JP4958082B2 - Lprセンサ用ナノ粒子、ナノ粒子の製造方法、スラリー、塗料、塗膜及びlprセンサ - Google Patents

Lprセンサ用ナノ粒子、ナノ粒子の製造方法、スラリー、塗料、塗膜及びlprセンサ Download PDF

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本発明は、粒子の吸光スペクトルがシャープで局在プラズモン共鳴(LPR)センサに好適に利用可能な金属ナノ粒子及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、上記LPRセンサの金属ナノ粒子として好適な粒子特性を有する、金、銀、又はそれらを含むナノ粒子及びその製造方法に関するものである。本発明は、例えば、バイオセンシングに対する応用として、透過電子顕微鏡のための生体染色剤、また、金又は銀ナノ粒子の色の特徴を用いたイムノクロマトグラフィーによるバイオセンサー、更に、微細な回路パターンを形成するための配線形成用材料や車の塗料としても好適に利用することが可能な、粒子の吸光スペクトルがシャープで分散性の良好な金属ナノ粒子及びその製造方法を提供するものである。
局在プラズモン共鳴(LPR)センサは、金属ナノ粒子を固定した基板に光を照射し、金属ナノ粒子を透過した光の吸光度を測定することにより、金属ナノ粒子近傍の媒質の変化を検出するものである。このLPRセンサに利用される金属ナノ粒子としては、可視光においてLPR吸収を示す金ナノ粒子及び銀ナノ粒子が主に用いられている。このセンサにおいては、金ナノ粒子又は銀ナノ粒子表面に、有機薄膜を介するか又は直接的に、抗体が固定されている。固定された抗体と被検物中の抗原とが選択的に結合することにより、金属ナノ粒子近傍の媒質の屈折率変化が生じるため、プラズモン共鳴条件が変化する。これを、吸収スペクトルの変化、屈折率の変化などを測定することにより検出する。
これまでに、金属ナノ粒子を合成する種々の技術が報告されている。先行技術として、例えば、液相で、ポリオール法(非特許文献1)、電気化学法(非特許文献2)、界面活性剤を利用する方法(非特許文献3)、レーザーを用いる方法(非特許文献4)等を利用して、金属ナノ粒子を合成する方法が提案されている。金属ナノ粒子をバイオセンサーに利用するためには、精密な吸光特性の検出が必要であり、そのために、いろいろな観点から、吸光特性の良好な金属ナノ粒子を合成するための金属ナノ粒子の合成過程の研究がなされている。
例えば、簡便な手法で、Agナノ粒子を合成したり(特許文献1)、貴金属化合物と界面活性剤とから貴金属コロイド粒子を製造したり(特許文献2)、アスペクト比の再現性の良い金ナノロッドを作製したり(特許文献3)、マイクロ流路を用いて、粒度分布がシャープで、結晶性の高い高結晶性ナノ銀粒子スラリーを作製したり(特許文献4)、界面活性剤を含む溶液中で電気化学的反応によってロッド状の金属ナノロッドを作製したり(特許文献5)、超音波撹拌により有機無機ハイブリッドナノ複合材を作製すること(特許文献6)、等が行われている。
また、溶液中において超音波付与を行うと、急激な撹拌効果や気泡の圧縮・膨張によるキャビテーションによってソノケミカル反応が生じ、微粒子の還元反応、結晶の核生成、粒成長などに影響を与えることが知られている(非特許文献5)。また、超音波は、生成した微粒子と保護剤との結合状態の促進、それによる粒子間の結合の緩和にも効果を発揮すると考えられる。そのため、先行技術として、例えば、超音波を利用して、金の前駆体を還元させて金のナノ粒子を作製したり(特許文献7)、超音波照射により、粒子表面に金属ナノ粒子を析出させて複合粒子を作製したり(特許文献8)、超音波振動を加えることにより準安定金属酸化物よりなるナノ複合構造体を製造すること(特許文献9)、等が報告されている。
上記特許文献6では、ナノ複合材の製造過程で、超音波を使用しているが、超音波は、無機粒子の分散液を超音波撹拌に付し、その少なくとも一つの一次元長が0.1〜250nmの平均サイズを有するナノサイズ化させた無機粒子の分散液を生成するために使用されている。また、上記特許文献7では、分散用の液相に対して、水和物としての金の前駆体と分散助剤との混合物を添加し、その後、超音波照射により、液相内に金の前駆体を微小に分散させること、更に、金の前駆体を還元させて金のナノ粒子を生成すること、が行われている。
また、上記特許文献8では、基粒子及び金属前駆体が混在する溶媒に超音波を照射することにより、基粒子の表面に、金属前駆体が還元した金属であるナノメートルオーダの金属微粒子を析出させること、が行われている。更に、上記特許文献9では、準安定金属酸化物粒子を溶媒中に混合せしめた混合液に対して、超音波振動を加えることにより、粒子凝集体を作製することが行われている。
しかし、上述の方法では、超音波照射は、粒子の機械的な分散、金属前駆体の還元、粒子凝集体の形成等を目的として使用されているが、これまで、超音波を利用してナノ粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させること、及びそれにより吸光スペクトルをシャープに改質させたナノ粒子に関する事項については知られていない。
特開2006−37145号公報 特開2003−159525号公報 特開2005−68448号公報 特開2006−124787号公報 特開2005−68447号公報 特表2005−512809号公報 特開2005−290478号公報 特開2005−125282号公報 特開2005−161466号公報 Y. Sun, B. Gates and B. Mayers, Nano Lett., 2 (2002) 165 M. T. Reetz and W. Helbig, J. Am. Chem., 116 (1994) 7401 M. Maillard, S. Giorgio and M. P. Pileni, J. Phys. Chem. B, 107 (2003) 2466 R. Jin, Y. Cao, C. A. Mirkin, K. L. Kelly G. C. Schatzt and J. G. Zheng, Science, 294 (2001) 1901 K. S. Suslick, G. J. Price, Annu. Rev. Mater. Sci., 29 (1999) 295
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、金属粒子の粒径や形状及び連結などの粉体特性を精密に制御することは、LPRセンサの実用化に向けて必要であるとの見地から、金属粒子の粒径や形状及び連結などの粉体特性を精密に制御することにより、それらの粉体特性を改善して粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金属ナノ粒子を製造する方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、金属ナノ粒子の合成過程において、反応液に超音波を照射することにより所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、バイオセンサー等の各種センサとしての使用が可能な、より精度の良いLPR吸収を示すLPRセンサ用金属ナノ粒子を製造できる新しい金属ナノ粒子の製造方法及びその金属ナノ粒子を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子からなる局在プラズモン共鳴(LPR)センサ用ナノ粒子であって、1)粒子の粒径が5〜100nmで、2)一辺が40nm程度の三角形の粒子を含み、3)光子相関法による測定で頂点40nmにシャープな粒度分布を有する、ことを特徴とするLPRセンサ用ナノ粒子。
(2)粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を製造する方法であって、1)上記金属ナノ粒子の合成過程において、超音波照射中に金属塩を溶解した反応液に還元剤を添加することによりナノ粒子を生成させる、2)それにより、a)粒子の粒径が5〜100nmで、b)一辺が40nm程度の三角形の粒子を含み、c)光子相関法による測定で頂点40nmにシャープな粒度分布を有する、金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を作製する、ことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
(3)前記(1)に記載されたナノ粒子又は前記(2)に記載されたナノ粒子の製造方法により得られたナノ粒子を含有することを特徴とするLPRセンサ用ナノ粒子含有スラリー、塗料又は塗膜。
(4)前記(1)に記載されたナノ粒子又は請求項2に記載されたナノ粒子の製造方法により得られたナノ粒子を基板に固定した構造を有することを特徴とする局在プラズモン共鳴(LPR)センサ。
(5)金属塩として、塩化金酸又は硝酸銀を用いる、前記(2)記載の方法。
(6)還元剤として、過酸化水素、テトラヒドロほう酸ナトリウム、蟻酸、又はアスコルビン酸を用いる、前記(2)記載の方法。
(7)反応液が、分散剤として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ドデシル硫酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、前記(2)記載の方法。
(8)反応液に、金属イオンの錯化剤として、クエン酸塩を加える、前記(2)記載の方法。
(9)反応液に、20−50kHzの低周波数の超音波を照射する、前記(2)記載の方法。
(10)上記超音波照射を間欠的に行う、前記(9)記載の方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子からなる局在プラズモン共鳴(LPR)センサ用ナノ粒子であって、粒子の粒径が5〜100nmで、一辺が略40nm程度の平板状の三角形の粒子を含み、光子相関法による測定で頂点40nm付近にシャープな粒度分布を有する、ことを特徴とするものである。
また、本発明は、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を製造する方法であって、還元水溶液中に金属塩を溶解した反応液を作製した後、該反応液に超音波を照射することによりナノ粒子を生成させ、それにより、上述の特定の粉体特性を有するナノ粒子を作製すること、を特徴とするものである。
すなわち、本発明は、金属ナノ粒子の合成過程において、反応液に強力超音波を照射することにより、粒子の吸光特性を改質し、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させたナノ粒子を合成するものであり、その粒子が、金、銀、又はそれらを含むナノ粒子であることを特徴とする吸光スペクトルをシャープに改質させたナノ粒子の製造方法及びそのナノ粒子を提供するものである。
本発明において、「粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた」とは、従来材と比較して、1)粒子の単分散性を向上させることにより粒子の吸光スペクトルがシャープになること、及び/又は、2)粒子の粒度分布又は形状を揃えることにより吸光スペクトルがシャープになること、を意味する。一般に、粒子が凝集することによって吸光スペクトルが広がる傾向になるが、粒子間の相互作用(粒子間距離等)により、粒子の吸光スペクトルが異なる(文献:M. Gluodenis et al., J. Phys. Chem. B, 106, 9484 (2002))。
そのため、粒子は、粒子の凝集状態によって、それぞれ固有の吸光スペクトルを持つようになり、積算して表現される粒子の溶液の吸光スペクトルでは、粒子の凝集が多いと、吸光スペクトルが広くなる。また、本発明において、粒子の粒度分布により吸光スペクトルがシャープになる理由は、粒子の溶液に超音波を照射することにより、過飽和度が上がり、核が一度に生成し、後から生成する核生成を無視できるようになり、結果として、粒度分布が狭くなり、また、溶液の均一性も増加するため、形状も一定のものに近づくためである。
次に、本発明について、具体例に則して詳細に説明する。本発明の金、銀及びそれらを含むナノ粒子の合成方法は、例えば、0.05から5mmol/lの濃度範囲のナノ粒子の原料となる金属塩と、ナノ粒子の保護剤となる、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP―K90)を、0.001から1mmol/lの濃度範囲で蒸留水に加え、1時間撹拌することにより溶解させる。更に、金属イオンの錯化剤であるクエン酸塩を0.5から10mmol/lを加えて、30分撹拌する。これらの合成過程において、上記合成条件は、例示的に示したものであり、これらは、必要に応じて、適宜変更することができる。
この溶液を10から60℃に設定した水槽内にある反応容器に添加し、強力超音波による照射を行う。本発明における超音波の効果とは、気液界面が振動により不安定化すること、超音波による液相内での極めて大きな加速度運動(1×104−6G:Gは重力加速度)を受け、更には、超音波キャビテーションにより生じる衝撃波や、マイクロジェットにより離散すること等の作用(文献:特開2006−213536号公報)により、激しい撹拌効果が生じる。この撹拌効果により、溶液の均一性及び核の生成の活性化、結晶性の向上、更に、生成した粒子表面上への保護剤の結合促進などが生起し、粒子の吸光特性が改質されると考えられる。また、この吸光特性は、粒子の凝集性にも影響され、また、粒子表面での保護剤の立体障壁性の向上、粒子の分散性にも影響される。
撹拌効果のような物理的作用による上述の粒子の吸光特性は、低い周波数の超音波において顕著であり、本発明では、20−50kHz程度の低い周波数の超音波が好適に用いられる。更に、超音波キャビテーションなどにより生成した気泡の合体によって生成される大きな気泡を抑制するために、間欠的に照射することが望ましい。その間隔は、5から10秒稼働、1から5秒停止が望ましい。超音波照射中に、還元剤である0.02から2wt%濃度範囲の過酸化水素、0.1から5mmol/lのテトラヒドロほう酸ナトリウムを添加し、金属ナノ粒子を生成させる。本発明は、窒素ガスやアルゴンガス、更に、水素ガスを反応容器中に流すことにより還元が促進される。
本発明で用いられる金属ナノ粒子の金属としては、可視光領域で局在プラズモン共鳴(LPR)を起こす金属が好ましい。具体的には、金、銀等の貴金属が挙げられる。その金及び銀の化合物としては、金の場合には塩化金酸、銀の場合には硝酸銀を用いることが望ましい。生成される金属微粒子の粒径は、5〜100nmが好ましい。
分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ドデシル硫酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。還元剤としては、過酸化水素、テトラヒドロほう酸ナトリウム、蟻酸、アスコルビン酸を用いることが望ましい。また、金属イオンの錯化剤としては、好適には、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウムカリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム等を用いることができる。
本発明の方法によって合成される粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金属ナノ粒子は、合成過程で超音波照射しない場合と比較して、1)粒子の粒径が5〜100nmであり、2)一辺が略40nm程度の平板状で三角形の粒子を含み、3)光子相関法による測定で頂点40nm付近にシャープな粒度分布を有し、4)粒子の吸光スペクトルがシャープに改質されている、という特性を有している。
後記する実施例に示されるように、作製した銀ナノ粒子の溶液を石英板上に塗布し、乾燥させた試料のX線回析から、ピークは小さいが、38度に銀の立方晶系を示す(111)面のピークが見られる。また、紫外可視分光スペクトルでは、例えば、524から575nm付近に頂点があり、333から336nm付近に粒子が平板状である特徴のピークが見られる。また、透過電子顕微鏡写真による観察では、一辺が略40nm程度の三角形の粒子で平板の側面を持つ粒子が見られる。
また、作製した金ナノ粒子の紫外可視分光スペクトルでは、520nm付近に頂点を有しており、その頂点の強度は、合成過程で超音波照射した方が超音波照射しないものより大きい。本発明では、金属ナノ粒子の合成過程において、反応液に強力超音波を照射することにより、金属粒子の粒径や形状及び連結などの粉体特性を精密に制御することで、粒子の吸光スペクトルがシャープに改質されたナノ粒子を合成することが可能となる。本発明の金属ナノ粒子は、通常の方法で作製した金属ナノ粒子と比べて、より精度の良いLPR吸収を示すナノ粒子として、局在プラズモン共鳴(LPR)センサ等に適用可能なナノ粒子として有用である。
本発明では、上記粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を含有する当該ナノ粒子含有スラリー、塗料又は塗膜が提供される。本発明は、上記ナノ粒子以外の成分については、特に制限されるものではなく、適宜のスラリー、塗料又は塗膜に適用される。本発明において、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させたとは、例えば、図2、5に例示される紫外可視分光スペクトルのスペクトル曲線の頂点が合成過程で超音波照射しない従来法で作製したナノ粒子と比べて、吸光スペクトルがシャープに改質されたことを意味する。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、金属ナノ粒子の粒径や形状及び連結などの粉体特性を精密に制御して粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させたナノ粒子を製造し、提供することができる。
(2)本発明のナノ粒子を用いることにより、局在プラズモン共鳴(LPR)センサの実用化を実現することができるLPRセンサ用ナノ粒子を提供することができる。
(3)合成過程で超音波照射していない従来法で作製したナノ粒子と比較して、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金属ナノ粒子を製造し、提供することができる。
(4)上記粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を含むスラリー、塗料又は塗膜を提供できる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
0.1mmol/lの硝酸銀、0.0875mmol/lのポリビニルピロリドン(PVP−K90)を50mlの蒸留水に加え、1時間撹拌することにより、これらを溶解させた。これに、更に、30mmol/lのクエン酸三ナトリウムを3ml加えて、更に、30分撹拌した。この溶液50mlを25℃に設定した水槽内にある反応容器に添加し、大気中、20kHz450W中50%出力、9秒ON、3秒OFFのパルス照射、総稼働時間が15分の超音波照射条件にて、還元剤として、30wt%の0.12ml過酸化水素、100mmol/lのテトラヒドロほう酸ナトリウムを0.4ml添加し、銀ナノ粒子を生成させた。
作製した銀ナノ粒子を含む溶液は、青色を呈しており、1ヶ月を経過しても安定な状態であった。図1に、作製したナノ粒子の溶液を、石英板上に塗布し、乾燥させた試料のX線回折を示す。ピークは小さいが、38度に銀の立方晶系を示す(111)面のピークが見られる。図2に、作製した銀ナノ粒子の紫外可視分光スペクトルを示す。575nmに頂点があり、333nmに粒子が平板状である特徴のピークが見られる。更に、図3に、作製した銀ナノ粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。一辺が略40nm程度の三角形の粒子が見られ、一部、長方形に見られるものがあるが、これは、平板の側面から見た像であると考えられる。
また、合成過程で超音波を照射しないで作製した試料の場合には、660nmに吸収のピークが存在し、溶液は青緑を呈していた。更に、光子相関法により測定した上記銀ナノ粒子の粒度分布の結果を図4に示す。なお、溶液の粘度を、音叉型振動式粘度計(SV−10、A&D社製)により測定した。その結果、溶液の粘度は20mPasであった。ここでは、粒子が平板状をしているため、粒度分布の標準偏差又は標準偏差を平均値で除した変動係数で比較することはできないが、頂点40nm付近の分布を比較すると、明らかに合成過程で超音波照射をした場合の粒子の分布の方がシャープな粒度分布をしていた。
0.1mmol/lの硝酸銀、0.35mmol/lのポリビニルピロリドン(PVP−K90)を50mlの蒸留水に加え、1時間撹拌することにより、これらを溶解させた。これに、更に、30mmol/lのクエン酸三ナトリウムを3ml加えて、更に、30分間撹拌した。この溶液50mlを25℃に設定した水槽内にある反応容器に添加し、大気中、20kHz450W中50%出力、9秒ON、3秒OFFのパルス照射、総稼働時間が15分の超音波照射条件にて、還元剤として、30wt%の0.12ml過酸化水素、100mmol/lのテトラヒドロほう酸ナトリウムを0.4ml添加し、銀ナノ粒子を生成させた。
作製した銀ナノ粒子を含む溶液は、紫色を呈しており、1ヶ月を経過しても安定な状態であった。図5に、作製したナノ粒子の紫外可視分光スペクトルを示す。524nmに頂点があり、336nmに粒子が平板状である特徴のピークが見られる。更に、図6に、作製したナノ粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。合成過程で超音波照射して作製した粒子の場合には、それぞれの粒子が分散して存在しているように見えた。一辺が略40nm程度の三角形の粒子が見られ、それぞれ分離している。更に、合成過程で超音波照射しないで作製した粒子の場合には、490nmに吸収のピークが存在し、なだらかなピークとなった。更に、光子相関法により測定した30日後の上記銀ナノ粒子の粒度分布の結果を図7に示す。合成過程で超音波照射しないで作製した粒子の方は、凝集のためか粒度分布がTEM観察による粒子径より大きな値となっていた。
0.1mmol/lの塩化金酸、0.35mmol/lのポリビニルピロリドン(PVP−K90)を50mlの蒸留水に加え、1時間撹拌することにより、これらを溶解させた。この溶液50mlを25℃に設定した水槽内にある反応容器に添加し、大気中、20kHz450W中50%出力、9秒ON、3秒OFFのパルス照射、総稼働時間が15分の超音波照射条件にて、金属イオンの錯化剤として、30mmol/lのクエン酸三ナトリウムを3ml加えて、また、還元剤として、30wt%の0.12ml過酸化水素、100mmol/lのテトラヒドロほう酸ナトリウムを0.4ml添加し、金ナノ粒子を生成させた。図8に、作製した金ナノ粒子の紫外可視分光スペクトルを示す。合成過程で超音波照射して作製した粒子の場合には520nmに、超音波照射しないで作製した粒子の場合には510nmに頂点があった。その頂点の強度は、超音波照射して作製した粒子の方が大きかった。
以上詳述したように、本発明は、金属ナノ粒子及びその製造方法に係るものであり、本発明により、金属ナノ粒子の粒径や形状及び連結などの粉体特性を精密に制御して粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させたナノ粒子を製造し、提供することができる。また、本発明のナノ粒子を用いることにより、局在プラズモン共鳴(LPR)センサの実用化を実現することができるLPRセンサ用ナノ粒子を提供することができる。また、合成過程で超音波照射していない従来法で作製したナノ粒子と比較して、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金属ナノ粒子を製造し、提供することができる。更に、上記粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を含むスラリー、塗料又は塗膜を提供できる。
本発明は、合成過程で超音波照射を適用しない従来法で作製した従来材のナノ粒子と比較して、粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含む5〜100nmのナノ粒子を製造し、提供することを可能とする新しい技術を提供するものとして有用である。
実施例1で作製したナノ粒子の溶液を石英板上に塗布し、乾燥させた試料のX線回折を示す。 実施例1で作製したナノ粒子の紫外可視分光スペクトルを示す。 実施例1で作製したナノ粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。(a):超音波照射有り、(b):超音波照射無し。 実施例1で作製したナノ粒子の粒度分布を示す。 実施例2で作製したナノ粒子の紫外可視分光スペクトルを示す。 実施例2で作製したナノ粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。(a):超音波照射有り、(b):超音波照射無し。 実施例2で作製したナノ粒子の粒度分布を示す。 実施例3で作製したナノ粒子の紫外可視分光スペクトルを示す。

Claims (10)

  1. 粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子からなる局在プラズモン共鳴(LPR)センサ用ナノ粒子であって、1)粒子の粒径が5〜100nmで、2)一辺が40nm程度の三角形の粒子を含み、3)光子相関法による測定で頂点40nmにシャープな粒度分布を有する、ことを特徴とするLPRセンサ用ナノ粒子。
  2. 粒子の吸光スペクトルをシャープに改質させた金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を製造する方法であって、1)上記金属ナノ粒子の合成過程において、超音波照射中に金属塩を溶解した反応液に還元剤を添加することによりナノ粒子を生成させる、2)それにより、a)粒子の粒径が5〜100nmで、b)一辺が40nm程度の三角形の粒子を含み、c)光子相関法による測定で頂点40nmにシャープな粒度分布を有する、金、銀、又はそれらを含むナノ粒子を作製する、ことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
  3. 請求項1に記載されたナノ粒子又は請求項2に記載されたナノ粒子の製造方法により得られたナノ粒子を含有することを特徴とするLPRセンサ用ナノ粒子含有スラリー、塗料又は塗膜。
  4. 請求項1に記載されたナノ粒子又は請求項2に記載されたナノ粒子の製造方法により得られたナノ粒子を基板に固定した構造を有することを特徴とする局在プラズモン共鳴(LPR)センサ。
  5. 金属塩として、塩化金酸又は硝酸銀を用いる、請求項2記載の方法。
  6. 還元剤として、過酸化水素、テトラヒドロほう酸ナトリウム、蟻酸、又はアスコルビン酸を用いる、請求項2記載の方法。
  7. 反応液が、分散剤として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ドデシル硫酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項2記載の方法。
  8. 反応液に、金属イオンの錯化剤として、クエン酸塩を加える、請求項2記載の方法。
  9. 反応液に、20−50kHzの低周波数の超音波を照射する、請求項2記載の方法。
  10. 上記超音波照射を間欠的に行う、請求項9記載の方法。
JP2006290971A 2006-10-26 2006-10-26 Lprセンサ用ナノ粒子、ナノ粒子の製造方法、スラリー、塗料、塗膜及びlprセンサ Expired - Fee Related JP4958082B2 (ja)

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