JP2003039600A - ガラス保護フィルム - Google Patents

ガラス保護フィルム

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JP2003039600A
JP2003039600A JP2002119550A JP2002119550A JP2003039600A JP 2003039600 A JP2003039600 A JP 2003039600A JP 2002119550 A JP2002119550 A JP 2002119550A JP 2002119550 A JP2002119550 A JP 2002119550A JP 2003039600 A JP2003039600 A JP 2003039600A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス保護用途、特にフラットディスプレイ等
の表示用ガラスの保護に好適なガラス保護フィルムを提
供すること。 【解決手段】可視光線透過率が70%以上であり、長手
方向および/または幅方向の引裂伝播抵抗が10N/m
m以上であるとともに、少なくとも2種の熱可塑性樹脂
から構成される多界面構造を有することを特徴とするガ
ラス保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス保護フィル
ムに関するものである。更に詳しくは、建材や自動車用
の窓ガラス、あるいは、CRTディスプレイ、液晶ディ
スプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレ
イ、フィールドエミッションディスプレイ等の表示ガラ
スの保護に好適なガラス保護フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、優れた光線透過性、ガスバリ
ア性、寸法特性等から、さまざまな用途に使用されてい
る。特に、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プ
ラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィール
ドエミッションディスプレイ等に代表されるフラットデ
ィスプレイの分野では、より高性能なガラスが提供され
ている。しかしながら、これらの用途では、フラットデ
ィスプレイに対する薄肉化の要求から、表示用ガラス自
体についても薄肉化する傾向にあり、それに伴い使用時
において破損しやすいといった問題がある。
【0003】このようなガラス破損やさらに破損によっ
て起こるガラス飛散の問題に対し、ガラスに熱可塑性樹
脂からなるフィルムを貼りつけることにより防止する方
法が種々提案されている。例えば、特開平6−1909
97号公報にはポリエチレンテレフタレート層とセバシ
ン酸共重合−ポリエチレンテレフタレート層からなる多
層積層フィルムをガラス表面に貼りつけることにより、
ガラスの破損および飛散を大幅に防止できることが記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−1
90997号公報の方法では、ガラスの破損や飛散を防
止することに効果はあるものの、多層積層フィルムを構
成するセバシン酸共重合−ポリエチレンテレフタレート
層のガラス転移温度が低いために、しだいに結晶化が生
じ白化することとなり、可視光線透過率が低下する現象
が生じていた。従って、高い可視光線透過率が継続して
求められる用途、たとえばフラットディスプレイ用ガラ
ス保護フィルムとしては使用できなかった。
【0005】また、特開平6−190997号公報の方
法では、ある特定の衝撃破壊速度でのみ高い引裂性能が
得られるだけであり、あらゆる破壊モードに対応できる
ものではなかった。さらには、特開平6−190997
号公報では、耐引裂性を負荷するために、耐熱性を犠牲
にしており使用できる環境が限られた物であった。
【0006】本発明は、かかる問題を解決し、ガラス保
護用途、特にフラットディスプレイ等の表示用ガラスの
保護に好適なガラス保護フィルムを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は下記の構成をとる。すなわち、 (1)可視光線透過率が70%以上であり、長手方向お
よび/または幅方向の引裂伝播抵抗が10N/mm以上
であるとともに、少なくとも2種の熱可塑性樹脂から構
成される多界面構造を有することを特徴とするガラス保
護フィルム。
【0008】(2)可視光線透過率が70%以上であ
り、長手方向および/または幅方向の引裂強度が10N
/mm以上であるとともに、少なくとも2種の熱可塑性
樹脂から構成される多界面構造を有することを特徴とす
るガラス保護フィルム。
【0009】(3)可視光線透過率が70%以上であ
り、長手方向および/または幅方向の低速引裂強度が3
0N/mm以上であるとともに、少なくとも2種の熱可
塑性樹脂から構成される多界面構造を有することを特徴
とするガラス保護フィルム。
【0010】(4)長手方向および/または幅方向の低
速引裂強度が30N/mm以上であることを特徴とする
(1)から(2)に記載のガラス保護フィルム。
【0011】(5)可視光線透過率が88%以上である
ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載のガラス
保護フィルム。
【0012】(6)ヘイズが0.1%以上4%以下であ
ることを特徴とする(1)から(5)に記載のガラス保
護フィルム。
【0013】(7)長手方向および幅方向の熱収縮率が
5%以下であることを特徴とする(1)から(6)に記
載のガラス保護フィルム。
【0014】(8)前記熱可塑性樹脂のうち少なくとも
1種の熱可塑性樹脂が層構造をなすことを特徴とする
(1)から(7)に記載のガラス保護フィルム。
【0015】(9)前記層構造が3層以上の多層構造か
らなることを特徴とする(8)に記載のガラス保護フィ
ルム。
【0016】(10)前記熱可塑性樹脂のうち少なくと
も1種の熱可塑性樹脂が、2,2−ビス(4’−β−ヒ
ドロキシアルコキシフェニル)プロパン基、および/あ
るいはまたはシクロヘキサン基を有する熱可塑性樹脂か
らなることを特徴とする(1)から(9)のいずれかに
記載のガラス保護フィルム。
【0017】(11)近赤外線透過率が20%以下であ
ることを特徴とする(1)から(10)のいずれかに記
載のガラス保護フィルム。
【0018】(12)前記熱可塑性樹脂のガラス転移温
度が、50℃以上であることを特徴とする(1)から
(11)のいずれかに記載のガラス保護フィルム。
【0019】(13)前記熱可塑性樹脂のうち少なくと
も1種の熱可塑性樹脂が、2,2−ビス(4’−β−ヒ
ドロキシアルコキシフェニル)プロパン、および/ある
いはシクロヘキサンジメタノールを共重合されてなるポ
リエステルからなることを特徴とする(1)から(1
2)のいずれかに記載のガラス保護フィルム。
【0020】(14)フィルム厚みが10μm以上20
00μm以下であることを特徴とする(1)から(1
3)のいずれかに記載のガラス保護フィルム。
【0021】(15)平面表示素子用ガラスの前面に貼
り付けることを特徴とする(1)から(14)のいずれ
かに記載のガラス保護フィルム。
【0022】(16)前記平面表示素子がプラズマディ
スプレイであることを特徴とする(15)に記載のガラ
ス保護フィルム。
【0023】(17)前記表面表示素子がCRTである
ことを特徴とする(15)に記載のガラス保護フィル
ム。である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0025】本発明は、可視光線透過率が70%以上で
あり、長手方向および/あるいは幅方向の引裂伝播抵抗
が10N/mm以上であるとともに、少なくとも2種の
熱可塑性樹脂から構成される多界面構造を有するガラス
保護フィルムでなければならない。
【0026】また、本発明は、可視光線透過率が70%
以上であり、長手方向および/または幅方向の引裂強度
が10N/mm以上であるとともに、少なくとも2種の
熱可塑性樹脂から構成される多界面構造を有するガラス
保護フィルムでなければならない。
【0027】さらにまた、本発明は、可視光線透過率が
70%以上であり、長手方向および/または幅方向の低
速引裂強度が30N/mm以上であるとともに、少なく
とも2種の熱可塑性樹脂から構成される多界面構造を有
するガラス保護フィルムでなければならない。
【0028】本発明で用いる少なくとも2種の熱可塑性
樹脂は特に限定されず、たとえば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン
樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどの
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0029】これらの樹脂はホモ樹脂であってもよく、
共重合またはブレンドであってもよい。また、これらの
樹脂の中に、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防
止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定
剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが添加され
ていてもよい。
【0030】本発明で用いる熱可塑性樹脂の少なくとも
1種は、好ましくはポリエステル樹脂であり、中でも、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートやポリエチレンテ
レフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレ
ートが好ましい。
【0031】また、本発明で用いる熱可塑性樹脂の少な
くとも1種は、熱可塑性樹脂の耐熱性の観点から、2,
2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)
プロパン基、および/または、シクロヘキサン基を有す
る熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。該樹脂の例とし
ては、共重合ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、変
性ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、変性ポ
リアリレート樹脂等などを挙げることができる。
【0032】また、本発明で用いる熱可塑性樹脂の少な
くとも1種は、耐熱性と透明性の観点から、2,2−ビ
ス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)プロパ
ン、および/または、シクロヘキサンジメタノールを共
重合されてなるポリエステルがより好ましく用いられ
る。2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフ
ェニル)プロパン構造を有する化合物としては、たとえ
ば、ジエチレングリコール成分としてビスフェノールA
エチレンオキサイド付加物を重縮合したポリエステルな
どが好ましく用いられる。このようなポリエステルとし
ては、少なくともジオール成分としてのビスフェノール
Aエチレンオキサイド付加物および/または、シクロヘ
キサンジメタノール、その他のジオールとして、たとえ
ばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールな
どから選ばれるジオール成分と、たとえばテレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸などから選ばれるジカルボ
ン酸成分との任意の組み合わせにより重縮合されて得ら
れる共重合ポリエステルがあげられる。
【0033】これらの共重合量としては特に限定する物
ではないが、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアル
コキシフェニル)プロパン、および/または、シクロヘ
キサンジメタノールの共重合量が15mol%以上であ
ることが好ましい。より好ましくは25mol%以上で
あり、さらに好ましくは30mol%以上である。
【0034】本発明に使用する熱可塑性樹脂の製造方法
はとくに限定されず、公知の方法を使用することができ
る。本発明の中で好ましい態様として例示される熱可塑
性樹脂は、特開平6−190997号公報に示される延
性な材料には属していないため、使用環境下での経時変
化が起きにくいとともに、低速での引裂強度が高くあら
ゆる破壊モードにも対応できるようになったものであ
る。
【0035】本発明の多界面構造とは、異なる2種以上
の熱可塑性樹脂から構成される構造体のことをさし、少
なくとも1種以上の熱可塑性樹脂が分散した形態にある
ことを言う。この分散形態としては、不連続に存在する
分散形態や、連続した層状構造が存在する形態であって
もよい。
【0036】本発明の多界面構造体としては、厚み方向
に積層された多層構造であることがより好ましい。積層
数としては、3層以上であることが好ましい。より好ま
しくは、8層以上であり、さらに好ましくは16層以上
である。上限はとくに定めないが、透明性や生産性の観
点から、100層以下であることが好ましい。3層以上
の多層積層構造を有することにより、厚み方向への衝撃
の伝播が妨げられ、特に大きなガラス破損防止効果が得
ることができる。
【0037】本発明のガラス保護フィルムは可視光線透
過率が70%以上であり、好ましくは可視光線透過率が
88%以上である。可視光線透過率が70%より低い場
合には、ディスプレイ等のガラス保護フィルムとして
は、視認性の点から不十分であり好ましくない。
【0038】可視光線透過率を上げる方法としては特に
限定されないが、たとえば多界面構造を構成する各熱可
塑性樹脂間の屈折率差を極力小さくする方法、1種類以
上の熱可塑性樹脂が島状分散する場合はその分散径を
0.1μm以下にする方法、熱可塑性樹脂の結晶性を抑
制する方法などが好ましく用いられる。
【0039】さらに本発明では、長手方向および/また
は幅方向の引裂伝播抵抗は10N/mm以上であり、好
ましくは30N/mm以上であり、さらに好ましくは5
0N/mm以上である。引裂強度が10N/mm未満で
は、ガラス保護フィルムとしての強度が不足し、ガラス
の破損および破損後のガラス片の飛散を効果的に防止で
きない。
【0040】また本発明では、長手方向および/または
幅方向の引裂強度は10N/mm以上でなければならな
い。好ましくは30N/mm以上であり、さらに好まし
くは50N/mm以上である。引裂強度が10N/mm
未満では、ガラス保護フィルムとしての強度が不足し、
ガラスの破損および破損後のガラス片の飛散を効果的に
防止できない。なお、引裂伝播抵抗と引裂強度について
は、本質的な違いはあまりないが、より高い引裂性能に
ついては引裂強度測定法を用いる方が精度の面で好まし
い。
【0041】本発明では、長手方向および/または幅方
向の低速引裂強度が30N/mm以上である。より好ま
しくは長手方向および/または幅方向の低速引裂強度が
40N/mm以上である。ここで、低速引裂強度とは、
以下の物性地の評価方法の項にて記載される方法にて測
定される引裂強度のことであり、その引裂速度としては
300mm/min.以下と定義される。このように低
速引裂強度が30N/mm以上の場合には、衝撃破壊に
伴って発生するクラックの伝播も抑制できるため、ガラ
スの破損を防ぐことが可能となる。
【0042】また本発明のガラス保護フィルムでは、ヘ
イズが0.1%以上4%以下であることが好ましい。よ
り好ましくは0.2%以上3%以下である。ヘイズが4
%より大きい場合、ガラス保護フィルムとしての視認性
が不十分であるため、好ましくない。
【0043】また本発明のガラス保護フィルムでは長手
方向および幅方向の熱収縮率が5%以下であることが好
ましい。より好ましくは3%以下である。長手方向およ
び幅方向の熱収縮率が5%より大きい場合、ガラス保護
フィルム表面にハードコート層、粘着層、反射防止層、
紫外線吸収層、赤外線吸収層、帯電防止層等を設ける際
に、加工時の熱によりフィルムが変形を及ぼすために、
平面性が悪化ししわ等が発生するため好ましくない。ま
た、ガラス保護フィルムとして使用する際も、ディスプ
レイ等からの熱により、表示画像がゆがむなどの問題が
生じ好ましくない。
【0044】本発明のガラス保護フィルムとしては、近
赤外線透過率が20%以下であることが好ましく、より
好ましくは18%以下、さらに好ましくは16%以下で
ある。近赤外線透過率が20%より大きい場合、プラズ
マディスプレイ、フィールドエミッションディスプレ
イ、CRTディスプレイ等のガラス保護フィルムとして
用いた場合、ディスプレイから発せられる近赤外線がガ
ラス保護フィルムを通して、リモコンスイッチ等の制御
に異常をきたす可能性が生じる。
【0045】近赤外線透過率を20%以下にする方法は
とくに限定されないが、たとえば近赤外線吸収剤を熱可
塑性樹脂中に分散するか、近赤外線遮蔽層をガラス保護
フィルム中もしくはガラス保護フィルム上に設けること
などによって達成できる。
【0046】本発明のガラス保護フィルムを構成する熱
可塑性樹脂のガラス転移温度は、それぞれ50℃以上で
あることが好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度が
50℃より低い場合には、ガラス保護フィルムとして使
用した際に、太陽光やディスプレイから発せられる熱に
より、寸法変化や変色、あるいは白化を引き起こす可能
性が生じてくる。
【0047】本発明のガラス保護フィルムは、フィルム
厚みが10〜2000μmであることが好ましく、より
好ましくは15〜1800μm、さらに好ましくは20
〜1600μmである。
【0048】フィルム厚みが10μm未満では高強度の
フィルムを製造しにくく、また、2000μmを越える
と、可視光線透過率の高いフィルムを製造しにくくな
る。
【0049】本発明のガラス保護フィルムは、好ましく
は平面表示素子用ガラスの前面に貼り付けて用いられ
る。
【0050】平面表示用素子とは、たとえばCRTディ
スプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、
有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディス
プレイ等であり、とくにプラズマディスプレイのガラス
保護フィルムとして好適に用いられる。
【0051】また、本発明のガラス保護フィルムには、
その表面あるいは内部に易接着層、易滑層、反射防止
層、帯電防止層、粘着層、紫外線吸収層、赤外線吸収
層、光線透過率制御層、ハードコート層などが設けられ
ていてもよい。
【0052】次に、本発明のガラス保護フィルムの好ま
しい製造方法を以下に説明する。
【0053】熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意
する。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あ
るいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内に
おいて、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ
等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異
物や変性した樹脂をろ過される。さらに、樹脂は、ダイ
にて目的の形状に成形された後、吐出される。
【0054】多界面構造体を得るための方法としては、
例えば2種以上の熱可塑性樹脂を所望の比率でブレンド
し押出機に投入する方法や、2台以上の押出機を用いて
異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂をフィールド
ブロックやスタティックミキサー等を用いて多層に積層
する方法等を使用することができる。
【0055】特に、本発明ではフィールドブロックやス
タティックミキサー等を用いて多層積層することが好ま
しい。
【0056】ダイから吐出された多界面構造体を有する
シートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出
され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られ
る。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイ
フ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティング
ドラム等の冷却体に密着させ、急冷固化させるのが好ま
しい。
【0057】このようにして得られたキャスティングフ
ィルムは、必要に応じて二軸延伸しても構わない。二軸
延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。
延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延
伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に
再延伸を行ってもよい。
【0058】ここで、縦方向への延伸とは、フィルムに
長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常
は、ロールの周速差により施される。この延伸は1段階
で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多
段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類に
より異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、ポリエチ
レンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍がとく
に好ましく用いられる。
【0059】また、こうして得られたフィルムの表面
に、グラビアコーターやメタリングバー等の公知のコー
ティング技術を用いて、コーティングを施すことによ
り、易接着層や易滑層、高光線透過率を付与しても構わ
ない。
【0060】また、横方向の延伸とは、フィルムに幅方
向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンター
を用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬
送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては、樹脂
の種類により異なるが、通常2〜10倍が好ましく用い
られる。
【0061】こうして二軸延伸されたフィルムは、平面
性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温
度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましく、均一に徐
冷後、室温まで冷やして巻き取られる。本発明のフィル
ムにおいては、熱処理温度が120℃〜200℃である
方が、高い引裂強度を得ることができるが、その場合、
高温下での熱収縮など耐熱性の点で問題となることがあ
り、好ましくは200℃以上であると良い。ただし、本
発明のフィルムはこのように高い熱処理温度でも特開平
6−190997号公報の方法のように大幅な引裂強度
の低下をもたらすものではない。
【0062】本発明のガラス保護フィルムは、ガラスの
破損防止・飛散防止と高い透明性とを両立できたフィル
ムであり、特にプラズマディスプレイ等、高いガラス破
損防止機能と高い透明性とを要求されるフラットディス
プレイ用のガラス保護フィルムに好適である。
【0063】
【実施例】本発明に使用した物性値の評価法を記載す
る。 (物性値の評価法) (1)引裂伝播抵抗 軽荷重式引裂試験機(東洋精機製)を用いて、ASTM
−D−1922に従って測定した。サンプルサイズは、
幅51mm、長さ64mmで、幅方向中央部に端から1
3mmの切れ込みを入れ、残り51mmを引き裂いたと
きの指示値を読みとった。引裂伝播抵抗としては、指示
値より求めた引裂力(N)をフィルム厚み(mm)で除
した値とした。
【0064】(2)引裂強度 重荷重引裂試験機(東洋精機製)を用いて測定した。サ
ンプルサイズは幅70mm 長さ60mmで、幅方向中
央部に端から20mmの切れ込みを入れ、残り50mm
を引き裂いたときの指示値を読みとった。引裂強度とし
ては、指示値より求めた引裂力(N)をフィルム厚み
(mm)で除した値とした。なお、測定は10本のサン
プルを用いて行い、その平均値を採用した。なお、本試
験にて引き裂けない場合は、引裂不可とした。この場
合、実質的には引裂強度は200N/mm以上である。
【0065】(3)低速引裂強度 ORIENTEC製自動テンシロンAMF/RTA10
00を用いて測定した。サンプルサイズとしてはは幅4
0mm 長さ150mmで、幅方向中央部に端から50
mmの切れ込みを入れた。このサンプルをチャック間距
離50mmにセットし、チャックを200mm/mi
n.で移動させ、残り100mmを引き裂いたときの最
大引裂張力(N)を求めた。低速引裂強度としては、こ
の最大引裂張力(N)をフィルム厚み(mm)で除した
値とした。なお、測定は5本のサンプルを用いて行い、
その平均値を採用した。
【0066】(4)ヘイズ ヘイズの測定は、常態(23℃、相対湿度65%)にお
いて、フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)
製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」
を用いて行った。3回測定した平均値を該サンプルの平
均値とした。
【0067】(5)熱収縮率 製膜後24時間以上経過したフィルムから、大きさ30
0mm×10mmで、かつその長手方向と測定方向が合
致するように採取した被測定サンプルを、23℃、60
%RHの雰囲気下に30分間放置し、その雰囲気下で、
フィルム長手方向に約200mmの間隔で2つの印を付
け、リニアスケール測長機を用いて、その印の間隔を測
定し、その値をAとする。次ぎに、被測定サンプルは、
張力フリーの状態で150℃の雰囲気中に30分間放置
し、次いで23℃・60%RHの雰囲気中で1時間冷
却、調湿後、先に付けた印の間隔を測定し、測定値をB
とする。この時次式により 熱収縮率=100×(A−B)/A 熱収縮率を求める。
【0068】(6)可視光線透過率 分光光度計U−3410(島津製作所製)を用いて測定
した。波長300nmから700nmの範囲の全光線透
過率を測定し、可視光領域(450nm〜700nm)
での平均光線透過率を可視光線透過率とした。
【0069】(7)近赤外線透過率 分光光度計MPC−3100を用いて測定した。波長8
00nmから波長2100nmまでの範囲の全光線透過
率を測定し、近赤外線領域(800nm〜1200n
m)での平均光線透過率を近赤外線透過率とした。
【0070】(8)耐衝撃性試験 JIS A5759−1998 A法に従って測定し
た。落下高さを30cmとし、ガラスが破損しなかった
場合を「◎」、破損してもガラスが飛散しなかった場合
を「○」、ガラスが破損しさらに飛散した場合を「×」
とした。◎と○を合格とした。
【0071】(9)ガラス転移温度 示差走査熱量計として、セイコー電子工業(株)製DS
C RDC220、データ解析装置として同社製ディス
クステーションSSC/5200を用いて測定した。測
定条件としては、アルミパンにサンプル約5mgを封入
し、300℃で5分間保持、液体窒素で急冷した後、昇
温速度20℃/分で測定した。
【0072】(10)固有粘度 ポリエステルをo−クロロフェノールに溶解し、25℃
において測定した。
【0073】(実施例1)熱可塑性樹脂Aとして、固有
粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(ガラス転
移温度 76℃)に赤外線吸収剤を1wt%、コロイダ
ルシリカを1wt%加えたものを用いた。また熱可塑性
樹脂Bとして固有粘度0.65のビスフェノールAエチ
レンオキサイド付加物30mol%共重合ポリエチレン
テレフタレート(ガラス転移温度74℃)を用いた。こ
れら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、
押出機に供給した。
【0074】熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押
出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフ
ィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。
合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキ
サーに供給し、熱可塑性樹脂Aが8層、熱可塑性樹脂B
が7層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし
た。ここで、積層厚み比がA/B=6になるよう、吐出
量にて調整した。このようにして得られた計15層から
なる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静
電印加しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティ
ングドラム上で急冷固化した。
【0075】得られたキャストフィルムは、90℃に設
定したロール群で加熱し、縦方向に3.2倍延伸後、テ
ンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.
3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンタ
ー内で150℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷
後、巻き取った。
【0076】得られたフィルムの厚みは、50μmであ
った。このフィルムの引裂伝播抵抗は縦方向および横方
向とも16N/mmであり、可視光線透過率は77%、
近赤外線透過率は10%であった。また、ガラス保護フ
ィルムとしての衝撃試験の結果は○であった。得られた
結果は、表1、表2に示す。
【0077】(実施例2)実施例1と同様の装置・条件
で、計15層からなる延伸フィルムを得た。但し、吐出
量を調整し、フィルム厚みは188μmとした。このフ
ィルムの引裂伝播抵抗は縦方向および横方向とも引き裂
くことができず計測不可能となり、実質的には20N/
mm以上であり、可視光線透過率は71%、近赤外線透
過率は7%であった。また、ガラス保護フィルムとして
の衝撃試験の結果は◎であった。得られた結果は表1、
表2に示す。
【0078】(実施例3)実施例1と同様の装置・条件
で、計31層からなる延伸フィルムを得た。但し、熱可
塑性樹脂Aが16層、熱可塑性樹脂Bが15層からなる
積層フィルムとし、樹脂の吐出量を調整しフィルムの厚
みが50μmとなるようにした。このフィルムの引裂伝
播抵抗は縦方向および横方向とも19N/mmであり、
可視光線透過率は76%、近赤外線透過率は10%であ
った。また、ガラス保護フィルムとしての衝撃試験の結
果は○であった。得られた結果は表1、表2に示す。
【0079】(実施例4)実施例1と同様の装置・条件
で、計15層からなる延伸フィルムを得た。但し、熱可
塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテ
レフタレート(ガラス転移温度、76℃)に赤外線吸収
剤を1wt%、コロイダルシリカを1wt%を加えたも
のを用いた。また熱可塑性樹脂Bとして、ポリカーボネ
ート(ガラス転移温度150℃)を用いた。得られたフ
ィルムの厚みは、50μmであった。
【0080】このフィルムの引裂伝播抵抗は縦方向およ
び横方向とも12N/mmであり、可視光線透過率は7
5%、近赤外線透過率は10%であった。また、ガラス
保護フィルムとしての衝撃試験の結果は○であった。得
られた結果は表1、表2に示す。
【0081】(実施例5)実施例1と同様の装置・条件
で、計15層からなる延伸フィルムを得た。但し、熱可
塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテ
レフタレート(ガラス転移温度、76℃)に赤外線吸収
剤を1wt%、コロイダルシリカを1wt%加えたもの
を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして、固有粘度0.6
5のポリエチレンテレフタレート(ガラス転移温度76
℃)にポリカーボネート(ガラス転移温度150℃)を
30wt%ブレンドしたものを用いた。得られたフィル
ムの厚みは、50μmであった。このフィルムの引裂伝
播抵抗は縦方向および横方向とも15N/mmであり、
可視光線透過率は70%、近赤外線透過率は10%であ
った。また、ガラス保護フィルムとしての衝撃試験の結
果は○であった。得られた結果は表1、表2に示す。
【0082】(実施例6)熱可塑性樹脂Aとして、固有
粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(ガラス転
移温度、76℃)に赤外線吸収剤を1wt%、平均粒径
1.5μmのコロイダルシリカを0.01wt%加えた
ものを用いた。また熱可塑性樹脂Bとして固有粘度0.
65のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物35
mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(ガラス転
移温度74℃)を用いた。これら熱可塑性樹脂Aおよび
Bは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
【0083】熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押
出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフ
ィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。
合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキ
サーに供給し、熱可塑性樹脂Aが8層、熱可塑性樹脂B
が7層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし
た。ここで、積層厚み比がA/B=6になるよう、吐出
量にて調整した。このようにして得られた計15層から
なる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静
電印加しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティ
ングドラム上で急冷固化した。
【0084】得られたキャストフィルムは、90℃に設
定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テ
ンターに導き、110℃の熱風で予熱後、横方向に3.
3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンタ
ー内で150℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷
後、巻き取った。得られた結果を、表1、表2に示す。
【0085】(実施例7)実施例6と同様の装置・条件
で、厚み188μmのフィルムを得た。但し、フィール
ドブロックおよびミキサーの構成を変更し、熱可塑性樹
脂Aが17層、熱可塑性樹脂Bが16層からなる厚み方
向に交互に33層積層された構造とした。また、吐出量
を調整し、フィルム厚みは188μmとした。得られた
結果を表1、表2に示す。
【0086】(実施例8)実施例7と同様の装置・条件
で、188μmのフィルムを得た。但し、熱可塑性樹脂
Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレ
ート(ガラス転移温度、76℃)に赤外線吸収剤を1w
t%を加えた物を用いた。また、縦方向に一軸延伸した
フィルムの両面には、空気中でコロナ放電処理を施し、
基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理
面にポリエステル/メラミン架橋剤/平均粒径140n
mのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布した。得
られた結果を表1、表2に示す。
【0087】(実施例9)熱可塑性樹脂Aとして、固有
粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(ガラス転
移温度、76℃)に赤外線吸収剤1wt%を加えたもの
を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして固有粘度0.8の
シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合ポリエ
チレンテレフタレート EASTAR6763(イース
トマン・ケミカル製)を用いた。これら熱可塑性樹脂A
およびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
【0088】熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押
出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフ
ィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。
合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキ
サーに供給し、熱可塑性樹脂Aが8層、熱可塑性樹脂B
が7層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし
た。ここで、積層厚み比がA/B=6になるよう、吐出
量にて調整した。このようにして得られた計15層から
なる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静
電印加しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティ
ングドラム上で急冷固化した。
【0089】得られたキャストフィルムは、90℃に設
定したロール群で加熱し、縦方向に3.2倍延伸し、一
軸延伸フィルムを得た。このフィルムの両面に空気中で
コロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55
mN/mとし、その処理面にポリエステル/メラミン架
橋剤/平均粒径140nmのシリカ粒子からなる積層形
成膜塗液を塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをク
リップで把持しながら、テンターに導き、100℃の熱
風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィ
ルムは、そのまま、テンター内で150℃の熱風にて熱
処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフ
ィルムの厚みは、50μmであった。得られた結果は、
表1、表2に示す。
【0090】(実施例10)実施例9と同様の装置・条
件で、計15層からなる延伸フィルムを得た。但し、吐
出量を調整し、フィルム厚みは188μmとした。得ら
れた結果は表1、表2に示す。
【0091】(実施例11)実施例9と同様の装置・条
件で、厚み50μmのフィルムを得た。ただし、フィー
ルドブロックおよびミキサーの構成を変更し、熱可塑性
樹脂Aが17層、熱可塑性樹脂Bが16層からなる厚み
方向に交互に33層積層された構造とした。得られた結
果は表1、表2に示す。
【0092】(実施例12)実施例11と同様の装置・
条件で、計33層からなる延伸フィルムを得た。但し、
吐出量を調整し、フィルム厚みは188μmとした。得
られた結果は表1、表2に示す。
【0093】(実施例13)実施例11と同様の装置・
条件で、厚み50μmのフィルムを得た。ただし、熱処
理温度を235℃とした。得られた結果は表1、表2に
示す。
【0094】(実施例14)実施例12と同様の装置・
条件で、厚み188μmのフィルムを得た。ただし、熱
処理温度を235℃とした。得られた結果は表1、表2
に示す。
【0095】(実施例15)実施例13と同様の装置・
条件で、厚み50μmのフィルムを得た。ただし、熱可
塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレンテ
レフタレート(ガラス転移温度 76℃)を用いた。得
られた結果は表1、表2に示す。
【0096】(実施例16)実施例14と同様の装置・
条件で、厚み188μmのフィルムを得た。ただし、熱
可塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のポリエチレン
テレフタレート(ガラス転移温度 76℃)を用いた。
得られた結果は表1、表2に示す。
【0097】(実施例17)実施例15と同様の装置・
条件で、厚み50μmのフィルムを得た。ただし、熱可
塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの積層比A/Bを9/1と
した。得られた結果は表1、表2に示す。
【0098】(実施例18)実施例16と同様の装置・
条件で、厚み188μmのフィルムを得た。ただし、熱
可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの積層比A/Bを9/1
とした。得られた結果は表1、表2に示す。
【0099】(実施例19)実施例12と同様の装置・
条件で、厚み188μmのフィルムを得た。ただし、熱
可塑性樹脂Bとして、シクロヘキサンジメタノール9m
ol%共重合ポリエチレンテレフタレート EASTA
PAK9921(イーストマンケミカル製)を用いた。
得られた結果は表1、表2に示す。
【0100】(実施例20)実施例12と同様の装置・
条件で、厚み188μmのフィルムを得た。ただし、熱
可塑性樹脂Bとして、シクロヘキサンジメタノール60
mol%共重合ポリエチレンテレフタレート EAST
AR DN003(イーストマンケミカル製)を用い
た。得られた結果は表1、表2に示す。
【0101】(比較例1)実施例1と同様の装置・条件
で、次の単膜フィルムを得た。すなわち、押出機は1台
のみを使用し、フィールドブロックおよびスタティック
ミキサーは用いず、熱可塑性樹脂としては、固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレート(ガラス転移温
度76℃)に赤外線吸収剤を1wt%、コロイダルシリ
カを1wt%加えたものを用いて、単膜フィルムとし
た。得られたフィルムの厚みは、50μmであった。こ
のフィルムの引裂伝播抵抗は縦方向および横方向とも3
N/mmであり、可視光線透過率は80%、近赤外線透
過率は10%であった。また、ガラス保護フィルムとし
ての衝撃試験の結果は×であった。得られた結果は表
1、表2に示す。
【0102】(比較例2)比較例1と同様の装置・条件
で、次の単膜フィルムを得た。ただし、吐出量を調整し
てフィルムの厚みを188μmとした。得られた結果は
表1、表2に示す。
【0103】(比較例3)実施例1と同様の装置・条件
で、次の単膜フィルムを得た。すなわち、押出機は1台
のみを使用し、フィールドブロックおよびスタティック
ミキサーは用いず、熱可塑性樹脂としては、固有粘度
0.65のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
30mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(ガラ
ス転移温度74℃)に赤外線吸収剤を1wt%、コロイ
ダルシリカを1wt%加えたものを用いて、単膜フィル
ムとした。得られたフィルムの厚みは、50μmであっ
た。このフィルムの引裂伝播抵抗は縦方向および横方向
とも1N/mmであり、可視光線透過率は80%、近赤
外線透過率は10%であった。また、ガラス保護フィル
ムとしての衝撃試験の結果は×であった。得られた結果
は表1、表2に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】本発明により、ガラスの破損防止および
飛散防止を目的とした耐衝撃性と、ガラスに貼りつけた
際の視認性を両立したガラス保護フィルムを提供するこ
とができ、特にフラットディスプレイ等の表示用ガラス
の保護フィルムとして好適なガラス保護フィルムを提供
できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA19 CA24 CA26 CA29 2K009 AA09 BB02 CC33 CC34 CC38 DD09 EE00 4F100 AK01A AK01B AK41A BA03 BA08 EH20 GB07 GB32 GB41 JA03 JA20 JB16A JB16B JK03 JK10 JN01 YY00 5C032 AA02 AA07 CC06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光線透過率が70%以上であり、長
    手方向および/または幅方向の引裂伝播抵抗が10N/
    mm以上であるとともに、少なくとも2種の熱可塑性樹
    脂から構成される多界面構造を有することを特徴とする
    ガラス保護フィルム。
  2. 【請求項2】 可視光線透過率が70%以上であり、長
    手方向および/または幅方向の引裂強度が10N/mm
    以上であるとともに、少なくとも2種の熱可塑性樹脂か
    ら構成される多界面構造を有することを特徴とするガラ
    ス保護フィルム。
  3. 【請求項3】 可視光線透過率が70%以上であり、長
    手方向および/または幅方向の低速引裂強度が30N/
    mm以上であるとともに、少なくとも2種の熱可塑性樹
    脂から構成される多界面構造を有することを特徴とする
    ガラス保護フィルム。
  4. 【請求項4】 長手方向および/または幅方向の低速引
    裂強度が30N/mm以上であることを特徴とする請求
    項1から請求項2に記載のガラス保護フィルム。
  5. 【請求項5】 可視光線透過率が88%以上であること
    を特徴とする請求項1から請求項4に記載のガラス保護
    フィルム。
  6. 【請求項6】 ヘイズが0.1%以上4%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項5に記載のガラス保
    護フィルム。
  7. 【請求項7】 長手方向および幅方向の熱収縮率が5%
    以下であることを特徴とする請求項1から請求項6に記
    載のガラス保護フィルム。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂のうち少なくとも1種
    の熱可塑性樹脂が層構造をなすことを特徴とする請求項
    1から請求項7に記載のガラス保護フィルム。
  9. 【請求項9】 前記層構造が3層以上の多層構造からな
    ることを特徴とする請求項8に記載のガラス保護フィル
    ム。
  10. 【請求項10】 前記熱可塑性樹脂のうち少なくとも1
    種の熱可塑性樹脂が、2,2−ビス(4’−β−ヒドロ
    キシアルコキシフェニル)プロパン基、および/または
    シクロヘキサン基を有する熱可塑性樹脂からなることを
    特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のガ
    ラス保護フィルム。
  11. 【請求項11】 近赤外線透過率が20%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記
    載のガラス保護フィルム。
  12. 【請求項12】 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度
    が、50℃以上であることを特徴とする請求項1から請
    求項11のいずれかに記載のガラス保護フィルム。
  13. 【請求項13】 前記熱可塑性樹脂のうち少なくとも1
    種の熱可塑性樹脂が、2,2−ビス(4’−β−ヒドロ
    キシアルコキシフェニル)プロパン、および/またはシ
    クロヘキサンジメタノールを共重合されてなるポリエス
    テルからなることを特徴とする請求項1から請求項12
    のいずれかに記載のガラス保護フィルム。
  14. 【請求項14】 フィルム厚みが10μm以上2000
    μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項1
    3のいずれかに記載のガラス保護フィルム。
  15. 【請求項15】 平面表示素子用ガラスの前面に貼り付
    けることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれ
    かに記載のガラス保護フィルム。
  16. 【請求項16】 前記平面表示素子がプラズマディスプ
    レイであることを特徴とする請求項15に記載のガラス
    保護フィルム。
  17. 【請求項17】 前記表面表示素子がCRTであること
    を特徴とする請求項15に記載のガラス保護フィルム。
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JP2015194566A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 東レ株式会社 ディスプレイ用フィルム

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