JP2005281845A - 金属コロイド分散液および金属コロイド分散液の製造方法 - Google Patents

金属コロイド分散液および金属コロイド分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度の金属コロイド分散液およびその液相製造法を提供する。
【解決手段】アミン化合物と、ポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−R’およびまたはPEHA−Phenyl−PEG−RおよびまたはR−PEG/PAMA(RおよびR’は、アセタール、アルデヒド、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、活性エステルアジド基、ビオチン基、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、核酸、アリル基、ビニルベンジル基、メタクリロイル基およびアクリロイル基からなる群から選択される官能基、Xは水素またはピリジルチオ基、PEHAはペンタエチレンヘキサミン基、PEG/PAMAはポリエチレングリコールとメタクリル酸ポリマーとのブロックポリマーを示す)とを含む溶液中で金属イオンを還元せしめることによって得られる分散安定な金属コロイド分散液およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は金属に安定に結合あるいは吸着し得る官能基と生体物質などに対する反応性官能基を有するポリエチレングリコール誘導体、例えばタンパク質に反応性アルデヒドを生成するアセタール基をω末端に有し,α末端にメルカプト基あるいはピリジルチオ基を有するヘテロケリックポリエチレングリコール誘導体とアミン化合物を含む液で液相還元法により金属イオンを還元せしめることによって製造した分散安定な高濃度金属コロイド分散液およびその製造方法に関する。
金属コロイドの製造は、気相製造法(以下気相法という)と液相製造法(以下液相法という)に大別される。気相法では、非常に高濃度の金属コロイドを製造することが可能である。具体的には、特許文献1に開示されている方法がある。しかしながら、気相法は、粒径分布を制御することが困難であり、粒径分布が広くなってしまうという欠点がある。また、気相合成法では大がかりな装置が必要であり、コストが高くなってしまう欠点がある。
液相法は金属イオンを溶液中で還元する方法であり、気相法で得られる粒子よりも狭い粒径分布のコロイド溶液を得ることが可能である。しかしながら、この方法では還元過程で粒子が凝集しやすく、高濃度のコロイド分散液を製造することは困難である。
液相法は、さらに物理的な方法と化学的な方法に大別される。物理的な方法としては、紫外線(Sauら、J.Nanopart.Res.2001、3、257−261)、超音波(OkitsuらUltrasonic Chemistry 1996、3、249−251)、γ線(Arnimら、J.Phys.Chem.B1999、103、9533−9539)などが開示されている。化学的な方法は、溶液中で一般に水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどの還元剤を用いて還元するものである。具体的には、例えばTurkevitchら.Discuss.Faraday Soc.1951、11、55−75にクエン酸ナトリウムを用いた液相法が開示されている。前記化学的還元法では、一般に金イオンに対して3倍から5倍モル量の還元剤を添加し、必要に応じて加熱還流する。ここでは、クエン酸ナトリウムは還元剤および分散剤として機能している。クエン酸イオンが金イオンを還元して生成した金粒子の表面に吸着し、静電反発によって粒子同士の凝集を抑止している。
しかしながら、金イオンの濃度が高くなるにしたがい必要な還元剤、例えばクエン酸ナトリムの量も増え、イオン強度が高くなり、還元反応中に凝集しやすくなる。
また、特許文献2には水素化ホウ素ナトリウムを還元剤、アセタール−PEG−SHを高分子保護材として調製した場合の低濃度の金コロイドの調製方法が開示されているが、当該方法で用いられる水素化ホウ素ナトリウムは、水溶液中で著しく不安定で気泡を発生し激しく分解することから、水素化ホウ素ナトリウムの濃度を一定に保つことが難しい。
このため、当該方法では、再現性よくコロイドを調製することは困難である場合が多い。
特開昭58−186967号公報
特開2002−080903号公報
発明が解決しようとする課題
本発明は上記に鑑み、液相法において分散安定が高く、保存安定性が高い金属コロイド分散液およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
本発明者は、上述のような現状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、液相法において分散安定が高く、保存安定性が高い金属コロイド分散液およびその製造方法を提供せんとするものである。
すなわち本発明は、アミン化合物と、ポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG−S−S−PEG−R’およびまたはポリエチレングリコール誘導体PEHA−Phenyl−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG/PAMA(RおよびR’は、アセタール、アルデヒド、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、活性エステルアジド基、ビオチン基、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、核酸、アリル基、ビニルベンジル基、メタクリロイル基およびアクリロイル基からなる群から選択される官能基であり、PEGは−(CHCHO)−であり、Xは水素またはピリジルチオ基であり、PEHAはペンタエチレンヘキサミン基、PEG/PAMAはポリエチレングリコールと構造式化1で表されるメタクリル酸ポリマーとのブロックポリマーを示す)とを含む液中に金属コロイドが分散していることを特徴とする金属コロイド分散液であり、またアミン化合物が、アルカノールアミン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンから選択された少なくとも1種類以上のアミン化合物である前記の金属コロイド分散液であり、さらにまた金属イオンが、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群より選択された少なくとも1種類以上の金属イオンである前記の金属コロイド分散液である。
また、液の溶媒が、水および有機溶媒からなる群から選択された1種類以上の溶媒である前記の金属コロイド分散液であり、ポリエチレングリコール誘導体の量が、金属の量に対して、モル比で”金属のモル量”:”ポリエチレングリコール誘導体のモル量”=1:0.005〜1:2.5の範囲であって、アミン化合物の量が金属の量に対して、モル比で”金属のモル量”:”アミン化合物のモル量”=1:0.1〜1:50の範囲である前記の金属コロイド分散液である。
また、アミン化合物と、ポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−RおよびまたはPEHA−Phenyl−PEG−RおよびまたはR−PEG/PAMAを溶媒に溶解した後、金属塩を溶媒に溶解した溶液を添加することを特徴とする前記の金属コロイド分散液の製造方法であり、またアミン化合物とポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−RおよびまたはPEHA−Phenyl−PEG−RおよびまたはR−PEG/PAMAを溶媒に溶解した溶液に塩基性化合物を添加し、溶液のpHを12以上に調整した後、金属の塩を溶解した溶液を添加する前記の金属コロイド分散液の製造方法である。
さらにまた、アミン化合物とポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−RおよびまたはPEHA−Phenyl−PEG−RおよびまたはR−PEG/PAMAを溶媒に溶解した溶液に金属イオンの塩を溶媒に溶解した溶液を添加し、最後に塩基性化合物を添加することにより金属微粒子を形成・成長させる前記の金属コロイド分散液の製造方法である。塩基性化合物は例えば、水酸化アルカリ金属化合物である。
本発明の金属コロイド分散液はアミン化合物とポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−R’およびまたはPEHA−Phenyl−PEG−RおよびまたはR−PEG/PAMA(RおよびR’は、アセタール、アルデヒド、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、活性エステルアジド基、ビオチン基、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、核酸、アリル基、ビニルベンジル基、メタクリロイル基およびアクリロイル基からなる群から選択される官能基、PEGは−(CHCHO)−(nは2〜10,0000の任意の整数)、Xは水素またはピリジルチオ基)とを含む液中で金属イオンを還元せしめることによって、還元反応中に凝集することなく生成した金属コロイド分散液であって、金属粒子表面にポリエチレングリコール誘導体が吸着あるいは結合してなる分散安定な金属コロイド分散液である。
R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−R’ およびまたはPEHA−Phenyl−PEG−RおよびまたはR−PEG/PAMAはいずれを使用してもよく、また混合使用してもよい。水溶液中では、溶存酸素によって、R−PEG−SXは酸化されR−PEG−S−S−PEG−R’との溶解平衡の状態で溶解しているものと考えられる。
本発明における金属としては、特に限定されるものではないが、好ましい金属として金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金などが挙げられ、特に金、銀、白金はメルカプト基あるいはジスルフィド基あるいはアミノ基と極めて安定に結合するため最も好適な金属である。
また金属塩である金属の化合物としては、特に限定されるものではないが、塩化金酸、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化パラジウム・ニ水和物、硝酸バラジウム、硝酸ロジウム、酢酸ロジウム、酢酸ルテニウム、ヘキサニトロイリジウム酸、酸化オスミウムなどが好ましく適用できる。
本発明におけるアミン化合物は、特に限定されるものではないが、好ましくはアルカノールアミン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンであり、具体的にはメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等を挙げることができる。ヒドロキシルアミンはヒドロキシルアミンもしくはヒドロキシルアミン塩酸塩を用いることが可能である。
R−PEG−SXまたはR−PEG−S−S−PEG−R’ またはPEHA−Phenyl−PEG−RまたはR−PEG/PAMAの分子量は100〜10,0000の範囲が使われる。好適には、200〜10,000の範囲である。さらに好適には、300〜20,000の範囲である。200未満の場合には立体反発力による分散安定性が不十分で粒子が凝集してしまう可能性がある。一方、10,0000を超えると粘度が高くなりすぎ、例えば金イオン溶液を添加したときに十分な攪拌が困難であり、粒径分布が広くなってしまう。
上記溶媒は、環境面から水を好適に用いることができるが、水と水に可溶な有機溶媒とを混合した混合溶媒であってもよい。水に可溶な溶媒としては、特に限定されず、メタノール、エタノールなどの炭素数1〜4のアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
また、上記、R−PEG−SXまたはR−PEG−S−S−PEG−R’またはPEHA−Phenyl−PEG−RまたはR−PEG/PAMAの量は、金属(イオン)の量に対して、モル比で”金属のモル量”:”R−PEG−SXまたはR−PEG−S−S−PEG−R’のモル量”=1:0.005〜1:2.5の範囲が好適であって、より好適には 1:0.1〜1:0.6の範囲である。
また、アミン化合物の量は金属の量に対して、モル比で”金属のモル量”:”アミン化合物のモル量”1:0.1〜1:50の範囲であって、より好適には1:1〜1:10の範囲である。
上記pHは12以上であることが好ましく、より好ましくは13以上である。
発明の効果
本発明で得られた金属コロイド分散液は高濃度で安定しており、また高いイオン強度下でも凝集せずに安定である。
また、該分散液は粒径分布が狭く、かつ粒径が50nm以下であり、前述のごとくPEGの片末端に機能性化合物反応性官能基を有することから医療診断、光学材料、触媒材料などに好適に使用することが可能である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
金コロイド溶液の調製(PEGおよびヒドロキシルアミンの濃度の影響)
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHをαmg(表1)を精製水370μLに溶解した。
次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(βmmol/mL)25μL(表1)を添加し攪拌した。そして、10N 水酸化ナトリウム水溶液を0〜10μL を添加しpH 13.0とした。激しく攪拌しながら、塩化金酸水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。
四塩化金酸を添加後、▲1▼、▲4▼、▲8▼は透明な淡黄色であって、金微粒子生成に伴う赤色のプラズモン吸収は出現しなかった。▲5▼、▲9▼、▲13▼、▲17▼は黒色の沈殿が生成し、上澄は無色透明であった。▲2▼は黒色の沈殿が生成し、上澄は淡青色であった。▲3▼、▲6▼は群青色であった。▲7▼は金色の沈殿が生成し、上澄は淡紫であった。▲10▼、▲11▼、▲12▼、▲14▼、▲15▼、▲16▼、▲18▼、▲19▼、▲20▼を精製水で20倍希釈して、光路長10mmのセルを用いてスペクトルを測定したところ、金コロイド特有のプラズモン吸収を示した(図1〜3)。
実施例2
金コロイドの調製pHの影響
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを14mgを精製水350μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを添加し攪拌した。そして、10N水酸化ナトリウム水溶液を22μL添加しpH13.0に調整した。同様に、MeO−PEG−SHとヒドロキシルアミンとの水溶液(0.2mmol/mL)に10N水酸化ナトリウム水溶液を2μL添加しpH12.1に調整した。pH13.0の水溶液およびpH12.1の水溶液にそれぞれ激しく攪拌しながら、塩化金酸水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。四塩化金酸水溶液を添加後、直ちにルビーレッドを呈した。それぞれのサンプルを精製水で20倍希釈して、光路長10mmのセルを用いてスペクトルを測定したところ、金コロイド特有のプラズモン吸収を示した(図4)。
実施例3
水酸化ナトリウムを添加することによる安定な粒子の形成と成長促進
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを3.5mgを精製水400μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを添加し攪拌した。激しく攪拌しながら、塩化金酸水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。0.1N水酸化ナトリウム水溶液10μLを添加すると、直ちにルビーレッドを呈した。本サンプルを精製水で20倍希釈して、光路長10mmのセルを用いてスペクトルを測定したところ、金コロイド特有のプラズモン吸収を示した(図5)。
実施例4
銀コロイドの調製とpHの影響
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを3.5mgを精製水400μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを添加し攪拌した。そして、10N水酸化ナトリウム水溶液を5μLを添加しpH13.0に調整した。また、同様に1N水酸化ナトリウム水溶液を5μを添加しpH12.0に調整した。前記pH13.0およびpH12の水溶液にそれぞれ攪拌しながら、硝酸銀水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。硝酸銀水溶液を添加後、3分程度で暗黄色を呈した。それぞれのサンプルを精製水で100倍希釈して、光路長10mmのセルを用いてスペクトルを測定したところ、銀コロイド特有のプラズモン吸収を示した(図6)。
実施例5
銀コロイドの調製
分子量6000(g/mol)のPEHA−Phenyl−PEG−OHを3.5mgを精製水400μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを添加し攪拌した。そして、10N水酸化ナトリウム水溶液を3μLを添加しpH12.3に調整した。前記溶液を攪拌しながら、硝酸銀水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。硝酸銀水溶液を添加後、3分程度で暗黄色を呈した。それぞれのサンプルを精製水で100倍希釈して、光路長10mmのセルを用いてスペクトルを測定したところ、銀コロイド特有のプラズモン吸収を示した(図7)。
比較例1
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを7mgを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に調製した(表1 ▲13▼)。12時間後、上澄は無色透明となり、容器の底に黒色の沈殿が生成していた。
比較例2
ヒドロキシルアミン水溶液の代わりに精製水25μL添加したこと以外は実施例1と同様に調製した(表1 ▲2▼)。12時間後、上澄は淡青紫色となり、容器の底に黒色の沈殿が生成していた。
比較例3
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを14mgを精製水350μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを添加し攪拌した。そして、10N水酸化ナトリウム水溶液0〜5μLまたは1N塩酸水溶液0〜20μLを添加しpH11.3、10.0、8.0、6.0、3.7、および2.1とした。激しく攪拌しながら、塩化金酸水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。四塩化金酸水溶液を添加後、橙色の凝集沈殿物が生成した。
比較例4
クエン酸還元法による高濃度金コロイド溶液の調製
精製水100μLにクエン酸ナトリウム水溶液(0.05mmol/ml)800μLを加え、この溶液に、さらに四塩化金酸水溶液(0.1mmol/mL)100μLを添加して、1時間加熱還流した。加熱還流中にルビーレッド色の溶液となったが、ガラス容器の底に茶褐色の沈殿が生成した。
比較例5
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを28.1mgを精製水750μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)50μLを添加し攪拌した。激しく攪拌しながら、塩化金酸水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。金イオンの濃度が同じになるように実施例3の水酸化ナトリウム溶液の代わりに精製水10μLを添加した。希釈せずにそのまま光路長10mmのセルを用いてスペクトルを測定した(図5)。
比較例6
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを3.5mgを精製水400μLに溶解した。次いで、この溶液にヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを添加し攪拌した。そして、10N水酸化ナトリウム水溶液を水酸化ナトリウム水溶液0〜5μLまたは1N塩酸水溶液0〜20μLを添加しpHを10.9、10.0、9.01、8.1、7.0、6.0、4.0、2.3、1.1に調整した。激しく攪拌しながら、攪拌しながら、硝酸銀水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。硝酸銀溶液を添加すると前記溶液はいずれも、懸濁した。
比較例7
分子量5000(g/mol)のMeO−PEG−SHを3.5mgを精製水445μLに溶解し、10N水酸化ナトリウム水溶液を5μL添加してpH13.1に調整した。この水溶液に攪拌しながら、硝酸銀水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。硝酸銀水溶液を添加後、5分程度で溶液は濁り始め、乳黄色を呈した。
比較例8
精製水445μLとヒドロキシルアミン溶液(0.2mmol/mL)25μLを混合し、10N水酸化ナトリウム水溶液を5μL添加してpH13.0に調整した。この水溶液に攪拌しながら、硝酸銀水溶液(0.1mmol/mL)50μLを添加した。硝酸銀水溶液を添加後すぐに黒色の沈殿が生成した。
図1は実施例1に記載の▲10▼,▲11▼,▲12▼の金コロイドの分光スペクトルを示す。
図2は実施例1に記載の▲14▼,▲15▼,▲16▼の金コロイドの分光スペクトルを示す。
図3は実施例1に記載の▲18▼,▲19▼,▲20▼の金コロイドの分光スペクトルを示す。
図4は実施例2に記載のpH13.0およびpH12.1の場合の金コロイドの分光スペクトルを示す。
図5は実施例3および比較実施例4の金コロイドの分光スペクトルを示す。
図6は実施例4に記載のpH13およびpH12の場合の銀コロイドの分光スペクトルを示す。
図7は実施例5に記載の銀コロイドの分光スペクトルを示す。

Claims (11)

  1. アミン化合物と水溶性ポリマーとを含む液中に金属コロイドが分散していることを特徴とする金属コロイド分散液。
  2. アミン化合物と、請求項1に記載の水溶性ポリマーであるポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG−S−S−PEG−R’およびまたはポリエチレングリコール誘導体PEHA−Phenyl−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG/PAMA(RおよびR’は、アセタール、アルデヒド、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、活性エステルアジド基、ビオチン基、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、核酸、アリル基、ビニルベンジル基、メタクリロイル基およびアクリロイル基からなる群から選択される官能基であり、PEGは−(CHCHO)−であり、Xは水素またはピリジルチオ基であり、PEHAはペンタエチレンヘキサミン基、PEG/PAMAはポリエチレングリコールと下記構造式化1で表されるメタクリル酸ポリマーとのブロックポリマーを示す)とを含む液中に金属コロイドが分散していることを特徴とする請求項1記載の金属コロイド分散液。
    (mは1〜10の任意の整数、R’は炭素数1〜5のアルキル基を示す)
  3. アミン化合物が、アルカノールアミン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンから選択された少なくとも1種類以上のアミン化合物である請求項1記載の金属コロイド分散液。
  4. 金属イオンが、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群より選択された少なくとも1種類以上の金属イオンである請求項1記載の金属コロイド分散液。
  5. 液の溶媒が、水および有機溶媒からなる群から選択された1種類以上の溶媒である請求項1記載の金属コロイド分散液。
  6. ポリエチレングリコール誘導体の量が、金属の量に対して、モル比で”金属のモル量”:”ポリエチレングリコール誘導体のモル量”=1:0.005〜1:2.5の範囲であって、アミン化合物の量が金属の量に対して、モル比で”金属のモル量”:”アミン化合物のモル量”=1:0.1〜1:50の範囲である請求項1記載の金属コロイド分散液。
  7. アミン化合物とポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体PEHA−Phenyl−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG/PAMAを溶媒に溶解した後、金属塩を溶媒に溶解した溶液を添加することを特徴とする請求項1記載の金属コロイド分散液の製造方法。
  8. アミン化合物とポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体PEHA−Phenyl−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG/PAMAを溶媒に溶解した溶液に塩基性化合物を添加し、溶液のpHを12以上に調整した後、金属の塩を溶解した溶液を添加する請求項7の金属コロイド分散液の製造方法。
  9. アミン化合物とポリエチレングリコール誘導体R−PEG−SXおよびまたはR−PEG−S−S−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体PEHA−Phenyl−PEG−Rおよびまたはポリエチレングリコール誘導体R−PEG/PAMAを溶媒に溶解し、次いで金属イオンの塩を溶媒に溶解した溶液を添加し、最後に塩基性化合物を添加することにより金属微粒子を形成・成長させる請求項7記載の金属コロイド分散液の製造方法。
  10. 塩基性化合物が水酸化アルカリ金属化合物である請求項7から請求項9記載の金属コロイド分散液の製造方法。
  11. 請求項1に記載の金属コロイド分散液の金属の濃度が1mM以上となるように金属イオンが添加することを特徴とする請求項7〜請求項10の金属コロイド分散液の製造方法。
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