JP2000227515A - 近赤外線吸収フィルタ− - Google Patents

近赤外線吸収フィルタ−

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JP2000227515A JP11343638A JP34363899A JP2000227515A JP 2000227515 A JP2000227515 A JP 2000227515A JP 11343638 A JP11343638 A JP 11343638A JP 34363899 A JP34363899 A JP 34363899A JP 2000227515 A JP2000227515 A JP 2000227515A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外線領域に大きく且つ巾の広い吸収を有
し、さらに可視領域の光透過性が高く、且つ可視領域に
特定波長の大きな吸収がなく、加工性及び生産性が良好
で、高温、高湿下で長時間放置しても分光特性が安定
な、近赤外線吸収フィルタ−を提供する。 【解決手段】 近赤外線吸収色素をバインダ−樹脂に分
散した組成物を基材上へ積層して形成される近赤外線吸
収フィルタ−であって、前記積層物中の残留溶剤量が
5.0重量%以下であることを特徴とする近赤外線吸収
フィルタ−。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルタ−に
関するもので、特に可視光線領域の透過率が高く、高
温、高湿下に長時間放置しても性能的に安定な、近赤外
線を遮断する光学フィルタ−に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線吸収フィルタ−や、ビデオカ
メラ視感度補正用フィルタ−等の近赤外線吸収フィルタ
−には次のようなものが使われてきた。 燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有した
フィルタ−(特開昭60−235740号公報、特開昭
62−153144号公報など) 基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干渉さ
せることで特定の波長を透過させる干渉フィルタ−(特
開昭55−21091号公報、特開昭59−18474
5号公報など) 共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フィル
タ−(特開平6−324213号公報) バインダ−樹脂に色素を分散した構成のフィルタ−
(特開昭57−21458号公報、特開昭57−198
413号公報、特開昭60−43605号公報など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来使用されて
きた近赤外線吸収フィルタ−には、それぞれ以下に示す
ような問題点がある。
【0004】前述の方式では近赤外領域に急峻な吸収
が有り、近赤外線遮断率は非常に良好であるが、ガラス
であるために加工性に問題があり、光学特性の設計の自
由度も狭い。また、可視領域の赤色の一部も大きく吸収
してしまい、透過色は青色に見える。ディスプレイ用途
では色バランスを重視され、このような場合、使用する
のに困難である。
【0005】前述の方式の場合、光学特性は自由に設
計でき、ほぼ設計と同等のフィルタ−を製造することが
可能であるが、その為には、屈折率差のある層の積層枚
数を非常に多くする必要があり、製造コストが高くなる
などの欠点がある。また、大面積を必要とする場合、全
面積にわたって高い精度の膜厚均一性が要求されるた
め、生産性に問題がある。
【0006】前記の方式の場合、前記の方式の欠点
であった加工性は改善される。しかし、前記の方式と
同様に、光学設計の自由度が低い。また、可視領域の赤
色の一部も大きく吸収してしまい、青く見えてしまう問
題点は前記の方式と変わらない。さらに、銅イオンの
吸収が小さく、アクリル樹脂に含有できる銅イオン量も
限られているため、アクリル樹脂を厚くしなければなら
ないという問題点もある。
【0007】前記の方式は、加工性、生産性は良好
で、安価で製造でき、光学設計の自由度も比較的大き
い。近赤外線吸収色素としては、フタロシアニン系、チ
オ−ル金属錯体系、アゾ化合物、ポリメチン系、ジフェ
ニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、ジイ
モニウム塩系など多くの色素が用いられている。しか
し、それぞれ単独では、近赤外域の吸収が不十分であっ
たり、吸収領域が狭かったりして、近赤外域の遮断率が
不十分である。そのため、複数の色素を混合して用いる
ことが行われているが、複数の色素を含むフィルタ−を
高温、高湿下に長時間放置すると、色素が変性してしま
い、性能が低下してしまうものが多い。また、高温、高
湿下に長時間放置して変性しない色素の場合、可視域の
透過率が小さかったり、可視域に大きな特定の吸収があ
り着色しているという問題がある。
【0008】近年、薄型大画面ディスプレイとしてプラ
ズマディスプレイが注目されているが、プラズマディス
プレイからは不要な近赤外線が放出され、これが近赤外
線リモコンを使う電子機器等の誤動作を起こす問題があ
る。従って、近赤外線を吸収する材料をプラズマディス
プレイの前面の設置することが必要とされる。しかし、
従来使用されてきた材料では上記のような理由で、満足
なものが提供されているとは言えない。本発明の目的
は、近赤外線領域に大きく且つ巾の広い吸収を有し、さ
らに可視領域の光透過性が高く、且つ可視領域に特定波
長の大きな吸収がなく、加工性及び生産性が良好で、高
温、高湿下で長時間放置しても分光特性が安定な、近赤
外線吸収フィルタ−を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑み、なされたものであって、上記の課題を解決
することができた近赤外線吸収フィルタ−とは、以下の
とおりである。
【0010】即ち、本発明の第1の発明は、近赤外線吸
収色素をバインダ−樹脂に分散した組成物を基材上へ積
層して形成される近赤外線吸収フィルタ−であって、前
記積層物中の残留溶剤量が5.0重量%以下であること
を特徴とする近赤外線吸収フィルタ−である。第2の発
明は、前記積層物中の残留溶剤量が0.05〜3.0重
量%以上であることを特徴とする第1の発明に記載の近
赤外線吸収フィルタ−である。第3の発明は、近赤外線
吸収色素として、少なくとも下記式(3)で表わされる
ジイモニウム塩化合物を含むことを特徴とする第1また
は2の発明に記載の近赤外線吸収フィルタ−である。
【化3】 (式中、R1〜R8は、水素原子、アルキル基、アリ−ル
基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基を表わ
し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R
9〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シア
ノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコ
キシ基を表わし、それぞれ同じであっても、異なってい
ても良い。R1〜R12で置換基を結合できるものは置換
基を有しても良い。X-は陰イオンを表わす。)
【0011】第4の発明は、近赤外線吸収色素として、
含フッ素フタロシアニン系化合物と、ジチオ−ル金属錯
体系化合物の両方、あるいはいずれかを含むことを特徴
とする第1〜3の発明に記載の近赤外線吸収フィルタ−
である。第5の発明は、前記ジチオ−ル金属錯体系化合
物が、下記式(4)で表わされる化合物であることを特
徴とする請求項4記載の近赤外吸収フィルタ−である。
【化4】 (R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アミノ基を表
わし、それぞれ同じであっても、異なっていても良
い。) 第6の発明は、前記基材が透明な基材であることを特徴
とする第1〜5の発明に記載の近赤外線吸収フィルタ−
である。
【0012】第7の発明は、第6の発明に記載の透明な
基材がポリエステルフィルムであることを特徴とする近
赤外線吸収フィルタ−である。第8の発明は、前記バイ
ンダ−樹脂のガラス転移温度が、利用する機器の使用保
証温度以上であることを特徴とする第1〜7の発明に記
載の近赤外線吸収フィルタ−である。第9の発明は、前
記バインダ−樹脂のガラス転移温度が85〜140℃の
範囲にあることを特徴とする第1〜8の発明に記載の近
赤外線吸収フィルタ−である。
【0013】第10の発明は、前記近赤外線吸収フィル
タ−の片面、又は両面に剥離可能な保護フィルムを積層
しされていることを特徴とする第1〜9の発明に記載の
近赤外線吸収フィルタ−である。第11の発明は、前記
近赤外線吸収フィルタ−の片面または両面に粘着剤層を
形成し、更にその上部に離型フィルムを積層することを
特徴とする第1〜10の発明に記載の近赤外線吸収フィ
ルタ−である。第12の発明は、前記近赤外線吸収フィ
ルタ−の表面または裏面に開口率が50%以上の金属メ
ッシュ導電層を有していることを特徴とする第1〜11
の発明に記載の近赤外線吸収フィルタ−である。
【0014】第13の発明は、前記近赤外線吸収フィル
タ−の表面または裏面に透明導電層を有していることを
特徴とする第1〜12の発明に記載の近赤外線吸収フィ
ルタ−である。第14の発明は、前記近赤外線吸収フィ
ルタ−の最外層に反射防止層を有することを特徴とした
第1〜13の発明に記載の近赤外線吸収フィルタ−であ
る。第15の発明は、前記近赤外線吸収フィルタ−の最
外層に防眩処理層を有することを特徴とする第1〜14
の発明に記載の近赤外線吸収フィルタ−である。第16
の発明は、プラズマディスプレイの前面に設置されるこ
とを特徴とする第1〜15の発明に記載の近赤外線吸収
フィルタ−である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明の近赤外線フィルタ−は、近赤外線吸収色素とバイ
ンダ−樹脂を溶剤に均一に分散させたコ−ティング液を
調合し、基材上にこれをコ−ティングし、乾燥により溶
剤を蒸発させ、バインダ−樹脂膜を形成し、作製され
る。この際、本発明者らは、近赤外線吸収色素をバイン
ダ−樹脂に分散した組成物を基材上へ積層して形成され
る近赤外線吸収フィルタ−において、該積層物中の残留
溶剤量が近赤外吸収色素の安定性に極めて大きく関わっ
ていることを見出した。即ち、本発明において、該積層
物中の残留溶剤量を5.0重量%以下にすることによ
り、高温、高湿下での近赤外線吸収色素の安定性が飛躍
的に向上することを明らかにした。一般にコーティング
を行う場合、ブロッキングを起こさない程度に乾燥させ
る必要があるが、この場合の残留溶剤濃度は7.0重量
%以下程度である。残留溶剤量が、5.0重量%を越え
7.0重量%以下の範囲では、見かけ上乾燥しており、
ブロッキングも発生しないが、高温、高湿下に長時間放
置した場合、バインダ−樹脂の見かけのガラス転移温度
が低下し、残留溶剤と色素の相互作用、バインダ−樹脂
と色素の相互作用、異なる色素間の相互作用等により、
近赤外線吸収色素が変性する。その結果、近赤外領域の
吸収が減少し、十分な近赤外線の遮断ができなくなって
しまう。また、可視領域の光透過性が低下したり、可視
領域に特定の波長の吸収が現れフィルタ−が着色してし
まったりする。
【0016】本発明において、積層物中の残留溶剤量が
0.05〜3.0重量%であることが特に好ましい。残
留溶剤量が0.05重量%未満では、高温高湿下に長時
間放置した場合の近赤外吸収色素の変性は小さくなる
が、0.05重量%未満にするために必要な熱によって
近赤外線吸収色素が変性しやすくなる。
【0017】コ−ト層中の残留溶剤量を5.0重量%以
下にするためには、下記式(5)〜(7)の乾燥条件を
同時に満足させることが必要である。下記式(5)〜
(7)で用いた因子の単位は、風速がm/秒、熱風温度
が℃、乾燥時間が分、コート厚みがμmである。 風速×(熱風温度−20)× 乾燥時間/コート厚み>48 …(5) 熱風温度:≧80℃ …(6) 乾燥時間:≦60分 …(7)
【0018】本発明において用いられる近赤外線吸収色
素としては、前記の式(1)で表わされるジイモニウム
塩化合物を含むことが好ましい。
【0019】前記の式(1)で表わされるジイモニウム
塩系化合物は、近赤外域の吸収が大きく、吸収域も広
く、可視域の透過率も高い。しかし、該ジイモニウム塩
系化合物は、高温または高湿下では変性し、近赤外域の
吸収が小さくなり、可視域の一部の透過率が低下し着色
してしまう。他の色素を混合した場合、この現象はさら
に促進される。しかしながら、前記の式(1)で表わさ
れるジイモニウム塩化合物の場合、色素をバインダ−樹
脂に分散した組成物中の残留溶剤量を5.0%以下にす
れば、耐熱性、耐湿性の向上が特に著しいことを、本発
明者は見出した。さらに、該残留溶剤量を3.0重量%
以下にすることにより、耐熱性、耐湿性の向上がさらに
促進される。
【0020】前記の式(1)中のR1〜R8の具体例とし
ては、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、ter−ブチル基、n−アミル基、n−ヘ
キシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、
2−シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−
シアノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル
基、ブトキシエチル基などが、アリール基としてはフェ
ニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、トリ
ル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル基などが、ア
ルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニ
ル基、ペンテニル基などが、アラルキル基としては、ベ
ンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニ
ル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などが挙
げられる。また、R9〜R12としては、水素、フッ素、
塩素、臭素、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シ
アノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、
トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基などが挙げられる。またX-は、フッ素イオ
ン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸
塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサ
フルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンな
どが挙げられる。ただし、本発明では上記で挙げたもの
に限定されるものではない。これらの一部は市販品とし
て入手可能であり、例えば日本化薬社製KayasorbIRG-02
2等を好適に用いることができる。
【0021】本発明の近赤外線吸収フィルタ−は、前記
の式(1)で表わされるジイモニウム塩系化合物以外
に、近赤外域の吸収域の拡大、色目の調整を目的とし
て、他の近赤外線吸収色素を加えることもできる。加え
る色素としては、特に、含フッ素フタロシアニン系化合
物、ジチオ−ル金属錯体系化合物が好ましい。これら
は、何れかまたは両方を加えることができる。該含フッ
素フタロシアニン系化合物としては、例えば日本触媒社
製Excolor IR-1、IR-2、IR-3、IR-4、TXEX-805K、TXEX-
809K、TXEX-810K、TXEX-811K、TXEX-812Kなどを好適に
用いることができる。
【0022】また、該ジチオ−ル金属錯体系化合物とし
ては、前記の式(2)で表わされる化合物などが好適に
用いることができる。前記の式(2)中のR1〜R4の具
体例としては、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭
素が、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシ
ル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−
シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シア
ノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、
ブトキシエチル基などが、アルコキシ基としてはメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが、
アリール基としてはフェニル基、フルオロフェニル基、
クロロフェニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニ
ル、ナフチル基などが、アラルキル基としては、ベンジ
ル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニル
基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などが、ア
ミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基などがそれぞれ
挙げられる。また、市販品として、三井化学社製SIR‐1
28、SIR‐130、SIR‐132、SIR‐159等も好適に用いるこ
とができる。上記近赤外線吸収色素は一例であり、これ
らに限定されるものではない。
【0023】本発明の近赤外線吸収フィルタ−は、基材
上にコ−ティングすることにより作製されるが、その基
材としても透明性が高いことはもちろん、コスト、取り
扱いやすさという点で、プラスチックフィルムが好まし
い。具体的には、ポリエステル系、アクリル系、セルロ
−ス系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレ
フィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカ−ボネ−ト、フェ
ノ−ル系、ウレタン系樹脂フィルムなどが挙げられる
が、特にポリエステル系樹脂が好ましい。
【0024】本発明に用いるバインダ−樹脂は、本発明
で用いる近赤外線吸収色素を均一に分散できるものであ
れば特に限定されないが、ポリエステル系、アクリル
系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン
系、ポリカ−ボネ−ト系樹脂を好適に用いることができ
る。さらに、バインダ−樹脂のガラス転移温度が、利用
する機器の使用保証温度以上であることが好ましい。
【0025】ガラス転移温度が機器使用温度以下である
と、バインダ−樹脂中に分散された色素同士が反応した
り、バインダ−樹脂が外気中の水分等を吸収し色素やバ
インダ−樹脂の劣化が大きくなる。また、本発明に於い
ては樹脂のガラス転移温度は、該フィルタを用いる機器
使用温度以上であれば特に限定されないが、特に好まし
くは85℃以上140℃未満がよい。ガラス転移温度が
85℃以下の場合、色素と樹脂との相互作用、色素間の
相互作用等が起こり、色素の変性が発生する。また、ガ
ラス転移温度が140℃を超えた場合、該樹脂を溶剤に
溶解し、透明基材上にコーティングした時に十分な乾燥
をしようとすれば高温にしなければならず、耐熱性の弱
い色素を用いた場合色素の劣化を招く。また、低温で乾
燥した場合、乾燥時間が長く生産性が悪くなり、安価な
近赤外線吸収フィルタ−を作ることはできない、また、
十分な乾燥ができない可能性もあり、溶剤が塗膜中に残
留し、前述のようにバインダ−樹脂の見かけのガラス転
移温度が低下し、やはり、色素の変性を引き起こす。
【0026】本発明では、温度60℃で湿度95%の環
境下に500時間保管された前後の波長420nmから
1100nmの各波長における透過率の変化率の最大値
が25%以下である。各波長における透過率の変化率と
は、下記式(8)で表わされる。 |T0(WL)−T1(WL)|/T0(WL)×100 (%) …(8) 但し、T0(WL)は波長WL(波長420〜1100n
m)での初期の透過率、T1(WL)は波長WL(波長42
0〜1100nm)での温度60℃、湿度95%、50
0時間保管後の透過率を示す。
【0027】本発明で、コ−ティング時のコ−ティング
液に用いる溶剤は、本発明で用いる近赤外線吸収色素と
バインダ−を均一に分散できるものであれば何でもよ
い。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、メタノ−
ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコール、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、塩化メチレン、クロロホロム、N、N−ジメチルホ
ルムアミド、水等が挙げられるが、これらに限定させる
ものではない。
【0028】本発明では、ディスプレ−から放出される
有害電磁波を遮断する目的で、該赤外線吸収層と同一
面、ないしは、反対面に導電層を設けても良い。該導電
層は金属メッシュと導電薄膜の何れを用いても良く、金
属メッシュを用いた場合、開口率が50%以上の金属メ
ッシュ導電層を有している必要がある。金属メッシュの
開口率が低ければ電磁波シ−ルド性は良好となるが光線
透過率が低下する問題が有る、この為、良好な光線透過
率を得る為には開口率が50%以上は必要となる。本発
明に用いられる、金属メッシュとしては、電気電導性の
高い金属箔にエッチング処理を施して、メッシュ状にし
たものや、金属繊維を使った織物状のメッシュや、高分
子繊維の表面に金属をメッキ等の手法を用いて付着させ
た繊維を用いても良い。該電磁波吸収層に使われる金属
は、電気電導性が高く、安定性が良ければいかなる金属
でも良く特に限定されるものではないが、加工性、コス
トなどの観点より、好ましくは、銅、ニッケル、タング
ステンなどが良い。
【0029】また、導電薄膜を用いた場合、透明導電層
はいかなる導電膜でも良いが、好ましくは、金属酸化物
であることが望ましい。これによって、より高い可視光
線透過率を得ることが出来る。また、本発明において透
明導電層の導電率を向上させたい場合は、金属酸化物/
金属/金属酸化物の3層以上の繰り返し構造であること
が好ましい。金属を多層化することで、高い可視光線透
過率を維持しながら、電導性を得ることができる。本発
明に用いられる。金属酸化物は、電導性と可視光線透過
性が有していれば如何なる金属酸化物でも良い。一例と
して、酸化錫、インジウム酸化物、インジウム錫酸化
物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ビスマスなどがある。
以上は一例であり、特に限定されるものではない。ま
た、本発明に用いられる金属層は、導電性の観点より、
金、銀及びそれらを含む化合物が好ましい。
【0030】更に、本発明の導電層を多層化した場合、
例えばくり返し層数が3層の場合、銀層の厚さは50〜
200Åが好ましく、より好ましくは50〜100Åで
ある。これよりも膜厚が厚い場合は、光線透過率が低下
し、薄い場合は抵抗値が上がってしまう。また、金属酸
化物層の厚さとしては、好ましくは、100〜1000
Å、より好ましくは、100〜500Åである。この厚
さより厚い場合には着色して色調が変ってしまい、薄い
場合には抵抗値が上がってしまう。さらに、3層以上多
層化する場合、例えば、金属酸化物/銀/金属酸化物/
銀/金属酸化物のように5層とした場合、中心の金属酸
化物の厚さは、それ以外の金属酸化物層の厚さよりも厚
いことが好ましい。この様にすることで、多層膜全体の
光線透過率が向上する。
【0031】更に本発明では、フィルムの片面、又は両
面に剥離可能な保護フィルムを積層したり、また、片
面、又は両面に粘着剤層を形成し更に、その上部に離型
フィルムを積層した構成にしても良い。
【0032】本発明では、近赤外線吸収フィルタ−の最
外層に反射防止層を設けることができる。また、近赤外
線吸収フィルタ−の最外層に防眩処理層を設けることも
できる。
【0033】また、本発明の近赤外線吸収フィルタ−で
は耐光性を向上させる目的で、UV吸収剤を添加してもよ
い。
【0034】本発明の赤外線吸収フィルタをプラズマデ
ィスプレイの前面に設置した場合、ディスプレイから放
射される不要な近赤外線を吸収し、近赤外線を使ったリ
モコンの誤動作を防ぐことができる。また可視領域の特
定波長の大きな吸収がないため、ディスプレイから発せ
られる色調が変わらずに表現することができる。
【0035】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を示す。ま
た、本発明で使用した特性値の測定方法並びに効果の評
価方法は次の通りである。
【0036】<コート層中の残存溶剤量>島津製作所製
GC−9Aを用いて残存溶剤量の測定を次のように行っ
た。試料約5mgを正確に秤量し、ガスクロマトグラフ
注入口で150℃で5分間加熱トラップした後、トルエ
ン、テトラヒドロフラン(THF)、及びメチルエチル
ケトン(MEK)の総量(A:ppm)を求めた。但
し、THFとMEKはピークが重なるため、標準ピーク
(トルエン)と比較し、合計値としてトルエン換算量を
求めた。また、別に10cm四方に切り取った試料を秤
量(B:g)後、コート層を溶剤で拭き取り、拭き取り
前後の試料の重量差(C:g)を求めた。残存溶剤量は
下記式(9)を用いて算出した。 残存溶剤量(%)=A×B×10-4/C …(9)
【0037】<分光特性>自記分光光度計(日立U−3
500型)を用い、波長1500〜200nmの範囲で
測定した。
【0038】<環境安定性>温度60℃、湿度95%雰
囲気中でサンプルを500時間放置した後、上記記載の
分光特性を測定した。
【0039】実施例1 ポリエステル系のバインダ−樹脂を以下の要領で作製し
た。温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチル 136重量部、 イソフタル酸ジメチル 58重量部 エチレングリコ−ル 96重量部、 トリシクロデカンジメタノ−ル 137重量部 三酸化アンチモン 0.09重量部 を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで反応系の温度を245℃ま
で昇温し、系の圧力1〜10mmHgとして180分間
反応を続け、共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0040】得られた共重合ポリエステル樹脂の固有粘
度は0.4dl/g、ガラス転移温度は90℃であっ
た。またNMR分析による共重合組成比は酸成分に対し
て テレフタル酸 71mol% イソフタル酸 29mol% アルコ−ル成分に対して エチレングリコ−ル 28mol% トリシクロデカンジメタノ−ル 72mol% であった。
【0041】表1に示すような組成で、コ−ト液を作製
した。更に作製したコ−ティング液を厚みが100μm
であり、片面に易接着層を有する高透明性ポリエステル
フィルム基材(東洋紡績製 コスモシャインA410
0)にグラビアロールにより前記基材フィルムの易接着
層面にコ−ティングし、130℃の熱風を風速5m/s
で送りながら1分間乾燥した。コ−ト層の厚さは8.0
μm、コ−ト層中の残留溶剤量は4.1重量%であっ
た。作製した近赤外線吸収フィルタ−の色目は、目視で
はダ−クグレ−であった。また、図1にその分光特性を
示す。図1に示すように、波長400nmから650n
mまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700
nm以上では急峻な吸収があるフィルタ−が得られた。
得られたフィルタ−を温度60℃、湿度95%雰囲気中
に500時間放置し、再度分光特性を測定したところ図
2のようになり、分光曲線の大きな変化はなく、安定な
性能を示した。また波長420nmから1100nmの
透過率の最大変化率は、9.2%であった。
【0042】
【表1】
【0043】実施例2 実施例1で用いたコ−ティング液を、厚みが100μm
であり、片面に易接着層を有する高透明性ポリエステル
フィルム基材(東洋紡績製 コスモシャインA410
0)にグラビアロ−ルにより前記基材フィルムの易接着
層面にコ−ティングし、150℃の熱風を風速5m/s
で送りながら1分間乾燥した。コ−ト層の厚さは10μ
m、コ−ト層中の残留溶剤量は2.0重量%であった。
図3にこのフィルタ−の分光特性を示す。図3に示すよ
うに、波長400nmから650nmまでの可視領域に
おいては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻な
吸収があるフィルタ−を得た。このフィルタ−を温度6
0℃、湿度95%雰囲気中に500時間放置し、再度分
光特性を測定したところ図4のようになった。図4に示
すように、分光曲線に大きな変化は見られず、安定な性
能を示した。また、波長420nmから1100nmの
透過率の最大変化率は、11.5%であった。
【0044】実施例3 アクリル系のバインダ−樹脂を以下の要領で作製した。
反応容器にモノマ−として、t−ブチルメタクリレ−ト
60g、酢酸エチル120g、メタノ−ル120g、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.51gを入れ、窒素雰囲
気下60℃で攪拌しながら8時間反応を行った。反応
後、反応溶液をヘキサン中に加え、ポリマ−を再沈殿さ
せバインダ−樹脂を得た。得られたバインダ−樹脂の分
子量は100,000であった。また、ガラス転移温度
は105℃であった。次に、バインダ−に作製したアク
リル樹脂を用いた以外は表1と同じ組成でコ−ト液を作
製した。作製したコ−ト液を厚みが100μmであり、
片面に易接着層を有する高透明性ポリエステルフィルム
基材(東洋紡績製 コスモシャインA4100)にアプ
リケ−タ−により前記基材フィルムの易接着層面にコ−
ティングし、100℃の熱風を風速1m/sで送りなが
らで30分間乾燥した。残留溶剤量は3.4重量%であ
った。図5にこのフィルタ−の分光特性を示す。図5に
示すように、波長400nmから650nmまでの可視
領域においては透過率が高く、近赤外域の吸収大きく、
巾の広い分光特性であった。このフィルタ−を温度60
℃、湿度95%雰囲気中に500時間放置し、再度分光
特性を測定したところ図6のようになった。図6に示す
ように、分光曲線に大きな変化は見られず、安定な性能
を示した。また、波長420nmから1100nmの透
過率の最大変化率は24.9%であった。
【0045】実施例4 実施例2で製作した近赤外線吸収フィルムの赤外線吸収
層の上部に高周波マグネトロンスパッタリング装置を用
いて380Åの酸化錫を積層し、続いてDCマグネトロ
ンスパッタ装置を用いて、200Åの銀薄膜を積層し、
更に、410Åの酸化錫層を積層して電磁波シールド層
を形成した。この時の表面抵抗は、約4Ω/□であっ
た。また、赤外線吸収層と反対側の透明なポリエステル
フィルムの面上にハードコート処理層(HC)を設け
た。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂1
00部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂
組成物を用い、バーコート法で成膜後、温度80℃で5
分間予備乾燥させ、500mJ/cm2 の紫外線照射に
より硬化させた。硬化後の厚さは5μmであった。上記
の様に、ハードコート、電磁波シールド層を赤外線吸収
層と共に作製したフィルタの分光特性を図7に示す。図
7のように、該フィルタは、近赤外線を吸収し、色調が
グレーで、且つ、電磁波を吸収しながらも高い可視光線
透過率を有していることがわかった。
【0046】実施例5 実施例2で製作した近赤外線吸収フィルムの赤外線吸収
層の上部に厚さ9μmの銅箔をアクリル系UV硬化型接
着剤を介して貼合わせ、フォトレジストを用いて貼り合
わされた銅箔をパターンニングし、エッチング処理を施
して、電磁波シールド層を形成した。この時の銅箔線幅
は、約15μm、ピッチは115μmで、開口率は75
%であった。また、赤外線吸収層と反対側の透明ポリエ
ステルフィルムの面上にハードコート処理層(HC)を
設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹
脂100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型
樹脂組成物を用い、バーコート法で成膜後、温度80℃
で5分間予備乾燥させ、500mJ/cm2 の紫外線照
射により硬化させた。硬化後の厚さは5μmであった。
上記の様に、ハードコート、電磁波シールド層を赤外線
吸収層と共に作製したフィルタの分光特性を図8に示
す。図8のように、該フィルタは、近赤外線を吸収し、
色調がグレーで、且つ、電磁波を吸収しながらも高い可
視光線透過率を有していることがわかった。
【0047】比較例1 実施例1で用いたコ−ティング液を、厚みが100μm
であり、片面に易接着層を有する高透明性ポリエステル
フィルム基材(東洋紡績製 コスモシャインA410
0)にグラビアロ−ルにより基材フィルムの易接着層面
にコ−ティングし、120℃の熱風を風速5m/sで送
りながらで1分間乾燥した。コ−ト層の厚さは11μ
m、コ−ト層の残留溶剤量は6.5重量%であった。目
視での色目はダ−クグレ−であった。また、図9にその
分光特性を示す。図9に示すように、波長400nmか
ら650nmまでの可視領域においては吸収が平らで、
波長700nm以上では急峻に吸収があるフィルタ−が
得られた。このフィルタ−を60℃、湿度95%雰囲気
中に500時間放置し、再度分光特性を測定したとこ
ろ、図10のようになった。図10に示すように、近赤
外領域の吸収が低下し、またフィルタ−の色目も黄緑色
に変化した。さらに波長420nmから1100nmの
透過率の最大変化率は154.6%と極めて大きかっ
た。
【0048】比較例2 実施例1で用いたコ−ティング液をアプリケ−タ−でコ
−ティングした後、80℃の熱風を風速0.4m/sで
送りながら30分間乾燥した以外は、実施例1と同様の
操作を行った。コ−ト層の厚さは18μm、コ−ト層中
の残留溶剤量は5.9重量%であった。目視での色目は
ダ−クグレ−であった。また、図11にその分光特性を
示す。図11に示すように、波長400nmから650
nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長70
0nm以上では急峻に吸収があるフィルタ−が得られ
た。このフィルタ−を温度60℃、湿度95%雰囲気中
に500時間放置し、再度分光特性を測定したところ、
図12のようになった。図12に示すように、近赤外領
域の吸収が低下し、またフィルタ−の色目も黄緑色に変
化した。さらに、波長420nmから1100nmの透
過率の最大変化率は91.0%と極めて大きかった。
【0049】比較例3 実施例1で用いたコーティング液をアプリケ−タ−でコ
−ティングした後、120℃の熱風を風速5m/sで送
りながら60分間乾燥した以外は、実施例1と同様の操
作を行った。コ−ト層の厚さは18μm、コ−ト層中の
残留溶剤量は0.04重量%であった。目視での色目は
褐色であった。また、図13にその分光特性を示す。図
13に示すように、波長400nmから450nmまで
に吸収が発生し、波長700nm以上では吸収率が低下
してしまっていた。
【0050】
【発明の効果】本発明の近赤外線吸収フィルタ−は、近
赤外域に大きく且つ巾の広い吸収をもち、さらに、可視
領域の光透過性が高く且つ可視領域に特定波長の大きな
吸収を持つことがないため、ビデオカメラ、ディスプレ
−などの光学機器、特にプラズマディスプレイ用の近赤
外線吸収フィルタ−として好適である。また、加工性及
び生産性が良好であり、また、環境安定性に優れ、高温
または高湿下でも長時間の使用に耐えうる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た近赤外線吸収フィルターの分光
特性を示した図である。
【図2】実施例1で得た近赤外線吸収フィルターを温度6
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
【図3】実施例2で得た近赤外線吸収フィルターの分光
特性を示した図である。
【図4】実施例2で得た近赤外線吸収フィルターを温度
60℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後
の分光特性を示した図である。
【図5】実施例3で得た近赤外線吸収フィルターの分光
特性を示した図である。
【図6】実施例3で得た近赤外線吸収フィルターを温度
60℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後
の分光特性を示した図である。
【図7】実施例4で得た電磁波シールド層を積層した近
赤外線吸収フィルターの分光特性を示した図である。
【図8】実施例5で得た電磁波シールド層を積層した近
赤外線吸収フィルターの分光特性を示した図である。
【図9】比較例1で得た近赤外線吸収フィルターの分光
特性を示した図である。
【図10】比較例1で得た近赤外線吸収フィルターを温
度60℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した
後の分光特性を示した図である。
【図11】比較例2で得た近赤外線吸収フィルターの分
光特性を示した図である。
【図12】比較例2で得た近赤外線吸収フィルターを温
度60℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した
後の分光特性を示した図である。
【図13】比較例3で得た近赤外線吸収フィルターの分
光特性を示した図である。
【符号の説明】 波長(nm) 分光特性測定時の波長 透過率(%) 分光特性測定時の光線透過率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 誠一郎 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近赤外線吸収色素をバインダ−樹脂に分
    散した組成物を基材上へ積層して形成される近赤外線吸
    収フィルタ−であって、前記積層物中の残留溶剤量が
    5.0重量%以下であることを特徴とする近赤外線吸収
    フィルタ−。
  2. 【請求項2】 前記積層物中の残留溶剤量が0.05〜
    3.0重量%以上であることを特徴とする請求項1記載
    の近赤外線吸収フィルタ−。
  3. 【請求項3】 近赤外線吸収色素として、少なくとも下
    記式(1)で表わされるジイモニウム塩化合物を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の近赤外線吸収フ
    ィルタ−。 【化1】 (式中、R1〜R8は、水素原子、アルキル基、アリ−ル
    基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基を表わ
    し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R
    9〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シア
    ノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコ
    キシ基を表わし、それぞれ同じであっても、異なってい
    ても良い。R1〜R12で置換基を結合できるものは置換
    基を有しても良い。X-は陰イオンを表わす。)
  4. 【請求項4】 近赤外線吸収色素として、含フッ素フタ
    ロシアニン系化合物と、ジチオ−ル金属錯体系化合物の
    両方、あるいはいずれかを含むことを特徴とする請求項
    1〜3記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  5. 【請求項5】 前記ジチオ−ル金属錯体系化合物が、下
    記式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする
    請求項4記載の近赤外吸収フィルタ−。 【化2】 (R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アミノ基を表
    わし、それぞれ同じであっても、異なっていても良
    い。)
  6. 【請求項6】 前記基材が透明な基材であることを特徴
    とする請求項1〜5記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の透明な基材がポリエステ
    ルフィルムであることを特徴とする近赤外線吸収フィル
    タ−。
  8. 【請求項8】 前記バインダ−樹脂のガラス転移温度
    が、利用する機器の使用保証温度以上であることを特徴
    とする請求項1〜7記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  9. 【請求項9】 前記バインダ−樹脂のガラス転移温度が
    85〜140℃の範囲であることを特徴とする請求項1
    〜8記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  10. 【請求項10】 前記近赤外線吸収フィルタ−の片面、
    又は両面に剥離可能な保護フィルムを積層していること
    を特徴とする請求項1〜9記載の近赤外線吸収フィルタ
    −。
  11. 【請求項11】 前記近赤外線吸収フィルタ−の片面ま
    たは両面に粘着剤層を形成し、更にその上部に離型フィ
    ルムを積層することを特徴とする請求項1〜10記載の
    近赤外線吸収フィルタ−。
  12. 【請求項12】 前記近赤外線吸収フィルタ−の表面ま
    たは裏面に開口率が50%以上の金属メッシュ導電層を
    有していることを特徴とする請求項1〜11記載の近赤
    外線吸収フィルタ−。
  13. 【請求項13】 前記近赤外線吸収フィルタ−の表面ま
    たは裏面に透明導電層を有していることを特徴とする請
    求項1〜12記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  14. 【請求項14】 前記近赤外線吸収フィルタ−の最外層
    に反射防止層を有することを特徴とした請求項1〜13
    記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  15. 【請求項15】 前記近赤外線吸収フィルタ−の最外層
    に防眩処理層を有することを特徴とする請求項1〜14
    記載の近赤外線吸収フィルタ−。
  16. 【請求項16】 プラズマディスプレイの前面に設置さ
    れることを特徴とする請求項1〜15記載の近赤外線吸
    収フィルタ−。
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