JP2019014836A - フィルム - Google Patents

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【課題】優れたブルーライトカット性能と透明性、及び光学特性の均一性を有するフィルムを提供することを目的とするものである。【解決手段】フィルム幅方向の長さが1000mm以上であるフィルムであって、下記(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とするフィルム。(1)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間380nmから440nmの平均透過率が50%以上100%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上10%未満であること。(2)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間440nmから470nmの平均透過率が50%以上80%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上15%未満であること。(3)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間500nmから780nmの平均透過率が80%以上100%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が0.1%以上1.0%未満であること。【選択図】なし

Description

本発明は、ブルーライトカット性能と透明性に優れ、かつ、均一な光学特性を有するフィルムに関する。
表示装置等から発せられるブルーライトは角膜や水晶体で吸収されずに網膜に到達するため、眼精疲労や不眠の原因となるリスクが指摘されている。ブルーライトとは、波長が380〜495nmの青色光をいい、可視光線の中でも強いエネルギーを有する。近年、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等に用いられる表示装置の光源として、発光ダイオード(LED)を用いたものが増加している。LEDはブルーライトの発光量が大きく、特に人体のサーカディアンリズムに影響を与える460nm波長に強い発光ピークを持っている。
ブルーライトの暴露を抑制する手法として、画像表示装置の表示面に配置するためのブルーライトカットフィルム等が上市されている。
特開2015−194553号公報 特開2017−3884号公報 特開2015−27746号公報
しかしながら、現在上市されているブルーライトカットフィルムは、LEDの発光ピークである460nm波長付近を十分にカットできていない問題(例えば、特許文献1参照)や、不必要な波長領域までカットすることで透過光が黄色味を帯びる問題があった(例えば、特許文献2参照)。また、ブルーライトカット性能を持たせるための手段として、顔料やコーティングを用いていることから、熱や光により分解して劣化するため、ブルーライトカット性が経時的に低下する問題があった。
樹脂の積層数が数十層以上である多層積層フィルムにおいては、屈折率の異なる樹脂層を交互に積層することで光の干渉反射性が発現し、選択的にブルーライト波長を反射するフィルムを作成することにより、高いブルーライトカット性能を有しながら、十分な透明性があり、かつ顔料等を使用しないことから耐熱性や耐光性を十分に有するブルーライトカットフィルムの可能となる(例えば、特許文献3参照)。しかし、樹脂を積層する設備設計によっては、厚みムラ、積層ムラが生じ、光学特性が不安定となるため、さらなる改善が望まれている。
本発明は、上記した従来技術の問題点を鑑み、ブルーライトカット性能と透明性に優れ、かつ、均一な光学特性を有するフィルムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。すなわち、フィルム幅方向の長さが1000mm以上であるフィルムであって、下記(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とするフィルムである。
(1)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間380nmから440nmの平均透過率が50%以上100%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上10%未満であること。
(2)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間440nmから470nmの平均透過率が50%以上80%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上15%未満であること。
(3)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間500nmから780nmの平均透過率が80%以上100%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が0.1%以上1.0%未満であること。
本発明により、優れたブルーライトカット性能と透明性、及び光学特性の均一性を有するフィルムを得ることができる。より具体的には、それを用いたLEDディスプレイ用画面保護フィルムとして、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、特に光学特性の均一性を有することから、大面積の表示装置に好適に用いることができる。
実施例1〜4、比較例1〜3の設計層厚みを示す図 本発明に用いられるフィードブロックの構成図の一例 スリット板およびスリットの構成図 スリットの断面構成図
本発明のフィルムは、幅方向の長さが1000mm以上であるフィルムであり、幅方向の中央と両末端の3点における波長区間440nmから470nmの平均透過率が50%以上80%未満であることが必要である。幅方向の中央と両末端の3点における波長区間440nmから470nmの平均透過率とは、フィルム幅方向の中央における波長区間440nmから470nmの平均透過率、フィルム幅方向の両末端における波長区間440nmから470nmの平均透過率の3つの平均透過率の平均を表す。より好ましくは、前記波長区間の平均透過率が50%以上75%未満であり、さらに好ましくは50%以上71%未満である。前記波長区間の平均透過率が80%以上の場合、LEDのブルーライト発光ピークを十分にカットできない可能性がある。前記波長区間の平均透過率が50%未満の場合、青色光を強く反射することにより透過光が黄色味を帯びるという問題が発生する。
また、本発明のフィルムは、幅方向の中央と両末端の3点における波長区間380nmから440nmの平均透過率が50%以上100%未満であり、かつ幅方向の中央と両末端の3点における波長区間500nmから780nmの平均透過率が80%以上100%未満であることが必要である。波長区間380nmから440nmの平均透過率が50%未満、また波長区間500nmから780nmの平均透過率が80%未満の場合、LEDのブルーライト発光ピーク以外の可視光線を反射することで、透過光に色付きが生じるという問題が発生する。
本発明のフィルムは、幅方向の中央と両末端の3点における波長区間380nmから440nmの平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上10%未満であり、かつ波長区間440nmから470nmの平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上15%未満であり、かつ波長区間500nmから780nmの平均透過率の最大値と最小値の差が0.1%以上1.0%未満であることが必要である。波長区間380nmから440nmの平均透過率の最大値と最小値の差が10%以上、または波長区間440nmから470nmの平均透過率の最大値と最小値の差が15%以上、または波長区間500nmから780nmの平均透過率の最大値と最小値の差が1.0%以上の場合、光学特性の均一性が担保されず、フィルム面内のブルーライトカット性能ムラや色ムラが生じる場合がある。幅方向の中央と両末端の3点における波長区間380nmから440nmの平均透過率の最大値と最小値の差は8%以下であること、波長区間440nmから470nmの平均透過率の最大値と最小値の差は12%以下であること、波長区間500nmから780nmの平均透過率の最大値と最小値の差は0.3%以下であることがより好ましい。
一方、波長区間380nmから440nmの平均透過率の最大値と最小値の差、波長区間440nmから470nmの平均透過率の最大値と最小値の差、波長区間500nmから780nmの平均透過率の最大値と最小値の差が小さいほど光学特性の均一性は向上するが、本発明者らが鋭意検討したところ、幅方向の光学特性の均一性をある一定以上高くすると、干渉ムラが発生し、表示装置やディスプレイ部材に用いる際に外観を損なう場合があることを明らかにした。この問題は大型の表示装置やディスプレイ部材において特に顕著に発生するため、幅方向が1000mm以上を有するフィルムを用いるような大型の表示装置やディスプレイ部材に用いる場合は大きな問題となる。
近年の大型化する画像表示装置、ディスプレイに対応するため、本発明のフィルムは、1000mm以上の幅を持つ必要がある。より大型の表示装置やディスプレイ部材に用いるため、1500mm以上の幅を持つことが好ましく、2000mm以上の幅を持つことがさらに好ましい。
本発明のフィルムは、L*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるフィルムの幅方向の中央と両末端の3点におけるC値の最大値と最小値の差が0以上5未満であることが好ましい。C値の最大値と最小値の差が5を越える場合は、色ムラが大きくなり、画面保護フィルムとして使用する場合に外観を損なってしまう可能性がある。
本発明のフィルムは、樹脂Aからなる層(以下、A層という)と樹脂Bからなる層(以下、B層という)を厚み方向に交互に合計300層以上積層した構造を有し、前記積層構造において、厚さ1μm以上の層(厚膜層)と厚さ1μm未満の層(薄膜層)とを有することが好ましい。厚み方向に交互に合計500層以上積層された構造を有することがより好ましく、厚み方向に交互に800層以上積層された構造を有することがさらに好ましい。300層未満の場合、高い反射率を達成できないことに加えて、反射波長帯域の各波長光を均一に反射できず、各反射波長に対してムラの大きなフィルムとなってしまうことがある。本発明の特徴である波長区間380nmから440nmの平均透過率が50%以上100%未満であり、かつ波長区間440nmから470nmの平均透過率が50%以上80%未満であり、かつ波長区間500nmから780nmの平均透過率が80%以上100%未満とするためには、各層の層厚みを、下記、式1に基づいて設計する方法が挙げられる。本発明におけるフィルムは、光を反射/透過することを可能とするが、その反射率についてはA層とB層の屈折率差と層数によって制御することができる。
Figure 2019014836
本発明のフィルムは、前記積層構造の積層厚み全体にしめるA層の厚みの合計(A層の厚みの合計/積層構造全体の層厚み)をA層比率としたとき、幅方向の中央と両末端の3点において最大となるA層比率(最大A層比率)、最小となるA層比率(最小A層比率)を用いて下記式2で求められる積層比ムラが0.2%以上1.5%未満であることが好ましい。積層比ムラを上記の範囲とすることで、本発明のフィルムの幅方向の光学特性を前述の範囲とすることが容易となる。該積層比ムラが0.2%未満である場合は、干渉ムラが生じ、表示装置やディスプレイ部材に用いる際に外観を損なう可能性がある。また、該積層比ムラが1.5%以上である場合は、積層ムラにより、特定波長における光の反射ムラが生じ、ブルーライトカット性能ムラや色ムラが生じる場合がある。より好ましくは、0.2%以上1.3%以下である。積層比ムラを上記の範囲とする方法は、特に限られるものでは無いが、口金やフィードブロックを調整することで制御できる。詳しくは後述する。
なお、本発明のフィルムにおいて、フィルムの幅方向とは、フィルムを製膜する際のフィルムの流れ方向とは直角をなす方向を表すものである。フィルムの幅方向が判らない場合は、フィルムが略四角形である場合、四角形の長辺方向をもって幅方向とする。フィルムが略四角形でない場合、重心をとおりかつ最も長くなる対角線がとれる方向をもって幅方向とする。
Figure 2019014836
本発明におけるフィルムの好ましい層構成の一例として、設計層厚みを示す図を説明する。図1は、2種類の樹脂(以下、樹脂A、樹脂Bという)からなる層を厚み方向に交互に積層したフィルムにおいて、樹脂Aからなる層と樹脂B層からなる層厚みを、各層順(以下、層番号という)に対してプロットした図である。図の整数の層番号のみに層厚みが対応しており、A層は奇数番号に対応し、B層は偶数番号に対応する。また、製膜工程上、延伸ロール等への融着防止のため、最表層の厚膜層はA層で形成されることが必要である。図1に示す層構成の通り、一方の表面から反対の表面に向かうにつれて、1μm未満の薄膜層の層厚みが増加したのち減少する、または減少したのち増加する層構成の場合は、極一部に積層不良が生じ、設計値から外れたとしても、他の部分に同程度の層厚みが存在しているため、ブルーライトカット性能ムラや色ムラを低減することができる。
前記積層構造の層厚み分布において、厚さが1μm未満のA層のみについて一方のフィルム表面から数えたI番目のA層と、厚さが1μm未満のB層のみについて同表面から数えたI番目のB層を一つの組とし、組であるA層とB層の層厚みの平均値について、下記式3で表される隣接する組の平均層厚み差の割合の最大値が1%以上15%未満であることが好ましく、より好ましくは8%未満である。隣接する組の平均層厚み差の割合の最大値が1%以上15%未満とすることで、干渉ムラを低減でき、局所的な層厚みの密度の増減を防止することで特定波長における光の顕著な反射ムラを抑制し、ブルーライトカット性能ムラや色ムラを低減することができる。
Figure 2019014836
また、前記傾斜構造は少なくとも2つ以上有することが好ましい。傾斜構造を2つ以上とすることで、一の傾斜構造で局所的な厚み帯域の抜けが生じたとしても、それを補完する他の傾斜構造の層厚み領域が存在することで、ブルーライトカット性能ムラや色ムラを低減することができる。
本発明のフィルムは、樹脂から構成されることが好ましい。樹脂は熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の何れであっても良く、共重合体や2種類以上の樹脂が混合されたものであっても良い。中でも、熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、強度、耐熱性、透明性および汎用性の観点から、ポリエステル樹脂を用いることが特に好ましい。
ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体等を挙げることができる。中でも屈折率の高いテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良く、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合しても良い。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコール等を挙げることができる。中でも、エチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
前記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を用いることが好ましい。
A層とB層を厚み方向に交互に積層した構造を有する構成とする場合、樹脂Aおよび樹脂Bの好ましい組み合わせは、一方の樹脂と同一の基本骨格を含む樹脂を用いることが好ましい。ここで、本発明で言う「基本骨格」とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことを指し、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、エチレンテレフタレートが基本骨格であり、この場合の他の樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン1,4−ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)が挙げられる。また、別の例として、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが基本骨格である。同一の基本骨格の樹脂を用いると、フィルムの製膜において、フローマーク等の積層不良や層間での剥離等の問題が生じ難くなる。
本発明のフィルムは、前記樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを主成分とするものであり、前記樹脂Bがスピログリコール、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノールの少なくともいずれか一つを含んでなるポリエステルであることが好ましい。
本発明における樹脂Aは、耐押し跡性(耐打痕性)、フィルム自体の腰の強さの観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
本発明における樹脂Bは、屈折率の上昇を抑制する観点から、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル酸、シクロヘキサンジカルボン酸を含有、または、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールA成分を含有した前記樹脂Aの共重合体を、前記樹脂Aと混合または単独で用いることが好ましい。
本発明におけるフィルムの好ましい層構成の一例として、設計層厚みを示す図を説明する。図1は、樹脂A、樹脂Bからなる層を厚み方向に交互に積層したフィルムにおいて、樹脂Aからなる層と樹脂B層からなる層厚みを、層番号に対してプロットした図である。図の整数の層番号のみに層厚みが対応しており、A層は奇数番号に対応し、B層は偶数番号に対応する。製膜工程上、延伸ロール等への融着防止のため、最表層の厚膜層はA層で形成されることが好ましい。
本発明におけるフィルム総厚みは、10μm以上110μm未満であることが好ましい。より好ましくは20μm以上60μm未満である。さらに好ましくは30μm以上55μm未満である。10μm未満の場合、反射帯域が狭くなり、波長440〜470nmの全領域を反射できなくなってしまうことがある。110μm以上の場合、フィルムのコシが強くなることで加工時のハンドリングに悪影響を及ぼすことがある。
本発明のフィルムは、前記フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤からなる易接着層が設けられていることが好ましい。フィルムにハードコート層やシリコーン系接着層を施す際、処理面に易接着層が設けられていない場合、界面における密着性が低下することがある。また、ハードコート層とシリコーン系接着層をフィルムの両面に施す際は、両面に易接着層が設けられていることが好ましい。
本発明に好ましく用いられる易接着層を構成するアクリル・ウレタン共重合樹脂としては、アクリル系モノマーは、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー等を用いることができる。また、本発明におけるウレタン成分としては、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物を、乳化重合、懸濁重合等の公知のウレタン樹脂の重合方法によって反応させることで得られる樹脂を用いることができる。ウレタン成分を構成するポリヒドロキシ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリカーボネートジオール、グリセリン等を用いることができる。
本発明における易接着層を構成する架橋剤としては、架橋性官能基を共重合することが好ましく、例えば、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化或いはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤等を用いることができる。また、ハードコート層やシリコーン系接着層との耐湿熱接着性の観点から、2種類以上の架橋剤を用いることが好ましく、具体的には、架橋剤の少なくとも1種類がオキサゾリン系架橋剤またはカルボジイミド系架橋剤を用いることが好ましい。
さらに、前記易接着層の成分だけであると帯電し易いため、種々のフィルム加工工程において、異物が混入し、外観欠点となる問題を引き起こすことがある。そのため易接着層の成分には、帯電防止の観点から、導電性高分子を含んでいることが好ましい。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン・ビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレン、ポリヘテロサイクル・ビニレン、特に好ましくは、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。導電性高分子を用いる場合、易接着層表面の表面比抵抗が1×1011Ω/□以上1×1014Ω/□未満の範囲であることが好ましい。1.0×1012Ω/□以上であり、1.0×1013Ω/□未満であることが特に好ましい。易接着層表面の表面比抵抗を前記範囲内とすることで、該フィルムを加工する際の塵埃付着を防止し、工程収率を向上させることができる。また、該フィルムを画面保護フィルムとして使用する際に、ディスプレイへの塵埃付着を防止することができる。特に最近では、スマートフォンやタブレットといった情報機器に搭載されている静電容量型タッチパネル用途にも好適に用いることができる。1.0×1011Ω/□未満の場合、導電性が高すぎるため、該フィルムを使用した画面保護フィルムを静電容量式タッチパネルディスプレイに貼り付けた際に、タッチパネル操作に誤動作を生じさせる可能性がある。1.0×1014Ω/□以上の場合、該フィルムを加工する際の塵埃付着により、工程収率を低下させることがある。また、該フィルムを使用した画面保護フィルムをディスプレイに貼り付ける際に、静電気による塵埃等が付着して外観を損ねる可能性がある。
易接着層には、発明の効果を損なわない範囲であれば、架橋剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑材、顔料、染料、有機または無機の粒子、充填材、界面活性剤等を配合しても良い。
本発明のフィルムの製造方法は、以下のように例示することができる。例えば、まず、2種類の樹脂A及び樹脂Bをペレットの形態で用意する。該ペレットは、必要に応じて熱風中あるいは真空下で乾燥された後、各々2台の押出機にそれぞれ供給される。各押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化してフィルター等を介して異物や変性した樹脂を取り除く。A層に対応する押出機AとB層に対応する押出機Bの2台から樹脂が供給され、それぞれの流路からのポリマーが、フィルタ、さらに吐出比を調整するギアポンプを通過し、さらにマルチマニホールドダイやフィードブロックやスクエアミキサーやスタティックミキサーを経て積層された溶融体をT型口金等を用いてシート状に溶融押出され、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸フィルムを得る方法が挙げられる。
本発明のフィルムは、フィードブロックを用いることにより好適に得ることができ、この場合、少なくとも2種以上の樹脂を多層に積層するフィードブロックが、スリット板を3枚以上用いた構成であることが好ましい。図2に本発明の実施形態であるフィードブロックの例を示す。該フィードブロックは、2種の樹脂Aと樹脂Bを多層に積層する積層装置のことであり、詳細を以下に説明する。図2において、部材板6〜16がこの順に重ねられ、フィードブロック17を形成する。
図2のフィードブロック17は、樹脂導入板7,9,11,13,15に由来して5つの樹脂導入口を有するが、例えば樹脂Aを樹脂導入板7,11,15の導入口18から供給し、樹脂Bを樹脂導入板9,13の導入口18から供給する。すると、スリット板8は、樹脂導入板7から樹脂A、樹脂導入板9から樹脂Bの供給を受け、スリット板10は、樹脂導入板11から樹脂A、樹脂導入板9から樹脂Bの供給を受け、スリット板12は、樹脂導入板11から樹脂A、樹脂導入板13から樹脂Bの供給を受け、スリット板14は、樹脂導入板15から樹脂A、樹脂導入板13から樹脂Bの供給を受けることになる。
ここで、各スリット板に導入される樹脂の種類は、樹脂導入板7,9,11,13,15における液溜部19の底面とスリット板における各スリットの端部との位置関係により決定される。すなわち、図4に示すように、スリット板における各スリットの頂部の稜線20は、スリット板の厚み方向に対して傾斜を有する(図3(b),(c))。但し、図3(a)に示すように、スリット板の両端部に位置した厚膜層を形成するスリット巾は、薄膜層の破壊を防ぐ観点から、他の薄膜層を形成するスリット巾の2倍以上であることが好ましい。ここでの他の薄膜層を形成するスリット巾とは、少なくとも1つのスリット板内にある薄膜層を形成するスリット部の巾の平均値のことである。より好ましくは、3倍以上である。特に、スリット板8及びスリット板14のフィルムの各最表層部分に該当するスリットは、樹脂Aが流入され、かつ他の薄膜層を形成するスリット巾の10倍以上であることが好ましい。この際、樹脂Aが流入するスリットを連続して配置することで、巾の長さを合計して他の薄膜層を形成するスリット巾の10倍以上とすることもできる。このように、フィードブロックから送り込まれた樹脂が合流する箇所、及びフィードブロックから口金までの経路で配管の壁面との境界にあたる箇所において厚膜層を設けることで、合流直後の層厚み分布の変化を防止させ、さらには配管付近の多層流動における樹脂速度の変動を防止することができるため、積層比を崩すことなく、幅方向で均一なブルーライトカット性能や色調を発現し、かつフローマークによる外観欠点の無いフィルムを得ることができる。
そして、図4に示すように、樹脂導入板7,9,11,13,15(13,15は繰り返し構造のため、図4中から省略)における液溜部19の底面の高さは、前記稜線20の上端部21と下端部22との間の高さに位置する。このことにより、前記稜線20が上がった側からは樹脂導入板7,9,11,13,15の液溜部19から樹脂が導入されるが(図4中23)、前記稜線20が下がった側からはスリットが封鎖された状態となり樹脂は導入されない。かくして各スリットごとに樹脂AまたはBが選択的に導入されるので、積層構造を有する樹脂の流れがスリット板8,10,12,14(12,14は繰り返し構造のため、図4中から省略)中に形成され、当該スリット板8,10,12,14の下方の流出口24より流出する。
スリットの形状としては、樹脂が導入される側のスリット面積と樹脂が導入されない側のスリット面積が同一ではないことが好ましい。このような構造とすると、樹脂が導入される側と樹脂が導入されない側での流量分布を低減できるため、幅方向の積層精度が向上する。さらには、(樹脂が導入されない側のスリット面積)/(樹脂が導入される側のスリット面積)が0.2以上0.9以下であることが好ましい。より好ましくは0.5以下である。また、フィードブロック内の圧力損失が1MPa以上となることが好ましい。また、スリット長(図4中Z方向スリット長さの内、長い方)を20mm以上とすることが好ましい。一方、スリットの間隙巾は、加工精度の観点から0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.5mm以上3mm以下である。
このようにスリットの巾や長さの調整により、各層の厚みを制御することが可能である。また、それぞれのスリットにおいて、スリット間隙巾は、目標値との差の絶対値が1%以上5%未満であることが好ましい。より好ましくは1%以上3%未満である。スリット間隙巾の目標値との差の絶対値を5%未満とすることで、局所的な層厚みの密度の増減を防止することができる。また、スリット間隙巾の目標値との差の絶対値を1%以上とすることで、適度に積層ムラを有し、反射光を拡散させることで干渉ムラを低減でき、表示装置に用いる際に良好な外観とすることができる。なお、スリットは、その巾や長さを微妙に調整した高い加工精度を必要とする観点から、ワイヤー放電加工にて製作されたものが好ましい。
また、各スリット板に対応したマニホールド部を有していることも好ましい。マニホールド部により、スリット板の内部での幅方向(図4中Y方向)の流速分布が均一化するため、積層されたフィルムの幅方向の積層比を均一化することができ、大面積のフィルムでも精度良く積層することが可能となり、フィルム巾方向の反射率を精度良く制御することができる。また、前記マニホールドから各スリットへ連通する部分に、スリット間隙よりも大きな積層方向寸法を有する第2マニホールドがスリット幅方向のすべてに設けられていることが好ましい。また、前記第2マニホールドはスリット間隙の2倍以上であることが好ましい。加えて、前記第2マニホールドが、スリットに連通する樹脂導入板のマニホールドから離れるに従い下流方向に傾斜していることが好ましい。このような構造とすることで、樹脂導入板のマニホールドから遠い部分のスリットへ溶融材料が流れ易くなりスリットの第1マニホールドの近い側と遠い側の流量差が小さくなることにより、スリット幅方向の溶融材料の流量が均一となる。また、一つの液溜部から二つ以上のスリット板へ樹脂を供給することがより好ましい。このようにすると、例えば、わずかにスリット板の内部で幅方向に流量分布が生じていたとしても、次に説明する合流装置にてさらに積層されるため、積層比としてはトータルでは均一化され、高次の反射帯域のムラを低減することが可能となる。
各スリット板から流出した樹脂は、4つの樹脂流れの積層構造が並列となる位置関係で配置され、図4のフィードブロックの真下に配置された合流装置にて1つの積層流れとして合流される。
その後、溶融状態の当該樹脂流れは、Tダイ内部のマニホールド部に充填、さらに拡幅され、次いでダイスリットからシート状に押し出される。この際、前記フィードブロックと前記口金とを接続する流路における流路方向に垂直な任意の断面のシート幅方向寸法をW、シート厚み方向寸法をT、前記口金の吐出口のシート幅方向寸法をWd、前記積層体の最表層の最小シート厚み方向寸法をLとすると、式4と式5の関係を共に満足することが好ましい。
Figure 2019014836
Figure 2019014836
上記した条件を適宜調整することで、幅方向の積層比ムラを制御することが可能となる。
ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の回転冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルム(無延伸フィルム)が得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針金状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の回転冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の回転冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて回転冷却体に密着させて急冷固化させる方法も好ましい。
キャスティングフィルム(無延伸フィルム)は、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、流れ方向及び幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二軸方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに流れ方向及び/または幅方向に再延伸しても良い。特に本発明においては面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
まず、逐次二軸延伸の場合について説明する。ここで流れ方向の延伸とは、フィルムに流れ方向に分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行っても良く、また、複数本のロール対を用いて多段階で行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としてはフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。フィルムを延伸温度となるように加熱する手段として、フィルムの軟化温度付近まで予備加熱したのち,速度の異なるロール間にフィルム面直方向の両面に2台配置した近赤外線ヒーターによりフィルムを延伸温度まで加熱することが好ましい。A層とB層を厚み方向に交互に合計300層以上積層した構造を有する場合、前記フィルム面直方向の両面に2台配置した近赤外線ヒーターは、A層とB層それぞれの赤外線吸収スペクトルに合わせて、異なる放射スペクトルを有する近赤外線ヒーターを用いることがさらに好ましい。前記構成とすることで、A層とB層の歪み硬化特性の温度依存性が異なる場合、A層とB層の温度を個別に調整することで、各層を均一に延伸することができる。
本発明のフィルムに易接着層を設ける場合には、塗剤をコーティングして積層する方法が好ましい。塗剤をコーティングする方法としては、本発明におけるフィルムの製造工程とは別工程でコーティングを行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、本発明におけるフィルムの製造工程中にコーティングを行うことで易接着層を一度に積層させる、いわゆるインラインコーティング方法がある。コストの面や塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いられる塗液の溶媒は、環境汚染や防爆性の観点から水系であることが好ましく、水を用いることが最も好ましい態様である。
インラインコーティングで易接着層を積層する場合には、一軸延伸されたフィルムに連続的に易接着層を構成する塗剤を塗布する。溶媒として水を用いた塗剤(水系塗剤)の塗布方法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法およびダイコート法などを用いることができる。
水系塗剤を塗布する前に、フィルムの表面にコロナ放電処理等を施すことが好ましい。これは、フィルムと塗剤との接着性が向上し、塗布性も良好となるためである。
易接着層には、発明の効果を損なわない範囲であれば、架橋剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑材、顔料、染料、有機または無機の粒子、充填材、界面活性剤等を配合しても良い。
続いて行う幅方向の延伸とは、フィルムの幅方向に分子配向を与えるための延伸を言い、通常はテンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、フィルムに熱を加えて予熱した後、幅方向に延伸する。テンター直前に塗布された水系塗剤はこの予熱時に乾燥される。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、本発明におけるフィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましい。また、延伸温度としては本発明におけるフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
次いで、同時二軸延伸の場合について説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、連続的に易接着層を構成する塗剤を塗布する。溶媒として水を用いた塗剤(水系塗剤)の塗布方法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法およびダイコート法などを用いることができる。
水系塗材を塗布する前に、本発明におけるフィルムの表面にコロナ放電処理などを施すことが好ましい。これは、フィルムと塗剤との接着性が向上し、塗布性も良好となるためである。次に、塗剤を塗布したキャストフィルム(無延伸フィルム)を同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、流れ方向と幅方向に同時及び/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能で、かつ任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、面積倍率として8〜30倍が特に好ましい。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、流れ方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としてはフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前及び/または直後に瞬時に流れ方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に流れ方向及び/または幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前及び/または直後に瞬時に流れ方向に弛緩処理することが好ましい。
本発明のフィルムは、一方の面にハードコート層、もう一方の面に粘着層を設けた積層体とすることも好ましい態様として挙げられる。一方の面にハードコート層を設けることで防キズ性を付与し、もう一方の面に粘着層を設けることでディスプレイ画面へ貼付することが容易となる。前記積層体とすることで、画面保護フィルムやディスプレイ部材として良好に用いることができる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)フィルムの層構成および層厚み
フィルムの幅方向中央部、および両末端から50mmが中心となるように、約1cm四方のサンプルを計3点切り出した。それぞれのサンプルについて、ミクロトームを用いて断面を切り出し、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製、H−7100FA型)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40,000倍に拡大して観察し、断面部分を撮影して層構成および層厚みを測定した。また、各層の合計厚みをフィルム全体厚みとした。なお、コントラストを高く得るために、RuOを使用してサンプルを染色した。
フィルムの層構成および層厚みの具体的な求め方を説明する。約40,000倍のTEM写真を、CanonScanD123U(キャノン(株)製)を用いて画像サイズ729dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで、画像処理ソフト(販売元プラネトロン(株)、Imagc−Pro Plus ver.4)を用いて、該JPEGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域における平均の明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採取後、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア アプリケーションズ)プログラムにより、微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。測定は、3箇所(計9サンプル)について実施し、その平均値として求めた。
(2)各波長区間の平均透過率、最大値と最小値の差
フィルムの幅方向中央部、および両末端から50mmが中心となるように、50mm四方のサンプルを計3点切り出した。日立製作所製 分光光度計(U−4100Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で透過率測定を行った(入射角0°)。測定は装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準とし、測定条件としてスリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)、ゲインは2、走査速度を600nm/min.と設定し、測定波長範囲240〜1,500nmにて、切り出した全てのサンプルを測定した。測定は100箇所(計300サンプル)について実施し、測定した分光透過率から、波長区間380nmから440nm、波長区間440nmから470nm、波長区間500nmから780nmにおける、フィルムの幅方向の中央、および両末端の各波長区間の平均透過率を算出した。また、フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における各波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差を算出した。
(3)C値の最大値と最小値の差
フィルム幅方向中央と、両末端から50mm位置の計6箇所を切り出した。分光測色計(コニカミノルタセンシング(株)製、CM−3600d)を用いて、各サンプルにおけるa、bを測定した。
なお、測定の手段としては、分光測色計付属のゼロ構成ボックスで透過率のゼロ構成を行い、次いで、付属の白色校正板を用いて100%校正を行った後、以下の条件でフィルムのaを測定した。
モード:透過、測定径:8mm、光源:D65
次に、式6から彩度Cを求めた。彩度Cの計算に用いたa、bはSCIの値とした。
Figure 2019014836
得られた彩度Cから、フィルム長手方向、幅方向サンプルそれぞれの彩度Cの最大値と最小値の差を算出し、長手方向と幅方向の該値のうち、大きい値をC値の最大値と最小値の差とした。
(4)干渉ムラ視認性、色ムラ視認性
フィルムをTVディスプレイ(SONY(株)製、KD−85X9500B、画面サイズ縦1150mm×横1954mm)の明るさ設定を最も明るくした状態で全面黒色としたディスプレイ前面に置き、該フィルムを通して見た場合に、以下の基準で評価した。
[干渉ムラ]
○:干渉ムラが認識できない。
△:干渉ムラがわずかに認識できる。
×:干渉ムラが認識できる。
[色ムラ]
○:色ムラが認識できない。
△:色ムラがわずかに認識できる
×:色ムラが認識できる。
(原料)
(樹脂A)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応槽に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を除々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、固有粘度(IV)0.63のポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)を得た。
(樹脂B−1)
固有粘度(IV)0.72のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−2)
樹脂Aと樹脂B−1を59:41で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(易接着層の組成物)
・アクリル・ウレタン共重合樹脂(a)の水分散体:山南合成化学(株)製、サンナロンWG658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製、エラストロンE−37(固形分濃度28重量%)
・エポキシ化合物(c)の水分散体:DIC(株)製、CR−5L(固形分濃度100重量%)
・ポリチオフェン構造を有する化合物および陰イオン構造を有する化合物からなる組成物(d)の水分散体(固形分濃度1.3重量%)
・オキサゾリン化合物(e)の水分散体:日本触媒(株)製、エポクロスWS−500(固形分濃度40重量%)
・カルボジイミド化合物(f)の水分散体:日清紡(株)製、カルボジライトV−04(固形分濃度40%)
(易接着層に含有される易滑粒子)
・シリカ粒子W(g(i)):日揮触媒化成(株)製、スフェリカスラリー140(固形分濃度40%)
・シリカ粒子X(g(ii)):日本触媒(株)製、シーホスターKE−W30(固形分濃度20%)
・シリカ粒子Y(g(iii)):日揮触媒化成(株)製、Cataloid SI−80P(固形分濃度40%)
・シリカ粒子Z(g(iv)):日本触媒(株)製、シーホスターKE−W50(固形分濃度20%)
・アセチレンジオール系界面活性剤(h):日信化学(株)製、オルフィンEXP4051(固形分濃度50%)
・水系溶媒(i):純水
前記した(a)〜(h)を固形分重量比で、(a)/(b)/(c)/(d)/(e)/(f)/(g(i))〜(g(iv))のいずれか一つ、またいずれか複数の組み合わせにおける合計添加量/(h)=100/100/30/10/60/60/10/15となるように混合し、かつ前記水系塗剤((a)〜(f)、(h))の固形分濃度が3重量%となるように(i)を混合し、濃度調整した。
(実施例1−1)
樹脂Aおよび樹脂B−2を、各々別のベント付き二軸押出機で280℃の溶融状態とした後、ギアポンプおよびフィルターを介して、スリット巾の2倍の長さの第2マニホールドを有するスリットを275個有するスリット板を2個有する549層のフィードブロックにて合流させた。この際、フィードブロックのスリット板における、各スリット間隙巾は、目標値の−3%乃至+3%の範囲であった。なお、厚膜層となる両側の最表層は樹脂Aとなり、樹脂Aと樹脂B−2が交互に積層され、かつ薄膜層における隣接する樹脂Aからなる層と樹脂B−2からなる層の層厚みは、ほぼ同じになるようにした。その後、溶融状態の当該樹脂流れは、Tダイ内部のマニホールド部に充填、さらに拡幅し、次いでダイスリットからシート状に押し出した。この際、フィードブロックと口金とを接続する流路における流路方向に垂直な任意の断面のシート幅方向寸法Wは190mm、シート厚み方向寸法Tは32mm、前記口金の吐出口のシート幅方向寸法Wdは950mm、前記積層体の最表層の最小シート厚み方向寸法Lは12.4mmであった。次いで、静電印加で表面温度25℃に保たれたキャスティングドラムに密着させて急冷固化し、キャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム面直方向の両面に配置した2台の近赤外線ヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却して一軸延伸フィルムを得た。前記近赤外線ヒーターの一方はA層の赤外線吸収スペクトルに合わせた放射スペクトルを有し、もう一方はB層の赤外線吸収スペクトルに合わせた放射スペクトルを有しており、各ヒーターの出力を調整することにより、A層とB層を均一に延伸した。次いで、該一軸延伸フィルムの両面にエア中でコロナ放電処理を施し、フィルムの塗れ張力を55mN/mとし、#4のメタバーで、易接着層の組成物をフィルムの片面に塗布した。
得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風予熱後、110℃の温度で横方向に3.6倍延伸した。延伸したフィルムは、そのままテンター内で230℃の熱風にて熱処理を行い、次いで、同温度にて幅方向に7%の弛緩処理を施し、その後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取り、フィルム幅方向の長さが3000mmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムを、フィルム幅方向の長さが1000mmとなるように、かつ、幅方向の中央は同じ位置になるように幅方向端部をカットした(すなわちフィルムの幅方向片側端部から1000mmづつをカットした)。得られた二軸延伸されたフィルムのフィルム全体厚みは、40μmであった。このフィルムの層設計は図1の通りであり、スリット間隙を調整することにより、各層の層厚みを制御した。該フィルムの厚み方向の断面をTEM観察し、画像処理により層厚み分布を求めた。薄膜層で形成されるA層とB層の傾斜構造における層厚み分布(図1中4、および5)は、それぞれ10nm〜100nmであった。このフィルムの特性および評価結果を表1に示す。
(実施例1−2、1−3)
実施例1−2は、幅方向端部をカットした後のフィルム幅方向の長さが1500mmとなる以外は実施例1−1と同様に、実施例1−3は、幅方向端部をカットした後のフィルム幅方向の長さが2000mmとなる以外は実施例1−1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。これらのフィルムの特性および評価結果を表1に示す。
(実施例2−1〜2−3)
実施例1−1〜1−3の樹脂Aおよび樹脂B−2を、スリット巾の2倍の長さの第2マニホールドを有するスリットを275個有するスリット板を1個有する275層のフィードブロックにて合流とする以外は実施例1と同様にして、厚み22μmのフィルムを得た。このフィルムの特性および評価結果を表1に示す。
(実施例3−1〜3−3)
実施例1−1〜1−3の製造工程において、フィードブロックと口金とを接続する流路における流路方向に垂直な任意の断面のシート厚み方向寸法Tは10mm、前記口金の吐出口のシート幅方向寸法Wdは1400mmとする以外は実施例1と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。このフィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(実施例4−1〜4−3)
実施例1−1〜1−3の製造工程において、フィードブロックのスリット板における、各スリット間隙巾を、目標値の−10%乃至+10%の範囲とする以外は実施例1と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。このフィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(実施例5−1〜5−3)
実施例1−1〜1−3と同様にして得たフィルムの保護膜として、厚み3μmのハードコート層を形成した。塗布方法は、以下に示す塗剤を調整し、#10のバーコーターで均一にフィルムに塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去した後、80W/cm、搬送速度20m/分の条件にて紫外線照射を行った。ハードコート層単体の光線透過率は91%である。
UA−122P(新中村化学工業) ウレタンアクリレート:70.0部
DPHA(日本化薬) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:8.0部
U−15HA(新中村化学工業) ウレタンアクリレート:8.0部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ)光開始剤:5.0部
SH190(シリコーンオイル 東レダウコーニングシリコーン(株)製、商品名):5.0部
メチルエチルケトン:110.0部
次いで、フィルムの反対面に、ブチルアクリレート98質量部、アクリル酸1.5質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.5質量部を共重合して得たアクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:80万、濃度40質量部)100質量部に、粘着性付与剤[荒川化学工業社製、製品名「パインクリスタルKE−359」]30質量部、トルエンおよびトリレンジイソシアネート系3官能性アダクト体[日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートL」濃度75質量%]を0.5質量部添加して攪拌した粘着層用コート剤を、ダイコーターを用いて乾燥後の膜厚が4.5μmになるように接着剤層・粘着剤層用コート剤を塗布し、120℃で1分間乾燥後、ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ社製、製品名「セラピールWZ]と貼合して、LEDディスプレイ用保護フィルムを作製した。得られた保護フィルムは、LEDディスプレイに貼り合わせて使用する際に、優れた透明性でディスプレイの視認性を阻害することなく、ブルーライトをカットできるものであった。
(比較例1−1〜1−3)
実施例3−1〜3−3の製造工程において、フィードブロックのスリット板における、各スリット間隙巾を、目標値の−10%乃至+10%の範囲とする以外は実施例3と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。このフィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(比較例2−1〜2−3)
実施例1−1〜1−3の製造工程において、キャストフィルムを75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム面直方向の両面に配置した2台の近赤外線ヒーターが同一の放射スペクトルを有する構成とする以外は実施例1と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。このフィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(比較例3−1〜3−3)
実施例1−1〜1−3の製造工程において、フィードブロックのスリット板における、各スリット間隙巾を、目標値の−1%乃至+1%の範囲とする以外は実施例1と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。このフィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
Figure 2019014836
Figure 2019014836
本発明により、優れたブルーライトカット性能と透明性、及び光学特性の均一性を有するフィルムを得ることができる。より具体的には、それを用いたLEDディスプレイ用画面保護フィルムとして、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、特に光学特性の均一性を有することから、大面積の表示装置に好適に用いることができる。
1 : 層番号
2 : 層厚み
3 : 厚膜層
4 : A層の層厚み分布
5 : B層の層厚み分布
6 : 部材板
7 : 樹脂導入板
8 : スリット板
9 : 樹脂導入板
10 : スリット板
11 : 樹脂導入板
12 : スリット板
13 : 樹脂導入板
14 : スリット板
15 : 樹脂導入板
16 : 部材板
17 : フィードブロック
18 : 導入口
19 : 液溜部
20 : 各スリットの頂部の稜線
21 : 各スリットの頂部の稜線の上端部
22 : 各スリットの頂部の稜線の下端部
23 : スリットへ導入される樹脂
24 : 流出口

Claims (8)

  1. フィルム幅方向の長さが1000mm以上であるフィルムであって、下記(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とするフィルム。
    (1)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間380nmから440nmの平均透過率が50%以上100%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上10%未満であること。
    (2)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間440nmから470nmの平均透過率が50%以上80%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が1%以上15%未満であること。
    (3)フィルムの幅方向の中央と両末端の3点における波長区間500nmから780nmの平均透過率が80%以上100%未満であり、かつフィルムの幅方向の中央と両末端の3点における該波長区間の平均透過率の最大値と最小値の差が0.1%以上1.0%未満であること。
  2. L*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるフィルムの幅方向の中央と両末端の3点におけるC値の最大値と最小値の差が0以上5未満である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)とを交互に厚み方向に合計300層以上積層した構造を有し、前記積層構造において、厚さ1μm以上の層(厚膜層)と厚さ1μm未満の層(薄膜層)とを有する、請求項1または2のいずれかに記載のフィルム。
  4. 前記積層構造の積層厚み全体にしめるA層の厚みの合計(A層の厚みの合計/積層構造全体の層厚み)をA層比率としたとき、幅方向の中央と両末端の3点において最大となるA層比率(最大A層比率)、最小となるA層比率(最小A層比率)を用いて下記式1で求められる積層比ムラが0.2%以上1.5%未満である、請求項3に記載のフィルム。
    Figure 2019014836
  5. 前記積層構造の層厚み分布において、厚さが1μm未満のA層のみについて一方のフィルム表面から数えたI番目のA層と、厚さが1μm未満のB層のみについて同表面から数えたI番目のB層を一つの組とし、組であるA層とB層の層厚みの平均値について、下記式2で表される隣接する組の平均層厚み差の割合の最大値が1%以上15%未満であることを特徴とする請求項3または4に記載のフィルム。
    Figure 2019014836
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のフィルムの一方の面にハードコート層、もう一方の面に粘着層を有する積層体。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のフィルム、または請求項6に記載の積層体を用いた画面保護フィルム。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載のフィルム、または請求項6に記載の積層体を用いたディスプレイ部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022181583A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 東レ株式会社 成型用フィルム及びそれを用いた成型体

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