で積層されているものを表す。また、より好ましい層数は50層以上である。さらに好ましくは100層以上である。このような積層構成とすることにより、多界面の反射が干渉しあって、特定の高い反射帯域を持つ樹脂フィルムを得ることができる。層数が20層未満であると、十分な反射率が得られなくなるものである。また、上限値としては特に限定されるものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、1500層以下であることが好ましい。
反射帯域の波長は原理的に以下の式(IV)によって決定されるものであるが、この反射帯域は1次反射と呼ばれるものである。そして、これを基準として、2次、3次、4次などの高次反射も出現するが、その高次反射の波長としてはλ/N(N:次数 2以上の整数)で求められる。
2×(na・da+nb・db)=λ 式(IV)
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)。
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)。
本発明で用いられる積層構造の樹脂フィルムでは、隣接するA層とB層の厚みの比Zが0.8以上5以下であることが好ましい。ここで、基材樹脂フィルムの最外層にあたる層をA層と定義する。また、A層とB層の厚みの比Zは、フィルム断面を厚み方向に3分割したときの中間部分にあるA層とB層の厚みの比を平均化したものである。また、中間部分にある層であっても、分割線がまたいでいた場合はその層は除外するものとする。厚みの比Zは、より好ましくは0.9以上1.1以下である。厚みの比Zが0.8より小さいか、5より大きくなると反射率が小さくなるとともに、反射帯域内での反射率の分布が大きくなる傾向がある。また、厚みの比Zが0.9以上1.1以下であると、反射帯域内での反射率の分布が小さくなるとともに、高次の反射が発生しにくくなるためさらに好ましい態様である。
また、隣接するA層とB層の厚みの比のばらつきが±20%以下であることが好ましい。このばらつきとは、反射性能に寄与するA層とB層の厚み比の分布に対し、最大の厚み比と最小の厚み比の差を中心値となる厚み比で除したものである。ばらつきが±20%より大きい場合には、十分な反射率が得られにくくなるほか、設計した反射ピーク以外にも反射が出現するため好ましくない。
本発明の着色フィルムを構成する樹脂フィルムの好ましい態様によれば、ポリエステル樹脂と共重合ポリエステル樹脂の交互多層膜にて構成される。本発明で言うポリエステルとしては、ジカルボン酸骨格成分とジオール骨格成分との重縮合体であるホモポリエステルや共重合ポリエステルのことをいう。ここで、ホモポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、およびポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特に、ポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができる。
また、本発明における共重合ポリエステルとは、ジカルボン酸成分骨格とジオール成分骨格を必須成分とし、次にあげるようなジカルボン酸成分骨格とジオール成分骨格とより選ばれる少なくとも3つ以上の成分を有する重縮合体のこととして定義される。ジカルボン酸骨格成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、およびシクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。グリコール骨格成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。ポリエステルは、本発明の効果を損なわない限り、他の成分由来の骨格を含むことができる。好ましい例としては、ジカルボン酸成分とジオール成分を一部15〜60%共重合したポリエステルである。1,4−シクロヘキサンジメタノールを20〜40mol%共重合したエチレンテレフタレート重縮合体は非晶性樹脂に該当する。また、これらの樹脂は、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、樹脂中には、発明の特性を損なわない程度に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、および屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
また、本発明の着色フィルムは、その表面に易接着層、易滑層、ハードコート層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、耐候層、電磁波シールド層、透明導電層、ガスバリア層、剥離層、粘着層および接着層などの機能性層を形成してもよい。
次に、本発明の着色フィルムの好ましい製造方法を、以下に説明する。
熱可塑性樹脂ペレットを、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給する。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除く。また、樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層を交互に10層以上配列するフィルム形態をとる場合は、2種類の熱可塑性樹脂を同様にして、2台の押出機にて加熱溶融を行い、積層装置に送り込む。積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いて多層に積層する方法を使用することができるが、ここでは、各層ごとの層厚みを個別に制御できるフィードブロックが積層精度が高く好ましい。
熱可塑性樹脂ペレットを、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給する。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除く。また、樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層を交互に10層以上配列するフィルム形態をとる場合は、2種類の熱可塑性樹脂を同様にして、2台の押出機にて加熱溶融を行い、積層装置に送り込む。積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いて多層に積層する方法を使用することができるが、ここでは、各層ごとの層厚みを個別に制御できるフィードブロックが積層精度が高く好ましい。
さらに各層の厚みを精度良く制御するためには、加工精度0.1mm以下の放電加工やワイヤー放電加工にて、各層の流量を調整する微細スリットを設けたフィードブロックを使用することが好ましい。また、フィードブロック内の壁面抵抗を抑制するため、壁面の粗さを0.4S以下にするか、室温下における水との接触角が30°以上であると良い。
また、各層の層厚みについては、既述の式(IV)に基づいて、所望する反射帯域ピークが得られることから、用いる樹脂の屈折率により、各押出機の吐出を調整して各層の層厚みを調整することができる。層数については、少なくとも反射帯域ピークの反射率を30%以上にするためには、積層数を10層以上にすることが好ましい。また、特に、装飾用フィルムや太陽電池用反射板のように高い反射率が必要となる場合は、積層数が100層以上であることが好ましい。
このようにして得られた単膜もしくは積層フィルムは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法や、スリット状、スポット状あるいは面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法が好ましく用いられる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。特に本発明では、面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
逐次二軸延伸の場合について、まず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍の倍率が特に好ましく用いられる。また、延伸温度は、積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃の範囲が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性および帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍の倍率が特に好ましく用いられる。また、延伸温度は、積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃の範囲が好ましい。
このようにして二軸延伸されたフィルムは、平面性と寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
次に、同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性および帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式およびリニアモーター方式の延伸機があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式の延伸機が好ましい。延伸の倍率は、樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍の倍率が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍の倍率が特に好ましく用いられる。特に、同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度は、積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃の範囲が好ましい。
このようにして二軸延伸されたフィルムは、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。二軸延伸されたフィルムは、このようにして熱処理された後、均一に徐冷され、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理すると、フィルム幅方向の反射率の差を±10%以下にすることができる。
このようにして得られた反射フィルム表面に、カラーシフトを吸収させるための色補正層を設ける。色補正層としては、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を、グラビアコーターやメタリングバー、ロールコーティング等のコーティング技術を用いて、色素を分散させたコーティングを施し、その後、熱乾燥や紫外線架橋、電子線架橋によって厚み0.5〜10μmの範囲で塗膜を形成させる。色素としては、既述の成分を塗布することができるが、例えばナフトキノン系、アントラキノン系、アントラピリドン系などのようなキノン染料などが好ましく、メーカーとしては日本化薬のKayaset等が例示される。これらをメチルエチルケトンやトルエンなどの溶媒に溶解した状態で、樹脂に対し、0.1〜2重量%の比率で分散される。色補正層の調色方法として、まず、色素をメチルエチルケトンに溶解し、呈色溶液を光路長さ10mmの石英セルに入れ、分光光度計にて波長350〜800nmの領域の透過スペクトルを測定する。色素の濃度とその吸収極大波長の強度から、下記式(V)Lambert−Beerの法則より、吸光係数を求めることができる。
log(1/t)=−ε・c・L 式(V)
ε:吸光係数(1/mm・wt%)
c:濃度(wt%)
L:セル光路長(mm)
t:透過度。
ε:吸光係数(1/mm・wt%)
c:濃度(wt%)
L:セル光路長(mm)
t:透過度。
色素の吸収係数が求まると、塗膜厚みと濃度より、所望の透過スペクトルを計算にて得ることができる。これを他の色素や塗剤でも同様にして求めた後、各透過スペクトルを合成して、式(I)を満たす透過スペクトルを各色素の濃度や塗膜厚みにて調整する。このとき、合成スペクトルは、各透過スペクトルの積にて表される。また、式(II)を調整するため、分光スペクトルから色座標を求める場合、下記式(VI)のように光源の分光分布と等色関数、透過スペクトル(5nm間隔)のデータをECXELソフトで積分して、三刺激値X、Y、Zを算出する。三刺激値から下記式(VII)より色座標値x、yを求めた。定数Kは、三刺激値Yが完全拡散反射板(Y=100)であることを前提として計算し、透過色の場合、下記式のR(λ)をT(λ)として計算した。
X=K∫S(λ)x(λ)T(λ)dλ
Y=K∫S(λ)y(λ)T(λ)dλ
Z=K∫S(λ)z(λ)T(λ)dλ
K=100/∫S(λ)y(λ)dλ 式(VI)
x=x/(x+y+z)
y=y/(x+y+z) 式(VII)
S(λ):照明光(C光源)の分光分布
T(λ):サンプルの透過スペクトル
x(λ)、y(λ)、z(λ):CIE1931の等色関数。
Y=K∫S(λ)y(λ)T(λ)dλ
Z=K∫S(λ)z(λ)T(λ)dλ
K=100/∫S(λ)y(λ)dλ 式(VI)
x=x/(x+y+z)
y=y/(x+y+z) 式(VII)
S(λ):照明光(C光源)の分光分布
T(λ):サンプルの透過スペクトル
x(λ)、y(λ)、z(λ):CIE1931の等色関数。
このとき反射フィルムと色補正層の密着性を高めるために、コロナ処理やフレーム処理、アルカリ処理などを施すこともできる。または、基材樹脂フィルムに易接着層を設けても良い。また、用途に応じて、樹脂フィルムに粘着層やハードコート層を設けても良い。
このようにして得られた本発明の着色フィルムは、高い反射率を持ちつつも、入射角によるカラーシフトがないため、装飾材料として好適に使用できる。
本発明で使用した物性値の評価法は、次のとおりである。
(物性値の評価法)
(1)積層厚み、積層数
基材樹脂フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影して、層構成および各層厚みを測定した。本発明の実施例では、十分なコントラストが得られたため実施しなかったが、用いる熱可塑性樹脂の組み合わせによっては、RuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いてコントラストを高めても良い。
(物性値の評価法)
(1)積層厚み、積層数
基材樹脂フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影して、層構成および各層厚みを測定した。本発明の実施例では、十分なコントラストが得られたため実施しなかったが、用いる熱可塑性樹脂の組み合わせによっては、RuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いてコントラストを高めても良い。
(2)反射率、透過率
島津製作所製 ゴニオ式変角分光光度計(solidspec3700)を使用して、入射角5°のときの絶対反射スペクトルと入射角0°のときの透過率を測定した。条件は以下のとおりである。
島津製作所製 ゴニオ式変角分光光度計(solidspec3700)を使用して、入射角5°のときの絶対反射スペクトルと入射角0°のときの透過率を測定した。条件は以下のとおりである。
スリット:5nm スキャンスピード:高速
サンプリングステップ:1nm 測定波長:380〜780nm
立ち上げてから30分間光源を安定させ、その後にサンプルのない状態で波長380〜780nmの範囲を測定し、ベースラインをとる。反射波長は、反射スペクトルからベースラインを差し引いたときの反射帯域の半値幅を求め、その中心値を反射波長とした。また、入射角を40°、60°に変える場合、リファレンス光源側に付属のメッシュフィルタASSYを、サンプル光源側に偏光子ASSYを取り付け、移動XYステージにより入射角度を変更してそれぞれ測定した。
サンプリングステップ:1nm 測定波長:380〜780nm
立ち上げてから30分間光源を安定させ、その後にサンプルのない状態で波長380〜780nmの範囲を測定し、ベースラインをとる。反射波長は、反射スペクトルからベースラインを差し引いたときの反射帯域の半値幅を求め、その中心値を反射波長とした。また、入射角を40°、60°に変える場合、リファレンス光源側に付属のメッシュフィルタASSYを、サンプル光源側に偏光子ASSYを取り付け、移動XYステージにより入射角度を変更してそれぞれ測定した。
また、透過率測定の場合、反射フィルムの代わりに同厚みのPETフィルムの上に色補正層を設け、色補正層を入射面(入射角0°)として測定した。得られた透過スペクトルで透過率が40%となる波長を読みとるが、40%となる波長がいくつか存在する場合、最も高波長側にあるものを採択するものとする。
(3)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
(4)色座標
カラーテクノシステム製分光測色計(カラーロボIII)を使用してx、yの値を測定した。反射フィルムは入射角10°のときの正反射光を測定した。色補正層は17μmのPETフィルムの上に塗布したときの透過光を測定した。このときの条件を以下に示す。
カラーテクノシステム製分光測色計(カラーロボIII)を使用してx、yの値を測定した。反射フィルムは入射角10°のときの正反射光を測定した。色補正層は17μmのPETフィルムの上に塗布したときの透過光を測定した。このときの条件を以下に示す。
光源:ハロゲンランプ 波長範囲:380〜780nm
波長間隔:20nm。
波長間隔:20nm。
(5)反射性能
着色フィルムの、入射角5°における絶対反射率が85%以上のものを○、50%以上85%未満のものを△、50%未満のものを×とした。
着色フィルムの、入射角5°における絶対反射率が85%以上のものを○、50%以上85%未満のものを△、50%未満のものを×とした。
(6)カラーシフト
入射角5°から入射角60°に変えたときに、人の目で判断して顕著なカラーシフトがなかった場合を◎、顕著ではないが、わずかに色相が変わったと感じた場合を○、顕著なカラーシフトがあった場合を△、全くカラーシフト低減効果がない、もしくは入射角5°で干渉色がほとんど見られない場合を×とした。
入射角5°から入射角60°に変えたときに、人の目で判断して顕著なカラーシフトがなかった場合を◎、顕著ではないが、わずかに色相が変わったと感じた場合を○、顕著なカラーシフトがあった場合を△、全くカラーシフト低減効果がない、もしくは入射角5°で干渉色がほとんど見られない場合を×とした。
(7)色の深み
反射率測定において、入射角5°から入射角60°に変えたときに、反射帯域の反射率が60%以上低下しているものを○、60%未満のものを×とした。
反射率測定において、入射角5°から入射角60°に変えたときに、反射帯域の反射率が60%以上低下しているものを○、60%未満のものを×とした。
(8)カール
70mm×70mmの着色フィルムを、塗布面側を上にして平面に敷いたときに、上に20mm×20mmの板を置き、計100gとなるようにおもりを乗せる。このとき、端部と床との距離が3mm未満の場合を○、3mm以上離れている、もしくは端部が裏側に完全に反り返っている場合を×とした。
70mm×70mmの着色フィルムを、塗布面側を上にして平面に敷いたときに、上に20mm×20mmの板を置き、計100gとなるようにおもりを乗せる。このとき、端部と床との距離が3mm未満の場合を○、3mm以上離れている、もしくは端部が裏側に完全に反り返っている場合を×とした。
(9)成型性
評価はブルックナー製フィルムストレッチャー KARO−IVにて行った。二軸延伸フィルムを100mm四方切り出し、温度180℃にて、面倍が2.0倍となるように同時二軸延伸を行った。このときの延伸速度は200%/minである。この後、フィルム表面を光学顕微鏡にて倍率200〜400倍で観察し、クラックの有無を調べた。○はクラックが認められないもの、×は顕著なクラックが認められるものを示す。
評価はブルックナー製フィルムストレッチャー KARO−IVにて行った。二軸延伸フィルムを100mm四方切り出し、温度180℃にて、面倍が2.0倍となるように同時二軸延伸を行った。このときの延伸速度は200%/minである。この後、フィルム表面を光学顕微鏡にて倍率200〜400倍で観察し、クラックの有無を調べた。○はクラックが認められないもの、×は顕著なクラックが認められるものを示す。
(実施例1)
2種類の熱可塑性樹脂として、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを準備した。実施例1においては、熱可塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)[東レ製F20S]を用いた。また熱可塑性樹脂Bとしてエチレングリコールに対しシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]と固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを85:15の重量比で、二軸押出機にて混練しアロイ化した樹脂を用いた。熱可塑性樹脂Aの乾燥前の密度は1.336g/cm3であり、熱可塑性樹脂Bの乾燥前の密度は1.285g/cm3であった。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
2種類の熱可塑性樹脂として、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを準備した。実施例1においては、熱可塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)[東レ製F20S]を用いた。また熱可塑性樹脂Bとしてエチレングリコールに対しシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]と固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを85:15の重量比で、二軸押出機にて混練しアロイ化した樹脂を用いた。熱可塑性樹脂Aの乾燥前の密度は1.336g/cm3であり、熱可塑性樹脂Bの乾燥前の密度は1.285g/cm3であった。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、201層のフィードブロックにて合流させた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側までほぼ一定となるようにし、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。各層の厚みの調整は、フィードブロック内の各層の流路に設けた微細スリット(加工精度0.01mmにて形成)の形状により調整した。なお、両表層部分は熱可塑性樹脂Aとなるようにした。ここで隣接するA層とB層の厚み比(A層厚み/B層厚み)が1.1になるように、フィードブロックの形状および吐出量にて調整した。このようにして得られた計201層からなる積層体を、フィッシュテールダイに供給し、シート状に成形した後、静電印加(直流電圧8kV)にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
得られたキャストフィルムに、両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。
このキャストフィルムを、リニアモーター式の同時二軸延伸機に導き、95℃の熱風で予熱後、長手方向および幅方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で230℃の熱風にて熱処理を行うと同時に長手方向に5%の弛緩処理を行い、つづいて幅方向に5%の弛緩処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。このようして得られた二軸延伸フィルムは、A層厚み102nm、B層厚み92nm、全厚み19.5μmであった。
この二軸延伸フィルムの裏側に、可視領域の透過率が全域にわたって3%以下である30μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、下記の処方の色補正層用塗布液をバーコーター(#50)にて塗布・熱乾燥を行い、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルを表1と図1に示す。干渉反射により入射角が5°のときは赤色の高い反射色が得られた。この干渉反射色は通常入射角を大きくすることにより、ピーク形状を維持したまま低波長側にシフトするため、入射角60°のときは緑色の反射色を示し、大きなカラーシフトとなるが、式(I)を満たした色補正層を干渉反射フィルムの上に設けられていることにより、入射角60°以降で見られる緑色の反射色はほとんどカットされ、カラーシフトが大幅に抑えられた。この着色フィルムを、垂直面側から徐々に傾斜させて観察すると、図1に示すとおり、高い赤色の発色から、徐々にオレンジ色となり、最後には反射色がなくなるためほぼ黒くなる。このことより、入射角に依存した色に深みのある製品が得られた。入射角45°においては、中間色であるオレンジ色のカラーシフトが見られるが、人間の視感性からして、赤からオレンジ色へのカラーシフトは顕著な色変化ではなく問題となるほどではない。また、入射角60°のときの反射色はほとんど黒に近いが、外光の影響により色補正層の表面色(紫色)がわずかに目に付いた。また、式(III)を満たすことにより色補正層を塗布してもカールは生じなかった。また、延伸追従性のある基材を使用しているため、成型性も問題なかった。
色補正層用塗布液の処方
色素: DCE−7(山田化学社) 0.3重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: DCE−7(山田化学社) 0.3重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(実施例2)
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図2に示す。これより、式(I)を満たすことにより、入射角が5°のときは赤色の高い反射色が得られ、入射角60°以降で見られる緑色の反射色はカットするために、カラーシフトの角度依存性は大幅に抑えられ、色に深みのある製品が得られた。また、式(II)を満たすために、入射角60°でも色補正層の表面反射色が目立たず、よりカラーシフトの少ない製品が得られた。入射角45°においては、中間色であるオレンジのカラーシフトが見られるが、人間の視感性からして問題となるほどではない。あとは実施例1と同様の結果であった。
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図2に示す。これより、式(I)を満たすことにより、入射角が5°のときは赤色の高い反射色が得られ、入射角60°以降で見られる緑色の反射色はカットするために、カラーシフトの角度依存性は大幅に抑えられ、色に深みのある製品が得られた。また、式(II)を満たすために、入射角60°でも色補正層の表面反射色が目立たず、よりカラーシフトの少ない製品が得られた。入射角45°においては、中間色であるオレンジのカラーシフトが見られるが、人間の視感性からして問題となるほどではない。あとは実施例1と同様の結果であった。
色補正層用塗布液の処方
色素: DCE−7(山田化学社) 0.3重量部
Yellow−GN(日本化薬社) 0.26重量部
GPX102(アデカ社) 0.052重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: DCE−7(山田化学社) 0.3重量部
Yellow−GN(日本化薬社) 0.26重量部
GPX102(アデカ社) 0.052重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(実施例3)
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図3に示す。これより、式(I)および式(II)を満たすことにより、実施例2と同様の結果が得られた。特に、式(I)の値がより好ましい範囲にあるため、入射角を変化したときに、45°付近に現れる中間色であるオレンジの反射色が低減しているため、よりカラーシフトが低減した製品が得られた。
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図3に示す。これより、式(I)および式(II)を満たすことにより、実施例2と同様の結果が得られた。特に、式(I)の値がより好ましい範囲にあるため、入射角を変化したときに、45°付近に現れる中間色であるオレンジの反射色が低減しているため、よりカラーシフトが低減した製品が得られた。
色補正層用塗布液の処方
着色層用塗布液の処方
色素: DCE−7(山田化学社) 0.12重量部
Yellow−GN(日本化薬社) 0.26重量部
Violet A−N(日本化薬社) 0.28重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
着色層用塗布液の処方
色素: DCE−7(山田化学社) 0.12重量部
Yellow−GN(日本化薬社) 0.26重量部
Violet A−N(日本化薬社) 0.28重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(実施例4)
実施例1と同様の条件で、A層厚み86nm、B層厚み78nm、全厚み16.5μmとなるように吐出量を調整して二軸延伸フィルムを得た。この裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下である30μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、下記の処方の色補正層用塗布液をバーコーター(#50)にて塗布・熱乾燥を行い、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図4に示す。これより、式(I)を満たすことにより、入射角が5°のときは緑色の高い反射色が得られ、入射角60°以降で見られる青色の反射色はカットするために、カラーシフトの角度依存性は大幅に抑えられ、色に深みのある製品が得られた。また、式(II)を満たすために、入射角60°でも色補正層の表面反射色が目立たず、よりカラーシフトの少ない製品が得られた。入射角45°においては、中間色である青緑色のカラーシフトが見られるが、人間の視感性からして問題となるほどではない。あとは実施例2と同様の結果であった。
実施例1と同様の条件で、A層厚み86nm、B層厚み78nm、全厚み16.5μmとなるように吐出量を調整して二軸延伸フィルムを得た。この裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下である30μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、下記の処方の色補正層用塗布液をバーコーター(#50)にて塗布・熱乾燥を行い、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図4に示す。これより、式(I)を満たすことにより、入射角が5°のときは緑色の高い反射色が得られ、入射角60°以降で見られる青色の反射色はカットするために、カラーシフトの角度依存性は大幅に抑えられ、色に深みのある製品が得られた。また、式(II)を満たすために、入射角60°でも色補正層の表面反射色が目立たず、よりカラーシフトの少ない製品が得られた。入射角45°においては、中間色である青緑色のカラーシフトが見られるが、人間の視感性からして問題となるほどではない。あとは実施例2と同様の結果であった。
色補正層用塗布液の処方
色素: Yellow−GN(日本化薬社) 0.7重量部
TX−MX−609K(日本触媒社) 0.44重量部
GPX201(アデカ社) 0.07重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: Yellow−GN(日本化薬社) 0.7重量部
TX−MX−609K(日本触媒社) 0.44重量部
GPX201(アデカ社) 0.07重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(実施例5)
実施例1と同様の条件で、A層厚み68nm、B層厚み62nm、全厚み13.5μmとなるように吐出量を調整して二軸延伸フィルムを得た。この裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下である30μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、下記の処方の色補正層用塗布液をバーコーター(#50)にて塗布・熱乾燥を行い、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図5に示す。これより、式(I)および式(II)を満たすことにより、入射角が5°のときは青色の高い反射色が得られた。一方、青色がもとより色刺激値が低いことに加え、入射角60°以降の色は人の目は、可視光領域外であり、ほとんど視認できないことから、もともとカラーシフトはわずかしか見られなかった。とはいえ、入射角45°付近で見られる、中間色である藍色の反射色が低減しているため、カラーシフトの低減は確認できた。あとは実施例2と同様の結果であった。
実施例1と同様の条件で、A層厚み68nm、B層厚み62nm、全厚み13.5μmとなるように吐出量を調整して二軸延伸フィルムを得た。この裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下である30μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、下記の処方の色補正層用塗布液をバーコーター(#50)にて塗布・熱乾燥を行い、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表1と図5に示す。これより、式(I)および式(II)を満たすことにより、入射角が5°のときは青色の高い反射色が得られた。一方、青色がもとより色刺激値が低いことに加え、入射角60°以降の色は人の目は、可視光領域外であり、ほとんど視認できないことから、もともとカラーシフトはわずかしか見られなかった。とはいえ、入射角45°付近で見られる、中間色である藍色の反射色が低減しているため、カラーシフトの低減は確認できた。あとは実施例2と同様の結果であった。
色補正層用塗布液の処方
色素: DCE−7(山田化学社) 0.059重量部
SD50−E01V(住友精化社) 0.27重量部
LUMOGEN765(日本触媒社) 0.17重量部
GPZ104(アデカ社) 0.065重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: DCE−7(山田化学社) 0.059重量部
SD50−E01V(住友精化社) 0.27重量部
LUMOGEN765(日本触媒社) 0.17重量部
GPZ104(アデカ社) 0.065重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(比較例1)
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表2と図6に示す。これより、式(II)は満たしているものの、式(I)は満たしていないため、入射角60°の反射色(緑色)が十分カットしきれていない。そのため、入射角5°から60°に傾斜していくと、赤色から緑色へとカラーシフトがはっきりと確認された。また、色の深みも十分ではなかった。あとは実施例2と同様の結果であった。
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表2と図6に示す。これより、式(II)は満たしているものの、式(I)は満たしていないため、入射角60°の反射色(緑色)が十分カットしきれていない。そのため、入射角5°から60°に傾斜していくと、赤色から緑色へとカラーシフトがはっきりと確認された。また、色の深みも十分ではなかった。あとは実施例2と同様の結果であった。
色補正層用塗布液の処方
色素: RED G(日本化薬社) 0.49重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: RED G(日本化薬社) 0.49重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(比較例2)
実施例4と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表2と図7に示す。これより、式(II)は満たしているものの、式(I)は満たしていないため、入射角60°の反射色(青色)が十分カットしきれていない。そのため、色の深みは、まずまずであったが、入射角5°から60°に傾斜していくと、緑色から青色へとカラーシフトが確認された。あとは実施例2と同様の結果であった。
実施例4と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表2と図7に示す。これより、式(II)は満たしているものの、式(I)は満たしていないため、入射角60°の反射色(青色)が十分カットしきれていない。そのため、色の深みは、まずまずであったが、入射角5°から60°に傾斜していくと、緑色から青色へとカラーシフトが確認された。あとは実施例2と同様の結果であった。
色補正層用塗布液の処方
色素: Yellow−GN(日本化薬社) 0.7重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: Yellow−GN(日本化薬社) 0.7重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(比較例3)
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表2と図8に示す。これより、式(I)において、波長A−波長Bが負の値となっているため、色補正層が入射角5°における反射フィルムの反射色(赤色)を大幅に低減してしまっており、反射性能は低かった。
実施例1と同様の条件で製膜、貼り合わせ、色補正層塗布を行った。ただし色補正層の処方は以下のとおり変更している。このときの結果と、入射角を変えたときの反射率スペクトルの図を表2と図8に示す。これより、式(I)において、波長A−波長Bが負の値となっているため、色補正層が入射角5°における反射フィルムの反射色(赤色)を大幅に低減してしまっており、反射性能は低かった。
色補正層用塗布液の処方
色素: BLUE A−2R(日本化薬社) 0.52重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
色素: BLUE A−2R(日本化薬社) 0.52重量部
溶媒: アセトン 60重量部
アクリル樹脂: IRG−205(日本触媒社) 60重量部。
(比較例4)
片面にアルミニウムを真空蒸着させた、厚み20μmの二軸延伸PETフィルムの上に、実施例2と同様の条件で色補正層と黒色層を設けた。このときの結果を表2に示す。
片面にアルミニウムを真空蒸着させた、厚み20μmの二軸延伸PETフィルムの上に、実施例2と同様の条件で色補正層と黒色層を設けた。このときの結果を表2に示す。
(比較例5)
片面にアルミニウムを真空蒸着させたPETフィルムの上に、実施例4と同様の条件で色補正層と黒色層を設けた。このときの結果を表2に示す。
片面にアルミニウムを真空蒸着させたPETフィルムの上に、実施例4と同様の条件で色補正層と黒色層を設けた。このときの結果を表2に示す。
(比較例6)
片面にアルミニウムを真空蒸着させたPETフィルムの上に、実施例5と同様の条件で色補正層と黒色層を設けた。このときの結果を表2に示す。
片面にアルミニウムを真空蒸着させたPETフィルムの上に、実施例5と同様の条件で色補正層と黒色層を設けた。このときの結果を表2に示す。
比較例4・5・6の場合、金属蒸着であるため、もともと入射角によるカラーシフトはなく、色補正層の色光のみが見られる。一方、どの入射角でも反射率はほぼ一定のため、満足する色の深みは得られなかった。また、成型性の評価において、蒸着面に白化が生じており、光学顕微鏡にて確認したところ表面に無数のクラックが確認された。
(実施例6)
実施例2と同様の製膜条件で得られた二軸延伸フィルム(厚み20μm)の裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下となるように黒のスプレーを吹き付けた(厚み1μm)。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、実施例2と同様にして、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果を表1に示す。
実施例2と同様の製膜条件で得られた二軸延伸フィルム(厚み20μm)の裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下となるように黒のスプレーを吹き付けた(厚み1μm)。また、表側は表面コロナ放電処理を行った後、実施例2と同様にして、塗膜厚み10μmの色補正層を形成した。このときの結果を表1に示す。
この結果、性能においてはほぼ実施例2と同等のものが得られたが、塗膜面側にカールが非常に起きやすかった。
(比較例7、8、9)
実施例1、4、5と同様の製膜条件で得られた二軸延伸フィルム(厚み19.5、16.5、13.5μm)の裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下である50μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。なお色補正層は設けなかった。このときの結果を表2に示す。
実施例1、4、5と同様の製膜条件で得られた二軸延伸フィルム(厚み19.5、16.5、13.5μm)の裏側に、可視領域が全域にわたって3%以下である50μmの黒色PETを、粘着層を介して貼り合わせた。なお色補正層は設けなかった。このときの結果を表2に示す。
この結果、色補正層がない場合、入射角を大きくしたときに、カラーシフトが顕著に確認された。
本発明の着色フィルムは、金属光沢を必要とする装飾部材として好適に使用でき、例えば自動車部材、携帯電話の外装材として使用することができる。
Claims (5)
- 層厚みが45〜150nmである層を複数有し、熱可塑性樹脂から構成される反射フィルムと、
色補正層を積層してなる積層フィルムであり、
反射フィルムの入射角5°での反射スペクトルにおいて、反射フィルムの可視領域における反射帯域の中心波長A(nm)と、
色補正層の入射角0°での透過スペクトルにおいて、色補正層の透過率が40%である最も高い波長である波長B(nm)とが、
以下の式にあることを特徴とする着色フィルム。
80(nm)≧波長A−波長B≧20(nm)(A>B) 式(I) - 反射フィルムの反射光の色座標値(x反射、y反射)と色補正層の透過光の色座標値(x補正、y補正)とが以下の関係にある請求項1に記載の着色フィルム。
|x反射−x補正|≦0.12
|y反射−y補正|≦0.12 式(II) - 前記着色フィルムが色補正層、反射フィルム、支持層をもちいてなるフィルムであり、フィルムを構成する各層の厚みが、以下の式を満たしている請求項1または2に記載の着色フィルム。
(C+D)/4E≧1.0 式(III)
反射フィルムの厚み:C
支持層の厚み:D
色補正層の厚み:E - 前記光反射フィルムが、厚み方向に2種類以上の熱可塑性樹脂が20層以上積層された多層反射フィルムである請求項1から3のいずれかに記載の着色フィルム。
- 多層反射フィルムがポリエステル樹脂と共重合ポリエステル樹脂の交互多層膜にて構成される請求項4に記載の着色フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097157A JP2007271896A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 着色フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097157A JP2007271896A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 着色フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007271896A true JP2007271896A (ja) | 2007-10-18 |
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ID=38674754
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JP2006097157A Pending JP2007271896A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 着色フィルム |
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009096298A1 (ja) * | 2008-02-01 | 2009-08-06 | Toray Industries, Inc. | 積層フィルムおよび成形体、反射体 |
CN101954882A (zh) * | 2009-07-14 | 2011-01-26 | 本田技研工业株式会社 | 车辆的多方向视觉辨认装置 |
JP2012116045A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Toray Ind Inc | 成形用加飾シート |
JP2015120350A (ja) * | 2013-12-23 | 2015-07-02 | トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド | 金属及び誘電体層から作られる赤色全方向構造色 |
JP2021033230A (ja) * | 2019-08-29 | 2021-03-01 | 王子ホールディングス株式会社 | 自動車用防眩性シートおよび自動車用防眩性合わせガラス |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097157A patent/JP2007271896A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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