JP2007154292A - 銀粒子の製造方法及び得られた該銀粒子を含有する銀粒子含有組成物並びにその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】低分子系分散剤を用いた優れた分散性を有するプレート状の銀粒子及びその製造方法、該銀粒子を含有する銀粒子含有組成物並びにその用途を提供する。
【解決手段】水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩の双方を含む水溶液に所定の割合でジメチルアミンボラン又はヒドラジンを還元剤として添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状が粒状の銀粒子コロイド溶液を得る工程と、得られた粒状の銀粒子コロイド溶液に380〜800nmの可視光線の領域の光を主な発光領域とする光源からの光を照射することにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状がプレート状の銀粒子コロイド溶液を得る工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視光や近赤外光の特定波長に対する選択的吸収機能を有する粒子径がナノオーダのプレート状銀粒子を簡易的に製造する方法及び得られた該銀粒子を含有する銀粒子含有組成物並びにその用途に関する。
貴金属のコロイドは化学的に変化し難く、粒径が数nm〜数十nm程度の、いわゆるナノ粒子を構成する。また各コロイド特有の色を発色し、塗料や樹脂組成物の着色剤への用途を含む各種用途への適用が期待されている。
このような発色金属粒子の製造方法として、例えば、非結晶銀粒子の分散液に700nm未満の波長を有する光源を晒すことで銀結晶を形成するナノプリズムの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によりプレート状の銀の単結晶が形成される。また、クエン酸三ナトリウムとBSPP(Bis(p-sulfonatophenyl) phenylphosphine dihydrate dipotassium salt)が溶解している水溶液中で、水素化ホウ素ナトリウムにより銀イオンを還元して球状銀粒子コロイドを合成し、このコロイドに、蛍光灯を照射することで銀ナノプリズムを合成する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、クエン酸三ナトリウムとBSPPが溶解している水溶液中で、水素化ホウ素ナトリウムにより銀イオンを還元して合成した銀コロイドに、フィルターで選択した2種類の波長の光線を照射することで、銀ナノプリズムの吸収波長を制御する方法がある。また、銀ナノプリズムの辺の長さが長くなるにつれ、プラズモン吸収が長波長側にシフトすることが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。また、クエン酸三ナトリウムとBSPPあるいはPVPが溶解している水溶液中で、水素化ホウ素ナトリウムにより銀イオンを還元して合成した銀コロイドに、蛍光灯の光、更に蛍光灯の光をフィルターにより選択した1種類の波長の可視光線を順に照射することで、銀ナノプレートの吸収波長を制御する方法がある(例えば、非特許文献3参照。)。
また、2つの主面を有する略板状の粒子であり、該粒子の厚さが50nm以下、長径が5000nm以下であることを特徴とする銀微粒子が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示される方法では少なくとも高分子化合物、還元剤、及び銀塩を溶解してなる溶液を、25℃以上、60℃以下の温度にて攪拌することで銀微粒子を製造している。更に、厚みが50nm以下かつ長径が5000nm以下の板状金属微粒子を含有してなることを特徴とする金属薄膜形成用塗料が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
米国特許出願公開第2003/0136223号明細書(claim 1、Fig. 7) 特開2005−105376号公報(請求項1、請求項5) 特開2005−15647号公報(請求項1) R.Jin et al, SCIENCE, Vol.294, 30 november 2001, p.1901-1903 R.Jin et al, Letter to Nature, Vol.425, 2 october 2003, p.487-490 A.Callegari et al, NANO LETTERS, Vol.3, No.11, 2003, p.1565-1568
上記特許文献1,2や非特許文献1〜3に記載されている銀プリズムや銀プレートの製造においては、得られる銀微粒子表面には高分子量の分散剤が付着しており、配線材料として用いる際には、低い熱処理温度で分散剤の分解が生じるため、低い熱処理温度でも低い比抵抗値を得ることができるほか、別な化学物質を銀表面に修飾しにくいという問題もあった。
本発明の目的は、分子量の低い水系分散剤を用いて優れた分散性を有する形状がプレート状の銀粒子及び銀粒子の製造方法、該銀粒子を含有する銀粒子含有組成物並びにその用途を提供することにある。
請求項1に係る発明は、形状がプレート状の銀粒子表面に、分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着したことを特徴とする銀粒子である。
請求項2に係る発明は、水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩の双方を含む水溶液に所定の割合でジメチルアミンボラン又はヒドラジンを還元剤として添加して混合液を調製し、この混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状が粒状の銀粒子コロイド溶液を得る工程と、得られた粒状の銀粒子コロイド溶液に380〜800nmの可視光線の領域の光を主な発光領域とする光源からの光を照射することにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状がプレート状の銀粒子コロイド溶液を得る工程とを含むことを特徴とする銀粒子の製造方法である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、銀塩が硝酸銀である製造方法である。
請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明であって、320〜800nmの波長を有する光の光源が蛍光灯、ハロゲンランプ又はキセノンランプである製造方法である。
請求項5に係る発明は、請求項2ないし4いずれか1項に記載の製造方法により得られた銀粒子コロイド溶液と、窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する水系分散剤又は非水系分散剤が溶解した溶液とを混合し、銀粒子表面に付着している水系分散剤を混合した溶液中の水系分散剤又は非水系分散剤と置き換えることを特徴とする銀粒子の表面処理方法である。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の表面処理方法により得られた銀粒子とともに、分散媒及びバインダを配合することを特徴とする銀粒子含有組成物である。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の銀粒子含有組成物を用いて形成されたコーティング組成物、塗膜又はフィルムである。
請求項8に係る発明は、請求項1記載の銀粒子、請求項2ないし4いずれか1項に記載の製造方法により得られた銀粒子、或いは請求項5記載の表面処理方法により得られた銀粒子を含有する光学フィルタ、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサ、生体マーカ、記録素子、薬物送達システム(Drug Delivery System;以下DDSという。)用薬物保持体、バイオセンサ、DNAチップ、検査薬又はラマン増強用試薬である。
本発明の銀粒子は、形状がプレート状の銀粒子表面に、分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着したことを特徴とする。水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が付着してなるため、配線材料として用いる際には、低い熱処理温度で分散剤の分解が生じるため、低い熱処理温度でも低い比抵抗値を得ることができる。
本発明の銀粒子の製造方法は、水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩の双方を含む水溶液に所定の割合でジメチルアミンボラン又はヒドラジンを還元剤として添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状が粒状の銀粒子コロイド溶液を得る工程と、得られた粒状の銀粒子コロイド溶液に380〜800nmの可視光線の領域の光を主な発光領域とする光源からの光を照射することにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状がプレート状の銀粒子コロイド溶液を得る工程とを含むことを特徴とする。還元剤としてジメチルアミンボラン又はヒドラジンを使用することで、従来より使用されていた大きな分子量の分散剤を用いることなく、分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体のような、分子量の小さな分散剤で液中に分散するプレート状銀粒子を製造することができる。
また、本発明の銀粒子の表面処理方法は、本発明の製造方法により得られた銀粒子のコロイド溶液と、窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する水系分散剤又は非水系分散剤が溶解した溶液とを混合し、銀粒子表面に付着している水系分散剤を混合した溶液中の水系分散剤又は非水系分散剤と置き換えることを特徴とする。この方法により、銀粒子表面に付着している水系分散剤を窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する水系分散剤又は非水系分散剤に容易に置き換えることができるため、本発明の製造方法により得られた銀粒子に付着したヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が分散剤として作用しないようなバインダ中でもプレート状銀粒子を分散させることができる。
また、この表面処理された銀粒子は、分散媒及びバインダを配合して銀粒子含有組成物として利用することができる。この銀粒子含有組成物は、コーティング組成物、塗膜又はフィルムなどの各種形態で利用することができる。
更に、本発明の製造方法により得られた銀粒子は光学フィルタ、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサ、生体マーカ、記録素子、DDS用薬物保持体、バイオセンサ、DNAチップ、検査薬又はラマン増強用試薬などに広く利用することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明者は、銀塩とクエン酸三ナトリウムからなる水溶液を還元して銀粒子を合成するという一般的な銀粒子コロイド液の調整方法(例えば、Am.J.Si.,37,1889、A.Henglein and M.Giersig, J.Phys.Chem.B,103,P.9533,1999等)において、還元剤の種類を適宜選択して銀粒子コロイド液を合成し、得られた銀粒子コロイド液を室内に放置しておいたところ、ある特定の還元剤で還元して得られた銀粒子コロイド液の色が、粒状の銀粒子コロイド液が通常発色する黄色とは異なる色に変化するものがあること、色の変化は遮光下での放置では起こり難いことを発見した。黄色とは異なる色に変化したコロイド液中に含まれる銀粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、三角形や六角形をしたプレート形状を有するナノオーダーの大きさの銀粒子を生成していることが判った。これらの事柄から、ある特定の還元剤を使用して粒状の銀粒子コロイド液を生成した後、粒状の銀粒子コロイド液に特定の波長を有する光を照射することで、プレート状銀粒子のコロイド液が形成されるとの知見を得た。
本発明の銀粒子は、形状がプレート状の銀粒子表面に、分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着したことを特徴とする。水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が付着してなるため、配線材料として用いる際には、低い熱処理温度で分散剤の分解が生じるため、低い熱処理温度でも低い比抵抗値を得ることができる。本発明で「プレート状銀粒子」とは、2つの主面を有する略板状の銀粒子である。略板状の銀粒子の主面は、略三角形状、略五角形状、略六角形状等の形状が選択される。この粒子形状において、角や辺が一部欠けた不定形状の粒子を一部含有していても構わない。銀粒子の2つの主面の幅は5〜15nmであり、粒子の主面の最大長さとなる粒子径は10〜200nmである。プレート状銀粒子のアスペクト比は3以上である。
次に本発明の銀粒子の製造方法を説明する。
先ず、水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩の双方を含む水溶液に所定の割合でジメチルアミンボラン又はヒドラジンを還元剤として添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状が粒状の銀粒子コロイド溶液を得る。銀塩、水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体及び還元剤のモル比率は、還元剤にジメチルアミンボランを使用する場合は、銀塩:水系分散剤:還元剤=1:(1〜1.5):(0.5〜1.5)が、還元剤にヒドラジンを使用する場合は、銀塩:水系分散剤:還元剤=1:(1〜1.5):(0.2〜0.8)が好ましい。
使用する銀塩としては、硝酸銀、過塩素酸銀が挙げられる。このうち、硝酸銀が水への溶解性が高く、プレート状銀粒子が安定に分散した水溶液を得ることができ、プレート状銀粒子を効率よく製造することができる。水系分散剤及び銀塩の水溶液を調製する際には、銀塩は水に溶解して水溶液として添加混合することが好適である。銀塩は水溶液中で銀イオン及び陰イオンとして存在する。
水系分散剤として働く使用する分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体としては、クエン酸三ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸が挙げられる。好ましくは分子量は100〜260である。このうち、クエン酸三ナトリウムが好適である。上記水系分散剤として働くヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体を用いることによって、凝集することなく粒状銀粒子が安定に分散した水溶液を得ることができ、効率よく銀粒子を製造することができる。水系分散剤は水に混合して水系分散剤を溶解した水溶液とした後に、この水系分散剤を溶解した水溶液と銀塩を溶解した水溶液とを混合して銀塩及び水系分散剤の水溶液を調製するのが好ましい。水系分散剤は、銀塩とのモル比率が銀塩:水系分散剤=1:(1〜1.5)の範囲内となるように添加する。例えば、銀1molに対して1〜1.5molのモル割合となるように添加する。
使用する還元剤は、ジメチルアミンボラン又はヒドラジンである。ジメチルアミンボラン又はヒドラジンを還元剤として使用することで水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体のような、分子量の小さな分散剤でも優れた分散性を有するプレート状銀粒子を製造することができる。還元剤を添加する際には、局所的に還元剤の濃度が偏らないよう、調製した銀塩及び水系分散剤の水溶液を攪拌しながら還元剤を添加することが好ましい。
ジメチルアミンボランは水に混合して任意の濃度の水溶液とした後に、このジメチルアミンボランを溶解した水溶液とヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩双方を含む水溶液とを混合して混合液を調製する。還元剤にジメチルアミンボランを使用した場合の添加量は、モル比で銀塩:還元剤=1:(0.5〜1.5)が好ましい。銀塩に対するジメチルアミンボランの添加量が上記割合よりも少ないと、混合液中の銀イオンの還元反応が不十分となり、得られるプレート状銀粒子の分散性が悪くなり、銀粒子同士が凝集してしまう。また、銀塩に対するジメチルアミンボランの添加量が上記割合よりも多いと、還元反応が急激に進行して粒径の大きな球状銀粒子が多量に発生してしまうため、後工程で得られるプレート状銀粒子の生成量が少なくなる。
ヒドラジンは原液若しくは水に混合して任意の濃度の水溶液とした後に、ヒドラジン原液若しくはヒドラジンを溶解した水溶液とヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩の双方を含む水溶液とを混合して混合液を調製する。還元剤にヒドラジンを使用した場合の添加量は、モル比で銀塩:ヒドラジン=1:(0.2〜0.8)が好ましい。銀塩に対するヒドラジンの添加量が上記割合よりも少ないと、混合液中の銀イオンの還元反応が不十分となり、得られるプレート状銀粒子の分散性が悪くなり、銀粒子同士が凝集してしまう。また、銀塩に対するヒドラジンの添加量が上記割合よりも多いと、還元反応が急激に進行して粒径の大きな球状銀粒子が多量に発生してしまうため、後工程で得られるプレート状銀粒子の生成量が少なくなる。
次に、得られた粒状の銀粒子コロイド溶液に380〜800nmの可視光線の領域の光を主な発光領域とする光源からの光を照射することにより、表面に水系分散剤が付着した形状がプレート状の銀粒子コロイド溶液を得る。粒状の銀粒子コロイド溶液を形成した後に、この粒状の銀粒子コロイド溶液に上記波長を有する光を照射することにより、そのメカニズムは明らかではないが、粒状銀粒子が集まってプレート状銀粒子を形成するものと推察される。380〜800nmの可視光線の領域の光を主な発光領域とする光源としては、蛍光灯、ハロゲンランプ又はキセノンランプを使用することで、プレート状銀粒子を再現良く得ることができる。
このように、本発明の銀粒子の製造方法では、上記工程を経ることにより、還元剤としてジメチルアミンボラン又はヒドラジンを使用することで、従来より使用されていた大きな分子量の分散剤を用いることなく、分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体のような、分子量の小さな分散剤で液中に分散するプレート状銀粒子を製造することができる。
また本発明の銀粒子の製造方法によれば、粒子径10〜1000nmのプレート状銀粒子を水溶液中に分散した状態で得ることができる。得られるプレート状銀粒子の粒子径は、使用する水系分散剤の添加量、還元剤の種類やその添加量、粒状の銀粒子コロイド溶液へ照射する光の波長、照射強度、照射時間によって、その大きさを調整することができる。
なお、本発明の製造方法では、プレート状銀粒子とともに、プレート状銀粒子を形成しなかった球状銀粒子や多面体の銀粒子のような様々な形状の銀粒子が副生成粒子として得られる。この副生成粒子の生成量は、使用する還元剤の種類や添加量、光の照射強度や照射時間を調整することにより増減が可能である。例えば、還元剤の添加量を少量にすることにより、副生成粒子の生成量は減少する傾向があり、還元剤の添加量を多量にすることにより、副生成粒子の生成量は増加する傾向がある。
本発明の製造方法により得られたプレート状銀粒子は、その表面に分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着し分散剤として作用しているため、水中で安定に分散している。しかし、塗料化のために、ヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が分散剤として作用しないようなバインダ中に銀粒子を分散させたい場合には、銀粒子の表面を処理して、銀粒子の表面に付着している分散剤をバインダ中でも安定して分散するような分散剤に置き換える必要がある。
本発明の銀粒子の表面処理方法は、先ず、塗料化のためのバインダに相溶する溶剤を選択し、この溶剤に水系分散剤又は非水系分散剤を溶解させる。使用する水系分散剤又は非水系分散剤は窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する化合物であり、バインダ中でも溶剤中でも分散剤として作用し、かつ銀粒子に付着する性質を有する化合物が挙げられる。またこの水系分散剤又は非水系分散剤は1種での使用でもよいし、2種以上混合して使用してもよい。窒素原子を含有する分散剤としてはn−ブチルアミン(分子量73.14)、n−ヘキシルアミン(分子量101.19)、n−オクチルアミン(分子量129.14)、n−デシルアミン(分子量157.3)等のアルキルアミン類が挙げられる。また硫黄原子を含有する分散剤としては1−ブタンチオール(分子量90.19)、ペンタンチオール(分子量104.21)、1−デカンチオール(分子量174.35)、1−ドデカンチオール(分子量202.4)等のアルカンチオール類が挙げられる。また酸素原子を含有する分散剤としてはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸が挙げられる。またクエン酸、リンゴ酸、酒石酸のナトリウム塩やカリウム塩のような誘導体が挙げられる。またリン原子を含有する分散剤としてはトリエチルホスフィン(分子量118.16)、トリプロピルホスフィン(分子量160.24)等のトリアルキルホスフィン類が挙げられる。
次に、本発明の製造方法により得られた銀粒子コロイド溶液と、窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する水系分散剤又は非水系分散剤が溶解した溶液とを混合し、銀粒子表面に付着している水系分散剤をこの混合した溶液中の水系分散剤又は非水系分散剤と置き換える。銀粒子コロイド溶液の水系分散剤が有する銀粒子への吸着力よりも、混合した溶液中の水系分散剤又は非水系分散剤が有する銀粒子への吸着力が強いと、分散剤の置き換えが生じる。なお、銀粒子コロイド溶液の水系分散剤が有する銀粒子への吸着力よりも、混合した溶液中の水系分散剤又は非水系分散剤が有する銀粒子への吸着力が弱い場合には、銀粒子コロイド溶液の水系分散剤のみを銀粒子から引き剥がす作用を有する脱離液を混合液中に加えることにより、分散剤の置き換えを生じさせてもよい。上記表面処理方法により、銀粒子表面に付着している水系分散剤を窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する水系分散剤又は非水系分散剤に容易に置き換えることができるため、本発明の製造方法により得られた銀粒子に付着したヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が分散剤として作用しないようなバインダ中でもプレート状銀粒子を分散させることができる。
本発明の表面処理方法により得られたプレート状銀粒子は、分散媒及びバインダを配合して銀粒子含有組成物として利用することができる。
分散媒としては、バインダが溶解若しくは安定に分散するような溶媒を適宜選択すればよい。メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、α−テルピネオール等のアルコール類、エチレングリコール等のグリコール類、デカン、テレピン油等の炭化水素類、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン等の脂環式炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、あるいはこれらの混合物が代表的なものとして挙げられる。
バインダとしては、通常塗料用や成型用に利用されている可視光から近赤外光領域の光に対して透過性がある各種樹脂が特に制限無く使用できる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール等の各種有機樹脂や、ラジカル重合性のオリゴマーやモノマー、アルコキシシランを樹脂骨格に用いたゾルゲル溶液などが代表的なものとして挙げられる。ラジカル重合性のオリゴマーやモノマーは必要に応じて硬化剤やラジカル重合開始剤と併用可能である。
本発明の銀粒子含有組成物は、塗料組成物、塗膜、フィルム又は板材など多様な形態で用いることができ、この組成物によって形成された塗膜を有する基材を得ることができる。例えば、電磁波を遮蔽したい基材に直接に塗布若しくは印刷し、電磁波遮蔽フィルタを形成することができる。また、本発明の組成物をフィルム状や板状等に形成して、形成した組成物を電磁波遮蔽したい基材に積層したり、基材を包囲してもよい。また、本発明の組成物によって形成した上記塗膜やフィルムなどの形成物を基材に積層させて積層体を形成し、積層体を電磁波遮蔽フィルタとして電磁波を遮蔽したい基材に更に積層若しくは包囲して用いてもよい。上記各使用形態において、フィルタの厚さは、概ね0.01μm〜1mmが適当であり、コストや光透過性等を考慮すると0.1μm〜200μmが好ましい。本発明の銀粒子含有組成物によって形成した塗膜やフィルム、板材などをフィルタ層として有するものは、例えば、配線、電磁波遮蔽フィルタなどの導電率に優れた基材、フィルタとして用いることができる。
本発明の製造方法により得られた銀粒子は、銀粒子の大きさを変化させることにより、吸収波長を変化させることができるため、この現象を利用することで、可視光領域に吸収を有する銀粒子を用いた着色剤や、着色の作用を応用した光学フィルタ、化粧品、生体マーカへの適用が考えられる。また、近赤外線領域に吸収を有する銀粒子では光学フィルタ、偽造防止インク、生体マーカへの適用が考えられる。また、このようなナノオーダーの銀粒子は、高い耐熱性、耐候性、耐薬品性、特定波長吸収能を有するので、近赤外線吸収剤、表面増強蛍光センサ用増感剤、DDS用薬物保持体、バイオセンサ、DNAチップ、検査薬、ラマン増強用試薬などの材料として好適である。また、銀は高い導電性を示すことから配線材料、電極材料、電磁波シールド材として使用可能である。この他に、形状異方性に基づいて記録素子として使用可能である。具体的には、プレート状銀粒子を加熱すると球状銀粒子への変形が生じるため、この不可逆変形に伴い、プラズモン吸収に起因する吸収波長も不可逆に変化する。例えば、局所的加熱をレーザーで行えば、レーザー照射により加熱された部分と加熱していない部分の光学特性に差を与えることができるため、この現象を利用することで、市販されているCD−Rのような記録材料や記録素子へ適用することが考えられる。更に、粒子で表面積が大きいので、触媒反応の場を提供する材料として好適である。なお、触媒やラマン増強用試薬など、銀粒子表面に目的物質が吸着するような用途では、製造で使用した水系分散剤を極力低減させてから使用することが好ましい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、銀塩を溶解した水溶液として10mM濃度の硝酸銀水溶液250μl(2.5μmol)を、水系分散剤として働くヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体を溶解した水溶液として300μM濃度のクエン酸三ナトリウム水溶液10ml(3μmol)を、還元剤を溶解した水溶液として10mM濃度のジメチルアミンボラン水溶液300μl(3μmol)をそれぞれ用意した。
次いで、クエン酸三ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を添加してクエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液を調製した。次に、クエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液にジメチルアミンボラン水溶液を攪拌しながら添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、黄色のプラズモン発色を示す銀コロイド溶液を得た。この銀コロイド溶液は黄色に着色していることから、溶液中には形状が球状の銀粒子が分散していることが判った。更に、この銀コロイド溶液に蛍光灯(27W;色温度5000K)の光を24時間照射することにより、黄色から緑色へと変色した銀コロイド溶液を得た。
<実施例2>
先ず、銀塩を溶解した水溶液として10mM濃度の硝酸銀水溶液250μl(2.5μmol)を、水系分散剤として働くヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体を溶解した水溶液として300μM濃度のクエン酸三ナトリウム水溶液10ml(3μmol)を、還元剤を溶解した水溶液として10mM濃度のヒドラジン水溶液75μl(0.75μmol)をそれぞれ用意した。
次いで、クエン酸三ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を添加してクエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液を調製した。次に、クエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液にヒドラジン水溶液を攪拌しながら添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、黄色のプラズモン発色を示す銀コロイド溶液を得た。この銀コロイド溶液は黄色に着色していることから、溶液中には形状が球状の銀粒子が分散していることが判った。更に、この銀コロイド溶液に蛍光灯(27W;色温度5000K)の光を24時間照射することにより、黄色から緑色へと変色した銀コロイド溶液を得た。
<実施例3>
先ず、銀塩を溶解した水溶液として10mM濃度の硝酸銀水溶液250μl(2.5μmol)を、水系分散剤として働くヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体を溶解した水溶液として300μM濃度のクエン酸三ナトリウム水溶液10ml(3μmol)を、還元剤を溶解した水溶液として10mM濃度のジメチルアミンボラン水溶液300μl(3μmol)をそれぞれ用意した。
次いで、クエン酸三ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を添加してクエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液を調製した。次に、クエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液にジメチルアミンボラン水溶液を攪拌しながら添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、黄色のプラズモン発色を示す銀コロイド溶液を得た。この銀コロイド溶液は黄色に着色していることから、溶液中には形状が球状の銀粒子が分散していることが判った。更に、この銀コロイド溶液にハロゲンランプ(150W)の光を24時間照射することにより、黄色から緑色へと変色した銀コロイド溶液を得た。
<比較例1>
先ず、銀塩を溶解した水溶液として10mM濃度の硝酸銀水溶液250μl(2.5μmol)を、水系分散剤として働くヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体を溶解した水溶液として300μM濃度のクエン酸三ナトリウム水溶液10ml(3μmol)を、還元剤を溶解した水溶液として10mM濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液300μl(3μmol)をそれぞれ用意した。
次いで、クエン酸三ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を添加してクエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液を調製した。次に、クエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液に水素化ホウ素ナトリウム水溶液を攪拌しながら添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、黄色のプラズモン発色を示す銀コロイド溶液を得た。この銀コロイド溶液は黄色に着色していることから、溶液中には形状が球状の銀粒子が分散していることが判った。更に、この銀コロイド溶液に蛍光灯(27W;色温度5000K)の光を24時間照射することにより、黄色から黄緑色へと変色した銀コロイド溶液を得た。
<比較例2>
先ず、銀塩を溶解した水溶液として10mM濃度の硝酸銀水溶液250μl(2.5μmol)を、水系分散剤を溶解した水溶液として80mM濃度のCTAB(Cetyl Trimethyl Ammonium Bromide)水溶液10mlを、還元剤を溶解した水溶液として10mM濃度のジメチルアミンボラン水溶液300μl(30mmol)をそれぞれ用意した。
次いで、CTAB水溶液に硝酸銀水溶液を添加してCTAB及び硝酸銀の双方を含む水溶液を調製した。次に、CTAB及び硝酸銀の双方を含む水溶液にジメチルアミンボラン水溶液を攪拌しながら添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、黄色のプラズモン発色を示す銀コロイド溶液を得た。この銀コロイド溶液は黄色に着色していることから、溶液中には形状が球状の銀粒子が分散していることが判った。更に、この銀コロイド溶液に蛍光灯(27W;色温度5000K)の光を24時間照射することにより、黄色から無色へ変化した。
<比較例3>
先ず、銀塩を溶解した水溶液として10mM濃度の硝酸銀水溶液250μl(2.5μmol)を、水系分散剤として働くヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体を溶解した水溶液として300μM濃度のクエン酸三ナトリウム水溶液10ml(3μmol)を、還元剤を溶解した水溶液として10mM濃度のジメチルアミンボラン水溶液300μl(3μmol)をそれぞれ用意した。
次いで、クエン酸三ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を添加してクエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液を調製した。次に、クエン酸三ナトリウム及び硝酸銀の双方を含む水溶液にジメチルアミンボラン水溶液を攪拌しながら添加して混合液を調製し、混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、黄色のプラズモン発色を示す銀コロイド溶液を得た。この銀コロイド溶液は黄色に着色していることから、溶液中には形状が球状の銀粒子が分散していることが判った。更に、この銀コロイド溶液に超高圧水銀ランプ(主波長365nmの紫外線光)の光を24時間照射したところ、溶液の色が黄色から無色に変化し、容器の底には銀の凝集物が沈殿していた。
<比較試験1>
TEMにより撮影した実施例1で得られた銀粒子の写真を図1に、TEMにより撮影した実施例2で得られた銀粒子の写真を図2に、TEMにより撮影した比較例1で得られた銀粒子の写真を図3にそれぞれ示す。また、実施例1〜3、比較例1で得られた銀粒子水分散液を所定の割合で水で希釈して希釈液を調製し、この希釈液に対して分光光度計を用いて300〜1100nmにおける波長吸収特性を測定した。その結果を図4及び図5に示す。また図4及び図5では、一般的な球状の銀粒子の吸収スペクトルも併せて示す。
図1〜図2より明らかなように、実施例1,2は、水分散液中にプレート状の銀粒子と球状の銀粒子の双方が分散した状態で存在していた。銀粒子同士の一部が重なっている部分に注目すると、重なっている部分が透けて見えるのが判る。これは銀粒子の形状がプレート状であり、プレートの厚みが薄いため、下方に位置する銀粒子が透けて見えていることを示している。一方、図3より明らかなように、比較例1は、球状銀粒子が連なった構造をとっていることが判った。
また図5から明らかなように、比較例1の銀粒子では、400nm付近と、430nm付近の波長でシャープな吸収ピークが2つ観察されていた。400nm付近での吸収ピークは球状銀粒子による吸収を示している。430nm付近の吸収ピークは図3のように球状微粒子が連なった構造をとっているためと推察される。一方図4から明らかなように、実施例1〜3の銀粒子では、400nm付近の波長は吸収ピークが小さく、400nm付近より長波長側の600nm前後を中心ピークとする大きな吸収ピークが観察されていた。この400nm付近より長波長側でのプラズモン吸収はプレート状の銀粒子による吸収を表している。図4に示された実施例1〜3の吸収スペクトルを詳細に見ると、400nm付近の吸収波長にも400nm付近より長波長側での吸収波長にも違いがあることが判る。400nm付近の吸収波長は球状銀粒子の存在を、400nm付近より長波長側での吸収は、プレート状銀粒子の大きさを表しているため、実施例1では、400nm付近の吸収波長がほぼ存在せず、球状微粒子の含有割合が極めて少ないことが示しており、実施例2及び3では、400nm付近で小さな吸収ピークが存在し、少量の球状微粒子を含んでいることを示している。以上のことは、製造条件や照射する光波長の違いによって、製造される銀粒子の種類が変わることを示している。
実施例1で得られた銀粒子の透過型電子顕微鏡写真図。 実施例2で得られた銀粒子の透過型電子顕微鏡写真図。 比較例1で得られた銀粒子の透過型電子顕微鏡写真図。 実施例1〜3における銀粒子の特定波長吸収特性図。 比較例1における銀粒子の特定波長吸収特性図。

Claims (8)

  1. 形状がプレート状の銀粒子表面に、分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着したことを特徴とする銀粒子。
  2. 水系分散剤として働く分子量が260以下のヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体と銀塩の双方を含む水溶液に所定の割合でジメチルアミンボラン又はヒドラジンを還元剤として添加して混合液を調製し、前記混合液中の銀イオンを還元反応させることにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状が粒状の銀粒子コロイド溶液を得る工程と、
    前記得られた粒状の銀粒子コロイド溶液に380〜800nmの可視光線の領域の光を主な発光領域とする光源からの光を照射することにより、表面にヒドロキシルカルボン酸又はその誘導体が水系分散剤として付着した形状がプレート状の銀粒子コロイド溶液を得る工程と
    を含むことを特徴とする銀粒子の製造方法。
  3. 銀塩が硝酸銀である請求項2記載の製造方法。
  4. 320〜800nmの波長を有する光の光源が蛍光灯、ハロゲンランプ又はキセノンランプである請求項2記載の製造方法。
  5. 請求項2ないし4いずれか1項に記載の製造方法により得られた銀粒子コロイド溶液と、窒素原子、硫黄原子、酸素原子及びリン原子からなる群より選ばれた1種又は2種以上の原子を含有する水系分散剤又は非水系分散剤が溶解した溶液とを混合し、
    前記銀粒子表面に付着している水系分散剤を前記混合した溶液中の水系分散剤又は非水系分散剤と置き換えることを特徴とする銀粒子の表面処理方法。
  6. 請求項5記載の表面処理方法により得られた銀粒子とともに、分散媒及びバインダを配合することを特徴とする銀粒子含有組成物。
  7. 請求項6記載の銀粒子含有組成物を用いて形成されたコーティング組成物、塗膜又はフィルム。
  8. 請求項1記載の銀粒子、請求項2ないし4いずれか1項に記載の製造方法により得られた銀粒子、或いは請求項5記載の表面処理方法により得られた銀粒子を含有する光学フィルタ、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサ、生体マーカ、記録素子、薬物送達システム用薬物保持体、バイオセンサ、DNAチップ、検査薬又はラマン増強用試薬。
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