JP2002286931A - 光学フィルム及びプラズマディスプレイ用前面フィルタ - Google Patents

光学フィルム及びプラズマディスプレイ用前面フィルタ

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JP2002286931A JP2001093493A JP2001093493A JP2002286931A JP 2002286931 A JP2002286931 A JP 2002286931A JP 2001093493 A JP2001093493 A JP 2001093493A JP 2001093493 A JP2001093493 A JP 2001093493A JP 2002286931 A JP2002286931 A JP 2002286931A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線吸収性を有し、かつ、耐久性に優れた
光学フィルム及びプラズマディスプレイ用前面フィルタ
を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも2層の積層された
層を有する光学フィルムにおいて、表面層以外の少なく
とも1層が赤外吸収染料を含有する層である光学フィル
ム及びプラズマディスプレイ用前面フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学用途に利用される
光学フィルムに関し、特に、プラズマディスプレイ等の
表示装置に用いられる前面フィルタ等に用いるのに適し
た赤外線吸収性を有し、かつ、耐久性に優れた光学フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ、有機ELディ
スプレイ、プラズマディスプレイ等の多くのディスプレ
イが用いられてきており、これらディスプレイには様々
な機能を持たせた層、例えば、帯電防止機能を持たせる
ための帯電防止層、表面硬度を向上させるためのハード
コート層、膜付き性を向上させるための下引き層、カー
ルを防止するためのアンチカール層などを設けた光学フ
ィルムが用いられている。さらに、プラズマディスプレ
イでは、近赤外線(波長800〜1100nm)も放出
されるため、家電製品などのリモコンを誤動作させる恐
れがあり、その対策も求められていた。上記問題点を解
決するために、プラズマディスプレイの前面フィルタに
は赤外吸収染料が用いられているが、プラズマディスプ
レイからは上記の電磁波、熱線、近赤外線以外にも紫外
線が放射されており、また、外気に曝されるために、前
面フィルタは劣化しやすく、従来の前面フィルタでは耐
久性が十分であるとはいえなかった。そこで、本発明者
が検討したところ、支持体上に少なくとも1層が赤外吸
収染料を含有する層を設け、かつ、該赤外吸収染料を含
有する層を表面層以外とした簡単な構造の光学フィルム
が上記の問題点を解決することができることを見出し
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、赤外線吸収性を有し、かつ、耐久性に優れた光
学フィルム及びプラズマディスプレイ用前面フィルタを
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1)支持体上に少なくとも2層の積層された層を有す
る光学フィルムにおいて、表面層以外の少なくとも1層
が赤外吸収染料を含有する層であることを特徴とする光
学フィルム。 (2)赤外吸収染料を含有する層の上に、紫外線硬化樹
脂層が設けられていることを特徴とする上記(1)に記
載の光学フィルム。 (3)反射防止層が設けられていることを特徴とする上
記(1)または(2)に記載の光学フィルム。 (4)導電性層が設けられていることを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルム。 (5)赤外吸収染料を含有する層のバインダーが、アク
リル系樹脂またはポリエステル系樹脂であることを特徴
とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィ
ルム。 (6)赤外吸収染料が、チオピリリウムスクアリリウム
染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムス
クアリリウム染料、ピリリウムクロコニウム染料のうち
のいずれかであることを特徴とする上記(1)〜(5)
のいずれかに記載の光学フィルム。 (7)チオピリリウムスクアリリウム染料、チオピリリ
ウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリウム染
料、ピリリウムクロコニウム染料が、下記一般式(1)
で表される染料であることを特徴とする上記(6)に記
載の光学フィルム。
【0005】
【化3】 [式中、Xは硫黄原子または酸素原子を表し、R11、R
12は各々1価の置換基を表す。また、R11、R12は協同
して環を形成するものであってもよい。m1、n1は各々
0〜4の整数を表す。] (8)赤外吸収染料が、下記一般式(2)で表される染
料であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれ
かに記載の光学フィルム。
【0006】
【化4】 [式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26は各々1
価の置換基を表す。また、R21、R22、R23、R24、R
25、R26は協同して環を形成するものであってもよい。
2、n2は各々0〜4の整数を表す。] (9)支持体が、二軸延伸ポリエステルフィルムである
ことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載
の光学フィルム。 (10)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光学
フィルムを設けたことを特徴とするプラズマディスプレ
イ用前面フィルタ。によって達成される。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光学フィルムは、支持体上に少なくとも2層の積層され
た層を有するが、支持体は特に制限はなく如何なるもの
であってもよい。本発明の光学フィルムの支持体として
用いることができるフィルムとしては、例えば、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファ
ン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセ
テートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロ
ピオネートフィルム、セルロースアセテートフタレート
フィルム、セルローストリアセテート、セルロースナイ
トレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体
からなるフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等の
ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコ
ールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂
系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテ
ルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポ
リスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィ
ルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイ
ロンフィルム、アクリル系フィルムあるいはポリアリレ
ート系フィルム等が挙げられる。本発明の支持体として
は、これらの中でも、流延法により製膜ができるセルロ
ーストリアセテートフィルム(TACフィルム)、セル
ロースアセテートプロピオネートフィルム等のセルロー
スエステルフィルム、透明性、機城的性質に優れるポリ
エチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、
ポリカーボネートフィルム(PCフィルム)等の熱可塑
性樹脂のフィルムが好ましく、TACフィルム、PCフ
ィルム、PETフィルムが加工性に優れているために好
ましい。特に、二軸延伸ポリエステルフィルムが好まし
い。
【0008】セルロースエステルフィルムとしては、低
級脂肪酸エステルが好ましい。ここで低級脂肪酸とは、
炭素原子数が6以下の脂肪酸をいい、例えば、セルロー
スアセテート、セルロースプロピオネート、セルロース
ブチレー卜等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好ま
しい例として挙げられる。また、上記以外にも、特開平
10−45804号公報、同8−231761号公報、
米国特許第2,319,052号明細書等に記載のセル
ロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテー
トブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることがで
きる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセル
ロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテー
トである。ベース強度の観点からすると、重合度250
〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルロース
の低級脂肪酸エステルが好ましく用いられ、さらに好ま
しいのは、結合酢酸量が58〜62.5%のセルロース
トリアセテートである。セルロースの低級脂肪酸エステ
ルを用いた支持体の膜厚は30μm〜300μm程度の
ものが好ましく用いられる。
【0009】また、本発明の支持体に用いるポリエステ
ルフィルムは特に限定されるものではないが、ジカルボ
ン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィル
ム形成性を有するポリエステルのフィルムが好ましい。
主要な横成成分のジカルボン酸成分としては、例えば、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケト
ンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを
挙げることができる。また、ジオール成分としては、例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビスフェノ−ルフルオレンジヒドロキシエチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ハイドロキノン、シクロヘキサンジオール等を挙げるこ
とができる。これらを構成成分としたポリエステルの中
でも、透明性、機械的強度、寸法安定性等の点からする
と、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/また
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を、ジオール成分と
して、エチレングリコール及び/またはジエチレングリ
コールを主要な構成成分とするポリエステルが好まし
い。中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエ
チレン2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポ
リエステルや、テレフタル酸及び2,6−ナフタレンジ
カルボン酸からなるジカルボン酸成分とエチレングリコ
ールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエ
ステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリ
エステルが好ましい。
【0010】ポリエステルにおいて、エチレンテレフタ
レートユニット(成分)またはエチレン2,6−ナフタ
レンユニット(成分)が70質量%以上含有されている
と、透明性、機械的強度、寸法安定性などに高度に優れ
たフィルムを得ることができる。ポリエステルフィルム
を構成するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない
範囲であれば、更に他の共重合成分が共重合されていて
もよいし、また、他のポリエステルが混合されていても
よい。ポリエステルフィルムを構成するポリエステルに
は、スルホネート基等の親水性基を有する芳香族ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシア
ルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオール
などを共重合したものであってもい。ポリエステルの耐
熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナ
フタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共
重合することができる。ポリエステルフィルムには、酸
化防止剤を含有させることができる。酸化防止剤として
は、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファ
イト系化合物、チオエーテル系化合物などの酸化防止剤
を挙げることができる。中でも透明性の点でヒンダード
フェノール系化合物が好ましい。酸化防止剤は、通常、
ポリエステルに対して0.01〜2質量%、好ましくは
0.1〜0.5質量%の範囲で使用される。また、合成
の各過程で耐熱安定剤、着色防止剤、酸化防止剤、結晶
核剤、滑り剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸
収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、p
H調製剤、染料、顔料などを添加させてもよい。
【0011】本発明において用いられるポリエステルフ
ィルムは、一方向の延伸倍率が1.0〜2.0倍に、そ
れと直交する方向の延伸倍率が2.3〜7.0倍に二軸
延伸され製膜されたポリエステルフィルムであることが
好ましく、より好ましくは、縦方向の延伸倍率が1.0
〜2.0倍に、横方向の延伸倍率が2.3〜7.0倍に
二軸延伸され製膜されたポリエステルフィルムであり、
さらに好ましくは、縦方向の延伸倍率が1.1〜1.8
倍に、横方向の延伸倍率が3.0〜6.0倍に二軸延伸
され製膜されたポリエステルフィルムである。また、ポ
リエステルフィルムには、延伸の前及び/または後に、
クリアハードコート層、帯電防止層、易滑性層、接着
層、バリアー層などの機能性層を塗設してもよい。この
際、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、薬液処理など
の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。本発
明において、ガラス転移温度Tg、結晶化温度Tc及び
融点Tmは次のように定義される。フィルムあるいはペ
レット10mgを、毎分300mlの窒素気流中、30
0℃で溶融し、直ちに液体窒素中で急冷する。この急冷
サンプルを示差走査型熱量計(理学電器社製、DSC8
230型)にセットし、毎分100mlの窒素気流中で
毎分10℃の昇温速度で昇温し、Tg、Tc及びTmを
検出する。Tgはベースラインが偏奇し始める温度と、
新たにベースラインに戻る温度との平均値であり、Tc
はその発熱ピークのピーク温度であり、Tmはその吸熱
ピークのピーク温度である。なお、測定開始温度は、測
定されるTgより50℃以上低い温度とする。
【0012】本発明においては、支持体に、赤外吸収染
料を含む層を設け、その上層として少なくとも1層の層
を設けることによって、赤外吸収能を有し、耐久性に優
れたフィルムを得ることができたのである。次に、本発
明の赤外吸収染料を含む層に用いられる赤外吸収染料に
ついて説明する。本発明で用いられる赤外吸収染料は、
赤外領域(800〜1100nm)に吸収を有する赤外
吸収染料であれば特に限定されないが、中でも、可視部
の吸収が少なく、分解物等による黄変が少ない、チオピ
リリウムスクアリリウム染料、チオピリリウムクロコニ
ウム染料、ピリリウムスクアリリウム染料またはピリリ
ウムクロコニウム染料が望ましい。チオピリリウムスク
アリリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピ
リリウムスクアリリウム染料またはピリリウムクロコニ
ウム染料とは、チオピリリウム核、ピリリウム核、スク
アリリウム核、クロコニウム核を有する化合物である。
なお、スクアリリウム核を有する化合物とは、分子構造
中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−4−オンを有
する化合物であり、クロコニウム核を有する化合物とは
分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒドロキシ−
4,5−ジオンを有する化合物である。ここで、ヒドロ
キシ基は解離していてもよい。
【0013】これらの化合物としては前記一般式(1)
で表される赤外吸収染料が好ましい。一般式(1)にお
いて、Xは硫黄原子または酸素原子を表し、R11、R12
は各々1価の置換基を表す。m1、n1は各々0〜4の整
数を表す。また、m1又はn1が2以上のとき、R11同志
又はR12同志は協同して環を形成するものであってもよ
い。一般式(1)についてさらに説明する。R11、R12
で各々表される1価の置換基は特に制限されるものでは
ないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基、メトキシエチル
基、メトキシエトキシエチル基、2−エチルヘキシル
基、2−ヘキシルデシル基、ベンジル基等)、アリール
基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、2,
6−ジメチルフェニル基等)が好ましく、アルキル基が
より好ましく、t−ブチル基が特に好ましい。また、R
11同志又はR12同志が協同して形成する環としては、例
えば、ベンゼン環が挙げられる。m1、n1は各々0から
4の整数を表すが、2以下であることが好ましい。以下
に本発明に用いられる一般式(1)で表される赤外吸収
染料を例示するが、本発明に用いられる赤外吸収染料は
これらに限定されるものではない。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】 これらの染料は、特願平10−309493号明細書に
記載された製造方法により製造することができる。
【0017】また、本発明の赤外吸収染料の好ましいも
のとして、前記一般式(2)で表されるクロコニウム染
料が挙げられる。一般式(2)において、R21、R22
23、R24、R25、R26は各々1価の置換基を表す。ま
た、R21、R22、R23、R24、R25、R26は協同して環
を形成してもよい。m2、n2は各々0〜4の整数を表
す。これらの一般式(2)についてさらに説明する。R
21、R22、R23、R24、R 25、R26で各々表される1価
の置換基に制限されるものではないが、例えば、アルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
t−ブチル基、メトキシエチル基、メトキシエトキシエ
チル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルデシル
基、ベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル
基、4−クロロフェニル基、2,6−ジメチルフェニル
基等)、ヒドロキシル基、アシル基(例えば、アセチル
基等)が挙げられるが、中でも、炭素数5以上の置換
基、エーテル結合を有する置換基、ヒドロキシル基を有
する置換基が好ましい。さらに、アルキル基であること
が最も好ましい。特に、R21、R22、R23、R24が炭素
数5以上の置換基またはエーテル結合をもつ置換基であ
ると、有機溶媒に対する溶解度が改良されて好ましい。
また、R21、R22、R23、R24、R25、R26は協同して
環を形成してもよく、例えば、R21とR22、R23とR24
が協同してモルホリン基を、R21、R22、R25が協同し
てジュロリジル基を形成してもよい。m2、n2は各々0
〜4の整数を表すが、0または1である赤外吸収染料は
合成しやすく好ましい。以下に本発明に用いられる一般
式(2)で表される赤外吸収染料を例示するが、本発明
に用いられる赤外吸収染料はこれらに限定されるもので
はない。
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】クロコニウム染料は、特願平10−236
522号明細書に記載の方法により容易に合成すること
ができる。上記の染料は可視領域に実質的に吸収がな
く、本発明に用いる赤外吸収染料として尤も好ましいも
のである。赤外吸収染料の使用量は化合物の種類、使用
条件や要求される赤外吸収性能などにより一様ではない
が、通常は、光学フィルム1m2当り、0.01g〜2
gが好ましい。
【0022】赤外吸収染料を含有する層はバインダーを
用いることによって形成することができる。ここで用い
るバインダとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ニトロセルロース、アクリル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フェノキシ系
樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ系樹脂及び紫外線
硬化樹脂等が好ましいが、更に好ましくは、ポリエステ
ル系樹脂、アクリル系樹脂である。本発明のバインダに
用いられるアクリル系樹脂としては、下記一般式(3)
で表される(メタ)アクリル酸エステル単位を10質量
%以上含む重合体もしくは共重合体が好ましい。
【0023】
【化11】 [式中、R31は水素原子またはメチル基を表し、R32
−Cn2n+1(nは1〜10の整数)を表す。] これらのバインダーの例としては、例えば、ポリメチル
メタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリ
ブチルメタアクリレート、ポリメタアクリル酸、ポリメ
チルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチ
ルメタアクリレート及びこれらポリマーを構成するモノ
マーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。アクリ
ル系樹脂としては、例えば、アクリペットMD、VH、
MF、V(三菱レーヨン(株)製)、ハイパールM−4
003、M−4005、M−4006、M−4202、
M−5000、M−5001、M−4501(根上工業
株式会社製)、ダイヤナールBR−50、BR−52、
BR−53、BR−60、BR−64、BR−73、B
R−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR
−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−
88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−1
00、BR−101、BR−102、BR−105、B
R−106、BR−107、BR−108、BR−11
2、BR−113、BR−115、BR−116、BR
−117、BR−118(三菱レーヨン(株)製)等の
アクリル及びメタクリル系モノマーを原料として製造し
た各種ホモポリマー並びにコポリマーなどが市販されて
おり、この中から好ましい樹脂を適宜選択することもで
きる。上記のバインダーは、他のバインダーと混合して
用いてもよい。このようなバインダーとしては、例え
ば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアルギン酸
(塩)のような水溶性ポリマー、セルロースエステル
(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロ
ース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、
アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース)、ポリスチレン及びポリエーテルケトン及びこ
れらの共重合体が挙げられる。
【0024】また、本発明のバインダに用いられるポリ
エステル系樹脂としては、溶剤溶解性のポリエステルが
好ましく、例えば、東洋紡(株)のバイロン103、バ
イロン200、バイロン300、バイロン630、ユニ
チカ(株)のエリーテルUE−3210、UE−330
0、東レ(株)のエステルレジン100、住友化学
(株)のスミカスーパーS200、S300等が挙げら
れる。赤外吸収染料を含有する層の成分は、その上に塗
設される層の塗布溶剤に対して溶解または膨潤するもの
であることが好ましい。また、赤外吸収染料を含有する
層の厚みは0.1μm以上、15μm以下が好ましく、
0.2μm以上、10μm以下が特に好ましい。赤外吸
収染料を含有する層は赤外吸収染料を含有する層を構成
する成分を含む塗布液を塗設によって設けることができ
る。赤外吸収染料を含有する層を構成する成分を含む塗
布液を調製する際に使用する溶媒は、各成分を溶解ある
いは分散することができる溶媒であればいかなる溶媒で
あってもよく、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケ
トン類、エステル類、グリコールエーテル類が挙げられ
る。これらの溶媒は、2種以上を併用してもよい。赤外
吸収染料を含有する層を構成する成分を含む塗布液の塗
布には、例えば、グラビアコーター、スピナーコータ
ー、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバース
コーター、押出コーター、エアードクターコーター等公
知の方法を用いることができる。
【0025】本発明においては、上記赤外吸収染料を含
有する層の上には、少なくとも1層の層が設けられる。
赤外吸収染料を含有する層の上に設ける層としては、各
種の機能を有する層であってもよく、また、特別の機能
を有していない層であってもよい。上記各種の機能を有
する層としては、耐擦傷性を向上させるためのハードコ
ート層、表面反射を防止する反射防止層、導電性層、防
眩層、粘着層等の層が挙げられる。これらの層は、赤外
吸収染料を含有する層の上層とすることも下層とするこ
ともできる。耐擦傷性を向上させるためのハードコート
層は赤外吸収染料を含有する層の上に設けることが好ま
しい。ハードコート層は活性線硬化樹脂(例えば、活性
線硬化樹脂)、熱硬化樹脂等を含む塗布組成物を塗設す
ることことにより形成することができる。活性線硬化性
樹脂とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋
反応などを経て硬化する樹脂であり、紫外線硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げら
れる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化
型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステル
アクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレー
ト系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹
脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができ
る。活性線硬化樹脂層の塗布組成物は固形分濃度は10
〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適
当な濃度が選ばれる。
【0026】塗布には、例えば、グラビアコーター、ス
ピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコータ
ー、リバースコーター、押出コーター、エアードクター
コーター等公知の方法を用いることができる。塗布量は
ウェット膜厚で0.1〜30μmが適当で、好ましく
は、0.5〜15μmである。塗布速度は好ましくは1
0〜100m/minで行われる。紫外線硬化樹脂組成
物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、
照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化樹脂の硬
化効率、作業効率等からすると3秒〜2分がより好まし
い。活性線硬化性樹脂を光硬化反応させ硬化皮膜層を形
成するために用いる光源は、紫外線を発生する光源であ
ればいずれでも使用することができ、例えば、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボン
アーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を
用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによ
って異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm
2程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/
cm2である。近紫外線領域から可視光線領域にかけて
の光源を使用するときには、その領域に吸収極大のある
増感剤を用いる。これらのハードコート層は中心線平均
表面粗さ1〜50nmのクリアハードコート層であるこ
とが好ましく、紫外線硬化樹脂組成分に微粒子を添加し
て、中心線平均表面粗さRaを0.1〜0.5μmとし
て防眩層であってもよい。
【0027】本発明において、反射防止層としては公知
の反射防止層を用いることができる。反射防止層はいず
れでもよく特に限定されるものではなく例えば、蒸着に
よって設けることもでき、塗設によって設けることもで
きる。反射防止層は多層構成とすることができ、例え
ば、支持体側から中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層
を順次設けた層構成とすることができる。また、例え
ば、特願2000−23906号明細書に記載の反射防
止層も用いることができる。反射防止層はハードコート
層の上に設けることができ、光学フィルムの表面層とし
て設けることが好ましい。
【0028】導電性層としては、表面比抵抗(23℃、
25%RH)が1×1012Ω/□以下とする導電性層が
好ましい。より好ましくは、1×1011Ω/□以下、更
に好ましくは、1×1010Ω/□以下である。導電性を
付与させる物質としては、例えば、導電性ポリマー、導
電性微粒子を挙げることができる。用いる導電性ポリマ
ーは特に限定されず、アニオン性、カチオン性、両性及
びノニオン性のポリマーのいずれでもよいが、その中で
も好ましいものは、アニオン性、カチオン性のポリマー
である。より好ましいアニオン性のポリマーとしては、
例えば、スルホン酸系のポリマー、カルボン酸系のポリ
マーが挙げられ、カチオン性としては、3級アミン系の
ポリマー、4級アンモニウム系のポリマーが挙げられ
る。導電性ポリマーの具体例としては、例えば、特公昭
52−25251号公報、特開昭51−29923号公
報、特公昭60−48024号公報に記載のアニオン性
ポリマー、特公昭57−18176号公報、同57−5
6059号公報、同58−56856号公報、米国特許
第4,118,231号明細書などに記載のカチオン性
ポリマー又はラテックスを挙げることができる。また、
用いる導電性微粒子は特に限定されず、導電性微粒子の
例としては導電性を有する金属酸化物が挙げられる。金
属酸化物の例としては、ZnO、TiO 2、SnO2、A
23、In23、SiO2、MgO、BaO、Mo
2、V25等、或いはこれらの複合酸化物が好まし
く、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種
原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、
In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添
加、又SnO2に対しては、Sb、Nb、Fなどハロゲ
ン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加
量は0.01mol%〜25mol%の範囲が好ましい
が、0.1mol%〜15mol%の範囲が特に好まし
い。また、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体
積抵抗率は107Ωcm以下特に105Ωcm以下であっ
て、1次粒子径が100Å以上0.2μm以下で、高次
構造の長径が300Å以上6μm以下である特定の構造
を有する粉体を導電層に体積分率で0.01%以上20
%以下含んでいることが好ましい。特に好ましい導電性
層は、特開平9−203810号公報に記載されている
アイオネン導電性ポリマーあるいは分子間架橋を有する
第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマーなどを含有
する導電性層である。
【0029】本発明の光学フィルムには、プラズマディ
スプレイ等の他の素子に貼り付けるために、粘着剤層あ
るいは接着剤層を設けることもできる。粘着剤層を形成
する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の材料、
例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤,シリコーン
系粘着剤などを使用することができる。アクリル系粘着
剤としては、主成分として、例えば、アクリル酸エステ
ル単独重合体、アクリル酸エステル単位を2種以上を含
む共重合体及びアクリル酸エステルと他の官能性単量体
との共重合体から選ばれた少なくとも一種を含有するも
のが用いられる。上記アクリル酸エステルとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシルなど
が挙げられる。また、上記官能性単量体としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有
単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)ア
クリルアミドなどのアミド基含有単量体などが挙げられ
る。アクリル系粘着剤は、一般に、溶剤型とエマルジョ
ン型に大別され、溶剤型は、通常、前記アクリル系ポリ
マー、溶剤、架橋剤及び所望に応じて用いられる粘着付
与剤などから構成されている。架橋システムとしてはメ
チロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ
架橋などが利用されている。一方、エマルジョン型は、
通常、前記アクリル系ポリマー、乳化剤、水性溶媒、所
望に応じて用いられる粘着付与剤などから構成されてい
る。ゴム系粘着剤としては、主成分として、例えば、天
然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリ
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体などの中から選ばれた少なくとも一種を含有
するものが用いられる。このゴム系粘着剤には、所望に
応じ、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、充填剤などを
配合することできる。また、ゴム系粘着剤の形態として
は、通常、溶剤型やゴムのラテックスを用いたエマルジ
ョン型のものがあり、これらはどちらも好ましく用いら
れる。シリコーン系粘着剤としては、例えば、主成分と
してポリジメチルシロキサンやポリジフェニルシロキサ
ンを含有し、さらに所望に応じて粘着付与剤、可塑剤、
充填剤などを含有する溶剤型のものが好ましく用いられ
る。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ま
しくは10〜60μmの範囲である。
【0030】本発明の光学フィルムにおいては、支持体
に各層を形成する場合、支持体との、あるいは、各層間
の接着性を改善するために、コロナ放電処理、プラズマ
放電処理等の処理を行ない、接合表面を改質することが
できる。これらの処理によって塗布液の濡れ性を改善し
たり、接着性をより高めることもできる。また、支持体
との、あるいは、各層間の接着性を改善するために、下
引き層等の易接着層を設けることも好ましい。
【0031】また、本発明の光学フィルムには、紫外線
吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤は光学
フィルムの支持体、支持体上に設けられたいずれの層に
添加してもよい。本発明に用いる有用な紫外線吸収剤
は、サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸フェニル、
4−t−チルフェニルサリチル酸等)、ベンゾフェノン
誘導体(例えば、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)、ベン
ゾトリアゾール誘導体(例えば、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール等)、アクリロニ
トリル誘導体(例えば、2−エチルヘキシル−2−シア
ノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、メチル−α−
シアノ−β−(p−メトキシフェニル)アクリレート
等)、安息香酸誘導体(例えば、、レゾルシノール−モ
ノベンゾエート、2′,4′−ジ−t−ブチルフェニル
−3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシべンゾエート
等)または有機金属錯塩(例えば、ニッケルビス−オク
チルフェニルサルファミド、エチル−3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシべンジルリン酸のニッケル塩
等)等である。本発明で好ましく用いられる上記記載の
紫外線吸収剤は、透明性が高く、光学装置の劣化を防ぐ
効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がよ
り少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ま
しい。紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使用条件
などにより一様ではないが、通常、光学フィルム1m2
当り、0.1g〜2.0gとするのが好ましく、0.3
g〜1.5gがさらに好ましく、0.5g〜1.0gが
特に好ましい。
【0032】また、本発明の光学フィルムには表面の滑
り性を付与するために微粒子(マット剤)を添加するこ
とができる。微粒子としては、無機物及び/または有機
物が単独であるいは適宜組み合わされて用いられる。無
機粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化ジルコニ
ウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等の微粒子を挙
げることができ、また、有機粒子としては、例えば、ア
クリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、尿素
樹脂、ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタアクリル酸メ
チルアクリレート樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリ
メチルメタクリレート樹脂、シリコーン系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミ
ン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂等からなる微粒子
を挙げることができる。しかし、用いることができるマ
ット剤はこれらに限定されるものではない。上記二酸化
珪素の微粒子の具体例としては、例えば、アエロジルR
972、R974、R812、200、300、R20
2、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)
製)等の商品名を有する市販品が挙げられ、本発明にお
いてはこれら市販の二酸化珪素の微粒子を使用できる。
また、酸化ジルコニウムの微粒子の具体例としては、例
えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエ
ロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が挙げら
れ、本発明においてはこれら市販の酸化ジルコニウムの
微粒子を使用できる。有機化合物の微粒子としては、例
えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等の
微粒子が好ましく、中でも、シリコーン樹脂の微粒子が
好ましく用いられる。シリコーン樹脂は三次元の網状構
造を有するものが好ましく、例えば、トスパール10
3、同105、同108、同120、同145、同31
20及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の
商品名を有する市販品が挙げられ、本発明においてはこ
れら市販のシリコーン樹脂の微粒子を使用できる。これ
らの微粒子の体積平均粒径としては、0.01μm〜
0.5μmが好ましい。添加の割合は、固形分あたり
0.01〜0.5質量%となるように添加されているこ
とが望ましい。
【0033】表面の滑り性は動摩擦係数によって表現さ
れるが、JIS−K−7125(1987)に準じて測
定した場合に、本発明の光学フィルムは、フィルム表面
と裏面間の動摩擦係数が2以下であることが好ましく、
さらに1.5以下であることが好ましく、特に1.0以
下であることが好ましい。0.5以下であることが最も
好ましい。マット剤の添加量を増やすことによって動摩
擦係数は低くすることができる。また、表面の滑り性
は、鋼球での測定で、動摩擦係数0.4以下、好ましく
は0.2以下である。本発明の光学フィルムを、プラズ
マディスプレイ用前面フィルタとして用いた場合、高い
耐久性が得られる。
【0034】以下に、本発明の光学フィルムの具体的層
構成を図により説明するが、本発明の光学フィルムの層
構成はこれら図1〜5に示された層構成に限定されるも
のではない。図1〜5において、1は支持体、2は赤外
吸収染料を含有する層、3はハードコート層、4は反射
防止層、5は粘着剤層、6は導電性層、7は導電性を有
する赤外吸収染料を含有する層を示す。反射防止層4は
中屈折率層4a、高屈折率層4b、低屈折率層4cの3
層から構成されている。図1に示された光学フィルムで
は、支持体1の一方の面には赤外吸収染料を含有する層
2、ハードコート層3、反射防止層4が順次設けられ、
支持体1の反対の面には粘着剤層5が設けられている。
図2に示された光学フィルムでは、支持体1の一方の面
には赤外吸収染料を含有する層2、ハードコート層3、
反射防止層4が順次設けられ、支持体1の反対の面には
導電性層6、粘着剤層5が順次設けられている。図3に
示された光学フィルムでは、支持体1の一方の面には導
電性を有する赤外吸収染料を含有する層7、ハードコー
ト層3、反射防止層4が順次設けられ、支持体1の反対
の面には粘着剤層5が設けられている。図4に示された
光学フィルムでは、支持体1の一方の面には導電性層
6、ハードコート層3、反射防止層4が順次設けられ、
支持体1の反対の面には赤外吸収染料を含有する層2、
ハードコート層3、粘着剤層5が順次設けられている。
図5に示された光学フィルムでは、支持体1の一方の面
には赤外吸収染料を含有する層2、導電性層6、ハード
コート層3、反射防止層4が順次設けられ、支持体1の
反対の面には粘着剤層5が設けられている。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1 (二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムの作製)テレフタル酸ジメチル100質量部、エチ
レングリコール65質量部、ジエチレングリコール2質
量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物
0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換反
応を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.
05質量部、リン酸トリメチルエステル0.03質量部
を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280
℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.70、
融点(Tm)261℃、ガラス転移温度(Tg)76℃
のポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリエ
チレンテレフタレートを150℃で8時間真空乾燥した
後、昇温して溶融し、押出機を用いて285℃で溶融押
出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加して密着させ、
冷却固化させ、未延伸シートを得た。この未延伸シート
をロール式縦延伸機を用いて、85℃で縦方向に1.2
倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内であった。得ら
れた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、
95℃で横方向に4.5倍延伸した。次いで、70℃で
2秒間熱処理し、更に熱固定ゾーン180℃で25秒間
熱固定した。次いで、150℃で横(幅手)方向に弛緩
処理し巻き取り、横方向の幅1500mm、厚さ60μ
mの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(支持体)を作製した。
【0036】《光学フィルム1(本発明)の作製》光学
フィルム1の層構成は以下のとおりである。二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム/赤外線
吸収染料含有層1(導電性)/ハードコート層(紫外線
硬化樹脂層)/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
(層構成において、「/」は隣接して積層されているこ
とを意味する。以下同じ。) 光学フィルム1において、中屈折率層/高屈折率層/低
屈折率層は反射防止層として機能している。二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム(支持
体)の片面に、下記赤外線吸収染料含有層塗布組成物1
を塗布し、80℃で5分間乾燥し、膜厚0.3μmの赤
外線吸収染料含有導電性層1(導電性)を設けた。 〈赤外線吸収染料含有層塗布組成物1〉 導電性樹脂(平均粒径0.1μm) 0.8kg
【0037】
【化12】 例示化合物1−1 0.2kg ポリエステル樹脂(バイロン#200 東洋紡(株)製) 1kg メチルエチルケトン 30kg トルエン 63kg 次に、この上層に下記ハードコート塗布組成物を15m
l/m2となるように塗布し、80℃で5分間乾燥後、
UV(高圧水銀ランプ)で90mJ/cm2の照射をし
てハードコート層を設けた。ハードコート層の膜厚は5
μmで、中心線平均表面粗さRaは0.03μmであっ
た。 〈ハードコート塗布組成物〉 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 20.0kg ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 7.5kg ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 7.5kg ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.5kg メチルエチルケトン 38l プロピレングリコールモノメチルエーテル 38l
【0038】次に、ハードコート層の上に、下記中屈折
率層塗布液を10ml/m2となるように塗布し、80
℃で5分乾燥し、UV(高圧水銀ランプ)で300mJ
/cm2の照射をして中屈折率層を設けた。中屈折率層
の膜厚は0.1μm、屈折率は1.65であった。 〈中屈折率層塗布液〉 チタンテトラブトキシド 9.5g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.9g カチオン性硬化樹脂(KR−566 旭電化工業社製) 0.9g 2−プロパノール 75ml ジメチルホルムアミド 8ml 10%塩酸水溶液 2.6ml さらに、中屈折率層の上に、下記高層折率塗布液を10
ml/m2となるように塗布し、80℃で5分乾燥し、
UV(高圧水銀ランプ)で300mJ/cm2の照射を
して高屈折率層を設けた。高層折率層の膜厚は0.1μ
m、屈折率は1.85であった。 〈高屈折率層塗布液〉 チタンテトラブトキシド 14.5g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.25g カチオン性硬化樹脂(KR566 旭電化工業社製) 0.25g 1−ブタノール 75ml ジメチルホルムアミド 3ml 10%塩酸水溶液 3ml 次に、高屈折率層の上に、下記低屈折率層塗布液(1)
を10ml/m2となるように塗布し、80℃で5分乾
燥後、100℃で10分間加熱し低屈折率層を設け、光
学フィルム1を得た。なお、低屈折率層の膜厚は0.1
μm、屈折率は1.45であった。 〈低屈折率層塗布液(1)〉 テトラエトキシシラン加水分解物* 27g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.8g アルミニウムトリスエチルアセトアセテート 0.8g 2%アセトン分散微粒子シリカ(商品名:アエロジル200V、日本アエロジル (株)製)(超音波分散) 30ml シクロヘキサノン 50ml フッ素系界面活性剤(メガファックF−172 大日本インキ社製) 0.1g* テトラエトキシシラン加水分解物の調製方法 テトラエトキシシラン250gにエタノール380gを
加え、この溶液に3gの塩酸(12N)を235gの水
に溶解した塩酸水溶液を室温で、ゆっくり滴下した。滴
下後、3時間室温で撹拌して調製した。
【0039】《光学フィルム2(本発明)の作製》光学
フィルム2の層構成は以下のとおりである。 導電層/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム/赤外線吸収染料含有層2/ハードコート
層(紫外線硬化樹脂層)/中屈折率層/高屈折率層/低
屈折率層 赤外線吸収染料含有導電性層1に代え、下記赤外線吸収
染料含有層塗布組成物2を二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム(支持体)上に押し出しコ
ートし、80℃で乾燥させて乾燥膜厚3μmの赤外線吸
収染料含有層2を設けた以外は、光学フィルム1と同様
にしてハードコート層、反射防止層(中屈折率層、高屈
折率層、低屈折率層)を設けた。また、二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム(支持体)の
反対側に、下記導電性層塗布液(1)を乾燥膜厚で0.
2μmとなるように塗設し、導電層を形成し光学フィル
ム2を得た。 〈赤外線吸収染料含有層塗布組成物2〉 例示化合物1−1 0.5kg ポリエステル樹脂(バイロン#200 東洋紡(株)製) 5kg メチルエチルケトン 30kg トルエン 60kg 〈導電性層塗布液(1)〉 酸化スズ・酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 1.4kg ポリエステル樹脂(バイロン#200東洋紡(株)製) 1kg メチルエチルケトン 60kg トルエン 30kg
【0040】《光学フィルム3(本発明)の作製》光学
フィルム2の層構成は以下のとおりである。 導電層/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム/赤外線吸収染料含有層3/ハードコート
層(紫外線硬化樹脂層)/中屈折率層/高屈折率層/低
屈折率層 赤外線吸収染料含有導電性層1に代え、下記赤外線吸収
染料含有層塗布組成物3を二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム(支持体)上に押し出しコ
ートし、80℃で乾燥させて乾燥膜厚1μmの赤外線吸
収染料含有層3を設けた以外は、光学フィルム1と同様
にしてハードコート層、反射防止層(中屈折率層、高屈
折率層、低屈折率層)を設けた。また、二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム(支持体)の
反対側に、上記導電性層塗布液(1)を乾燥膜厚で0.
2μmとなるように塗設し、導電層を形成し光学フィル
ム3を得た。 〈赤外線吸収染料含有層塗布組成物3〉 例示化合物2−1 1kg ポリエステル樹脂(バイロン#200 東洋紡(株)製) 5kg メチルエチルケトン 30kg トルエン 60kg
【0041】《比較光学フィルム1(比較)の作製》比
較光学フィルム1の層構成は以下のとおりである。 比較赤外線吸収染料含有層1/二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム/ハードコート層(紫
外線硬化樹脂層)/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率
層 二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム(支持体)の片面に、下記比較赤外線吸収染料含有層
塗布組成物1を塗布し、80℃で5分間乾燥し、膜厚は
0.3μmの比較赤外線吸収染料含有層1を設けた。ま
た、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(支持体)の反対の面に、前記ハードコート塗布
組成物を塗布し、80℃で5分間乾燥後、UV(高圧水
銀ランプ)で90mJ/cm2の照射をしてハードコー
ト層を設けた。ハードコート層の膜厚は5μmであっ
た。次いで、このハードコート層の上に、光学フィルム
1と同様にして中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を
設け、比較光学フィルム1を得た。 〈比較赤外線吸収染料含有層塗布組成物1〉 赤外吸収染料H 1.0kg
【0042】
【化13】 ポリエステル樹脂(バイロン#200東洋紡(株)製) 5kg メチルエチルケトン 30kg トルエン 60kg
【0043】《光学フィルム4(本発明)の作製》光学
フィルム4の層構成は以下のとおりである。 トリアセチルセルロースフィルム/赤外線吸収染料含有
層4(導電性)/ハードコート層(紫外線硬化樹脂層)
/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層 トリアセチルセルロースフィルム(コニカタック KC
8UX2MW 膜厚80μm)(支持体)の片面に、下
記赤外線吸収染料含有層塗布組成物4を塗布し、80℃
で5分間乾燥し、膜厚0.3μmの赤外線吸収染料含有
層4(導電性)を設けた。次に、この上層に前記ハード
コート塗布組成物を塗布し、80℃で5分間乾燥後、U
V(高圧水銀ランプ)で90mJ/cm2の照射をして
ハードコート層を設けた。ハードコート層の膜厚は5μ
mで、中心線平均表面粗さRaは0.01μmであっ
た。 〈赤外線吸収染料含有層塗布組成物4〉 アクリル樹脂(ダイヤナール BR−75(三菱レーヨン(株)製)) 0.4kg 導電性樹脂(平均粒径0.1μm) 0.5kg
【0044】
【化14】 例示化合物1−1 0.1kg プロピレングリコールモノメチルエーテル 65l メチルエチルケトン(MEK) 20l MeOH 10l 乳酸エチル 5l 次に、ハードコートの上に、前記中屈折率層塗布液を1
0ml/m2となるように塗布し、80℃で5分乾燥
し、UV(高圧水銀ランプ)で300mJ/cm 2の照
射をして中屈折率層を設けた。中屈折率層の膜厚は0.
1μm、屈折率は1.65であった。さらに、中屈折率
層の上に、前記高屈折率塗布液を10ml/m2となる
ように塗布し、80℃で5分乾燥し、UV(高圧水銀ラ
ンプ)で300mJ/cm2の照射をして高屈折率層を
設けた。高屈折率層の膜厚は0.1μm、屈折率は1.
85であった。次に、高屈折率層の上に、下記低屈折率
層塗布液(2)を10ml/m2となるように塗布し、
80℃で5分乾燥後、100℃で10分間加熱し低屈折
率層を設け、光学用フィルム4を得た。低屈折率層の膜
厚は0.1μm、屈折率は1.45であった。 〈低屈折率層塗布液(2)〉 テトラエトキシシラン加水分解物* 27g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.8g アルミニウムトリスエチルアセトアセテート 0.8g アセトン 30ml シクロヘキサノン 50ml フッ素系界面活性剤(メガファックF−172 大日本インキ社製) 0.1g* テトラエトキシシラン加水分解物の調製方法 テトラエトキシシラン250gにエタノール380gを
加え、この溶液に3gの塩酸(12N)を235gの水
に溶解した塩酸水溶液を室温で、ゆっくり滴下した。滴
下後、3時間室温で撹拌して調製した。
【0045】《光学フィルム5(本発明)の作製》光学
フィルム5の層構成は以下のとおりである。 導電層/トリアセチルセルロースフィルム/赤外線吸収
染料含有層5/ハードコート層(紫外線硬化樹脂層)/
中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層 赤外線吸収染料含有層4(導電性)に代え、下記赤外線
吸収染料含有層塗布組成物5をトリアセチルセルロース
フィルム(コニカタック KC8UX2MW膜厚80μ
m)(支持体)上に押し出しコートし、80℃で乾燥さ
せて乾燥膜厚3μmの赤外線吸収染料含有層5を設けた
以外は、光学フィルム4と同様にしてハードコート層、
反射防止層(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)を
設け、トリアセチルセルロースフィルム(コニカタック
KC8UX2MW 膜厚80μm)(支持体)の反対
側に、下記導電性層塗布液(2)を乾燥膜厚で0.2μ
mとなるように塗設し、導電層を形成し光学フィルム5
を得た。 〈赤外線吸収染料含有層塗布組成物5〉 アクリル樹脂(ダイヤナール BR−88(三菱レーヨン(株)製)) 5.0kg 例示化合物1−1 0.3kg メチルエチルケトン 60kg プロピレングリコールモノメチルエーテル 30kg 〈導電性層塗布液(2)〉 酸化スズ・酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 1.4kg アクリル樹脂(ダイヤナール BR−88(三菱レーヨン(株)製)) 1.0kg アセトン 70l シクロヘキサノン 20l トルエン 10l 《光学フィルム6(本発明)の作製》光学フィルム6の
層構成は以下のとおりである。 導電層/TACフィルム(支持体)/赤外線吸収染料含
有層6/ハードコート層(紫外線硬化樹脂層)/中屈折
率層/高屈折率層/低屈折率層 赤外線吸収染料含有導電性層4に代え、下記赤外線吸収
染料含有層塗布組成物6をトリアセチルセルロースフィ
ルム(コニカタック KC8UX2MW 膜厚80μ
m)(支持体)上に押し出しコートし、80℃で乾燥さ
せて乾燥膜厚1μmの赤外線吸収染料含有層6を設けた
以外は、光学フィルム4と同様にしてハードコート層、
反射防止層(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)を
設け、トリアセチルセルロースフィルム(コニカタック
KC8UX2MW 膜厚80μm)(支持体)の反対
側に、上記導電性層塗布液(2)を乾燥膜厚で0.2μ
mとなるように塗設し、導電層を形成し光学フィルム6
を得た。 〈赤外線吸収染料含有層塗布組成物6〉 例示化合物2−1 1.0kg アクリル樹脂(ダイヤナール BR−88(三菱レーヨン(株)製)) 5.0kg メチルエチルケトン 65kg プロピレングリコールモノメチルエーテル 35kg
【0046】《比較光学フィルム2(比較)の作製》比
較光学フィルム2の層構成は以下のとおりである。 比較赤外線吸収染料含有層1/トリアセチルセルロース
フィルム/ハードコート層(紫外線硬化樹脂層)/中屈
折率層/高屈折率層/低屈折率層 トリアセチルセルロースフィルム(コニカタック KC
8UX2MW 膜厚80μm)(支持体)の片面に、上
記比較赤外線吸収染料含有層塗布組成物1を塗布し、8
0℃で5分間乾燥し膜厚0.3μmの比較赤外線吸収染
料含有層1を設け、トリアセチルセルロースフィルム
(コニカタック KC8UX2MW 膜厚80μm)
(支持体)の反対の面に、前記ハードコート塗布組成物
を塗布し、80℃で5分間乾燥後、UV(高圧水銀ラン
プ)で90mJ/cm2の照射をしてハードコート層を
設けた。ハードコート層の膜厚は5μmであった。この
上に、光学フィルム4と同様にして中屈折率層、高屈折
率層、低屈折率層を順次設け、比較光学フィルム2を得
た。
【0047】得られた光学フィルム試料について下記の
耐久性試験を行った。 《耐久性試験》試料に、アイスーパーUVテスター S
UV−F1(岩崎電気(株)製)を用い、紫外線強度1
00mW/cm2の強度で、20℃で50時間照射した
後、23℃、55%RHの室内に24時間放置した。こ
の試料を赤外線式テレビ用リモコンの受信窓部に配置し
て、リモコンから発せられる赤外線を遮蔽することがで
きるか確認したところ、本発明の光学フィルム1〜6は
前記赤外線を遮蔽することが確認されたが、比較光学フ
ィルム1及び2は前記赤外線を遮蔽することができなく
なっていることが確認され、本発明の光学フィルムは耐
久性に優れていることが確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明の光学フィルムは、耐久性に優れ
ており、長期にわたって初期の性能を維持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルムの一実施態様を示した説
明図である。
【図2】本発明の光学フィルムの一実施態様を示した説
明図である。
【図3】本発明の光学フィルムの一実施態様を示した説
明図である。
【図4】本発明の光学フィルムの一実施態様を示した説
明図である。
【図5】本発明の光学フィルムの一実施態様を示した説
明図である。
【符号の説明】
1:支持体 2:赤外吸収染料を含有する層 3:ハードコート層 4:反射防止層 5:粘着剤層 6:導電性層 7:導電性を有する赤外吸収染料を含有する層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/36 B32B 27/36 C08K 5/1545 C08K 5/1545 5/19 5/19 5/45 5/45 C08L 67/00 C08L 67/00 G02B 1/11 H04N 5/72 Z 1/10 C08L 33/04 H04N 5/72 G02B 1/10 A // C08L 33/04 Z Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA19 CA24 2K009 AA06 AA15 BB24 CC24 CC38 CC42 CC45 DD02 EE03 4F100 AA28 AA29 AH02B AH03B AJ04 AK01C AK24B AK41A AK41B AK52 AR00A AR00D BA04 BA07 BA10A BA10D CA07B DE01 EH46 EJ08 EJ38A EJ42 EJ54 GB41 JB14C JD20 JG01B JL00 JN18D 4J002 BG011 BG041 BG051 BG061 CF001 EL086 EN006 EV306 FD096 GF00 GQ00 5C058 AA11 AB05 BA35 DA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも2層の積層された
    層を有する光学フィルムにおいて、表面層以外の少なく
    とも1層が赤外吸収染料を含有する層であることを特徴
    とする光学フィルム。
  2. 【請求項2】 赤外吸収染料を含有する層の上に、紫外
    線硬化樹脂層が設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の光学フィルム。
  3. 【請求項3】 反射防止層が設けられていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 【請求項4】 導電性層が設けられていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. 【請求項5】 赤外吸収染料を含有する層のバインダー
    が、アクリル系樹脂またはポリエステル系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 赤外吸収染料が、チオピリリウムスクア
    リリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリ
    リウムスクアリリウム染料、ピリリウムクロコニウム染
    料のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の光学フィルム。
  7. 【請求項7】 チオピリリウムスクアリリウム染料、チ
    オピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリ
    ウム染料、ピリリウムクロコニウム染料が、下記一般式
    (1)で表される染料であることを特徴とする請求項6
    に記載の光学フィルム。 【化1】 [式中、Xは硫黄原子または酸素原子を表し、R11、R
    12は各々1価の置換基を表す。また、R11、R12は協同
    して環を形成するものであってもよい。m1、n1は各々
    0〜4の整数を表す。]
  8. 【請求項8】 赤外吸収染料が、下記一般式(2)で表
    される染料であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の光学フィルム。 【化2】 [式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26は各々1
    価の置換基を表す。また、R21、R22、R23、R24、R
    25、R26は協同して環を形成するものであってもよい。
    2、n2は各々0〜4の整数を表す。]
  9. 【請求項9】 支持体が、二軸延伸ポリエステルフィル
    ムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記
    載の光学フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜10のいずれかに記載の光
    学フィルムを設けたことを特徴とするプラズマディスプ
    レイ用前面フィルタ。
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