JP4838669B2 - 風味改善剤、これを用いた風味改善方法及び飲食品 - Google Patents
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Description
ヒマワリ種子抽出物は、例えば、粉砕したヒマワリ種子を水又は含水アルコールで抽出処理して得られるものである。ヒマワリ種子抽出物としては、この抽出処理により得られた抽出液を減圧濃縮し、ペースト状又は乾燥して粉末化したものを使用する。抽出処理に使用するアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びこれらの混合物などが挙げられる。ヒマワリ抽出物は酸化防止剤として食品に利用されており、有効成分はクロロゲン酸及びイソクロロゲン酸である。ヒマワリ種子抽出物として、市販品(ヘリアントS−100(商品名)、大日本インキ化学工業株式会社)を用いてもよい。
γ−アミノ酪酸は、生物界に微量ながら広く存在する非タンパク質構成アミノ酸であり、生理的に重要な働きをする物質である。例えば、ヒトでは脳内に局在し、脳内神経伝達物質として働いていることが分かっている。また、γ−アミノ酪酸は、血圧上昇抑制作用をはじめとして、中性脂肪増加抑制作用、更年期障害症状緩和、脳機能改善作用、精神安定作用、記憶能促進など様々な機能性を有することが知られている。
テアニンは、グルタミン酸の誘導体(γ−グルタルエチルアミド)であり、天然には茶葉に多く含まれるアミノ酸成分である。テアニンの製造法は、種々の方法があり、いずれの方法を採用してもよい。テアニンの製造法としては、例えば、茶葉から抽出する方法、有機合成による方法、グルタミンとエチルアミンとの混合物にグルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法、エチルアミンを含有する培地で茶の培養細胞群を培養し、培養細胞群中のテアニン蓄積量を増加させつつ培養細胞群の増殖促進を図る方法、また、エチルアミンをエチルアミン塩酸塩などのエチルアミン誘導体に置き換えてL−テアニンを得る方法などがある。なお、テアニンの製造に使用可能な茶葉としては、緑茶葉、ウーロン茶葉、紅茶葉などが挙げられる。
ルチンは、マメ科エンジュ(Sophora japonica L.)の花や蕾、又はタデ科ソバ(Fagopyrum esculentum MOENCH)の全草、又はマメ科アズキ(Phaseolus angularis CW. WIGHT)の全草を、水又はエタノールで抽出して得られるものである。ルチンは、淡黄色から淡黄緑色を呈する結晶性の粉末であり、ほとんど無味である。ルチンは、着色料(黄色)、酸化防止剤として食品等に使用することが認められており、その構造は、フラボノールの1種であるケルセチンに、ルチノース(L−ラムノース+D−グルコース)がα−結合した、配糖体(グリコシド)である。
ルチン誘導体としては、酵素によってルチンにグルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースなどの糖質を、ルチンに対して等モル以上付加したグリコシルルチン;ルチンのフェノール性水酸基に、2,3−ジヒドロキシプロピル基又はホスフェート基又は2−ヒドロキシエチル基を導入したもの(例えばトロキセルチン等)が挙げられる。なお、グリコシルルチンの具体例としては、グルコシルルチン(グルコース2モル以上が付加した、例えばマルトシルルチンなども含む)、ガラクトシルルチン等が挙げられる。
ヘスペリジンは、ミカン科グレープフルーツ(Citrusparadisi MACF.)などの果皮、果汁又は種子を、水−エタノール又は有機溶剤で抽出し精製して得られるものである。ヘスペリジンは、微細樹枝状結晶物質であり、天然栄養強化剤としても使用されている。なお、ヘスペリジンは、ほとんど無味である。
風味改善成分としてヘスペリジン誘導体を使用する場合は、無味又は無味に近い(例えば、弱い苦味を持つ)ものであり、ヘスペリジンにメチル基、エチル基、糖類などを付加したものを採用することが好ましい。かかるヘスペリジン誘導体としては、例えば、メチルヘスペリジン、糖転位酵素によってヘスペリジンにグルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースなどの糖類の1以上を、ヘスペリジンに対して等モル以上付加したもの(例えばグルコシルヘスペリジン等)を挙げることができる。これらのうちでも、特にメチルヘスペリジン又は糖転移ヘスペリジンが好ましい。なお、高甘味度甘味料であるネオヘスペリジンジヒドロカルコンや苦味剤であるネオヘスペリジンは、風味改善成分として採用しないことが好ましい。
(a)ヒマワリ種子抽出物及びヘスペリジン誘導体、
(b)ルチン誘導体及びヘスペリジン誘導体、
(c)ヒマワリ種子抽出物及びγ−アミノ酪酸、
(d)γ−アミノ酪酸及びルチン誘導体、
(e)γ−アミノ酪酸及びヘスペリジン誘導体。
本発明の風味改善方法は、風味の改善を必要とする飲食品に風味改善剤を添加する工程を備える。加工食品の場合、風味の改善を必要とする原料に直接混合することが望ましい。ただし、混合が困難であるときには、風味の改善を必要とする原料の表面に風味改善剤の溶液を噴霧したり、このような溶液に原料を浸漬したりしてもよい。あるいは風味改善の対象食品と風味改善剤を含む粉末食品又はシート状食品とを接触させてもよい。
柑橘類加工品とは、例えばグレープフルーツ、夏みかん、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、甘夏、ハッサク、伊予柑、スウィーティー、ザボン、ライム、レモン等の原料柑橘類を加工した飲食品である。その加工形態としては、果汁、果汁含有飲料、ゼリー、ピューレ、ジャム、マーマレード、缶詰、冷菓、キャンディー、果皮の砂糖漬け、フルーツソース等が挙げられる。これらの柑橘類加工品は、原料となる柑橘類に由来する苦味や酸味等が強いが、本発明の風味改善剤を添加することによりこれらの嫌味を低減することができる。
野菜加工品とは、例えばトマトジュース、ニンジンジュース、野菜ジュース、及び豆乳などの飲料や、これらの素材を含むゼリー、ジャム等の加工品、及び漬け物、納豆、総菜のような野菜加工・調理品が挙げられる。これらの野菜加工品は原料野菜由来の青臭味、苦味、渋味、豆臭、納豆の臭み等を有するが、本発明の風味改善剤を添加することによりこれらの嫌味を低減することができる。
健康飲食品とは、例えば生薬、ビタミン、ミネラル、その他の天然成分を含む健康食品及び健康飲料などが挙げられる。このような健康飲食品の機能性素材は青臭味、苦味、渋味、薬臭等を有する。また、素材の苦味や薬臭を改善するために砂糖、ハチミツ、高甘味度甘味料などを添加し調味を行っているが、添加量によっては調味のために添加したハチミツのエグ味や高甘味度甘味料の苦味、渋味等が発現し、期待した改善効果が望めない場合もある。また、プロポリスやビタミンEの様な脂溶性の天然成分を配合する場合、乳化剤を添加するが、この乳化剤の薬臭も苦味を増強し、嫌味の原因となる。本発明の風味改善剤を添加することにより、これらの健康飲食品の持つ、青臭味、苦味、渋味、薬臭、エグ味等を低減することができる。
カカオ製品とは、例えばチョコレート、ココア及びこれらを利用した製品が挙げられる。本発明の風味改善剤を添加することにより、原料のカカオ豆に由来する苦味、渋味または酸味を低減することができる。
ハチミツ製品とは、例えばハチミツ、ハチミツ入りソース、ハチミツ入りシロップ、ハチミツ入り飲料などが挙げられる。本発明の風味改善剤を添加することにより、これらハチミツ入り製品のハチミツ由来のエグ味及びいがらっぽい味を低減することができる。
乳製品としては、発酵乳、発酵乳含有飲料、粉乳などが挙げられる。発酵乳や発酵乳含有飲料は発酵臭や、舌やのどを刺激するいがらっぽい味を有する。また、粉乳を調製する際には、乳臭さが増強され、また加工臭が付加される。本発明の風味改善剤を添加することにより、このような発酵臭、いがらっぽい味、加工臭、乳臭さを低減することができる。
コーヒーまたはコーヒー含有飲料としては、例えばコーヒー牛乳、缶入りコーヒー、缶入りミルクコーヒー、コーヒーゼリー、コーヒー入り菓子などが挙げられる。これらはコーヒー由来の苦味、渋味及び酸味を有する。本発明の風味改善剤を添加することにより、これらの渋味、苦味及び酸味を低減することができる。また、添加量を抑えることにより、ミルクコーヒーなどの乳化剤入りコーヒー製品の乳化剤の風味を低減することができる。
本発明の風味改善剤を添加することにより、茶または茶含有飲食品の渋味、苦味を低減することができる。
本発明の風味改善剤を添加することにより、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、スクラロース、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンなどの高甘味度甘味料、及びキシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元水飴、還元麦芽糖水飴などの糖アルコールのもつ苦味、金属味を低減することができる。
本発明の風味改善剤を添加することにより、レトルト製品及び缶詰製品のレトルト臭及び缶臭を低減できる。また、レトルト及び缶詰のトマト製品及び肉製品特有の異味を低減することができる。
(実施例1a〜1e及び比較例1f〜1j)
グレープフルーツジュース(販売元:雪印乳業株式会社、商標:ドール100%ジュースグレープフルーツ)100mlに対して、上記の風味改善成分から選ばれる成分1種又は2種を混合して被検液を調製した。他方、対照としてグレープフルーツジュースに蒸留水を少量添加した被検液を調製した。そして、味覚について訓練された10人の被験者によって、グレープフルーツジュース特有の苦味及び酸味について官能検査を行った。風味の改善効果についての評価は、表1に示す5段階の評価基準に基づき行った。
(実施例2a〜2e及び比較例2f〜2j)
グレープフルーツジュースの代わりに、フリーズドライの青汁(オリヒロ株式会社製、商標:青汁スーパー)1包(2.5g)を100mlの蒸留水に溶かした青汁溶液を用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。青汁溶液を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例2a〜2eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例2f〜2iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例2jに該当する。本風味改善例においては、青汁の青臭味及び苦味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例3a〜3e及び比較例3f〜3j)
グレープフルーツジュースの代わりに、調製豆乳(マルサンアイ株式会社製)50mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。調製豆乳を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例3a〜3eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例3f〜3iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例3jに該当する。本風味改善例においては、豆乳の大豆臭及び青臭味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例4a〜4e及び比較例4f〜4j)
グレープフルーツジュースの代わりに、ローヤルゼリー含有栄養ドリンク剤(各種ビタミン、カフェイン、ローヤルゼリー、各種漢方エキス、ハチミツ配合、ローヤル薬品工業株式会社製、商標:ローヤルゼリンゴールド、医薬品)30mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。ローヤルゼリー含有栄養ドリンク剤を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例4a〜4eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例4f〜4iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例4jに該当する。本風味改善例においては、ローヤルゼリー含有栄養ドリンク剤のビタミンの味、エグ味及び刺激味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例5a〜5e及び比較例5f〜5j)
グレープフルーツジュースの代わりに、高麗人参濃縮液(韓国産、高麗人参製造株式会社製)0.2gに蒸留水を添加して48mlとした高麗人参含有液を用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。高麗人参濃縮液を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例5a〜5eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例5f〜5iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例5jに該当する。本風味改善例においては、高麗人参含有液の苦味、渋味、嫌味及び高麗人参臭について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例6a〜6e及び比較例6f〜6j)
グレープフルーツジュースの代わりに、プロポリスエキス(オリヒロ株式会社製、商標:プロポリスエキスリキッド)1mlを蒸留水で1000mlに希釈したプロポリスエキス溶液50mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。プロポリスエキス溶液を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例6a〜6eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例6f〜6iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例6jに該当する。本風味改善例においては、プロポリスエキス溶液の苦味、嫌味、薬品臭及び刺激味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。なお、プロポリスエキスは水に不溶性であるため、通常プロポリス製品はエタノールと乳化剤とを含有する。特に、本風味改善例において用いたプロポリスエキスはエキス濃度が20%(質量/体積)であるため、高いエタノール含量(56%(体積/体積))と乳化剤の含有による苦味、嫌味が強いものである。
(実施例7a〜7e及び比較例7f〜7j)
グレープフルーツジュースの代わりに、純ココア(発売元:片岡物産株式会社、商標:バンホーテンココア)4gを熱湯120mlで溶かした後、冷却して得たココア飲料100mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。ココア飲料を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例7a〜7eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例7f〜7iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例7jに該当する。本風味改善例においては、ココア飲料の苦味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例8a〜8e及び比較例8f〜8j)
グレープフルーツジュースの代わりに、ハチミツ(株式会社加藤美蜂園本舗製)30gを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。ハチミツを質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例8a〜8eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例8f〜8iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例8jに該当する。本風味改善例においては、ハチミツのエグ味、渋味及びいがらっぽい味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例9a〜9e及び比較例9f〜9j)
グレープフルーツジュースの代わりに、乳酸菌飲料(カルピス株式会社製、商標:アミールS)100mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。乳酸菌飲料を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例9a〜9eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例9f〜9iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例9jに該当する。本風味改善例においては、乳酸菌飲料のとげとげしい酸味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例10a〜10e及び比較例10f〜10j)
グレープフルーツジュースの代わりに、発酵乳((東洋醗酵乳株式会社製、商標:キュート(プレーン))50mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。発酵乳を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例10a〜10eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例10f〜10iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例10jに該当する。本風味改善例においては、発酵乳のいがいがする酸味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例11a〜11e及び比較例11f〜11j)
グレープフルーツジュースの代わりに、無糖コーヒー(サントリー株式会社製、商標:ボス・ブラック)100mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。無糖コーヒーを質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例11a〜11eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例11f〜11iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例11jに該当する。本風味改善例においては、無糖コーヒーの苦味及び渋味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例12a〜12e及び比較例12f〜12j)
グレープフルーツジュースの代わりに、緑茶4gに対して沸騰した蒸留水150mlを添加し、3分間抽出した後、これを茶こしでこして得られた緑茶抽出液50mlを冷却したものを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。緑茶抽出液を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例12a〜12eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例12f〜12iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例12jに該当する。本風味改善例においては、緑茶抽出液の苦味及び渋味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例13a〜13e及び比較例13f〜13j)
グレープフルーツジュースの代わりに、アスパルテームの0.025質量%水溶液100mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。なお、このアスパルテーム0.025質量%水溶液は、蔗糖の5質量%溶液と等甘味度である。このアスパルテーム水溶液を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例13a〜13eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例13f〜13iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例13jに該当する。本風味改善例においては、アスパルテーム水溶液の後味、苦味及び金属味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例14a〜14e及び比較例14f〜14j)
グレープフルーツジュースの代わりに、ステビア甘味料(守田化学工業株式会社製、商標:SKスイートZ3)の0.033質量%水溶液100mlを用いたことの他は、上記のグレープフルーツジュースの風味改善例と同様にして、被検液を調製した。なお、このステビア甘味料0.033質量%水溶液は、蔗糖の5質量%溶液と等甘味度である。このステビア甘味料水溶液を質量基準として、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例14a〜14eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例14f〜14iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例14jに該当する。本風味改善例においては、ステビア甘味料水溶液の後味、苦味及び金属味について、10人の被験者による官能試験を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例15a〜15e及び比較例15f〜15j)
ニガウリを用意し、これを縦半分に切断した。種の部分を取り除いた後、2〜3mmの厚さとなるように斜め切りにした。斜め切りにしたニガウリを軽く塩でもみ、10分間ほどおいた。その後、ニガウリをサラダオイル大さじ2/3で炒め、しんなりしたとことでしょうゆ大さじ1、酒大さじ1で味付けし、仕上げに鰹節(5g)で和えた。更に、風味改善成分から選ばれる成分1種又は2種を添加して、被検サンプルとした。他方、対照として鰹節で和えた後に蒸留水を少量添加した被検サンプルを準備した。
(実施例16a〜16e及び比較例16f〜16j)
市販の小分けされた納豆(タカノフーズ株式会社製、商標:おかめ納豆)1カップ(30g)を準備した。この納豆に対して風味改善成分から選ばれる成分1種又は2種を添加した。また、当該納豆に対して蒸留水を少量添加したものを対照として準備した。納豆の全質量基準をとして、表2に示す添加成分組成a〜eを添加した風味改善例が実施例16a〜16eにそれぞれ該当し、添加成分組成f〜iを添加した風味改善例が比較例16f〜16iにそれぞれ該当する。更に、対照として蒸留水を添加したものが比較例16jに該当する。納豆特有の納豆臭について、10人の被験者による官能検査を表1の評価基準に基づき行った。
(実施例17a〜17e及び比較例17f〜17j)
レトルト食品のスープ(ハインツ日本株式会社製、商標:冷たいジャガイモのスープ)を用い、冷えたレトルト食品のレトルト臭などに対する風味改善剤の効果を調べた。なお、本風味改善例は、既にレトルト臭が発生している市販のレトルト食品に対して風味改善剤を添加し、これを加熱処理するものであり、風味改善剤の熱安定性について確認することも目的とする。
(実施例18a〜18e及び比較例18f〜18j)
レトルト食品のおかゆ(味の素株式会社製、商標:ちゃんとごはん白がゆ)を用い、シンプルな素材のレトルト食品のレトルト臭に対する風味改善剤の効果を調べた。なお、本風味改善例は、既にレトルト臭が発生している市販のレトルト食品に対して風味改善剤を添加し、これを加熱処理するものであり、風味改善剤の熱安定性について確認することも目的とする。
(実施例19a〜19e及び比較例19f〜19j)
レトルト食品のミートソース(日清製粉株式会社製、商標:ママーミートソース)を用い、トマトを素材として使用しているレトルト食品に対する風味改善剤の効果を調べた。なお、本風味改善例は、既にレトルト臭が発生している市販のレトルト食品に対して風味改善剤を添加し、これを加熱処理するものであり、風味改善剤の熱安定性について確認することも目的とする。
(実施例20a〜20e及び比較例20f〜20j)
レトルト食品のハヤシソース(明治製菓株式会社製、商標:銀座ハヤシ)を用い、肉を素材として使用しているレトルト食品に対する風味改善剤の効果を調べた。なお、本風味改善例は、既にレトルト臭が発生している市販のレトルト食品に対して風味改善剤を添加し、これを加熱処理するものであり、風味改善剤の熱安定性について確認することも目的とする。
Claims (5)
- 飲食品の風味改善のために使用される風味改善剤であって、
γ−アミノ酪酸と、
ヒマワリ種子抽出物及びヘスペリジン誘導体の少なくとも一方と、
を含有する風味改善剤。 - 前記ヘスペリジン誘導体は糖転移ヘスペリジンである、請求項1に記載の風味改善剤。
- 前記飲食品の風味改善は、苦味、酸味、渋味、エグ味、いがらっぽい味、青臭味、金属味及びレトルト食品特有の臭いからなる群より選ばれる少なくとも一つの風味の低減である、請求項1又は2に記載の風味改善剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味改善剤を、飲食品に添加する工程を備える風味改善方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味改善剤が添加された飲食品。
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