JP2000174490A - 画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター - Google Patents

画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター

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JP2000174490A
JP2000174490A JP10351119A JP35111998A JP2000174490A JP 2000174490 A JP2000174490 A JP 2000174490A JP 10351119 A JP10351119 A JP 10351119A JP 35111998 A JP35111998 A JP 35111998A JP 2000174490 A JP2000174490 A JP 2000174490A
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electromagnetic wave
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JP10351119A
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Toshihiro Yamazaki
智弘 山崎
Keishin Handa
敬信 半田
Tomomi Nakano
智美 中野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた光学的性質、及び電磁波遮蔽性を備え
ると共に、耐衝撃性、及び耐熱性に優れた、画像表示装
置の電磁波遮蔽フィルターを提供する。 【解決手段】 透明樹脂シート層と電磁波遮蔽層を少な
くとも含む積層体からなる、画像表示装置の電磁波遮蔽
フィルターであって、該透明樹脂シートが、ガラス転移
温度120℃以上、極限粘度0.29〜0.82dl/
gの芳香族ポリカーボネート樹脂からなり、複屈折値が
シングルパスのレタデーション値で200nm以下、厚
みが0.01〜5.0mmのシートである、画像表示装
置の電磁波遮蔽フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた光学的特
性、及び電磁波遮蔽性を備えると共に、耐衝撃性、及び
耐熱性に優れた、画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、CRT、及び、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディス
プレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)等の平
面ディスプレイ等の画像表示装置に用いられている電磁
波遮蔽フィルターは、透明基板上に電磁波遮蔽層を有す
る基本構造のものであり、近年、その透明基板として、
耐衝撃性等の機械的強度上の問題のある従来のガラスに
代えて、透明性の優れるポリメチルメタクリレート樹脂
の利用が、又、電磁波遮蔽層形成用のシート基材とし
て、ポリエステル樹脂やポリエーテルスルフォン樹脂等
の利用が検討されている。
【0003】しかしながら、電磁波遮蔽フィルターは、
特に基板に対して、機械的強度、特に耐衝撃強度、及
び、作動時の発熱等に対する耐熱変形性が求められるの
に対して、ポリメチルメタクリレート樹脂は、耐衝撃性
及び耐熱変形性共に問題を有しており、又、電磁波遮蔽
層形成用のシート基材に対して、銀やインジウムドープ
酸化錫等の金属又は金属酸化物を高温で成膜、熱処理す
ることから耐熱性、特に、高電磁波を発生するプラズマ
ディスプレイにおいては200℃以上の成膜温度が求め
られるのに対して、ポリエステル樹脂はその耐熱性が十
分とは言えず、従って、低温度での成膜に依らざるを得
ないことから電磁波遮蔽性が劣るものとなることは避け
られず、又、ポリエーテルスルフォン樹脂はその耐熱性
は有するものの着色するという問題があり、従って、樹
脂材料を用いた電磁波遮蔽フィルターは、未だ市場の要
求を満足するに到っていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像表示装
置の電磁波遮蔽フィルターについての前述の現状に鑑み
てなされたもので、従って、本発明は、優れた光学的特
性、及び電磁波遮蔽性を備えると共に、耐衝撃性、及び
耐熱性に優れた、画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明樹脂シー
ト層と電磁波遮蔽層を少なくとも含む積層体からなる、
画像表示装置の電磁波遮蔽フィルターであって、該透明
樹脂シートが、ガラス転移温度120℃以上、極限粘度
0.29〜0.82dl/gの芳香族ポリカーボネート
樹脂からなり、複屈折値がシングルパスのレタデーショ
ン値で200nm以下、厚みが0.01〜5.0mmの
シートである、画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター、
を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において透明樹脂シート層
を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジオ
ールとホスゲンとを界面重合による方法(ホスゲン法、
又は界面重合法)、或いは、芳香族ジオールとジフェニ
ルカーボネート等の炭酸エステルとをエステル交換によ
る方法(エステル交換法、又は溶融重合法)によって、
反応させて製造されたものである。
【0007】ここで、芳香族ジオールとしては、例え
ば、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)ア
ルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の
ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
フェニルメタン、ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−フルオロフェニルメタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロフェニル
メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−クロロ
フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4
−ブロモフェニルメタン、ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)−4−フルオロフェニルメタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ニトロフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン等のビス
(ヒドロキシフェニル)フェニルアルカン類、9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン等のビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等の
ビス(ヒドロキシフェニル)アダマンタン類、フェノー
ルフタレイン等のビス(ヒドロキシフェニル)フタリド
類等が挙げられ、中で、ビス(ヒドロキシフェニル)シ
クロアルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)フェニル
アルカン類、ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類
等が好ましい。
【0008】尚、本発明における芳香族ポリカーボネー
ト樹脂としては、その特性を損なわない範囲で、前記以
外の芳香族ジオールや脂肪族ジオールに由来する構成単
位が共重合されていてもよい。
【0009】本発明における芳香族ポリカーボネート樹
脂は、ガラス転移温度が120℃以上、塩化メチレン溶
液、20℃での極限粘度[η]が0.29〜0.82d
l/gのものであることが必須であり、ガラス転移温度
が150℃以上、極限粘度が0.29〜0.60dl/
gであるものが好ましい。
【0010】ガラス転移温度が前記範囲未満では、フィ
ルターとしての耐熱変形性が劣るものとなり、又、極限
粘度が前記範囲未満では、フィルターとしての耐衝撃性
が劣り、一方、前記範囲超過では、フィルターとしての
画像精度等の光学的特性が劣るものとなる。尚、芳香族
ポリカーボネート樹脂の前記極限粘度[η]値は、12
000〜40000程度の粘度平均分子量MV に相当す
るものである。
【0011】前記芳香族ポリカーボネート樹脂からなる
透明樹脂シートは、前記芳香族ポリカーボネート樹脂
を、例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形、射出圧縮
成形等の公知の成形法でシート状に成形したものであ
る。
【0012】尚、前記芳香族ポリカーボネート樹脂シー
トには、成形材料として使用するに当たって要求される
熱安定性、離型性、帯電防止性等を付与するために、例
えば、亜燐酸エステル系、ヒンダードフェノール系等の
酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系等の光安定
剤、シリコン系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、脂肪酸
グリセリド系、蜜ろう系等の滑剤や離型剤、ポリアルキ
レングリコール系、脂肪酸グリセリド系等の帯電防止剤
等が添加されていてもよい。
【0013】前記芳香族ポリカーボネート樹脂からなる
透明樹脂シートは、複屈折値がシングルパスのレタデー
ション値で200nm以下、厚みが0.01〜5.0m
mであることが必須であり、レタデーション値が100
nm以下、厚みが0.1〜4.0mmであるのが好まし
く、又、表面粗度として、JIS B0601に規定さ
れる算術平均粗さRa が0.05μm以下であるのが好
ましい。
【0014】レタデーション値が前記範囲超過では、フ
ィルターとしての画像精度等の光学的特性が劣るものと
なり、又、厚みが前記範囲未満では、フィルターとして
の自己支持性、並びに、耐衝撃性及び耐熱性共に劣るも
のとなり、一方、前記範囲超過では、フィルターとして
の透視性等の光学的特性が劣るものとなる。
【0015】尚、ここで、レタデーション値は、オーク
製作所製「ADR−130N」を用い、波長632nm
のHe−Neレーザーで入射角0度で、シートの中心点
を起点に幅方向に100mm、200mm、300m
m、400mm、長さ方向に50mm、100mm、1
50mm、200mmの点で測定したものの平均値であ
る。
【0016】本発明の画像表示装置の電磁波遮蔽フィル
ターは、前記芳香族ポリカーボネート樹脂からなる透明
樹脂シート層と電磁波遮蔽層を少なくとも含む積層体か
らなるが、具体的には、該透明樹脂シート層がフィル
ター基板であり、その上に、電磁波遮蔽層を有する積層
体であるものが好ましく、該透明樹脂シート層がフィ
ルター基板であると共に電磁波遮蔽層形成のためのシー
ト基材であって、その上に電磁波遮蔽層が直接に形成さ
れてなるもの、該透明樹脂シート層がフィルター基板
であり、その上に、電磁波遮蔽層を有する積層体であっ
て、その電磁波遮蔽層が、前記芳香族ポリカーボネート
樹脂からなるシート基材上に形成されてなるもの、又
は、該透明樹脂シート層がフィルター基板であり、そ
の上に、電磁波遮蔽層を有する積層体であって、その電
磁波遮蔽層が、ポリアリレート樹脂からなるシート基材
上に形成されてなるもの、のいずれかであるのが、更に
好ましい。
【0017】本発明において、前記芳香族ポリカーボネ
ート樹脂が前述の如き電磁波遮蔽層形成のためのシート
基材である場合、その芳香族ポリカーボネート樹脂は、
ガラス転移温度、及び極限粘度、並びに、シートとして
のレタデーション値、及び厚みが前述の範囲を満足する
ことは勿論のこと、透視性等の光学的特性、及び表面電
気抵抗低減の面から、少なくとも電磁波遮蔽層が形成さ
れる面の表面粗度として、JIS B0601に規定さ
れる算術平均粗さRa が0.05μm以下であるのが好
ましい。
【0018】又、本発明において、前述の如き電磁波遮
蔽層形成のためのシート基材としてのポリアリレート樹
脂は、芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸又はそのク
ロライドとを固相重合法又は界面重合法で反応させて製
造されたものであり、その芳香族ジオールとしては、芳
香族ポリカーボネート樹脂において挙げたと同様のもの
が挙げられ、又、芳香族ジカルボン酸又はそのクロライ
ドとしては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’
−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、及びそれらのクロラ
イド等が挙げられる。
【0019】本発明におけるポリアリレート樹脂は、ガ
ラス転移温度が150℃以上、塩化メチレン溶液、20
℃での極限粘度[η]が0.26〜0.58dl/gの
ものであることが必須であり、極限粘度が0.26〜
0.40dl/gであるものが好ましい。
【0020】ガラス転移温度が前記範囲未満では、優れ
た電磁波遮蔽層の形成ができないこととなり、又、極限
粘度が前記範囲未満では、機械的強度が劣り、一方、前
記範囲超過では、フィルターとしての画像精度等の光学
的特性が劣るものとなる。尚、ポリアリレート樹脂の前
記極限粘度[η]値は、12000〜40000程度の
粘度平均分子量MV に相当すものである。
【0021】前記ポリアリレート樹脂からなる樹脂シー
トも、前記芳香族ポリカーボネート樹脂におけると同様
に、例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形、射出圧縮
成形等の公知の成形法でシート状に成形したものであ
り、又、各種添加剤が添加されていてもよい。
【0022】前記ポリアリレート樹脂からなる樹脂シー
トは、複屈折値がシングルパスのレタデーション値で2
00nm以下、厚みが0.01〜5.0mmであること
が必須であり、レタデーション値が100nm以下、厚
みが0.1〜4.0mmであるのが好ましい。
【0023】レタデーション値が前記範囲超過では、フ
ィルターとしての画質均一性等の光学的特性が劣るもの
となり、又、厚みが前記範囲未満では、フィルターとし
ての耐熱性が劣るものとなり、一方、前記範囲超過で
は、フィルターとしての透視性等の光学的特性が劣るも
のとなる。
【0024】又、透視性等の光学的特性、及び表面電気
抵抗低減の面から、少なくとも電磁波遮蔽層が形成され
る面の表面粗度として、JIS B0601に規定され
る算術平均粗さRa が0.05μm以下であるのが好ま
しい。
【0025】本発明において、電磁波遮蔽層は、可視光
線を透過し得る金属又は金属酸化物の薄膜からなり、そ
の金属又は金属酸化物としては、例えば、銀、酸化イン
ジウム、インジウムドープ酸化錫、アンチモンドープ酸
化錫等が挙げられ、これらは、真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法、CVD法、プラズマ
化学蒸着法等の従来公知のドライプレーティング法で、
通常、樹脂シート基材上に形成されたものであり、その
厚みは、20〜300nm程度であるのが好ましい。
【0026】本発明の画像表示装置の電磁波遮蔽フィル
ターは、前記透明樹脂シート層と前記電磁波遮蔽層を少
なくとも含む積層体からなるが、更に、近赤外線吸収
層、傷付き防止層、及び、光線反射防止層を有する積層
体からなるのが好ましい。
【0027】ここで、近赤外線吸収層は、近赤外線吸収
剤を積層体としての各層間に使用される後述する接着剤
層、又はアンカーコート剤層、或いは、後述する傷付き
防止層等に添加するか、透明樹脂に配合して成形したフ
ィルムやシートとして、形成されたものである。この近
赤外線吸収層の厚みは、1μm〜1mm程度であるのが
好ましく、この近赤外線吸収層は、波長800〜110
0nmの近赤外線透過率が10%以下であるのが好まし
い。
【0028】ここで、近赤外線吸収剤としては、例え
ば、ニトロソ系化合物及びその金属錯塩、シアニン系化
合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩
系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン
系化合物、トリアリルメタン系化合物、イモニウム系化
合物、ジイモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、
アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩
系化合物等の有機物質、アンチモンドープ酸化錫、イン
ジウムドープ酸化錫、周期律表の第IV族、第 V族、第VI
族に属する金属の酸化物、炭化物、又は硼化物等の無機
物質等が挙げられる。
【0029】又、傷付き防止層は、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、多官能アクリレート等のア
クリレートと光重合開始剤を有機溶剤に溶解させた塗布
溶液を、ディッピング法、フローコート法、スプレー
法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート
法、ブレードコート法、エアーナイフ法等の従来公知の
塗布法で、本発明における積層体のいずれかの層に、好
ましくは、電磁波遮蔽層より外側に位置するように、塗
布し、乾燥させ、光硬化させることにより形成されたも
のである。この傷付き防止層の厚みは、1〜50μm程
度であるのが好ましい。
【0030】又、光線反射防止層は、酸化珪素、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、フッ化マ
グネシウム、フッ化カルシウム等によって形成された層
であり、これら金属のアルコキシドを塗布し焼成する方
法、或いは、これら化合物を、真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法、CVD法、プラズマ
化学蒸着法等のドライプレーティング法、又は、これら
化合物や反射防止コーティング剤(例えば、旭硝子社製
「サイトップ」等)を前述の塗布法等の方法で、樹脂シ
ート基材上に形成するか、本発明における積層体のいず
れかの層上に、好ましくは最外層として、形成されたも
のであり、その厚みは、50〜100nm程度であるの
が好ましい。
【0031】本発明の画像表示装置の電磁波遮蔽フィル
ターは、前記透明樹脂シート層と前記電磁波遮蔽層を必
須の構成層とし、更に、好ましくは、前記近赤外線吸収
層、前記傷付き防止層、及び、前記光線反射防止層を有
する積層体であるが、これらの各層の積層順序は特に限
定されるものではなく、又、積層方法も特に限定される
ものではない。通常は、各層間に接着剤を用いて、必要
に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、
化学薬品処理等の表面処理を施し、イソシアネート系、
ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエ
ン系、アルキルチタネート系等の公知のアンカーコート
剤を更に用いて、接着することにより、積層体とされ
る。
【0032】本発明の電磁波遮蔽フィルターは、波長4
00〜700nmの可視光線透過率が50%以上である
のが好ましい。以上、本発明の電磁波遮蔽フィルター
は、CRT、及び、エレクトロルミネッセンスディスプ
レイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、液
晶ディスプレイ(LCD)等の平面ディスプレイ等の画
像表示装置、特に耐熱性が要求されるPDP、のフィル
ターとして好適に用いられる。
【0033】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。 実施例1 フィルター基板として、ガラス転移温度150℃、極限
粘度[η]0.60dl/gの芳香族ポリカーボネート
樹脂(三菱化学社製「ノバレックス」)を300℃で押
出成形したレタデーション値50nm、厚み4mmのシ
ートを用いた。
【0034】一方、電磁波遮蔽層形成用のシート基材と
して、ガラス転移温度208℃、極限粘度[η]0.3
1dl/gの芳香族ポリカーボネート樹脂(バイエル社
製「APEC」)を320℃で押出成形したレタデーシ
ョン値8nm、厚み100μmのシートを用い、このシ
ート上に、酸化インジウム100重量部に酸化錫5重量
部を加えて焼結したインジウムドープ酸化錫を170℃
で200nmの厚みに蒸着し電磁波遮蔽層を形成した。
【0035】前記芳香族ポリカーボネート樹脂製基板
と、電磁波遮蔽層が形成された前記芳香族ポリカーボネ
ート樹脂製シート基材とを、接着剤を用いて積層し、更
に、その電磁波遮蔽層の上に、近赤外線吸収剤として、
フタロシアニン系化合物(日本触媒社製「IR−3」)
0.1重量部、シアニン系化合物(日本感光色素研究所
製「NK−3508」)0.1重量部、シアニン系化合
物(日本感光色素研究所製「NK−124」)0.1重
量部の混合物を用い、それをバインダー樹脂(東洋紡社
製「バイロン20SS」)100重量部と共に固形分が
20%となるように溶剤に溶解した塗布液として、乾燥
時の厚みが2μmとなるようにスピンコート法にてコー
ティングし、乾燥して近赤外線吸収層を形成した。
【0036】更に、その両面に、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタ
アクリレートとの混合物(日本化薬社製「カラヤッドD
PHA」)の40%メチルエチルケトン溶液をディッピ
ング法にて乾燥時の厚みが3μmとなるようにコーティ
ングし、乾燥した後、高圧水銀灯を用いて紫外線硬化さ
せ、傷付き防止層を形成した。
【0037】更に、その両面に、反射防止コーティング
剤(旭硝子社製「サイトップ」)をディッピング法にて
乾燥時の厚みが100nmとなるようにコーティング
し、乾燥して光線反射防止層を形成した。得られた、光
線反射防止層/傷付き防止層/近赤外線吸収層/電磁波
遮蔽層/芳香族ポリカーボネート樹脂製シート基材/芳
香族ポリカーボネート樹脂製基板/傷付き防止層/光線
反射防止層、の積層体からなる電磁波遮蔽フィルターに
ついて、可視光線透過率、着色の有無、画像精度等の光
学的特性、及び、電磁波遮蔽性としての表面固有抵抗、
並びに、耐衝撃性、耐熱性を以下の方法で評価し、結果
を表1に示した。
【0038】可視光線透過率 分光光度計(島津製作所製「MPS−2000型」)を
用いて測定した。着色の有無 目視にて着色の有無を観察し、以下の基準で判定した。 ○;着色は全く認められない。 ×;明らかな着色が認められる。画像精度 ディスプレイ前面に設置したときの画像への影響を目視
にて観察し、以下の基準で判定した。 ○;画像に歪み等は全く認められない。 ×;画像に歪みが認められる。
【0039】表面固有抵抗 表面抵抗計(三菱化学社製「ローレスタ」)を用いて測
定した。耐衝撃性 デュポン法落球衝撃試験機(東洋精器社製)を用い、1
0cm角で切り出した試験片が破壊若しくはひびが入る
最低の落下エネルギーを測定し、以下の基準で評価し
た。○;同一サイズの光学用研磨ガラス板の2倍以上の
最低エネルギーを示す。 ×;同一サイズの光学用研磨ガラス板の2倍未満の最低
エネルギーを示す。耐熱性 10cm角で切り出した試験片を沸騰水中で10分間煮
沸後、風乾し、以下の基準で評価した。 ○;透過像に歪みが生じるような凹凸は発生せず。 ×;透過像に歪みが生じるような凹凸が発生。
【0040】実施例2 電磁波遮蔽層形成用のシート基材として、ガラス転移温
度215℃、極限粘度[η]0.30dl/gのポリア
リレート樹脂からなり、レタデーション値20nm、厚
み100μmのフィルム(鐘淵化学工業社製「エルメッ
クA1F」)を用いた外は、実施例1と同様にして電磁
波遮蔽フィルターを製造し、同様に評価し、結果を表1
に示した。
【0041】比較例1 フィルター基板として、ガラス転移温度110℃、極限
粘度[η]0.25dl/gの芳香族ポリカーボネート
樹脂を300℃で押出成形したレタデーション値30n
m、厚み4mmのシートを用い、更に、電磁波遮蔽層形
成用のシート基材としても同じ芳香族ポリカーボネート
樹脂を用い、蒸着温度を90℃とした外は、実施例1と
同様にして電磁波遮蔽フィルターを製造し、同様に評価
し、結果を表1に示した。
【0042】比較例2 フィルター基板として、ガラス転移温度150℃、極限
粘度[η]0.98dl/gの芳香族ポリカーボネート
樹脂(三菱化学社製「ノバレックス」)を300℃で押
出成形したレタデーション値250nm、厚み4mmの
シートを用い、更に、電磁波遮蔽層形成用のシート基材
としても同じ芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた外
は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽フィルターを製造
し、同様に評価し、結果を表1に示した。
【0043】比較例3 フィルター基板として、ポリメチルメタクリレート樹脂
(三菱レーヨン社製「アクリペットVH」)を250℃
で押出成形した厚み4mmのシートを用い、更に、電磁
波遮蔽層形成用のシート基材として、厚み100μmの
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(ダイヤホイ
ルヘキスト社製「T100E」)を用い、蒸着温度を8
0℃とした外は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽フィ
ルターを製造し、同様に評価し、結果を表1に示した。
【0044】比較例4 フィルター基板として、ポリメチルメタクリレート樹脂
(三菱レーヨン社製「アクリペットVH」)を250℃
で押出成形した厚み4mmのシートを用い、更に、電磁
波遮蔽層形成用のシート基材として、厚み100μmの
ポリエーテルサルフォン樹脂フィルム(住友ベークライ
ト社製「スミライトFS−1300」)を用い、蒸着温
度を200℃とした外は、実施例1と同様にして電磁波
遮蔽フィルターを製造し、同様に評価し、結果を表1に
示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明は、優れた光学的性質、及び電磁
波遮蔽性を備えると共に、耐衝撃性、及び耐熱性に優れ
た、画像表示装置の電磁波遮蔽フィルターを提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 智美 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 5C032 AA02 EE03 EE17 5E321 AA04 BB23 BB25 CC16 GG05 GH01 5G435 AA00 AA08 AA12 AA16 BB06 GG33 HH02 HH03 KK07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂シート層と電磁波遮蔽層を少な
    くとも含む積層体からなる、画像表示装置の電磁波遮蔽
    フィルターであって、該透明樹脂シートが、ガラス転移
    温度120℃以上、極限粘度0.29〜0.82dl/
    gの芳香族ポリカーボネート樹脂からなり、複屈折値が
    シングルパスのレタデーション値で200nm以下、厚
    みが0.01〜5.0mmのシートであることを特徴と
    する、画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター。
  2. 【請求項2】 画像表示装置がプラズマディスプレイで
    ある請求項1に記載の、画像表示装置の電磁波遮蔽フィ
    ルター。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリカーボネート樹脂からなる透
    明樹脂シート層がフィルター基板であり、その上に、電
    磁波遮蔽層に加えて、更に、近赤外線吸収層、傷付き防
    止層、及び、光線反射防止層を有する積層体からなる請
    求項1又は2に記載の、画像表示装置の電磁波遮蔽フィ
    ルター。
  4. 【請求項4】 電磁波遮蔽層が、ガラス転移温度150
    ℃以上、極限粘度0.29〜0.82dl/gの芳香族
    ポリカーボネート樹脂からなり、複屈折値がシングルパ
    スのレタデーション値で200nm以下、表面粗度0.
    05μm以下、厚み0.01〜5.0mmのシート基材
    上に形成されたものである請求項1乃至3のいずれかに
    記載の、画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター。
  5. 【請求項5】 電磁波遮蔽層が、ガラス転移温度150
    ℃以上、極限粘度0.26〜0.58dl/gのポリア
    リレート樹脂からなり、複屈折値がシングルパスのレタ
    デーション値で200nm以下、表面粗度0.05μm
    以下、厚み0.01〜5.0mmのシート基材上に形成
    されたものである請求項1乃至3のいずれかに記載の、
    画像表示装置の電磁波遮蔽フィルター。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1134072A3 (en) * 2000-03-15 2003-10-01 Nitto Denko Corporation Transparent shock-absorbing laminate and flat panel display using the same
JP2003318596A (ja) * 2002-02-21 2003-11-07 Dainippon Printing Co Ltd 電磁波遮蔽用シート
JP2004325532A (ja) * 2003-04-22 2004-11-18 Nippon Kayaku Co Ltd プラズマディスプレイ用フィルム及びこれを用いたプラズマディスプレイ用フィルター
JP2008305829A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 光干渉縞防止光透過型電磁波シールド材料
JP2015004838A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 Jsr株式会社 固体撮像装置用近赤外線カットフィルターならびに前記フィルターを用いた固体撮像装置およびカメラモジュール

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