JP2000081510A - 赤外線吸収フィルタ - Google Patents

赤外線吸収フィルタ

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JP2000081510A
JP2000081510A JP10251083A JP25108398A JP2000081510A JP 2000081510 A JP2000081510 A JP 2000081510A JP 10251083 A JP10251083 A JP 10251083A JP 25108398 A JP25108398 A JP 25108398A JP 2000081510 A JP2000081510 A JP 2000081510A
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infrared
filter
layer
absorbing
infrared absorbing
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JP10251083A
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Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Masanori Kobayashi
正典 小林
Shinya Onomichi
晋哉 尾道
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電磁波及び近赤外線を吸収し、可
視領域の光透過性が高く、且つ、可視領域に特定の吸収
を持つことがなく、更に、加工性及び生産性の良好で環
境安定性の良好な近赤外線吸収フィルタを提供する物で
ある。 【解決手段】 透明高分子フィルムの少なくとも片面に
赤外線吸収層を形成してなる赤外線吸収フィルムにおい
て、該透明高分子フィルムの全光線透過率が89%以上
で且つ、ヘイズが1.6以下であり、更に、静摩擦係数
及び動摩擦係数が0.6 以下であることを特徴とする赤外
線吸収フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルタに関
するもので、特に可視光線領域に透過率が高く、赤外線
を遮断する光学フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線吸収フィルタや、ビデオカメ
ラ視感度補正用フィルター、等には次に示されるような
物が広く使われてきた。 (1)燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有
したフィルター(特開昭60−235740、特開昭6
2−153144など) (2)基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干
渉させることで特定の波長を透過させる干渉フィルター
(特開昭55−21091、特開昭59−184745
など) (3)共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フ
ィルター(特開平6−324213) (4)バインダー樹脂に色素を分散した構成のフィルタ
ー(特開昭57−21458、特開昭57−19841
3、特開昭60−43605など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来使用されて
きた赤外線吸収フィルタには、それぞれ以下に示すよう
な問題点がある。前述(1)の方式では近赤外領域に急
峻に吸収が有り、赤外線遮断率は非常に良好であるが、
可視領域の赤色の一部も大きく吸収してしまい、透過色
は青色に見える。ディスプレー用途では色バランスを重
視され、このような場合、使用するのに困難である。ま
た、ガラスであるために加工性にも問題がある。前述
(2)の方式の場合、光学特性は自由に設計でき、ほぼ
設計と同等のフィルタを製造することが可能であるが、
その為には、屈折率差のある層の積層枚数が非常に多く
なり、製造コストが高くなる欠点がある。また、大面積
を必要とする場合、全面積にわたって高い精度の膜厚均
一性が要求され、製造が困難である。前記(3)の方式
の場合、(1)の方式の加工性は改善される。しかし
(1)方式と同様に、急峻な吸収特性が有るが、やは
り、赤色部分にも吸収が有りフィルタが青く見えてしま
う問題点は変わらない。前記(4)の方式は、赤外線吸
収色素として、フタロシアニン系、ニッケル錯体系、ア
ゾ化合物、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフ
ェニルメタン系、キノン系、など多くの色素が持ちいら
れている。しかし、それぞれ単独では、吸収が不十分で
あったり、可視領域で特定の波長の吸収が有るなどの問
題点を有している。さらに、同フィルターを高温下、や
加湿下に長時間放置すると、色素の分解や、酸化が起こ
り可視領域での吸収が発生したり、赤外領域での吸収が
無くなってしまうなどの問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、近赤外領域に
吸収があり、可視領域の光透過性が高く、且つ、可視領
域に特定波長の大きな吸収を持つことがなく、更に、加
工性及び生産性の良好である近赤外線吸収フィルタを提
供する物である。即ち本発明は、透明高分子フィルムの
少なくとも片面に赤外線吸収層を形成してなる赤外線吸
収フィルムにおいて、該透明高分子フィルムの全光線透
過率が89%以上で且つ、ヘイズが1.6以下であり、
更に、静摩擦係数及び動摩擦係数が 0.6以下であること
を特徴とする赤外線吸収フィルムである。本発明は、デ
ィスプレー用途に用いられる場合が多い為、全光線透過
率が高いものが好まれるまた、ヘイズも小さいほうが良
い。しかし、全光線透過率が高く、ヘイズを低くする
と、一般に、摩擦係数が高くなり滑り性が悪化し、巻き
取りなどの作業がし難くなる。本発明の全光線透過率、
及びヘイズ及び摩擦係数の範囲であれば、巻き取り性と
全光線透過率を両立することが可能である。更に、本発
明での赤外線吸収層は、透明高分子フィルム上の少なく
とも片面に、波長800nm から1100nmの近赤外線領域の透
過率が30%以下で、かつ、波長450nm から650nm の可視
領域での透過率の最大値と最小値の差が10%以内であ
り、波長550nmでの透過率が50%以上である赤外線吸収
層を有しているものが良く、該赤外線吸収層と同一面、
ないしは、反対面に透明導電層を有している物が良い。
本発明は、波長800nm から1100nmの近赤外線領域の透過
率が30%以下が必須である。この領域の透過率が低い事
によって、プラズマディスプレー等に用いた場合、ディ
スプレーから放射される、不要赤外線を吸収し、赤外線
を使ったリモコンの誤動作を防ぐ事が出来る。また、本
発明は、波長450nm から650nm の可視領域での透過率の
最大値と最小値の差が10%以内であるが必須である。
波長450nm から650nm の透過率差がこの範囲にあると、
色調がグレーとなり、ディスプレー前面においた場合、
ディスプレーから発せられる色調が変らずに表現する事
が出来る。更に本発明では、波長550nm での透過率が50
%以上が必要である。該波長域での透過率が、50%以
下であると、ディスプレー前面に設置された場合、非常
に暗いディスプレーとなってしまう。
【0005】前記特性を満たす為に本発明に用いる色素
は、少なくともジイモニウム塩化合物、含フッ素フタロ
シアニン化合物及び、ニッケル錯体のうちいずれか2種
類を含有することが好ましい。該色素配合比は、ジイモ
ニウム塩化合物を1重量部当たり、含フッ素フタロシア
ニン化合物の場合0.5〜0.01重量部、ニッケル錯
体系化合物の場合1〜0重量部の範囲が好ましい。本発
明では、赤外線吸収色素をポリマー中に分散し、更にこ
れを透明な基板上にコーティングした構成が好ましい。
このような構成とする事によって、製作が簡単になり、
小ロットの生産にも対応可能となる。また、本発明での
色素を分散するポリマーは、そのガラス転移温度が、本
発明フィルタを使用する想定保証温度以上の温度である
事が好ましい。これにより、色素の安定性が向上する。
本発明に使用する赤外線吸収色素は特に限定されるもの
ではないが、一例を挙げるとすれば、以下のようなもの
が挙げられる。日本化薬社製Kayasorb IRG−022、IR
G −023、日本触媒社製 Excolor IR1、IR2 、IR3
、IR4 、三井化学社製SIR-128 、SIR-130 、SIR-132
、SIR-159などが挙げられるが、上記赤外吸収色素は一
例であり、特に限定される物ではない。
【0006】また、本発明において、赤外線吸収色素を
分散したポリマーを基材にコーティングする場合に用い
る透明基材としても、特に限定される物ではないが、ポ
リエステル系、アクリル系、セルロース系、ポリエチレ
ン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化
ビニル系、ポリカーボネート、フェノール系、ウレタン
系樹脂などが挙げられるが、特に好ましくは、分散安定
性、環境負荷などの観点から、ポリエステル系樹脂が好
ましい。
【0007】また、本発明赤外線吸収フィルターでは耐
光性を向上させる目的で、UV吸収剤を添加したものが好
ましい。さらに、本発明では、耐候性、耐溶剤性を付与
させるために、赤外線吸収色素を分散するポリマーを、
架橋剤を用いて架橋させても良い。
【0008】本発明は、該赤外線吸収層と同一面、ない
しは、反対面に透明導電層を有している事を必須とす
る。これにより、ディスプレーから放出される有害電磁
波を除去することが可能となる。本発明に用いられる、
透明導電層はいかなる導電膜でも良いが、好ましくは、
金属酸化物であることが望ましい。これによって、より
高い可視光線透過率を得ることが出来る。また、本発明
において透明導電層の導電率を向上させたい場合は、金
属酸化物/金属/金属酸化物の3層以上の繰り返し構造
であることが好ましい。金属を多層化することで、高い
可視光線透過率を維持しながら、電導性を得ることがで
きる。本発明に用いられる。金属酸化物は、電導性と可
視光線透過性が有していれば如何なる金属酸化物でも良
い。一例として、酸化錫、インジウム酸化物t、インジ
ウム錫酸化物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ビスマスな
どがある。以上は一例であり、特に限定されるものでは
ない。また、本発明に用いられる金属層は、導電性の観
点より、金、銀及びそれらを含む化合物が好ましい。更
に、本発明の導電層を多層化した場合、くり返し層数が
3層の場合、銀層の厚さは好ましくは50から200
Å、より好ましくは50から100Åである。これより
も膜厚が厚い場合は、光線透過率が低下し、薄い場合は
抵抗値が上がってしまう。また、金属酸化物層の厚さと
しては、好ましくは、100から1000Å、より好ま
しくは、100から500Åである。この厚さより厚い
場合には着色して色調が変ってしまい、薄い場合には抵
抗値が上がってしまう。さらに、3層以上多層化する場
合、例えば、金属酸化物/銀/金属酸化物/銀/金属酸
化物のように5層とした場合、中心の金属酸化物の厚さ
は、それ以外の金属酸化物層の厚さよりも厚いことが好
ましい。この様にすることで、多層膜全体の光線透過率
が向上する。また、本発明赤外線吸収フィルタは、最外
層に傷つき防止のために、ハードコート処理層(HC)を
設けてもよい。このハードコート処理層(HC)として
は、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹
脂、ポリイミド系樹脂などの硬化性樹脂を単体もしくは
混合した架橋性樹脂硬化物層が好ましい。
【0009】このハードコート処理層(HC)の厚さは、
1〜50μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、2
〜30μmの範囲である。1μmより薄い場合は、ハード
コート処理の機能が十分発現せず、50μmをこえる厚さ
では、樹脂コーティングの速度が著しく遅くなり、生産
性の面で好結果を得にくい。
【0010】ハードコート処理層(HC)を積層する方法
としては、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を設け
た面の反対側の面に、上記の樹脂をグラビア方式、リバ
ース方式、ダイ方式などでコーティングした後、熱、紫
外線、電子線等のエネルギーを印加することで、硬化さ
せる。
【0011】また、本発明赤外線吸収フィルタは、ディ
スプレー等に用いた場合の視認性向上のために、最外層
に、防眩処理層(AG)を設けてもよい。防眩処理層(A
G)は、硬化性樹脂をコーティング、乾燥後にエンボス
ロールで表面に凹凸を形成し、この後熱、紫外線、電子
線等のエネルギーを印加することで、硬化させる。硬化
性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの単体もし
くは混合したものが好ましい。
【0012】さらに、本発明赤外線吸収フィルタをディ
スプレーに用いた際に可視光線の透過率をさらに向上さ
せるために、最外層に反射防止処理層(AR)を設けても
よい。この反射防止処理層(AR)には、プラスチックフ
ィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単層も
しくは2層以上の積層するのが好ましい。単層構造の場
合、プラスチックフィルムよりも小さな屈折率を有する
材料を用いるのがよい。また、2層以上の多層構造とす
る場合は、プラスチックフィルムと隣接する層は、プラ
スチックフィルムよりも大きな屈折率を有する材料を用
い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材
料を選ぶのがよい。このような反射防止処理層(AR)を
構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記
の屈折率の関係を満足すれば特に限定されないが、例え
ば、CaF2, MgF2, NaAlF4,SiO2, ThF4, ZrO2, Nd2O3, Sn
O2, TiO2, CeO2, ZnS, In2O3などの誘電体を用いるのが
好ましい。
【0013】この反射防止処理層(AR)は、真空蒸着
法、スパッタリング法、 CVD法、イオンプレーティング
法などのドライコーティングプロセスでも、グラビア方
式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティン
グプロセスでもよい。
【0014】さらに、このハードコート処理層(HC)、
防眩処理層(AG)、反射防止処理層(AR)の積層に先立
って、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、
スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射
処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の処理を施
してもよい。
【0015】実施例1 分散媒となるベースポリエステルを以下の要領で製作し
た。温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチル 136重量部、 イソフタル酸ジメチル 58重量部 エチレングリコール 96重量部、 トリシクロデカンジメタノール 137重量部 三酸化アンチモン 0.09重量部 を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで反応系の温度を245℃ま
で昇温し、系の圧力1〜10mmHgとして180分間
反応を続けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A1)を
得た。共重合ポリエステル樹脂(A1)の固有粘度は、
0.4 、ガラス転移温度は90℃であった。またNMR分析
による共重合組成比は 酸成分に対して テレフタル酸 70mol%、 イソフタル酸 30mol%、 アルコール成分に対して エチレングリコール 29mol%、 トリシクロデカンジメタノール 71mol% であった。
【0016】次にこの樹脂を用いて表1に示すような組
成で、赤外線吸収色素と製作した樹脂、溶剤を、フラス
コにいれ、加熱しながら攪拌し、色素及びバインダー樹
脂を溶解した。更に溶解した樹脂を高透明性ポリエステ
ルフィルム基材(東洋紡績社製 コスモシャインA4300
全光線透過率90.9%、ヘイズ0.7、静摩擦係数
0.58、動摩擦係数0.42)に、ギャップが100
μmのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥温
度約90℃で1時間乾燥させた。この時コーティング厚さ
は約25μmであった。得られた赤外線吸収フィルム
は、目視での色目はダークグレーであった。また、図1
にその分光特性を示す。図1に示すように、波長400
nmから650nmまでの可視領域においては吸収が平
らで、波長700nm以上では急峻に吸収があるフィル
ムが得られた。得られたフィルムを60℃95%雰囲気中に
500hr放置し、再度分光特性を測定したところ図2
のようになり、若干の色変化は見られるが、近赤外吸収
特性を維持していた。また、得られたフィルムを、プラ
ズマディスプレー等の前面に配置したところ、色目の変
化はなく、コントラストが向上しかつ、近赤外線の放射
も低減された。更に、製作したフィルムを重ねて、その
滑り性を見たところ良好であり、ロール状に巻き取りが
可能であることが分かった。
【0017】
【表1】
【0018】実施例2 実施例1で製作した樹脂(A1) を用いて表2に示すよう
な組成で、赤外線吸収色素と製作した樹脂、溶剤を、フ
ラスコにいれ、加熱しながら攪拌し、色素及びバインダ
ー樹脂を溶解した。更に溶解した樹脂を高透明性ポリエ
ステルフィルム基材(東洋紡績製 コスモシャインA430
0 全光線透過率90.9%、ヘイズ0.7、静摩擦係数
0.58、動摩擦係数0.42)に、ギャップが100
μmのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥温
度約90℃で1時間乾燥させた。この時コーティング厚さ
は約25μmであった。次に製作した赤外線吸収層と反
対側の透明なポリエステルフィルムの面上にハードコー
ト処理層(HC)を設けた。ハードコート剤としては、エポ
キシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン4部を加え
た紫外線硬化型樹脂組成物を用い、バーコート法で成膜
後、80℃5分の予備乾燥、500mJ/cm2 の紫外線照射によ
り硬化させた。硬化後の厚さは5μmである。
【0019】次に、赤外線吸収層の上部に高周波マグネ
トロンスパッタリング装置を用いて380Åの酸化錫を
積層し、続いてDCマグネトロンスパッタ装置を用いて、
200Åの銀薄膜を積層し、更に、410Åの酸化錫層
を積層して電磁波シールド層を形成した。この時の表面
抵抗は、約4Ω/□であった。上記の様に、ハードコー
ト、電磁波シールド層を赤外線吸収層と共に作製したフ
ィルタの分光特性を図3に示す。図のように、該フィル
タは、近赤外線を吸収し、色調がグレーで、且つ、電磁
波を吸収しながらも高い可視光線透過率を有しているこ
とがわかった。また、得られたフィルムを60℃95%雰囲
気中に500hr放置し、再度分光特性を測定したとこ
ろ、若干の色変化は見られるが、近赤外吸収特性を維持
していた。また、得られたフィルムを、プラズマディス
プレー等の前面に配置したところ、色目の変化はなく、
コントラストが向上しかつ、近赤外線の放射及び、電磁
波の放射も低減された。
【0020】
【表2】
【0021】比較例1 ベースポリマーとして東洋紡績製バイロンRV200 (比重
1.26、ガラス転移温度67℃)を用いて表2に示すよ
うな組成で、赤外線吸収色素とバインダー樹脂、溶剤
を、フラスコにいれ、加熱しながら攪拌し、色素及びバ
インダー樹脂を溶解した。次に溶解した樹脂を高透明性
ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製コスモシャイン
A4100)のインラインコート面に、ギャップが10
0μmのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥
温度約90℃で1時間乾燥させた。コーティング厚さは約
25μmであった。得られた赤外線吸収フィルムは、目
視での色目は、褐色に着色してしまっていた。また、図
4にその分光特性を示す。図4に示されるように、波長
400nmから650nmまでの可視領域において約55
0nm にピークを持つような山形の特性になる赤外線吸収
フィルムがえられた。得られたフィルムを60℃95%雰囲
気中に500hr放置し、再度分光特性を測定したとこ
ろ近赤外線領域の吸収が無くなってしまっていた。ま
た、見た目が緑色に変化してしまっていた。また、得ら
れたフィルムをプラズマディスプレー等の前面に配置し
たところ、色バランスが崩れ、緑がかった色調となって
しまった。更に、製作したフィルムを重ねて、その滑り
性を見たところフィルム同士が完全に密着してしまい滑
らなかった。またロール状に巻き取りも不可能であるこ
とが分かった。
【0022】比較例2 比較例1で製作した赤外線吸収層と反対側の透明なポリ
エステルフィルムの面上にハードコート処理層(HC)を設
けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂
100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹
脂組成物を用い、バーコート法で成膜後、80℃5分の予
備乾燥、500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させた。硬
化後の厚さは5μmである。次に、実施例2と同様に酸
化錫、銀の多層導電層を設けた。上記の様に、ハードコ
ート、電磁波シールド層を赤外線吸収層と共に作製した
フィルタの分光特性を図5に示す。図のように、該フィ
ルタは、近赤外線おいび電磁波を吸収を吸収するもの
の、色調が緑がかった物となってしまった。また、製作
した赤外線吸収フィルタをプラズマディスプレー前面に
設置した場合、画像全体が緑がかった色調になってしま
った。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】近赤外線領域に広く吸収を持ち、かつ、
可視領域の透過率が高く、特定の可視領域波長を大きく
吸収することのない赤外線吸収フィルターが得られ、ビ
デオカメラ、ディスプレーなどに使用しても色ずれが少
ない。また、環境安定性に優れ、長い期間での使用に耐
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた赤外線吸収フィルタ
の分光特性を示す。
【図2】図2は実施例1で得られた赤外線吸収スペクト
ルの耐久テスト後の分光特性を示す。
【図3】図3は実施例2で得られた赤外線吸収フィルタ
の分光特性を示す。
【図4】図4は比較例1で得られた赤外線吸収フィルタ
の耐久テスト後の分光特性を示す。
【図5】図5は比較例2で得られた赤外線吸収フィルタ
の分光特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H048 CA04 CA05 CA12 CA19 CA23 CA27 CA29 2K009 AA02 AA12 AA15 BB24 CC02 CC03 CC06 CC24 DD02 DD03 DD04 DD07 DD17 4F100 AA17C AA17E AB01D AB01E AB24E AB25E AH08B AH08H AK01A AK41B AK41C AR00B AR00C BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10E CA13B DC11D GB41 GB90 JA05B JD10B JG01C JK16 JL00 JN01A JN01C JN06E YY00A YY00B 4J038 EA011 JB27 JC38 KA08 NA19 PB08 PC08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明高分子フィルムの少なくとも片面に赤
    外線吸収層を形成してなる赤外線吸収フィルムにおい
    て、前記透明高分子フィルムの全光線透過率が89%以
    上で且つ、ヘイズが 1.6以下であり、更に、静摩擦係数
    及び動摩擦係数が 0.6以下であることを特徴とする赤外
    線吸収フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の赤外線吸収層が波長800nm
    から1100nmの近赤外線領域の透過率が30%以下で、且
    つ、波長450nm から650nm の可視領域での透過率の最大
    値と最小値の差が10%以内であり、波長550nm での透
    過率が50%以上であることを特徴とする赤外線吸収フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】請求項1乃至2記載のいずれかの赤外線吸
    収フィルタの赤外線吸収層と同一面、ないしは、反対面
    に透明導電層を有している事を特徴とする赤外線吸収フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至2記載のいずれかの赤外線吸
    収フィルタの赤外線吸収層と同一面、ないしは、反対面
    に金属メッシュ層を有している事を特徴とする赤外線吸
    収フィルタ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載のいずれかの赤外線吸
    収層に、赤外線吸収色素として、少なくともジイモニウ
    ム塩化合物、含フッ素フタロシアニン化合物及び、ニッ
    ケル錯体のうちいずれか2種類を含有することとする赤
    外線吸収フィルタ。
  6. 【請求項6】請求項3記載の透明導電層が金属酸化物で
    あることを特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  7. 【請求項7】請求項5記載の色素の配合比が、ジイモニ
    ウム塩化合物を1重量部当たり、含フッ素フタロシアニ
    ン化合物の場合0.5〜0.01重量部、ニッケル錯体
    系化合物の場合1〜0重量部であることを特徴とする赤
    外線吸収フィルタ。
  8. 【請求項8】請求項7記載のいずれかの赤外線吸収層の
    分散媒がポリエステル樹脂であることを特徴とする赤外
    線吸収フィルタ。
  9. 【請求項9】請求項1から8記載のいずれかの透明基材
    がポリエステルフィルムであることを特徴とする赤外線
    吸収フィルタ。
  10. 【請求項10】請求項1から9記載のいずれかの赤外線
    吸収層の色素を分散する分散媒として用いるポリマーの
    ガラス転移温度が、前記フィルタを利用する機器の使用
    保証温度以上であることを特徴とする赤外線吸収フィル
    タ。
  11. 【請求項11】請求項10記載の透明導電層が金属酸化
    物/金属/金属酸化物の3層以上の繰り返し構造である
    ことを特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  12. 【請求項12】請求項11記載の透明導電層の金属層が
    銀または金及びそれらを含む化合物であることを特徴と
    する赤外線吸収フィルタ。
  13. 【請求項13】請求項1から12記載のいずれかの赤外
    線吸収フィルタの最外層に反射防止層を有することを特
    徴とする赤外線吸収フィルム。
  14. 【請求項14】請求項1から13記載のいずれかの赤外
    線吸収フィルタの最外層に防眩処理層を有することを特
    徴とする赤外線吸収フィルム。
  15. 【請求項15】請求項1から14記載のいずれかの赤外
    線吸収フィルタを用いたことを特徴とするプラズマディ
    スプレー用フィルタ。
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