JPWO2008004611A1 - 光学フィルター用フィルム及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル用光学フィルター - Google Patents

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研二 芥
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Abstract

塗布乾燥後に行うエージング作業の前後でのネオン光吸収能が変化しないよう、粘着剤が塗布乾燥直後であっても十分な架橋密度を持った高分子となる粘着剤であって、シアニン系色素に代表されるネオン光吸収色素を添加剤等により粘着剤中で安定化し、耐熱性試験あるいは耐湿熱試験でも優れた該安定性を保持でき、ヘーズ値をより低く保てるネオン光吸収性粘着層を有するネオン光吸収フィルム、更にはこれを利用した光学フィルターを開発する。重量平均分子量が100万以上の熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂と架橋剤とからなる粘着剤とシアニン系ネオン光吸収色素と粘土鉱物とを組み合わせることにより、耐熱性試験あるいは耐湿熱試験でも優れた該安定性を保持でき、ヘーズ値をより低く保てるネオン光吸収性粘着層を有するネオン光吸収フィルム、更にはこれを利用した光学フィルターが開発できた。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤層にネオン光吸収色素を含有させた耐熱性、耐湿熱性に優れる光学フィルター用フィルム及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)用光学フィルターに関する。
PDPの原理は2枚の板状硝子で挟まれたセルに封入した希ガス(ネオン、キセノン等)に電圧をかけ、プラズマ状態になった希ガスが発する紫外線がセル壁面に処理された発光体に当たることで映像に必要な可視光線を発生させるものであるが、可視光線と同時に近赤外線、人体に有害な電磁波、ネオンガスに起因し、赤色光の色純度を下げる波長595nm近辺の橙色光線(以下、ネオン光と記す)等の有害な電磁波も一緒に放出されるため、有益な可視光線は透過するが、ネオン光をはじめとし近赤外線や人体に有害な電磁波は遮蔽する必要があり、そのための光学フィルターが必要とされる。(特許文献1参照)
光学フィルターに用いられる部材としては金属材料による多層スパッタ膜を用いることで、近赤外線と人体に有害な電磁波を同時にカットすることが出来る(特許文献2、3参照)。
しかしながら、ネオン光に関しては別途吸収層を設ける必要があり、従来はネオン光を吸収する特定の色素をバインダー樹脂に添加して透明基材に塗布したネオン光吸収フィルムと、近赤外線及び電磁波遮蔽機能を有する基材、防眩及び反射防止フィルム等を粘着剤によって貼り合わせた光学フィルターを使用している。上記色素としては、少量の添加で十分な吸収特性があるシアニン系色素が主に使用されている。(特許文献4参照)
ネオン光吸収色素を粘着層に含有できれば、光学フィルターを構成する任意の層間にネオン光吸収能を付与することができるため、光学フィルター製造の効率が著しく向上することが期待できる。しかしながら、シアニン系色素に代表されるネオン光吸収色素を粘着剤に添加すると、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂等の高分子体からなる塗布用バインダー樹脂への添加とは異なり、耐熱性試験あるいは耐湿熱試験後の色素の劣化が大きくネオン光吸収機能が失われてしまうという粘着剤特有の問題があり、これまで、粘着剤中で不安定なネオン光吸収色素の安定化には種々の添加剤での検討が行われている。(特許文献5参照)また、一般的に粘着層への機能性色素の添加は、機能性フィルムおよび光学フィルターの透明性の基準のひとつであるヘーズ値が高くなる傾向が知られており、ネオン光吸収色素を粘着層に含有した場合のヘーズ値は特に注意が必要である。一方、特許文献6には、色素化合物と粘土鉱物を併用する点が記載されているが、乾熱耐久性を向上させることは記載されていない。
粘着剤としては汎用性の高い熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂粘着剤が考えられる。しかしながら、硬化剤により徐々に架橋する粘着剤は、塗布乾燥直後では十分な架橋密度を持った高分子とはなっていないため、ネオン光吸収色素が不安定になっており、塗布乾燥後に行うエージング作業の前後でのネオン光吸収能が変化する可能性がある。このネオン光吸収能の変化は可視光線の透過色に影響するため、目標の光学特性が達成できなくなる。従って、塗布乾燥直後であっても十分な架橋密度を持った高分子となる粘着剤が必要となる。
特開2000−98131号公報 特許第3753482号 特開平10−282335号公報 特開2004−325532号公報 特開2003−82302号公報 WO2006/137272
塗布乾燥後に行うエージング作業の前後でのネオン光吸収能が変化しないよう、粘着剤が塗布乾燥直後であっても十分な架橋密度を持った高分子となる粘着剤であって、シアニン系色素に代表されるネオン光吸収色素を添加剤等により粘着剤中で安定化し、耐熱性試験あるいは耐湿熱試験でも優れた該安定性を保持でき、ヘーズ値をより低く保てるネオン光吸収性粘着層を有する光学フィルター用フィルム(以下、「ネオン光吸収フィルム」とも言う)、更にはこれを利用した光学フィルターを開発することが本発明の課題となっている。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、特定のシアニン系ネオン光吸収色素を特定の粘着剤および粘土鉱物と組み合わせることにより、耐熱性試験あるいは耐湿熱試験でも優れた該安定性を保持でき、ヘーズ値をより低く保てることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は
(1)透明基材の一面に、重量平均分子量が100万以上の熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂と架橋剤とからなる粘着剤から、塗布乾燥後1時間でのゲル分率が50%以上の粘着層を設けてなり、該粘着層がネオン光吸収色素および膨潤性層状粘土鉱物を含有することを特徴とする光学フィルター用フィルム、
(2)前記粘土鉱物が親油化処理を施した合成スメクタイトであることを特徴とする(1)に記載の光学フィルター用フィルム、
(3)前記ネオン光吸収色素が下記式(1)で表されるシアニン系色素である(1)または(2)のいずれかに記載の光学フィルター用フィルム、
(4)シアニン系色素が下記式(1)
Figure 2008004611
で表されるシアニン系色素である(3)に記載の光学フィルター用フィルム、
(5)前記粘着層を設けた透明基材の粘着層を有する面の反対面に、ハードコート層、導電層、防眩層および反射防止層から選ばれた少なくとも一層が積層されていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の光学フィルター用フィルム、
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載の光学フィルター用フィルムと、近赤外線および電磁波遮蔽機能を有するフィルム及び/又は硝子とからなるプラズマディスプレイパネル用光学フィルター、
に関する。
本発明で使用する粘着剤は汎用性の高い熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂であるが、重量平均分子量が100万以上で塗布乾燥後1時間でのゲル分率が50%以上と硬化速度が速いため、塗布乾燥直後でも十分な架橋密度を持った高分子となっており、エージング作業の前後でのネオン光吸収能が変化せず、更にこれと安価で入手しやすい粘土鉱物を組み合わせた場合、シアニン系色素に代表されるネオン光吸収色素は粘着剤中において優れたヘーズ値および該安定性を示し、該粘着層を有するネオン光吸収フィルム、更にはこれを利用した光学フィルターは優れた性能を示し、前記課題に充分対応出来るものである。
本発明で使用する粘着剤は、熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂と架橋剤とからなり、重量平均分子量が100万以上で塗布乾燥後1時間でのゲル分率が50%以上の熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂粘着剤である。熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂は、官能基を持たないアクリル酸系アルキルエステルを主成分として、これに官能基を有するアクリル酸系アルキルエステルやアクリル酸系アルキルエステル以外の他の単量体成分を共重合させたものである。その官能基を有するアクリル酸系アルキルエステルやアクリル酸系アルキルエステル以外の他の単量体成分の共重合割合は、官能基を持たないアクリル酸系アルキルエステル成分100重量部あたり0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
官能基を持たないアクリル酸系アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル又は(メタ)アクリル酸ドデシルなどの、アルキル基の炭素数が1〜12であるアクリル酸アルキルエステル乃至メタアクリル酸アルキルエステルが挙げられるが、これらは必要に応じ2種類以上を併用しても良い。
官能基を有するアクリル酸系アルキルエステル又はアクリル酸系アルキルエステル以外の単量体としては、後記する架橋剤との架橋点などとして機能するものが用いられ、その種類について特に限定はないが、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−tert−ブチルアミノエチルアクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸系単量体、又はアクリル酸、マレイン酸などが挙げられ、これらは必要に応じて2種類以上を併用しても良い。
粘着剤は架橋剤を配合することにより前記アクリル酸系樹脂等を架橋しうる組成で用いるのが好ましい。架橋剤としては前記の単量体の種類に応じて適宜用いられ、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物などの脂肪族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物等の芳香族ジイソシアネートの如きポリイソシアネート化合物、ブチルエーテル化スチロールメラミン、トリメチロールメラミンの如きメラミン化合物、ヘキサメチレンジアミン又はトリエチルジアミン等のジアミン化合物、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン等のエポキシ樹脂系化合物、尿素樹脂系化合物、塩化アルミニウム、塩化第二鉄又は硫酸アルミニウム等の金属塩等が用いられ、その配合量は、通例、アクリル樹脂100重量部あたり0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部程度である。
上記の熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂粘着剤は粘着力、凝集力に優れると共に、ポリマー中に不飽和結合がないため光や酸素に対する安定性が高く、また、モノマーの種類や分子量の選択の自由度が高いという理由からも好ましく、エージング作業の前後でのネオン光吸収色素の安定性のために塗布乾燥直後でも十分な架橋密度を持った高分子とするため該重量平均分子量が100万以上で塗布乾燥後1時間でのゲル分率が50%以上のものが好ましく、該重量平均分子量が150万以上で塗布乾燥後1時間でのゲル分率が80%以上のものがより好ましい。
本発明で使用するネオン光吸収色素は波長580から600nmに吸収極大を有し、その半値幅が約50nmであるものが好ましく、例えばシアニン系、テトラアゾポルフィリン系、スクアリリウム系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素から選ばれ、上記式(1)で表されるシアニン系色素、すなわち1,1−ジ(4−イソプロポキシフェニルエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジニトロインドカーボシアニン・パークロレート、が好ましい。本色素は、市販もされており、例えば「アデカアークルズTY−102」(旭電化工業社製)が挙げられる(吸収波長ピークは586nm)。
色素の配合量は、適宜設定すればよく、吸収の極大値における透過率が20から70%になるように配合することが好適である。
本発明で使用する膨潤性層状粘土鉱物としては、スメクタイトを好適に用いることができ、有機溶媒に分散する親油性合成スメクタイトが更に好ましい。例えば、ルーセンタイトSTN(コープケミカル社製)があげられる。粘着層には、前記ネオン光吸収色素と粘土鉱物を重量比で1:1から1:20の割合で含有させることが好ましく、更に好ましくは該重量比が1:5から1:10である。粘土鉱物の該重量比が1:1より少ないとネオン光吸収色素が安定せず、該重量比が1:20より多いとヘーズ値が高くなり光学特性が悪く実用上問題となる場合がある。本発明では、粘着層に粘土鉱物を含有させることによって、前記色素の耐久性が著しく向上する。この作用効果は、粘土鉱物層間のイオンと色素分子のイオンがインターカレーションをおこすためと考えられる。
本発明のフィルムを製造するには、例えば上記の粘着剤100重量部、ネオン光吸収色素0.01〜1重量部、粘土鉱物0.01〜20重量部、紫外線吸収剤などのその他の添加剤0〜10重量部を溶剤中に分散させて得られる塗工液を、透明基材上に塗工し、乾燥すればよい。溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ又はメチルセロソルブ等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン又はシクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル又は酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン又はトリクロロエチレン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン又はジクロルベンゼン等の芳香族類、又はn−へキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、テトラフルオロプロピルアルコール、ペンタフルオロプロピルアルコール等のフッ素系溶剤等を用いることができ、各組成物の溶解性がよく、塗工、乾燥等の問題がなく、安全性についても十分配慮して溶剤を選択する必要がある。
粘着剤は、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、リップコート法又はダイコーター法等の公知の塗工方法で、仕上がりの膜厚が通常5から50μm、好ましくは15〜30μmとなるように塗布され、80〜140℃、好ましくは100〜130℃で乾燥することによって粘着層が固定される。通常、この後エージング処理が行われる。エージング処理の条件は使用する樹脂と架橋剤の種類によって条件が異なるが、本粘着剤については25〜50℃の恒温槽中、1日〜1週間程度保管するのが好ましい。
本発明に使用される透明基材は透明性が高く、傷などがなく、光学フィルムとしての使用に耐えられるものであれば特に種類や厚さは限定されないが、厚さは10〜500μmが、作業性が良好で好ましい範囲といえる。具体的にはポリエステル系(以下、PETと記す)、ポリカーボネート系、トリアセテート系、ノルボルネン系、アクリル系、セルロース系、ポリオレフィン系又はウレタン系等の高分子樹脂フィルムが挙げられ、外部からの紫外線を吸収して内部部材の機能の安定化をはかるために紫外線吸収物質が含有されている透明支持フィルムを使用することもできる。また、フィルムの表面には塗工膜との密着性を上げるためにコロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理やアンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施しても良い。また、透明基材が、例えば減反射性、防眩・減反射性、帯電防止性、防汚性、近赤外線吸収性、電磁波遮蔽性又は色調調整などの機能を単独あるいは複数有するフィルムであれば更に好ましく、特にこれらにネオン光吸収性粘着層を設けた場合は、付与されているこれらの機能とネオン光吸収能を同時に保有できるため、合理的で、優れた形態の前記ネオン光吸収フィルムおよび光学フィルターが得られる。
次に、前記したような機能を保持する透明支持フィルムの例について以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
減反射フィルムはPETなどの透明支持フィルムの表面に、低屈折率剤をバインダー樹脂及びその他の添加剤と共にコーティングして外部からの光の反射を抑えたフィルム又は透明支持フィルムと低屈折率層との間にハードコート層、高屈折率層を施し、各層による反射光を打ち消すようにコントロールして視認性を良くしたフィルムであり、防眩・減反射フィルムは減反射フィルムの高屈折率層やその他の層に微細粒子を含有させて外部からの光を乱反射させて更に視認性を良くしたフィルムで、アークトップシリーズ(旭硝子製)、カヤコートARSシリーズ(日本化薬製)、カヤコートAGRSシリーズ(日本化薬製)、リアルックシリーズ(日本油脂製)等として未粘着加工の減反射性フィルムが透明支持フィルムとして利用できるが、これらは市場から入手することが可能である。
電磁波を遮蔽する方法には銅などの金属の極細線を網目のような幾何学模様を透明基材に保持させたメッシュタイプと、光透過性を有する範囲で金属の極薄膜を透明基材または硝子に保持させた薄膜タイプがある。薄膜タイプは一般的に近赤外線を反射し透過させないので、別に近赤外線吸収層を必要としない。本発明に使用される、その他の機能性を有する透明基材としては、紫外線吸収性、帯電防止性、防汚性、色調調整等の、機能を単独あるいは複数で保持させたフィルムがあるが、これらはそれらの性能を有する化合物を含有するバインダー樹脂組成物から成形する方法などによりそれ自体公知の方法に準じて調製することが出来る。
次に、本発明の光学フィルターは、透明基材上に本粘着層が設けられている本発明のネオン光吸収フィルムを最低限の構成要素として、その他の機能を有する透明基材および/又は硝子とを、積層して得られる。本発明の光学フィルターはあらかじめ硝子板やプラスチック板に貼合してプラズマディスプレイの前面に取り付けても、PDPの前面に直接貼合して使用してもよい。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、実施例において部は重量部を、%は重量%をそれぞれ意味する。
使用した粘着剤の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法の下記条件にて測定した。
分析装置:昭和電工製、GPC SYSTEM−21 Shodex
カラム:昭和電工製、KF−803L+KF−803L+KF−803L
カラム温度:40℃
流速:1ml/min
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
標準試料:ポリスチレン
使用した粘着剤のゲル分率は下記方法にて測定した。
実際に架橋処理した直後の粘着剤層を約0.3gとり、これを秤量して重量(W1)を求めた。ポリプロピレン容器に入れた重量(W2)を測定後、約25mlのMEKを加え、1日間浸漬した後、可溶分を抽出した。不可溶分を乾燥し、容器に入れた重量(W3)を測定した。これらの測定値から、下記の式に従って、粘着層のゲル分率(重量%)を求めた。
ゲル分率(重量%)=(W1−(W2−W3))/W1×100
実施例1
<ネオン光吸収フィルムの作製>
表1に示す各原料を均一になるように混合溶解した塗工液を、MRF−75(商品名、剥離PETフィルム、三菱化学ポリエステルフィルム製)上にコンマコーターで0.8m/分の塗工速度、乾燥温度110℃により、粘着層の厚さが18μmになるように塗工して粘着層を形成し、当該粘着層とKAYACOAT ARS−D501(商品名、減反射フィルム、日本化薬製)の減反射面の反対面とが接触するように両フィルムを積層し、減反射性を有するネオン光吸収フィルムを得た。この際使用したブチルアクリレートを主剤とする脂肪族系アクリル粘着剤PTR−104の重量平均分子量は180万、塗布乾燥後1時間後でのゲル分率は83%であった。
<PDP用光学フィルターの作製>
粘着層を有する金属多層スパッタ膜を有するフィルム上に、上記ネオン光吸収フィルムを貼合し、PDP用光学フィルターを得た。このフィルターはPDPモジュールの前面に直接貼っても、硝子板のような透明板に貼ってモジュールの前に取り付けてもよく、PDPフィルターとして必要な性能を十分に発揮するものであった。
Figure 2008004611
実施例2
<ネオン光吸収フィルムの作製>
実施例1のアクリル系樹脂PTR−104の代わりにアクリル系樹脂PTR−106(日本化薬製)を使用する以外は実施例1と同様の方法で減反射性を有するネオン光吸収フィルムを得た。この際使用したブチルアクリレートを主剤とする脂肪族系アクリル粘着剤PTR−106の重量平均分子量は140万、塗布乾燥後1時間後でのゲル分率は78%であった。
<PDP用光学フィルターの作製>
粘着層を有する金属多層スパッタ膜フィルム上に、上記ネオン光吸収フィルムを貼合し、PDP用光学フィルターを得た。このフィルターはPDPモジュールの前面に直接貼っても、硝子板のような透明板に貼ってモジュールの前に取り付けてもよく、PDPフィルターとして必要な性能を十分に発揮するものであった。
比較例1
実施例1のアクリル系樹脂PTR−104の代わりにアクリル系樹脂PTR−2500T(日本化薬製)を使用する以外は実施例1と同様の方法で減反射性を有するネオン光吸収フィルムを得た。この際使用したブチルアクリレートを主剤とする脂肪族系アクリル粘着剤PTR−2500Tの重量平均分子量は110万、塗布乾燥後1時間後でのゲル分率は33%であった。
比較例2
実施例1のアクリル系樹脂PTR−104の代わりにアクリル系樹脂SK−2094(綜研化学製)を使用する以外は実施例1と同様の方法で減反射性を有するネオン光吸収フィルムを得た。この際使用したメチルメタクリレートを主剤とする脂肪族系アクリル粘着剤SK−2094の重量平均分子量は90万、塗布乾燥後1時間後でのゲル分率は78%であった。
<試験方法>
各実施例フィルム及び各比較例フィルムの試験片の粘着剤塗布乾燥後1時間での視感透過率(Y/%)および色度座標(x、y)を測定し、更に35℃の恒温槽中で一週間エージングした後での視感透過率(Y/%)および色度座標(x、y)を測定した。
耐久性試験は80℃の恒温槽中に500時間保管する耐熱性試験と、60℃−相対湿度90%の恒温恒湿槽中に500時間保管する耐湿熱性試験を行った。
測定はUV−3150(商品名、分光光度計、島津製作所製)を使用し、視感透過率(Y/%)および色度座標(x、y)はJIS Z 8701のXYZ表色系による色の表示方法に準拠して算出した。
ヘーズはTC−H3DPK(商品名、ヘーズメーター、東京電色技術センター製)によって測定した。
エージング前後での結果を表2に示した。耐久性試験の結果を表3および表4に示した。
Figure 2008004611
Figure 2008004611
Figure 2008004611
<結果の考察>
実施例1、2はエージング前後での色目の変化がなく、耐久性試験においても良好な結果が得られた。比較例1はエージング前後での色目の変化があり、耐久性試験前後での色目の変化も大きかった。比較例2はエージング前後での色目の変化はなかったものの、耐久性試験前後での色目の変化が大きかった。
本発明は、粘着剤層にネオン光吸収色素を含有させた耐熱性、耐湿熱性に優れる光学フィルター用フィルム及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)用光学フィルターを提供できる。

Claims (6)

  1. 透明基材の一面に、重量平均分子量が100万以上の熱架橋型アクリル脂肪族系樹脂と架橋剤とからなる粘着剤から、塗布乾燥後1時間でのゲル分率が50%以上の粘着層を設けてなり、該粘着層がネオン光吸収色素および膨潤性層状粘土鉱物を含有することを特徴とする光学フィルター用フィルム。
  2. 前記粘土鉱物が親油化処理を施した合成スメクタイトであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルター用フィルム。
  3. 前記ネオン光吸収色素がシアニン系色素である請求項1または2に記載の光学フィルター用フィルム。
  4. シアニン系色素が下記式(1)
    Figure 2008004611
    で表されるシアニン系色素である請求項3に記載の光学フィルター用フィルム。
  5. 前記粘着層を設けた透明基材の粘着層を有する面の反対面に、ハードコート層、導電層、防眩層および反射防止層から選ばれた少なくとも一層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学フィルター用フィルム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学フィルター用フィルムと、近赤外線および電磁波遮蔽機能を有するフィルム及び/又は硝子とからなるプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
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