JP2004325532A - プラズマディスプレイ用フィルム及びこれを用いたプラズマディスプレイ用フィルター - Google Patents

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勝一 金子
Shigeki Furuhashi
繁樹 古橋
Norio Ishizuki
紀男 石月
Junichi Segawa
淳一 瀬川
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Abstract

【課題】プラズマディスプレイでは、三原色蛍光体からの発光に余分な光(波長が500乃至620nmの範囲)が含まれていることが知られている。そこで、表示色のバランスを補正するため特定の光、具体的にはプラズマディスプレイモデュールが発する580から595nmの波長のオレンジ光部分に極大吸収を有し、その半値幅が約50nm以下の色素を有するフィルターを用いて、色補正を行う事が提案されている。しかしながら、プラズマディスプレイ用フィルムの耐熱性、耐湿熱性、耐光性等の耐久性においても満足なものは得られていない。
【解決手段】透明フィルムの一方の面にネオン光カット層を、他面に粘着剤層を有し、該ネオン光カット層が、ネオン光カット色素を含有する85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂層であるプラズマディスプレイ用フィルム及びプラズマディスプレイ用フィルター。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学フィルターに関するものである。特に可視光線の580から600nmに極大吸収波長を有し、耐熱性、耐湿熱性、耐光性等の耐久性の良好なプラズマディスプレイ用フィルム及びこれを用いたフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
社会が高度に情報化されてくるに従って、光エレクトロニクス関連商品、機器は著しく進歩、普及している。その中でプラズマディスプレイ(PDP)はテレビジョン用として著しく普及し、薄型化、大型化が進んでいる。
【0003】
しかし、光学表示装置において、表示のための光を理想的な三原色にすることは非常にむずかしい。例えばPDPでは、三原色蛍光体からの発光に余分な光(波長が500乃至620nmの範囲)が含まれていることが知られている。そこで、表示色のバランスを補正するため特定の光、具体的にはPDPモデュールが発する波長580から595nmのオレンジ光部分に極大吸収を有し、その半値幅が約50nm以下の色素(ネオン光カット色素と言う)を含有するフィルター(ネオン光カットフィルターと言う)を用いて、色補正を行う事が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−148430号公報
【特許文献2】
特開2002−67506号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラズマディスプレイ用フィルムにおいて、耐熱性、耐湿熱性、耐光性等の耐久性においても満足なものは得られていない。又、これまでに使用されてきたネオン光カット色素、例えばシアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素の中には、蛍光を発するものが多く、電源がオフの状態で赤色の蛍光を発し、商品価値を低下させるという問題が在る。
【0006】
【発明の解決するための手段】
本発明者らは、かかる従来技術の諸欠点に鑑み鋭意検討の結果、ネオン光カット色素をガラス転移温度が85℃以上の透明な高分子樹脂中に含有させるとフィルムの耐熱性、耐湿熱性、耐光性等の耐久性が向上し、また特定波長に吸収を持つ色素を該高分子樹脂中に併存させると蛍光を抑制し、これらの欠点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、
(1)透明フィルムの一方の面にネオン光カット層を、他方の面に粘着剤層を有するプラズマディスプレイ用フィルムにおいて、該ネオン光カット層が、ネオン光カット色素を含有する85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂層であるプラズマディスプレイ用フィルム、
(2)ネオン光カット色素が下記式(1)
【化2】
Figure 2004325532
で表されるシアニン系色素である(1)のプラズマディスプレイ用フィルム、
(3)85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂層が波長580から620nmに極大吸収波長を有する色素を含有する(1)または(2)のプラズマディスプレイ用フィルム、
(4)波長580から620nmに極大吸収波長を有する色素が青色色素または黒色色素である(3)のプラズマディスプレイ用フィルム、
(5)粘着剤層が紫外線吸収剤を含有する(1)乃至(4)のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム、
(6)粘着剤層が色素を含有する(1)乃至(5)のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム、
(7)ネオン光カット層上に反射防止フィルムが積層されている(1)乃至(6)のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム、
(8)反射防止フィルムがハードコート層、高屈折層及び低屈折層を、この順番で有するポリエステルフィルムである(1)乃至(7)のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム、
(9)反射防止フィルムが帯電防止性を持ったフィルムである(1)乃至(7)のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム、
(10)(1)乃至(9)のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルムがスパッタガラス上に貼付されたプラズマディスプレイ用フィルター、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のプラズマディスプレイ用フィルムは、透明フィルムの一方の面にネオン光カット層を、他方の面に粘着剤層を有し、該ネオン光カット層が、ネオン光カット色素を含有する85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂層であることを特徴とする。このフィルムは波長585から595nmに極大吸収を有し、この波長における可視光の透過率は、70%以下が好ましく、60%以下のものがより好ましい。
【0009】
透明フィルムの材質としては、例えばセルローストリアセテート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン等があげられるが、好ましくはセルローストリアセテート、又はポリエステルである。その厚みは問わないが、出来るだけ薄い方がよく、通常は75μmから125μmである。
【0010】
ネオン光カット層は、ネオン光カット色素を含有する85℃以上、好ましくは90℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂の層である。ネオン光カット色素は、波長585から595nmに極大吸収を有し、その半値幅が約50nmの色素であるものが好ましく、例えばシアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素から選ばれ、上記式(1)で表されるシアニン系色素、すなわち1,1−ジ(4−イソプロポキシフェニルエチル)−3、3、3’、3’−テトラメチル−5、5’−ジニトロインドカーボシアニン・パークロレート、が好ましい。
【0011】
本発明で使用する、85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリイソシアネート、ポリアリレート、ポリアセチルセルロース等の透明なプラスチック樹脂があげられる。これらのうち共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレンーマレイン酸樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
【0012】
ネオン光カット色素の該高分子樹脂に対する添加量は、通常支持フィルムに塗布した後の585nmでの吸収量がパネルとして70%以下、好ましくは60%以下になるように適宜設定されるが、通常高分子樹脂の固形分に対し0.1から〜1.5重量%程度である。
【0013】
本発明で使用するプタズマディスプレイ用フィルムは、上記のネオン光カット色素とガラス転移温度が85度以上の高分子樹脂とを溶媒に溶解し、これを上記透明フィルムにコーティングし、乾燥することにより得られる。
【0014】
ここにおいて高分子樹脂とネオン光カット色素を溶解させる溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化物、あるいはトルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、アセトン、シクロヘキサン等の非ハロゲン系有機溶剤が使用される。ここにおいて高分子樹脂とネオン光カット色素を溶解させる方法としては、通常の攪拌機やニーダーが用いられる。無論これに限るものではない。
【0015】
高分子樹脂とネオン光カット色素の溶液は、マイクログラビアコーター、グラビアコーター、リバースコーター、フローコーター、コンマコーター、ロールコーター、T−ダイ等のコーターで前記透明フィルムの上に塗布され、乾燥機で溶剤を離散させてフィルムの層を形成させる方法が一般的である。コーティングの厚みは2〜3μmがよい。一般に585nmでの吸収が70%以下、好ましくは60%以下になるように設定される。コーティングのスピードは毎秒数mから数10mである。
【0016】
本発明において、ネオン光カット色素を含有する85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂の層には、波長580から620nmに吸収を有する色素を含有させてもよい。この波長580から620nmに吸収を有する色素は、通常青色色素であり、一部黒色色素も含まれる。この色素は、ネオン光カット色素より生じる蛍光を消す必要がある場合に、使用される。このような青色色素としては、カヤセットBlue N、カヤセットBlue A−2R、カヤセットBlue A−D、カヤセットBlue ACR、カヤセットBlack G等があげられ(いずれも日本化薬社製)、その添加量は該高分子樹脂の固形分に対し0.1から2重量%前後である。この色素は、該高分子樹脂に溶解する色素である。
【0017】
この他、フィルムの色調整のために該高分子樹脂に黄色色素等の、ネオン光カット色素以外の色素を少量添加してもよい。
【0018】
本発明のプラズマディスプレイ用フィルム上に設けられる粘着剤層としては、通常透明性の良好なエポキシ系、ポリエステル系、酢酸ビニル系等の溶剤型接着(粘着)剤、又はアクリル酸アルキルエステル系、ポリビニルエーテル系等の感圧型接着(粘着)剤、或いはアクリル系重合樹脂、ウレタン樹脂等の重合反応により硬化しうる接着(粘着)性樹脂等が用いられる。この粘着剤層には、PDPパネルからの光線によるネオン光カット色素の劣化を防ぐため、紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、例えばチヌビン109(チバガギ−社製)があげられ、その含有量は、粘着剤層の固形分に対し、0.5〜10重量%程度がよい。また、接着(粘着)に使用される接着(粘着)剤としては例えばアクリル酸エステル系粘着剤、PTR−2500T(日本化薬社製)がある。
【0019】
また、この粘着剤層には、フィルムの色調整のために黄色色素等の他の色素を少量添加してもよい。
【0020】
本発明のプラズマディスプレイ用フィルムでは、外光の反射を防止し、可視光線の透過率をより向上させるために、ネオン光カット層上に反射防止フィルム(ARフィルム)を積層してもよい。この反射防止フィルムは、例えば透明フィルム上にそれと屈折率の異なる材料を単層もしくは2層以上積層することが好ましい。単層の場合はプラスチックフィルムより小さい屈折率を用いたものが良い。又、2層以上の多層構造とする場合は、プラスチックフィルムと隣接する側にプラスチックより大きい屈折率を有する材料を用い、この上の層にはこれより小さい屈折率を有する材料を選ぶことが好ましい。このような反射防止層(AR)を構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記屈折率の関係を満足すれば特に限定されない。
【0021】
透明フィルム上に反射防止層を設けるには、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、あるいはリバース方式のウェットコーティング法のどちらでもよいがコスト的な点から後者が好ましい。
【0022】
反射防止フィルムのより好ましい態様としては、例えば透明フィルム上にハードコート層、高屈折層及び低屈折層を、この順番で設け、裏面に粘着剤層を設けたものである。この反射防止フィルムは、粘着剤層を介してネオン光カット層上に積層される。
【0023】
透明フィルムの材質としては、例えばセルローストリアセテート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン等があげられるが、好ましくはセルローストリアセテート、又はポリエステルである。その厚みは、出来るだけ薄い方がよく、通常75μmから125μmである。
【0024】
透明フィルム上に設けられるハードコート層は、紫外線硬化性樹脂樹脂を主成分にしたハードコート剤が好ましく、その膜厚は4〜10μmが好ましい。ハードネスや吸収曲線のリップルを考慮するとこの厚みは少なくとも約6μm以上が好ましい。
ハードコート層上に設けられる高屈折層としては、例えば金属酸化物微粒子を紫外線硬化性樹脂に分散させた、屈折率が約1.60以上の高屈折性インキを、膜厚約0.1μmにコーティングし、キュアーして硬化させる。
高屈折層上に設けられる低屈折層としては、その屈折率が高屈折層よりも低い樹脂を用いるが、ゾルゲル法によるフッ化シラン系化合物と4−メトキシシランの縮合物が硬度の点から好ましく、その屈折率は1.42から1.36である。又、膜厚は、約0.1μmがよく、好みの反射色により若干前後してもよい。コーティング後、膜を硬化させるために恒温槽に入れて70℃で約7日間硬化させるのが好ましい。
【0025】
ネオン光カット層の他方の面に設けられる粘着剤層には、通常透明性の高いアクリル系の粘着剤、好ましくは感圧粘着剤が使用される。この粘着剤層には、外光からの光線によるネオン光カット色素の劣化を防ぐため、紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、例えばチヌビン109(チバガイギー社製)があげられ、その含有量は、粘着剤の固形分に対し、0.5〜10重量%程度がよい。
【0026】
また、この反射防止フィルムには帯電防止性を付与させたものが好ましい。帯電防止性を付与するには、高屈折層が耐電防止能を持った金属酸化物のフィラーを配合した高屈折樹脂層であることが好ましい。帯電防止能をもった金属としては、アンチモンドープITO、酸化亜鉛、ATO、アンチモン酸亜鉛などの金属酸化物の微粒子が良い。金属粒子の大きさはコート膜の透明性を維持するためにも重要で、分散径で0.5μm以下好ましくは0.12μm以下が好ましい。
【0027】
又、本光学フィルムには、プラズマディスプレイなどに用いた場合の視認性をさらに向上のために、反射防止機能のみならず防眩機能も付与した反射防止防眩層(AGAR層)を設けてもよい。
本発明のプラズマディスプレイ用フィルターは、上記のプラズマディスプレイ用フィルムを、電磁波遮蔽能を有するスパッタガラス上に貼付したものである。スパッタガラスは、銀をスパッタした例えば低抗値が2.5Ω/□以下、光線透過率が約70%のスパッタガラスを使用することが好ましい。本発明のフィルムは、スパッタガラスのスパッタ面に貼付しても良く、またはその反対面に貼付しても良い。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。反射防止フィルムとしては、PET基材(東洋紡社製A4300)に紫外線硬化型ハードコート剤でハードコートをし、アンチモン酸亜鉛系の導電性高屈折樹脂をコーティングし、さらに低屈折樹脂をコーティングした反射防止フィルムARS−D250TG−125(日本化薬社製)を用いた。耐光性、耐熱性〔80℃〕、耐湿熱性(60℃×90RH)は、島津製作所社製のUV−3100を用いて、そのフィルムの試験前後の透過率を測定した。サンプルは、粘着層をつけてガラスに貼り付けて測定した。耐熱性、耐湿熱性はY値(透過率)、及び色度座標(x、y)(光源C)の経時変化を測定した。耐光性はカーボンアークで100時間経過後の透過率の変化率で見た。
【0029】
実施例1
高分子基材としてガラス転移温度が90℃のアクリディック55−129(大日本インキ化学工業社製 固形分65%)15.6kg、MEK31.2kgの中に上記式(1)で示されるネオン光カット色素50gを入れ攪拌してよく溶解する。さらにこれにカヤセットBlue−N 62.5gと18.8gのカヤセットYellow−GN(何れも日本化薬社製)を添加し良く撹拌して均一な溶液とする。これをポリエステルフィルム4300A(東洋紡社製)上にマイクログラビアコーターでコーティングしてネオン光カットフィルムを得る。これに粘着剤PTR2500T(日本化薬社製)を固形分20μm塗布して本発明のプラズマディスプレイ用フィルムを得る。
【0030】
実施例2
実施例1で出来たネオン光カットフィルムに粘着加工時にカヤセット RedGを粘着剤PTR2500T(日本化薬社製)の固型分100重量部に対して0.018重量部、カヤセット Yellow GNを粘着剤PTR2500T100重量部に対して0.012重量部添加した粘着剤を固形分20μm塗布して本発明のプラズマディスプレイ用フィルムを得る。
【0031】
実施例3
実施例1で出来たネオン光カットフィルムに粘着加工時にカヤセット RedGを粘着剤PTR2500T 100部に対して0.036部、カヤセット Yellow GNを粘着剤PTR2500T 100部に対して0.018部添加した粘着剤を固形分20μm塗布して本発明のプラズマディスプレイ用フィルムを得る。
【0032】
実施例4
高分子樹脂基材としてガラス転移温度が100℃のアクリディック 4328−40(大日本インキ化学工業社製 固形分40%)15.6kg、MEK31.2kgの中に上記式(1)で示されるネオン光カット色素50gをいれ攪拌してよく溶解する。さらにこれにカヤセットBlue−N 62.5gと18.8gのカヤセットYellow−GN(何れも日本化薬社製)を添加し良く撹拌して均一な溶液とする。これを前記ポリエステルフィルム4300A上にマイクログラビアコーターでコーティングしてネオン光カットフィルムを得る。これに粘着加工をして本発明のプラズマディスプレイ用フィルムを得る。
【0033】
実施例5
実施例1で得られた本発明のプラズマディスプレイ用フィルムに反射防止フィルムARS付きネオン光カットフィルムをスパッタガラスに貼付し、さらに反対側にARSフィルム(日本化薬社製)を貼付して本発明のプラズマディスプレイ用フィルターを得る。
【0034】
実施例1〜4で得られた本発明のプラズマディスプレイ用フィルムを実施例5と同様の方法でプラズマディスプレイ用フィルターとしたもの、及び実施例5で得られたプラズマディスプレイ用フィルターについて耐久試験を行い、その結果を表1から表3に表す。表1は各フィルターの80℃における透過率の変化を示す。表2は各フィルターの60℃−90%RHでの透過率変化を表す。表3はカーボンアーク照射試験での透過率変化を表す。耐光試験においてはチヌビン109(チバガイギー社製)がPTR2500Tの固型分に100部に対して1部用いたARSフィルム(日本化薬社製)を貼付した。
【0035】
【表1】
Figure 2004325532
【0036】
【表2】
Figure 2004325532
【0037】
【表3】
Figure 2004325532
【0038】
実施例1から実施例4において、500時間経過後の80℃での耐熱性及び60℃−90%RHでの耐湿熱性の透過率(Y値)の変化率は5%以下であり、良好な耐久性を示した。また、実際のスパッタガラスに貼合したパネルの500時間経過後の80℃での耐熱性及び60℃−90%RHでの耐湿熱性の透過率(Y値)の変化率は5%以下であり、良好な耐久性を示した。さらに、100時間の耐光性試験結果もいずれも良好であった。
【発明の効果】
この結果から耐熱性、耐湿熱性、耐光性が500時間経過後の変化率で5%以内であり、著しく耐久性が向上したプラズマディスプレイ用フィルターを得た。
【0039】

Claims (10)

  1. 透明フィルムの一方の面にネオン光カット層を、他方の面に粘着剤層を有するプラズマディスプレイ用フィルムにおいて、該ネオン光カット層が、ネオン光カット色素を含有する85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂層であるプラズマディスプレイ用フィルム。
  2. ネオン光カット色素が下記式(1)
    Figure 2004325532
    で表されるシアニン系色素である請求項1のプラズマディスプレイ用フィルム。
  3. 85℃以上のガラス転移温度を有する高分子樹脂層が波長580から620nmに極大吸収波長を有する色素を含有する請求項1または2のプラズマディスプレイ用フィルム。
  4. 波長580から620nmに極大吸収波長を有する色素が青色色素または黒色色素である請求項3のプラズマディスプレイ用フィルム。
  5. 粘着剤層が紫外線吸収剤を含有する請求項1乃至4のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム。
  6. 粘着剤層が色素を含有する請求項1乃至5のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム。
  7. ネオン光カット層上に反射防止フィルムが積層されている請求項1乃至6のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム。
  8. 反射防止フィルムがハードコート層、高屈折層及び低屈折層を、この順番で有するポリエステルフィルムである請求項1乃至7のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム。
  9. 反射防止フィルムが帯電防止性を持ったフィルムである請求項1乃至7のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項のプラズマディスプレイ用フィルムがスパッタガラス上に貼付されたプラズマディスプレイ用フィルター。
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