JP2006195399A - 近赤外線吸収フィルター - Google Patents

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JP2006195399A JP2005063147A JP2005063147A JP2006195399A JP 2006195399 A JP2006195399 A JP 2006195399A JP 2005063147 A JP2005063147 A JP 2005063147A JP 2005063147 A JP2005063147 A JP 2005063147A JP 2006195399 A JP2006195399 A JP 2006195399A
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Abstract

【課題】 800〜1050nmといった広い範囲の近赤外線を効率良く吸収し、可視光の透過率が高く、なおかつ長期間の使用によっても黄色変化の小さい近赤外線吸収フィルターを提供する。
【解決手段】 近赤外線吸収色素を含有し、以下(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする近赤外線吸収フィルター。(a)波長825nm、880nm、980nmにおける透過率が10%以下(b)波長450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上(c)温度80℃に500時間保持する耐熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20%
【選択図】 なし

Description

本発明は近赤外線吸収フィルター、特に可視光線領域の透過率が高く、近赤外線を有効に遮断する近赤外線吸収フィルターに関するものであり、詳しくは特定の色素を混合して用いた近赤外線吸収フィルターに関するものである。
本発明の近赤外線吸収フィルターは別の機能を有する層と組み合わせることにより、プラズマディスプレイパネル用フィルター等の電子ディスプレイ用フィルターの一部として用いることもできるものである。
一般に、近赤外線吸収色素を含有した樹脂からなるプラスチック性近赤外線吸収フィルターは、よく知られており、その用途としては、サングラス、溶接用眼鏡、ビルや自動車、電車、飛行機の窓、あるいは情報読み取りのための光学読み取り装置等が挙げられる。
また、最近では、大型薄型の壁掛けテレビとして注目されているプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)が、近赤外線を発生して、コードレスホン、近赤外線リモコンを使うビデオデッキ等、周辺にある電子機器に作用し誤動作を起こすことから、PDP用フィルターとしても800〜1050nmの近赤外線を吸収する赤外線吸収色素を含有したフィルターの要求がある。
上述のような近赤外線吸収フィルターとしては、銅や鉄などの金属イオンを含有させたもの、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、ジチオール金属錯体化合物、アミノチオフェノール金属錯体化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、トリアリルメタン系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物等の近赤外線吸収色素を含有させたものなど各種検討がなされており、例えば、アルキルチオ基やアリールチオ基を有するジチオレート系化合物が光学フィルターとして用いることは特許文献1に記載されている(特許文献1参照)。
特開昭64−69686号公報
上記近赤外線吸収色素は1種類の色素だけで上述のような800〜1050nmといった範囲をカバーすることは不可能であり、通常、複数種類の色素、具体的には近赤外線の中でも比較的短波長の近赤外線を吸収する色素と、比較的長波長の近赤外線を吸収する色素とを組み合わせて用いている。
このとき、製造時の手間及びコストを考慮すると複数種類の色素を混合し、同一樹脂層に含有させたフィルターの方が好ましいが、混合した色素同士が相互作用を及ぼし、単独で用いた場合に比較して性能劣化を生じる。従って、実際の製品はそれぞれの色素含有層を積層させる場合が多い。
比較的長波長の近赤外線を吸収する色素として、インモニウム、フタロシアニン、ナフタロシアニンが一般に使用されている。
しかし、インモニウムは、錯体化合物色素、あるいは非含金族化合物色素と同一樹脂層に含有させると、インモニウムが劣化し、400〜450nm付近に吸収が現れ黄みを帯びるといった問題がある。また、フタロシアニン、ナフタロシアニンは、耐久性が高く劣化による黄色変化が生じづらいものの、可視光の透過率が低いという点で、光学フィルターとしての使用の自由度が低下するという問題があった。
すなわち、これらの色素を用いた従来の近赤外線吸収フィルターは、製造時の手間及びコストを考慮して複数種類の色素を混合しようとすると、長期間の使用により黄色変化したり、または、可視光の透過率が低いといった問題があった。
そこで、本発明においては、近赤外線を効率良く吸収し、可視光の透過率が高く、なおかつ長期間の使用によっても黄色変化の小さい近赤外線吸収フィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を鑑み、混合する色素の組み合わせを鋭意検討した結果、800〜1050nmといった広範囲の近赤外線を効率よく吸収し、長期間の使用によっても黄色変化が少なく、なおかつ400〜700nmといった可視光領域の光の透過率が高い近赤外線吸収フィルターを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、近赤外線吸収色素を含有し、以下(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする近赤外線吸収フィルター
(a)波長825nm、880nm、980nmにおける透過率が10%以下
(b)波長450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上
(c)温度80℃に500時間保持する耐熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20%
に存する。
さらには、下記一般式(1)
Figure 2006195399
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換されていても良い脂肪族炭化水素基又は置換されていても良いアリール基を示す。R1及びR2、R3及びR4が一体となって環を形成していても良い。あるいは、式(1)にXRR'R''R'''R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、
R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していて
も良いアリール基を示す。M1は金属原子を示す。)で表される化合物と、
下記一般式(2)
Figure 2006195399
(式中、A及びA'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または、水素原子を示す。ここで、R5とR6は、互い
に直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(2)にXRR'R''
R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M2は金属原子を示す。)で表される化
合物、
下記一般式(3)
Figure 2006195399
(式中、B及びB'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R7及びR8は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または、水素原子を示す。ここで、R7とR8は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(3)にXRR'R''
R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M3は金属原子を示す。)で表される化
合物、
下記一般式(4)
Figure 2006195399
(式中、C及びC'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R9及びR10は、それぞれ独立して、
置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または、水素原子を示す。ここで、R9とR10は、
互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(4)にXRR'
R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M4は金属原子を示す。)で表され
る化合物、
下記一般式(5)
Figure 2006195399
(式中、D及びD'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。あるいは、式(5)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子
を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M5は金属原子を示す。)で表される化合
物、
下記一般式(6)
Figure 2006195399
(式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換されていても良い脂肪族炭化水素基又は置換されていても良いアリール基を示す。ここで、R11〜R14は隣り合う2個の置換基が連結基を介してつながっていてもよい。あるいは、式(6)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型
をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M6は金属原子を示す)で表される化合物、
下記一般式(7)
Figure 2006195399
(式中、E及びE'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。あるいは、式(7)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子
を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M7は金属原子を示す。)で表される化合
物、
下記一般式(8)
Figure 2006195399
(式中、F及びF'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。あるいは、式(8)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子
を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M8は金属原子を示す。)で表される化合
物、
及び下記一般式(9)
Figure 2006195399
(式中、R15〜R30は、それぞれ独立して、任意の置換基を示し、隣り合う2つの置換基が連結基を介して環を形成しても良い。M9は水素原子又は金属原子(ここで、該金属原
子は、金属酸化物、金属ハロゲン化物又は金属カルボニル化合物となっていてもよく、若しくは、酸と塩を形成していても良い。)を示す。)で表される化合物
からなる群より選ばれる1種以上の化合物とを含有する層を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルターに存する。
本発明によれば、800〜1050nmといった広範囲の近赤外線を効率よく吸収するうえに、可視光の透過率が高く、長期間の使用によっても黄色変化が少ない近赤外線吸収フィルターが提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
1,近赤外線吸収フィルター
本発明の近赤外線吸収フィルターは、近赤外線吸収色素を含有し、800〜1050nmの波長域をカバーする近赤外線吸収フィルターであって、具体的には、以下(a)〜(c)の条件を満たすものである。
(a)波長825nm、880nm、980nmにおける透過率が10%以下
プラズマディスプレイパネルにおいては、825nm、880nm、980nm近辺の近赤外線発光が特に強く、これらの波長を吸収するフィルターが有用である。本発明の近赤外線吸収フィルターはこれらの波長における光線透過率が10%以下である。また、800〜1050nmの波長域における平均光線透過率が20%以下であるのが好ましく、15%以下であるのがより好ましい。
(b)波長450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上
通常のプラズマディスプレイの可視光の発光は、450nmをピークとして、400〜500nmに青色の発光が存在し、525nmをピークとして500〜550nmに緑の発光が存在し、また、赤色の発光は595nm、610nm、625nmにシャープな発光として存在している。ただ、赤色の発光のうち、595nmの発光はプラズマディスプレイの赤色表示時の赤をオレンジ色がからせる原因の発光として、この領域に吸収を持つ色素を前面フィルターに含有させてカットさせるのが通常である(特開2000-258624号公
報参照)。
これらから、プラズマディスプレイ用途では、450nm、525nm、625nmの透過率を40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上とすることがディスプレイの画面の輝度確保の観点から好ましい。
また、可視光透過率が、特には400〜450nmにおける平均透過率が好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。加えて、550〜600nmにおける平均透過率が好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上にすることにより、車窓ガラスに用いた場合の景色の色再現性(明るさ)やディスプレイの画面の明るさ等を確保することも可能である。
(c)温度80℃に500時間保持する耐熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20%
本発明の近赤外線吸収フィルターは、耐熱性に優れたものであり、80℃の恒温槽での500時間耐熱試験を行った後でも可視光領域に新たなピークが出ることもなく、430nmにおける吸光度変化(%)(吸光度変化=(試験後の吸光度−試験前の吸光度)/試験前の吸光度)が−20%以上、好ましくは−15%以上より好ましくは−10%以上であって、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。ここで、430nmは黄色に関連する波長であり、430nmにおける吸光度変化が少ないことは、黄色変化が少ないことを意味する。
該試験前後のL*a*b*表色系におけるΔE*abが通常−5.0以上、好ましくは−3.0以上、より好ましくは−2.0以上、更に好ましくは−1.0以上であって、通常10.0以下、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下である。特にはΔb*が−3.0以上、好ましくは−2.0以上、より好ましくは−1.5以上であって、3.0以下、好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
また、上記(a)に規定した様に、本発明の近赤外線吸収フィルターの820nm、880nm、980nmにおける光線透過率は10%以下であるが、80℃の恒温槽での500時間耐熱試験を行った後でも15%以下を維持することができる。
また、(a)〜(c)の条件に加えて、以下の(d)の条件を満たすことが好ましい。(d)温度60℃で相対湿度90%に500時間保持する耐湿熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−40%〜40%
本発明の近赤外線吸収フィルターは、耐湿熱性も優れたものであり、60℃、湿度90%の恒温槽での500時間耐湿熱試験を行った後でも可視光領域に新たなピークが出ることもなく、430nmにおける吸光度変化(%)(吸光度変化=(試験後の吸光度−試験前の吸光度)/試験前の吸光度)が通常−40%以上、好ましくは−20%以上、より好ましくは−15%以上、更に好ましくは−10%以上であって、通常40%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
該試験前後のL*a*b*表色系におけるΔE*abが通常−5.0以上、好ましくは−3.0以上、より好ましくは−2.0以上、更に好ましくは−1.0以上であって、通常10.0以下、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下である。特にはΔb*が−3.0以上、好ましくは−2.0以上、より好ましくは−1.5以上であって、3.0以下、好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
また、上記(a)に規定した様に、本発明の近赤外線吸収フィルターの820nm、880nm、980nmにおける光線透過率は10%以下であるが、60℃、湿度90%の恒温槽での500時間耐湿熱試験を行った後でも15%以下を維持することができる。
また、(a)〜(c)の条件に加えて、以下の(e)の条件を満たすことが好ましい。(e)キセノンランプにより放射強度320w/m2の光を280時間照射する耐光性試
験前後の、430nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20%
本発明の近赤外線吸収フィルターは、耐光性も優れたものであり、キセノンランプにより放射強度320w/m2の光を280時間照射する耐光性試験を行った後でも可視光領
域に新たなピークが出ることもなく、430nmにおける吸光度変化(%)(吸光度変化=(試験後の吸光度−試験前の吸光度)/試験前の吸光度)が通常−20%以上、好ましくは−15%以上より好ましくは−10%以上であって、通常20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。
耐光性試験の方法は、上記の放射強度の光を照射することができれば特に限定されないが、例えば富士フィルム(株)社製UVカットフィルター(SC−39)を装着した状態で、キセノンランプにより320w/m2の光を280時間耐光性試験を行う。キセノン
ランプにより照射する光は、通常、300〜700nmの光を含み、300nm以下の光を実質的に含まないものである。
また、該試験前後のL*a*b*表色系におけるΔE*abが通常−5.0以上、好ましくは−3.0以上、より好ましくは−2.0以上、更に好ましくは−1.0以上であって、通常10.0以下、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下である。特にはΔb*が−3.0以上、好ましくは−2.0以上、より好ましくは−1.5以上であって、3.0以下、好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
また、上記(a)に規定した様に、本発明の近赤外線吸収フィルターの820nm、880nm、980nmにおける光線透過率は10%以下であるが、キセノンランプにより放射強度320w/m2の光を280時間照射する耐光性試験を行った後でも820nm、880nm、980nmにおける光線透過率が15%以下を維持することができる。
中でも、上記(a)〜(e)の全ての条件を満たすものが好ましい。
2,本願フィルターに用いられる近赤外線吸収色素
本発明の近赤外線吸収フィルターは通常2種類以上の近赤外線吸収色素を含有するものであって、2種類以上の近赤外線吸収色素を含有する層を有するものが好ましい。
2種類以上の近赤外線吸収色素としては、少なくとも以下の(i)および(ii)の2種類の近赤外線吸収色素を含むのが好ましい。
中でも、(i)の近赤外線吸収色素として下記一般式(1)で表される化合物、(ii)の近赤外線吸収色素として下記一般式(2)〜(9)の中からなる群より選ばれる化合物のうち少なくとも1種以上、を含有するものが更に好ましい。一般式(1)で表される化合物と一般式(2)〜(9)で表される化合物とは相互作用が極めて小さいため、同一樹脂層に含有させることができる。
(i)最大吸収波長を900nm〜1200nmに有する近赤外線吸収色素
最大吸収波長を900nm〜1200nmに有する色素としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006195399
上記一般式(1)において、R1及びR2、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換されていても良い脂肪族炭化水素基又は置換されていても良いアリール基を示す。
上記脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2−エチルブチル基、イソプロピル基、2−ブチル基、シクロヘキシル基、3−ペンチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2,4−ペンタジエニル基等のアルケニル基;エチニル基等のアルキニル基が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基又はナフチル基などが挙げられる。
該R1〜R4の脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、ジチオレート系錯体の安定性に悪影響を与えない基であれば、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基、アシル基、アミノアシル基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、イミド基及びシリル基などからなる群より選択された基が挙げられる。これらの置換基として具体的にはメチル基、エチル基などの炭素数1〜6程度のアルキル基;エチニル基、プロピレニル基などの炭素数1〜6程度のアルケニル基;アセチレニル基など炭素数1〜6程度のアルキニル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜20程度のアリール基;チエニル基、フリル基、ピリジル基などの炭素数3〜20程度のヘテロアリール基;エトキシ基、プロポキシ基などの炭素数1〜6程度のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基などの炭素数6〜20程度のアリールオキシ基;ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基などのなどの炭素数3〜20程度のヘテロアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基などの炭素数1〜6程度のアルキルチオ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基などの炭素数6〜20程度のアリールチオ基;ピリジルチオ基、チエニルチオ基などのなどの炭素数3〜20程度のヘテロアリールチオ基;ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などの炭素数1〜20程度の置換基を有していても良いアミノ基;アセチル基、ピバロイル基などの炭素数2〜20程度のアシル基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基などの炭素数2〜20程度のアシルアミノ基;3−メチルウレイド基などの炭素数2〜20程度のウレイド基;メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基などの炭素数1〜20程度のスルホンアミド基;ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基などの炭素数1〜20程度のカルバモイル基;エチルスルファモイル基などの炭素数1〜20程度のスルファモイル基;ジメチルスルファモイルアミノ基などの炭素数1〜20程度のスルファモイルアミノ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数2〜6程度のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基などの炭素数7〜20程度のアリールオキシカルボニル基;ピリジルオキシカルボニル基などの炭素数6〜20程度のヘテロアリールオキシカルボニル基;メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、取りフルオロメタンスルホニル基などの炭素数1〜6程度の
アルキルスルホニル基;ベンゼンスルホニル基、モノフルオロベンゼンスルホニル基などの炭素数6〜20程度のアリールスルホニル基;チエニルスルホニル基などの炭素数3〜20程度のヘテロアリールオキシスルホニル基;フタルイミドなどの炭素数4〜20程度のイミド基;又は、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で3置換されているシリル基が挙げられる。
また、上記R1及びR2、R3及びR4が一体となって環を形成していても良い。具体的には、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CF2−CH2−、−CH2
−CH2−CH2−CH2−、および−CH(Ph)−CH2−、−CH(Me)−CH2
等の置換されていても良いアルキレン基;−CH=CH−、−C(Me)=CH−、および−CH=CH−CH2−CH2−CH=CH−等の置換されていても良いアルケニレン基;−CH2−S−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CH2−C(=O)−CH2−、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−、および−CH2−CH2−O−CH2−CH2−等の連結基を含有するアルキレン基等を形成していても良い。
上記R1及びR2、R3及びR4として好ましくは無置換のアルキル基、または、置換基を有する良いアルキル基、特に好ましくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)、シアノ基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基を有するアルキル基である。
1及びR2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていても良いが、同一の方が好ましい。
M1は、金属元素を示すが、好ましくは、Ni、Pd、Ptといった10属元素;Au
、Co、Fe、Ti、Sn又はCuであり、より好ましくは10族元素であり、特にはNiが好ましい。
また、上記一般式(1)で表される化合物はXRR'R''R'''R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。塩を形成する場合の塩は通常、Xがカチオンである以下の式(X1)またはXRR'R''R'''R''''の全体がカチオンである以下の式(X2)で表される塩であり、式(X2)で表される塩が好ましい。
Figure 2006195399
ここで、Xは、15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R'、R''、R'''、R''''は、それぞれ独立に、置換されていても良いアルキル基又は置換されていてもよいアリール基であり、上記アルキル基及びアリール基の置換基としては、R1〜R4の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R'、R''、R'''、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基などのアリール基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。
以上例示したもののうち、塩を形成しているものより、塩を形成していないものの方がより好ましい。
塩を形成していないもののなかでも、R1及びR2、R3及びR4が炭素数10以下の1級又は2級アルキル基であるものが好ましく、炭素数10以下の2級アルキル基であるものがより好ましい。
また、モル吸光係数は、通常5000以上、好ましくは8000以上の化合物である。
加えて、上記一般式(1)で表される化合物のトルエン等芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒から選ばれる溶媒に対する溶解度としては、通常0.1%以上、好ましくは0.5%以上である。
本願フィルターに用いられる近赤外線吸収化合物として好ましいものとしては、各置換基の説明において好ましいとされている物を組み合わせたものが挙げられるが、一般式(1)で表される化合物として好ましい具体例としては、例えば、以下の構造式で示されるものが挙げられる。ただし、以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
(ii)最大吸収波長を750nm〜900nmに有する近赤外線吸収色素
最大吸収波長を750nm〜900nmに有する近赤外線吸収色素としては、下記一般式(2)〜(9)で表される色素が好ましい。
下記一般式(2)〜(9)で表される化合物は、上記一般式(1)で表される化合物の場合と同様にXRR'R''R'''R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。塩を形成する場合の塩は通常Xがカチオンである塩またはXRR'R''R'''R''''の全体がカチオンである塩であり、XRR'R''R'''R''''の全体がカチオンである塩が好ましい。
下記一般式(2)
Figure 2006195399
において、A及びA'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は
置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。
5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。ここで、R5とR6は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。M2は、M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記A及びA'のアリール基及びヘテロアリール基を構成する骨格としては、好ましく
は6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記A及びA'のアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4の
置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、A及びA'上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH23−又は−(
CH24−等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2O−又は−O(CH22
−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
上記R5とR6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2−エチルブチル基、イソプロピル基、2−ブチル基、シクロヘキシル基、3−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基が挙げられる。このうち好ましくは炭素数10以下の1級又は2級アルキル基、特に好ましくは炭素数10以下の1級アルキル基である。
上記R5とR6のアルキル基の置換基としては、先のR1〜R4の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、特に好ましくは,無置換、ハロゲン原子、中でもフッ素原子、シアノ基、アルコキシ基及びアリール基である。
上記R5とR6のアリール基及びヘテロアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等の5員又は6員単環若しくはそれらの縮合環が挙げられる。このうち好ましくは、置換基を有していても良いアリール基、より好ましくは、置換基を有していても良いフェニル基である。特に下図のような場合が好ましい。
Figure 2006195399
さらに、置換基を有しても良いフェニル基のうち、特に好ましくは、上記R5及びR6が結合している窒素原子と結合する炭素原子に隣接する炭素原子が、置換基R31及びR32を有する場合である。R31及びR32は、1価の置換基を示す。上記R31及びR32としては、色素の安定性に悪影響を与えない基であれば特に限定されないが、より好ましくは、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換されていても良いアルキルチオ基、置換されていても良いアリールチオ基及び置換されていても良い複素環チオ基からなる群より選ばれる置換基のように立体障害性の高い基であるか、または、Hammettの置換基定数σmが0.00<σm<0.90となるような電子吸引性基が挙げられる。R5及びR6が芳香環の場合、芳香環上の置換基同士は、隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH23−又は−(CH24−等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2O−又
は−O(CH22O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
一般式(2)で表される色素の好ましい具体例としては、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
下記一般式(3)
Figure 2006195399
において、B及びB'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は
置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。
7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。ここで、R7とR8は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。M3は、M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記B及びB'のアリール基及びヘテロアリール基を構成する骨格としては、好ましく
は6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル
基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記B及びB'のアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4
置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、B及びB'上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH23−又は−(
CH24−等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2O−又は−O(CH22
−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
上記R7及びR8のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基としては、先のR5
びR6のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であげたものと同様のものがあげ
られる。上記R7及びR8のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4の置換基としてあげたものと同様の置換基があげられるが、特に好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基及びアリール基である。
7及びR8は、直接、あるいは、連結基を介して互いに結ばれていても良いが、特に下記一般式(3’)のような場合が好ましい。
Figure 2006195399
33〜R41として好ましい具体例としては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、フェネチル基などのハロゲン原子又
はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などのアルキル基で置換されていても良い炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。R33〜R41の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH23−又は−(CH24−等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2O−又は−O(CH22O−等の炭素数1〜4程度
のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
このうち好ましくは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアリールオキシ基等の電子吸引性基、もしくは、水素原子が挙げられ、R33〜R41の中で、少なくともひとつは水素原子でないものである。さらにはR33〜R41の少なくとも1つがフッ素原子、塩素原子またはシアノ基であり、残りは水素原子であるのが好ましい。
前記一般式(3)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される物が挙げられる。
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
下記一般式(4)
Figure 2006195399
において、C及びC'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は
置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。
9及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基
、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。ここで、R9とR10は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い

4は、M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記C及びC'のアリール基及びヘテロアリール基を構成する骨格としては、6員の単
環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記C及びC'のアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4の
置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、C及びC'上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH23−又は−(
CH24−等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2O−又は−O(CH22
−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
上記R9及びR10のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基としては、先のR5及びR6のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であげたものと同様のものがあげ
られる。上記R9及びR10のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基の置換基とし
ては、先のR1〜R4の置換基としてあげたものと同様の置換基があげられるが、特に好ま
しくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基及びアリール基である。
前記一般式(4)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される物が挙げられる。
Figure 2006195399
下記一般式(5)
Figure 2006195399
において、D及びD'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は
置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。
5は、M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記D及びD'のアリール基及びヘテロアリール基を構成する骨格としては、好ましく
は6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記D及びD'のアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4
置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、上記D及びD'の置換基で記載したのと同様に、隣り合う2個の置換基が2〜5
程度のアルキレン基や炭素数1〜5程度のアルキレンジオキシ基等の連結基を介してつながってもよい。
一般式(5)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される物が挙げられる。
Figure 2006195399
下記一般式(6)
Figure 2006195399
において、R11〜R14は、水素原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基又はシアノ基であり、好ましくは、置換されていても良いアリール基又は置換されていてもよいアルキル基である。
6は、上記M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、上記R1〜R4で記載したのと同様の基が挙げられる。
上記R11〜R14の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、シアノフェニル基、メトキシフェニル基、フェノキシフェニル基等のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良い炭素数6〜15のアリール基が挙げられ、より好ましくはアリール基である。
また、上記R11〜R14のアリール基及びヘテロアリール基の置換基が、上記D及びD'
で記載したのと同様に隣り合う2個の置換基がアルキレン基やアルキレンジオキシ基等の連結基を介してつながってもよい。
一般式(6)で表される色素の好ましい具体例としては、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006195399
Figure 2006195399
下記一般式(7)
Figure 2006195399
において、E及びE'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は
置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。
7は、M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記E及びE'のアリール基及びヘテロアリール基を構成する骨格としては、好ましく
は6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記E及びE'のアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4
置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、上記D及びD'の置換基で記載したのと同様に、隣り合う2個の置換基が2〜5
程度のアルキレン基や炭素数1〜5程度のアルキレンジオキシ基等の連結基を介してつながってもよい。
一般式(7)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される物が挙げられる
Figure 2006195399
下記一般式(8)
Figure 2006195399
において、F及びF'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は
置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。
8は、M1で記載したのと同様のものを用いることができる。
上記F及びF'のアリール基及びヘテロアリール基を構成する骨格としては、好ましく
は6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記F及びF'のアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、先のR1〜R4
置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、上記F及びF'の置換基で記載したのと同様に、隣り合う2個の置換基が2〜5
程度のアルキレン基や炭素数1〜5程度のアルキレンジオキシ基等の連結基を介してつながってもよい。
Figure 2006195399
下記一般式(9)
Figure 2006195399
において、R15〜R30は、任意の置換基を表し、本発明の化合物の基本的性能を損なわない限り特に制限は無いが、例えば、R15〜R30の置換基としてあげたものと同様の基があげられる。
上記一般式(9)におけるM9は水素原子又は金属原子である。金属原子はフタロシア
ニン骨格と錯体を形成出来る原子であれば、特に限定されず、金属酸化物、金属ハロゲン化物又は金属カルボニル化合物となっていてもよく、若しくは、酸と塩を形成していても良い。好ましくは銅原子、バナジウムオキシ基又は塩化スズ基が挙げられる。
上記一般式(9)で表される化合物のうち、好ましい具体例としては、特開平10−78509号公報、特開平11−116826号公報、特開平11−65463号公報及び特開2000−26748号公報に記載されているものが挙げられ、中でも、下記に記載したような含フッ素フタロシアニン系化合物が好ましい。
Figure 2006195399
Figure 2006195399
加えて、上記一般式(2)〜(9)で表される化合物のトルエン等芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒から選ばれる溶媒に対する溶解度としては、通常0.1%以上、好ましくは0.5%以上である。
尚、上記化合物(1)は、J.Mater.Chem.,p.1861(1994)により合成でき、上記化合物(2)は、Russ. J. Gen. Chem., 66巻、1842頁(19
96年)により合成でき、上記化合物(3)は、特開2001−89492号公報に記載の方法で合成でき、化合物(4)は J.Am.Chem.Soc.,88卷、5201頁(1966年)により合成でき、化合物(5)はJ.Am.Chem.Soc., 88卷、43頁及び4870頁(1966年)に記載の方法で合成でき、化合物(6)は、J.Am.Chem.Soc.,87卷、1483頁(1965年)に記載の方法で合成でき、化合物(7)、化合物(8)および化合物(9)は、特開2000−26748号公報に記載の方法で合成できる。
3.近赤外線吸収フィルターの製造方法
本発明の赤外線吸収フィルターの製造方法としては、透明基板に近赤外線吸収色素を含む塗工液をコーティングする方法、近赤外線吸収色素をバインダー樹脂と溶融混錬してフィルム状に成形する方法などが挙られるが、近赤外線吸収色素に対する負荷を低減するため、塗工液をコーティングする方法の方が好ましい。
以下に、透明基板に近赤外線吸収色素を含む塗工液を塗布して赤外線吸収フィルターを製造する方法について詳細に説明する。
(基板)
本発明の赤外線吸収フィルターを構成する透明基板としては、実質的に透明であって、吸収、散乱が大きくない基材であればよく、特に制限はない。その具体的な例としては、ガラス、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等が挙げられる。これらの中では、特に非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂が好ましい。
これらの樹脂は、フェノール系、燐系などの酸化防止剤、ハロゲン系、燐酸系等の難燃剤、耐熱老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を配合することができる。
透明基板は、これらの樹脂を、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶解させてキャスティングする方法などなどの成形方法を用い、フィルム状に成形したものが用いられる。フィルム状に成形された樹脂は延伸されていても未延伸でもよい。また、異なる材料からなるフィルムが積層されていても良い。
透明基板の厚みは、目的に応じて通常10μm〜5mmの範囲から選択される。
更に、透明基板は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施してもよい。
(近赤外線吸収色素層)
近赤外線吸収色素を含む塗工液は、近赤外線吸収色素をバインダー樹脂とともに溶剤中に溶解又は分散させることにより、調製することができる。また、分散させる場合、近赤外線吸収色素を必要に応じて分散剤を用いて、粒径を通常0.1〜3μmに微粒子化し、バインダーとともに、溶剤に分散させて調製することもできる。
このとき溶剤に溶解又は分散される近赤外線吸収色素、分散剤、およびバインダー樹脂などの全固形分の濃度は、通常5〜50重量%である。また、全固形分に対する金属錯体の濃度は、近赤吸収色素トータルとして通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%である。また、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)〜(9)で
表される化合物の総量の比としては、1:10以上、好ましくは1:5以上であって、1:0.1以下、好ましくは1:0.2以下である。
尚、バインダー樹脂に対する近赤外線吸収剤の濃度としては、当然のことながら、近赤外線吸収フィルターの膜厚にも依存するため、溶融混練してフィルム状に成形するような場合には、上述の色濃度よりは低くなる。
分散剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。その使用量は、金属錯体化合物に対して、通常0〜100重量%、好ましくは0〜70重量%である。
バインダーとしては、通常、ポリメチルメタクレート樹脂、ポリエチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。その使用量は、バインダーに対して金属錯体化合物が、0.01重量%以上好ましくは0.1重量%以上、20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
また、前記(1)で表される化合物及びその塩型化合物よりなる群から選ばれる化合物を含む場合の近赤外線吸収フィルターに用いるバインダーとしては、温度60℃、湿度90%における吸湿率が2%以下のバインダーが好ましい。
このようなポリマーバインダーとしては、温度60℃、湿度90%における吸湿率が2%以下のポリマーバインダーであれば、特に制限はなく、通常のポリマーバインダーから適宜選択して用いることができるが、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等が、有機溶媒に対する溶解性が高く、効果的に用いられる。これらのポリマーバインダーは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い
これらのポリマーバインダーの分子量は通常1000以上、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上であって、通常100万以下、好ましくは50万以下、より好ましくは30万以下である。分子量が小さい場合には、末端に親水性の置換基を有するポリマーバインダーであると吸湿率が上がる傾向があり、分子量が大きいと有機溶剤に対する溶解性が低くなり取り扱いが煩雑になるという傾向がある。
また、ポリマーバインダーの酸価は通常0mg−KOH/g以上であり、通常10mg−KOH/g以下、好ましくは5mg−KOH/g以下、より好ましくは2mg−KOH/g以下である。ポリマーバインダーの酸価が大きいと通常は吸湿率が高くなる傾向があり、酸価が小さいと通常は吸湿率が低くなる傾向があるため、酸価ができるだけ小さい方が好ましい。
なお、ポリマーバインダーの酸価を測定するためにはポリマーバインダーをエーテル、エタノールなどの溶媒に溶解した後、KOH溶液により中和滴定して、ポリマーバインダー1gに対するKOH(水酸化カリウム)の消費量(mg)を測定する。ここで用いる溶媒としては、滴定に影響を及ぼさずかつポリマーバインダーを充分に溶解するものであれば特に限定されない。例えばエーテル系溶剤、アルコール系溶剤などが一般的であり、ポリマーバインダーに対して適宜選択して使用することができる。
本発明において、吸湿率が低いポリマーバインダーとしては水酸基、カルボキシル基及びスルホニル基などの親水性の置換基の量が少ないものが好ましい。酸価は、これらの親水性の置換基の量と相関があるため、ポリマーバインダーの酸価が小さいとポリマーバインダーの親水性が低下し、その結果吸湿率が低下する傾向がある。
なお、本発明において、温度60℃、湿度90%におけるポリマーバインダーの吸湿率(以下「60℃,90%吸湿率」と称す場合がある。)は、後述の実施例に示すように、温度60℃、湿度90%の恒温高湿槽内にこのポリマーバインダーを所定時間静置して重量を測定し、重量増加の変化を求め、重量変化が実質的になくなった(例えば0.05%/日になった)ことを確認し、最も重量が重いときの重量W1と初期重量(乾燥重量)W0とから、下記式で算出することができる。通常、該恒温高湿槽内に1週間静置してW1
測定する。
60℃,90%吸湿率=(W1−W0)÷W0×100
本発明において、用いるポリマーバインダーの60℃,90%吸湿率が2%を超えると、十分な耐熱性、耐湿性、耐光性を得ることができない。60℃,90%吸湿率は低い程好ましく、特に1.5%以下、とりわけ1%以下であることが好ましい。
溶媒としては、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラクロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、エナント酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル類シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、スクアラン等の芳香族炭化水素類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素等のアミド類、テトラヒドロフラン(以下「THF」という)、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類あるいはこれらの混合物を用いることができる。
また、近赤外線吸収色素を含む塗工液には、必要に応じて、上記以外の近赤外線吸収剤を添加してもよい。他の近赤外線吸収剤としては、有機物質であるニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、トリアリルメタン系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物、あるいは、無機物であるカーボンブラックや、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、周期律表4A、5Aまたは6A族に属する金属の酸化物、もしくは炭化物、またはホウ化物などが挙げられる。
金属錯体を含む塗工液の透明基材へのコーティングは、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の公知の塗工方法で行われる。
金属錯体を含む層は、乾燥後の膜厚が、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、通常30μm以下、好ましくは10μm以下となるように塗布される。
(紫外線カット層)
本発明の赤外線吸収フィルターは、さらに紫外線カット層を設けることにより、金属錯体との相乗効果によって、赤外線吸収フィルターの耐光性を著しく向上させることができる。紫外線カット層としては、400nm以下の波長の紫外線を効率よくカットできるものであり、350nmの波長の光を70%以上吸収できることが好ましい。紫外線カット層の種類については、特に制限されないが、好ましくは紫外線吸収剤を含有する樹脂フィルム(紫外線カットフィルム)が好ましい。
紫外線カット層に用いられる紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よくカットする化合物であれば、有機系、無機系のいずれも特に限定なく用いることができる。例えば有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられ、無機系紫外線級剤としては酸化チタン系紫外線吸収剤、酸化亜鉛系紫外線吸収剤、微粒子酸化鉄系紫外線吸収剤等が挙げられるが、無機系紫外線吸収剤の場合は紫外線カット層中で微粒子状態で存在しているため、赤外線吸収フィルターの効率を損なう恐れがあることから、有機系紫外線吸収剤が好ましい。
このような紫外線吸収剤としては、例えば、チバガイギー(株)のチヌビンP、チヌビン120、213、234、320、326、327、328、329、384、400、571、住友化学(株)のスミソーブ250、300、577、共同薬品(株)バイオソーブ582、550、591、城北化学(株)のJFー86、79、78、80、旭電化(株)のアデカスタブLA−32,LA−36,LA−34、シプロ化成(株)のシーソルブ100、101、101S、102、103、501、201、202、612NH、大塚化学(株)のRUVA93、30M、30S、BASF(株)のユービナール3039等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、単独で用いても良いが、数種類組み合わせても良い。また、紫外線を吸収して可視領域に波長変換するチバガイギー(株)のユービテックスOB,OB−P等の蛍光増白剤も利用できる。
また、紫外線カットフィルムは、市販のUVカットフィルターを使用することもでき、例えば、富士フィルム(株)のSC−38、SC−39、SC−42、三菱レーヨン(株)のアクリプレン等が挙げられる。上記のUVカットフィルター、SC−39、アクリプレンは、ともに350nmの波長を99%以上吸収する紫外線カットフィルムである。
このように紫外線吸収層を設けた本発明の近赤外線吸収フィルターは、Xeランプを200時間照射することによる耐光性試験後の色素残存率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上となり、可視光領域に新たな吸収ピークが出てくることもない。ここで、色素残存率は、800〜1050nm領域における試験前後の吸収強度の減少度合から求める。
上記近赤外線吸収フィルターは単独はもちろん透明のガラスや他の透明樹脂板等と貼り合わせた積層体として用いてもよい。
また、本発明により得られる近赤外線吸収フィルターは、本発明のディスプレイパネル用フィルター以外にも、熱線遮断フィルム、サングラス、保護眼鏡、リモコン受光器など幅広い用途に使用することができる。
3,電子ディスプレイ用フィルター
さらに、本発明の赤外線吸収フィルターは、必要に応じて、電磁波カット層、表面への蛍光灯などの外光の写り込みを防止する反射防止層、ぎらつき防止層(ノングレア層)、色調補正層を設け、電子ディスプレイ用、より好ましくはプラズマディスプレイパネル用フィルターとして使用することができる。
本発明の電子ディスプレイ用フィルターは、上記近赤外線吸収フィルターを用いている他は、通常、用いられる構成や製造方法等を任意にとることができ、特に限定されるものではないが、以下にプラズマディスプレイパネル用フィルターとして用いる場合を代表例として説明する。
(電磁波カット層)
本発明のプラズマディスプレイパネル用フィルターに用いられる電磁波カット層としては、金属酸化物等の蒸着あるいはスパッタリング方法等が利用できる。通常は酸化インジウムスズ(ITO)が一般的であるが、誘導体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛などの透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀−パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層より3層、5層、7層あるいは11層程度積層する。基材としては、本発明の赤外線吸収フィルターをそのまま利用しても良いし、樹脂フィルムあるいはガラス上に蒸着あるいはスパッタリングして電磁波カット層を設けた後に、本発明の赤外線吸収フィルターと貼り合わせても良い。
(反射防止層)
本発明のプラズマディスプレイパネル用フィルターに用いられる反射防止層としては、表面の反射を抑えてフィルターの透過率を向上させるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを該フィルター上に貼り付けることもできる。
本発明の近赤外線吸収フィルターを含め、一般的な近赤外線吸収フィルターはやや緑色を帯びることが多い。プラズマディスプレイ等ディスプレイ用途に使用する場合は、その色は無彩色であることが好ましいため、ディスプレイの輝度を大きく損なわない程度に、緑色の補色となるような500〜600nmに吸収を持つ色材を含有させ、無彩色化することが好ましい。
また、電球やハロゲン球電灯などはその発光スペクトル中の赤色成分が多い。蛍光灯などの照明の下では無彩色に見えるが、これらの照明が照射する下では赤色を帯びてしまうことも多々ある。このような場合は600〜700nm近傍に吸収を持つような色材をディスプレイの輝度を大きく損なわない程度に含有させ、電球やハロゲン球電灯が照射する下でも無彩色となるようにすることが好ましい。
さらに、プラズマディスプレイ用フィルターとして使用する場合、プラズマディスプレイから発せられる590〜600nmのネオンオレンジ光を吸収できるような色材を含有させ色補正を行った方が好ましい。
これらの色素を含有する層は、近赤外吸収層とは別層として作成し、近赤外吸収層と貼り合わせた積層体として用いても良く、また、近赤外吸収剤との混合した際の発色性、耐久性等諸特性に問題がなければ、近赤外吸収剤と同一層となるようにしても良い。ただし、工程簡略化、コスト削減等の観点から後者の方が好ましい。
ここで用いる色材としては、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料、色素等一般的なものが挙げられる。無機顔料としては、コバルト化合物、鉄化合物、クロム化合物等が挙げられ、有機顔料としては、アゾ系、インドリノン系、キナクリドン系、バット系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系等が挙げられる。また有機系染料、色素としては、アジン系、アゾ系、ニッケルアゾ錯体系、アゾメチン系、アントラキノン系、インジゴイド系、インドアニリン系、オキサジン系、オキソノール系、キサンテン系、キノフタロン系、シアニン系、スクアリリウム系、スチルベン系、テトラアザポルフィリン系、トリフェニルメタン系、ナフトキノン系、ピラロゾン系、ピロメテン系、ジピロメテン系、ベンジリデン系、ポリメチン系、メチン系、クロム錯塩系等が挙げられる。
緑色の補色となるような500〜600nmに吸収を持つ色材の具体例としては、保土谷化学工業株式会社製のAizen S.O.T. Violet-1、Aizen S.O.T. Blue-3、Aizen S.O.T. Pink-1、Aizen S.O.T. Red-1、Aizen S.O.T. Red-2、Aizen S.O.T. Red-3、Aizen Spilon Red BEH Special、Aizen Spilon Red GEH Specialや、日本化薬株式会社製のKayaset Blu
e A-S、Kayaset Red 130、Kayaset Red A-G、Kayaset Red 2G、Kayaset Red BR、Kayaset
Red SF-4G 、Kayaset Red SF-B 、Kayaset Violet A-R、三菱化学株式会社製のダイヤレジンBlue-J、ダイヤレジンBlue-G、ダイヤレジンViolet-D、ダイヤレジンRed H5B、ダイ
ヤレジンRed S、ダイヤレジンRed A、ダイヤレジン Red K、ダイヤレジン Red Z、PTR63
や、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製のViolet-RB、Red-G、Pink-5BGL、Red-BL、Red-2B、Red-3GL、Red-GR、Red-GAなどが挙げられる。その中でも近赤外吸収剤と同一層とする場合は、近赤吸収剤の安定性の観点からクロム錯塩系が好ましい。
また、600〜700nm近傍に吸収を持つような色材の具体例としては、保土谷化学工業株式会社製のAizen S.O.T. Blue-1、Aizen S.O.T. Blue-2、Aizen S.O.T. Blue-3、Aizen S.O.T. Blue-4、Aizen Spilon Blue 2BNH、Aizen Spilon Blue GNHや、日本化薬株式
会社製のKayaset Blue N、Kayaset Blue FR、KAYASORB IR-750や、三菱化学株式会社製のダイヤレジンBlue-H3G、ダイヤレジンBlue-4G、ダイヤレジンBlue-LR、PTB31、PBN、PGC
、KBN、KBFRや、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製のBlue-GN、Blue-GL、Blue-BL、Blue-Rや、C.I.Solvent Blu3 63などが挙げられる。
560〜600nmに吸収を持つ色材の具体例としては、特開2000-258624号公報、特
開2002-040233号公報、特開2002-363434号公報に記載の有機染料や特表2004-505157号公
報や特開2004-233979号公報に記載のキナクリドンなどの有機系顔料などが挙げられる。
(ノングレア層)
また、上述の各層の他にぎらつき防止層(ノングレア層)も設けてもよい。ノングレア層は、フィルターの視野角を広げる目的で、透過光を散乱させるために、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法などを用いることができる。インキの硬化は、熱硬化あるいは光硬化を用いることができる。また、ノングレア処理したフィルムを該フィルター上に貼り付けることもできる。更に必要であれば、ハードコート層を設けることもできる。
以下に、実施例により本発明の実施態様を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
実施例1
下式(1−11)で表される化合物0.055g、下式(2−51)で表される化合物0.028g及び下式(3−33)で表される化合物0.033gを、MEK0.25g、トルエン1.50g及びアクリル系樹脂(オプトレッツOZ1100)のMEK溶液(樹脂濃度35重量%)2.5gと混合し、超音波をかけて溶解させ塗工液を調製した。
ここで、アクリル系樹脂(日立化成社製オプトレッツOZ1100)1.0616gをシャーレに入れ、温度60℃、湿度90%の恒温高湿槽内に静置し、1週間後重量を測定したところ、1.0656g(重量増加率0.37%)であった。従って、(60℃,90%)吸湿率が2%以下であることが確認された。
Figure 2006195399
この塗工液を、バーコータ(No.12;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレフタレート製フィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外線吸収フィルターを得た。
この近赤外線吸収フィルターは、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、また、450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターを80℃の恒温槽、及び、60℃、湿度90%の恒温層に500時間入れてそれぞれ耐熱性及び耐湿熱性の試験を実施した。さらに、耐光性をみるために、このフィルターに、富士写真フィルム(株)製UVカットフィルター(SC−39)を装着し、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、放射強度320w/m2の光を280時間照射し耐光性試験を行っ
た。
これらの試験前後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率、ならびにL*a*b*表色系におけるΔE*abおよびΔb*を表1〜3に示す。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であり、色素の劣化は、少なく、可視領域における色変化も少なかった。また、耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度の変化率(試験後の吸光度−試験前の吸光度/試験前の吸光度)で評価したところ、耐熱性、耐湿熱性および耐光性試験の順に−7、−3および−1であり、小さかった。
実施例2
式(1−11)の化合物の代わりに下式(1−12)で表される化合物を用いた他は実施例1と同様にして、近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、また、450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターの耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験を実施例1と同様に行った結果を表1〜3に示す。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であり、色素の劣化は、少なく、可視領域における色変化も少なかった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、実施例1と同様に430nmにおける吸光度評価したところ、その変化率は、−7、−2および−1であった。
実施例3
式(1−11)の化合物の代わりに下式(1−2)で表される化合物を、下式(3−33)の化合物代わりに下式(6−1)で表される化合物を用いた他は実施例1と同様にし
て、近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、また、450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターの耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験を実施例1と同様に行った結果を表1〜3に示す。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であり、色素の劣化は、少なく、可視領域における色変化も少なかった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、−7、−3および4であり、小さかった。
実施例4
式(1−11)の化合物の代わりに下式(1−3)で表される化合物を、式(2−51)の化合物代わりに(2−52)を用いた他は実施例1と同様にして、近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、また、450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターの耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験を実施例1と同様に行った結果を表1〜3に示す。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であり、色素の劣化は、少なく、可視領域における色変化も少なかった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、−6、−3および−0であり、小さかった。
比較例1
式(1−11)の化合物0.055gの代わりに、下記式(E)で表されるインモニウム化合物(日本カーリット(株)製 CIR−1081)0.057gを用いた以外は
実施例1と同様に近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは表4、表5、表6に示す通り、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、450nm、525nm、625nmでの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターの耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験を実施例1と同様に行った結果を表1〜3に示す。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であったが、可視領域における色変化があった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、23、49および26であり大きかった。
比較例2
式(1−11)の化合物0.055gの代わりに、下記式(F)で表されるインモニウム化合物(日本カーリット(株)製 CIR−1085)0.055gを用いた以外は
実施例1と同様に近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは表4、表5、表6に示す通り、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、450nm、525nm、625nmでの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であったが、可視領域における色変化があった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、33、48および28であり大きかった。
比較例3
実施例1に対して、式(1−11)で表される化合物および式(2−51)で表される化合物の代わりに下式(E)で表されるインモニウム化合物を用いた。
下式(3−33)0.0875g、下式(E)で表されるインモニウム化合物0.165gを、MEK2.85g、トルエン2.16g及びアクリル系樹脂(オプトレッツOZ1100)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度35重量%)5.0gと混合し、超音波をかけて(3−33)及び(E)を溶解させ塗工液を調製した以外は実施例1と同様に近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは表4、表5、表6に示す通り、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、450nm、525nm、625nmでの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターの耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験を実施例1と同様に行った結果を表1〜3に示す。試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であったが、可視領域における色変化があった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、46、102および62であり、大きかった。
比較例4
式(3−33)で表される化合物の代わりに下記式(3−17)で表される化合物を用いた以外は比較例3と同様に近赤外線吸収フィルターを得た。
Figure 2006195399
この近赤外線吸収フィルターは表4、表5、表6に示す通り、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であり、450nm、525nm、625nmでの透過率が40%以上であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断し、なおかつPDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものである。
このフィルターの耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験を実施例1と同様に行った結果を表1〜3に示す。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であったが、可視領域における色変化があった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、29、65および30であり大きかった。
比較例5
実施例1に対して、式(1−11)で表される化合物および式(2−51)で表される化合物の代わりにフタロシアニン化合物((株)日本触媒製 イーエクスカラーEX−
901B)を用いた。
該フタロシアニン化合物0.061gおよび前記式(3−33)で表される化合物を0.023g用いて、トルエン2.22g及びアクリル系樹脂(オプトレッツOZ1100)のトルエン/MEK混合溶液(樹脂濃度25重量部、トルエン/MEK重量比率=1/1)7.0gとを混合し、室温にて1時間攪拌し、上記化合物を溶解させることで塗工液を調整した。
この塗工液を、バーコーター(No.36;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレフ
タレート製フィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外線吸収フィルターを得た。
この近赤外線吸収フィルターは表4、表5、表6に示す通り、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であったが、450nm、525nm、625nmでの透過率が40%以下であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮断するものの、PDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものではない。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であり、可視領域における色変化があった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、3、1および1であり、小さかった。
比較例6
実施例1に対して、式(1−11)で表される化合物に代えて下記式(G)で表されるニッケルジチオレート化合物((株)林原生物化学研究所製 NKX114)を用いた

下記式(G)のニッケルジチオレート化合物0.046g、前記式(2−51)で表される化合物0.009g、および前記式(3−33)で表される化合物0.011gを、クロロホルム4.42g及びアクリル系樹脂(オプトレッツOZ1100)のクロロホルム溶液(樹脂濃度25重量部)14.0gとを混合し、水浴中40℃にて2時間攪拌し、上記化合物を溶解させることで塗工液を調整した。
Figure 2006195399
この塗工液を、バーコーター(No.75;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレ
フタレート製フィルムに塗工し乾燥した後、さらにバーコーター(No.12;江藤器械(
株)製)で塗工膜上に塗工し、乾燥することにより近赤外線吸収フィルターを得
た。
この近赤外線吸収フィルターは表4、表5、表6に示す通り、825nm、880nm、980nmでの透過率が10%以下であったが、450nm、525nm、625nmでの透過率が40%以下であった。すなわち、PDP本体からの近赤外線発光を有効に遮
断するものの、PDP本体から発せられる青色・緑色・赤色発光を十分に透過するものではない。
試験後の825nm、880nmおよび980nmにおける透過率は、いずれの場合も15%以下であり、可視領域における色変化があった。耐熱性、耐湿熱性及び耐光性試験によるフィルターの黄色変化を、430nmにおける吸光度で評価したところ、その変化率は、−1、7および−2であり、小さかった。
Figure 2006195399
Figure 2006195399
Figure 2006195399
表1〜3に示された結果から明らかな通り、実施例1〜4の近赤外線吸収フィルターは、(a)825nm、880nmおよび980nmの透過率が10%以下であって、(b)450nm、525nmおよび625nmの透過率が40%以上であり、(c)温度80℃に500時間保持する耐熱性試験後の430nmにおける吸光度の変化率が−20%〜20%である。
更には、(d)温度60℃で相対湿度90%に500時間保持する耐湿熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−40%〜40%であり、(e)キセノンラ
ンプにより放射強度320w/m2の光を280時間照射する耐光性試験前後の、430
nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20% である。
これに対して比較例の近赤外線吸収フィルターは、長期間の使用により黄色変化するか、または可視領域である450nm、525nmおよび625nmの透過率が低いため、光学フィルターとしての性能が劣る。
すなわち、最大吸収波長を900nm〜1200nmに有する近赤外線吸収色素として、ジインモニウムを用いた比較例1〜4の近赤外線吸収フィルターは、(c)、(d)および(e)の要件を満たすことはできない。すなわち、長期間の使用により黄色変化する。また、最大吸収波長を900nm〜1200nmに有する近赤外線吸収色素として、フタロシアニン化合物を用いた比較例5、およびニッケルジチオレート化合物を用いた比較例6は、(a)と(b)の要件を同時に満たすことができない。すなわち、近赤外線を充分に吸収しようとすると可視光の透過率が低くなり、一方、可視光を充分透過させようとすると近赤外線も透過してしまう。
実施例1の近赤外線吸収フィルターの透過率である。

Claims (10)

  1. 近赤外線吸収色素を含有し、以下(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする近赤外線吸収フィルター。
    (a)波長825nm、880nm、980nmにおける透過率が10%以下
    (b)波長450nm、525nm、625nmの透過率が40%以上
    (c)温度80℃に500時間保持する耐熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20%
  2. 更に(d)の条件を満たす請求項1に記載の近赤外線吸収フィルター。
    (d)温度60℃で相対湿度90%に500時間保持する耐湿熱性試験前後の430nmにおける吸光度の変化率(%)が−40%〜40%
  3. 更に(e)の条件を満たす請求項1に記載の近赤外線吸収フィルター。
    (e)キセノンランプにより放射強度320w/m2の光を280時間照射する耐光性試
    験前後の、430nmにおける吸光度の変化率(%)が−20%〜20%
  4. 2種類以上の近赤外線吸収色素を含有する層を有する請求項1に記載の近赤外線吸収フィルター。
  5. 2種類以上の近赤外線吸収色素が、少なくとも以下の(i)および(ii)の近赤外線吸収色素を含む請求項4に記載の近赤外線吸収フィルター
    (i)最大吸収波長を900nm〜1200nmに有する近赤外線吸収色素
    (ii)最大吸収波長を750nm〜900nmに有する近赤外線吸収色素
  6. (i)最大吸収波長を900nm〜1200nmに有する近赤外線吸収色素が、下記一般式(1)
    Figure 2006195399
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換されていても良い脂肪族炭化水素基又は置換されていても良いアリール基を示す。R1及びR2、R3及びR4が一体となって環を形成していても良い。あるいは、式(1)にXRR'R''R'''R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、
    R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していて
    も良いアリール基を示す。M1は金属原子を示す。)で表される化合物である請求項5に
    記載の近赤外線吸収フィルター。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外線吸収フィルターを用いた電子ディスプレイ用フィルター。
  8. 下記一般式(1)
    Figure 2006195399
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換されていても良い脂肪族炭化水素基又は置換されていても良いアリール基を示す。R1及びR2、R3及びR4が一体となって環を形成していても良い。あるいは、式(1)にXRR'R''R'''R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、
    R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していて
    も良いアリール基を示す。M1は金属原子を示す。)で表される化合物と、
    下記一般式(2)
    Figure 2006195399
    (式中、A及びA'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
    換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または、水素原子を示す。ここで、R5とR6は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(2)にXRR'R''
    R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M2は金属原子を示す。)で表される化
    合物、
    下記一般式(3)
    Figure 2006195399
    (式中、B及びB'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
    換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R7及びR8は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または、水素原子を示す。ここで、R7とR8は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(3)にXRR'R''
    R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M3は金属原子を示す。)で表される化
    合物、
    下記一般式(4)
    Figure 2006195399
    (式中、C及びC'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
    換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R9及びR10は、それぞれ独立して、
    置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または、水素原子を示す。ここで、R9とR10は、
    互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(4)にXRR'
    R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M4は金属原子を示す。)で表され
    る化合物、
    下記一般式(5)
    Figure 2006195399
    (式中、D及びD'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
    換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。あるいは、式(5)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子
    を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M5は金属原子を示す。)で表される化合
    物、
    下記一般式(6)
    Figure 2006195399
    (式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換されていても良い脂肪族炭化水素基又は置換されていても良いアリール基を示す。ここで、R11〜R14は隣り合う2個の置換基が連結基を介してつながっていてもよい。あるいは、式(6)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型
    をとっても良い。ここで、Xは、15族原子を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す
    。M6は金属原子を示す)で表される化合物、
    下記一般式(7)
    Figure 2006195399
    (式中、E及びE'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
    換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。あるいは、式(7)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子
    を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M7は金属原子を示す。)で表される化合
    物、
    下記一般式(8)
    Figure 2006195399
    (式中、F及びF'は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置
    換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。あるいは、式(8)にXRR'R''R''' R''''で表される化合物が配位して塩型をとっても良い。ここで、Xは、15族原子
    を表し、R'、R''、R'''、R''''は、置換基を有していても良いアルキル基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。M8は金属原子を示す。)で表される化合
    物、
    及び下記一般式(9)
    Figure 2006195399
    (式中、R15〜R30は、それぞれ独立して、任意の置換基を示し、隣り合う2つの置換基が連結基を介して環を形成しても良い。M9は水素原子又は金属原子(ここで、該金属原
    子は、金属酸化物、金属ハロゲン化物又は金属カルボニル化合物となっていてもよく、若しくは、酸と塩を形成していても良い。)を示す。)で表される化合物
    からなる群より選ばれる1種以上の化合物と
    を含有する層を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルター。
  9. さらに紫外線カット層を有することを特徴とする請求項8に記載の近赤外線吸収フィルター。
  10. 請求項8又は9に記載の近赤外線吸収フィルターを用いた電子ディスプレイ用フィルター。
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