JP2004133174A - 光学フィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】ジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有しているにもかかわらず、光、熱、湿度等により生じる色調の黄色変化が少ない、安定した光学特性を有する光学フィルターが得られる。
【解決手段】少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内であることを特徴とする光学フィルター。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内であることを特徴とする光学フィルター。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近赤外光領域で吸収を示す光学フィルターに関し、近赤外線吸収性能、熱線吸収性能、可視光線透過性能、耐光性、耐熱性に優れ、光又熱で色調の変化が少なく、安定した色調を有し、プラズマディスプレイ等のディスプレイ、デジカメ用赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター等に使用した場合、安定して色調を表示できる光学フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型の壁掛けテレビをはじめ種々の電子機器の表示パネルとしてプラズマディスプレイが注目されているが、これらは近赤外線を発生して近赤外線リモコンを用いる電子機器に誤動作を起こすことから、プラズマディスプレイ用フィルターとして、近赤外線を吸収する色素を含有した光学フィルターの要求があり、ジイモニウム系色素を近赤外線吸収色素として含有した光学フィルターが注目されている。しかしながら、上記フィルターはジイモニウム系色素の光、熱、湿度等による劣化によりフィルターが黄色変し、色調が変化すると言う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の状況を解決する為になされたものであり、その目的は、近赤外線吸収色素としてジイモニウム系色素を含有しているにもかかわらず、光、熱、湿度等で色調の変化の少ない光学フィルターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明等は、前記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有するフィルターにおいて、特定物性の黄色色素を含有させることにより光、熱、湿度等による色調の変化の少ない、安定した光学特性を有する光学フィルターを提供出来ることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内であることを特徴とする光学フィルター、少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合の、400〜500nmにおける平均透過率の変化が2%以内であることを特徴とする光学フィルター、及び、近赤外線吸収層、色調補正層及び電磁波カット層を有するディスプレイ用フィルターであって、少なくとも、近赤外線吸収色素としてジイモニウム系化合物を、色補正用色素として370〜430nmに最大吸収を有する黄色色素を含有し、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+5〜−1以内であることを特徴とするディスプレイ用フィルターに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
1,光学フィルター
本発明の光学フィルターは、少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内である光学フィルターである。ここで、透過限界波長とは、JIS B−7113に記載の方法に基づいて決定されるものであり、透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターとしては、例えば市販品としては、シャープカットフィルターSC−39(富士写真フィルム(株)製)が挙げられる。
【0006】
このうち、b*の変化量の上限として好ましくは+0.5以下であり、より好ましくは+0.4以下であり、更に好ましくは+0.3以下である。また、b*の変化量の下限として好ましくは−0.5以上であり、より好ましくは−0.4以上であり、更に好ましくは−0.3以上である。
また、上記のような耐光性試験を280時間行った場合の、400〜500nmにおける平均透過率の変化が2%以内、好ましくは1%以内となるものでもある。
【0007】
(ジイモニウム系近赤外線吸収色素)
本発明の光学フィルターに用いられるジイモニウム系近赤外線吸収色素としては、800〜1200nmに最大吸収を有するものであれば特に限定されないが、光学フィルターに用いられることを考慮すると、通常、透明樹脂基板に塗布して形成された塗布膜の状態における耐熱性及び耐光性試験後の色素残存率が80%以上、好ましくは90%以上のものである。ここで、耐熱性試験は、100℃の恒温槽中に100時間放置することで行われ、耐光性試験は、透過限界波長が390nmのUVフィルターを介して、50〜70℃の環境温度において、73000Lux.のキセノンランプを用い、280時間の光照射をすることで行われる。
【0008】
また、上記試験用の色素の塗布膜が形成された透明樹脂基板は、ガラス、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなる透明樹脂基板上に、色素及びアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂といったバインダー樹脂の溶液を塗布することによって得ることができ、そのときの塗布膜の厚さとしては、通常、1μm〜10μm、色素濃度としては、通常、バインダー樹脂量に対して、通常、2 〜15重量%である。
【0009】
上記ジイモニウム系近赤外線吸収色素の具体例としては、前記一般式(I)で表されるジイモニウムの系色素が挙げられる。
式(I)中の置換基R1〜R8としては置換されていてもよいアルキル基である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基が挙げられ、このうち好ましくはエチル基、プロピル基、ブチル基であり、特に、好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
【0010】
アルキル基の置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基等の炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;又はフェニル基、ナフチル基等のアリール基(該アリール基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良い。)が挙げられ、このうち好ましくは、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基である。
【0011】
又、一般式(I)の環A及びBの置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、及び前記R1〜R8のアルキル基の置換基として挙げられのと同様の置換基が挙げられる。このうち、好ましくは、メチル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子である。
【0012】
X−は、1価又は2価の陰イオンであり、X−が1価の陰イオンの場合にはnは2であり、X−が2価の陰イオンの場合にはnは1となる。
上記1価の陰イオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等ハロゲンイオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン等の無機1価イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、安息香酸イオン、トルエンスルフォン酸イオン、メタンスルフォン酸イオン、イオン等の有機1価アニオンが挙げられる。
【0013】
上記2価の陰イオンとしては、ナフタレン−1,5−ジスルフォン酸、ナフタレン−1,6−ジスルフォン酸、R酸、G酸、H酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸等の2価の有機酸アニオンが挙げられる。
このうちX−として好ましくは、過塩素酸イオン、及びヘキサフルオロアンチモン酸イオンである。
【0014】
また、上記ジイモニウム系色素の分子量としては、通常、1700以下、好ましくは、1400以下である。
上記一般式(I)で表されるのジイモニウム系色素のうち、特に好ましい具体例を下記に示す
。
【0015】
【表1】
【0016】
(黄色色素)
本発明の光学フィルターには370〜470nm、好ましくは370〜430nm、更に好ましくは370〜410nmに最大吸収を有する黄色色素が用いられる。また、上記黄色色素の吸光度曲線における該ピークの半値幅としては100nm以下、好ましくは90nm以下、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは60nm以下のものが用いられる。ここで、青色光の遮蔽を防ぐため、該黄色色素の最大吸収波長が長波長側になるものほど、上記半値幅がより狭いものの方が好ましい。
【0017】
上記黄色色素として好ましくは、透明樹脂基板に塗布して形成された塗布膜の状態における耐熱性及び耐光性試験後の色素残存率が85%程度以下、好ましくは70%程度以下、より好ましくは60%程度以下、特に好ましくは50%程度以下のものである。但し、ある程度以上の耐熱性及び耐光性は必要となるため、通常、上記色素残存率が5%程度以上、好ましくは10%程度以上、より好ましくは15%以上のものが用いられる。ここで、耐熱性試験方法及び耐光性試験方法としては、上記ジイモニウム系色素の説明の部分で記載したのと同様の方法で行うことができる。
【0018】
上記黄色色素としては、ナフタール酸系、ペリノン系、アゾ系色素、ジシアノビニル系色素等が挙げられ、これらは単独でも他の系統との混合物でもよい。
このうち好ましくはアゾ系色素であり、好ましいアゾ系色素としては、下記一般式(II)
【0019】
【化3】
【0020】
(式(II)中、環Cは、置換基を有していても良いフェニル基を示し、環Dは、置換基を有していても良い5又は6員の芳香族環を示し、mは、1〜3の整数を示す。)で表されるアゾ系色素が挙げられる。
一般式(II)において、環Cの置換基としては、次の(i)〜(iv)のようなものが挙げられる。
【0021】
(i)水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基
(ii)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(ここで該アルキル基は、ヒドロキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ビニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていても良い);
(iii)フェニル等のアリール基(ここで該アリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていても良い);
(iv)Y−Z−で表される基(ここで、Yは、前記(ii)で挙げたアルキル基又は(iii)で挙げたアリール基であり、Zは、直接結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−N(CH3)CO−、−CONH−、−CON(CH3)−、−OCOO−、−OCONH−、−OCON(CH3)−、−NHCOO−、−N(CH3)COO−、−NHCONH−、−NHCON(CH3)−、−NHSO2−、−SO2NH−、−N(CH3)SO2−、−SO2N(CH3)−等の2価の連結基である。)。
【0022】
又、環Dは、置換基を有していても良い5又は6員の芳香族環を示し、該芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ピラゾール環、ピリドン環等が挙げられる。
これら環を有する一般式(II)の好ましい具体例としては、以下の一般式(III)〜(V)で表される化合物を挙げることができる。
【0023】
【化4】
【0024】
上記一般式(III)中、R9は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル、基置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基又は水素原子を示し、R10は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示す。
【0025】
上記一般式(IV)中、R13は、水素原子、ハロゲン原子又は−W−R14で表される基(ここで、R14は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Wは、直接結合、−O−、−NH−又は−NHCO−を示す。)を示し、pは1〜5の整数を示す。
上記一般式(V)中、R15及びR16は、置換基を有していても良いアルキル基を示す。
【0026】
また、一般式(III)〜(V)において、環Cは前記一般式(II)におけると同義である。
ここで、R9、R10、R14及びR16における置換基を有していてもよいアルキル基としては、R11−(ここで、R11は、前記一般式(II)の環Cの置換基として(ii)で挙げたのと同様のアルキル基を示す。)が挙げられる。
【0027】
また、R9における置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基及び置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基としては、それぞれR11O−、R11OCO−及びR11−NH−CO−で表される基が挙げられる。
R9、R10及びR14における置換基を有していてもよいアリール基としては、R12−(ここで、R12は、前記一般式(II)の環Cの置換基として(iii)で挙げたのと同様のアリール基を示す。)が挙げられる。
【0028】
また、R9における置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基及び置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基としては、それぞれR12O−、R12OCO−及びR12−NH−CO−が挙げられる。
さらに、置換基を有していてもよいアミノ基としては、−NHR11、−N(R11)2、−NHR12、又は、−N(R12)2で表される基が挙げられる。
【0029】
また、一般式(V)の置換基R15の置換基を有していてもよいアルキル基としては、前述のR11−(ここで、R11は、前記一般式(II)の環Cの置換基として(ii)で挙げたのと同様のアルキル基を示す。)が挙げられ、このうち好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等のC1〜C4のアルキル基が挙げられ、特に好ましくはメチル基である。
【0030】
このうち、一般式(III)で表されるアゾ系色素のうち、さらに好ましい具体例としては下記に記載のものが挙げられる。
【0031】
【化5】
【0032】
また、一般式(IV)で表されるアゾ系色素のうち、さらに好ましい具体例としては下記に記載のものが挙げられる。
【0033】
【化6】
【0034】
また、一般式(IV)で表されるアゾ系色素のうち、さらに好ましい具体例としては下記に記載のものが挙げられる。
【0035】
【化7】
【0036】
これらの色素の内、最も好ましくは一般式(III)で表される化合物である。
又、フィルター全体の色調の変化量をコントロールする為に、前記一般式(II)で表されるようなアゾ系色素の他に耐光性が良好な370〜430nmに最大吸収を有する黄色色素を混合して使用することも出来る。
【0037】
耐光性が良好な色素としては、例えば、下記一般式(VI)で表されるメチン系色素が挙げられる。
【0038】
【化8】
【0039】
(式中、R17は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、R18は、水素原子、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基又は置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基を示し、R19は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、Yは酸素原子又は−NH−基を示す。)
上記一般式(VI)のR17、R18及びR19における置換基を有していても良いアルキル基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フェニル基、P―トリル基等のアリール基;及びフェニルオキシ基、P―トリルオキシ基等のアリールオキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が挙げられる。
【0040】
R17、R18、R19における置換基を有していても良いアリール基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数1〜10のアルキル基で1又は2置換していてもよいスルホンアミド基;及びニトロ基等からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基といったアリール基が挙げられる。
【0041】
また、R18の置換基を有していても良いアミノ基としては、アミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されたアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基で置換されたアミノ基、メタンスルフォニル基、ベンゼンスルフォニル基等のスルフォニル基で置換されたアミノ基等が挙げられる。
【0042】
R18の置換基を有していても良いアルコキシ基の好ましいものとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基等が挙げられる。
置換基R18の置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基の好ましいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキルオキシ基等が挙げられる。
【0043】
一般式(VI) において、置換基R18の置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基の好ましいアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、P―トリルオキシ基、又はP−メトキシフェニルオキシ基等のアルキル基、又はアルコキシ基で置換されていても良いアリールオキシ基等が挙げられる。
【0044】
このうちR17としては、水素原子又は置換基を有していても良いアリール基である場合が好ましく、水素原子又はフェニル基の場合が特に好ましい。
また、R18としては、炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に好ましくは無置換の炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
【0045】
さらに、R19としては、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;又は、フッ素原子、塩素原子及び炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基が好ましく、特に好ましくはフッ素原子、塩素原子及び炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
【0046】
また、一般式(VI)で表されるメチン系色素は、左右対称の骨格を有している方が、化学的にも安定であり、また製造も容易であるため好ましい。
上記一般式(VI)で表されるのメチン系色素のうち、さらに好ましい具体例を下記に示す。
【0047】
【化9】
【0048】
前記一般式(II)で表されるようなアゾ系色素とと耐光性の良好な黄色色素との混合割合は、10対1〜1対10(重量比、以下同じ)、好ましくは5対1〜1対5である。
(光学フィルターの製造方法)
本発明の光学フィルターは、前述のようなジイモニウム系近赤外線吸収色素及び黄色色素を含有する樹脂層又はジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有する樹脂層及び黄色色素を含有する樹脂層を有する積層体からなることにより、安定した色調を有するものである。
【0049】
上記色素含有層の製造方法としては、フィルム又はシート状に成形された透明樹脂基板やガラス基板上に、上記色素及びバインダー樹脂を含む塗工液を塗布する又はそれらの操作を繰り返すといったような一般的な色素含有フィルム、シート或いは積層体を製造する方法と同様の方法を用いることにより、容易に製造することができる。
【0050】
また、上記塗工液は、上記色素をバインダーと共に有機溶剤に溶解させる方法、又は、粒径0.1 〜3μm に微粒化した上記色素を、必要に応じ分散剤を用い、バインダーと共に溶剤に分散させる方法により調製される。
上記バインダーとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、PVPA等のビニル系共重合樹脂;AS樹脂;ポリエステル樹脂;ポリスチレン系樹脂;フェノール系樹脂;フェノキシ系樹脂;ポリスルフォン;ナイロン;セルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等が挙げられる。又、粘着剤として用いられるような樹脂等をバインダーとして用いてもよい。その使用量は色素に対して、通常、10〜500 重量倍、好ましくは50〜350 重量倍である。
【0051】
また、必要に応じて使用される分散剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。その使用量は、色素に対して、通常、0.5 〜150 重量倍、好ましくは 0.5〜20 重量倍である。
上記有機溶剤としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤類等が挙げられる。
【0052】
これらの、溶媒の内、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類が好ましい。
上記塗工液において、溶剤に溶解又は分散される色素、バインダー及び分散剤の塗工液に対する含有量は0.5 〜5 0 重量%である。
【0053】
また、色素、バインダー及び分散剤の合計量中、色素が占める割合は、通常、0.05〜50重量% 、好ましくは0.1 〜20重量%である。
このようにして作成された塗工液は、ガラス、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等、従来より光学フィルター用として用いられるような樹脂でできている透明基材上にディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコーティング法、プレードコート法及びエアーナイフコート法等の公知の塗工方法により、コーティングされる。
【0054】
このときの塗布量としては、乾燥膜厚が0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μmとなるようコーティングされる。
また、ジイモニウム系色素と黄色色素との使用量比としては、1対1〜10対1(重量比)である。
また本発明では、フィルターの耐光性を上げるために一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層に紫外線吸収剤を含有させるか、紫外線吸収剤を含有する透明樹脂層を一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層に積層することが出来る。
【0055】
透明樹脂層に使用する樹脂としては、前記の一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等のバインダーとして挙げた樹脂を使用することが出来る。この場合、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等等と同じ層内に紫外線吸収剤を含有する方法より、紫外線吸収層を積層する本発明の方法は、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等の耐光性向上効果が遥かに大である。積層方法としては、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層に接して積層しても良いし、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層を塗布した透明基板の一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層と反対側に積層しても良い。このとき紫外線吸収剤を含有層の膜厚は、0.1 〜30μm、好ましくは0.5 〜10μmとなるように積層する。又、紫外線吸収剤含有層を塗布して形成する代わりに、市販の紫外線カットフィルターを積層して使用しても良い。この様なフィルターとしては、シャープカットフィルターSC−38、SC−39、SC−40(富士写真フィルム(株)製)やアクリプレンHBS006(三菱レーヨン(株)製)等を挙げることが出来る。
【0056】
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が使用出来る。有機系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサルシレート、4−t−ブチルフェニルサルシレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾーエート等のヒドロキシベンゾエート系化合物等を挙げることが出来る。無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等を挙げることが出来る。 紫外線吸収剤としては、50%透過率での波長が350〜420nmが好ましく、より好ましくは360nm〜400nmであり、350nmより低波長では、紫外線遮断能が弱く、420nmより高波長では着色が強くなり好ましくない。
【0057】
本発明の光学フィルターは、近赤外線カット層や電磁波カット層を設けたり、表面への蛍光灯などの外光の写り込みを防止する反射防止層、ぎらつき防止( ノングレア) 層を設けることができる。これらの層の膜厚は、それぞれ、0.1 〜30μm、好ましくは0.5 〜10μmとなるように積層する。
2,ディスプレイ用フィルター
本発明のディスプレイ用フィルターは、上述の光学フィルターにさらに色補正用色素を含有させ、加えて電磁波カット層を積層させてあるフィルターであり、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+5〜−1、好ましくは、+4〜−1、更に好ましくは、+3〜−1であり、特に好ましくは、+2〜−1、更に、特に好ましくは+1〜−1以内であるものである。
【0058】
(色補正用色素)
該ディスプレイ用フィルターの色補正用色素は、色調調節、色純度改善又は色再現範囲拡大等を目的に添加されるものであり、580nm〜605nmに最大吸収波長を有する色素、及び、480nm〜520nmに最大吸収波長を有する色素等を上記光学フィルターの黄色色素含有層に加えてもよいし、これらの色素を含有する色素層を上記光学フィルターに積層しても良い。
【0059】
580nm〜605nmに最大吸収波長を有する色素は、プラズマディスプレイから発生する590nm付近のネオン発光を有効にカットする為に用いられるものである。該色素としては、スクアリリウム系色素、テトラアザポルフィリン系色素、シアニン系色素等、公知の各種色素を用いることができるが、このうち、下記の一般式(VII)
【0060】
【化10】
【0061】
(式中、R20は、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基又は−NH−V−R21(Vはカルボニル基又はスルホニル基を示し、R21は1価の有機残基を示す。)を示し、mは、1〜4の整数をnは0〜4の整数を表す。〕で表されるスクアリリウム系色素が好ましい。
【0062】
一般式(VII)において、置換基R20の好ましいものとしては、次の(i) 〜(vii) のようなものが例示できる。
(i) フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
(ii)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iii) 置換基としてヒドロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルキコキシカルボニル基、アセチルオキシ基カルボニル基、プロピオニルオキシカルボニル基等のアシルオキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基等を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iv)メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(v) 置換基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(vi) 置換基として−NH−V−R21において、VがCO又はSO2で、有機残基R21としては、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いシクロアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアリールオキシ基、置換基を有していても良いアミノ基、又は置換基を有していても良い複素環基が挙げられる。
【0063】
有機残基R21の好ましいものとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良いメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基を有していても良い炭素数3〜7のシクロアルキル基;前記のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基等のアリール基;前記のアリール基を有するアリールオキシ基;前記のアリール基で置換された炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;1又は2個の前記R1で挙げたアルキル基で置換されていても良いアミノ基;3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられる。
【0064】
これらのうち、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;−NH−V−R21’(VがCO又はSO2で、R21’がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基)が特に好ましい。
一般式(VII)のスクアリリウム系色素の好ましい例としては、特願2001−352850号明細書で例示した化合物が挙げられる。
【0065】
又、色調調節等を目的に用いられる480nm〜520nmに最大吸収波長を有する色素としては、下記の一般式(VIII)で表されるピラゾール系スクアリリウム系色素が使用される。
【0066】
【化11】
(式中、R22は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R23は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基、又は置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基を表し、Zは−O−又は−NH−基を表す。)
一方、一般式(VIII)で表されるピラゾール系スクアリリウム色素は、青と緑との谷間である480nm〜520nm近辺の光を有効に吸収しながら、原色の青や緑の蛍光体発光を阻害することがないので、ピラゾール系スクアリリウム色素用いることにより、より色純度の高い、明るい光学用フィルターが得られる。
【0067】
一般式(VIII) において、置換基R22としては、一般式(III)の置換基R10と同様な基が例示でき、置換基R23としては、一般式(III)の置換基R9と同様な基が例示できる。
置換基R22としては、置換基を有していても良いアルキル基、又は、置換基を有していても良いアリール基が好ましく、このうち、置換基を有していても良いアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が特に好ましい。
【0068】
置換基R23としては、置換基を有していても良いアルキル基が好ましく、このうち、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が特に好ましい。
また、一般式(VIII)のピラゾール系スクアリリウム色素は、左右対称の骨格を有している方が、化学的にも安定であり、また製造も容易であるため好ましい。
【0069】
一般式(VIII)のピラゾール系メスクアリリウム色素は、例えば、Angew.Chem.77 680−681 (1965) 記載の方法あるいはそれらに準じて製造することが出来る。
一般式(VIII)のスクアリリウム系色素の好ましい例としては、特願2001−352850号明細書で例示した化合物が挙げられる。
【0070】
上述の一般式(VII)及び一般式(VIII)で表される化合物は、本発明のディスプレイフィルター中の黄色色素含有層に混入させてもよいし、また、別の層として積層させてもよい。層を形成させるに当たって用いられる一般式(VII)及び一般式(VIII)で表される化合物含有塗工液は、本発明の光学フィルターの製造方法の説明の項に記載したのと同様にして作成することができる。
【0071】
又、上述の一般式(VII)及び一般式(VIII)で表される化合物以外にも、必要に応じて、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、シアニン系、スクアリリウム系、メチン系等の色素を添加することができる。
(電磁波カット層)
本発明のディスプレイ用フィルターにおける電磁波カット層は、金属酸化物等の蒸着あるいはスパッタリング方法等が利用できる。通常は酸化インジウムスズ(ITO) が一般的であるが、誘電体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛などの透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀− パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層よりはじまり3 層、5 層、7 層あるいは11層程度積層する。基材は、該フィルターをそのまま利用しても良いし、樹脂フィルムあるいはガラス上に蒸着あるいはスパッタリング後に、該フィルターと貼り合わせても良い。
【0072】
(ディスプレイ用フィルターの製造方法)
本発明のディスプレイ用フィルターは、上述の光学フィルターの説明として記載したのと同様に、塗布及び/又は貼り合わせを組み合わせながら積層体として形成させたものである。
また、上述の色素含有層、電磁波カット層の他に、光学フィルターの項で説明したような紫外線カット層を設けるのが好ましく、さらには、反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層等のディスプレイ用フィルターとして通常用いられるような任意の層を、それぞれの用途にあわせ任意の順序で積層すればよい。
【0073】
上記反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層としては、例えば、特開2001−188121号公報に記載されたようなものが挙げられる。
また、上記公報に記載されているのと同様、本発明のディスプレイ用フィルターには最外層に粘着剤層を設けても良い。この粘着剤層によりプラズマディスプレイの製造工程の途中、またはプラズマディスプレイの製造後、プラズマディスプレイの前面にこのフィルターを貼着することができ、またフィルターがプラズマディスプレイと一体形成されるので、プラズマディスプレイの薄肉化が可能となる。
【0074】
【実施例】
以下に、実施例により本発明の実施態様を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
1)ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製PET フィルム「T 100E 」、厚み100μm )に、一般式(I)のNO.I−3のジイモニウム系色素0.02gをメチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(容量比))0.795gに溶解した溶液0.12gを、アクリル系樹脂(ダイヤナールBR−80;三菱レーヨン(株)製)の16%ジメトキシエタン溶液1.2gを混合し、バーコーターで塗工し、乾燥して、膜厚6μm のコーティング膜を得た。
【0075】
このコーティングフィルムの塗布面と反対側の面に、一般式(VI)のNO.VI−3のメチン系色素0.002gと一般式(III)のNO.III−2のアゾ系色素0.001gをテトラヒドロフラン0.795gに溶解した溶液0.12gを、アクリル系樹脂(ダイヤナールBR−80;三菱レーヨン(株)製)の20%ジメトキシエタン溶液1.20gを混合し、バーコーターで塗工し、乾燥して、膜厚6μm のコーティング膜を得た。このようにして作製した光学フィルターの色度を日立分光光度計(U−3500)で測定した。L*a*b*表色系色度図(2°視野、C光源)で、L*=99.5、a*=−2.8、b*=6.5であった。
【0076】
更に、この光学フィルターのジイモニウム系色素含有層上に透過限界波長が390nmの紫外線吸収フィルターとしてシャープカットフィルター SC−39(富士写真フィルム社(株)製)を積層し、紫外線吸収膜面よりキセノンフェードメーター(スガ試験機(株)製 FAL−25AX−HC.B.EC)で露光した(280Hr露光)。露光後、上記と同様に日立分光光度計(U−3500)で色度を測定した結果、L*a*b*表色系色度図(2°視野、C光源)で、L*=98.6、a*=−2.8、b*=6.3であり、b*の変化は、−0.2で少なかった。
【0077】
比較例1
黄色色素として実施例1でもちいた一般式(VI)のNO.VI−3のメチン系色素0.002gと一般式(III)のNO.III−2のアゾ系色素0.001gの代わりに一般式(VI)のNO.VI−3のメチン系色素0.003gのみを使用し、他は同様にして処理して、実施例1と同様に光学フィルターを作製し、キセノンフェードメーター(スガ試験機(株)製 FAL−25AX−HC.B.EC)で露光した(280Hr露光)。露光前後の色度は、それぞれ、L*=99.6、a*=−2.8、b*=6.2、及び、L*=98.7、a*=−3.1、b*=6.9であり、b*の変化は、+0.7であり大きかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、ジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有しているにもかかわらず、光、熱、湿度等により生じる色調の黄色変化が少ない、安定した光学特性を有する光学フィルターが得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、近赤外光領域で吸収を示す光学フィルターに関し、近赤外線吸収性能、熱線吸収性能、可視光線透過性能、耐光性、耐熱性に優れ、光又熱で色調の変化が少なく、安定した色調を有し、プラズマディスプレイ等のディスプレイ、デジカメ用赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター等に使用した場合、安定して色調を表示できる光学フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型の壁掛けテレビをはじめ種々の電子機器の表示パネルとしてプラズマディスプレイが注目されているが、これらは近赤外線を発生して近赤外線リモコンを用いる電子機器に誤動作を起こすことから、プラズマディスプレイ用フィルターとして、近赤外線を吸収する色素を含有した光学フィルターの要求があり、ジイモニウム系色素を近赤外線吸収色素として含有した光学フィルターが注目されている。しかしながら、上記フィルターはジイモニウム系色素の光、熱、湿度等による劣化によりフィルターが黄色変し、色調が変化すると言う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の状況を解決する為になされたものであり、その目的は、近赤外線吸収色素としてジイモニウム系色素を含有しているにもかかわらず、光、熱、湿度等で色調の変化の少ない光学フィルターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明等は、前記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有するフィルターにおいて、特定物性の黄色色素を含有させることにより光、熱、湿度等による色調の変化の少ない、安定した光学特性を有する光学フィルターを提供出来ることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内であることを特徴とする光学フィルター、少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合の、400〜500nmにおける平均透過率の変化が2%以内であることを特徴とする光学フィルター、及び、近赤外線吸収層、色調補正層及び電磁波カット層を有するディスプレイ用フィルターであって、少なくとも、近赤外線吸収色素としてジイモニウム系化合物を、色補正用色素として370〜430nmに最大吸収を有する黄色色素を含有し、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+5〜−1以内であることを特徴とするディスプレイ用フィルターに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
1,光学フィルター
本発明の光学フィルターは、少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内である光学フィルターである。ここで、透過限界波長とは、JIS B−7113に記載の方法に基づいて決定されるものであり、透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターとしては、例えば市販品としては、シャープカットフィルターSC−39(富士写真フィルム(株)製)が挙げられる。
【0006】
このうち、b*の変化量の上限として好ましくは+0.5以下であり、より好ましくは+0.4以下であり、更に好ましくは+0.3以下である。また、b*の変化量の下限として好ましくは−0.5以上であり、より好ましくは−0.4以上であり、更に好ましくは−0.3以上である。
また、上記のような耐光性試験を280時間行った場合の、400〜500nmにおける平均透過率の変化が2%以内、好ましくは1%以内となるものでもある。
【0007】
(ジイモニウム系近赤外線吸収色素)
本発明の光学フィルターに用いられるジイモニウム系近赤外線吸収色素としては、800〜1200nmに最大吸収を有するものであれば特に限定されないが、光学フィルターに用いられることを考慮すると、通常、透明樹脂基板に塗布して形成された塗布膜の状態における耐熱性及び耐光性試験後の色素残存率が80%以上、好ましくは90%以上のものである。ここで、耐熱性試験は、100℃の恒温槽中に100時間放置することで行われ、耐光性試験は、透過限界波長が390nmのUVフィルターを介して、50〜70℃の環境温度において、73000Lux.のキセノンランプを用い、280時間の光照射をすることで行われる。
【0008】
また、上記試験用の色素の塗布膜が形成された透明樹脂基板は、ガラス、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなる透明樹脂基板上に、色素及びアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂といったバインダー樹脂の溶液を塗布することによって得ることができ、そのときの塗布膜の厚さとしては、通常、1μm〜10μm、色素濃度としては、通常、バインダー樹脂量に対して、通常、2 〜15重量%である。
【0009】
上記ジイモニウム系近赤外線吸収色素の具体例としては、前記一般式(I)で表されるジイモニウムの系色素が挙げられる。
式(I)中の置換基R1〜R8としては置換されていてもよいアルキル基である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基が挙げられ、このうち好ましくはエチル基、プロピル基、ブチル基であり、特に、好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
【0010】
アルキル基の置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基等の炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;又はフェニル基、ナフチル基等のアリール基(該アリール基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良い。)が挙げられ、このうち好ましくは、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基である。
【0011】
又、一般式(I)の環A及びBの置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、及び前記R1〜R8のアルキル基の置換基として挙げられのと同様の置換基が挙げられる。このうち、好ましくは、メチル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子である。
【0012】
X−は、1価又は2価の陰イオンであり、X−が1価の陰イオンの場合にはnは2であり、X−が2価の陰イオンの場合にはnは1となる。
上記1価の陰イオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等ハロゲンイオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン等の無機1価イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、安息香酸イオン、トルエンスルフォン酸イオン、メタンスルフォン酸イオン、イオン等の有機1価アニオンが挙げられる。
【0013】
上記2価の陰イオンとしては、ナフタレン−1,5−ジスルフォン酸、ナフタレン−1,6−ジスルフォン酸、R酸、G酸、H酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸等の2価の有機酸アニオンが挙げられる。
このうちX−として好ましくは、過塩素酸イオン、及びヘキサフルオロアンチモン酸イオンである。
【0014】
また、上記ジイモニウム系色素の分子量としては、通常、1700以下、好ましくは、1400以下である。
上記一般式(I)で表されるのジイモニウム系色素のうち、特に好ましい具体例を下記に示す
。
【0015】
【表1】
【0016】
(黄色色素)
本発明の光学フィルターには370〜470nm、好ましくは370〜430nm、更に好ましくは370〜410nmに最大吸収を有する黄色色素が用いられる。また、上記黄色色素の吸光度曲線における該ピークの半値幅としては100nm以下、好ましくは90nm以下、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは60nm以下のものが用いられる。ここで、青色光の遮蔽を防ぐため、該黄色色素の最大吸収波長が長波長側になるものほど、上記半値幅がより狭いものの方が好ましい。
【0017】
上記黄色色素として好ましくは、透明樹脂基板に塗布して形成された塗布膜の状態における耐熱性及び耐光性試験後の色素残存率が85%程度以下、好ましくは70%程度以下、より好ましくは60%程度以下、特に好ましくは50%程度以下のものである。但し、ある程度以上の耐熱性及び耐光性は必要となるため、通常、上記色素残存率が5%程度以上、好ましくは10%程度以上、より好ましくは15%以上のものが用いられる。ここで、耐熱性試験方法及び耐光性試験方法としては、上記ジイモニウム系色素の説明の部分で記載したのと同様の方法で行うことができる。
【0018】
上記黄色色素としては、ナフタール酸系、ペリノン系、アゾ系色素、ジシアノビニル系色素等が挙げられ、これらは単独でも他の系統との混合物でもよい。
このうち好ましくはアゾ系色素であり、好ましいアゾ系色素としては、下記一般式(II)
【0019】
【化3】
【0020】
(式(II)中、環Cは、置換基を有していても良いフェニル基を示し、環Dは、置換基を有していても良い5又は6員の芳香族環を示し、mは、1〜3の整数を示す。)で表されるアゾ系色素が挙げられる。
一般式(II)において、環Cの置換基としては、次の(i)〜(iv)のようなものが挙げられる。
【0021】
(i)水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基
(ii)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(ここで該アルキル基は、ヒドロキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ビニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていても良い);
(iii)フェニル等のアリール基(ここで該アリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていても良い);
(iv)Y−Z−で表される基(ここで、Yは、前記(ii)で挙げたアルキル基又は(iii)で挙げたアリール基であり、Zは、直接結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−N(CH3)CO−、−CONH−、−CON(CH3)−、−OCOO−、−OCONH−、−OCON(CH3)−、−NHCOO−、−N(CH3)COO−、−NHCONH−、−NHCON(CH3)−、−NHSO2−、−SO2NH−、−N(CH3)SO2−、−SO2N(CH3)−等の2価の連結基である。)。
【0022】
又、環Dは、置換基を有していても良い5又は6員の芳香族環を示し、該芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ピラゾール環、ピリドン環等が挙げられる。
これら環を有する一般式(II)の好ましい具体例としては、以下の一般式(III)〜(V)で表される化合物を挙げることができる。
【0023】
【化4】
【0024】
上記一般式(III)中、R9は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル、基置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基又は水素原子を示し、R10は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示す。
【0025】
上記一般式(IV)中、R13は、水素原子、ハロゲン原子又は−W−R14で表される基(ここで、R14は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Wは、直接結合、−O−、−NH−又は−NHCO−を示す。)を示し、pは1〜5の整数を示す。
上記一般式(V)中、R15及びR16は、置換基を有していても良いアルキル基を示す。
【0026】
また、一般式(III)〜(V)において、環Cは前記一般式(II)におけると同義である。
ここで、R9、R10、R14及びR16における置換基を有していてもよいアルキル基としては、R11−(ここで、R11は、前記一般式(II)の環Cの置換基として(ii)で挙げたのと同様のアルキル基を示す。)が挙げられる。
【0027】
また、R9における置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基及び置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基としては、それぞれR11O−、R11OCO−及びR11−NH−CO−で表される基が挙げられる。
R9、R10及びR14における置換基を有していてもよいアリール基としては、R12−(ここで、R12は、前記一般式(II)の環Cの置換基として(iii)で挙げたのと同様のアリール基を示す。)が挙げられる。
【0028】
また、R9における置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基及び置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基としては、それぞれR12O−、R12OCO−及びR12−NH−CO−が挙げられる。
さらに、置換基を有していてもよいアミノ基としては、−NHR11、−N(R11)2、−NHR12、又は、−N(R12)2で表される基が挙げられる。
【0029】
また、一般式(V)の置換基R15の置換基を有していてもよいアルキル基としては、前述のR11−(ここで、R11は、前記一般式(II)の環Cの置換基として(ii)で挙げたのと同様のアルキル基を示す。)が挙げられ、このうち好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等のC1〜C4のアルキル基が挙げられ、特に好ましくはメチル基である。
【0030】
このうち、一般式(III)で表されるアゾ系色素のうち、さらに好ましい具体例としては下記に記載のものが挙げられる。
【0031】
【化5】
【0032】
また、一般式(IV)で表されるアゾ系色素のうち、さらに好ましい具体例としては下記に記載のものが挙げられる。
【0033】
【化6】
【0034】
また、一般式(IV)で表されるアゾ系色素のうち、さらに好ましい具体例としては下記に記載のものが挙げられる。
【0035】
【化7】
【0036】
これらの色素の内、最も好ましくは一般式(III)で表される化合物である。
又、フィルター全体の色調の変化量をコントロールする為に、前記一般式(II)で表されるようなアゾ系色素の他に耐光性が良好な370〜430nmに最大吸収を有する黄色色素を混合して使用することも出来る。
【0037】
耐光性が良好な色素としては、例えば、下記一般式(VI)で表されるメチン系色素が挙げられる。
【0038】
【化8】
【0039】
(式中、R17は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、R18は、水素原子、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基又は置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基を示し、R19は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、Yは酸素原子又は−NH−基を示す。)
上記一般式(VI)のR17、R18及びR19における置換基を有していても良いアルキル基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フェニル基、P―トリル基等のアリール基;及びフェニルオキシ基、P―トリルオキシ基等のアリールオキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が挙げられる。
【0040】
R17、R18、R19における置換基を有していても良いアリール基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数1〜10のアルキル基で1又は2置換していてもよいスルホンアミド基;及びニトロ基等からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基といったアリール基が挙げられる。
【0041】
また、R18の置換基を有していても良いアミノ基としては、アミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されたアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基で置換されたアミノ基、メタンスルフォニル基、ベンゼンスルフォニル基等のスルフォニル基で置換されたアミノ基等が挙げられる。
【0042】
R18の置換基を有していても良いアルコキシ基の好ましいものとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基等が挙げられる。
置換基R18の置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基の好ましいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキルオキシ基等が挙げられる。
【0043】
一般式(VI) において、置換基R18の置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基の好ましいアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、P―トリルオキシ基、又はP−メトキシフェニルオキシ基等のアルキル基、又はアルコキシ基で置換されていても良いアリールオキシ基等が挙げられる。
【0044】
このうちR17としては、水素原子又は置換基を有していても良いアリール基である場合が好ましく、水素原子又はフェニル基の場合が特に好ましい。
また、R18としては、炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に好ましくは無置換の炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
【0045】
さらに、R19としては、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;又は、フッ素原子、塩素原子及び炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基が好ましく、特に好ましくはフッ素原子、塩素原子及び炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
【0046】
また、一般式(VI)で表されるメチン系色素は、左右対称の骨格を有している方が、化学的にも安定であり、また製造も容易であるため好ましい。
上記一般式(VI)で表されるのメチン系色素のうち、さらに好ましい具体例を下記に示す。
【0047】
【化9】
【0048】
前記一般式(II)で表されるようなアゾ系色素とと耐光性の良好な黄色色素との混合割合は、10対1〜1対10(重量比、以下同じ)、好ましくは5対1〜1対5である。
(光学フィルターの製造方法)
本発明の光学フィルターは、前述のようなジイモニウム系近赤外線吸収色素及び黄色色素を含有する樹脂層又はジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有する樹脂層及び黄色色素を含有する樹脂層を有する積層体からなることにより、安定した色調を有するものである。
【0049】
上記色素含有層の製造方法としては、フィルム又はシート状に成形された透明樹脂基板やガラス基板上に、上記色素及びバインダー樹脂を含む塗工液を塗布する又はそれらの操作を繰り返すといったような一般的な色素含有フィルム、シート或いは積層体を製造する方法と同様の方法を用いることにより、容易に製造することができる。
【0050】
また、上記塗工液は、上記色素をバインダーと共に有機溶剤に溶解させる方法、又は、粒径0.1 〜3μm に微粒化した上記色素を、必要に応じ分散剤を用い、バインダーと共に溶剤に分散させる方法により調製される。
上記バインダーとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、PVPA等のビニル系共重合樹脂;AS樹脂;ポリエステル樹脂;ポリスチレン系樹脂;フェノール系樹脂;フェノキシ系樹脂;ポリスルフォン;ナイロン;セルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等が挙げられる。又、粘着剤として用いられるような樹脂等をバインダーとして用いてもよい。その使用量は色素に対して、通常、10〜500 重量倍、好ましくは50〜350 重量倍である。
【0051】
また、必要に応じて使用される分散剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。その使用量は、色素に対して、通常、0.5 〜150 重量倍、好ましくは 0.5〜20 重量倍である。
上記有機溶剤としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤類等が挙げられる。
【0052】
これらの、溶媒の内、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類が好ましい。
上記塗工液において、溶剤に溶解又は分散される色素、バインダー及び分散剤の塗工液に対する含有量は0.5 〜5 0 重量%である。
【0053】
また、色素、バインダー及び分散剤の合計量中、色素が占める割合は、通常、0.05〜50重量% 、好ましくは0.1 〜20重量%である。
このようにして作成された塗工液は、ガラス、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等、従来より光学フィルター用として用いられるような樹脂でできている透明基材上にディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコーティング法、プレードコート法及びエアーナイフコート法等の公知の塗工方法により、コーティングされる。
【0054】
このときの塗布量としては、乾燥膜厚が0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μmとなるようコーティングされる。
また、ジイモニウム系色素と黄色色素との使用量比としては、1対1〜10対1(重量比)である。
また本発明では、フィルターの耐光性を上げるために一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層に紫外線吸収剤を含有させるか、紫外線吸収剤を含有する透明樹脂層を一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層に積層することが出来る。
【0055】
透明樹脂層に使用する樹脂としては、前記の一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等のバインダーとして挙げた樹脂を使用することが出来る。この場合、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等等と同じ層内に紫外線吸収剤を含有する方法より、紫外線吸収層を積層する本発明の方法は、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等の耐光性向上効果が遥かに大である。積層方法としては、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層に接して積層しても良いし、一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層を塗布した透明基板の一般式(I)〜一般式(VI)の化合物等を含有する層と反対側に積層しても良い。このとき紫外線吸収剤を含有層の膜厚は、0.1 〜30μm、好ましくは0.5 〜10μmとなるように積層する。又、紫外線吸収剤含有層を塗布して形成する代わりに、市販の紫外線カットフィルターを積層して使用しても良い。この様なフィルターとしては、シャープカットフィルターSC−38、SC−39、SC−40(富士写真フィルム(株)製)やアクリプレンHBS006(三菱レーヨン(株)製)等を挙げることが出来る。
【0056】
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が使用出来る。有機系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサルシレート、4−t−ブチルフェニルサルシレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾーエート等のヒドロキシベンゾエート系化合物等を挙げることが出来る。無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等を挙げることが出来る。 紫外線吸収剤としては、50%透過率での波長が350〜420nmが好ましく、より好ましくは360nm〜400nmであり、350nmより低波長では、紫外線遮断能が弱く、420nmより高波長では着色が強くなり好ましくない。
【0057】
本発明の光学フィルターは、近赤外線カット層や電磁波カット層を設けたり、表面への蛍光灯などの外光の写り込みを防止する反射防止層、ぎらつき防止( ノングレア) 層を設けることができる。これらの層の膜厚は、それぞれ、0.1 〜30μm、好ましくは0.5 〜10μmとなるように積層する。
2,ディスプレイ用フィルター
本発明のディスプレイ用フィルターは、上述の光学フィルターにさらに色補正用色素を含有させ、加えて電磁波カット層を積層させてあるフィルターであり、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+5〜−1、好ましくは、+4〜−1、更に好ましくは、+3〜−1であり、特に好ましくは、+2〜−1、更に、特に好ましくは+1〜−1以内であるものである。
【0058】
(色補正用色素)
該ディスプレイ用フィルターの色補正用色素は、色調調節、色純度改善又は色再現範囲拡大等を目的に添加されるものであり、580nm〜605nmに最大吸収波長を有する色素、及び、480nm〜520nmに最大吸収波長を有する色素等を上記光学フィルターの黄色色素含有層に加えてもよいし、これらの色素を含有する色素層を上記光学フィルターに積層しても良い。
【0059】
580nm〜605nmに最大吸収波長を有する色素は、プラズマディスプレイから発生する590nm付近のネオン発光を有効にカットする為に用いられるものである。該色素としては、スクアリリウム系色素、テトラアザポルフィリン系色素、シアニン系色素等、公知の各種色素を用いることができるが、このうち、下記の一般式(VII)
【0060】
【化10】
【0061】
(式中、R20は、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基又は−NH−V−R21(Vはカルボニル基又はスルホニル基を示し、R21は1価の有機残基を示す。)を示し、mは、1〜4の整数をnは0〜4の整数を表す。〕で表されるスクアリリウム系色素が好ましい。
【0062】
一般式(VII)において、置換基R20の好ましいものとしては、次の(i) 〜(vii) のようなものが例示できる。
(i) フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
(ii)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iii) 置換基としてヒドロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルキコキシカルボニル基、アセチルオキシ基カルボニル基、プロピオニルオキシカルボニル基等のアシルオキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基等を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iv)メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(v) 置換基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(vi) 置換基として−NH−V−R21において、VがCO又はSO2で、有機残基R21としては、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いシクロアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアリールオキシ基、置換基を有していても良いアミノ基、又は置換基を有していても良い複素環基が挙げられる。
【0063】
有機残基R21の好ましいものとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良いメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基を有していても良い炭素数3〜7のシクロアルキル基;前記のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基等のアリール基;前記のアリール基を有するアリールオキシ基;前記のアリール基で置換された炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;1又は2個の前記R1で挙げたアルキル基で置換されていても良いアミノ基;3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられる。
【0064】
これらのうち、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;−NH−V−R21’(VがCO又はSO2で、R21’がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基)が特に好ましい。
一般式(VII)のスクアリリウム系色素の好ましい例としては、特願2001−352850号明細書で例示した化合物が挙げられる。
【0065】
又、色調調節等を目的に用いられる480nm〜520nmに最大吸収波長を有する色素としては、下記の一般式(VIII)で表されるピラゾール系スクアリリウム系色素が使用される。
【0066】
【化11】
(式中、R22は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R23は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基、又は置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基を表し、Zは−O−又は−NH−基を表す。)
一方、一般式(VIII)で表されるピラゾール系スクアリリウム色素は、青と緑との谷間である480nm〜520nm近辺の光を有効に吸収しながら、原色の青や緑の蛍光体発光を阻害することがないので、ピラゾール系スクアリリウム色素用いることにより、より色純度の高い、明るい光学用フィルターが得られる。
【0067】
一般式(VIII) において、置換基R22としては、一般式(III)の置換基R10と同様な基が例示でき、置換基R23としては、一般式(III)の置換基R9と同様な基が例示できる。
置換基R22としては、置換基を有していても良いアルキル基、又は、置換基を有していても良いアリール基が好ましく、このうち、置換基を有していても良いアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が特に好ましい。
【0068】
置換基R23としては、置換基を有していても良いアルキル基が好ましく、このうち、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が特に好ましい。
また、一般式(VIII)のピラゾール系スクアリリウム色素は、左右対称の骨格を有している方が、化学的にも安定であり、また製造も容易であるため好ましい。
【0069】
一般式(VIII)のピラゾール系メスクアリリウム色素は、例えば、Angew.Chem.77 680−681 (1965) 記載の方法あるいはそれらに準じて製造することが出来る。
一般式(VIII)のスクアリリウム系色素の好ましい例としては、特願2001−352850号明細書で例示した化合物が挙げられる。
【0070】
上述の一般式(VII)及び一般式(VIII)で表される化合物は、本発明のディスプレイフィルター中の黄色色素含有層に混入させてもよいし、また、別の層として積層させてもよい。層を形成させるに当たって用いられる一般式(VII)及び一般式(VIII)で表される化合物含有塗工液は、本発明の光学フィルターの製造方法の説明の項に記載したのと同様にして作成することができる。
【0071】
又、上述の一般式(VII)及び一般式(VIII)で表される化合物以外にも、必要に応じて、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、シアニン系、スクアリリウム系、メチン系等の色素を添加することができる。
(電磁波カット層)
本発明のディスプレイ用フィルターにおける電磁波カット層は、金属酸化物等の蒸着あるいはスパッタリング方法等が利用できる。通常は酸化インジウムスズ(ITO) が一般的であるが、誘電体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛などの透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀− パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層よりはじまり3 層、5 層、7 層あるいは11層程度積層する。基材は、該フィルターをそのまま利用しても良いし、樹脂フィルムあるいはガラス上に蒸着あるいはスパッタリング後に、該フィルターと貼り合わせても良い。
【0072】
(ディスプレイ用フィルターの製造方法)
本発明のディスプレイ用フィルターは、上述の光学フィルターの説明として記載したのと同様に、塗布及び/又は貼り合わせを組み合わせながら積層体として形成させたものである。
また、上述の色素含有層、電磁波カット層の他に、光学フィルターの項で説明したような紫外線カット層を設けるのが好ましく、さらには、反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層等のディスプレイ用フィルターとして通常用いられるような任意の層を、それぞれの用途にあわせ任意の順序で積層すればよい。
【0073】
上記反射防止層、ぎらつき防止(ノングレア)層としては、例えば、特開2001−188121号公報に記載されたようなものが挙げられる。
また、上記公報に記載されているのと同様、本発明のディスプレイ用フィルターには最外層に粘着剤層を設けても良い。この粘着剤層によりプラズマディスプレイの製造工程の途中、またはプラズマディスプレイの製造後、プラズマディスプレイの前面にこのフィルターを貼着することができ、またフィルターがプラズマディスプレイと一体形成されるので、プラズマディスプレイの薄肉化が可能となる。
【0074】
【実施例】
以下に、実施例により本発明の実施態様を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
1)ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製PET フィルム「T 100E 」、厚み100μm )に、一般式(I)のNO.I−3のジイモニウム系色素0.02gをメチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(容量比))0.795gに溶解した溶液0.12gを、アクリル系樹脂(ダイヤナールBR−80;三菱レーヨン(株)製)の16%ジメトキシエタン溶液1.2gを混合し、バーコーターで塗工し、乾燥して、膜厚6μm のコーティング膜を得た。
【0075】
このコーティングフィルムの塗布面と反対側の面に、一般式(VI)のNO.VI−3のメチン系色素0.002gと一般式(III)のNO.III−2のアゾ系色素0.001gをテトラヒドロフラン0.795gに溶解した溶液0.12gを、アクリル系樹脂(ダイヤナールBR−80;三菱レーヨン(株)製)の20%ジメトキシエタン溶液1.20gを混合し、バーコーターで塗工し、乾燥して、膜厚6μm のコーティング膜を得た。このようにして作製した光学フィルターの色度を日立分光光度計(U−3500)で測定した。L*a*b*表色系色度図(2°視野、C光源)で、L*=99.5、a*=−2.8、b*=6.5であった。
【0076】
更に、この光学フィルターのジイモニウム系色素含有層上に透過限界波長が390nmの紫外線吸収フィルターとしてシャープカットフィルター SC−39(富士写真フィルム社(株)製)を積層し、紫外線吸収膜面よりキセノンフェードメーター(スガ試験機(株)製 FAL−25AX−HC.B.EC)で露光した(280Hr露光)。露光後、上記と同様に日立分光光度計(U−3500)で色度を測定した結果、L*a*b*表色系色度図(2°視野、C光源)で、L*=98.6、a*=−2.8、b*=6.3であり、b*の変化は、−0.2で少なかった。
【0077】
比較例1
黄色色素として実施例1でもちいた一般式(VI)のNO.VI−3のメチン系色素0.002gと一般式(III)のNO.III−2のアゾ系色素0.001gの代わりに一般式(VI)のNO.VI−3のメチン系色素0.003gのみを使用し、他は同様にして処理して、実施例1と同様に光学フィルターを作製し、キセノンフェードメーター(スガ試験機(株)製 FAL−25AX−HC.B.EC)で露光した(280Hr露光)。露光前後の色度は、それぞれ、L*=99.6、a*=−2.8、b*=6.2、及び、L*=98.7、a*=−3.1、b*=6.9であり、b*の変化は、+0.7であり大きかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、ジイモニウム系近赤外線吸収色素を含有しているにもかかわらず、光、熱、湿度等により生じる色調の黄色変化が少ない、安定した光学特性を有する光学フィルターが得られる。
Claims (6)
- 少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+0.6〜−1.0以内であることを特徴とする光学フィルター。
- 少なくとも、800〜1200nmに最大吸収を有するジイモニウム系近赤外線吸収色素及び370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素を含有する光学フィルターであって、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合の、400〜500nmにおける平均透過率の変化が2%以内であることを特徴とする光学フィルター。
- 370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素が、透明樹脂基板に塗布して形成された塗布膜の状態で、50〜70℃の環境温度において、73000Lux.のキセノンランプを用い、280時間の光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して行った場合の色素残存率が85%以下である色素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルター。
- 370〜470nmに最大吸収を有する黄色色素がアゾ系色素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルター。
- 近赤外線吸収層、色調補正層及び電磁波カット層を有するディスプレイ用フィルターであって、少なくとも、近赤外線吸収色素としてジイモニウム系化合物を、色補正用色素として370〜430nmに最大吸収を有する黄色色素を含有し、該フィルターに対し、光照射を透過限界波長が390nmの紫外線カットフィルターを介して、50〜70℃の環境温度で73000Lux.のキセノンランプを用いた光照射を280時間行った場合のL*a*b*表色系におけるb*の変化量が+5〜−1以内であることを特徴とするディスプレイ用フィルター。
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