JP5078225B2 - 光学フィルター - Google Patents
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Description
T(630nm)−T(595nm)≧20% 式a
T(370nm)≦5% 式b
ここでT(x nm):波長x nmにおける透過率。
T(370nm)≦5% 式b
T(x nm):x nmにおける透過率
ある。
T(370nm)≦5% 式b
T(x nm):x nmにおける透過率
さらに、全光線透過率が97%以上であり、かつヘイズが0.6%以下である積層数が30以上の積層フィルムを含んでなる光学フィルターであると、光源や外光による反射や散乱を抑制できるものである。
T(370nm)≦5% 式b
ここでT(x nm):波長x nmにおける透過率。
T(450nm)−T(500nm)≧10% 式d
また、下記式eを満たすと、さらに好ましい。下記式eを満たすと、輝度やコントラストを低減させることなく、色純度を向上させることができたり、光学フィルターの色調を調整してより黒らしい黒に見えるフィルターとなるからである。
また、下記式fを満たすと、さらに好ましい。下記式fを満たすと、耐光性がさらに向上し、フィルターの色に関わる経時変化を大幅に抑制することができるものである。
本発明の光学フィルターでは、樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)を少なくとも有する積層数が30以上の積層フィルムを含んでいなければならないが、より好ましくはA層とB層が交互に積層され、積層数が200以上である積層フィルムを含んでなると良い。さらに好ましくは、A層とB層が交互に積層され、積層数が700以上である積層フィルムを含んでなると良い。上限値については特に制約するものではないが、積層装置の大型化、フィルム厚みの厚膜化、コストアップの問題から、3000層以下であることが好ましい。
また、樹脂Aおよび樹脂Bからなる層の厚みが、一方の表面から反対側の表面に向かうにつれ、増加または減少する層構成を有するとより好ましい。ここで、ほぼ一次関数的に層厚みが増加または減少するとさらに好ましい。このようにすると、反射帯域内でのリップルが抑制され、近赤外線の漏洩量がさらに少なくなるものである。
2種類の熱可塑性樹脂AおよびBをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除く。
Q:時間あたりのスタティックミキサーを通過する総吐出量(Kg/h)
L:スタティックミキサー1段分の長さ(mm)
A:スタティックミキサーの流路断面積(mm2) 。
2×(na・da+nb・db)=λ 式h
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
※なお、この式は隣接するA層とB層に関するものであるが、本発明では主反射波長λが広い帯域を有することが特徴であるため、層厚みdaとdbはある範囲を有することが好ましい。ここで、ある範囲とは、例えば、λ1〜λ2の帯域を高反射率とする設計の場合、樹脂Aと樹脂Bの吐出比をA/B=xとすると、下記式によって求められるda(1)〜da(2)、db(1)〜db(2)の範囲の厚み変化を含むことを言う。ここでは、樹脂Aと樹脂Bの比重は同一と仮定しているが、実際には同一でないことが多く、その点を考慮した設計をすべきである。
da(1)=λ1/(2×(na+na×(1/x)) db(1)=da(1)・x
da(2)=λ2/(2×(na+na×(1/x)) db(2)=db(2)・x
また、本発明の光学フィルターでは、可視部に高次の反射を有さないことが好ましいため、隣接するA層およびB層について下記式iを満たすことが好ましい。各々の面内平均屈折率および層厚みについては範囲40%以下の分布が生じていても許容できるものである。
本発明の特徴である850〜1000nmの近赤外線帯域の平均反射率が60%以上である積層フィルムを効率よく得るためには、隣接するA層およびB層について、式iを満たしつつ、積層フィルムの片面から反対面にむかうにつれ、A層およびB層の厚みが式hのλが850nmをほぼ満たす厚みから、λが1000nmをほぼ満たす厚みへ、かならずしも連続的である必要はないが徐々に厚くなる部分を含んでなることが好ましい。こうすることにより、ヘイズ法にて求められる全光線透過率が97%以上であり、かつヘイズが0.6%以下である積層フィルムを得ることが容易となる。
(物性値の評価法)
(1)積層数、積層比、積層厚み
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。本発明の実施例では十分なコントラストが得られたため実施しなかったが、用いる樹脂の組み合わせによっては公知の染色技術を用いてコントラストを高めても良い。
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotomater)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率を測定した。なお、サンプルは長手方向が上下方向になるようにセットし、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl2O3を用いた。なお、平均反射率は、ある波長範囲内の各波長における反射率を平均化して算出した。
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotomater)に平行光線セルを取り付け透過率を測定した。この平行光線セルは、sample光とreffrence光の透過量の差から透過率を求めるためのものであり、フィルム平面に垂直な軸に対して60°までの角度の入射光について透過率を測定できるように改造したものである。なお、サンプルは長手方向が上下方向になるようにセットし、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定した。
スガ試験機製フェードメーター U48AU(光源:紫外線カーボンアークランプ、強度500W/m2)を用い、温度63℃±3℃、湿度50±10%RHの環境下で、実施例または比較例で作成した光学フィルターを48時間曝露した。曝露前後での、400nm〜1300nmにおける各波長での透過率の変化が5%以下である場合は○、5%〜10%の変化があった場合を△、10%より大きい変化があった場合を×とした。
Panasonic製 プラズマディスプレイ TH−42PX20の前面フィルターを取り外し、この前面フィルターの代わりに実施例または比較例で作成した光学フィルターを貼り合わせた厚み5mmのガラスを組み込んで、輝度及びコントラストの評価を行った。この際、光学フィルターの非粘着層面側が視聴側になるようガラスを組み込んだ。
なお、室内の照明を消灯し、室外から光が入らない状態で輝度測定を行い、また、プラズマディスプレイの設定を、光学フィルターをつけない状態(厚み5mmのガラスのみ装着)で、以下のようになるように調整した。
<光学フィルターなし状態での輝度>
赤 : 91±3cd/m2
緑 : 187±3cd/m2
青 : 32±3cd/m2
白 : 130±3cd/m2
黒 : 0.4±0.05cd/m2
また、コントラストは、白と黒の輝度の比で表した。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
スガ試験機製 HGM−2DPを用いて、JIS K7105(1981)に基づいて、全光線透過率、ヘイズ(内部)を測定した。サンプルは、1,2,3,4テトラヒドロナフタレンテトラリン中につけ、非光源側に粘着面がくるようにセッティングした。
1.易接着層付き積層フィルムの作成方法
2種類の樹脂として、樹脂Aと樹脂Bを準備した。樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)[東レ製F20S]を用いた。また樹脂Bとしてシクロヘキサンジメタノールをエチレングリコールに対し30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]を用いた。また、紫外線吸収剤Aとして2,2’−(1,4−フェニレン)ビス (4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)を用意し、これと樹脂Aをベント付き2軸押出機にて紫外線吸収剤Aが12重量%となる様にコンパウンド樹脂を用意した。これら樹脂Aとコンパウンド樹脂を紫外線吸収剤Aが樹脂Aに対して1wt%になるように調整し、150℃の温度で6時間乾燥した後、一軸押出機に供給した。また、樹脂Bについては、乾燥窒素雰囲気下で一昼夜、80℃の温度で乾燥した後、ベント付き2軸押出機に供給した。
光学フィルターの色補正層に含有する染料として以下のものを準備した。
染料B : ポリフィラジン系化合物染料 山田化学工業製 TAP−2
染料C : ベンゼンジチオール系金属錯体化合物含有染料 住友精化製 SD5Cu−KNCO2
これらを、アクリルコーティング剤である日本触媒製のハルスハイブリッドIR−G205に配合した。また、これらの配合量はアクリルコーティング剤の固形分に対し表1の割合になるようにし、さらにメチルエチルケトンで固形分が20%となるように希釈した。その後、得られた積層フィルムに乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥させた。
実施例1において、積層フィルムの積層数を401層とした以外は、実施例1と同様の条件とした。多層積層装置としては、201個のスリットを有するフィードブロック(流路面粗さ0.3S、加工精度0.01mm)と、式gが0.06となるスタティックミキサー(角形流路)を用い、層厚みの調整はスリットの形状とスタティックミキサーでの分配度合いにて調整した。得られたフィルムの厚みは73μmであった。
実施例2において、A層およびB層の層厚みを表1のように変更した以外は、実施例2と同様の条件とした。多層積層装置としては、積層装置としては、201個のスリットを有するフィードブロック(流路面粗さ0.3S、加工精度0.01mm)と、式gが0.06となるスタティックミキサー(角形流路)を用い、層厚みの調整はスリットの形状とスタティックミキサーでの分配度合いにて調整した。得られた積層フィルムの厚みは66μmであった。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表1に示す。近赤外線透過率、耐光性、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。しかしながら、角度によっては近赤外線が一部透過する場合があった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例1において、紫外線吸収剤Aを紫外線吸収剤Bに変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。なお、紫外線吸収剤Bはシアノアクリレート系化合物であるBASF製 Uvinul3030を用いた。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表1に示す。近赤外線透過率、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。耐光性については、若干不足気味であった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例1において、色補正層の染料の量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。得られた結果を表1に示す。近赤外線透過率、耐光性、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。また、色純度については、全実施例および全比較例のなかで、実施例14についで良いものであった。得られた光学フィルターの分光透過率を図5に示す。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例1において、A層およびB層の層厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。多層積層装置としては、801層(201個のスリットを有するフィードブロックを4個重ねた構造、流路面粗さ0.3S、水との接触角45°、加工精度0.01mm)のフィードブロックを用い、層厚みの調整はスリットの形状で調整した。得られた積層フィルムの厚みは122μmであった。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表2に示す。近赤外線透過率、耐光性、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。しかしながら、視野角が大きい場合、着色がわずかに気になるようになった。また、光学フィルターの色目としては着色はなかった。しかしながら、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においては着色し、やや赤みをおびたものとなった。
実施例1において、積層数201層に変更した点と、A層およびB層の層厚みを表2のように変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。多層積層装置としては、201個のスリットを有するフィードブロック(流路面粗さ0.3S、水との接触角45°、加工精度0.01mm)を用い、層厚みの調整はスリットの形状で調整した。得られた積層フィルムの厚みは38μmであった。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表2に示す。耐光性、輝度、コントラストは満足すべきものであった。近赤外線の遮蔽がわずかに不足していたとともに、視野角によって近赤外線がわずかに漏洩する場合があった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例1において、樹脂Aに、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸70mol%、イソフタル酸15mol%、アジピン酸15mol%からなり、ジオール成分がエチレングリコールからなる共重合ポリエステル(固有粘度0.68)を用いた以外は、実施例1と同様の条件とした。得られた積層フィルムの厚みは128μmであった。また、色補正層および粘着層は実施例2と同様に形成した。得られた結果を表2に示す。近赤外線透過率、耐光性、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例1において、マルチマニホールドダイを用いず通常のシングルダイを用いて表層に樹脂Aからなる層を形成しないようにした以外は、実施例1と同様の条件とした。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表2に示す。近赤外線透過率、耐光性、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。しかしながら、ハードコート層や反射防止層を形成した場合には、干渉むらが見えやすくなった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例9において、透明・易滑・易接着層としてポリエステル系樹脂の代わりに、アクリル系樹脂からなる層を形成した以外は、実施例9と同様の条件とした。この透明・易滑・易接着層は、実施例9と同様にしてコロナ処理を施した一軸延伸フィルムに、易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性アクリル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布し、形成した。
実施例1において、樹脂Aと樹脂Bの吐出比が1.2で、かつ各層の厚みが表2のようになるように多層積層装置のスリット形状と各樹脂の吐出量を変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。隣接する層の厚みは、平均すると約1.2であった。得られた積層フィルムの厚みは137μmであった。
実施例1において、樹脂Aに、平均粒径が30nmの架橋ポリスチレン(0.1wt%)と、平均粒径が1.1μmの炭酸カルシウム(0.025wt%)を添加し、積層フィルムの表面に透明・易滑・易接着層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の条件とした。
実施例1において、色補正層の染料濃度を表3のように変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。得られた結果を表3に示す。近赤外線透過率、耐光性、コントラストは満足すべきものであった。一方、コントラストは若干低く、他の実施例に比較して色純度もわずかに低かった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例1において、積層数29層に変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。多層積層装置としては、29個のスリットを有するフィードブロック(流路面粗さ0.3S、水との接触角45°、加工精度0.01mm)を用い、層厚みの調整はスリットの形状で調整した。得られた積層フィルムの厚みは6μmであった。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表3に示す。近赤外線透過率が高く、リモコン誤動作が発生しやすかった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
積層を行わず、実施例1の樹脂Aと紫外線吸収剤Aからなる単膜を製膜した。製膜条件は、共押出による積層以外は実施例1と同様にしたが、フィルム厚みは実施例1と同一になるように吐出量で調整した。
比較例2の易接着層付き単膜フィルムを用いて、光学フィルターを作成した。光学フィルターの作成方法は以下の通り。
2.光学フィルターの作成方法
光学フィルターの色補正層に含有する染料として以下のものを準備した。
染料B : ポリフィラジン系化合物染料 山田化学工業製 TAP−2
染料C : ベンゼンジチオール系金属錯体化合物含有染料 住友精化製 SD5Cu−KNCO2
染料D : ジイモニウム系化合物染料 日本化薬製 IRG−022
これらを、アクリルコーティング剤である日本触媒製のハルスハイブリッドIR−G205に配合した。また、これらの配合量はアクリルコーティング剤の固形分に対し表4の割合になるようにし、さらにメチルエチルケトンで固形分が20%となるように希釈した。その後、得られた積層フィルムに乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥させた。
実施例1において、紫外線吸収剤Aを添加しなかった以外は、実施例1と同様の条件とした。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表4に示す。近赤外線透過率、輝度、コントラストともに満足すべきものであったが、耐光性がわるく、経時で画質が変化してしまった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
実施例5において、染料Aの代わりに、染料Eとしてクオタリルイミド系化合物染料 BASF製ルモゲン788を用いた以外は、実施例1と同様の条件とした。得られた結果を表4に示す。近赤外線透過率、耐光性、輝度、コントラストともに満足すべきものであった。また、色純度については、全実施例および全比較例のなかで、もっと良いものであった。得られた光学フィルターの分光透過率を図6に示す。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
1.易接着層付き積層フィルムの作成方法
2種類の樹脂として、樹脂Aと樹脂Bを準備した。樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)[東レ製F20S]を用いた。また樹脂Bとしてシクロヘキサンジメタノールをエチレングリコールに対し30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]を用いた。また、紫外線吸収剤Aとして2,2’−(1,4−フェニレン)ビス (4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)を用意し、これと樹脂Aをベント付き2軸押出機にて紫外線吸収剤Aが12重量%となる様にコンパウンド樹脂を用意した。これら樹脂Aとコンパウンド樹脂を紫外線吸収剤Aが樹脂Aに対して1wt%になるように調整し、150℃の温度で6時間乾燥した後、一軸押出機に供給した。また、樹脂Bについては、乾燥窒素雰囲気下で一昼夜、80℃の温度で乾燥した後、ベント付き2軸押出機に供給した。
光学フィルターの色補正層に含有する染料として以下のものを準備した。
染料B : ポリフィラジン系化合物染料 山田化学工業製 TAP−2
染料C : ベンゼンジチオール系金属錯体化合物含有染料 住友精化製 SD5Cu−KNCO2
これらを、アクリルコーティング剤である日本触媒製のハルスハイブリッドIR−G205に配合した。また、これらの配合量はアクリルコーティング剤の固形分に対し表1の割合になるようにし、さらにメチルエチルケトンで固形分が20%となるように希釈した。その後、得られた貼りあわせ積層フィルムに乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥させた。
フィードブロックのスリット形状を調整して、表4のように各層の厚みを調整した以外は実施例1と同様の製膜条件で積層フィルムを製膜し、光学フィルターを得た。得られた光学フィルターは、700nm〜850nmまで反射率90%以上で近赤外線を反射していたが、プラズマディスプレイに貼り合わせた場合、視野角によっては、画面が赤っぽく着色して見えるとともに、赤外線の漏洩によるリモコンの誤動作が頻発した。
実施例1において、縦延伸倍率を3.6倍、横延伸倍率を4.5倍に変更し、積層数を101層として、A層およびB層の層厚みを表5のように変更した以外は、実施例1と同様の条件とした。多層積層装置としては、101個のスリットを有するフィードブロック(流路面粗さ0.3S、水との接触角45°、加工精度0.01mm)を用い、層厚みの調整はスリットの形状で調整した。得られた積層フィルムの厚みは24.6μmであった。また、色補正層および粘着層は実施例1と同様に形成した。得られた結果を表5に示す。耐光性、輝度、コントラストは満足すべきものであった。しかしながら、近赤外線の遮蔽が不足していたとともに、視野角によって近赤外線がわずかに漏洩する場合があった。また、光学フィルターの色目としては着色はなく、かつ、視野角50°(画面に対して垂直な方向となす角)においても着色は見られなかった。
2: 樹脂A供給部
3: スリット部
3a、3b: スリット
4: 樹脂B供給部
5: スリット部
6: 樹脂A供給部
7: スリット部
8: 樹脂B供給部
9: 側板
10: 積層装置 11: 導入口
12: 液溜部
18: 合流装置
Claims (13)
- 樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)を少なくとも有する積層数が30以上、かつ480〜630nmにおける透過率曲線において、30nm内の透過率の最大値と最小値の差が10%以下である積層フィルムを含んでなり、波長850〜1200nmの近赤外線帯域の平均反射率が60%以上であり、下記式aおよびbを満たし、光学フィルターの面に垂直な軸に対し50°の角度から入射した光線に対して、700nmにおける透過率が60%以上であり、950nmにおける透過率が40%以下であり、特定波長の可視光線を吸収する染料や顔料を樹脂中に分散した層を積層フィルムの表面に形成してなることを特徴とする光学フィルター。
T(630nm)−T(595nm)≧20% 式a
T(370nm)≦5% 式b
ここでT(x nm):波長x nmにおける透過率 - 下記式c〜dを満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルター。
T(545nm)−T(500nm)≧10% 式c
T(450nm)−T(500nm)≧10% 式d - 樹脂Aおよび/または樹脂Bからなる層の厚みが、一方の表面から反対側の表面に向かうにつれ、増加または減少する層構成を有する積層フィルムを含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルター。
- 樹脂Aまたは樹脂Bからなる層において、層厚みが250nm以上である層の数が8層以下であり、かつ80nm以下である層の数が8層以下である積層フィルムを含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルター。
- 全光線透過率が97%以上であり、かつヘイズが0.6%以下である積層数が30以上の積層フィルムを含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルター。
- 積層フィルム中の光源側表層部の層厚みが、視聴側表層部の層厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルター。
- 850〜1000nmの帯域内の平均反射率が80%以上であり、かつ1300nmにおける反射率が30%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルター。
- 1000〜1200nmにおける平均吸収率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルター。
- 視感反射率が4%以下、視感透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の光学フィルター。
- 樹脂Bが他の共重合成分を17mol%以上含んでなる共重合ポリエステルであり、樹脂Bからなる層のいずれかに紫外線吸収剤が含まれ、かつ樹脂Bからなる層が前記染料又は顔料を分散してなる層と隣接していないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルター。
- ベンゾオキサジノン系化合物、ベンゼンジチオール系金属錯体化合物、およびポルフィラジン系金属錯体化合物から選ばれる1種以上の化合物を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の光学フィルター。
- 下記式eを満たすことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学フィルター。
T(680nm)−T(630nm)≧5% 式e - 請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルターを含んでなるプラズマディスプレイ用フィルター。
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