JP4831672B2 - 水道メータシステム及びこれを利用した異物除去方法、漏水検査方法、水質検査方法 - Google Patents
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請求項1の水道メータシステムで水道水の通過体積を計測する場合には、回動筒部を第1の位置に配置する。すると水道水は、一方の端部流路及び中継流路を通って水道メータ内に流入し、水道メータから他方の中継流路及び端部流路を通って水道メータシステムの下流側に流出する。これにより、1対の端部流路間を流れる水道水の通過体積が水道メータにて計量される。
請求項2及び3の発明によれば、OリングとOリング離脱防止壁との摺動がスムーズに行われ、回動筒部をメータ受容部内でスムーズに回動させることができる。
請求項5の発明によれば、回動筒部の外側面から突出した側面突出部内に逆止弁の設置スペースが確保され、水道水の逆流が防がれる。また、逆止弁は着脱可能なので、回動筒部から取り外して交換したりメンテナンスを行うことができる。
請求項6の発明によれば、中間金具の外側から円弧状加工孔を通して工具を挿入し、膨出円弧内側面を加工することができる。また、円弧状加工孔を蓋体で閉塞することで円弧状加工孔からの漏水を防止できる。
請求項7の発明によれば、回動筒部を確実に第1の位置と第2の位置とに位置決めすることができ、回動筒部を第1の位置と第2の位置の中間位置で止めてしまうという作業ミスを防げる。
回動筒部を回動操作する場合には、入力ギヤに力を付与して入力ギヤを回転させる。すると、入力ギヤに連結された出力ギヤが連動回転して、回動筒部がメータ受容部の内側で回動する。ここで、入力ギヤから出力ギヤに回転が減速して伝達されるので、回動筒部に力を直接付与して回動操作する場合に比べて小さい力で回動筒部を回動させることができ、回動筒部の回動時に水道管にかかる力を軽減できる。これにより、水道メータの着脱時に老朽化した水道管を破損することが防止される。なお、入力ギヤの回転中心に操作ハンドルを備えて、手動で入力ギヤを回転可能としてもよいし、電動式の工具回転機の回転トルクを利用して入力ギヤを回動させてもよい。
請求項9の発明によれば、入力ギヤ及び出力ギヤが交換可能となる。また、1つの入力ギヤ及び出力ギヤを複数の水道メータシステム間で共通使用することができる。さらに、例えば、水道メータの交換・メンテナンス時以外は、入力ギヤ及び出力ギヤを取り外しておけば、不正に回動筒部が回動操作されたり、水道メータが着脱されることを防止できる。
請求項10の構成によれば、入力ギヤと出力ギヤを共に平ギヤとした場合に比較して、入力ギヤと出力ギヤとの間で回転をより大きく減速させることができ、さらに小さい力で回動筒部を回動させることができる。
請求項11の発明によれば、メータ受容部に流れ込んだ水道水の水圧により回動筒部の軸方向にかかる力が1対のOリングの摩擦力によって吸収される。これにより、回動筒部の軸方向の一端部を中間金具の内面に押しつける力を弱める或いはなくすことができ、回動筒部をスムーズに回動させることが可能となる。
請求項12の水道メータシステムでは、回動筒部が第1の位置に配置された場合に、1対の端部流路と、1対の中継流路と、計測流路とが同軸線上に配置されるので水道水をスムーズに流すことができる。
請求項13の発明によれば、凹部と凸部とが凹凸係合するように水道メータを回動筒部の内部に挿入すると、1対の中継流路と計測流路とが同軸線上に位置決めされる。また、回動筒部と水道メータとの相対回転も禁止されるから、計測流路と1対の中継流路とを常時連通させることができる。
請求項14の発明によれば、回動筒部を第2の位置にして端部流路と中継流路との間が断絶された場合に、バイパス流路によって1対の端部流路間が連絡されるので、断水することなく水道メータを着脱することができる。また、回動筒部を第1の位置にした場合に、バイパス流路は、1対の端部流路から切り離されるので、全ての水道水を計測流路に通水させることができ、通過体積の計量を正確に行うことができる。しかも、バイパス流路は回動筒部とケース受容部との間に形成されたので、1対の端部流路の間を配管部材で連絡した構成に比較して、部品点数の削減が図られ、水道メータシステムの寸法を小さくすることができる。
請求項15の発明によれば、経年使用による中間金具の腐食や減耗を防止することができ、Oリングとの当接部分におけるシール性を維持することができる。
請求項16の発明によれば、水道メータシステムを利用して水道水中の異物を除去することができる。即ち、水道メータシステムから水道メータを取り外し、代わりにフィルター装置を取り付けて通水する。このようにすれば、例えば、水道管工事などにより水道水に異物(泥や錆)が混じった場合でも、フィルター装置でそれら異物を除去してユーザーに供給することができる。
請求項17の発明によれば、水道メータシステムを利用して水道管の漏水検査を行うことができる。即ち、水道メータシステムから水道メータを取り外し、代わりに漏水検査装置を取り付ける。なお、漏水検査装置は、例えば、漏水時に水道管を伝わる振動に基づいて漏水を検出する構成とすればよい。
請求項18の発明によれば、水道メータシステムを利用して水道水の水質を検査することができる。即ち、水道メータシステムから水道メータを取り外し、代わりに水質検査装置を取り付けて通水する。これにより、ユーザーに水道水を供給する給水栓(蛇口)に近い位置で水質検査を行うことができる。
本実施形態の水道メータシステム100を使用して水道水の通過体積を計測するときには、回動筒部30を通水位置に配置する。すると、図1及び図2に示すように、中間金具10の上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、回動筒部30の上流側中継流路35及び下流側中継流路32Aと、水道メータ20の計測流路21とが同軸線上に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に流れて、計測流路21を通過する水道水の通過体積が計量される。このとき上流側端部流路12と上流側中継流路35の間、及び下流側中継流路32Aと下流側端部流路13の間は、それぞれOリング82,83によってシールされているので、水道水が回動筒部30とメータ受容部11との間に漏れ出すことはない。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
11 メータ受容部
11J,11K 水道管接続部
12 上流側端部流路(端部流路)
13 下流側端部流路(端部流路)
20 水道メータ
20B 段付突出部(凸部)
21 計測流路
30 回動筒部
31B 段付膨出部(凹部)
32 側面突出筒部(側面突出部)
32A 下流側中継流路(中継流路)
35 上流側中継流路(中継流路)
38 逆止弁
39 バイパス流路
40 側方膨出部
41 膨出円弧内側面
43 円弧壁
44 円弧状加工孔
45 蓋体
47,47 角部内面(ストッパ部)
50 リング離脱防止壁
51 取付筒体
52 円弧状摺動面
62 ウォームホイール(出力ギヤ)
64 ウォームギヤ(入力ギヤ)
70 フィルターユニット(フィルター装置)
71 漏水検査ユニット(漏水検査装置)
72 水質検査ユニット(水質検査装置)
82,83 Oリング
92,93 Oリング溝
100 水道メータシステム
Claims (18)
- 水道メータを中間金具に組み付けてなる水道メータシステムであって、前記中間金具には、水道管に接続される1対の水道管接続部と、前記水道メータを着脱可能に受容したメータ受容部と、前記1対の水道管接続部内を貫通して前記メータ受容部内に連通した1対の端部流路とが形成され、水道水が一方の前記端部流路から前記水道メータを通過して他方の前記端部流路に流れるようにした水道メータシステムにおいて、
前記メータ受容部の内側に嵌合されて前記水道メータを受容しかつ、前記メータ受容部に対して第1の位置と第2の位置との間で回動操作可能な回動筒部と、
前記回動筒部に形成されて、前記回動筒部が前記第1の位置に配置された状態で前記1対の端部流路にそれぞれ連通すると共に、前記回動筒部が前記第2の位置に配置された状態で前記1対の端部流路から断絶される1対の中継流路とを備え、
前記端部流路又は前記中継流路の一方の開口周縁に形成されたOリング溝及び前記Oリング溝に収容されたOリングと、
前記端部流路又は前記中継流路の他方の開口内に形成されて、前記回動筒部を回動したときに前記Oリングに摺動して前記Oリング溝からの前記Oリングの離脱を防止するOリング離脱防止壁とが設けられたことを特徴とする水道メータシステム。 - 前記Oリング離脱防止壁は、前記回動筒部の回動方向に差し渡されかつ、前記Oリングとの摺動部分に前記回動筒部の回動中心と同心の円弧状摺動面を備えたことを特徴とする請求項1に記載の水道メータシステム。
- 前記Oリング離脱防止壁は前記端部流路の開口内に形成され、前記円弧状摺動面と前記メータ受容部の内側面とが面一であることを特徴とする請求項2に記載の水道メータシステム。
- 前記水道管接続部の内側に嵌合して固定された取付筒体を備え、前記取付筒体に前記Oリング離脱防止壁を一体形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水道メータシステム。
- 前記回動筒部の外側面から突出しかつ内部を前記中継流路が貫通した側面突出部と、
前記側面突出部の内側の前記中継流路に着脱可能に設けられた逆止弁と、
前記メータ受容部の側壁の一部を外側に膨出させかつ前記回動筒部の回動方向に延びて内側に前記側面突出部を旋回可能に収容した側方膨出部とを備えると共に、
前記側面突出部の先端面のうち前記中継流路の開口縁に前記Oリング溝及び前記Oリングを設け、
前記側方膨出部のうち前記側面突出部の先端部が突き合わされた部分に、前記回動筒部の回動中心と同心の膨出円弧内側面を形成し、
その膨出円弧内側面の一部に前記端部流路が開口したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の水道メータシステム。 - 前記側方膨出部のうち前記回動筒部の軸方向を向いた円弧壁に、前記膨出円弧内側面を加工するための円弧状加工孔を形成すると共に、前記円弧状加工孔を蓋体で閉塞したことを特徴とする請求項5に記載の水道メータシステム。
- 前記側方膨出部には、前記側面突出部と当接して前記回動筒部を前記第1の位置と第2の位置とに位置決めするストッパ部が設けられたことを特徴とする請求項5又は6に記載の水道メータシステム。
- 前記回動筒部の端部に設けられ、前記回動筒部と一体回転する出力ギヤと、
前記出力ギヤに連結されかつ前記中間金具に回転可能に軸支され、外部から付与された力により回動される入力ギヤとを設け、前記入力ギヤから前記出力ギヤに回転が減速して伝達されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の水道メータシステム。 - 前記出力ギヤは、前記回動筒部に対して着脱可能に設けられ、前記入力ギヤは、前記中間金具に対して着脱可能に設けられたことを特徴とする請求項8に記載の水道メータシステム。
- 前記入力ギヤは、ウォームギヤであり、前記出力ギヤは、前記ウォームギヤが直接噛合したウォームホイールであることを特徴とする請求項8又は9に記載の水道メータシステム。
- 前記回動筒部の外側面と前記メータ受容部の内側面との間には、前記1対の端部流路を前記回動筒部の軸方向で挟むように1対のOリングが設けられたことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の水道メータシステム。
- 前記水道メータは、前記回動筒部の内部に嵌合される円柱形状をなしかつその径方向に貫通した計測流路を有し、前記計測流路を流れる水道水の通過体積を、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量するように構成され、
前記回動筒部が前記第1の位置に配置された場合に、前記1対の端部流路と、前記1対の中継流路と、前記計量流路とが同軸線上に配置されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の水道メータシステム。 - 前記回動筒部と前記水道メータとの間には、前記回動筒部の内部への前記水道メータの挿抜を許容する一方、前記水道メータが前記回動筒部に挿入されたときに、前記1対の中継流路と前記計測流路とが同軸線上に配置されるように係合する凸部及び凹部が備えられたことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の水道メータシステム。
- 前記回動筒部の外周面と前記メータ受容部の内周面との間に形成されて、前記回動筒部が前記第2の位置に配置された場合に、前記1対の端部流路の間を連絡する一方、
前記回動筒部が前記第1の位置に配置された場合に、前記1対の端部流路から切り離されるバイパス流路を備えたことを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の水道メータシステム。 - 前記中間金具は、ステンレス鋼製であることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の水道メータシステム。
- 請求項1乃至15の何れかに記載の水道メータシステムに備えた前記水道メータの代わりにフィルター装置を前記回動筒部の内側に受容させ、そのフィルター装置に通水することで水道水中の異物を除去することを特徴とする水道メータシステムを利用した異物除去方法。
- 請求項1乃至15の何れかに記載の水道メータシステムに備えた前記水道メータの代わりに漏水検査装置を前記回動筒部の内側に受容させ、その漏水検査装置によって水道管における漏水の有無を検査することを特徴とする水道メータシステムを利用した漏水検査方法。
- 請求項1乃至15の何れかに記載の水道メータシステムに備えた前記水道メータの代わりに水質検査装置を前記回動筒部の内側に受容させ、その水質検査装置に通水することで水道水の水質を検査することを特徴とする水道メータシステムを利用した水質検査方法。
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