JP2005043921A - 近赤外線吸収フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 近赤外線吸収色素をバインダー樹脂に分散した組成物からなるコート層を、溶剤を含むコーティング液を用いて基材上へ積層して形成される近赤外線吸収フィルターであって、前記近赤外線吸収フィルターの波長700〜1100nmにおける初期の光線透過率が、図1の分光曲線に示される光線透過率以下であり、前記近赤外線吸収フィルターを温度60℃、湿度95%で500時間保管した後の波長700〜1100nmにおける光線透過率が図2の分光曲線に示される光線透過率以下である近赤外線吸収フィルター。
【選択図】 図1
Description
(1)燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有したフィルター(特許文献1,2など)。
(2)基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干渉させることで特定の波長を透過させる干渉フィルター(特許文献3,4など)。
(3)共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フィルター(特許文献5)。
(4)バインダー樹脂に色素を分散した構成のフィルター(特許文献6,7,8など)。
前記近赤外線吸収色素として、少なくともジイモニウム塩化合物を含み、
前記バインダー樹脂がポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはポリカーボネート系樹脂から選択され、
前記近赤外線吸収フィルターの波長700〜1100nmにおける初期の光線透過率が、図1の分光曲線に示される光線透過率以下であり、
前記近赤外線吸収フィルターを温度60℃、湿度95%で500時間保管した後の波長700〜1100nmにおける光線透過率が図2の分光曲線に示される光線透過率以下であることを特徴とする近赤外線吸収フィルターである。
第4の発明は、上記近赤外線吸収色素として、含フッ素フタロシアニン化合物および/またはジチオール金属錯体系化合物を含むものである第1〜3のいずれかの発明に記載の近赤外線吸収フィルターである。
第6の発明は、上記基材が透明な基材である第1〜5のいずれかの発明に記載の近赤外線吸収フィルターである。
風速×(熱風温度−20)×乾燥時間/コート厚み>48 ・・・(3)
熱風温度:≧80℃ ・・・(4)
乾燥時間:≦60分 ・・・(5)。
|T0(WL)−T1(WL)|/T0(WL)×100 (%) ・・・(6)
但し、T0(WL)は波長WL(波長420〜1100nm)での初期の透過率、T1(WL)は波長WL(波長420〜1100nm)での温度60℃、湿度95%、500時間保管後の透過率を示す。
島津製作所製GC−9Aを用い、残存溶剤量の測定を次のように行った。試料約5mgを正確に秤量し、ガスクロマトグラフ注入口で、150℃で5分間加熱トラップした後、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、およびメチルエチルケトン(MEK)の総量(A:ppm)を求めた。ただし、THFとMEKはピークが重なるため、標準ピーク(トルエン)と比較し、合計値としてトルエン換算量を求めた。また、別に10cm四方に切り取った試料を秤量(B:g)後、コート層を溶剤で拭き取り、拭き取り前後の試料の質量差(C:g)を求めた。残存溶剤量は下記式(7)を用いて算出した。
残存溶剤量(質量%)=A×B×10-4/C …(7)。
自記分光光度計(日立U−3500型)を用い、波長1500〜200nmの範囲で測定した。
温度60℃、湿度95%雰囲気中でサンプルを500時間放置した後、上記記載の分光特性を測定した。
ポリエステル系のバインダー樹脂を以下の要領で作製した。温度計、撹拌機を備えたオートクレーブ中に、
テレフタル酸ジメチル 136質量部、
イソフタル酸ジメチル 58質量部、
エチレングリコール 96質量部、
トリシクロデカンジメタノ−ル 137質量部、
三酸化アンチモン 0.09質量部、
を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を245℃まで昇温し、系の圧力1〜10mmHgとして180分間反応を続け、共重合ポリエステル樹脂を得た。
酸成分に対して、
テレフタル酸 71mol%、
イソフタル酸 29mol%、
アルコ−ル成分に対して、
エチレングリコ−ル 28mol%、
トリシクロデカンジメタノ−ル 72mol%、
であった。
実施例1で用いたコーティング液を、厚みが100μmで、片面に易接着層を有する高透明性ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製「コスモシャインA4100」)の易接着面に、グラビアロールによってコーティングし、150℃の熱風を風速5m/sで送りながら1分間乾燥した。コート層の厚さは10μm、コート層中の残留溶剤量は2.0質量%であった。図3にこのフィルターの分光特性を示す。図3に示すように、波長400nmから650nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻な吸収があるフィルターが得られた。このフィルターを温度60℃、湿度95%雰囲気中に500時間放置し、再度分光特性を測定したところ図4のようになった。図4に示すように、フィルターの分光曲線には大きな変化は見られず、安定な性能を示した。また、波長420nmから1100nmの透過率の最大変化率は11.5%であった。
アクリル系のバインダー樹脂を以下の要領で作製した。 反応容器にモノマーとしてt−ブチルメタクリレートを60gと、酢酸エチル120g、メタノール120g、アゾビスイソブチロニトリル0.51gを入れ、窒素雰囲気下60℃で攪拌しながら8時間反応を行った。反応後、反応溶液をヘキサン中に加え、ポリマーを再沈殿させバインダ−樹脂を得た。得られたバインダー樹脂の分子量は100,000であった。また、ガラス転移温度は105℃であった。次に、バインダーに作製したアクリル樹脂を用いた以外は表1と同じ組成でコート液を作製した。
実施例1で用いたコーティング液を、厚みが100μmで、片面に易接着層を有する高透明性ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製「コスモシャインA4100」)の易接着面に、グラビアロールによってコーティングし、120℃の熱風を風速5m/sで送りながら1分間乾燥した。コート層の厚さは11μm、コート層の残留溶剤量は6.5重量%であった。目視での色目はダークグレーであった。図7にその分光特性を示す。図7に示すように、波長400nmから650nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に吸収があるフィルターが得られた。このフィルターを60℃、湿度95%雰囲気中に500時間放置し、再度分光特性を測定したところ、図8のようになった。図8に示すように、近赤外領域の吸収が低下し、またフィルターの色目も黄緑色に変化した。さらに波長420nmから1100nmの透過率の最大変化率は154.6%と極めて大きかった。
実施例1で用いたコーティング液を、アプリケーターでコーティングした後、80℃の熱風を風速0.4m/sで送りながら30分間乾燥した以外は、実施例1と同様の操作を行った。コート層の厚さは18μm、コート層中の残留溶剤量は5.9重量%であった。目視での色目はダークグレーであった。図9にその分光特性を示す。図9に示すように、波長400nmから650nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に吸収があるフィルターが得られた。このフィルターを温度60℃、湿度95%雰囲気中に500時間放置し、再度分光特性を測定したところ、図10のようになった。図10に示すように、近赤外領域の吸収が低下し、またフィルターの色目も黄緑色に変化した。さらに、波長420nmから1100nmの透過率の最大変化率は91.0%と極めて大きかった。
透過率(%) 分光特性測定時の光線透過率
Claims (14)
- 近赤外線吸収色素をバインダー樹脂に分散した組成物からなるコート層を、溶剤(塩化メチレンおよびクロロホルムを除く)を含むコーティング液を用いて基材上へ積層して形成される近赤外線吸収フィルターであって、
前記近赤外線吸収色素として、少なくともジイモニウム塩化合物を含み、
前記バインダー樹脂がポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはポリカーボネート系樹脂から選択され、
前記近赤外線吸収フィルターの波長700〜1100nmにおける初期の光線透過率が、図1の分光曲線に示される光線透過率以下であり、
前記近赤外線吸収フィルターを温度60℃、湿度95%で500時間保管した後の波長700〜1100nmにおける光線透過率が図2の分光曲線に示される光線透過率以下であることを特徴とする近赤外線吸収フィルター。 - 上記バインダー樹脂は、ガラス転移温度が85〜140℃である請求項1に記載の近赤外線吸収フィルター。
- 上記近赤外線吸収色素は、下記式(1)で表わされるジイモニウム塩化合物を含むものである請求項1または2に記載の近赤外線吸収フィルター。
- 上記近赤外線吸収色素は、含フッ素フタロシアニン化合物および/またはジチオール金属錯体系化合物を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- 上記ジチオール金属錯体系化合物は、下記式(2)で表わされる化合物である請求項4に記載の近赤外線吸収フィルター。
- 上記基材は、透明な基材である請求項1〜5のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- 上記透明な基材は、ポリエステルフィルムである請求項6に記載の近赤外線吸収フィルター。
- さらに片面または両面に、剥離可能な保護フィルムが積層されているものである請求項1〜7のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- さらに片面または両面に、粘着剤層を介して離型フィルムが積層されているものである請求項1〜8のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- さらに片面または両面に、開口率50%以上の金属メッシュ導電層が積層されているものである請求項1〜9のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- さらに片面または両面に、透明導電層が積層されているものである請求項1〜10のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- さらに最外層に、反射防止層が積層されているものである請求項1〜11のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- さらに最外層に、防眩処理層が積層されているものである請求項1〜12のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
- プラズマディスプレイの前面に設置されるものである請求項1〜13のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
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Family Applications (1)
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JP2004303354A Pending JP2005043921A (ja) | 1998-12-03 | 2004-10-18 | 近赤外線吸収フィルター |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8474973B2 (en) | 2011-03-08 | 2013-07-02 | Talex Optical Co., Ltd. | Infrared absorbing polarized eyeglass lens |
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-
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008133008A1 (ja) | 2007-04-13 | 2008-11-06 | Talex Optical Co., Ltd. | 赤外線吸収性眼鏡用レンズおよびその製造方法 |
US9175128B2 (en) | 2007-04-13 | 2015-11-03 | Talex Optical Co., Ltd. | Infrared absorbing spectacle lens and method for producing such lens |
US8474973B2 (en) | 2011-03-08 | 2013-07-02 | Talex Optical Co., Ltd. | Infrared absorbing polarized eyeglass lens |
US10267966B2 (en) | 2016-04-13 | 2019-04-23 | Talex Optical Co., Ltd. | Composite functional polarized lens |
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