JPH11281816A - 光フィルター - Google Patents

光フィルター

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JPH11281816A
JPH11281816A JP10301138A JP30113898A JPH11281816A JP H11281816 A JPH11281816 A JP H11281816A JP 10301138 A JP10301138 A JP 10301138A JP 30113898 A JP30113898 A JP 30113898A JP H11281816 A JPH11281816 A JP H11281816A
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JP
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layer
light
polymer
wavelength
dielectric
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JP10301138A
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English (en)
Inventor
Takashi Harada
孝 原田
Akira Hida
彰 陽田
Tatsuya Nakamura
達也 中村
Makoto Ishikawa
誠 石川
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光に対する透明性が高く、かつ不所望の
波長帯域の光を効果的にカットできる、改良された光フ
ィルターを提供すること。 【解決手段】 誘電反射層を有する光フィルターにおい
て、誘電反射層が、第1のポリマーからなる層の複数か
ら構成された第1組の誘電反射層単位と、前記第1のポ
リマーとは異なる屈折率を有する第2のポリマーからな
る層の複数から構成された第2組の誘電反射層単位とを
組み合わせて含み、その際、第1組及び第2組の誘電反
射層単位が、第1のポリマーの層と第2のポリマーの層
とを交互に積層することにより組み合わされているよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光フィルターに関
し、特に、プラズマディスプレィ装置等の各種のディス
プレィ装置の表示面(以下、「画面」とも呼ぶ)に、詳
しくはその前面側(観察者側)に配置して使用され、特
定波長帯域(例えば、800nm以上1,000nm以
下の範囲の波長帯域)の光を反射し、かつ画面の前面か
ら放出されるその帯域の光の量を効果的に低減せしめる
ことが可能な、改良された光フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、所望の波長帯域の電磁波(以
下、単に「光」という用語を用いる場合もある)のみを
選択的に透過させるため、および(又は)透過させる必
要のない波長帯域の電磁波をカット(すなわち、吸収又
は反射)するため、いろいろなタイプの光フィルターが
知られている。例えば、人体に有害とされる紫外線を効
果的にカットし、可視光はほとんど透過する、すなわ
ち、可視光に関して透明な、紫外線(UV)カットフィ
ルターなどがその1つの例である。
【0003】上記のような光フィルターは、例えば、デ
ィスプレィ装置の画面の前面側に配置して、可視光の透
過を阻害せず、不要な波長帯域の光をカットするのに用
いられる。例えば、ディスプレィ装置は、発光物質の電
界発光や電子線照射による蛍光体の励起発光を利用し、
画面上に画像を視覚化する。したがって、このようなデ
ィスプレィ装置では、可視光の他に、画質の向上には不
要の光、例えば、紫外領域や赤外帯域、あるいは紫外よ
りもさらに短波長帯域の光が放出される。このような不
要な帯域の光は、人体、そしてディスプレィ装置以外の
機器等に悪影響を及ぼす場合があるので、可及的にカッ
トされるのが好ましい。
【0004】従来の光フィルターの一例を示すと、例え
ば特開平8−231245号公報は、ガラス基板(透明
な支持体)と、その基板の表面を被覆した、紫外線吸収
材及び赤外線吸収材を含有するシリコーン系コーティン
グからなるフィルター層とから構成される光フィルター
(紫外線赤外線吸収ガラス)を開示している。赤外線吸
収材の具体例として、フタロシアニン系化合物、ポリメ
チレン系化合物等が開示されている。
【0005】また、特開平9−22657号公報は、フ
ィルター層をホログラムミラーを表面に有する樹脂層か
ら形成したことを特徴とする光フィルターを開示してい
る。この光フィルターのフィルター層では、ホログラム
ミラーが有する波長選択反射特性を利用し、光フィルタ
ー効果を発現させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光フィルターにおいて用いられている光吸収型フィルタ
ー層は、可視光帯域(通常、400〜800nmの範囲
の波長)の光や可視光近傍の赤外波長帯域(例えば、7
50〜1,100nmの帯域)の光までも、いくらかで
あるが吸収してしまうので、不便が生じる場合がある。
例えば、光フィルターをディスプレィ装置の画面の前面
側に配置して使用する場合、不要な波長帯域の光をカッ
トする効果を高めようすると、可視光を吸収し光透過率
が低下するので、画質を損なうおそれがある。また、光
通信装置の光信号を受信するディテクタを被覆して使用
する場合、通信用信号を含まない波長帯域の光であっ
て、受信ディテクタにとってノイズとなる光を効果的に
カットできるものの、通信用信号の光の透過を妨害し、
受信ディテクタの受信感度を低下させるおそれがある。
【0007】一方、ホログラムミラー型光フィルターで
は、光吸収型フィルター層のように染料や顔料を用いて
いないけれども、ホログラムを形成するために、樹脂層
に感光剤を添加しており、ホログラム形成後も、この感
光剤が、可視光帯域の光や可視光近傍の赤外波長帯域の
光も吸収してしまうおそれがある。すなわち、本発明の
目的は、上記したような従来の光フィルターが持つ欠点
を解消して、可視光や可視光近傍の所定の波長帯域の光
(例えば、750〜1,100nmの範囲に含まれる
光)に対する透明性が高く、かつ不所望の波長帯域の光
を効果的にカットできる、改良された光フィルターを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、本発明
によれば、誘電反射層を含んでいて、特定波長帯域の光
を所定の割合で反射しかつ可視光帯域の光を所定の割合
で透過する光フィルターにおいて、前記誘電反射層が、
第1のポリマーからなる層の複数から構成された第1組
の誘電反射層単位と、前記第1のポリマーとは異なる屈
折率を有する第2のポリマーからなる層の複数から構成
された第2組の誘電反射層単位とを組み合わせて含み、
その際、前記第1組及び第2組の誘電反射層単位は、第
1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層
することにより組み合わされており、前記第1組及び第
2組の誘電反射層単位の少なくともいずれか一方は、厚
み(d、単位はnm)とポリマーの屈折率(n)との積
(n・d)が、反射する光の波長の4分の1である4分
の1波長層を含んでなり、そして前記誘電反射層は、上
記の反射する光の反射率が70%以上であり、かつ、青
の帯域(波長:430〜490nm)、緑の帯域(波
長:515〜575nm)及び赤の帯域(波長:580
〜640nm)の、3原色帯域の光透過率が60%以上
であることを特徴とする、光フィルターによって解決す
ることができる。
【0009】本発明の光フィルターにおいて、好ましく
は、前記4分の1波長層の積(n・d)は200〜25
0nmの範囲であり、かつ800〜1,000nmの範
囲の波長帯域の光反射率が70%以上である。また、本
発明の光フィルターにおいて、それが前記誘電反射層の
少なくとも一方の面と対向するように配置された樹脂の
層をさらに含んでなり、その樹脂が、フッ素系ポリマー
を含んでなる場合、次のような効果も得られるので、好
ましい。たとえば、このような樹脂の層が、光フィルタ
ーの最表層に位置する場合、汚損防止層として機能す
る。これにより、フィルター表面が傷ついたり、ヒトの
指紋等の汚れがフィルター表面に付着し、画面が見えに
くくなることを効果的に防止できる。
【0010】また、前記樹脂の層は、その層の厚さ
(d、単位はnm)とその樹脂の屈折率(n)との積
(n・d)が、前記誘電反射層を透過可能な可視光の波
長の4分の1である、すなわち、4分の1波長樹脂層で
ある場合、可視光に対する反射防止層として機能する。
これにより、前記樹脂の層の上の面と下の面で反射する
光、特に可視光の光路差が1/2になり、光の干渉の原
理によって効果的に反射光の強さを最小限におさえるこ
とができる。すなわち、可視光帯域の波長の光の反射
を、上記4分の1波長樹脂層がないときに比べて小さく
することができる。このような反射防止作用は、ディス
プレィの視認度の低下を効果的に防止することができ
る。
【0011】さらに、上記のような4分の1波長樹脂層
が、光フィルターの最表層に位置する場合、汚損防止効
果も有する反射防止層として機能するので、特に好適で
ある。また、本発明によれば、誘電反射層を含んでい
て、特定波長帯域の光を所定の割合で反射しかつ可視光
近傍の赤外波長帯域の光を所定の割合で透過する光フィ
ルターにおいて、前記誘電反射層が、第1のポリマーか
らなる層の複数から構成された第1組の誘電反射層単位
と、前記第1のポリマーと異なる屈折率を有する第2の
ポリマーからなる層の複数から構成された第2組の誘電
反射層単位とを組み合わせて含み、その際、前記第1組
及び第2組の誘電反射層単位は、第1のポリマーの層と
第2のポリマーの層とを交互に積層することにより組み
合わせており、前記第1組及び第2組の誘電反射層単位
の少なくともいずれか一方は、厚み(d、単位はnm)
とポリマーの屈折率(n)との積(n・d)が、反射す
る光の波長の4分の1である4分の1波長層を含んでな
り、そして前記誘電反射層は、上記の反射する光の反射
率が70%以上であり、かつ、750〜1,100nm
の範囲に含まれる所定の波長帯域の光の透過率が60%
以上であることを特徴とする、光フィルターも提供され
る。
【0012】本発明の光フィルターは、通信用信号の光
が、前記誘電反射層を60%以上の光の透過率をもって
透過可能な所定の波長帯域に含まれる光である通信装置
において、光通信用フィルターの構成材料としても好適
に使用できる。AV装置のリモートコントロール装置
や、パーソナルコンピュータ等の光通信装置を作動させ
る通信用信号としての光や、データ転送のためのデータ
通信用信号としての光は、通常、可視光帯域近傍の赤外
波長帯域(例えば、750〜1,100nmの帯域)に
含まれる所定の波長の光である。例えば、上記した形態
による光フィルターは、通信用信号の光の波長が可視光
帯域近傍の赤外波長帯域にある通信装置において好適に
使用できる。すなわち、本発明のこの形態は、通信用信
号の光の波長が750〜1,100nmの波長帯域にあ
る、通信装置に使用される光通信用フィルターにおい
て、その光通信用フィルターが、所定の誘電反射層を含
んでなる光フィルターを含み、その誘電反射層は、反射
する光(すなわち、通信用信号を含まない波長帯域の
光)の反射率が70%以上であり、かつ、750〜1,
100nmの範囲に含まれる所定の波長帯域の光の透過
率が60%以上である、光通信用フィルターを提供す
る。これにより、通信用信号を含まない波長帯域の光を
効果的にカットしつつ、通信用信号の光を透過させ、通
信不良等による装置の誤作動(非作動も含む)等、不所
望の現象を効果的に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の光フィルターは、上記し
たように、特定の誘電反射層をフィルター層として利用
している。このような誘電反射層は、詳細は後述するけ
れども、第1のポリマーからなる複数の層から構成され
た第1組の誘電反射層単位と、その第1のポリマーとは
異なる屈折率を有する第2のポリマーからなる複数の層
から構成された第2組の誘電反射層単位とを含み、そし
て第1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互に
積層して形成される。また、上記第1組及び第2組の誘
電反射層単位の少なくともいずれか一方は、厚み(d、
単位はnm)とポリマーの屈折率(n)との積(n・
d)が、反射する光の波長の4分の1である4分の1波
長層を含んでなり、いわゆる誘電反射原理を利用してい
る。
【0014】このような誘電反射層は、上記のような複
数種類のポリマーを、詳細は後述する所定の方法で積層
して形成されるので、上記したホログラムミラー型光フ
ィルターの作製の場合のように、ポリマー層に感光剤を
添加する必要がない。したがって、このような感光剤に
よる可視光帯域の光の吸収が生じるおそれがなく、可視
光透過率を高くすることができる。また、このような誘
電反射層がポリマーから実質的に構成されることも、誘
電反射層の可視光に対する透明性を高めるのに効果的に
作用する。なお、かかる誘電反射層の可視光透過率は、
次のように定義される。すなわち、かかる誘電反射層の
場合、「青の帯域(波長:430〜490nm)、緑の
帯域(波長:515〜575nm)、及び赤の帯域(波
長:580〜640nm)の、3原色帯域の光透過率」
のすべてが60%以上である。この可視光透過率が60
%未満であると、フィルターを介して認識される光
(色)の明度や彩度が低下し、表示画質等が損なわれ
る。このような観点から、3原色帯域の光透過率は、好
適には70%以上、特に好適には80%以上である。
【0015】本発明の光フィルターを設計するに当たっ
て、通常、上記した3原色帯域以外の可視光帯域の光
も、3原色帯域の光と同等に透過するように、設計す
る。一方、光の色純度を高めるために、3原色帯域以外
の可視光帯域の光の透過率は、70%未満とするのが好
適である。なお、本願明細書における「光透過率」又は
「光反射率」は、分光光度計を用いて測定された値であ
る。また、以降、特に波長帯域を限定しないで、単に
「光透過率」と呼ぶ場合、「3原色帯域の可視光」の透
過率である。
【0016】さらに、本発明の光フィルターで用いられ
る誘電反射層は、例えば、800nm以上1,000n
m以下の範囲の波長帯域の光反射率が70%以上である
ように、上記4分の1波長層の積(n・d)が200か
ら250nmまでの範囲であるのが好ましい。これによ
り、ディスプレィ画面から放出される、800nm以上
1,000nm以下の範囲の波長帯域の光(以下、「I
R光」と呼ぶこともある)を効果的にカットし、IR光
によるビデオデッキ等のAV装置のリモートコントロー
ル装置(以下、「リモコン装置」と呼ぶこともある)の
誤作動を効果的に防止できる。
【0017】リモコン装置の誤動作の防止について簡単
に説明すると次のようになる。リモコン装置は、リモコ
ン発信ユニットと、リモコン受信ユニットとの組み合わ
せからなり、通常の発信ユニットは、作動信号としてI
R波長帯域(800nm以上1,000nm以下の帯
域)に属するIR光から構成される光信号を発信し、受
信ユニットはこの光信号を受信(受光)し、受信ユニッ
トを備えるAV装置がリモコン・モードにて作動する。
したがって、上記発信ユニット以外の機器、すなわちデ
ィスプレィ装置が上記IR光とほぼ同じ波長のIR光を
放出し、受信ユニットがこれを受光すると、受信ユニッ
トはこれを発信ユニットからの作動信号と誤認し、AV
装置が誤って作動したり、又は、受信妨害が発生し、A
V装置が作動しないこととなる。すなわち、本発明の光
フィルターは、このようなディスプレィ装置が不要に放
出する、IR光による誤作動(作動しない場合、すなわ
ち非作動も含む)を効果的に防止できる。
【0018】また、上記したように、所定の波長帯域の
光をカットし、上記リモコン装置の誤作動等の不所望の
現象をいっそう効果的に回避するために、上記所定の波
長帯域の光の反射率は、好適には80%以上、特に好適
には90%以上である。引き続いて、本発明の光フィル
ター、それにフィルター層として含まれる誘電反射層、
その他の詳細についてさらに具体的に説明する。 〔光フィルター〕本発明の光フィルターは、例えば、誘
電反射フィルム(詳細は後述)からなる誘電反射層を、
透明支持体の上に密着させて形成することができる。透
明支持体は、例えば、ガラス又はプラスチック材料から
形成される。プラスチック材料としては、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が使用でき
る。透明性と機械的強度(特に表面硬度)にすぐれるた
め、好適にはアクリル樹脂がプラスチック材料として使
用できる。また、アクリル樹脂として、耐衝撃性を改良
するためにポリ弗化ビニリデン樹脂をブレンドしたもの
も使用できる。
【0019】支持体の厚みは、通常1〜10mm、好適
には2〜7mm、特に好適には3〜5mmの範囲であ
る。支持体の厚みが大きすぎると、光フィルター全体の
透明性(光透過率)が低下するおそれがあり、反対に厚
みが薄すぎると、誘電反射フィルムとの密着操作が困難
になるおそれがある。また、誘電反射フィルム自体の機
械的強度が不十分な場合、光フィルターを画面前に設置
した時に、フィルター全体が撓んで変形することもあ
る。支持体の光透過率は、通常70%以上、好適には8
0%以上、特に好適には85%以上である。
【0020】誘電反射フィルムと支持体の密着は、例え
ば、透明性の高い接着剤を用いて行う。ここで使用する
接着剤の光透過率は、通常70%以上、好適には80%
以上、特に好適には85%以上である。このような透明
性の高い接着剤としては、高透明性と、高密着力とを有
するアクリル系接着剤が好適である。アクリル系接着剤
は、イソオクチルアクリレート、ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート等の、炭素数4〜14
のアルキル基を有するアクリレートモノマーと、(メ
タ)アクリル酸、カルボキシルアルキル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、
N,N−ジアルキルアクリルアミド等の極性基を有する
(メタ)アクリレートモノマーとを含有する反応物質か
ら得られた重合体、あるいはそのような重合体を含有す
る組成物である。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、
周知のように、アクリル酸及びメタクリル酸を包含する
呼称であり、(メタ)アクリレートなどもこれに準じて
用いられている。
【0021】上記したアクリル系接着剤を使用して誘電
反射フィルムと支持体の密着を行うに当たっては、例え
ば、誘電反射フィルムの表面上にアクリル系接着剤を接
着層として形成した後、支持体と誘電反射フィルムとを
圧着することによって行う。ここで、接着層の厚みは、
通常5〜100μm、好適には10〜50μmの範囲で
ある。接着層は、例えば、上記重合体又は重合体組成物
を含有する塗布液を誘電反射フィルム上に塗布して設け
ることができる。また、上記反応物質を含んでなる塗布
液を塗布した後、フィルム上で重合操作を行うこともで
きる。あるいは、別途剥離フィルム上に形成されたフィ
ルム状接着剤を、剥離フィルムから誘電反射フィルムの
上に転写させることもできる。接着層は、透明性を損な
わない限り、ポリスチレン粒子等の拡散反射粒子を含有
してもよい。
【0022】また、支持体と誘電反射フィルムの組み合
わせについてであるが、上記した支持体を2枚用い、そ
れらの支持体の間に誘電反射層を挟み、誘電反射層が外
部環境と接触しないようにし、劣化や破損から守るのが
好ましい。支持体と誘電反射フィルムの組み合わせにつ
いてさらに説明すると、例えば、2枚のガラス板を支持
体として用い、これらの間に誘電反射フィルム(誘電反
射層)を挟み込み、2枚のガラス板と接着し、ガラス板
−誘電反射フィルム−ガラス板からなる積層体を含んで
なる光フィルターを作製することができる。この光フィ
ルターは、自動車等の車両、航空機、船舶の窓用の複層
ガラスおよび合わせガラス(例えば、自動車のフロント
ガラス)として、好適に用いることができる。この場
合、誘電反射フィルムが、熱線を含む赤外帯域の光を所
定の割合で反射し、かつ可視光を所定の割合で透過する
ようにし、運転者の視界を低下させることなく、運転室
等の室内への赤外帯域の光の入射を可及的に低減し、室
内温度の上昇を効果的に防止できる。室内温度の上昇の
防止は、室内の冷房効率を効果的に高めることができ、
また、低出力のエアコンの使用も可能にする。
【0023】上記2枚のガラス板と誘電反射フィルムと
の接着は、通常の合わせガラス等の作製に使用できる接
着剤が使用でき、通常、粘着剤や高分子樹脂等を使用す
る。すなわち、本発明の別の実施形態に従うと、2枚の
ガラス板と、その間に配置された誘電反射層とを含んで
いて、特定波長帯域の光を所定の割合で反射しかつ可視
光帯域の光を透過する光フィルターにおいて、前記誘電
反射層が、第1のポリマーからなる層の複数から構成さ
れた第1組の誘電反射層単位と、前記第1のポリマーと
異なる屈折率を有する第2のポリマーからなる層の複数
から構成された第2組の誘電反射層単位とを組み合わせ
て含み、その際、前記第1組及び第2組の誘電反射層単
位は、第1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交
互に積層することにより組み合わせており、前記第1組
及び第2組の誘電反射層単位の少なくともいずれか一方
は、厚み(d、単位はnm)とポリマーの屈折率(n)
との積(n・d)が、反射する光の波長の4分の1であ
る4分の1波長層を含んでなり、前記特定波長帯域が、
熱線を含む赤外帯域であり、前記誘電反射層は、上記の
反射する光の反射率が70%以上であり、かつ、青の帯
域(波長が430〜490nm)、緑の帯域(波長が5
15〜575nm)、及び赤の帯域(波長が580〜6
40nm)の、3原色帯域の光透過率が60%以上であ
り、車両の窓ガラスとして用いることを特徴とする、光
フィルターを提供する。
【0024】上記光フィルターを車両の窓ガラスとして
用いる場合、熱線を含む赤外帯域を効果的にカットし、
可視光を効果的に透過すればよく、その他の波長帯域の
光は透過しても反射してもよい。例えば、カーナビゲー
ションの受信アンテナが、車両のフロントダッシュボー
ドに設置される場合、アンテナが受信すべき通信用光信
号は、効果的に透過(透過率で60%以上)した方がよ
い。カーナビゲーションの通信用光信号の波長は、通常
860nm付近である。したがって、このような場合、
上記光フィルターは、900nm以上の熱線を含む赤外
帯域の光を所定の割合で反射するようにし、カーナビゲ
ーションで使用される光ビーコン通信を妨げることな
く、室内温度の上昇を効果的に防止することもできる。
【0025】光フィルター全体の光透過率は、通常65
%以上、好適には70%以上、特に好適には75%以上
である。また、光フィルター全体の厚みは、後述する付
加的な層も含めて、通常2〜15mmの範囲である。光
フィルターをディスプレィ装置の画面の前面側に配置す
るには、例えば次のような手法を使用することができ
る。光フィルターを画面とほぼ同じ形状に、かつひと回
り大きな平面寸法のプレートに加工し、このプレートの
全周囲の縁部分を受け入れる溝を有するフレームを配置
し、光フィルターをフレームに固定する。このフレーム
付光フィルターのフレーム部と、ディスプレィ画面周縁
部(通常、ディスプレィ本体を支えるディスプレィ用の
フレームが配置されている)とを接合し、光フィルター
を固定する。
【0026】また、接着剤や面ファスナー等の接合手段
を用い、ディスプレィ画面周縁部と光フィルターの周縁
部とを接合し、光フィルターを固定することもできる。
さらに、光フィルターのディスプレィ画面と対向する面
のほぼ全面に透明な接着層を配置し、画面全体と光フィ
ルターの上記対向面とを密着させ、光フィルターをディ
スプレィ画面に固定することもできる。さらにまた、本
発明の光フィルターは、誘電反射層と接着層とからなる
形態をとることもできる。
【0027】誘電反射層に含まれる誘電反射フィルム
は、反射波長特性や反射率を所望の値に改善するため
に、2枚もしくはそれ以上の枚数のフィルムを積層する
ことができる。この場合、通常、接着剤を用いずに単に
重ねた積層体を、前述のようにしてフレームで固定す
る。さもなければ、前述の透明接着剤を用い、フィルム
どうしを互いに密着することもできる。積層枚数は、3
〜10枚が好適である。3枚より少ないと、反射波長特
性や反射率を所望の値に改善する効果が期待できず、1
0枚を超えると、可視光透過率が低下するおそれがあ
る。 〔誘電反射層〕本発明の光フィルターにおいてフィルタ
ー層として用いられる誘電反射層は、特定の波長帯域の
光(電磁波)を所定の割合で反射するが、所定の可視光
帯域の光は所定割合で透過するように作用する。すなわ
ち、「誘電反射層」なる語は、それを本願明細書で使用
した場合、光透過性の誘電体の層の複数を互いに密着さ
せて積層してなり、各層の厚みと屈折率との関係が上記
のような波長選択性(ある波長帯域の光を透過し、その
波長帯域以外の光を反射する性質)を有するように決定
された反射体からなる層である、と定義される。波長選
択性の発現は、2つの物質に挟まれた誘電体層の厚みと
屈折率の積が、その層内に入射された光の波長の4分の
1であり、その層の屈折率が両物質のいずれの屈折率よ
りも高いか又は低く、それにより、両物質と層との2つ
の界面での反射光は互いに位相が一致して強め合う、波
長選択反射原理を利用している。
【0028】誘電反射層は、例えば、第1のポリマーか
らなる複数の層から構成された第1組の誘電反射層単位
と、その第1のポリマーとは異なる屈折率を有する第2
のポリマーからなる複数の層から構成された第2組の誘
電反射層単位とを含み、第1のポリマーの層と第2のポ
リマーの層とを交互に積層して形成される。そして、上
記第1組の誘電反射層単位又は第2組の誘電反射層単位
の少なくともいずれか一方は、厚み(d、単位はnm)
とポリマーの屈折率(n)の積(n・d)が、反射する
光の波長の4分の1である4分の1波長層を含んでな
り、上記積(n・d)が4分の1波長に相当しない波長
の光は、透過可能である。
【0029】誘電反射層において利用されている上記波
長選択反射原理は、図1を参照して説明する下記の説明
からより容易に理解することができるであろう。図1
は、本発明の光フィルターの誘電反射層の一部を拡大し
て示した略示断面図であり、図示の例では、第1又は第
2のポリマーからなる誘電反射層形成性ポリマー層O、
X、Y及びZが示されている。すなわち、誘電反射層
は、これらの層とその他の誘電反射層形成性ポリマー層
(図示されていない)の積層体である。今、図示のよう
に、ポリマー層O内を進み、隣接するポリマー層Xとの
界面1に向かって入射した光があるとすると、その入射
光は、界面1で反射される光Aと、ポリマー層X内に進
入し界面2で反射される光Bとに二分される。ここで、
光Aと光Bの光路差は、2ndcosψ(式中、dはポ
リマー層Xの厚み、そしてnはポリマー層Xの屈折率を
表す)である。この光路差が、入射した光の波長の半分
(λ/2)に等しい時、反射光の強度が最も強められる
(但し、ポリマー層Xの屈折率が、隣接するポリマー層
O及びYの屈折率よりも大きいかもしくは小さい場合で
ある;図示の例では、ポリマー層Xの屈折率がポリマー
層Oの屈折率よりも大きい)。
【0030】ポリマー層Oにおいて、界面1の法線(図
中の点線)に沿って光が入射した時(すなわち、ψ=0
°、θ=0°)、上記した光路差は2ndに等しくな
り、反射光の強度が最も強められる条件は、2nd=λ
/2、すなわち、nd=λ/4となる。すなわち、ポリ
マー層Xの厚みと屈折率の積(nd)の4倍の大きさの
波長の光は、図示の誘電反射層によって最も強く反射さ
れる。これが、いわゆる「4分の1波長原理」である。
界面2及び3で反射された光も同様に、ポリマーYの厚
みと屈折率に対応して、特定波長の光が強く反射され
る。すなわち、厚みを異にする複数のポリマー層を、上
記した所定の屈折率の関係を満たすように積層して含む
誘電反射層は、各ポリマー層の厚みと屈折率に対応した
特定範囲の波長の光を反射し、その範囲外の光を効果的
に透過する。
【0031】また、通常1つのポリマー層が、約10〜
数十nmの波長帯域に対して有効に作用するので、有限数
の層を含んでいれば、所望の波長選択反射体として有効
に機能する。したがって、例えば800〜10,000
nmの波長帯域の光を有効に反射するには、少なくとも2
0層以上のポリマー層があればよい。しかしながら、反
射率を向上させるには、通常、異なる厚みの層が多けれ
ば多いほど、好ましい。また、各層は光透過性ではある
ものの、僅かではあるが光が吸収されるので、層数が多
すぎると、光透過率及び反射率が低下するおそれがあ
る。したがって、本発明で使用される誘電反射層におけ
るポリマー層(誘電体層)の積層数は、50〜2,00
0の範囲が好適である。
【0032】一方、界面1の法線に対して傾いた方向か
ら光が入射した時(すなわち、ψ>0°、θ>0°)、
上記した光路差は、2ndよりも小さくなる、すなわ
ち、2ndcosψである。したがって、反射光の強度
が最も強められる条件は、ndcosψ=λ/4とな
る。すなわち、ポリマー層Xの厚みと屈折率の積(n
d)の4倍よりも小さな波長(すなわち、4ndcos
ψに等しい波長)の光が入射した時、上記した誘電反射
層により最も強く反射される。なお、最も有効に作用す
るのは上記4分の1波長層であるが、誘電反射層は、上
記4分の1波長層の他に、積(nd)が、反射する光の
4分のm(ここで、mは3以上の奇数である)である層
を含んでいてもよい。
【0033】上記したような誘電反射層は、例えば、誘
電反射フィルムから形成できる。誘電反射フィルムは、
(a)透明なポリマーフィルムの上に、誘電体の層を多
層コーティングして形成する方法、(b)ポリマー材料
からなる誘電体を用い、共押出法により多層フィルムと
して形成する方法、等の公知な方法により形成できる。
このような誘電反射フィルムの製造方法は、例えば、国
際特許公開(WO)第95/17303号等に開示され
ている。
【0034】誘電反射層を構成する誘電体としては、
1.1以上の屈折率を有する光透過性の材料、例えば、
ポリエステル(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、エチレンナフタレート−エチレンテ
レフタレートのコポリエステル等)、アクリル系ポリマ
ー(ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート
と他の(メタ)アクリレートとの共重合体等)、ポリス
チレン系ポリマー(ポリスチレン、スチレンとブタジエ
ンの共重合体、スチレンとアクリロニトリルの共重合体
等)、フッ素系ポリマー(ポリフッ化ビニリデン、フッ
化エチレン−フッ化プロピレン共重合体等)、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂な
どのポリマーが好適である。また、誘電反射フィルム
は、上記(b)の方法により多層ポリマーフィルムとし
て成形されるのが好適である。加工性が良好で、本発明
の光フィルターを製造するのが容易だからである。
【0035】このような誘電反射フィルムは、例えば、
上記のような誘電体の1種又は2種以上を含んでなる第
1の層と、同様に誘電体を含んでなる第2の層とを、交
互に積層して形成する。実質的にすべての層はその膜厚
が1μm未満であり、上記のような波長選択性を発現す
るように、複数の異なる厚みの層が含まれる。各層の屈
折率は通常1.1以上、好適には1.2〜2.8の範囲
である。また、第1の層の屈折率n1 と、第2の層の屈
折率n2 との差Δn(=|n1 −n2 |)は、通常0.
05〜1.5の範囲、好適には0.1〜1.0の範囲で
ある。各層がポリマーを含んでなる場合、波長選択反射
性(所定の波長の光の反射率)の効果的な向上のため、
それらのポリマー層はそれぞれ二軸配向されているのが
好ましい。
【0036】また、上記した2種類の誘電体の他に、1
層又はそれ以上の誘電体の層を加えて積層体を形成して
もよい。また、誘電反射層には、本発明の効果を損なわ
ない限り、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防黴剤、防錆
剤、吸湿剤、着色材、燐光物質、界面活性剤等の添加剤
を含有させることもできる。さらに、本発明の効果を損
なわない限り、誘電反射フィルムの表面、裏面又はその
両面に、光透過性の保護膜や接着剤層を形成することも
できる。 〔EMIシールド層及び樹脂層〕本発明の光フィルター
は、前述の構成に加えて、付加的な層をさらに含んださ
まざまな形態をとることができる。
【0037】例えば、誘電反射層の少なくとも一方の表
面に密着し、光透過率が80%以上であるEMIシール
ド層をさらに含んでなる場合、人体に悪影響を及ぼすと
される電磁波もカットできるので、好適である。このよ
うなEMIシールド層としては、ITO膜、金属薄膜、
金属メッシュ等が使用できる。シールド層の厚みは、誘
電反射層やシールド層の光透過率にもよるが、光フィル
ターの光透過率を上記レベルより下回らないように設定
される。例えば、ITO膜は比較的透明性が高いので、
その厚みは50nm〜3μmの範囲が好ましい。
【0038】また、誘電反射層の少なくとも一方の表面
に密着し、光透過率が80%以上である透明樹脂の層
を、さらに含んでなる形態が好適である。このような樹
脂層は、ハードコート層、帯電防止層、紫外線(UV)
カット層等の形態をとることができ、そのような目的に
合った樹脂又は樹脂組成物から構成される。例えば、上
記樹脂層が、波長帯域が約280〜約400nmの範囲
(紫外帯域)の光を反射又は吸収するUVカット層であ
る場合、ディスプレィ装置の画面から放出される有害な
紫外線も、IR光とともに効果的にカットできるので好
適である。上記UVカット層の光透過率は、光フィルタ
ーの透明性を損なわない限り特に限定されないが、80
%以上が好適である。
【0039】このようなUVカット層として、好適に
は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等
を含んでなる樹脂コーティングが使用できる。例えば、
(メタ)アクリルモノマー等の重合成分を含有する塗布
液を、誘電反射層の表面上にコーティングし、重合成分
を重合させて樹脂層とする。(メタ)アクリルモノマー
としては、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシ
エチル、アクリル酸ビスフェノールA等の、フェノル基
と(メタ)アクリロイル基を分子内に有するモノマーが
好適である。これは、重合後の樹脂層の耐熱性、耐摩耗
性、透明性を容易に高めることができるからである。
(メタ)アクリルモノマーに代えて、上記モノマーを含
有する成分から形成されたオリゴマーや、ウレタン(メ
タ)アクリレートも使用できる。また、(メタ)アクリ
レートモノマーの他、エポキシ基又はビニルエーテル基
を有する化合物や、シロキサン変性ポリエステルを単独
で、あるいは(メタ)アクリレートモノマーと混合し
て、用いることもできる。上記重合成分は、本発明の効
果を損なわない限り、無機質コロイド、カップリング
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、酸化防止剤、
防黴剤、光触媒等の添加剤を含有することもできる。な
お、重合操作は、放射線の照射又は加熱によって行うこ
とができる。
【0040】また、UVカット層は、別途フィルム化し
た樹脂フィルムを、誘電反射層の表面に密着させて形成
してもよい。このような樹脂フィルムとしては、アクリ
ル樹脂フィルムの他、ポリエステルフィルム(ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、
ポリ弗化ビニリデン系フィルム(アクリル変性弗化ビニ
リデンフィルムを含む)等が使用できる。樹脂フィルム
と誘電反射層とを密着させるには、例えば、前述のアク
リル系接着剤を使用するのが好適である。
【0041】透明樹脂層が、UVカット以外の上記効果
を有する層である場合も、UVカット層と同様の材料及
び方法で形成することができる。透明樹脂層の厚みは、
光フィルターの光透過率を上記レベルより下回らないよ
うに設定される。例えば、アクリル系樹脂を含有する層
の場合、比較的透明性が高いので、0.1〜10μmの
範囲の厚みを有するのが好ましい。
【0042】上記した透明樹脂層及びEMIシールド層
は、例えば、それぞれ誘電反射体層の一方の表面に直接
密着させる。すなわち、光フィルターは、UVカット
層、誘電反射層及びシールド層をこの順に積層してなる
積層体を含んでなる形態である。また、誘電反射層の上
に一方を密着させ、その上に他方の層を配置することも
できる。
【0043】また、光フィルターが2枚の透明支持体を
含む場合、例えば、次のようにして光フィルターを形成
することもできる。まず、第1の支持体の上に誘電反射
フィルムをアクリル系粘着剤を介して密着させ、その誘
電反射層の上にEMIシールド層を配置する。EMIシ
ールド層は、誘電反射フィルムの表面にコーティングす
ることができる。コーティング方法としては、例えば、
蒸着、スパッタリング等の薄膜形成法や、導電性ペース
トを塗布する方法などが使用できる。また、透明なプラ
スチックフィルムとEMIシールド層とからなる積層フ
ィルムを用い、これを、誘電反射フィルムの上にアクリ
ル系粘着剤を介して密着させることもできる。上記プラ
スチックフィルムの材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート、アクリル系ポリマー、ポリ弗化ビニリデン等
が好適である。また、EMIシールド層は、プラスチッ
クフィルムの表面にコーティングして形成する。
【0044】次に、上記のようにして形成した、第1の
支持体―誘電反射フィルムーEMIシールド層からなる
積層体の上に第2の支持体を配置し、その第2の支持体
の上にUVカット層等の透明樹脂層を配置し、光フィル
ターを完成させる。上記した積層体と第2の支持体と
は、密着させても、あるいはそうしなくてもよい。密着
させる場合は、アクリル系接着剤を使用するのが好まし
い。透明樹脂層の形成には、前述の方法(誘電反射層の
上に直接設ける方法)と同様の方法を用いる。また、透
明樹脂層の上に他の目的の層、例えば反射防止層(詳細
は後述)を配置することもできる。 〔フッ素系ポリマーを含む樹脂層〕本発明の光フィルタ
ーは、誘電反射層の上に直接、又は上記透明樹脂層を介
して、反射防止層を配置するのが好適である。これは、
上記誘電反射層および透明樹脂層は、表面性(表面粗
さ)が高く、表面反射率が比較的高いので、ディスプレ
ィ画面が見えにくくなるおそれがあるからである。反射
防止層は、このような不所望の表面反射を効果的に防止
できる。誘電反射層が2枚の透明支持体で挟持されてい
る場合、ディスプレィ画面と対向しない側の支持体表面
に、反射防止層を配置することもできる。反射防止層と
しては、たとえば、表面がマット加工されたフィルムを
用いることができる。
【0045】また、誘電反射層の上に直接、又は上記透
明樹脂層を介して、汚損防止層を配置し、ヒトの指紋等
の汚れがフィルター表面に付着し、画面が見えにくくな
ることを効果的に防止するのが好適である。このような
汚損防止層は、フッ素系コーティング剤(例えば、3M
社製の「(商標)フロラード」、品番:FC−722)
から形成するか、さもなければ、前記したように、透明
樹脂としてフッ素系ポリマーを含む樹脂層から形成する
ことができる。
【0046】さらに詳細に説明すると、汚損防止層の形
成のためのフッ素系ポリマーとしては、THV(テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリ
デンフルオライド)、ポリ弗化ビニリデン、TFE−P
DD(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ環状重合
体)等を挙げることができる。また、本発明の効果を損
なわない限り、フッ素系ポリマーと、アクリル系ポリマ
ー等の非フッ素系ポリマーとを混合して用いることもで
きる。好適なフッ素系ポリマーは、THV等の結晶性ポ
リマーである。TFE−PDD等の非晶質のフッ素系ポ
リマーは、高温での耐熱性が比較的低く、耐熱性を高め
るために架橋する等の余分な工程や材料(架橋剤)が必
要であるからである。すなわち、結晶性のフッ素系ポリ
マーでは、架橋等の余分な工程や材料(架橋剤)を必要
とすることなく、樹脂層の耐熱性を容易に高めることが
できる。
【0047】好適な反射防止層は、フッ素系ポリマーを
含んでなる4分の1波長樹脂層である。すなわち、上記
誘電反射層の少なくとも一方の面と対向するように配置
され、層の厚さと屈折率とが前述の所定の関係を満たす
樹脂層である。4分の1波長樹脂層の積(n・d)を決
定する可視光の波長は、通常430〜640nm(3原
色帯域の全域を含む範囲)、好適には515〜575n
m(3原色帯域のほぼ中央域であり、緑の帯域を含む範
囲)の帯域に含まれる1つの値が選ばれる。これによ
り、可視光帯域のほぼ全域の光に対する反射防止作用が
効果的に高められる。たとえば、550nmの波長を選
択し、上記積(n・d)が137.5になるように、樹
脂の屈折率と層の厚さを決定する。たとえば、屈折率が
1.36のTHVを用いた場合、厚さ約101nmのT
HV層を、誘電反射層の反射面に設ける。このような4
分の1波長樹脂層からなる反射防止層は、ディスプレィ
の視認度を低下させる可視光帯域の光の表面反射を効果
的に低減させる。
【0048】上記4分の1波長樹脂層(フッ素系ポリマ
ーを含む樹脂層)を、「誘電反射層の少なくとも一方の
面と対向するように配置」するには、たとえば、 誘電反射層の上に直接、または 前述の透明樹脂層やEMIシールド層を設けた後、
それらの上に、4分の1波長樹脂層を密着させる。この
ように密着した層は、フッ素系ポリマーを含む樹脂塗料
を塗布して形成できる。
【0049】また、上記およびの手法の場合とも
に、4分の1波長樹脂層の密着性(接着性)を高めるた
めに、プライマー層を用いるのが好適である。特に、4
分の1波長樹脂層が、光フィルターの最表層に配置され
る場合、4分の1波長樹脂層の耐摩耗性(耐スクラッチ
性)を効果的に高めることができる。プライマー層に
は、たとえば、シランカップリグ剤等のカップリング剤
を含有する塗膜が使用できる。また、プライマー層の厚
さは、通常0.01〜1μmである。
【0050】上記4分の1波長樹脂層は、たとえば、次
のようにして形成できる。まず、THV等のフッ素系ポ
リマーを、MEK(メチルエチルケトン)等の極性溶剤
に溶解し、樹脂塗料を調製する。樹脂塗料中のフッ素系
ポリマーの濃度は、通常0.5〜10重量%である。次
に、その樹脂塗料を、バーコート、ナイフコート、ロー
ルコート、ダイコート、スピンコート等の塗布手段を用
いて、誘電反射層または上記透明樹脂層の上に塗布し、
乾燥し、フッ素系ポリマーを含有する塗膜からなる4分
の1波長樹脂層を形成する。この乾燥塗膜の厚さが上記
所定の範囲になるように、塗布液の濃度や塗布条件を適
宜決定する。
【0051】前述のように、通常の誘電反射層は、屈折
率の互いに異なる2種類のポリマーを複数層にも重ねて
なるものであるので、膜厚のコントロールが難しく設計
どおりに製造できず、その設計からの膜厚のずれによっ
て、本来反射されるように設計されていない可視光帯域
の光もわずかに反射してしまうおそれがある。このよう
な可視光帯域の反射率は10%程度になる場合もある。
しかしながら、上記反射防止層付き光フィルターは、デ
ィスプレィ用の光フィルタとしての前述の効果を備え、
かつディスプレィの視認度が損なわれるのを効果的に防
止できる。
【0052】一方、上記手法の「透明樹脂層やEMI
シールド層を設けた後、それらの上に4分の1波長樹脂
層を密着させる」場合、反射防止効果を不要に低下させ
ないために、透明樹脂層やEMIシールド層の屈折率
(nU )が、4分の1波長樹脂層の屈折率(nT )とは
通常は異なるようにする。好適にはnU >nT である。
これにより、反射防止効果を低下させずに、透明樹脂層
やEMIシールド層の効果を発現させることができる。
好適には0.8×(nT )2≦nU ≦1.2×(n T )2
あり、特に好適にはnU が(nT )2にほぼ等しい場合で
ある。nU が(n T )2に近いほど、反射防止効果の低下
が効果的に防止できる。
【0053】無機物に比べて、有機物である樹脂(ポリ
マー)は、比較的屈折率が低い。したがって、4分の1
波長樹脂層と誘電反射層との間に配置され、それら両層
と密着する透明樹脂層の屈折率を高めるに、(I)分子
内にベンゼン環、フッ素原子以外のハロゲン原子、およ
び硫黄原子のうちの少なくとも1つ含むポリマーを用い
る、(II)酸化チタン、五酸化アンチモン、酸化ジルコ
ニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム等の高屈折率酸
化物コロイドを含有させる、等の手段を用いるのがよ
い。上記手段(II)の場合、透明樹脂層がハードコート
層としても機能し、4分の1波長樹脂層の耐摩耗性(耐
スクラッチ性)を効果的に高めることもできる。
【0054】上記酸化物コロイドは、その粒径が可視光
の波長よりも小さいので、比較的多量に用いても、樹脂
層の透明性を損なわない。粒径は、電子顕微鏡で測定し
た値で、好適には1〜300nmである。1nm未満では、
耐摩耗性が高められないおそれがあり、反対に300nm
を超えると、コロイドの分散性や透明樹脂層の透明性が
低下するおそれがある。また、酸化物コロイドの含有量
は、全樹脂100重量部に対して、通常50〜1,00
0重量部である。また、酸化物コロイドを均一に分散さ
せるために、シランカップリング剤等のカップリング剤
を添加するのがよい。
【0055】なお、4分の1波長樹脂層と組み合わせて
用いられる透明樹脂層の厚さは、通常1〜40μmの範
囲である。また、本発明の効果を損なわない範囲で、透
明樹脂層にコロイド状シリカを含有させ、4分の1波長
樹脂層の耐摩耗性を効果的に高めることもできる。上記
のような反射防止層付き光フィルターは、たとえば、ア
クリル樹脂、ガラス等からなる透明な支持体の上に、透
明な接着剤を介して、反射防止層と誘電反射層とを含ん
でなる積層体を固定して形成する。この場合、(i)反
射防止層が接着剤と接していても、また、(ii)誘電反
射層が接着剤と接していてもどちらでもよい。しかしな
がら、反射させたくない(すなわち、透過させたい)可
視光が、反射防止層を透過した後誘電反射層に入射する
ようにして使用するのがよい。たとえば、ディスプレィ
用フィルターでは、ディスプレィ画面と、反射防止層と
の間に誘電反射層が配置されるように使用するのが好適
である。
【0056】また、反射防止層を、汚損防止層としても
利用する場合は、上記(ii)の形態において、反射防止
層を最表層に配置するのが好適である。さらに、透明支
持体の、反射防止層と誘電反射層とを含んでなる積層体
が接着していない側の表面に、フッ素系ポリマーを含有
する樹脂層を設け、この面にも汚損防止効果を付与した
り、可視光の透過率をさらに向上させることもできる。
【0057】さらにまた、反射防止層付き光フィルター
として、支持体を含まない、反射防止層と誘電反射層と
を含んでなる積層体を用いることもできる。このような
反射防止層付き光フィルターは、ディスプレィ用フィル
ターとして用いられる他、車両(自動車、列車等)、船
舶、航空機、建物の部屋(室)の窓ガラス等に貼り付け
て使用される、省エネルギーフィルムとして用いること
ができる。すなわち、上記窓ガラスにおける可視光の表
面反射を抑え(すなわち、可視光の透過率を効果的に高
め)、窓ガラスの外の景色等の視認性を低下させること
なく、熱線を含む赤外帯域の光、紫外線、人体に有害な
電磁波等のカットしたい光を効果的に反射することがで
きる。省エネルギーフィルムは、通常、窓ガラスの室内
側に、反射防止層が室内側に面するようにして貼り付け
る。窓ガラスへの貼り付け(接着)手段には、前述の透
明(光透過性)接着剤が利用できる。また、この場合、
通常は前述のような透明支持体を含まない光フィルター
を、直接窓ガラスに接着する。
【0058】上記のような反射防止層付き光フィルター
を窓ガラスに接着した構造は、本発明の別の実施形態を
提供する。すなわち、窓ガラスと、その窓ガラスの
少なくとも一方の表面に接着された、本発明の反射防止
層付き光フィルターとを含んでなる、窓ガラス構造体で
ある。このような窓ガラス構造体は、窓ガラスの外の景
色等の視認性を低下させることなく、熱線を含む赤外帯
域の光による室内の温度上昇を防止でき、室内の冷房効
率を効果的に高めることができる。
【0059】一方、ディスプレィ用光フィルターとして
用いる場合、光フィルターの周縁部等の、フィルターを
通して画面等を視認するのに邪魔にならないフィルター
表面に、又は積層構造のフィルター内部の位置に、金属
箔等の導電性材料を配置し、アース部位を設けることも
できる。このような金属箔としては、銅箔テープが好適
である。
【0060】さらにまた、本発明の光フィルターにおい
て、誘電反射層を着色し、反射型カラーフィルターとし
て用いることもできる。例えば、前述のようにIR光を
反射可能な誘電反射層を、所定の波長帯域の可視光を反
射し、それ以外の帯域の所望の可視光を透過するように
し、所望の可視光だけを被照明物に照射し、熱線等を比
較的多く含む光を被照明物には当たらないようにするこ
とができる。ここで、所定の波長帯域の可視光を反射す
るようにするには、前述の誘電反射原理を利用するのが
好適である。すなわち、誘電反射層の第1組又は第2組
の誘電反射層単位の少なくともいずれか一方が、厚み
(d)とポリマーの屈折率(n)の積(n・d)を、I
R光及び、所定の可視光の波長の4分の1である4分の
1波長層を含むように構成する。 〔ディスプレィ装置〕本発明の光フィルターは、例え
ば、プラズマディスプレィ装置のディスプレィ画面の前
面側に配置して使用するのに特に適している。その理由
としては、次の(1)〜(3)を挙げることができる。
【0061】(1)プラズマディスプレィ装置の画面サ
イズは比較的大きいので、従来の光フィルターでは、画
面全体において光フィルター効果を十分に発揮すること
ができないおそれがある。 (2)可視光以外の波長帯域の不所望の光(短波長電磁
波、紫外線、IR光等)を比較的強く放出する傾向があ
る。特にIR光の放出は、前述のように、リモコン装置
の誤作動を招くおそれがある。
【0062】(3)比較的大きな画面から、ディスプレ
ィ装置の周囲の広範囲にわたって上記不所望の光を放出
するので、ディスプレィ装置の周囲に配置された、すべ
てのディスプレィ装置以外の機器への影響が懸念され
る。 本発明の光フィルターは、前述のように、比較的大きな
サイズのディスプレィ画面の前面側に配置して使用され
る場合でも、画面全体において光フィルター効果を十分
に発揮することができるので、ディスプレィ装置の周囲
に配置された、すべてのディスプレィ装置以外の機器へ
の悪影響(リモコンの誤作動等)を効果的に防止でき
る。また、観察者が画像を視認するための可視光を不要
に吸収することのない高透明性を有するので、画質を損
なうことなく高画質の画像を視認することができる。
【0063】すなわち、本発明は、プラズマディスプレ
ィ装置と、そのディスプレィ画面の前面側に配置された
上記光フィルターとを備えてなり、画像の画質を低下さ
せることなく、ディスプレィ装置の周囲に配置された、
すべてのディスプレィ装置以外の機器への悪影響(リモ
コンの誤作動等)を効果的に防止できる、ディスプレィ
装置を提供することができる。
【0064】本発明の光フィルターと組み合わせて使用
するプラズマディスプレィ装置は、例えば、希ガス(N
e、Xe等)のプラズマ放電に伴う発光を利用する平面
型発光素子であり、プラズマ表示素子(PDP)と呼ば
れているものである。駆動方式は、交流駆動及び直流駆
動のどちらでもよい。また、画面のサイズは通常20〜
60インチである。視野角は通常140度以上である。 〔光通信用フィルター〕前述のように、本発明の光フィ
ルターは、通信用信号の光の波長が、誘電反射層を60
%以上の透過率をもって透過する光である通信装置にお
いて、光通信用フィルターの構成材料として好適に使用
できる。
【0065】本発明の光通信用フィルターは、前述のリ
モコン発信ユニットと受信ユニットとの組合せからなる
通信装置において、受信ユニットの光信号を受信するデ
ィテクタ(検出要素)を含んでなる受信部(受光部)の
受光面を被覆するように配置して使用される。これによ
り、受信ユニットの光信号受信部の受光面には、通信用
信号を含まない波長帯域の光であって、受信ディテクタ
にとってノイズとなる光を効果的にカットしつつ、通信
用信号の光を透過させ、受信ディテクタの受信感度を効
果的に高め、光通信による通信装置の誤作動(非作動も
含む)等、不所望の現象を効果的に防止することができ
る。また、パーソナルコンピュータを含む光通信装置
(光通信システム)においても同様にして、受信ユニッ
トの受信部を被覆し、データ転送不能によるパーソナル
コンピュータの非作動等、通信不良または通信不能によ
って生じる不所望の現象を効果的に防止できる。このよ
うな通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータと携
帯端末との組合せ、パーソナルコンピュータとプリンタ
ーとの組合せ、パーソナルコンピュータとコードレスマ
ウスとの組合せ等からなる装置である。
【0066】このような光フィルターでは、通信用信号
(光信号)を含まない波長帯域の光を所定の割合で反射
し、かつ、通信用信号の光を所定の割合で透過するよう
に、誘電反射層を形成する。パーソナルコンピュータ等
を含む通信装置の通信用信号(光信号)は、通常850
〜950nmの範囲である。したがって、例えば、上記
誘電反射層は、750nm以上1,100nm以下の範
囲に含まれる所定の波長帯域(すなわち、通信用信号の
光を含む帯域;例えば、850〜1,050nmの範
囲)の光の透過率が60%以上になるように、4分の1
波長層の積(n・d)を決定する。この場合、4分の1
波長層の積(n・d)は、好適には187〜275n
m、特に好適には212〜263nmの範囲に含まれな
いようにすべきである。すなわち、好適には、前記4分
の1波長層が、187nm未満の積(n・d)を有する
第1グループの4分の1波長層と、275nmを超える
積(n・d)を有する第2グループの4分の1波長層と
からなるようにする。また、特に好適には、前記4分の
1波長層が、212nm未満の積(n・d)を有する第
1グループの4分の1波長層と、263nmを超える積
(n・d)を有する第2グループの4分の1波長層とか
らなるようにする。このようにすれば、光通信装置の、
受信ユニット用フィルターとして有利に使用できる。な
お、上記第1グループに含まれる4分の1波長層の積
(n・d)の下限は、本発明の効果を損なわない限り特
に限定されず、例えば100nmにすることができる。
また、上記第2グループに含まれる4分の1波長層の積
(n・d)の上限は、本発明の効果を損なわない限り特
に限定されず、例えば325nmにすることができる。
【0067】また、本発明の光通信用フィルターの誘電
反射層は、上記の通信用信号を含まない帯域の光の反射
率が70%以上であり、かつ、通信用信号の光を含む波
長帯域の光の透過率が60%以上であるので、受信ユニ
ットのディテクタの受信感度をいっそう効果的に高める
ことができる。所定の波長帯域の光をカットし、上記装
置等の誤作動および非作動等の不所望の現象を、いっそ
う効果的に防止するためには、上記通信用信号を含まな
い帯域の光の反射率は、好適には80%以上、特に好適
には90%以上である。
【0068】上記誘電反射層を得るためには、たとえ
ば、所定の波長帯域より下の波長帯域(例えば、85
0nm未満の波長帯域)の光を反射する第1誘電反射層
と、所定の波長帯域より上の波長帯域(例えば、1,
050nmを超える波長帯域)の光を反射する第2誘電
反射層とを積層することができる。この場合、上記の通
信用信号を含まない帯域の光の反射率が70%以上であ
り、かつ、通信用信号の光を含む帯域の波長の光の透過
率が60%以上になるように構成するのが好適である。
さらに、本発明の効果を損なわない限り、上記の通信用
信号を含まない帯域の光を吸収する光吸収フィルター
を、本発明の光フィルターと組み合わせて使用すること
もできる。
【0069】光通信用フィルターに使用される、誘電反
射層および光フィルターの構成要件(厚さやポリマー材
料の種類、その他の層の併用、など)は、上記光学特性
(反射光と透過光の波長帯域、反射率、透過率等)以外
は、前述のディスプレー用光フィルターと同様に決定す
るのが好適である。
【0070】
【実施例】次いで、本発明をその実施例を参照して説明
する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるもので
はないことを理解されたい。実施例1 光フィルターの作製:本発明による光フィルターを次の
ようにして作製した。
【0071】先ず、支持体として使用するため、透明で
あって、そのサイズが、厚み2mm、平面たて方向寸法
36cm、横方向寸法47cmであるアクリル樹脂板
(三菱レーヨン社製、光透過率は約100%)を用意し
た。この透明支持体の上に、厚みが55μm(平面寸法
は上記支持体と同じ)の誘電反射フィルムを、アクリル
系粘着剤(イソオクチルアクリレートーアクリル酸共重
合体、光透過率は約98%)からなる接着層を介して密
着させた。
【0072】上記のようにして光フィルターを作製する
に当たり、接着層は、上記粘着剤を含む溶液を、ナイフ
コータを用いて誘電反射フィルムの一方の表面に厚み2
5μmで塗布して形成した。また、誘電反射フィルム
は、第1のポリマーとしてポリエチレンナフタレート
(屈折率=1.64)をかつ第2のポリマーとしてポリ
メチルメタクリレート(屈折率=1.49)をそれぞれ
用い、先に参照した国際特許公開(WO)第95/17
303号に開示の方法により調製した。得られた誘電反
射フィルムは、図2に示すような透過分光スペクトルを
有していた。なお、図示のスペクトルは、誘電反射フィ
ルムの表面の法線に沿って入射した光に対する測定結果
である。また、この誘電反射フィルムでは、透過しない
光は実質的にすべて反射され、IR帯域の光(800〜
1,000nmの範囲)の透過率は低く、その帯域の光
の反射率は80%以上であった。なお、これらの光透過
率及び反射率は、日立社製の自記分光光度計「(形式)
U−4000」を用いて測定した値である。 IR光カット効果の確認:上記のようにして作製した光
フィルターのIR光カット効果を、次のような手順に従
って確認した。
【0073】先ず、富士通社製の21インチ・プラズマ
ディスプレィ(PDP)「(型番)PDS−2170」
と、ビクター社製のビデオデッキ「(型番)HR−S7
800(リモコン装置を標準装備)」を用意した。ビデ
オデッキを、ディスプレィ画面の水平方向ほぼ中央か
ら、画面の法線方向に沿って約0.5m離れた位置で、
デッキのリモコン信号受信部(受光部)が画面法線に対
してほぼ垂直に配置されるように、設置した。この時の
デッキ配置角度(θ)を0°とした。
【0074】次に、PDPのディスプレィ画面に静止画
像を映し出し、先に作製した光フィルターごしに画面を
観察したところ、4種の色画面、すなわち、画面全面が
赤、緑、青又は白の4種の色(発光色)すべてにおい
て、それぞれの色として明るい画面が確認できた。一
方、ビデオデッキのリモコン装置を、PDPのハウジン
グの上、ディスプレィ画面の水平方向ほぼ中央位置で、
リモコン装置が画面にかぶさらないようにしながら、デ
ッキの信号受信部に向かってリモコン信号を送り、リモ
コン操作を行った。上記と同じ赤、緑、青及び白の4種
の画像において、オン−オフ、再生、早送り、
巻戻し、及び一時停止の5種のリモコン操作を行った
ところ、すべての色画面において、誤作動することな
く、すべてのリモコン操作を行うことが可能であった。
【0075】他方において、比較のため、PDPのディ
スプレィ画面の画面側に本例の光フィルターを取り付け
ないという相違点を除いて、上記と同様にしてデッキの
リモコン操作を行ったところ、上記すべての色の画面に
おいて、すべてのリモコン操作が不可能であった。上記
した結果は、図3に示されるPDP画面の発光スペクト
ル、そして図4に示されるリモコン信号の発光スペクト
ルからさらに容易に理解することができるであろう。
【0076】図4から分かるように、リモコン装置は、
約850〜1,000nmの波長帯域のIR光を発信し
ている。一方、図3において比較例として参照する細い
線のグラフから分かるように、RDP画面は、約850
〜1,000nmの範囲のIR光を発している。しかし
ながら、図3の太い線のグラフ(本発明例)に示される
ように、本例の光フィルターをPDP画面前面に配置し
た場合、このようなIR光が有効にカットされる。
【0077】すなわち、PDP画面から放出され、リモ
コン装置のリモコン信号の光とほぼ同じ波長帯域、ほぼ
同じ強度のIR光と、リモコン信号との両方を、ビデオ
デッキの受信部が受信した場合、上記のようなデッキ非
作動等の誤作動が発生する。しかしながら、PDP画面
が放出するIR光を、その画面前面に配置した光フィル
ターが有効にカットした場合、このような誤作動は効果
的に防止される。
【0078】一方、上記配置角度θを変えて同様のテス
トを行ったところ、次のことが分かった。配置角度θが
0〜45°の範囲では、上記のようなデッキのリモコン
誤作動は必ず生じ、θが約60°になると幾分発生しに
くくなる。しかしながら、本例の光フィルターを画面前
面に配置した場合、θが0〜60°の範囲で、このよう
な誤作動は確実に防止できることが分かった。実施例2 ダイネオン(株)社製のTHVポリマー「(品番)TH
V200」を、MEK中に、濃度が3.4重量%となる
ようにして溶解し、その溶液(樹脂塗料)をワイヤーバ
ー(直径0.4mm)で、誘電反射フィルム(誘電反射
層)の表面(透明支持体と接着されていない側の表面)
に塗布し、乾燥し、厚さ101nmの4分の1波長樹脂
層を形成した以外は、前記実施例1と同様にして本例の
光フィルターを作製した。なお。上記THVポリマーの
屈折率は、1.36であった。
【0079】本例の光フィルターの反射率を、上記実施
例1で用いたのと同じ分光光度計を用いて測定した結果
を図5に示す。光は、4分の1波長樹脂層の方から、誘
電反射層内に入射するようにした。なお、同図には、参
考のため、実施例1の光フィルター(4分の1波長樹脂
層を設けていない)の測定結果も合わせて示す。図5に
プロットした結果から明らかなように、4分の1波長樹
脂層の反射防止層としての効果により、IR光カットの
性能を損なうことなく、可視光帯域(約430〜640
nm)の反射率が低減できる。実施例3 前記誘電反射フィルム(誘電反射層)の表面(透明支持
体と接着されていない側の表面)にプライマー層を設
け、そのプライマー層の上に4分の1波長樹脂層を形成
した以外は、前記実施例2と同様にして本例の光フィル
ターを形成した。なお、上記プライマー層は、シランカ
ップリング剤(1重量%濃度のエタノール溶液)をワイ
ヤーバーで塗布し、乾燥させて得た、厚さ約30nmの
塗膜であった。
【0080】本例の光フィルターは、前記実施例2と同
等のフィルター性能(IR光カットおよび反射防止)を
有していた。また、汚損防止性の評価のために4分の1
波長樹脂層の表面に故意につけた手指の指紋跡は、市販
のティッシュペーパーを用い、手で2〜3回擦ることだ
けで、4分の1波長樹脂層の表面に傷が入ることなくき
れいに拭き取ることができた。実施例4 光通信用フィルターの作製と効果の確認:本例の光通信
用フィルターを作製するため、次に示す誘電反射フィル
ムを使用した。誘電反射フィルムは、第1のポリマーと
してポリエチレンナフタレートを用い、第2のポリマー
としてポリメチルメタクリレートを用い、先に参照した
国際特許公開(WO)第95/17303号に開示の方
法により作製した。その厚みは130μmであった。な
お、誘電反射フィルムの表面の法線に沿って入射した光
に対して、透過分光スペクトルを測定した結果、850
〜1,050nmの波長帯域の光の透過率は約80%で
あり、400〜850nmの帯域の光、および1,05
0〜1,300nmの帯域の光の反射率はともに80%
以上であった。これらの透過率および反射率の測定は、
前述の自記分光光度計を用いて測定した。
【0081】上記のようにして得られた本例の光通信用
フィルターの効果を、次のようにして確認した。まず、
受信ユニットとして、シャープ(株)社製の光通信イン
ターフェイス「(型番)CE−IR2」をDell
(株)社製ノート型PC(パーソナルコンピュータ)に
接続したもの、発信ユニットとして、シャープ(株)社
製の携帯端末「(商標)ザウルス(型番)PI−600
0」を、それぞれ用意した。これらの通信装置間の通信
に使用される光の波長は、約940nmであった。ま
た、光通信インターフェイスの受光部の受光素子の表面
には、700nm以下の波長の光をカットするカラーフ
ィルターが備えつけてあったが、これを取り外して実験
を行った。
【0082】これらのユニット(装置)を、白熱灯によ
り照明された室内に配置し、受信ユニットの受光部の受
光面の、水平方向および垂直方向のほぼ中央から、受光
面の法線方向に沿って60cm離れた位置で、発信ユニ
ットから受信ユニットの受光部に向かって通信用信号の
光を送ったところ、受信ユニット(光通信インターフェ
イス)へのデータ転送は良好に行え、装置は良好に作動
した。しかしながら、発信ユニットと受信ユニットとの
距離を70cmまで延ばしたところ、受信ユニット(光
通信インターフェイス)へのデータ転送が十分に行え
ず、装置は作動しなかった。なお、室内照明の明るさ
は、これらの装置を通常に使用する時の明るさと同じで
あった。
【0083】次に、上記受信ユニットの受光素子の受光
面を被覆するように、本例の光通信用フィルターを接着
した。接着には前記実施例1で用いたアクリル系粘着剤
を使用した。光通信用フィルター付き受信ユニットを用
いた以外は、上記と同様にして、発信ユニットから受信
ユニットの受光部に向かって通信用信号の光を送ったと
ころ、発信ユニット−受信ユニット間距離が70cmの
場合でも、受信ユニット(光通信インターフェイス)へ
のデータ転送は良好に行え、装置は良好に作動した。
【0084】一方、上記受信ユニットと発信ユニットと
を屋外に置いて、同様の試験を行ったところ、本例の光
通信用フィルターを用いた場合、フィルターのない場合
に比べて10〜20cm長い距離(発信ユニット−受信
ユニット間)においても、データ転送は良好に行え、装
置は良好に作動した。この結果から、本例の光通信用フ
ィルターで、受信ユニットの受光素子の受光面を被覆す
ることにより、白熱灯、太陽光等の外部光源から受信ユ
ニットの受光面への通信用信号以外の光(ノイズ)を効
果的にカットし、受信ユニット(受光素子)の受信感度
を高めることができることが分かった。
【0085】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による光
フィルターを使用すると、可視光に対する透明性が高
く、かつ不所望の波長帯域の光を効果的にカットできる
という効果がある。特に、本発明の光フィルターは、従
来の技術で問題とされてきた可視光の吸収による透明性
の低下に原因する画質の低下を防止できるという点、そ
して、ディスプレィ画面から放射される光のうち、AV
装置等のリモコンの誤動作等を招くIR波長帯域の光を
効果的にカットすることができるという点、などで注目
に値する。
【0086】さらに、本発明の光フィルターを使用する
と、それに含まれるフッ素系ポリマーからなる層が汚損
防止層として機能するので、フィルター表面が傷ついた
り、ヒトの指紋等の汚れがフィルター表面に付着し、画
面が見えにくくなることを効果的に防止できる。また、
4分の1波長樹脂層を設けた場合には、可視光帯域の波
長の光の反射を小さくし、ディスプレィの視認度の低下
を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光フィルターに含まれる誘電反射層の
波長選択反射原理について説明した略示断面図である。
【図2】実施例で使用した誘電反射フィルムの透過分光
スペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例におけるPDP画面の発光スペクトルを
示すグラフである。
【図4】実施例で使用したリモコン装置のリモコン信号
の発光スペクトルを示すグラフである。
【図5】実施例1および実施例2で作製した光フィルタ
ーの波長による反射率の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1…第1界面 2…第2界面 3…第3界面 O…誘電反射層形成性ポリマー層 X…誘電反射層形成性ポリマー層 Y…誘電反射層形成性ポリマー層 Z…誘電反射層形成性ポリマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 達也 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 石川 誠 東京都世田谷区玉川台2−33−1 住友ス リーエム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電反射層を含んでいて、特定波長帯域
    の光を所定の割合で反射しかつ可視光帯域の光を所定の
    割合で透過する光フィルターにおいて、 前記誘電反射層が、第1のポリマーからなる層の複数か
    ら構成された第1組の誘電反射層単位と、前記第1のポ
    リマーとは異なる屈折率を有する第2のポリマーからな
    る層の複数から構成された第2組の誘電反射層単位とを
    組み合わせて含み、その際、 前記第1組及び第2組の誘電反射層単位は、第1のポリ
    マーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層すること
    により組み合わされており、 前記第1組及び第2組の誘電反射層単位の少なくともい
    ずれか一方は、厚み(d、単位はnm)とポリマーの屈
    折率(n)との積(n・d)が、反射する光の波長の4
    分の1である4分の1波長層を含んでなり、そして前記
    誘電反射層は、上記の反射する光の反射率が70%以上
    であり、かつ、青の帯域(波長:430〜490n
    m)、緑の帯域(波長:515〜575nm)及び赤の
    帯域(波長:580〜640nm)の、3原色帯域の光
    透過率が60%以上であることを特徴とする、光フィル
    ター。
  2. 【請求項2】 前記4分の1波長層の積(n・d)が2
    00〜250nmの範囲であり、かつ800〜1,00
    0nmの範囲の波長帯域の光反射率が70%以上であ
    る、請求項1に記載の光フィルター。
  3. 【請求項3】 前記誘電反射層の少なくとも一方の面と
    対向するように配置された樹脂の層をさらに含んでな
    り、かつ、その層の樹脂が、フッ素系ポリマーを含んで
    なることを特徴とする、請求項1に記載の光フィルタ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記樹脂の層の厚さ(d、単位はnm)
    と樹脂の屈折率(n)との積(n・d)が、前記誘電反
    射層を透過可能な可視光の波長の4分の1であることを
    特徴とする、請求項3に記載の光フィルター。
  5. 【請求項5】 誘電反射層を含んでいて、特定波長帯域
    の光を所定の割合で反射しかつ可視光近傍の赤外波長帯
    域の光を所定の割合で透過する光フィルターにおいて、 前記誘電反射層が、第1のポリマーからなる層の複数か
    ら構成された第1組の誘電反射層単位と、前記第1のポ
    リマーと異なる屈折率を有する第2のポリマーからなる
    層の複数から構成された第2組の誘電反射層単位とを組
    み合わせて含み、その際、 前記第1組及び第2組の誘電反射層単位は、第1のポリ
    マーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層すること
    により組み合わせており、 前記第1組及び第2組の誘電反射層単位の少なくともい
    ずれか一方は、厚み(d、単位はnm)とポリマーの屈
    折率(n)との積(n・d)が、反射する光の波長の4
    分の1である4分の1波長層を含んでなり、そして前記
    誘電反射層は、上記の反射する光の反射率が70%以上
    であり、かつ、750〜1,100nmの範囲に含まれ
    る所定の波長帯域の光の透過率が60%以上であること
    を特徴とする、光フィルター。
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