JP7032969B2 - シアニン化合物 - Google Patents

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本発明は、シアニン化合物及びその会合体に関する。さらに、シアニン化合物又はその会合体を染料として含む色補正フィルターに関する。
2012年、国際電気通信連合無線部門により、BT.2020が勧告化され、4K及び8K映像の映像パラメータが策定された。BT.2020により超高精細度テレビジョンに関する色域規格が策定されたことに伴い、近年ではこの色域規格に適応する広い色再現性を有する液晶ディスプレイの開発が強く望まれている。
カラーテレビやノートパソコンなどに広く用いられている液晶ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)のような自発光型のデバイスとは異なり、液晶パネルの背面に配置されたバックライトユニットを光源とする。液晶ディスプレイ装置のバックライト光源には、従来は冷陰極管(CCFL)が広く採用されていたが、近年では輝度や消費電力が大幅に改善された発光ダイオード(LED)が冷陰極管に代わり使用されるようになった。
液晶ディスプレイに使用されるLED光源には白色LED光源が使用されているが、その代表的な方式としては、(1)赤色、緑色及び青色発光の3つのLEDを組み合わせて白色光源とする白色LEDと、(2)青色発光LEDと赤色及び緑色発光の蛍光体で構成された白色LEDと、(3)青色発光LEDと黄色発光の蛍光体で構成された白色LEDの3通りが挙げられる。(1)の方式の場合、冷陰極管を用いた液晶表示装置よりも広い領域での色再現性を有するが、3つのLEDを使用することから消費電力および製造コストの面で好ましくない。また、(2)や(3)の方式の場合、発光効率が高く消費電力が少ない点では有利であるが、色再現性が悪いといった課題がある。
液晶ディスプレイでは、バックライト光源から放出された光をカラーフィルターに通過させることによって、赤(R)、緑(G)、青(B)それぞれのスペクトル範囲のみを取り出して色を再現している。しかしながら、R、G、Bそれぞれのカラーフィルターには、不要な光を全て吸収することができない領域が存在する。具体的にはカラーフィルターのRとGの中間波長領域(黄色光に当たる部分:590nm付近)や、GとBの中間波長領域(青緑光に当たる部分:490nm付近)がこれに該当する。即ち、赤色カラーフィルターには黄色光の一部が、緑色カラーフィルターには黄色及び青緑光の一部が、また青色カラーフィルターには青緑光の一部がそれぞれ、透過してしまう領域が存在するために、(2)や(3)の方式の場合、カラーフィルター透過光の色純度が低下し、色再現性が悪くなる。
この課題を解決するためには、光源の色純度をできるだけ高くする方法が考えられる。例えば、特許文献1では、青色LEDと量子ドット(QD)とを組み合わせたバックライトユニットが提案されている。量子ドットは狭い波長帯で強い発光スペクトルを有することから色再現性の向上や消費電力の低減に効果があるものの、一般に量子ドットを形成する材料にはCdSe(セレン化カドミウム)やCdS(硫化カドミウム)といった環境に問題のあるカドミウム化合物を主に使用しているため、製造面や廃棄面において好ましいとはいえない。また、カドミウム化合物を使用しない量子ドット材料の開発もなされているが、発光効率や耐久性の点から満足のいく性能を有する代替材料は見出されていないのが現状である。
そこで、液晶ディスプレイの色再現性を向上させる別の手法として、カラーフィルターを透過してくる色純度の悪い不要な領域の光を吸収する色補正光学フィルターを液晶ディスプレイ装置に導入する方式が提案されている。この方式の場合、所定の波長を吸収する有機色素等を用いた色補正光学フィルターを併用するだけで、バックライトユニットには従来のLED光源を使用することができるが、特定の波長を吸収する有機色素等には、不要な領域の光を吸収するのみならず、液晶ディスプレイの明るさを低下させないために必要な領域の光の吸収が極力少ないことが要求される。例えば、特許文献2乃至4には、有機色素としてテトラアザポルフィリン化合物を用いた色補正フィルターが記載されているが、本発明者らの検討の結果、副吸収を有するために、溶剤に溶解した時の紫外可視吸収スペクトルの形状が色補正光学フィルター用途には不十分であり、該化合物を含む色補正光学フィルターを液晶ディスプレイに用いた場合には、必要な波長領域の光が吸収されることによりディスプレイの明るさが低下することが懸念される。副吸収が小さく、特定の領域の光を吸収する色素材料として色素のJ会合体を形成させる方法が知られている。特許文献5には反射防止及び色再現性改良のために取り付けられる反射防止膜に染料の会合体を用いることで特定の領域の光を吸収させる方法が記載されている。特許文献6乃至7には、シアニン色素のJ会合体を使用した光学フィルターが記載されているが、本発明者らの検討の結果、光に対する堅牢性が必ずしも十分に満足できるものではなかった。
特表2013-539170号公報 特許6142398号公報 特開2014-130763号公報 特許5411700号公報 特開2000-193802号公報 特開2008-304677号公報 特開2015-36796号公報
本発明は、耐光性等の堅牢性に優れる新規のシアニン化合物並びに該化合物を用いた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するシアニン化合物は、従来に比べ飛躍的に耐光性等の検討性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
Figure 0007032969000001
(式(1)中、Rはピリジル基を、Xはn-プロピレン基又はn-ブチレン基を、YはCO又はSOを、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子をそれぞれ表す。)で表されるシアニン化合物、
(2)YがSOであり、Mが水素原子、カリウム原子又はカルシウム原子である前項(1)に記載のシアニン化合物、
(3)Rが-CO基を一つ以上有するピリジル基であって、Mが水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子である前項(1)または(2)に記載のシアニン化合物、
(4)Mが水素原子、カリウム原子又はカルシウム原子である前項(3)に記載のシアニン化合物。
(5)がn-ブチレン基である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシアニン化合物、
(6)会合体である請求項1乃至5に記載のシアニン化合物
(7)請求項1乃至6のいずれかの一項に記載のシアニン化合物及び樹脂分散剤を含有する樹脂組成物、及び
(8)請求項7に記載の樹脂組成物を含む色補正フィルター、
に関する。
本発明のシアニン化合物は、耐光性等の堅牢性に優れるものであり、該化合物を含む着色樹脂組成物は、従来公知のシアニン化合物を含む染料着色体よりも堅牢性に優れた特性を示す。即ち、本発明の化合物は、色補正フィルター等、堅牢性の要求される幅広い用途に応用できる。
本発明のシアニン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、Rはピリジル基を表す。
式(1)のRが表すピリジル基とはピリジン(CN)から水素原子を一つ除いた残基であり、ピリジン環上の水素原子を一つ除く位置は窒素原子に対するオルソ位、メタ位又はパラ位の何れの炭素原子からでも構わない。
式(1)のRが表すピリジル基は置換基を有していてもよい。
式(1)のRが表すピリジル基が有していてもよい置換基は特に限定されないが、-CO基であって、Mが水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子であることが好ましい。
前記-CO基中のMが表すアルカリ金属原子及びアルカリ土類金属原子の具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、フランシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子及びラジウム原子が挙げられる。
前記-CO基中のMとしては、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はカルシウム原子であることが好ましく、水素原子又はカリウム原子であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式(1)のRが表すピリジル基が有していてもよい置換基の数は1乃至4つの何れでも構わないが、一つであることが好ましい。
式(1)中、Xはn-プロピレン基又はn-ブチレン基を表し、n-ブチレン基であることが好ましい。
式(1)中、YはCO又はSOを表し、SOであることが好ましい。
式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を表す。
式(1)のMが表すアルカリ金属原子及びアルカリ土類金属原子の具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、フランシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子及びラジウム原子が挙げられる。
式(1)のMとしては、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子であることが好ましく、水素原子、カリウム原子であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式(1)のM及び/又は前記-CO基中のMがアルカリ土類金属の場合、CO基、SO基又はCO基との結合に関与しない一方の正の電荷は、負の電荷を有するいかなる物質や化合物等と結合していても構わず、これらは全て本発明の式(1)で表されるシアニン化合物の範疇に含まれる。
及び/又はM2がアルカリ土類金属である式(1)で表されるシアニン化合物の好ましいものとしては、例えば下記式(1-2)や(1-3)で表されるシアニン化合物が挙げられる。式(1-2)及び/又は式(1-3)中、R、X、Y、M及びMは式(1)におけるR、X、Y、M及びMと同じ意味を表す。Aはアルカリ土類金属原子を表す。これら式(1-2)及び(1-3)はシアニン化合物の二量体の一例であるが、本発明のシアニン化合物は、複数のアルカリ土類金属化合物M1及び/又はM2を介した多量体であってもよい。
Figure 0007032969000002
Figure 0007032969000003
式(1)で表されるシアニン化合物としては、上記したR、X、Y、M及びMのそれぞれの好ましいものの組み合わせのものが好ましい。
式(1)で表されるシアニン化合物は、例えば、特開2001-131435号公報等の明細書の記載を参照して合成することができる。
本発明の式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0007032969000004
Figure 0007032969000005
Figure 0007032969000006
Figure 0007032969000007
本発明のシアニン化合物は、会合状態で用いることが好ましく、Jバンドを形成する会合状態で用いることがさらに好ましい。
会合状態の染料は、一般にJバンドを形成するため、シャープな吸収スペクトルピークを示す。染料の会合とJバンドについては、文献(例えば、Photographic Science and Engineering Vol 1 8,No 323-335(1 974))に記載がある。さらに、会合状態の染料の吸収極大は、有機溶液での染料の吸収極大よりも長波側に移動する。シアニン化合物は、水に溶解するだけで会合体を形成する。従って、シアニン化合物が会合状態であるか、非会合状態であるかは、有機溶媒(例、メタノール)中の吸収極大と水中での吸収極大とを測定することで容易に判断できる。本明細書では、有機溶液(メタノール)での染料の吸収極大より30nm以上長波長側に移動している状態を会合状態と称する。会合状態の染料では、吸収極大の移動が30nm以上であることが好ましく40nm以上であることがさらに好ましく45nm以上であることが最も好ましい。
本発明のシアニン化合物の水溶液に、ゼラチンまたは塩(例、塩化バリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム又は塩化カルシウム等)を添加して会合体を形成してもよい。シアニン化合物の会合体は、シアニン化合物の固体微粒子分散物として形成することもできる。固体微粒子分散物にするためには、公知の分散機を用いることが出来る。分散機の例には、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミルおよびローラミルが含まれる。分散機については、特開昭52-92716号公報および国際特許88/074794号明細書に記載がある。縦型または横型の媒体分散機が好ましい。
分散は、適当な媒体(例、水、アルコール)の存在下で実施してもよい。分散用界面活性剤を用いることが好ましい。アニオン性界面活性剤(特開昭52-92716号公報および国際特許88/074794号明細書記載)が好ましく用いられる。必要に応じて、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性界面活性剤あるいはカチオン性界面活性剤を用いてもよい。色補正フィルターを作成する場合は、シアニン色素の溶液にカチオン性ポリマーもしくはカチオン性界面活性剤を添加し、分散する方法が特に好ましい。シアニン化合物を適当な溶媒に溶解した後、その貧溶媒を添加して、微粒子状の粉末を得てもよい。この場合も、上記の界面活性剤を用いることができる。また、溶液のpHを調整することにより、シアニン化合物の微結晶を析出させてもよい。この微結晶もシアニン化合物の会合体である。会合状態のシアニン化合物が微粒子(または微結晶)である場合、平均粒径は0.01乃至10μmであることが好ましい。
本発明の顔料組成物が含有する樹脂分散剤は、公知の樹脂分散剤であれば特に限定されないが、本発明の化合物との親和性を考慮した場合、カチオン系の樹脂分散剤が好ましい。例えば、具体例としては、ビックケミージャパン株式会社製のDESPERBYK-2000、DESPERBYK-2001及びDESPERBYKLPN-21116などが挙げられるが、これらに限定されない。樹脂分散剤の添加量は、有機顔料10質量部に対して通常1乃至100質量部、好ましくは10乃至80質量部である。
本発明の樹脂組成物には、必要により有機溶剤を加えることができる。用い得る有機溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル等のエステル類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N-メチルピロリドン(NMP)、2-ピロリドン等の極性有機溶剤等が挙げられ、これらの溶剤は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物を含む色補正フィルターは、少なくともガラス及び各種フィルム等の透明基材と該透明基材の片面又は両面設けられた本発明の樹脂組成物からなる樹脂層(粘着層)とを備える。樹脂層は、基材に直接接するように配置されていてもよく、基材上に設けられた保護層等の層を間に介して基材上に配置されていてもよい。透明基材として用いられるフィルムは特に限定されないが、例えば、偏光性フィルム又は位相差フィルム等が挙げられる。偏光性フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物等のポリビニルアルコール系樹脂から形成されたフィルムにヨウ素、二色性染料等の偏光素子を含浸させ延伸させることにより偏光性が付与されたものが好適に用いられるが、その他の種類のものであってもよい。位相差フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、シクロオレフィンな等の樹脂から製造されるフィルムを延伸させることにより位相差性が付与されたものが好適に用いられるが、その他としては液晶性を有する物質が塗工されたフィルムや膜であってもよい。
透明基材としては、透明性や機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れるプラスチックなどをフィルムに成形したものが好ましく用いられるが、本発明の色補正光学フィルターの片面又は両面に、前記の諸特性に優れたプラスチック製のフィルムを保護層としてさらに設けてもよい。前記の諸特性に優れるプラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂並びにトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂並びにアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂;アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系並びにシリコーン系等の熱硬化性樹脂;及び紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系又は多環状ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有する非晶性ポリオレフィン系樹脂であってもよい。また、透明基材の片面又は両面には、上記のプラスチック製のフィルムに加えて、又は上記のプラスチック製のフィルムに代えて、セルロース系の保護層が設けられていてもよい。セルロース系の保護層としてはセルロース系フィルム、特に三酢酸セルロースやその他の透明なアセチルセルロース系フィルムが一般的に用いられる。
本発明の色補正フィルターは、透明基材上にフローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、リップコート法、ダイコーター法等の公知の塗工方法で本発明の樹脂組成物を塗布した後、必要により(樹脂組成物が溶剤を含む場合等)10乃至から100℃、好ましくは10乃至40℃で乾燥して厚さ1乃至50μmの樹脂層を設けることにより得られる。
本発明の色補正フィルターは液晶ディスプレイ装置、特にLEDを光源とする液晶ディスプレイ装置に好ましく用いられる。LEDを光源とする液晶ディスプレイに本発明の色補正光学フィルターを適用することにより、色再現性が改善された液晶ディスプレイ装置が得られる。
液晶ディスプレイ装置における色補正光学フィルターの設置位置は、LED光源と視聴者との間でありさえすれば特に限定されるものではないが、液晶ディスプレイ中に存在する2枚の偏光フィルムの内の視聴者側に位置する偏光フィルムに貼合せて設置されることが好ましい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。実施例中、λmaxは分光光度計「(株)島津製作所製、商品名UV-3150」により測定した。尚、以下の記載における「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1(上記具体例化合物のNo.1およびNo.9で示される化合物の混合物の合成)
反応容器にピリジン20部、下記式(A)で表される化合物1.8部、2,3-ピリジンジカルボン酸無水物6部を加え、120℃で4時間反応させた後、25℃まで冷却し、析出した固体をろ過し、メタノール20部とイソプロパノール20部で洗浄した。得られた固体を水50部に溶解し、35%塩酸を加えてpHを1に調整し、30分間撹拌した。析出した固体をろ過し、乾燥することにより、具体例化合物のNo.1およびNo.9で示される化合物の混合物を0.6部得た。該化合物の極大吸収波長λmaxは354nm(NMP)であった。
Figure 0007032969000008
実施例2(本発明の樹脂組成物の調製)
実施例1で得られた具体例化合物のNo.1およびNo.9で示される化合物の混合物 0.06部、DESPERBYK-2001(ビックケミー社製)0.87部、プロピレングリコールモノエチルエーテル(純正化学社製)20部を混合した後、0.1mmジルコニアビーズ25部を添加して、ペイントシェーカーで16時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、着色組成部の分散液を得た。得られた着色組成物の分散液8部及びアクリル酸系アルキルエステルモノマーを原料とする共重合体(商品名PTR-104;日本化薬社製)25部をプロピレングリコールモノエチルエーテル2.9部に溶解して本発明の樹脂組成物1を調製した。
実施例3(本発明の色補正光学フィルターの作製)
易接着PETフィルム(商品名:コスモシャインA4300;東洋紡績社製)に、乾燥後の樹脂層の厚さが15μmとなる量の実施例2で得られた本発明の樹脂組成物1をバーコーターで塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、溶剤を除去して本発明の色補正光学フィルター1を得た。
比較例1(比較例の樹脂組成物の調製)
下記式(B)で示される化合物 0.06部、DESPERBYK-2001(ビックケミー社製)0.87部、プロピレングリコールモノエチルエーテル(純正化学社製)20部を混合した後、0.1mmジルコニアビーズ25部を添加して、ペイントシェーカーで16時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、着色組成部の分散液を得た。得られた着色組成物の分散液8部及びアクリル酸系アルキルエステルモノマーを原料とする共重合体(商品名PTR-104;日本化薬社製)25部をプロピレングリコールモノエチルエーテル2.9部に溶解して比較用の樹脂組成物2を調製した。
Figure 0007032969000009
比較例2(比較用の色補正光学フィルターの作製)
易接着PETフィルム(商品名:コスモシャインA4300;東洋紡績社製)に、乾燥後の樹脂層の厚さが15μmとなる量の比較例1で得られた比較用の樹脂組成物1をバーコーターで塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、溶剤を除去して比較用の色補正光学フィルター2を得た。
(本発明の色補正光学フィルターの耐光性試験)
実施例3及び比較例2で得られた各色補正光学フィルターを、ホルダ-を用いてキセノンウェザオメータXL75(スガ試験機株式会社製)中に設置し、温度24℃、湿度60%RH及び100klux照度で3時間照射した。各色補正光学フィルターについて、照射試験前後の最大吸収波長の吸光度を測定し、得られた最大吸収波長の吸光度から下記の算出式で色素残存率を算出して下記の評価基準で評価した。色素残存率の数値の大きいものが、より耐光性(堅牢性)に優れる。評価結果を下記表1に示した。
(色素残存率の算出式)
色素残存率=(試験後の最大吸収波長における吸光度/試験前の最大吸収波長における吸光度)×100(%)
(耐光性評価基準)
色素残存率が75%以上:A
色素残存率が50%以上75%未満:B
色素残存率が50%未満:C
Figure 0007032969000010
表1から明らかなように、耐光性試験において、実施例の色補正光学フィルターは比較例より優れる結果を示した。
本発明のシアニン化合物は、耐光性等の堅牢性に優れるものであり、該化合物を含む着色樹脂組成物は、従来公知のシアニン化合物を含む染料着色体よりも堅牢性に優れた特性を示す。即ち、本発明の化合物は、色補正フィルター等、堅牢性の要求される幅広い用途に応用できる。


Claims (7)

  1. 下記式(1)
    Figure 0007032969000011
    (式(1)中、R-CO 基を一つ以上有するピリジル基を、Xはn-プロピレン基又はn-ブチレン基を、YはCO又はSOを、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を、M は水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子をそれぞれ表す。)で表されるシアニン化合物。
  2. YがSOであり、Mが水素原子、カリウム原子又はカルシウム原子である請求項1に記載のシアニン化合物。
  3. が水素原子、カリウム原子又はカルシウム原子である請求項1又は2に記載のシアニン化合物。
  4. Xがn-ブチレン基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシアニン化合物。
  5. 会合体である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシアニン化合物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの一項に記載のシアニン化合物及び樹脂分散剤を含有する樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の樹脂組成物を含む色補正フィルター。
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