JP2004333745A - 光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、透明性が高く、かつ電磁波を安定して遮蔽する製造効率のよい光学フィルタの提供することを主目的とするものである。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、前記透明基材上に形成された接着層と、前記接着層上に形成された金属メッシュと、前記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とする光学フィルタを提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、前記透明基材上に形成された接着層と、前記接着層上に形成された金属メッシュと、前記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とする光学フィルタを提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ等に用いることが可能な電磁波および赤外線を遮蔽する光学フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直接人が接近して利用する電磁波を発生する電子装置、例えばプラズマディスプレイ等のディスプレイ用電子管は、人体への影響を考慮して、電磁波放出の強さを規格内に抑えることが要求されている。これらの要求に対応するため、一般には、電磁波を発生する電子装置等の外部へ流出する電磁波を除去ないし減衰させるために、電磁波シールド等が用いられており、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう。)等のディスプレイ用パネルでは、良好な透視性の光学フィルタを前面に設けるのが普通である。
【0003】
上記電磁波を遮蔽する方法としては、銀等の金属をスパッタリングにより積層する方法や、金属薄膜からなるメッシュを透明基材上に積層して用いる方法(例えば特許文献1)等が知られている。
【0004】
このような電磁波遮蔽に、金属薄膜からなるメッシュを用いた場合には、金属メッシュを斜めから見た際に断面が乱反射し、視野角が減少することから、金属メッシュ以上の厚みを持つ粘着層を貼りあわせて透明化処理を行うことが必要であった。
【0005】
またさらに、光学フィルタには、他の機器の誤動作の防止やリモートコントロールの操作性のため、ディスプレイ内部から発生する近赤外線をカットまたは吸収する機能が求められており、一般的には赤外線吸収フィルム等を積層する方法が用いられている。
【0006】
そこで、上記金属薄膜からなるメッシュ上に透明化を行う粘着層を形成し、さらにこの粘着層上に赤外線吸収フィルムを積層する方法が提案されている。しかしながら、この方法においては、上記粘着層を塗布した際に、メッシュ空隙部分の底部の隅における気泡が抜け難く、貼りあわせの際に、気泡を噛みこんでしまい、光学フィルタの透明性が低下する原因となる。そのため、上記赤外線吸収フィルムと金属メッシュとを貼りあわせた後、オートクレーブ中の減圧環境下にて、一定時間放置する等の脱泡処理等を行う必要があり、製造効率やコストの面で問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−311843号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、透明性が高く、かつ電磁波を安定して遮蔽する製造効率のよい光学フィルタの提供が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とする光学フィルタを提供する。
【0010】
本発明によれば、上記金属メッシュの断面に、上記メッシュ断面被覆層が形成されていることから、上記金属メッシュを斜めから見た際に光が断面で乱反射することを防止することができ、本発明の光学フィルタを、透明性が良好なものとすることができるのである。
【0011】
またさらに、上記金属メッシュの空隙部分の底部の隅も、上記メッシュ断面被覆層に覆われていることから、本発明の光学フィルタにおける金属メッシュ上に、例えばプラズマディスプレイ用パネル等の他の部材が貼りあわせられた場合であっても、メッシュ空隙部分の底部の隅に、気泡が噛みこまれることなく、脱泡処理等を行う必要のない光学フィルタとすることができるのである。
【0012】
また、本発明においては、上記メッシュ断面被覆層が、粘度が0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内のメッシュ断面被覆層用塗工液を塗布することにより形成されたものであることが好ましい。これにより、上記金属メッシュの断面および、メッシュ空隙部分の隅等に、気泡が入ることなく、上記メッシュ断面被覆層を形成することが可能となるからである。
【0013】
また、本発明においては、上記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であることが好ましい。これにより、本発明の光学フィルタを、赤外線吸収フィルム等を貼りあわせることなく、電磁波遮蔽性および赤外線吸収の機能を有するものとすることができ、製造効率やコストの面からも好ましいものとすることができるからである。
【0014】
この際、上記発明においては、上記透明樹脂の水酸基価が10以下であることが好ましい。これにより、上記赤外線吸収剤が、上記透明樹脂中の水酸基と反応等してしまうことを防止することができ、安定に赤外線吸収の機能を発揮することが可能な光学フィルタとすることができるからである。
【0015】
さらに、本発明においては、上記透明樹脂の酸価が10以下であることが好ましい。これにより、上記赤外線吸収剤が、上記透明樹脂中の酸とも反応等することを防止することができることから、より安定に赤外線吸収の機能を有するものとすることができるからである。
【0016】
本発明の光学フィルタは、反射防止層を有するものであってもよい。これにより、上記電磁波遮蔽の機能だけでなく、可視光等の反射防止の機能も有する光学フィルタとすることができるからである。
【0017】
本発明においては、さらにネオン光吸収層を有していてもよい。これにより、例えばプラズマディスプレイパネル等の色調を調整することが可能な光学フィルタとすることができるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、プラズマディスプレイパネル等に用いられる、透明性が高く、電磁波を安定して遮蔽することが可能であり、かつ製造効率よく形成可能な光学フィルタに関するものである。
【0019】
本発明の光学フィルタは、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とするものである。
【0020】
本発明の光学フィルタは、例えば図1に示すように、透明基材1上に、接着層2が形成され、その接着層2上に金属メッシュ3が形成され、その金属メッシュ3の断面(aで示される部分)に、メッシュ断面被覆層4が形成されたものである。
【0021】
本発明によれば、上記金属メッシュの断面に、メッシュ断面被覆層が形成されていることから、金属メッシュ断面で光が乱反射等することなく、透明性の高いものとすることができる。また、上記メッシュ断面被覆層は、上記金属メッシュにおける空隙部分の底部の隅にも形成されていることから、本発明の光学フィルタの金属メッシュ上に、例えばプラズマディスプレイパネルや赤外線吸収フィルム等を透明接着層により貼りあわせる場合であっても、気泡が噛みこまれること等を防ぐことができ、脱泡処理等が不要な、製造効率のよい光学フィルタとすることができるのである。
【0022】
ここで、本発明の光学フィルタには、2つの実施態様があり、第1実施態様としては、上記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層である場合であり、第2実施態様としては、上記メッシュ断面被覆層が、赤外線吸収剤が含有されないメッシュ断面コーティング層である場合である。以下、それぞれの実施態様にわけて説明する。
【0023】
1.第1実施態様
まず、本発明の光学フィルタにおける第1実施態様について説明する。本発明の光学フィルタの第1実施態様は、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有し、かつ上記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であるものである。
【0024】
本実施態様によれば、上記メッシュ断面被覆層が、上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であることにより、別途赤外線吸収フィルム等を貼りあわせる必要がない。また、上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層により、上記金属メッシュ断面における光の乱反射の防止や、他の部材との貼りあわせの際に気泡が噛みこまれること等を防止することができ、電磁波遮蔽性および赤外線吸収の機能を有する、透明性が高く製造効率のよい光学フィルタとすることができるのである。以下、本実施態様の光学フィルタにおける各構成について説明する。
【0025】
a.赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層
まず、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層について説明する。本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は、後述する金属メッシュの断面に形成される層であり、かつ透明樹脂中に赤外線吸収剤を含有する層である。ここで、本実施態様において、メッシュ断面とは、例えば図1に示すように、後述する金属メッシュ3の空隙部分の断面aをいうこととする。また、メッシュ断面被覆層とは、上記メッシュの断面全部を被覆するように、かつ金属メッシュの表面にかからないように形成される層である。
【0026】
本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層について、各構成について説明する。
【0027】
(透明樹脂)
まず、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層における透明樹脂について説明する。本実施態様に用いられる透明樹脂は、後述する金属メッシュの断面を被覆することが可能であり、かつ可視光に対して透明性の高いものであれば、その材料は特に限定されるものではないが、本実施態様においては、透明樹脂中の水酸基価が所定の値以下であることが好ましい。これは、後述する赤外線吸収剤の種類によっては、その赤外線吸収剤が含有される樹脂中の水酸基等と反応する場合があり、これにより安定して赤外線吸収の機能を果たすことが困難となる場合があるからである。
【0028】
上記透明樹脂の水酸基価として、具体的には、10以下、中でも5以下、特に、0であることが好ましい。これにより、透明樹脂中に含有される、例えば対イオンを有する赤外線吸収剤が、透明樹脂に含まれる水酸基により反応すること等を防ぐことができ、安定に赤外線吸収の機能を有する光学フィルタとすることができ、また赤外線吸収剤の選択の幅を広げることが可能となるからである。ここで、水酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg量をいうものである。
【0029】
また、本実施態様においては、上記透明樹脂の酸価が、10以下、中でも5以下、特に、0であることが好ましい。これにより、透明樹脂中に含有される酸と、赤外線吸収剤とが反応等することも防ぐことができ、さらに安定に赤外線吸収の機能を有する光学フィルタとすることができるからである。ここで、酸価とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg量をいう。
【0030】
本実施態様に用いられる、上述したような性質を有する材料として、具体的には、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマ−(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂等を挙げることができ、中でもアクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であることが好ましい。なお、上記樹脂は熱硬化性樹脂であってもよく、またUV硬化性樹脂であってもよい。
【0031】
また、上記樹脂の平均分子量は、500〜60万の範囲内、中でも1万〜40万であることが好ましく、またガラス転移点温度(Tg)は、30℃〜150℃の範囲内、中でも40℃〜130℃の範囲内であることが好ましい。これにより、上記のような性質を有する透明樹脂とすることができるからである。
【0032】
(赤外線吸収剤)
次に、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤について説明する。本実施態様に用いられる赤外線吸収剤は、赤外領域の光を吸収する材料であれば、その種類等は特に限定されるものではない。一般に赤外領域とは800〜1200nmの領域を示し、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤においては、上記領域内での光の透過率が20%以下、中でも10%以下であることが好ましい。上記透過率は、分光光度計 UV−3100PC 島津製作所製にてJIS Z 8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」に記載される方法にて測定を行った値である。
【0033】
本実施態様において、赤外線吸収剤として、具体的には、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化鉛、酸化ビスマス等の無機赤外線吸収剤、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アルミニウム系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、ジイモニウム類、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系錯体類等の有機赤外線吸収剤を1種類、または2種類以上混合して用いることができる。
【0034】
また、上記の有機赤外線吸収剤として具体的には、(以下、日本化薬社製:商品名)IRG−002、IRG−003、IRG−022、IRG−023、IRG−040、(以下、日本触媒社製:商品名)IR−1、IR−10、IR−12、IR−14、TX−EX−906B、TX−EX−910B、(以下、三井化学ファイン社製:商品名)SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159、(以下、みどり化学社製:商品名)MIR−101、MIR−111、MIR−121、MIR−102、MIR−1011、MIR−1021等が挙げられる。
【0035】
通常、対イオン構造の赤外線吸収剤を用いた場合には、その赤外線吸収剤が含有される透明樹脂が水酸基やカルボキシル基、重合開始剤等を有する場合には、その水酸基やカルボキシル基、重合開始剤等により対イオンの均衡状態が崩れ、赤外線吸収の機能を果たすことが困難となる場合がある。
【0036】
本実施態様においては、上述した透明樹脂を用いることから、対イオン構造の赤外線吸収剤であっても、反応等することがなく、本実施態様の効果をより発揮することができるという面から、上記の中でも対イオン構造を有するジイモニウム類、ニッケル錯体類、ジチオール系錯体類、アルミニウム系化合物、シアニン系化合物、ピリリウム系化合物であることが好ましい。
【0037】
また、本実施態様によれば、上記透明樹脂中に上記赤外線吸収剤を含有させる方法としては、上記透明樹脂を溶融させた中に、上記赤外線吸収剤を加え、溶融混練等を行う方法であってもよく、また上記赤外線吸収剤を溶剤等に溶解させて、上記透明樹脂中に混合する方法であってもよい。本実施態様によれば、上述した透明樹脂を用いることから、どちらの方法においても上記赤外線吸収剤を安定に分散させることが可能となるのである。
【0038】
ここで、本実施態様において、上記のうち無機赤外線吸収剤は、微粒子であることが好ましく、平均粒径は0.01μm〜1μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.05μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。また、上記赤外線吸収剤の粒径は、可視光線透過率を良好なものとするために、1μm以下の分布であることが好ましい。
【0039】
(赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層)
次に、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層について説明する。本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は、上記透明樹脂中に、上記赤外線吸収剤が含有されたものである。本実施態様に用いられるメッシュ断面被覆層は、上記赤外線吸収剤が含有された上記透明樹脂を、溶剤等により希釈してメッシュ断面被覆層用塗工液とし、後述する金属メッシュ上に塗布することにより、形成することができる。この際、上記メッシュ断面被覆層用塗工液の粘度は0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内、中でも0.1mPa・s〜10Pa・sの範囲内であることが好ましい。これにより、後述する金属メッシュ空隙部分における底部の隅等に気泡が残ることなく、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を形成することができるからである。
【0040】
また、本実施態様における上記メッシュ断面被覆層用塗工液の塗布は、メッシュ断面被覆層用塗工液を金属メッシュ上に滴下後、印刷用スキージ等を用いて、金属メッシュ上に上記メッシュ断面被覆層良いう塗工液が残らないように塗布し、乾燥または硬化させることにより得ることができる。
【0041】
ここで、上記メッシュ断面被覆層用塗工液に用いられる溶剤としては、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、キシレン、イソプロピルアルコール(IPA)、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、トリフルオロプロパノール等が挙げられる。
【0042】
また、上記透明樹脂がUV硬化性樹脂である場合には、通常UV硬化性インク等に用いられる多官能モノマーや光重合開始剤等を適宜含有していてもよい。
【0043】
ここで、本実施態様においては、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は赤外線の透過率が、20%以下、中でも10%以下であることが好ましい。これにより、例えばプラズマディスプレイ等から発生する赤外線をカットまたは吸収することが可能となり、他の機器の誤動作の防止等をすることができるからである。ここで、上記透過率は、上述した測定法により測定した値である。
【0044】
なお、本実施態様の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は、必要に応じて充填剤、軟化材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を含有するものであってもよい。
【0045】
b.金属メッシュ
次に、本実施態様に用いられる金属メッシュについて説明する。本実施態様に用いられる金属メッシュは、プラズマディスプレイ等から発生した電磁波を遮蔽する機能を有するものである。このような金属メッシュは、後述する透明基材上に、後述する接着層により金属箔が貼りあわせられ、その金属箔がメッシュ状にエッチングされることにより形成される。
【0046】
本実施態様においては、この金属メッシュは、電磁波遮蔽性を有するものであれば、その金属の種類等は特に限定されるものではなく、例えば銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタン等を用いることができる。
【0047】
本実施態様においては、上記の中でも銅が、電磁波のシールド性、エッチング処理適性や取扱い性の面から好ましい。また用いられる銅箔の種類としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられるが、特に電解銅箔であることが好ましい。これにより、厚さが10μm以下の均一性のよいものとすることができ、また黒化処理された際に、酸化クロム等との密着性を良好なものとすることができるからである。
【0048】
ここで、本実施態様においては、上記金属箔の一方の面または両面に黒化処理されていることが好ましい。黒化処理とは、酸化クロム等により金属メッシュの表面を黒化する処理であり、光学フィルタにおいて、この黒化処理面は、観察者側の面となるように配置される。この黒化処理により金属メッシュ表面に形成された酸化クロム等により、光学フィルタ表面の外光が吸収されることから、光学フィルタ表面で光が散乱することを防止することができ、良好な視認性を得ることが可能な光学フィルタとすることができるのである。このような黒化処理は、上記金属箔に黒化処理液を塗布することにより行うことができる。黒化処理の方法としては、CrO2水溶液や、無水クロム酸水溶液に酒石酸、マロン酸、クエン酸、乳酸等の異なるオキシカルボン酸化合物を添加して、6価クロムの一部を3価クロムに還元した溶液等を、ロールコート法、エアーカーテン法、静電霧化法、スクイズロールコート法、浸漬法等により塗布し、乾燥させることにより行なうことができる。なお、この黒化処理は、後述する透明基材上に、後述する接着層により金属箔が貼りあわせられ、メッシュ状にエッチングされた後に行われるものであってもよい。
【0049】
この黒化処理された金属箔の表面の黒濃度が0.6以上であることが好ましい。これにより、より視認性を良好なものとすることができるからである。ここで、黒濃度は、COLOR CONTROL SYSTEMのGRETAG SPM100−11((株)KIMOTO製)を用いて、観測視野角10°、観測光源D50、照明タイプとして濃度標準ANSI Tに設定し、白色キャリブレイション後に測定した値である。
【0050】
また、本実施態様においては、上記金属箔の膜厚は、1μm〜100μmの範囲内、中でも5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が厚いと、エッチングによりパターン線幅を細かく高精細化することが困難となり、また上記範囲より薄い場合には、十分な電磁波シールド性が得られないからである。
【0051】
さらに、本実施態様においては、上記金属箔は、JIS B0601に準拠する十点平均粗さが0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より小さい場合には、上記黒化処理をした場合であっても、光学フィルタ表面の外光が鏡面反射することから、視認性が劣化し、また上記範囲より大きい場合には、接着層やレジスト等を塗布することが困難となるからである。
【0052】
ここで、金属箔のエッチングは、後述する透明基材上に、後述する接着層を用いて貼りあわせられた後に行われるものである。本実施態様において、このエッチングは、通常のフォトリソグラフィー法により行うことができ、例えば金属箔の表面にレジストを塗布し、乾燥した後レジストをパターン版で密着露光し、現像処理を行うことにより得ることができる。
【0053】
本実施態様に用いられる上述したような金属メッシュは、表面抵抗が10−6Ω/□〜5Ω/□の範囲内、中でも10−4Ω/□〜3Ω/□の範囲内であることが好ましい。一般的に、電磁波遮蔽性は、表面抵抗により測定することができ、この表面抵抗が低いほど、電磁波遮蔽性が良好なものということができる。ここで、上記表面抵抗の値は、表面抵抗測定装置 ロレスタ−GP (株)ダイヤインスツルメンツ製にてJIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に記載される方法にて測定を行された値である。
【0054】
本実施態様においては、このエッチング処理された後の金属メッシュは、50μm□〜500μm□の範囲内、中でも100μm□〜400μm□の範囲内、特に200μm□〜300μm□の範囲内であることが好ましく、またメッシュ線幅が5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。メッシュ線幅が上記範囲より細い場合には、断線が起こる場合等があり、電磁波遮蔽性の面から好ましくなく、またメッシュ線幅が上記範囲より太い場合には、可視光の透過率が低く、例えばプラズマディスプレイの輝度が低くなる等という面から好ましくないからである。
【0055】
c.透明基材
次に、本実施態様に用いられる透明基材について説明する。本実施態様に用いられる透明基材は、可視光に対して透明性を有し、かつ後述する接着層と、その接着層上に上記金属メッシュとが積層されるものである。
【0056】
本実施態様においては、この透明基材は透明性を有し、かつ接着層が形成可能であれば、その種類等は特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、アクリル(PMMA)、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン等を用いることができ、中でもコストや取扱い性の面等から、PETであることが好ましい。
【0057】
また、本実施態様においては、この透明基材の膜厚が12μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
【0058】
d.接着層
次に、本実施態様に用いられる接着層について説明する。本実施態様に用いられる接着層は、上述した金属メッシュおよび透明基材とを接着することが可能な層であれば、その種類等は特に限定されるものではないが、本実施態様においては、上記金属メッシュを構成する金属箔および透明基材を接着層により貼りあわせた後、金属箔をエッチングによりメッシュ状とすることから、接着層も耐エッチング性を有することが好ましい。
【0059】
本実施態様においては、このような接着層の材料として、具体的には、アクリル系、エステル系、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド系、エポキシ系、ポリウレタンエステル系等が挙げられる。
【0060】
また、本実施態様に用いられる接着層は、紫外線硬化型であってもよく、また熱硬化型であってもよい。本実施態様においては、これらの接着層を用いてドライラミネーション法、ウェットラミネーション法等により上記透明基材および上記金属箔とを接着することができる。
【0061】
本実施態様においては、この接着層の膜厚が0.5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。これにより、上記透明基材および上記金属メッシュとを強固に接着することができ、また、金属メッシュを形成するエッチングの際に透明基材が酸化鉄等のエッチング液の影響を受けること等を防ぐことができるからである。
【0062】
e.光学フィルタ
次に、本実施態様の光学フィルタについて説明する。本実施態様の光学フィルタは、上記透明基材と、その透明基材上に形成された上記接着層と、その接着層上に形成された上記金属メッシュと、その金属メッシュの断面を被覆するように形成された上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0063】
本実施態様においては、必要に応じて例えば図2に示すように、透明基材1と、その透明基材1上に形成された接着層2と、その接着層2上に形成された金属メッシュ3と、その金属メッシュ3断面に形成された、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層4と、さらに金属メッシュ3上に、例えばプラズマディスプレイパネル等の他の部材と接着するための粘着層5とを有するものであってもよい。本実施態様によれば、上記金属メッシュ断面に、上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層が形成されていることから、金属メッシュ上に平坦な粘着層を形成することが可能であり、またその粘着層等を積層する際に、気泡等が噛みこまれることがなく、製造効率よく形成された高品質な光学フィルタとすることができるのである。
【0064】
また、例えば図3に示すように、透明基材1と、その透明基材1上に形成された接着層2と、その接着層2上に形成された金属メッシュ3と、その金属メッシュ3断面に赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層4とを有し、さらにその金属メッシュ3上に色調を調整するネオン光吸収層6が形成されたものであってもよい。このネオン光吸収層によって、例えばプラズマディスプレイパネル等の色調を調整することが可能となり、高品質な光学フィルタとすることができるからである。
【0065】
さらに、例えば図4に示すように、図3で示したネオン光吸収層6上に例えばガラス板や樹脂フィルム等の補強材7が形成され、さらにその補強材7上に反射防止層8等が形成されたものであってもよい。これにより、上記電磁波遮蔽および赤外線吸収の機能だけでなく、可視光等の反射防止の機能も有する光学フィルタとすることができる、また本実施態様の光学フィルタを、強度の高いものとすることができるからである。
【0066】
ここで、本実施態様の光学フィルタは、視感透過率が40%以上、中でも50%以上であることが好ましい。これにより、光学フィルタを例えばプラズマディスプレイ等に用いる際に、視認性がよいものとすることができるからである。ここで、可視光とは、380nm〜780nmの範囲内の光のことをいうこととする。上記視感透過率は分光光度計 UV−3100(島津製作所)を用いてJIS Z8701 色の表現方法 XYZ表色系及びX10Y10Z10表示系 に記載される測定方法に従って測定し、JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 にて算出された、380nm〜780nmの範囲内透過率を測定した値である。
【0067】
また、本実施態様において、上述した金属メッシュの黒化処理面は、光学フィルタとして用いられた際に、観察者側となるように形成される。
【0068】
ここで、通常光学フィルタが用いられる際には、金属メッシュ等の電磁波遮蔽板により遮蔽された電磁波の電気を逃がすためにアースが設置される。本実施態様の光学フィルタにおいては、上記金属メッシュが観察者側に配置される場合には、通常の方法によりアースをとることが可能であるが、例えばプラズマディスプレイ用パネル側に上記金属メッシュが配置される場合には、導電粘着テープを上記金属メッシュの外周4辺に貼りあわせたり、リベット等を用いて光学フィルタの表面側にアースをとるための接点を形成すること等により、アースをとることを可能とすることができる。
【0069】
f.その他
本実施態様の光学フィルタは、上述したように、反射防止層やネオン光吸収層、補強材等を有していてもよい。これらの層について説明する。
【0070】
(反射防止層)
まず、本実施態様に用いられる反射防止層について説明する。反射防止層は光学フィルタの外側からの可視光線の反射を防止するためのもので、その構成としては、単層、多層の各種知られており、多層のものとしては高屈折率層、低屈折率層を交互に積層した構造のものが一般的である。反射防止層の材質は特に限定されるものではなく、その光学フィルタの用途等により適宜選択されるものである。これらの反射防止層は、スパッタリングや蒸着等の乾式法により、あるいは、湿式法により形成することができ、高屈折率層としては、酸化ニオブ、Ti酸化物、酸化ジルコニウム、ITO等が挙げられる。また低屈折率層としては、硅素酸化物が一般的である。
【0071】
(ネオン光吸収層)
次に、ネオン光吸収層について説明する。ネオン光吸収層とは、例えば光学フィルタをプラズマディスプレイに用いた際に、ネオン光を吸収する層である。このような材料としては、そのプラズマディスプレイ等の種類により、適宜選択されるものであり、例えばプラズマディスプレイにおけるネオン光の590nm近傍の発光を抑えるために用いられる、570〜600nmに吸収極大波長を有するシアニン系色素、サブフタロシアニン系色素等を挙げることができる。これにより色純度、色再現性等を向上させることが可能となるのである。また、本実施態様に用いられるネオン光吸収層は、例えば上述した平坦化層とガラス基板等を接着させるための粘着剤としての機能を果たすことも可能であり、この場合、上述した接着層中に上記の色調を調整するための顔料を含有させたもの等を用いることができる。
【0072】
(補強材)
次に、補強材について説明する。本実施態様に用いられる補強材は、光学フィルタに強度を付与すること、及び衝撃を吸収することが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、上記電磁波遮蔽用基板に透明粘着層等を用いて接着されるものであってもよく、また上記ネオン光吸収層等により接着されるものであってもよい。
【0073】
このような補強材として、可視光に対して透明性を有しており、強度を有するものであれば、光学フィルタの用途に応じて、その補強材の材料等は適宜選択されるものであり、具体的には、ガラスや高分子樹脂基板等を用いることができる。
【0074】
また、可撓性を有するものであってもよく、可撓性を有しないものであってもよい。このような補強材の厚さは、通常50μm〜500μmとすることができる。
【0075】
2.第2実施態様
次に、本発明の光学フィルタの第2実施態様について説明する。本発明の光学フィルタの第2実施態様は、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有し、かつ上記メッシュ断面被覆層が、メッシュ断面被覆層中に赤外線吸収剤が含有されないメッシュ断面コーティング層であるものである。
【0076】
本実施態様によれば、上記金属メッシュ断面に、上記メッシュ断面コーティング層が形成されることから、上記金属メッシュ断面における光の乱反射の防止や、例えば赤外線吸収フィルム等の他の部材との貼りあわせの際に気泡が噛みこまれること等を防止することができ、電磁波遮蔽性を有し、透明性が高く製造効率のよい光学フィルタとすることができるのである。以下、本実施態様の光学フィルタにおける各構成について説明する。
【0077】
なお、本実施態様に用いられる金属メッシュ、接着層、透明基材については、上述した第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0078】
a.メッシュ断面コーティング層
まず、本実施態様に用いられるメッシュ断面コーティング層について説明する。本実施態様に用いられるメッシュ断面コーティング層は、上記金属メッシュの断面に形成される層であり、かつこのメッシュ断面コーティング層中に赤外線吸収剤を含有しない層である。
【0079】
上記メッシュ断面コーティング層を形成する材料は、可視光に対して透明な樹脂である層であれば、特に限定されるものではなく具体的には、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、等が挙げられる。
【0080】
また、本実施態様に用いられるメッシュ断面コーティング層は、上記樹脂を溶剤等に希釈したメッシュ断面被覆層用塗工液を、上記金属メッシュ上に印刷用スキージ等を用いて、金属メッシュ上にメッシュ断面被覆層用塗工液が残らないように塗布することにより得ることができる。
【0081】
この際、上記メッシュ断面被覆層用塗工液の粘度は、0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内、中でも0.1Pa・s〜100Pa・sの範囲内であることが好ましい。これにより、上記金属メッシュ空隙部分に気泡等が残ることなく、メッシュ断面コーティング層を形成することができるからである。
【0082】
なお、本実施態様のメッシュ断面被覆層用塗工液に用いられる溶剤等は、上述した第1実施態様の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
b.光学フィルタ
次に、本実施態様の光学フィルタについて説明する。本実施態様の光学フィルタは、上記透明基材と、その透明基材上に形成された上記接着層と、その接着層上に形成された金属メッシュと、その金属メッシュの断面を被覆するように形成されたメッシュ断面コーティング層とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0084】
本実施態様において、例えば図5に示すように、透明基材1と、その透明基材1上に形成された接着層2と、その接着層2上に形成された金属メッシュ3と、その金属メッシュ3断面に形成されたメッシュ断面コーティング層4と、さらに上記金属メッシュ3上に形成された粘着性を有する粘着層5と、その粘着層5上に赤外線吸収フィルム9を有するものであってもよい。本実施態様によれば、上記金属メッシュ断面に、上記メッシュ断面コーティング層が形成されていることから、金属メッシュ上に平坦な粘着層を形成することが可能であり、またその粘着層を形成する際に、気泡等が噛みこまれることがなく、脱泡処理等が必要のない、高品質な光学フィルタとすることができるのである。
【0085】
また、本実施態様の光学フィルタは、必要に応じてネオン光吸収層や補強材、反射防止層等が積層されたものであってもよい。
【0086】
ここで、本実施態様に用いられる、上記反射防止層およびネオン光吸収層については、上述した第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0087】
また、本実施態様において、上述した金属メッシュの黒化処理面は、光学フィルタとして用いられた際に、観察者側となるように形成される。さらに、上述した第1実施態様と同様に、アースをとることを可能とすることが好ましい。
【0088】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0089】
【実施例】
以下、本発明について、実施例および比較例を通じてさらに詳述する。
【0090】
(実施例1)
<電磁波遮蔽用基板の作製>
片面がクロメート処理により黒化処理されている、銅箔(古川サーキットフォイール製、EXP−WS、厚さ9μm)と、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績製 A4300 厚み100μm)とを、ウレタン系接着剤(Tg20℃、平均分子量3万、酸価1、水酸基価9)にてドライラミネーション加工し貼り合わせた後、上記銅箔上にレジストを塗布後、露光および現像を行うことにより、不要な銅箔部分をエッチング除去し、300μm□、線幅10μmの金属メッシュを形成した。なお、この際黒化処理面はPDPパネルが製造された場合、見る側(人間側)になるように設置するため、非貼り合せ面側とした。
【0091】
<メッシュ断面コーティング層の作製>
次に、固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg100℃、平均分子量24万、酸価0、水酸基価0)の樹脂バインダをスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、メッシュ断面コーティング層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0092】
<赤外線吸収フィルムの貼付け>
次に、赤外線吸収色素等を含有するバインダをコーティングした赤外線吸収フィルムに対し、片面側に粘着剤をコーティングした粘着剤付き赤外線吸収フィルムを作製した。その赤外線吸収フィルムを上記メッシュ断面コーティング層が形成された金属メッシュ上に、粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロール密着させた。電磁波遮蔽用基板の貼合せ面には断面被覆層の効果により気泡が噛み込むことなかった。
【0093】
<透明粘着層の作製>
次に、離型フィルム面上に、固形分20〜30%に溶剤希釈されたアクリル系の粘着剤(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)を乾燥膜厚10μmとなるように塗布し、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥させ、透明粘着層を作製した。この透明粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロールにて、電磁波シールドの透明基材(PET)側に透明粘着層を密着させた。その後、離型フィルムを剥離し、透明粘着層側をPDP前面パネルに積層した。
【0094】
(実施例2)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例1と同様に形成した。
【0095】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg100℃、平均分子量24万、酸価0、水酸基価0)の樹脂バインダ中に、日本化薬製IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0096】
(実施例3)
上記電磁波遮蔽用基板に用いられる接着剤を、ポリエステル系接着剤(Tg60℃、平均分子量25万、酸化0、水酸基価0)とし、メッシュ断面コーティング層を以下のものとした以外は、実施例1と同様に行った。
【0097】
<メッシュ断面コーティング層の作製>
UV硬化性エポキシ樹脂(Tg50℃、平均分子量3万、酸価3、水酸基価0)と、光重合開始剤等の各種添加剤とを含有するメッシュ断面コーティング層用塗工液をスキージにて、上記電磁波遮蔽用基板の金属メッシュ側に塗布後、UV照射することによりメッシュ断面コーティング層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0098】
(実施例4)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例3と同様に形成した。
【0099】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈されたUV硬化性エポキシ樹脂(Tg50℃、平均分子量3万、酸価3、水酸基価0)と、光重合開始剤等の各種添加剤とを含有する塗工液中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布後、UV照射(1000mJ/cm2)により硬化させて、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0100】
(実施例5)
電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記赤外線吸収剤含有粘着層および透明粘着層を形成した。
【0101】
<赤外線吸収剤含有粘着層の作製>
離型フィルム上に、透明粘着層として、固形分20wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)をアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるようにコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し透明粘着層を形成した。
【0102】
次に、上記透明粘着層上に、赤外線吸収剤含有粘着層として、アクリル系バインダ(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)の中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行った。この赤線吸収色素を混ぜた樹脂バインダをアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるようにコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し赤外線吸収剤含有粘着層を形成した。
【0103】
<赤外線吸収剤含有粘着層の貼付>
次に、赤外線吸収剤含有粘着層をハンドロールにて、上記電磁波遮蔽用基板のPET側に密着させることにより、本発明の光学フィルタを作製した。その後、離型フィルムを剥離し、透明粘着層をPDP前面パネルに積層した。
【0104】
(実施例6)
上記赤外線吸収剤含有粘着層を、電磁波遮蔽用基板における平坦化層側に貼付し、その赤外線吸収剤含有粘着層上に形成された透明粘着層によりPDP前面パネルに積層した以外は、実施例5と同様に行った。
【0105】
(実施例7)
電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記赤外線吸収剤含有コーティング層を、上記金属メッシュ上に形成し、下記透明粘着層を電磁波遮蔽用基板の透明基材(PET)側に形成した。
【0106】
<赤外線吸収剤含有コーティング層の作製>
次に、赤外線吸収剤含有コーティング層として、固形分20wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg100℃、平均分子量25万、酸価0、水酸基価0)の中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行った。この赤線吸収色素を混ぜた樹脂バインダをアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるように、上記金属メッシュ上にコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し赤外線吸収剤含有コーティング層を形成した。
【0107】
<透明粘着層の作製>
離型フィルム面上に、固形分20wt%に溶剤希釈されたアクリル系の粘着剤(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)を乾燥膜厚25μmとなるように塗布し、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥させ、粘着層を作製した。粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロールにて、電磁波遮蔽用基板の透明基材(PET)側に透明粘着層を密着させた。その後、離型フィルムを剥離し、粘着層面側をPDP前面パネルに積層した。
【0108】
(実施例8)
電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記赤外線吸収剤含有粘着層を、上記PET側に形成した。
【0109】
<赤外線吸収剤含有粘着層の作製>
離型フィルム上に、赤外線吸収剤含有粘着層として、アクリル系バインダ(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)の中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行った。この赤線吸収色素を混ぜた樹脂バインダをアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるようにコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し赤外線吸収剤含有粘着層を形成した。その後、赤外線吸収剤含有粘着層を温度23℃、線圧1kg/cm2のラミネートロールにて、上記電磁波遮蔽用基板のPET側に密着させることにより、本発明の光学フィルタを作製した。その後、離型フィルムを剥離し、赤外線吸収剤含有層をPDP前面パネルに積層した。
【0110】
(実施例9)
上記電磁波遮蔽用基板に用いられる接着剤を、ポリエステル系接着剤(Tg60℃、平均分子量25万、酸化0、水酸基価0)とした以外は、電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記透明粘着層を、上記PET側に形成した。
【0111】
<透明粘着層の作製>
離型フィルム面上に、固形分20wt%に溶剤希釈されたアクリル系の粘着剤(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)を乾燥膜厚25μmとなるように塗布し、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥させ、粘着層を作製した。粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロールにて、電磁波遮蔽用基板の透明基材(PET)側に透明粘着層を密着させた。その後、離型フィルムを剥離し、透明粘着層面側をPDP前面パネルに積層した。
【0112】
(比較例1)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例1と同様に形成した。
【0113】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂ウレタン系バインダ(Tg30℃、平均分子量0.5万、酸価25、水酸基価10)の樹脂バインダ中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0114】
(比較例2)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例1と同様に形成した。
【0115】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂ウレタン系バインダ(Tg50℃、平均分子量0.5万、酸価20、水酸基価15)の樹脂バインダ中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0116】
(比較例3)
メッシュ断面コーティング層を形成しなかった以外は、実施例9と同様に形成した。
【0117】
<評価>
上記実施例1から実施例9、比較例1から比較例3で得られた光学フィルムの開口率、視認性、透明性、製造直後の視感透過率および赤外線透過率、60℃90%1000時間後の視感透過率および赤外線透過率について測定した結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
上記の測定は、以下の各測定条件で行った。
【0120】
開口率:光学顕微鏡を用いて金属メッシュ表面の写真を撮影し、その写真の銅メッシュ部と空隙部分の面積を測定し、その面積比率より開口率を算出した。
【0121】
視認性:目視により確認を行った。
【0122】
透明性:カラーコンピューター SM−C スガ試験機製にてJIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に記載される方法にてヘイズ(濁度)の測定を行った。
【0123】
視感透過率:分光光度計 UV−3100(島津製作所)を用いてJIS Z8701 色の表現方法 XYZ表色系及びX10Y10Z10表示系 に記載される測定方法に従って測定し、JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
にて算出された、380nm〜780nmの範囲内透過率の測定を行った。
【0124】
赤外線透過率:分光光度計 UV−3100PC 島津製作所製にてJIS Z 8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」に記載される方法にて測定を行った。
【0125】
メッシュ断面コーティング層を形成しなかった比較例3においては、透明性が悪く、メッシュを斜め方向から見た場合に生じる銅の乱反射が確認された。一方、上記で得られた実施例1から実施例9と比較例1および比較例2においては、メッシュ断面被覆層が形成される前のメッシュ断面はメッシュを斜め方向から見た場合に生じる銅の乱反射が確認されたが、メッシュ断面被覆層を形成した後は乱反射は確認されなかった。
【0126】
また、上記で得られた、本発明の実施例1から実施例9における光学フィルムは、耐湿熱試験60℃90%1000時間を行った後であっても、赤外線吸収性能には、初期状態が維持されて、良好な状態であった。一方、比較例1および比較例2においては、上記メッシュ断面被覆層に用いられた透明樹脂の影響により、上記耐熱試験後、視感透過率および赤外線透過率を良好なものとすることができなかった。
【0127】
さらに、上記各実施例においては、できるだけ少ない層構成で、ディスプレイ内部から発生する近赤外線(光)をカット又は吸収し、また、ディスプレイ用パネルから発光する光と、入射してくる外光の内、特に可視光の特定の波長を吸収することができた。これにより、他の機器の誤動作が無く、また、ディスプレイ画面の画像等のコントラストを向上させることにより、良好な視認性が得られた。また、電磁波遮蔽について、銅薄膜からなるメッシュを用いることで、特にエッチング加工に適している上に、電磁波遮蔽効果も高いものとすることができた。さらに、金属薄膜からなるメッシュを黒化処理することによって、外光を吸収する性能が特に高まり、より視認性を高める事ができるものとなった。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、上記金属メッシュの断面に、上記メッシュ断面被覆層が形成されていることから、上記金属メッシュを斜めから見た際に光が断面で乱反射することを防止することができ、本発明の光学フィルタを、透明性が良好なものとすることができるのである。
【0129】
またさらに、上記金属メッシュの空隙部分の底部の隅も、上記メッシュ断面被覆層に覆われていることから、本発明の光学フィルタにおける金属メッシュ上に、例えばプラズマディスプレイ用パネル等の他の部材が貼りあわせられた場合であっても、メッシュ空隙部分の底部の隅に、気泡が噛みこまれることなく、脱泡処理等を行う必要のない光学フィルタとすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルタの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 透明基材
2 … 接着層
3 … 金属メッシュ
4 … メッシュ断面被覆層
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ等に用いることが可能な電磁波および赤外線を遮蔽する光学フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直接人が接近して利用する電磁波を発生する電子装置、例えばプラズマディスプレイ等のディスプレイ用電子管は、人体への影響を考慮して、電磁波放出の強さを規格内に抑えることが要求されている。これらの要求に対応するため、一般には、電磁波を発生する電子装置等の外部へ流出する電磁波を除去ないし減衰させるために、電磁波シールド等が用いられており、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう。)等のディスプレイ用パネルでは、良好な透視性の光学フィルタを前面に設けるのが普通である。
【0003】
上記電磁波を遮蔽する方法としては、銀等の金属をスパッタリングにより積層する方法や、金属薄膜からなるメッシュを透明基材上に積層して用いる方法(例えば特許文献1)等が知られている。
【0004】
このような電磁波遮蔽に、金属薄膜からなるメッシュを用いた場合には、金属メッシュを斜めから見た際に断面が乱反射し、視野角が減少することから、金属メッシュ以上の厚みを持つ粘着層を貼りあわせて透明化処理を行うことが必要であった。
【0005】
またさらに、光学フィルタには、他の機器の誤動作の防止やリモートコントロールの操作性のため、ディスプレイ内部から発生する近赤外線をカットまたは吸収する機能が求められており、一般的には赤外線吸収フィルム等を積層する方法が用いられている。
【0006】
そこで、上記金属薄膜からなるメッシュ上に透明化を行う粘着層を形成し、さらにこの粘着層上に赤外線吸収フィルムを積層する方法が提案されている。しかしながら、この方法においては、上記粘着層を塗布した際に、メッシュ空隙部分の底部の隅における気泡が抜け難く、貼りあわせの際に、気泡を噛みこんでしまい、光学フィルタの透明性が低下する原因となる。そのため、上記赤外線吸収フィルムと金属メッシュとを貼りあわせた後、オートクレーブ中の減圧環境下にて、一定時間放置する等の脱泡処理等を行う必要があり、製造効率やコストの面で問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−311843号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、透明性が高く、かつ電磁波を安定して遮蔽する製造効率のよい光学フィルタの提供が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とする光学フィルタを提供する。
【0010】
本発明によれば、上記金属メッシュの断面に、上記メッシュ断面被覆層が形成されていることから、上記金属メッシュを斜めから見た際に光が断面で乱反射することを防止することができ、本発明の光学フィルタを、透明性が良好なものとすることができるのである。
【0011】
またさらに、上記金属メッシュの空隙部分の底部の隅も、上記メッシュ断面被覆層に覆われていることから、本発明の光学フィルタにおける金属メッシュ上に、例えばプラズマディスプレイ用パネル等の他の部材が貼りあわせられた場合であっても、メッシュ空隙部分の底部の隅に、気泡が噛みこまれることなく、脱泡処理等を行う必要のない光学フィルタとすることができるのである。
【0012】
また、本発明においては、上記メッシュ断面被覆層が、粘度が0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内のメッシュ断面被覆層用塗工液を塗布することにより形成されたものであることが好ましい。これにより、上記金属メッシュの断面および、メッシュ空隙部分の隅等に、気泡が入ることなく、上記メッシュ断面被覆層を形成することが可能となるからである。
【0013】
また、本発明においては、上記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であることが好ましい。これにより、本発明の光学フィルタを、赤外線吸収フィルム等を貼りあわせることなく、電磁波遮蔽性および赤外線吸収の機能を有するものとすることができ、製造効率やコストの面からも好ましいものとすることができるからである。
【0014】
この際、上記発明においては、上記透明樹脂の水酸基価が10以下であることが好ましい。これにより、上記赤外線吸収剤が、上記透明樹脂中の水酸基と反応等してしまうことを防止することができ、安定に赤外線吸収の機能を発揮することが可能な光学フィルタとすることができるからである。
【0015】
さらに、本発明においては、上記透明樹脂の酸価が10以下であることが好ましい。これにより、上記赤外線吸収剤が、上記透明樹脂中の酸とも反応等することを防止することができることから、より安定に赤外線吸収の機能を有するものとすることができるからである。
【0016】
本発明の光学フィルタは、反射防止層を有するものであってもよい。これにより、上記電磁波遮蔽の機能だけでなく、可視光等の反射防止の機能も有する光学フィルタとすることができるからである。
【0017】
本発明においては、さらにネオン光吸収層を有していてもよい。これにより、例えばプラズマディスプレイパネル等の色調を調整することが可能な光学フィルタとすることができるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、プラズマディスプレイパネル等に用いられる、透明性が高く、電磁波を安定して遮蔽することが可能であり、かつ製造効率よく形成可能な光学フィルタに関するものである。
【0019】
本発明の光学フィルタは、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とするものである。
【0020】
本発明の光学フィルタは、例えば図1に示すように、透明基材1上に、接着層2が形成され、その接着層2上に金属メッシュ3が形成され、その金属メッシュ3の断面(aで示される部分)に、メッシュ断面被覆層4が形成されたものである。
【0021】
本発明によれば、上記金属メッシュの断面に、メッシュ断面被覆層が形成されていることから、金属メッシュ断面で光が乱反射等することなく、透明性の高いものとすることができる。また、上記メッシュ断面被覆層は、上記金属メッシュにおける空隙部分の底部の隅にも形成されていることから、本発明の光学フィルタの金属メッシュ上に、例えばプラズマディスプレイパネルや赤外線吸収フィルム等を透明接着層により貼りあわせる場合であっても、気泡が噛みこまれること等を防ぐことができ、脱泡処理等が不要な、製造効率のよい光学フィルタとすることができるのである。
【0022】
ここで、本発明の光学フィルタには、2つの実施態様があり、第1実施態様としては、上記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層である場合であり、第2実施態様としては、上記メッシュ断面被覆層が、赤外線吸収剤が含有されないメッシュ断面コーティング層である場合である。以下、それぞれの実施態様にわけて説明する。
【0023】
1.第1実施態様
まず、本発明の光学フィルタにおける第1実施態様について説明する。本発明の光学フィルタの第1実施態様は、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有し、かつ上記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であるものである。
【0024】
本実施態様によれば、上記メッシュ断面被覆層が、上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であることにより、別途赤外線吸収フィルム等を貼りあわせる必要がない。また、上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層により、上記金属メッシュ断面における光の乱反射の防止や、他の部材との貼りあわせの際に気泡が噛みこまれること等を防止することができ、電磁波遮蔽性および赤外線吸収の機能を有する、透明性が高く製造効率のよい光学フィルタとすることができるのである。以下、本実施態様の光学フィルタにおける各構成について説明する。
【0025】
a.赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層
まず、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層について説明する。本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は、後述する金属メッシュの断面に形成される層であり、かつ透明樹脂中に赤外線吸収剤を含有する層である。ここで、本実施態様において、メッシュ断面とは、例えば図1に示すように、後述する金属メッシュ3の空隙部分の断面aをいうこととする。また、メッシュ断面被覆層とは、上記メッシュの断面全部を被覆するように、かつ金属メッシュの表面にかからないように形成される層である。
【0026】
本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層について、各構成について説明する。
【0027】
(透明樹脂)
まず、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層における透明樹脂について説明する。本実施態様に用いられる透明樹脂は、後述する金属メッシュの断面を被覆することが可能であり、かつ可視光に対して透明性の高いものであれば、その材料は特に限定されるものではないが、本実施態様においては、透明樹脂中の水酸基価が所定の値以下であることが好ましい。これは、後述する赤外線吸収剤の種類によっては、その赤外線吸収剤が含有される樹脂中の水酸基等と反応する場合があり、これにより安定して赤外線吸収の機能を果たすことが困難となる場合があるからである。
【0028】
上記透明樹脂の水酸基価として、具体的には、10以下、中でも5以下、特に、0であることが好ましい。これにより、透明樹脂中に含有される、例えば対イオンを有する赤外線吸収剤が、透明樹脂に含まれる水酸基により反応すること等を防ぐことができ、安定に赤外線吸収の機能を有する光学フィルタとすることができ、また赤外線吸収剤の選択の幅を広げることが可能となるからである。ここで、水酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg量をいうものである。
【0029】
また、本実施態様においては、上記透明樹脂の酸価が、10以下、中でも5以下、特に、0であることが好ましい。これにより、透明樹脂中に含有される酸と、赤外線吸収剤とが反応等することも防ぐことができ、さらに安定に赤外線吸収の機能を有する光学フィルタとすることができるからである。ここで、酸価とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg量をいう。
【0030】
本実施態様に用いられる、上述したような性質を有する材料として、具体的には、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマ−(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂等を挙げることができ、中でもアクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であることが好ましい。なお、上記樹脂は熱硬化性樹脂であってもよく、またUV硬化性樹脂であってもよい。
【0031】
また、上記樹脂の平均分子量は、500〜60万の範囲内、中でも1万〜40万であることが好ましく、またガラス転移点温度(Tg)は、30℃〜150℃の範囲内、中でも40℃〜130℃の範囲内であることが好ましい。これにより、上記のような性質を有する透明樹脂とすることができるからである。
【0032】
(赤外線吸収剤)
次に、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤について説明する。本実施態様に用いられる赤外線吸収剤は、赤外領域の光を吸収する材料であれば、その種類等は特に限定されるものではない。一般に赤外領域とは800〜1200nmの領域を示し、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤においては、上記領域内での光の透過率が20%以下、中でも10%以下であることが好ましい。上記透過率は、分光光度計 UV−3100PC 島津製作所製にてJIS Z 8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」に記載される方法にて測定を行った値である。
【0033】
本実施態様において、赤外線吸収剤として、具体的には、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化鉛、酸化ビスマス等の無機赤外線吸収剤、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アルミニウム系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、ジイモニウム類、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系錯体類等の有機赤外線吸収剤を1種類、または2種類以上混合して用いることができる。
【0034】
また、上記の有機赤外線吸収剤として具体的には、(以下、日本化薬社製:商品名)IRG−002、IRG−003、IRG−022、IRG−023、IRG−040、(以下、日本触媒社製:商品名)IR−1、IR−10、IR−12、IR−14、TX−EX−906B、TX−EX−910B、(以下、三井化学ファイン社製:商品名)SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159、(以下、みどり化学社製:商品名)MIR−101、MIR−111、MIR−121、MIR−102、MIR−1011、MIR−1021等が挙げられる。
【0035】
通常、対イオン構造の赤外線吸収剤を用いた場合には、その赤外線吸収剤が含有される透明樹脂が水酸基やカルボキシル基、重合開始剤等を有する場合には、その水酸基やカルボキシル基、重合開始剤等により対イオンの均衡状態が崩れ、赤外線吸収の機能を果たすことが困難となる場合がある。
【0036】
本実施態様においては、上述した透明樹脂を用いることから、対イオン構造の赤外線吸収剤であっても、反応等することがなく、本実施態様の効果をより発揮することができるという面から、上記の中でも対イオン構造を有するジイモニウム類、ニッケル錯体類、ジチオール系錯体類、アルミニウム系化合物、シアニン系化合物、ピリリウム系化合物であることが好ましい。
【0037】
また、本実施態様によれば、上記透明樹脂中に上記赤外線吸収剤を含有させる方法としては、上記透明樹脂を溶融させた中に、上記赤外線吸収剤を加え、溶融混練等を行う方法であってもよく、また上記赤外線吸収剤を溶剤等に溶解させて、上記透明樹脂中に混合する方法であってもよい。本実施態様によれば、上述した透明樹脂を用いることから、どちらの方法においても上記赤外線吸収剤を安定に分散させることが可能となるのである。
【0038】
ここで、本実施態様において、上記のうち無機赤外線吸収剤は、微粒子であることが好ましく、平均粒径は0.01μm〜1μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.05μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。また、上記赤外線吸収剤の粒径は、可視光線透過率を良好なものとするために、1μm以下の分布であることが好ましい。
【0039】
(赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層)
次に、本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層について説明する。本実施態様に用いられる赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は、上記透明樹脂中に、上記赤外線吸収剤が含有されたものである。本実施態様に用いられるメッシュ断面被覆層は、上記赤外線吸収剤が含有された上記透明樹脂を、溶剤等により希釈してメッシュ断面被覆層用塗工液とし、後述する金属メッシュ上に塗布することにより、形成することができる。この際、上記メッシュ断面被覆層用塗工液の粘度は0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内、中でも0.1mPa・s〜10Pa・sの範囲内であることが好ましい。これにより、後述する金属メッシュ空隙部分における底部の隅等に気泡が残ることなく、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を形成することができるからである。
【0040】
また、本実施態様における上記メッシュ断面被覆層用塗工液の塗布は、メッシュ断面被覆層用塗工液を金属メッシュ上に滴下後、印刷用スキージ等を用いて、金属メッシュ上に上記メッシュ断面被覆層良いう塗工液が残らないように塗布し、乾燥または硬化させることにより得ることができる。
【0041】
ここで、上記メッシュ断面被覆層用塗工液に用いられる溶剤としては、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、キシレン、イソプロピルアルコール(IPA)、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、トリフルオロプロパノール等が挙げられる。
【0042】
また、上記透明樹脂がUV硬化性樹脂である場合には、通常UV硬化性インク等に用いられる多官能モノマーや光重合開始剤等を適宜含有していてもよい。
【0043】
ここで、本実施態様においては、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は赤外線の透過率が、20%以下、中でも10%以下であることが好ましい。これにより、例えばプラズマディスプレイ等から発生する赤外線をカットまたは吸収することが可能となり、他の機器の誤動作の防止等をすることができるからである。ここで、上記透過率は、上述した測定法により測定した値である。
【0044】
なお、本実施態様の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層は、必要に応じて充填剤、軟化材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を含有するものであってもよい。
【0045】
b.金属メッシュ
次に、本実施態様に用いられる金属メッシュについて説明する。本実施態様に用いられる金属メッシュは、プラズマディスプレイ等から発生した電磁波を遮蔽する機能を有するものである。このような金属メッシュは、後述する透明基材上に、後述する接着層により金属箔が貼りあわせられ、その金属箔がメッシュ状にエッチングされることにより形成される。
【0046】
本実施態様においては、この金属メッシュは、電磁波遮蔽性を有するものであれば、その金属の種類等は特に限定されるものではなく、例えば銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタン等を用いることができる。
【0047】
本実施態様においては、上記の中でも銅が、電磁波のシールド性、エッチング処理適性や取扱い性の面から好ましい。また用いられる銅箔の種類としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられるが、特に電解銅箔であることが好ましい。これにより、厚さが10μm以下の均一性のよいものとすることができ、また黒化処理された際に、酸化クロム等との密着性を良好なものとすることができるからである。
【0048】
ここで、本実施態様においては、上記金属箔の一方の面または両面に黒化処理されていることが好ましい。黒化処理とは、酸化クロム等により金属メッシュの表面を黒化する処理であり、光学フィルタにおいて、この黒化処理面は、観察者側の面となるように配置される。この黒化処理により金属メッシュ表面に形成された酸化クロム等により、光学フィルタ表面の外光が吸収されることから、光学フィルタ表面で光が散乱することを防止することができ、良好な視認性を得ることが可能な光学フィルタとすることができるのである。このような黒化処理は、上記金属箔に黒化処理液を塗布することにより行うことができる。黒化処理の方法としては、CrO2水溶液や、無水クロム酸水溶液に酒石酸、マロン酸、クエン酸、乳酸等の異なるオキシカルボン酸化合物を添加して、6価クロムの一部を3価クロムに還元した溶液等を、ロールコート法、エアーカーテン法、静電霧化法、スクイズロールコート法、浸漬法等により塗布し、乾燥させることにより行なうことができる。なお、この黒化処理は、後述する透明基材上に、後述する接着層により金属箔が貼りあわせられ、メッシュ状にエッチングされた後に行われるものであってもよい。
【0049】
この黒化処理された金属箔の表面の黒濃度が0.6以上であることが好ましい。これにより、より視認性を良好なものとすることができるからである。ここで、黒濃度は、COLOR CONTROL SYSTEMのGRETAG SPM100−11((株)KIMOTO製)を用いて、観測視野角10°、観測光源D50、照明タイプとして濃度標準ANSI Tに設定し、白色キャリブレイション後に測定した値である。
【0050】
また、本実施態様においては、上記金属箔の膜厚は、1μm〜100μmの範囲内、中でも5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が厚いと、エッチングによりパターン線幅を細かく高精細化することが困難となり、また上記範囲より薄い場合には、十分な電磁波シールド性が得られないからである。
【0051】
さらに、本実施態様においては、上記金属箔は、JIS B0601に準拠する十点平均粗さが0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より小さい場合には、上記黒化処理をした場合であっても、光学フィルタ表面の外光が鏡面反射することから、視認性が劣化し、また上記範囲より大きい場合には、接着層やレジスト等を塗布することが困難となるからである。
【0052】
ここで、金属箔のエッチングは、後述する透明基材上に、後述する接着層を用いて貼りあわせられた後に行われるものである。本実施態様において、このエッチングは、通常のフォトリソグラフィー法により行うことができ、例えば金属箔の表面にレジストを塗布し、乾燥した後レジストをパターン版で密着露光し、現像処理を行うことにより得ることができる。
【0053】
本実施態様に用いられる上述したような金属メッシュは、表面抵抗が10−6Ω/□〜5Ω/□の範囲内、中でも10−4Ω/□〜3Ω/□の範囲内であることが好ましい。一般的に、電磁波遮蔽性は、表面抵抗により測定することができ、この表面抵抗が低いほど、電磁波遮蔽性が良好なものということができる。ここで、上記表面抵抗の値は、表面抵抗測定装置 ロレスタ−GP (株)ダイヤインスツルメンツ製にてJIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に記載される方法にて測定を行された値である。
【0054】
本実施態様においては、このエッチング処理された後の金属メッシュは、50μm□〜500μm□の範囲内、中でも100μm□〜400μm□の範囲内、特に200μm□〜300μm□の範囲内であることが好ましく、またメッシュ線幅が5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。メッシュ線幅が上記範囲より細い場合には、断線が起こる場合等があり、電磁波遮蔽性の面から好ましくなく、またメッシュ線幅が上記範囲より太い場合には、可視光の透過率が低く、例えばプラズマディスプレイの輝度が低くなる等という面から好ましくないからである。
【0055】
c.透明基材
次に、本実施態様に用いられる透明基材について説明する。本実施態様に用いられる透明基材は、可視光に対して透明性を有し、かつ後述する接着層と、その接着層上に上記金属メッシュとが積層されるものである。
【0056】
本実施態様においては、この透明基材は透明性を有し、かつ接着層が形成可能であれば、その種類等は特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、アクリル(PMMA)、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン等を用いることができ、中でもコストや取扱い性の面等から、PETであることが好ましい。
【0057】
また、本実施態様においては、この透明基材の膜厚が12μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
【0058】
d.接着層
次に、本実施態様に用いられる接着層について説明する。本実施態様に用いられる接着層は、上述した金属メッシュおよび透明基材とを接着することが可能な層であれば、その種類等は特に限定されるものではないが、本実施態様においては、上記金属メッシュを構成する金属箔および透明基材を接着層により貼りあわせた後、金属箔をエッチングによりメッシュ状とすることから、接着層も耐エッチング性を有することが好ましい。
【0059】
本実施態様においては、このような接着層の材料として、具体的には、アクリル系、エステル系、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド系、エポキシ系、ポリウレタンエステル系等が挙げられる。
【0060】
また、本実施態様に用いられる接着層は、紫外線硬化型であってもよく、また熱硬化型であってもよい。本実施態様においては、これらの接着層を用いてドライラミネーション法、ウェットラミネーション法等により上記透明基材および上記金属箔とを接着することができる。
【0061】
本実施態様においては、この接着層の膜厚が0.5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。これにより、上記透明基材および上記金属メッシュとを強固に接着することができ、また、金属メッシュを形成するエッチングの際に透明基材が酸化鉄等のエッチング液の影響を受けること等を防ぐことができるからである。
【0062】
e.光学フィルタ
次に、本実施態様の光学フィルタについて説明する。本実施態様の光学フィルタは、上記透明基材と、その透明基材上に形成された上記接着層と、その接着層上に形成された上記金属メッシュと、その金属メッシュの断面を被覆するように形成された上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0063】
本実施態様においては、必要に応じて例えば図2に示すように、透明基材1と、その透明基材1上に形成された接着層2と、その接着層2上に形成された金属メッシュ3と、その金属メッシュ3断面に形成された、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層4と、さらに金属メッシュ3上に、例えばプラズマディスプレイパネル等の他の部材と接着するための粘着層5とを有するものであってもよい。本実施態様によれば、上記金属メッシュ断面に、上記赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層が形成されていることから、金属メッシュ上に平坦な粘着層を形成することが可能であり、またその粘着層等を積層する際に、気泡等が噛みこまれることがなく、製造効率よく形成された高品質な光学フィルタとすることができるのである。
【0064】
また、例えば図3に示すように、透明基材1と、その透明基材1上に形成された接着層2と、その接着層2上に形成された金属メッシュ3と、その金属メッシュ3断面に赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層4とを有し、さらにその金属メッシュ3上に色調を調整するネオン光吸収層6が形成されたものであってもよい。このネオン光吸収層によって、例えばプラズマディスプレイパネル等の色調を調整することが可能となり、高品質な光学フィルタとすることができるからである。
【0065】
さらに、例えば図4に示すように、図3で示したネオン光吸収層6上に例えばガラス板や樹脂フィルム等の補強材7が形成され、さらにその補強材7上に反射防止層8等が形成されたものであってもよい。これにより、上記電磁波遮蔽および赤外線吸収の機能だけでなく、可視光等の反射防止の機能も有する光学フィルタとすることができる、また本実施態様の光学フィルタを、強度の高いものとすることができるからである。
【0066】
ここで、本実施態様の光学フィルタは、視感透過率が40%以上、中でも50%以上であることが好ましい。これにより、光学フィルタを例えばプラズマディスプレイ等に用いる際に、視認性がよいものとすることができるからである。ここで、可視光とは、380nm〜780nmの範囲内の光のことをいうこととする。上記視感透過率は分光光度計 UV−3100(島津製作所)を用いてJIS Z8701 色の表現方法 XYZ表色系及びX10Y10Z10表示系 に記載される測定方法に従って測定し、JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 にて算出された、380nm〜780nmの範囲内透過率を測定した値である。
【0067】
また、本実施態様において、上述した金属メッシュの黒化処理面は、光学フィルタとして用いられた際に、観察者側となるように形成される。
【0068】
ここで、通常光学フィルタが用いられる際には、金属メッシュ等の電磁波遮蔽板により遮蔽された電磁波の電気を逃がすためにアースが設置される。本実施態様の光学フィルタにおいては、上記金属メッシュが観察者側に配置される場合には、通常の方法によりアースをとることが可能であるが、例えばプラズマディスプレイ用パネル側に上記金属メッシュが配置される場合には、導電粘着テープを上記金属メッシュの外周4辺に貼りあわせたり、リベット等を用いて光学フィルタの表面側にアースをとるための接点を形成すること等により、アースをとることを可能とすることができる。
【0069】
f.その他
本実施態様の光学フィルタは、上述したように、反射防止層やネオン光吸収層、補強材等を有していてもよい。これらの層について説明する。
【0070】
(反射防止層)
まず、本実施態様に用いられる反射防止層について説明する。反射防止層は光学フィルタの外側からの可視光線の反射を防止するためのもので、その構成としては、単層、多層の各種知られており、多層のものとしては高屈折率層、低屈折率層を交互に積層した構造のものが一般的である。反射防止層の材質は特に限定されるものではなく、その光学フィルタの用途等により適宜選択されるものである。これらの反射防止層は、スパッタリングや蒸着等の乾式法により、あるいは、湿式法により形成することができ、高屈折率層としては、酸化ニオブ、Ti酸化物、酸化ジルコニウム、ITO等が挙げられる。また低屈折率層としては、硅素酸化物が一般的である。
【0071】
(ネオン光吸収層)
次に、ネオン光吸収層について説明する。ネオン光吸収層とは、例えば光学フィルタをプラズマディスプレイに用いた際に、ネオン光を吸収する層である。このような材料としては、そのプラズマディスプレイ等の種類により、適宜選択されるものであり、例えばプラズマディスプレイにおけるネオン光の590nm近傍の発光を抑えるために用いられる、570〜600nmに吸収極大波長を有するシアニン系色素、サブフタロシアニン系色素等を挙げることができる。これにより色純度、色再現性等を向上させることが可能となるのである。また、本実施態様に用いられるネオン光吸収層は、例えば上述した平坦化層とガラス基板等を接着させるための粘着剤としての機能を果たすことも可能であり、この場合、上述した接着層中に上記の色調を調整するための顔料を含有させたもの等を用いることができる。
【0072】
(補強材)
次に、補強材について説明する。本実施態様に用いられる補強材は、光学フィルタに強度を付与すること、及び衝撃を吸収することが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、上記電磁波遮蔽用基板に透明粘着層等を用いて接着されるものであってもよく、また上記ネオン光吸収層等により接着されるものであってもよい。
【0073】
このような補強材として、可視光に対して透明性を有しており、強度を有するものであれば、光学フィルタの用途に応じて、その補強材の材料等は適宜選択されるものであり、具体的には、ガラスや高分子樹脂基板等を用いることができる。
【0074】
また、可撓性を有するものであってもよく、可撓性を有しないものであってもよい。このような補強材の厚さは、通常50μm〜500μmとすることができる。
【0075】
2.第2実施態様
次に、本発明の光学フィルタの第2実施態様について説明する。本発明の光学フィルタの第2実施態様は、透明基材と、上記透明基材上に形成された接着層と、上記接着層上に形成された金属メッシュと、上記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有し、かつ上記メッシュ断面被覆層が、メッシュ断面被覆層中に赤外線吸収剤が含有されないメッシュ断面コーティング層であるものである。
【0076】
本実施態様によれば、上記金属メッシュ断面に、上記メッシュ断面コーティング層が形成されることから、上記金属メッシュ断面における光の乱反射の防止や、例えば赤外線吸収フィルム等の他の部材との貼りあわせの際に気泡が噛みこまれること等を防止することができ、電磁波遮蔽性を有し、透明性が高く製造効率のよい光学フィルタとすることができるのである。以下、本実施態様の光学フィルタにおける各構成について説明する。
【0077】
なお、本実施態様に用いられる金属メッシュ、接着層、透明基材については、上述した第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0078】
a.メッシュ断面コーティング層
まず、本実施態様に用いられるメッシュ断面コーティング層について説明する。本実施態様に用いられるメッシュ断面コーティング層は、上記金属メッシュの断面に形成される層であり、かつこのメッシュ断面コーティング層中に赤外線吸収剤を含有しない層である。
【0079】
上記メッシュ断面コーティング層を形成する材料は、可視光に対して透明な樹脂である層であれば、特に限定されるものではなく具体的には、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、等が挙げられる。
【0080】
また、本実施態様に用いられるメッシュ断面コーティング層は、上記樹脂を溶剤等に希釈したメッシュ断面被覆層用塗工液を、上記金属メッシュ上に印刷用スキージ等を用いて、金属メッシュ上にメッシュ断面被覆層用塗工液が残らないように塗布することにより得ることができる。
【0081】
この際、上記メッシュ断面被覆層用塗工液の粘度は、0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内、中でも0.1Pa・s〜100Pa・sの範囲内であることが好ましい。これにより、上記金属メッシュ空隙部分に気泡等が残ることなく、メッシュ断面コーティング層を形成することができるからである。
【0082】
なお、本実施態様のメッシュ断面被覆層用塗工液に用いられる溶剤等は、上述した第1実施態様の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
b.光学フィルタ
次に、本実施態様の光学フィルタについて説明する。本実施態様の光学フィルタは、上記透明基材と、その透明基材上に形成された上記接着層と、その接着層上に形成された金属メッシュと、その金属メッシュの断面を被覆するように形成されたメッシュ断面コーティング層とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0084】
本実施態様において、例えば図5に示すように、透明基材1と、その透明基材1上に形成された接着層2と、その接着層2上に形成された金属メッシュ3と、その金属メッシュ3断面に形成されたメッシュ断面コーティング層4と、さらに上記金属メッシュ3上に形成された粘着性を有する粘着層5と、その粘着層5上に赤外線吸収フィルム9を有するものであってもよい。本実施態様によれば、上記金属メッシュ断面に、上記メッシュ断面コーティング層が形成されていることから、金属メッシュ上に平坦な粘着層を形成することが可能であり、またその粘着層を形成する際に、気泡等が噛みこまれることがなく、脱泡処理等が必要のない、高品質な光学フィルタとすることができるのである。
【0085】
また、本実施態様の光学フィルタは、必要に応じてネオン光吸収層や補強材、反射防止層等が積層されたものであってもよい。
【0086】
ここで、本実施態様に用いられる、上記反射防止層およびネオン光吸収層については、上述した第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0087】
また、本実施態様において、上述した金属メッシュの黒化処理面は、光学フィルタとして用いられた際に、観察者側となるように形成される。さらに、上述した第1実施態様と同様に、アースをとることを可能とすることが好ましい。
【0088】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0089】
【実施例】
以下、本発明について、実施例および比較例を通じてさらに詳述する。
【0090】
(実施例1)
<電磁波遮蔽用基板の作製>
片面がクロメート処理により黒化処理されている、銅箔(古川サーキットフォイール製、EXP−WS、厚さ9μm)と、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績製 A4300 厚み100μm)とを、ウレタン系接着剤(Tg20℃、平均分子量3万、酸価1、水酸基価9)にてドライラミネーション加工し貼り合わせた後、上記銅箔上にレジストを塗布後、露光および現像を行うことにより、不要な銅箔部分をエッチング除去し、300μm□、線幅10μmの金属メッシュを形成した。なお、この際黒化処理面はPDPパネルが製造された場合、見る側(人間側)になるように設置するため、非貼り合せ面側とした。
【0091】
<メッシュ断面コーティング層の作製>
次に、固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg100℃、平均分子量24万、酸価0、水酸基価0)の樹脂バインダをスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、メッシュ断面コーティング層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0092】
<赤外線吸収フィルムの貼付け>
次に、赤外線吸収色素等を含有するバインダをコーティングした赤外線吸収フィルムに対し、片面側に粘着剤をコーティングした粘着剤付き赤外線吸収フィルムを作製した。その赤外線吸収フィルムを上記メッシュ断面コーティング層が形成された金属メッシュ上に、粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロール密着させた。電磁波遮蔽用基板の貼合せ面には断面被覆層の効果により気泡が噛み込むことなかった。
【0093】
<透明粘着層の作製>
次に、離型フィルム面上に、固形分20〜30%に溶剤希釈されたアクリル系の粘着剤(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)を乾燥膜厚10μmとなるように塗布し、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥させ、透明粘着層を作製した。この透明粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロールにて、電磁波シールドの透明基材(PET)側に透明粘着層を密着させた。その後、離型フィルムを剥離し、透明粘着層側をPDP前面パネルに積層した。
【0094】
(実施例2)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例1と同様に形成した。
【0095】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg100℃、平均分子量24万、酸価0、水酸基価0)の樹脂バインダ中に、日本化薬製IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0096】
(実施例3)
上記電磁波遮蔽用基板に用いられる接着剤を、ポリエステル系接着剤(Tg60℃、平均分子量25万、酸化0、水酸基価0)とし、メッシュ断面コーティング層を以下のものとした以外は、実施例1と同様に行った。
【0097】
<メッシュ断面コーティング層の作製>
UV硬化性エポキシ樹脂(Tg50℃、平均分子量3万、酸価3、水酸基価0)と、光重合開始剤等の各種添加剤とを含有するメッシュ断面コーティング層用塗工液をスキージにて、上記電磁波遮蔽用基板の金属メッシュ側に塗布後、UV照射することによりメッシュ断面コーティング層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0098】
(実施例4)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例3と同様に形成した。
【0099】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈されたUV硬化性エポキシ樹脂(Tg50℃、平均分子量3万、酸価3、水酸基価0)と、光重合開始剤等の各種添加剤とを含有する塗工液中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布後、UV照射(1000mJ/cm2)により硬化させて、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0100】
(実施例5)
電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記赤外線吸収剤含有粘着層および透明粘着層を形成した。
【0101】
<赤外線吸収剤含有粘着層の作製>
離型フィルム上に、透明粘着層として、固形分20wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)をアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるようにコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し透明粘着層を形成した。
【0102】
次に、上記透明粘着層上に、赤外線吸収剤含有粘着層として、アクリル系バインダ(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)の中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行った。この赤線吸収色素を混ぜた樹脂バインダをアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるようにコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し赤外線吸収剤含有粘着層を形成した。
【0103】
<赤外線吸収剤含有粘着層の貼付>
次に、赤外線吸収剤含有粘着層をハンドロールにて、上記電磁波遮蔽用基板のPET側に密着させることにより、本発明の光学フィルタを作製した。その後、離型フィルムを剥離し、透明粘着層をPDP前面パネルに積層した。
【0104】
(実施例6)
上記赤外線吸収剤含有粘着層を、電磁波遮蔽用基板における平坦化層側に貼付し、その赤外線吸収剤含有粘着層上に形成された透明粘着層によりPDP前面パネルに積層した以外は、実施例5と同様に行った。
【0105】
(実施例7)
電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記赤外線吸収剤含有コーティング層を、上記金属メッシュ上に形成し、下記透明粘着層を電磁波遮蔽用基板の透明基材(PET)側に形成した。
【0106】
<赤外線吸収剤含有コーティング層の作製>
次に、赤外線吸収剤含有コーティング層として、固形分20wt%に溶剤希釈された透明樹脂アクリル系バインダ(Tg100℃、平均分子量25万、酸価0、水酸基価0)の中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行った。この赤線吸収色素を混ぜた樹脂バインダをアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるように、上記金属メッシュ上にコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し赤外線吸収剤含有コーティング層を形成した。
【0107】
<透明粘着層の作製>
離型フィルム面上に、固形分20wt%に溶剤希釈されたアクリル系の粘着剤(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)を乾燥膜厚25μmとなるように塗布し、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥させ、粘着層を作製した。粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロールにて、電磁波遮蔽用基板の透明基材(PET)側に透明粘着層を密着させた。その後、離型フィルムを剥離し、粘着層面側をPDP前面パネルに積層した。
【0108】
(実施例8)
電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記赤外線吸収剤含有粘着層を、上記PET側に形成した。
【0109】
<赤外線吸収剤含有粘着層の作製>
離型フィルム上に、赤外線吸収剤含有粘着層として、アクリル系バインダ(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)の中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製 IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行った。この赤線吸収色素を混ぜた樹脂バインダをアプリケーターにて、乾燥膜厚10μmとなるようにコーティングし、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥し赤外線吸収剤含有粘着層を形成した。その後、赤外線吸収剤含有粘着層を温度23℃、線圧1kg/cm2のラミネートロールにて、上記電磁波遮蔽用基板のPET側に密着させることにより、本発明の光学フィルタを作製した。その後、離型フィルムを剥離し、赤外線吸収剤含有層をPDP前面パネルに積層した。
【0110】
(実施例9)
上記電磁波遮蔽用基板に用いられる接着剤を、ポリエステル系接着剤(Tg60℃、平均分子量25万、酸化0、水酸基価0)とした以外は、電磁波遮蔽用基板およびメッシュ断面コーティング層は実施例1と同様に形成し、下記透明粘着層を、上記PET側に形成した。
【0111】
<透明粘着層の作製>
離型フィルム面上に、固形分20wt%に溶剤希釈されたアクリル系の粘着剤(Tg−40℃、平均分子量65万、酸価7、水酸基価0)を乾燥膜厚25μmとなるように塗布し、風速5〜20m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥させ、粘着層を作製した。粘着層を温度23℃,線圧:1kg/cm2のラミネートロールにて、電磁波遮蔽用基板の透明基材(PET)側に透明粘着層を密着させた。その後、離型フィルムを剥離し、透明粘着層面側をPDP前面パネルに積層した。
【0112】
(比較例1)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例1と同様に形成した。
【0113】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂ウレタン系バインダ(Tg30℃、平均分子量0.5万、酸価25、水酸基価10)の樹脂バインダ中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0114】
(比較例2)
メッシュ断面コーティング層を、下記の赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層とし、赤外線吸収フィルムの貼付を行わなかった以外は、実施例1と同様に形成した。
【0115】
<赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層の形成>
固形分40wt%に溶剤希釈された透明樹脂ウレタン系バインダ(Tg50℃、平均分子量0.5万、酸価20、水酸基価15)の樹脂バインダ中に、日本化薬製 IRG−022(ジイモニウム系色素)0.3g/m2および日本触媒製IR−1(フタロシアニン系)0.2g/m2の2種の赤外線吸収色素を合計0.5g/m2混ぜ込みを行い、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液とした。この赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層用塗工液をスキージにて、上記金属メッシュ側に塗布し、赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層を作製した。この際、金属メッシュ上には、上記樹脂バインダが残らないように形成した。
【0116】
(比較例3)
メッシュ断面コーティング層を形成しなかった以外は、実施例9と同様に形成した。
【0117】
<評価>
上記実施例1から実施例9、比較例1から比較例3で得られた光学フィルムの開口率、視認性、透明性、製造直後の視感透過率および赤外線透過率、60℃90%1000時間後の視感透過率および赤外線透過率について測定した結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
上記の測定は、以下の各測定条件で行った。
【0120】
開口率:光学顕微鏡を用いて金属メッシュ表面の写真を撮影し、その写真の銅メッシュ部と空隙部分の面積を測定し、その面積比率より開口率を算出した。
【0121】
視認性:目視により確認を行った。
【0122】
透明性:カラーコンピューター SM−C スガ試験機製にてJIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に記載される方法にてヘイズ(濁度)の測定を行った。
【0123】
視感透過率:分光光度計 UV−3100(島津製作所)を用いてJIS Z8701 色の表現方法 XYZ表色系及びX10Y10Z10表示系 に記載される測定方法に従って測定し、JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
にて算出された、380nm〜780nmの範囲内透過率の測定を行った。
【0124】
赤外線透過率:分光光度計 UV−3100PC 島津製作所製にてJIS Z 8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」に記載される方法にて測定を行った。
【0125】
メッシュ断面コーティング層を形成しなかった比較例3においては、透明性が悪く、メッシュを斜め方向から見た場合に生じる銅の乱反射が確認された。一方、上記で得られた実施例1から実施例9と比較例1および比較例2においては、メッシュ断面被覆層が形成される前のメッシュ断面はメッシュを斜め方向から見た場合に生じる銅の乱反射が確認されたが、メッシュ断面被覆層を形成した後は乱反射は確認されなかった。
【0126】
また、上記で得られた、本発明の実施例1から実施例9における光学フィルムは、耐湿熱試験60℃90%1000時間を行った後であっても、赤外線吸収性能には、初期状態が維持されて、良好な状態であった。一方、比較例1および比較例2においては、上記メッシュ断面被覆層に用いられた透明樹脂の影響により、上記耐熱試験後、視感透過率および赤外線透過率を良好なものとすることができなかった。
【0127】
さらに、上記各実施例においては、できるだけ少ない層構成で、ディスプレイ内部から発生する近赤外線(光)をカット又は吸収し、また、ディスプレイ用パネルから発光する光と、入射してくる外光の内、特に可視光の特定の波長を吸収することができた。これにより、他の機器の誤動作が無く、また、ディスプレイ画面の画像等のコントラストを向上させることにより、良好な視認性が得られた。また、電磁波遮蔽について、銅薄膜からなるメッシュを用いることで、特にエッチング加工に適している上に、電磁波遮蔽効果も高いものとすることができた。さらに、金属薄膜からなるメッシュを黒化処理することによって、外光を吸収する性能が特に高まり、より視認性を高める事ができるものとなった。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、上記金属メッシュの断面に、上記メッシュ断面被覆層が形成されていることから、上記金属メッシュを斜めから見た際に光が断面で乱反射することを防止することができ、本発明の光学フィルタを、透明性が良好なものとすることができるのである。
【0129】
またさらに、上記金属メッシュの空隙部分の底部の隅も、上記メッシュ断面被覆層に覆われていることから、本発明の光学フィルタにおける金属メッシュ上に、例えばプラズマディスプレイ用パネル等の他の部材が貼りあわせられた場合であっても、メッシュ空隙部分の底部の隅に、気泡が噛みこまれることなく、脱泡処理等を行う必要のない光学フィルタとすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルタの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の光学フィルタの他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 透明基材
2 … 接着層
3 … 金属メッシュ
4 … メッシュ断面被覆層
Claims (7)
- 透明基材と、前記透明基材上に形成された接着層と、前記接着層上に形成された金属メッシュと、前記金属メッシュの断面に形成されたメッシュ断面被覆層とを有することを特徴とする光学フィルタ。
- 前記メッシュ断面被覆層が、粘度が0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内のメッシュ断面被覆層用塗工液を塗布することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
- 前記メッシュ断面被覆層が、透明樹脂中に赤外線吸収剤が含有された赤外線吸収剤含有メッシュ断面被覆層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学フィルタ。
- 前記透明樹脂の水酸基価が10以下であることを特徴とする請求項3に記載の光学フィルタ。
- 前記透明樹脂の酸価が10以下であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光学フィルタ。
- 反射防止層を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の光学フィルタ。
- ネオン光吸収層を有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の光学フィルタ。
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