JPH1138892A - 光学樹脂パネル - Google Patents

光学樹脂パネル

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JPH1138892A
JPH1138892A JP9207376A JP20737697A JPH1138892A JP H1138892 A JPH1138892 A JP H1138892A JP 9207376 A JP9207376 A JP 9207376A JP 20737697 A JP20737697 A JP 20737697A JP H1138892 A JPH1138892 A JP H1138892A
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JP
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film
transmittance
light
less
infrared
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JP9207376A
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English (en)
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Mitsuru Kajita
充 梶田
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ADO UNION KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視波長領域の光は透過し、電磁波がシール
ドされ、近赤外線が遮断された、外光の映り込みの少な
い高コントラストの鮮明画像が得られる光学樹脂パネ
ル。 【解決手段】 可視波長領域の特定透過率を有する光透
過性樹脂平面板及び可視波長領域の特定透過率を示す近
赤外波長領域の透過率が10%以下の光透過性樹脂材料
からなる近赤外波長吸収フィルム又は同様の性質を示す
透明板と、透明導電性フィルムと、反射防止フィルムと
から構成され、且つそれらが特定積層構造をとっている
光学樹脂パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イやテレビジョン受像機等に使用される光学樹脂パネル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイやテレビジョン受
像機等に使用されている従来の前面パネルとしては、プ
ラスチックフィルムに金属薄膜や酸化物薄膜を形成せし
めて、電磁波シールドや反射防止などの機能を夫々単独
に付与したフィルムをガラス基板や樹脂基板に張り付け
たもの、ガラス基板もしくは樹脂基板に直接単独に電磁
波シールドや反射防止などの機能を付与したものや、或
いは金属板を透過率が40〜80%になるように透孔し
て電磁波シールド機能を持たせたりしたものが知られて
いる。
【0003】例えば、特開昭61−80707号公報
は、ポリメチルメタクリレート樹脂基板に酸化インジウ
ムと酸化スズからなる透明導電性の膜をその両面、片面
或いは面全体に、網目状又は棒状に形成して電磁波をシ
ールドする透明導電材料を開示している。
【0004】また、特開昭61−110498号公報に
開示されている電磁波シールド用フィルターは、鉄を素
材とする板状のフィルター本体に透過率が40〜80%
になるように透孔を設け、その余の透孔されない金属部
で電磁波をシールドし、且つ、その片面に黒色層を設け
ることで反射防止をするフィルターである。
【0005】その他、特公平4−15441号公報に
は、透明性プラスチックフィルムに金属薄膜及び酸化物
薄膜を形成し、その酸化物薄膜の表面に偏光フィルムを
接着剤で貼り合わした反射防止フィルムが開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
これらの電磁波シールドや反射防止策をほどこした前面
パネルは、電磁波シールド効果が不充分で、周囲の電
子、電気機器に対する妨害を完全に防止することができ
なかったし、反射防止効果も低く、外光コントラストの
劣化や周囲の人や物(特に照明器具等光るもの)の写り
込みによる画質の劣化も避けることができなかった。
【0007】更に、プラズマディスプレイの近赤外線光
の発生に対しては、上記の電磁波シールドや反射防止等
の技術の組合わせでは防止できず、近赤外線のリモート
コントロール(以下リモコンという)を利用した電気機
器に誤作動を起こさせるという大きな問題があった。
【0008】ちなみに、プラズマディスプレイは、表示
セルの蛍光体を放電により発光させて画像を写し出すた
めに表示セルから電磁波が放出されており、又、表示セ
ル内部に封じ込めたガスや壁面の蛍光体によって近赤外
線光が発光されていることが知られている。従って、プ
ラズマディスプレイの画面から放出される電磁波をシー
ルドし、同時に近赤外線を吸収するには、プラズマディ
スプレイ本体の外側ガラス表面に電磁波シールドと近赤
外線吸収の両機能を設けるか、全面に取り付けた光学樹
脂パネルに電磁波シールドと近赤外線吸収の両機能を付
与する必要がある。
【0009】ところで、電磁波シールドは、電磁波を吸
収するのではなく、大半は電磁波を反射して、外部への
漏洩防止や外部からの侵入阻止に働くのが一般的となっ
ている。すなわち、電磁波としての入射波は通常、導体
に当たると反射損失と反射反復損失となり大半が反射さ
れ、一部が吸収損失となって吸収され、透過が減少され
て透過波になっている。つまり、電磁波が導体に当たる
と導体内にうず電流が誘導されて、これが電磁波を反射
する効果を果たしているのである。
【0010】一方、プラズマディスプレイの画面から放
出される光には、可視光線領域の可視光と近赤外線領域
の近赤外線光の2種類の光があり、そのうちの後者の近
赤外線光が分光感度特性を有したリモコンの受光素子で
あるPINホトダイオードに入光して、各種電気機器に
誤作動を与えてしまうのが問題なのである。したがっ
て、前記の特開昭61−80707号公報に開示されて
いるような透明導電材料では、電磁波シールドは可能と
しても、近赤外線光の吸収はできず、各種電気機器の誤
作動は避け得ないし、反射防止膜機能がないので外光コ
ントラストの劣化や周囲の人や物の写り込みによる画質
の劣化も防止できない。
【0011】また、前記の特開昭61−110498号
公報に示されているような鉄を素材とするフィルター本
体に複数の透孔をあけ、透過率40〜80%にしたもの
も、やはり電磁波シールドは可能であるが、近赤外線光
の吸収ができないので各種電気機器に誤作動を与える
し、反射防止機能がなく外光コントラストの劣化や周囲
の人や物の写り込みによる画質の劣化、さらには透孔の
ためのPDPセルとのピッチによりモアレの発生という
問題を生じる。
【0012】前記の特公平4−15441号公報に開示
されている、透明性プラスチックフィルムの表面に金属
薄膜や酸化物薄膜が形成され、偏光フィルムを接着剤層
で貼り合わせた反射防止フィルターにしても、反射防止
機能があるので、外光コントラストや周囲の人や物の写
り込みの防止は可能であるが、電磁波シールドや近赤外
線光の吸収は不可能であり、各種電気機器に誤作動を与
えるという問題は解決し得ない。
【0013】さらに、上記の電磁波シールド板と反射防
止フィルターを組合わせて使用しても夫々の性能は特に
向上せず、逆に組合わせることによって透過率の低下や
モアレ等が生じる上、肝心の近赤外線の吸収は不可能で
あり、各種電気機器に誤作動を与えるという問題に対し
てはやはり無力なのである。
【0014】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決し、プラズマディスプレイ等から放射される電磁
波をシールドし、近赤外線光を吸収して、外部機器の誤
作動をなくし、且つ外光の写り込みを減少し、高いコン
トラストの鮮明な画像が得られる光学樹脂パネルを提供
することを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を、本発明の第
1発明である光学樹脂パネルは、近赤外線の遮断を近赤
外波長領域では10%以下の透過率となるように調整さ
れた選択波長平面板で行い、一方、電磁波シールドを1
0Ω/cm2 以下の表面抵抗の透明導電フィルムで行
い、外光の映り込みの少ない高コントラストの鮮明画像
を得るのに、反射率が5%以下の反射防止フィルムで行
うことによって解決したのである。
【0016】すなわち第1発明は、可視波長領域の透過
率が40〜70%で、近赤外波長領域の透過率が15%
以下の光透過性樹脂材料からなる選択波長の平面板(A
1)と、10Ω/cm2 以下の表面抵抗のAg含有透明
導電性被膜を有する透明導電性フィルム(B)と、反射
率が5%以下の反射防止膜を有する反射防止フィルム
(C)とから構成され、且つその断面構造が(C)−
(A1)−(B)−(C)の積層構造になっている可視
波長領域の透過率が40〜70%で電磁波と近赤外線を
遮断し、外交の映り込みの少ない高コントラストの鮮明
画像が得られる光学樹脂パネルを提供するものである。
【0017】上記の第1発明で用いる選択波長平面板
は、透明樹脂材料に400nm〜700nmの可視波長
領域の透過率を50〜80%の範囲にする例えばアゾ
系、ピラゾロン系又はアントラキノン系の染料もしくは
顔料0.0005〜0.01%と、800nm〜110
0nmの近赤外波長領域の透過率を15%以下にする例
えば金属錯体系又はフタロシアニン系の近赤外線吸収剤
0.01〜0.1%とからなる光透過性制御剤を添加し
たものを押出成形して得た平面板が用いられる。
【0018】本発明で用いる透明導電フィルムは、厚さ
20〜300μの透明樹脂フィルムの表面に30〜10
0ÅのAg層と30〜100Åの誘電体層を交互に3〜
9層の奇数層を積層せしめた、400nm〜700nm
の可視波長領域の透過率が50〜80%で、800nm
〜1100nmの近赤外波長領域の透過率が20〜50
%であり、且つ表面抵抗が10Ω/cm2 以下の透明導
電性被膜を有するフィルムが用いられる。
【0019】本発明で用いる反射防止フィルムは、厚さ
20〜300μの透明樹脂フィルムの表面に屈折率1.
6〜1.69の材料を0.07〜0.2μの膜厚でコー
ティングし、さらに屈折率1.34〜1.4の材料を
0.07〜0.2μの膜厚でコーティングした、表面抵
抗が1010Ω/cm2 以下の帯電防止機能と5%以下の
反射防止機能を持つ薄膜を有するフィルムが用いられ
る。
【0020】次に本発明の第2発明である光学樹脂パネ
ルは、前記の電磁波シールドを透明導電フィルムで行
い、近赤外線の遮断は近赤外吸収フィルムで行い、さら
に外光の映り込みの少ない高コントラストの鮮明画像は
反射防止フィルムで行うことにより本発明の課題を解決
したのである。
【0021】すなわち第2発明は、可視波長領域の透過
率が85〜95%の光透過性樹脂からなる平面板(A
2)と、可視波長領域の透過率が50〜80%で近赤外
波長領域の透過率が10%以下の光透過性樹脂材料から
なる近赤外波長吸収フィルム(A3)、10Ω/cm2
以下の表面抵抗のAg含有透明導電性被膜を有する透明
導電性フィルム(B)と、反射率が5%以下の反射防止
膜を有する反射防止フィルム(C)とから構成されてい
ることを特徴とする可視波長領域の光は透過し、電磁波
がシールドされ、近赤外線が遮断された、外光の映り込
みの少ない高コントラストの鮮明画像が得られる光学樹
脂パネルであり、且つその断面構造が(C)−(A3)
−(A2)−(B)−(C)又は(C)−(A2)−
(A3)−(B)−(C)又は(C)−(A2)−
(B)−(A3)−(C)の積層構造になっている光学
樹脂パネルを提供するものである。
【0022】第2発明で用いる近赤外波長吸収フィルム
(A3)は、透明樹脂材料に400nm〜700nmの
可視波長領域の透過率を50〜80%の範囲に属する例
えばアゾ系、ピラゾロン系又はアントラキノン系の染料
もしくは顔料0.005〜0.3%と、800nm〜1
100nmの近赤外波長領域の透過率を10%以下にす
る例えば金属錯体系又はフタロシアニン系の近赤外線吸
収剤0.01〜10%とからなる光透過性制御剤を添加
したものを厚さ20〜30μのフィルムにしたものが用
いられる。
【0023】また、近赤外波長吸収フィルム(A3)
は、厚さ20〜300μの透明樹脂フィルムに400n
m〜700nmの可視波長領域の透過率を50〜80%
の範囲に属する例えばアゾ系、ピラゾロン系又はアント
ラキノン系の染料もしくは顔料0.05〜10%と、8
00nm〜1100nmの近赤外波長領域の透過率を1
0%以下にする例えば金属錯体系又はフタロシアニン系
の近赤外線吸収剤0.1〜50%を主成分とする光透過
性制御剤を0.1〜1μの膜厚でコーティングしたフィ
ルムを使用してもよい。なお、第2発明で用いる透明導
電フィルムと反射防止フィルムは、前記第1の発明と同
じものが使用される。
【0024】第3発明の光学樹脂パネルは、近赤外線の
遮断を平面板の外側又は内側表面に印刷された近赤外波
長吸収インク材料で行い、透明導電フィルムと反射防止
フィルムは第1、2発明と同じものを使用して、電磁波
シールドと外光の映り込みの少ない高コントラストの鮮
明画像が得られるようにすることによって本発明の課題
を解決した。
【0025】すなわち第3発明は、400nm〜700
nmの可視波長領域の透過率を50〜80%の範囲にす
る例えばアゾ系、ピラゾロン系又はアントラキノン系の
染料もしくは顔料0.05〜10%と、800nm〜1
100nmの近赤外波長領域の透過率を10%以下にす
る例えば金属錯体系又はフタロシアニン系の近赤外線吸
収剤0.1〜50%とを主成分とする光透過性を制御で
きるインクを可視波長領域で85〜95%の透過率を有
する平面板(A2)の内側もしくは外側のいずれか一面
に印刷した光透過性制御平面板(A4)と、10Ω/c
2 以下の表面抵抗のAg含有透明導電性被膜を有する
透明導電フィルム(B)と、反射率が5%以下の反射防
止膜を有する反射防止フィルム(C)とから構成され、
その断面構造が(C)−(A4)−(B)−(C)の積
層構造になっている、可視波長領域の光は透過し、電磁
波がシールドされ、近赤外線が遮断された、外光の映り
込みの少ない高コントラストの鮮明画像が得られる光学
樹脂パネルを提供するものである。
【0026】第3発明で用いるインクは、メジウムとし
て透明なアクリル系又はエポキシ系メジウムのものを用
い、一方、印刷はスクリーン印刷によって5μ以下の膜
厚になるように行う。
【0027】第4発明の光学樹脂パネルは、近赤外線の
遮断を近赤外波長吸収接着剤で行うことが特徴で、該接
着剤を光透過性樹脂平面板、透明導電フィルム、又は反
射防止フィルムのいずれか1つに5μ以下の厚さで塗工
して、上記平面板の内側平面に第1、2発明で用いられ
る透明導電フィルムと反射防止フィルムを張り付けて、
可視光線領域の光は透過させ、電磁波シールドと近赤外
線を遮断し、外光の映り込みの少ない高コントラストの
鮮明画像が得られるようにすることによって前記の課題
を解決した。
【0028】すなわち第4発明は、400nm〜700
nmの可視波長領域の透過率を50〜80%の範囲にす
る例えばアゾ系、ピラゾロン系又はアントラキノン系の
染料もしくは顔料0.05〜10%と、800nm〜1
100nmの近赤外波長領域の透過率を10%以下にす
る例えば金属錯体系又はフタロシアニン系の近赤外線吸
収剤0.1〜50%とを主成分とする光透過性を制御で
きる接着剤を可視波長領域で85〜95%の透過率を有
する平面板(A2)、又は10Ω/cm2 以下の表面抵
抗のAg含有透明導電性被膜を有する透明導電フィルム
(B)又は反射率が5%以下の反射防止膜を有する反射
防止フィルム(C)のいずれか1つに5μ以下の厚さで
塗工したものを用い、且つその断面構造が(C)−(A
2)−(B)−(C)の積層構造になっている、可視波
長領域の光は透過し、電磁波がシールドされ、近赤外線
が遮断された、外光の映り込みの少ない高コントラスト
の鮮明画像が得られる光学樹脂パネルを提供するもので
ある。
【0029】第5発明の光学樹脂パネルは、近赤外線の
遮断を近赤外波長領域の800nm〜900nmの透過
率を10%以下にする近赤外吸収材料が混入された樹脂
で成形された選択波長平面板と近赤外波長領域の900
nm〜1100nmの透過率を10%以下にする近赤外
波長フィルムで行うことが特徴で、第1、2発明の透明
導電フィルムと、反射防止フィルムを張り付ける構成
で、可視光線領域の光は透過させ、電磁波シールドと近
赤外線を遮断し、外光の映り込みの少ない高コントラス
トの鮮明画像が得られるようにしたのである。
【0030】すなわち第5発明は、800nm〜900
nmの近赤外波長領域の透過率を10%以下にする例え
ばNiジチオール系錯体の近赤外吸収剤を、400nm
〜700nmの可視波長領域の透過率を50〜80%の
範囲の樹脂に添加した後、成形して得た平面板(A5)
と、900nm〜1100nmの近赤外波長領域の透過
率が10%以下の近赤外波長吸収フィルム(A6)と、
請求項3記載の透明導電フィルム(B)と、請求項4記
載の反射防止フィルム(C)とから構成され、且つその
断面構造が(C)−(A6)−(A5)−(B)−
(C)又は(C)−(A5)−(A6)−(B)−
(C)又は(C)−(A5)−(B)−(A6)−
(C)の積層構造になっている、可視波長領域の光は透
過し、電磁波がシールドされ、近赤外線が遮断された、
外光の映り込みの少ない高コントラストの鮮明画像が得
られる光学樹脂パネルを提供するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明は、画像を画面に映し出す
目的に使用されるプラズマディスプレイ、液晶ディスプ
レイ又はテレビジョン受像機などの映像画面の前面に使
用される光学樹脂パネルに関する発明であり、第1発明
には前記の構成により、選択波長平面板で可視光線領域
での光の透過により映像が映し出され、近赤外波長領域
では15%以下の透過率のために映像画面から放出され
る妨害光線を遮断し、透明導電フィルムにより電磁波シ
ールドをして、反射防止フィルムにより外光の映り込み
の少ない高コントラストの鮮明画像が得られるという作
用がある。
【0032】そして、第1発明で用いられる選択波長平
面板には可視光線領域での光の透過により映像が映し出
され、近赤外波長領域では15%以下の透過率のために
映像画面から放出される妨害光線を遮断できる作用があ
る。
【0033】又、第1発明で用いられる透明導電フィル
ムにはディスプレイから発生する電磁波をシールドする
作用がある。さらに、第1発明で用いられる反射防止フ
ィルムには静電気の帯電によるゴミやホコリの付着防止
と反射防止機能による外光の映り込みの少ない高コント
ラストの鮮明画像が得られる作用がある。
【0034】本発明の第2発明も、第1発明と同じ目的
に使用される光学樹脂パネルに関する発明であり、前記
の構成により、可視光線領域の光の透過により映像が映
し出され、前記透明導電フィルムにより電磁波がシール
ドされ、前記近赤外波長吸収フィルムにより映像画面か
ら放出される妨害光線を遮断し、前記反射防止フィルム
により外光の映り込みの少ない高コントラストの鮮明画
像が得られるという作用がある。
【0035】その第2発明に用いられる近赤外波長吸収
フィルムには、可視光線領域での光の透過により映像が
映し出され、近赤外波長領域では15%以下の透過率の
ために映像画面から放出される妨害光線を遮断できる作
用がある。
【0036】第3発明は、前記の近赤外波長吸収インク
を印刷して製造された近赤外波長吸収平面板を用いるこ
とにより、第2発明と同じ作用がある。
【0037】第4発明は、前記した近赤外吸収接着剤を
平面板、透明導電フィルム、または反射防止フィルムの
いずれか1つに5μ以下の厚さで塗工することを特徴と
するものであって、第2発明と同様の作用がある。
【0038】第5発明は、近赤外波長領域の800nm
〜900nmの透過率が15%以下となる近赤外吸収材
料が混入され、可視領域の400nm〜700nmの透
過率が50%〜80%の範囲となる樹脂で成形された選
択波長平面板と、近赤外波長領域の900nm〜110
0nmの透過率が15%以下となる近赤外波長吸収フィ
ルムの組合わせに特徴があり、第2発明と同じ作用があ
る。
【0039】
【実施例】
実施例1 実施例1は第1発明の実施例であり、以下図を用いて具
体的に説明する。図1は第1発明の光学樹脂パネルの構
成を説明するための正面図(a)と断面図(b)であ
り、図2はその光学樹脂パネルの光線透過率曲線、図3
は用いた選択波長平面板の光線透過率曲線、図4は用い
た透明導電フィルムの構成断面図、図5はその導電フィ
ルムの光線透過率曲線、図6はその透明導電フィルムの
EMIシールド特性、図7は用いた反射防止フィルムの
構成断面図、図8はプラズマディスプレイより発光され
る発光スペクトル、図9は各種電気製品のリモートコン
トロールの分光感度特性、図10は第1発明の光学樹脂
パネルの電磁波シールド曲線、図11は用いた反射防止
フィルムと光学パネルの反射率曲線を示す。
【0040】実施例1の光学樹脂パネル5は、図1に示
したように、選択波長平面板1の映像光8の入光側平面
6に、透明導電フィルム2を張り付け、その透明導電フ
ィルム2の外周部にアースをとるための電極3を印刷
し、そして電極3以外の透明導電フィルム2の全面に反
射防止フィルム4を張り付け、一方、選択波長平面板1
の映像光8の出光側平面7には反射防止フィルム4を張
り付けたパネルである。
【0041】選択波長平面板1は、図3に示したよう
に、可視波長領域(400nm〜700nm)の透過率
が92%前後の光線透過曲線9の無色透明なアクリル樹
脂に、金属錯体系の近赤外線吸収剤(商品名SIR−1
28,三井東圧社製)を0.01%添加した光透過性樹
脂材料を押出成形機でシート状に成形し、可視波長領域
の透過率が75〜80%で近赤外波長領域(800nm
〜1000nm)の透過率が10〜15%の光線透過率
曲線10となるようにした平面板である。
【0042】なお、本実施例では、光線透過率曲線10
となる選択波長平面板1を使用したが、映像ディスプレ
イの必要とする明るさやコントラストの要求に従って、
近赤外線吸収剤の添加量を0.01%〜0.1%の範囲
で変化させることにより、選択波長平面板1の光線透過
率曲線を上限光線透過率曲線11から下限光線透過率曲
線12としたものも使用することができる。
【0043】その場合、上限光線透過率曲線11の選択
波長平面板1を使用すれば明るさは向上するがコントラ
ストは低下してしまう。従って、明るい映像ディスプレ
イが必要な場合は可視光線透過率の高い光線透過率にな
るように近赤外線吸収剤の添加量を少なくし、コントラ
ストのよい映像ディスプレイが必要な場合は可視光線透
過率の低い光線透過率になるように近赤外線吸収剤の添
加量を多くして目的に応じた明るさやコントラストにす
ることができる。
【0044】平面板の基本材料である無色透明な樹脂材
料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、三
酢酸セルロース(TAC)樹脂、その他公知の無色透明
で透過率の高い樹脂が用いられる。
【0045】近赤外線吸収剤としては金属錯体系、アン
トラキノン系、フタロシアニン系、その他公知の近赤外
線吸収剤が使用できる。また、それらを混合して使用す
ることもできる。
【0046】透明導電フィルム2は、図4に示したよう
に、厚さ20μ〜300μの透明樹脂フィルム13(P
ET,TAC等)の表面に、真空蒸着機にてAgを30
Åの膜圧でAg膜14を蒸着し、その上に30Åの膜厚
で公知の誘電体を膜状に形成し(15)、さらに同様に
して30Åの膜厚のAg膜16と30Åの膜厚の誘電体
膜17及び30Åの膜厚のAg膜18を蒸着形成してな
る5層膜で、表面抵抗が2Ω/cm2 の光を透過する透
明導電性被膜19を有するフィルムである。
【0047】この透明導電フィルム2は上記構成によ
り、図5に示したように、可視領域(400nm〜70
0nm)の透過率が70%で近赤外波長領域(800n
m〜1100nm)の透過率が800nm付近で50
%、1100nm付近では15%と徐々に低下していく
透過率曲線20の透過率を有している。また、本発明で
は上記実施例以外にも上限透過率曲線21から下限透過
率曲線22の範囲で映像画面の明るさとコントラストの
調整が可能である。
【0048】さらに、この透明導電フィルム2は上記構
成により、図5に示した実施例1のの透過率曲線20の
場合、図6に示されるように、EMIシールド特性は5
0MHzで75DBとなり120MHzで65DBのE
MIシールド特性23を示し、25〜35DBのシール
ド効果を有している。
【0049】また、本発明では映像ディスプレイの放出
電磁波に対するEMIシールドが得られるように、上限
のEMIシールド特性24から下限のEMIシールド特
性25の範囲で選択した透明導電性被膜19を形成する
ことができる。
【0050】なお、表面抵抗が10Ω/cm2 以上の上
限EMIシールド特性24のものは、実施例1のEMI
シールド特性23のシールド特性よりシールド効果は低
下(−5DB)するが、透過率は図5に示した上限透過
率曲線21となり、映像画面は明るく(10%前後)な
る。また、表面抵抗が0.1Ω/cm2 の下限EMIシ
ールド特性25のものは、実施例1のEMIシールド特
性23のシールド特性よりシールド効果は高くなる(+
10〜15DB)が透過率は図5に示した下限透過率曲
線22となり、映像画面は暗く(20%前後)なる。
【0051】このように、本発明では、映像ディスプレ
イに必要なEMIシールド特性及び映像画面の明るさと
コントラストのバランスを考えて透明導電フィルムのE
MIシールド特性と透過率曲線を選択することができ
る。
【0052】透明導電性被膜の膜構成3層の場合が上限
光線透過率曲線21で上限EMIシールド特性24の透
明導電フィルムとなり、膜構成9層の場合が下限光線透
過率曲線22で下限EMIシールド特性25の透明導電
フィルム2となる。したがって、最適な電磁波シールド
性能と明るさやコントラストの要求に応じて、透明導電
フィルムの透明導電性被膜の膜構成を3〜9層の奇数多
層膜の中から選択して使用される。
【0053】反射防止フィルム4は、図7に示したよう
に、厚さ20μ〜300μの透明樹脂フィルム26(P
ET、TAC等)の表面に、屈折率n=1.6〜1.6
9の材料を0.07μ〜0.2μの膜厚でコーティング
して帯電防止膜27を形成し、さらに屈折率n=1.3
4〜1.4の低屈折率材料を0.07μ〜0.2μの膜
厚でコーティングして反射防止膜28を形成し、1010
/cm2 以下の表面抵抗の帯電防止と2%以下の反射防
止機能の薄膜を形成してなるフィルムである。
【0054】実施例1の反射防止フィルム4の帯電防止
膜27は、厚さ25μの透明樹脂フィルム26の表面に
導電性のあるSnO2 微粉末含有溶液をコーティング装
置で厚さ0.15μの薄膜に形成したもので、表面抵抗
が2.5×108 /cm2 で静電気の帯電を防止できる
とともに周囲のゴミやホコリの付着が防止できる効果が
ある。
【0055】帯電防止膜として使用される導電性のある
材料は、前記SnO2 以外にTiO2 やSb2 5 やS
iO2 等の金属酸化物や無機酸化物で静電気が帯電しな
い条件として1010/cm2 以下の表面抵抗の帯電防止
膜を形成できるものである。また、帯電防止膜の膜厚
は、使用帯電防止材料の屈折率と表面抵抗値により、
0.07μ〜0.2μの範囲で最適な帯電防止と反射率
となるように膜厚を調整することが重要である。
【0056】実施例1の反射防止フィルム4の反射防止
膜28は、屈折率n=1.34の低屈折率材料であるフ
ッ素樹脂を使用して、コーティング装置で厚さ0.1μ
の薄膜を形成したもので、基板の透過率が92%〜9
8.5%、反射率が8%〜1.5%の反射率となり、且
つ透過率と反射率が6.5%改善される効果がある。
【0057】また、反射防止膜28においては、帯電防
止膜の屈折率n=1.6〜1.69の材料と反射防止膜
の屈折率n=1.34〜1.4の低屈折率材料を組み合
わせて0.07μ〜0.2μの膜厚で2層コートされ
る。反射防止フィルム4には、MgF2 、TIO、Sn
2 等の金属酸化物を真空蒸着やスパッタリング等の方
法で製造したものを使用してもよい。
【0058】以上説明したように、本実施例の光学樹脂
パネル5は、図2に示したように、選択波長平面板1の
光線透過率曲線10(図3)と、透明導電フィルム2の
透過率曲線20(図5)により選択波長表面板1と透明
導電フィルム2の合成光線透過率曲線30を有し、反射
防止フィルム4の透過率6.5%向上と組合わせて光学
樹脂パネル5の光線透過率曲線31となる。
【0059】なお、本発明の光学樹脂パネル5において
は、選択波長平面板1と透明導電フィルム2の上限透過
率曲線と下限透過率曲線の範囲内から映像ディスプレイ
に必要な最適透過率曲線を選択して使用することもでき
る。ただし、選択波長平面板1の下限透過率曲線12と
透明導電フィルム2の下限透過率曲線22の合成光線透
過率曲線では可視波長領域の透過率が30%となり、映
像画面が暗くなりすぎるので、可視波長領域の透過率は
最低40%以上の透過率となるように透過率の選択をす
ることが重要である。
【0060】以上に説明した光学樹脂パネル5をプラズ
マディスプレイの前面に取り付けることにより、次のよ
うな性能特性の改善と効果が得られた。まず、図8に示
したプラズマディスプレイから放射される近赤外線領域
(800〜1050nm)の発光放射曲線32が、図9
に示した各種電気機器のリモコンの受光部に使用されて
いるPINホトダイオードの分光感度特性33とほぼ同
じ近赤外線領域(700〜1100nm)のため、プラ
ズマディスプレイの映像中にその周囲に設置されている
各種電気機器のリモコンが誤作動するという問題に対し
ては、本発明の光学樹脂パネル5では、図2に示したよ
うに光線透過率曲線31の近赤外線透過率が10%以下
となっているため、上記のプラズマディスプレイから放
射される近赤外線領域(800〜1050nm)の発光
放射曲線32が遮蔽されて外部には放射されず、リモコ
ンの受光部には届かないために各種電気機器の誤作動が
なくなるという効果がある。
【0061】又、光学樹脂パネル5に張り付けられた透
明導電フィルム2がアースをとるために設けられた外周
部の電極3とプラズマディスプレイのアルミニウム製キ
ャビネットとアースされて、プラズマディスプレイの映
像画面から放出される有害放射電磁波のシールド効果
が、図10に示したように、従来の樹脂パネルのシール
ド曲線34に対し、本発明の光学樹脂パネルのシールド
曲線35にみるように8〜12DB改善されている。
【0062】さらに、本発明の光学樹脂パネル5に張り
付けられた反射防止フィルム4が、図11に示したよう
に、従来の樹脂パネルが反射防止膜なしの反射率曲線3
6を示し、平均反射率が10%と高い反射率で外光が反
射して画面が白っぽくなりコントラストが劣化するとと
もに、周囲の物体が画面に写り込むという問題があるの
に対し、透明導電フィルムの高い反射率が反射防止フィ
ルムの反射率曲線37(平均反射率が2%)と合成され
て、本願発明の光学パネルの反射率曲線38となり、前
記の従来樹脂パネルの問題点である外光反射が改善され
て、画面の白浮きが減少してコントラストが向上し、周
囲の物体が画面に写り込むという問題も改善された。
【0063】なお、画面の写り込みを減少させるために
従来樹脂パネルの表面をアンチグレアー処理(表面を微
細な凹凸にする)しているものもあるが、この方法は表
面の微細な凹凸により外光の乱反射が大きくなってコン
トラストの劣化が起こり、画像がぼやけて(凹凸が大き
くなればなる程フレアーが大きくなる)画像の鮮明度が
失われるという欠点がある。
【0064】実施例2 実施例2は第2発明の実施例であり、図を用いて以下に
説明する。図12は実施例2の光学樹脂パネルの構成を
説明するための正面図(a)と断面図(b)であり、図
13は用いる近赤外波長吸収フィルムの構成を説明する
正面図(a)と断面図(b)であり、図14はその近赤
外波長吸収フィルムと透明導電フィルムと反射防止フィ
ルムの光線透過率曲線と前記3つのフィルムを組み合わ
せた光学樹脂パネルの合成光線透過率曲線を示す。
【0065】本実施例の光学樹脂パネル43は、図12
に示したように、光透過性樹脂材料からなる平面板41
の映像光8の平面入光側に、透明導電フィルム2を張り
付け、その透明導電フィルム2の外周部にアースをとる
ための電極3を印刷し、電極3以外の透明導電フィルム
2の全面に反射防止フィルム4を張り付けるとともに、
前記平面板41の映像光8の出光側平面に近赤外波長吸
収フィルム42を張り付け、さらに反射防止フィルム4
を張り付けた構成を有するものである。
【0066】本実施例で用いる近赤外波長吸収フィルム
は、可視波長領域(400nm〜700nm)の透過率
を50%〜80%の範囲にするためにアゾ系、ピラゾロ
ン系又はアントラキノン系等の染料や顔料を0.005
%〜0.3%添加し、さらに近赤外波長領域(800n
m〜1100nm)の透過率を10以下にするために、
金属錯体系、フタロシアニン系等の近赤外線吸収剤を
0.01%〜10%添加したPETまたはTAC樹脂
を、厚さ20μ〜300μのフィルムに成形したもので
ある。
【0067】実施例1で説明したように、近赤外線吸収
剤の混入量が少ない方が可視波長領域と近赤外波長領域
の透過率が高くなり、混入量が多くなれば逆に透過率が
低くなるので必要な最適透過率となるように混入量を調
整する必要がある。
【0068】近赤外波長吸収フィルム42は、図14に
示されるように可視波長領域の透過率が70%で、近赤
外波長領域の透過率は800nm付近で50%、110
0nm付近で15%と徐々に低下していく光線透過率曲
線49を示す。この近赤外波長吸収フィルム42の光線
透過率曲線は、図3に示したように、実施例1の選択波
長平面板1の上限透過率曲線と下限透過率曲線と同じ範
囲で調整使用できる。
【0069】従って、本実施例の光学樹脂パネル43
は、図14に示したように、近赤外波長吸収フィルム4
2の光線透過率曲線49と平面板41の光線透過率曲線
47と透明導電フィルム2の光線透過率曲線48とが合
成された、合成光線透過率曲線50を示し、さらに、反
射防止フィルム4と合成されて光線透過率曲線51を示
す。
【0070】また、図13に示した透明樹脂フィルム4
4の片側表面に近赤外波長吸収膜45を形成した近赤外
波長吸収フィルム46を、近赤外波長吸収フィルム42
の代わりに、平面板41の映像光8の出光側平面に張り
付け、反射防止フィルム4を張り付けて光学樹脂パネル
43を構成してもよい。
【0071】近赤外波長吸収フィルム46は、可視波長
領域(400nm〜700nm)の透過率を50%〜8
0%の範囲にするためにアゾ系、ピラゾロン系又はアン
トラキノン系等の染料や顔料を0.05%〜10%添加
し、さらに近赤外波長領域(800nm〜1100n
m)の透過率を10以下にするために、金属錯体系、フ
タロシアニン系等の近赤外線吸収剤を0.1%〜50%
添加した印刷インクまたはコーティング液を、PETま
たはTAC樹脂製の厚さ20μ〜300μの透明樹脂フ
ィルム44の片側表面にグラビア印刷、オフセット印刷
またはロールコーター等の方法で0.1μ〜1μの厚さ
で近赤外波長吸収膜45を積層せしめたフィルムであ
る。
【0072】その近赤外波長吸収フィルム46は前記の
近赤外波長吸収フィルム42と同様に、図14に示され
るように可視波長領域の透過率が70%で、近赤外波長
領域の透過率が800nm付近で50%で、1100n
m付近で15%と徐々に低下していく光線透過率曲線4
9となるように光線透過率曲線を調整してある。実施例
2の光学樹脂パネル43をプラズマディスプレイの前面
に取り付けることにより、次のような性能特性の改善と
効果が得られた。
【0073】前述したように、プラズマディスプレイか
ら放射される近赤外線領域(800nm〜1050n
m)の発光放射曲線32(図8)が各種電気機器のリモ
コンの受光部に使用されているPINホトダイオードの
分光感度特性33(図9)とほぼ同じ近赤外線領域(7
00nm〜1100nm)のため、プラズマディスプレ
イの映像中にその周囲に設置されている各種電気機器に
誤作動を与えて大きな問題となっているが、本実施例の
光学樹脂パネル43は、図14に示したように近赤外波
長吸収フィルムと透明導電フィルムと反射防止フィルム
の合成による光線透過率曲線51の近赤外線透過率が1
0%となっているため、プラズマディスプレイから放射
される近赤外線領域(800nm〜1050nm)の発
光放射曲線32が遮蔽されて外部に放射されず、リモコ
ンの受光部に届かないため各種電気機器の誤作動がなく
なるという効果がある。
【0074】また、本実施例の光学樹脂パネル43も実
施例1と同様にその透明導電フィルムのEMIシールド
効果により、プラズマディスプレイの映像画面から放出
される有害放射電磁波のシールドが、図10に示される
ように、8〜12DB改善される。さらに、光学樹脂パ
ネル43に張り付けられた反射防止フィルムの効果も実
施例1と同様に得られる。
【0075】なお、上記の光学樹脂パネルの代わりに、
近赤外波長吸収フィルムの張り付け位置を変えることも
できる。例えば、平面板41の入光側平面に近赤外波長
吸収フィルム42を張り付け、その近赤外波長吸収フィ
ルム42に透明導電フィルム2を張り付け、その近赤外
波長吸収フィルム42に透明導電フィルム2を張り付
け、さらにその透明導電フィルム2の表面に反射防止フ
ィルム4を張り付けるとともに、前記平面板41の出光
側平面に反射防止フィルム4を張り付けた構成をとるこ
ともできる。
【0076】また、透明導電フィルム2と近赤外波長吸
収フィルム42の張り付け位置を変えて、入光側平面に
透明導電フィルム2を張り付け、前記透明導電フィルム
2に近赤外波長吸収フィルム42を張り付け、その近赤
外波長吸収フィルム42に反射防止フィルム4を張り付
けた構成でもよい。これらの光学樹脂パネルも、実施例
2の光学樹脂パネルと同様に可視光線領域の光は透過さ
せ、電磁波シールドと近赤外線を遮断し、外光の写り込
みの少ない高コントラストの鮮明画像が得られる。
【0077】実施例3 図15は、実施例3の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)であり、図16は、その別態様の光学樹脂
パネルの正面図(a)と断面図(b)である。本実施例
の光学樹脂パネル55は、図15に示したように、可視
領域では85%〜95%の光線透過率を有した平面板4
1の出光側平面に、可視領域では50%〜80%の透過
率で近赤外線波長領域では(10%)以下の透過率を有
する近赤外波長吸収インクを印刷して、近赤外波長吸収
膜53を形成せしめて製造した近赤外波長吸収平面板5
4の該近赤外波長吸収膜53の表面に反射防止フィルム
4を張り付けるとともに、その近赤外波長吸収平面板5
4の入光側平面に透明導電フィルム2と反射防止フィル
ム4を張り付けたパネルである。
【0078】近赤外波長吸収インクとしては、透明アク
リル系又は透明エポキシ系のメジウムに金属錯体系、フ
タロシアニン系等の近赤外線吸収剤を0.1%〜50%
添加したインクを用いる。そしてこの近赤外波長吸収イ
ンクの近赤外線吸収剤の濃度を調整し、且つ5μ以下の
印刷膜厚にスクリーン印刷して近赤外波長吸収膜53と
することにより、可視光領域では50%〜80%の透過
率で近赤外波長領域では10%以下の透過率を有した近
赤外波長吸収平面板54を得ることができる。
【0079】近赤外波長吸収平面板54は、図14に示
されるように、近赤外波長吸収フィルム42の光線透過
率曲線49と同じ光線透過率曲線を有し、可視波長領域
の透過率が70%で、近赤外波長吸収領域の透過率が8
00nm付近で50%で1100nm付近では15%と
徐々に低下していく光線透過率曲線49を示す。
【0080】この近赤外波長吸収平面板54の光線透過
率曲線は、前記図3に示した実施例1の選択波長平面板
1の上限透過率曲線と下限透過率曲線と同じ範囲で調整
される。したがって、本実施例の光学樹脂パネル55
は、実施例2の図14に示されるように、近赤外波長吸
収平面板54の光線透過率曲線と平面板41の光線透過
率曲線47と透明導電フィルム2の光線透過率曲線48
とが合成されて、合成光線透過率曲線50となり、さら
に、反射防止フィルム4と合成された光学樹脂パネル4
3と同じ光線透過率曲線51となる。
【0081】本実施例の別態様の光学樹脂パネル56
は、図16に示したように、可視領域では85%〜95
%の光線透過率をを有した平面板41の入光側平面に、
可視領域では50%〜80%の透過率で、近赤外波長領
域では10%以下の透過率を有する近赤外波長吸収イン
ク材料を印刷して、近赤外波長吸収膜53を形成せしめ
て製造した近赤外波長吸収平面板54の表面に透明導電
フィルム2と反射防止フィルム4を張り付けるととも
に、近赤外波長吸収平面板54の出光側平面に、反射防
止フィルム4を張り付けて製造したパネルである。これ
らの実施例3の光学樹脂パネルをプラズマディスプレイ
の前面に取り付けることにより、実施例1及び実施例2
と同じ性能特性の改善と効果が得られた。
【0082】実施例4 図17は、実施例4の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)である。この光学樹脂パネルは、図18に
示したように、可視領域では85%〜95%の光線透過
率を有する平面板41の出光側平面に、可視領域では5
0%〜80%の透過率で近赤外波長領域では10%以下
の透過率を有した近赤外波長吸収接着剤57をコーティ
ング又はスクリーン印刷して20μ以下の膜厚にし、反
射防止フィルム4を張り付け、且つ平面板41の入光側
平面に透明導電フィルム2を張り付け、電極3を印刷
し、前記反射防止フィルム4を張り付けたパネルであ
る。
【0083】又、平面板41の入光側平面、透明導電フ
ィルム2、または反射防止フィルム4のいずれか1つに
接着剤59を20μ以下の膜厚で塗工し、前記の各態様
で透明導電フィルム2と反射防止フィルム4を張り付け
た構成をとることもできる。近赤外波長吸収接着剤は、
接着基剤に近赤外波長吸収材料を混入することで製造す
ることができる。実施例4の光学樹脂パネルをプラズマ
ディスプレイの前面に取り付けることにより、実施例
1、2と同じ性能特性の改善と効果が得られた。
【0084】実施例5 図18は、実施例5の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)である。本実施例の光学樹脂パネル62
は、図19に示したように、近赤外波長領域の800n
m〜900nmの透過率が10%以下にするNiジチオ
ール系錯体の近赤外吸収材料を添加し、可視領域の40
0nm〜700nmの透過率が50%〜80%の範囲と
なる樹脂で成形された選択波長平面板60の出光側平面
に、近赤外波長領域の900nm〜1100nmの透過
率が10%以下となる近赤外波長吸収フィルム61を張
り付け、反射防止フィルム4を張り付けるとともに、選
択波長平面板60の入光側平面に透明導電フィルム2を
張り付け、電極3を印刷し、反射防止フィルム4を張り
付けた構成のパネルである。
【0085】ここで用いる選択波長平面板は、近赤外波
長領域の800nm〜900nmの透過率を10%以下
とするために、Niジチオール系錯体の近赤外波長吸収
剤を0.001〜0.1%添加した光透過性樹脂材料を
成形して製造し、図19に示したように、その光線透過
率曲線は上限光線透過率曲線と下限光線透過率曲線の範
囲から必要な光線透過率曲線を選択して使用することが
できる。
【0086】近赤外波長吸収フィルムは、ジイミニウム
系の材料を使用して0.01〜10%添加し、図20に
示す上限光線透過率曲線と下限光線透過率曲線の範囲か
ら必要な光線透過率曲線を選択して使用する。この近赤
外波長吸収フィルムは、選択波長平面板60の入光側平
面の透明導電フィルム2に張り付けて用いてもよい。実
施例5の光学樹脂パネルをプラズマディスプレイの前面
に取り付けることにより、実施例1、2と同じ性能特性
の改善と効果が得られた。
【0087】実施例6 図21は、実施例6の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)である。本実施例の光学樹脂パネルは、図
21に示したように、近赤外波長吸収フィルム42の片
側表面に、透明導電性被膜70を形成して製造した導電
性近赤外波長吸収フィルム71を、平面板41の画像光
の入光側平面に張り付け、電極3を印刷し、反射防止フ
ィルムを張り付けるとともに、平面板41の出光側平面
に反射防止フィルムを張り付けた構成を有する。
【0088】近赤外波長吸収フィルム71は、前記した
近赤外波長吸収フィルム42の片側面に透明導電性被膜
70を形成して製造したものであり、光線透過率曲線は
近赤外波長吸収フィルム42と透明導電フィルム2の合
成光線透過率曲線を示す。また、近赤外波長吸収フィル
ムは、近赤外波長吸収フィルム61を使用して、透明導
電性被膜70を形成せしめて製造してもよい。実施例6
の光学樹脂パネルをプラズマディスプレイの前面に取り
付けることにより、実施例1、2と同じ性能特性の改善
と効果が得られた。
【0089】実施例7 図23は、本実施例の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)である。実施例7の光学樹脂パネル76
は、図23に示したように、近赤外波長吸収フィルム4
2の片側表面に、帯電防止膜73と2%以下の反射防止
膜74を形成せしめて製造した反射防止近赤外波長吸収
フィルム75を、平面板41の出光側平面に張り付け、
平面板41の画像光の入光側平面に透明導電フィルム2
を張り付け、電極3を印刷し、反射防止フィルム4を張
り付けた構成を有する。なお、実施例6と同様に近赤外
波長吸収フィルム61を使用して前記の反射防止近赤外
波長吸収フィルムとしてもよい。実施例7の光学樹脂パ
ネルをプラズマディスプレイの前面に取り付けることに
より、実施例1、2と同じ性能特性の改善と効果が得ら
れた。
【0090】
【発明の効果】本発明の光学樹脂パネルには、平面板や
選択波長平面板と透明導電フィルムと近赤外波長吸収フ
ィルムと反射防止フィルムを組み合わせることにより映
像ディスプレイから放射する近赤外波長領域の光線が透
過率10%以下まで吸収遮断し、且つ表面抵抗10Ω以
下の導電膜が電極により金属キャビネットにアースされ
て、発生電磁波や不要輻射の妨害を遮断して、周辺に設
置されている各種の電気機器や計測器や医療機器への誤
作動や人への健康阻害が防止できるという効果がある。
【0091】また、可視光線領域の光線透過率が40%
〜80%まで自由に調整でき、明るさとコントラストが
自由に選択できるという効果もあり、さらに、帯電防止
膜により静電気によるゴミやホコリの付着も防止でき、
反射防止膜により外光反射による画面が白っぽく浮いた
りせず、周囲の人や物体(特に蛍光灯や電灯等のあか
り)の映り込みも少なく外光コントラストの向上と鮮明
な画像が得られるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光学樹脂パネルの正面図(a)と断
面図(b)。
【図2】実施例1の光学樹脂パネルの光線透過率曲線。
【図3】選択波長平面板の光線透過率曲線。
【図4】光学樹脂パネルに使用される透明導電フィルム
の断面図。
【図5】透明導電フィルムの光線透過率曲線。
【図6】透明導電フィルムのEMIシールド特性。
【図7】反射防止フィルムの断面図。
【図8】プラズマディスプレイより発光される光の発光
スペクトル。
【図9】各電気製品のリモートコントロールの分光感度
特性。
【図10】光学樹脂パネルの電磁波シールド曲線。
【図11】実施例1の反射防止フィルムと光学パネルの
反射率曲線。
【図12】実施例2の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)。
【図13】近赤外波長吸収フィルムの断面図。
【図14】近赤外波長吸収フィルムと透明導電フィルム
と反射防止フィルムの光線透過率曲線とそれら3つのフ
ィルムを組み合わせた光学樹脂パネルの合成光線透過率
曲線。
【図15】実施例3の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)。
【図16】実施例3の別態様の光学樹脂パネルの正面図
(a)と断面図(b)。
【図17】実施例4の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)。
【図18】実施例5の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)。
【図19】実施例5の選択波長平面板の光線透過率曲
線。
【図20】実施例5の近赤外波長吸収フィルムの光線透
過率曲線。
【図21】実施例6の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)。
【図22】実施例7の光学樹脂パネルの正面図(a)と
断面図(b)。
【符号の説明】
1 選択波長平面板 2 透明導電フィルム 3 電極 4 反射防止フィルム 5 光学樹脂パネル 6 入光側平面 7 出光側平面 8 映像光 9 無色透明なアクリル樹脂の光線透過率曲線 10 実施例1の選択波長平面板の光線透過率曲線 11 本発明の選択波長平面板の上限光線透過率曲線 12 本発明の選択波長平面板の下限光線透過率曲線 13 透明樹脂フィルム 14 Ag膜 15 誘電体膜 16 Ag膜 17 誘電体膜 18 Ag膜 19 透明導電性被膜 20 実施例1の透明導電フィルムの光線透過率曲線 21 本発明の透明導電フィルムの上限光線透過率曲線 22 本発明の透明導電フィルムの下限光線透過率曲線 23 実施例1の透明導電フィルムのEMIシールド特
性 24 本発明の上限EMIシールド特性 25 本発明の下限EMIシールド特性 26 透明樹脂フィルム 27 帯電防止膜 28 反射防止膜 29 防汚膜 30 選択波長平面板と透明導電フィルムの合成光線透
過率曲線 31 実施例1の光学樹脂パネルの光線透過率曲線 32 市販のプラズマディスプレイの発光放射曲線 32A 可視光 32B 近赤外線光 33 PINホトダイオードの分光感度特性 34 従来の樹脂パネルのシールド曲線 35 実施例1の光学樹脂パネルのシールド曲線 36 従来の反射防止膜なしの反射率曲線 37 実施例1の反射防止膜の反射率曲線 38 実施例1の光学樹脂パネルの反射率曲線 41 平面板 42 近赤外波長吸収フィルム 43 実施例2の光学樹脂パネル 44 透明樹脂フィルム 45 近赤外波長吸収膜 46 近赤外波長吸収フィルム 47 平面板41の光線透過率曲線 48 透明導電フィルム2の光線透過率曲線 49 近赤外波長吸収フィルム42の光線透過率曲線 50 平面板41と透明導電フィルム2と近赤外波長吸
収フィルム42の合成光線透過率曲線 51 実施例2の光学樹脂パネル43の光線透過率曲線
(反射防止フィルムと合成された光線透過率曲線) 53 近赤外波長吸収膜 54 近赤外波長吸収平面板 55 実施例3の光学樹脂パネル 56 実施例3の別態様の光学樹脂パネル 57 近赤外波長吸収接着剤 58 実施例4の光学樹脂パネル 59 接着剤 60 実施例5の選択波長平面板 61 実施例5の近赤外波長吸収フィルム 62 実施例5の光学樹脂パネル 63 実施例5の選択波長平面板の光線透過率曲線 64 本発明の選択波長平面板の上限透過率曲線 65 本発明の選択波長平面板の下限透過率曲線 66 実施例5の近赤外波長吸収フィルムの光線透過率
曲線 67 本発明の近赤外波長吸収フィルムの上限光線透過
率曲線 68 本発明の近赤外波長吸収フィルムの下限光線透過
率曲線 70 実施例6の透明導電性被膜 71 実施例6の導電性近赤外波長吸収フィルム 72 実施例6の光学樹脂パネル 73 実施例7の帯電防止膜 74 実施例7の反射防止膜 75 実施例7の反射防止近赤外波長吸収フィルム 76 実施例7の光学樹脂パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/11 G02B 5/22 1/10 H01J 11/02 Z 5/22 H04N 5/64 541D H01J 11/02 G02B 1/10 A H04N 5/64 541 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視波長領域の透過率が40〜70%
    で、近赤外波長領域の透過率が15%以下の光透過性樹
    脂材料からなる選択波長の平面板(A1)と、10Ω/
    cm2 以下の表面抵抗のAg含有透明導電性被膜を有す
    る透明導電性フィルム(B)と、反射率が5%以下の反
    射防止膜を有する反射防止フィルム(C)とから構成さ
    れ、且つその断面構造が(C)−(A1)−(B)−
    (C)の積層構造になっている可視波長領域の透過率が
    40〜70%で電磁波と近赤外線を遮断し、外交の映り
    込みの少ない高コントラストの鮮明画像が得られる光学
    樹脂パネル。
  2. 【請求項2】 (A1)の選択波長平面板が、透明樹脂
    材料に400nm〜700nmの可視波長領域の透過率
    を50〜80%の範囲にする染料もしくは顔料0.00
    05〜0.01%と、800nm〜1100nmの近赤
    外波長領域の透過率を15%以下にする近赤外線吸収剤
    0.01〜0.1%とからなる光透過性制御剤を添加し
    たものを押出成形して得た平面板である請求項1記載の
    光学樹脂パネル。
  3. 【請求項3】 (B)の透明導電フィルムが、厚さ20
    〜300μの透明樹脂フィルムの表面に30〜100Å
    のAg層と30〜100Åの誘電体層を交互に3〜9層
    の奇数層を積層せしめた、400nm〜700nmの可
    視波長領域の透過率が50〜80%で、800nm〜1
    100nmの近赤外波長領域の透過率が20〜50%で
    あり、且つ表面抵抗が10Ω/cm2 以下の透明導電性
    被膜を有するフィルムである請求項1又は2記載の光学
    樹脂パネル。
  4. 【請求項4】 (C)の反射防止フィルムが、厚さ20
    〜300μの透明樹脂フィルムの表面に屈折率1.6〜
    1.69の材料を0.07〜0.2μの膜厚でコーティ
    ングし、さらに屈折率1.34〜1.4の材料を0.0
    7〜0.2μの膜厚でコーティングした、表面抵抗が1
    10Ω/cm2 以下の帯電防止機能と5%以下の反射防
    止機能を持つ薄膜を有する請求項1〜3のいずれかに記
    載の光学樹脂パネル。
  5. 【請求項5】 可視波長領域の透過率が85〜95%の
    光透過性樹脂からなる平面板(A2)と、可視波長領域
    の透過率が50〜80%で近赤外波長領域の透過率が1
    0%以下の光透過性樹脂材料からなる近赤外波長吸収フ
    ィルム(A3)と、10Ω/cm2 以下の表面抵抗のA
    g含有透明導電性被膜を有する透明導電性フィルム
    (B)と、反射率が5%以下の反射防止膜を有する反射
    防止フィルム(C)とから構成されていることを特徴と
    する可視波長領域の光は透過し、電磁波がシールドさ
    れ、近赤外線が遮断された、外光の映り込みの少ない高
    コントラストの鮮明画像が得られる光学樹脂パネル。
  6. 【請求項6】 断面構造が(C)−(A3)−(A2)
    −(B)−(C)又は(C)−(A2)−(A3)−
    (B)−(C)又は(C)−(A2)−(B)−(A
    3)−(C)の積層構造(A2〜Cの各記号の意味は請
    求項5に記載した通り)になっている請求項5記載の光
    学樹脂パネル。
  7. 【請求項7】 (A3)の近赤外波長吸収フィルムが、
    透明樹脂材料に400nm〜700nmの可視波長領域
    の透過率を50〜80%の範囲にする染料もしくは顔料
    0.005〜0.3%と、800nm〜1100nmの
    近赤外波長領域の透過率を10%以下にする近赤外線吸
    収剤0.01〜10%とからなる光透過性制御剤を添加
    したものを厚さ20〜30μのフィルムにしたものであ
    る請求項5又は6記載の光学樹脂パネル。
  8. 【請求項8】 (A3)の近赤外波長吸収フィルムが、
    厚さ20〜300μの透明樹脂フィルムに、400nm
    〜700nmの可視波長領域の透過率を50〜80%の
    範囲にする染料もしくは顔料0.05〜10%と、80
    0nm〜1100nmの近赤外波長領域の透過率を10
    %以下にする近赤外線吸収剤0.1〜50%を主成分と
    する光透過性制御剤を0.1〜1μの膜厚でコーティン
    グしたフィルムである請求項5又は6記載の光学樹脂パ
    ネル。
  9. 【請求項9】 400nm〜700nmの可視波長領域
    の透過率を50〜80%の範囲にする染料もしくは顔料
    0.05〜10%と、800nm〜1100nmの近赤
    外波長領域の透過率を10%以下にする近赤外線吸収剤
    0.1〜50%とを主成分とする光透過性を制御できる
    インクを可視波長領域で85〜95%の透過率を有する
    平面板(A2)の内側もしくは外側のいずれか一面に印
    刷した光透過性制御平面板(A4)と、10Ω/cm2
    以下の表面抵抗のAg含有透明導電性被膜を有する透明
    導電フィルム(B)と、反射率が5%以下の反射防止膜
    を有する反射防止フィルム(C)とから構成され、その
    断面構造が(C)−(A4)−(B)−(C)の積層構
    造になっている、可視波長領域の光は透過し、電磁波が
    シールドされ、近赤外線が遮断された、外光の映り込み
    の少ない高コントラストの鮮明画像が得られる光学樹脂
    パネル。
  10. 【請求項10】 400nm〜700nmの可視波長領
    域の透過率を50〜80%の範囲にする染料もしくは顔
    料0.05〜10%と、800nm〜1100nmの近
    赤外波長領域の透過率を10%以下にする近赤外線吸収
    剤0.1〜50%とを主成分とする光透過性を制御でき
    る接着剤を可視波長領域で85〜95%の透過率を有す
    る平面板(A2)、又は10Ω/cm2 以下の表面抵抗
    のAg含有透明導電性被膜を有する透明導電フィルム
    (B)又は反射率が5%以下の反射防止膜を有する反射
    防止フィルム(C)のいずれか1つに5μ以下の厚さで
    塗工したものを用い、且つその断面構造が(C)−(A
    2)−(B)−(C)の積層構造になっている、可視波
    長領域の光は透過し、電磁波がシールドされ、近赤外線
    が遮断された、外光の映り込みの少ない高コントラスト
    の鮮明画像が得られる光学樹脂パネル。
  11. 【請求項11】 800nm〜900nmの近赤外波長
    領域の透過率を10%以下にする近赤外吸収剤を、40
    0nm〜700nmの可視波長領域の透過率を50〜8
    0%の範囲の樹脂に添加し、それを成形して得た平面板
    (A5)と、900nm〜1100nmの近赤外波長領
    域の透過率が10%以下の近赤外波長吸収フィルム(A
    6)と、請求項3記載の透明導電フィルム(B)と、請
    求項4記載の反射防止フィルム(C)とから構成され、
    且つその断面構造が(C)−(A6)−(A5)−
    (B)−(C)又は(C)−(A5)−(A6)−
    (B)−(C)又は(C)−(A5)−(B)−(A
    6)−(C)の積層構造になっている、可視波長領域の
    光は透過し、電磁波がシールドされ、近赤外線が遮断さ
    れた、外光の映り込みの少ない高コントラストの鮮明画
    像が得られる光学樹脂パネル。
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