以下に、本発明の実施形態例を図面に基いて説明する。図1〜図6は本発明に係る流量メータ設置ユニットの第1の実施形態例を示す。本実施形態例の流量メータ設置ユニット20は搭載架台21と流入路形成部材22と流出路形成部材23とを有し、流入路形成部材22と流出路形成部材23の間に流量メータとしての水量メータ24を着脱可能に挟持固定する構成のものである。搭載架台21は、鋳物や、ポリカーボネート等の機械的強度の強い合成樹脂によって形成することも可能であるが、図示の例ではステンレス等の金属板25により形成されている。
図4は金属板25によって形成した搭載架台21の斜視図を示すもので、金属板25の幅方向中央部の長手方向全長にわたって搭載面26と成し、搭載面26の中央部を水量メータ24の設置領域とし、この水量メータ24の設置領域に深絞り加工を施して下方へ皿上に窪む凹部27が形成されている。この凹部27の長手方向に間隔を介して対向する辺28a、28bの近傍の搭載面26の幅方向中央位置には係止穴29a、29bが形成されており、これらの係止穴29a、29bよりもそれぞれ外側寄りとなる搭載面26の位置に複数(図では4個ずつの合計8個)のねじ穴30a、30bが形成されている。
金属板25は搭載面26の幅方向両端側位置から下方に折曲されて起立側板31a、31bが形成され、この起立側板31a、31bの下端部は外向きに折り曲げられて足板部32a、32bが形成されている。また、足板部32a、32bにはそれぞれアンカーボルト(図示せず)が挿通する取り付け穴33が複数箇所(図ではそれぞれ2箇所)に設けられ、この取り付け穴33にアンカーボルトを通して搭載架台21は床面に固定される構成と成している。
流入路形成部材22は流入側ベース部材34とユニット弁35と流入側接続部材36とを一体的に接続して構成されている。流入側ベース部材34は図5に示されるような形態を成し、例えば、鋳物によって形成される。図1(a)、図5を参照して、流入側ベース部材34の下部側内部には後方側に設けたシャフト挿通穴37と前方側に設けたスライド部材収容空間(スライド部材収容室)38とがそれぞれ水平方向に直列接続した形態で連通し、両者37、38の境界部には上方に突き出す連結筒部39が形成されている。この連結筒部39の上端側周面にはOリング収容溝が周設され、そのOリング収容溝内にOリング40が収容され、Oリング収容溝のやや下方位置にはピン挿通溝41が周設されている。なお、図5においては、Oリング40、ピン挿通溝41の図示は省略されている。
前記スライド部材収容空間38にはスライド部材42が収容されている。スライド部材42は先端を開口した管形状を呈し、管孔の後端側は後端壁43によって閉鎖されている。スライド部材42の側壁には透孔44が形成され、この透孔44を介してスライド部材42の内部の管孔の流路45は連結筒部39の筒孔110に連通している。なお、スライド部材42の外周面には適宜の位置にOリング収容溝が周設され、それらの溝にOリング46が収容されることで、スライド部材収容空間38と外部との水密が達成されている。スライド部材42の先端面(先端部)は水量メータ24の流入端を受ける受け面(受け部)48と成し、この受け面48にはOリング収容溝が形成され、この溝にOリング47が収容されている。
前記シャフト挿通穴37には駆動シャフト49が後端側から挿入され、その駆動シャフト49の先端側にはスライド部材42が連結されている。この連結構造は特に限定されずに各種の公知の手段が採用可能であり、図示の例では、スライド部材42の後端壁43にねじ挿通孔を形成し、スライド部材42の内側からねじ50をねじ挿通孔に通し、ねじ50を駆動シャフト49の先端面に設けたねじ孔に螺合することで、駆動シャフト49とスライド部材42との連結が達成されている。この連結状態で、スライド部材42は駆動シャフト49に対して相対回転が自在と成している。なお、駆動シャフト49の外周面にもOリング収容溝が周設され、その溝にOリング51が収容されることで、駆動シャフト49の水密挿入が達成されている。
駆動シャフト49の基端側(後端側)はシャフト挿通穴37から外側(後方側)に突き出されており、その突き出された駆動シャフト49の基端側に円形のハンドル52が取り付け固定されている。また、シャフト挿通穴37の一部(図では後端部)には雌ねじ53が形成され、駆動シャフト49の外周には雌ねじ53に対応する区間に雄ねじ54が形成され、ハンドル52の正逆所望方向の回転操作による雌ねじ53と雄ねじ54の螺合回転によって、スライド部材42の進退スライド移動が行なわれる構成と成している。
図5に示されるように、流入側ベース部材34の前方側にはスライド部材収容空間38の穴の下半部壁部が上半部壁部よりもさらに前方に突き出した支持受け部57が形成され、支持受け部57の前端底部には下向きに突き出す係止顎58が設けられている。この係止顎58は搭載架台21の搭載面26の定位置に搭載された状態で、係止穴29aに挿入されるものである。支持受け部57の支持面59は水量メータ24の流入端側の下面部位を受け止め支持する凹曲面と成し、図示の例では凹曲の形状は水量メータ24の曲面形状に対応(整合)させてある。
流入側ベース部材34の底部前方側の左右両側には外向きに張り出す取り付け板部55が設けられ、該取り付け板部55にはボルト挿通孔56が前記搭載面26側のねじ穴30aに対応させて設けられており、これらの各ボルト挿通孔56にボルトを差し込み、そのボルトをねじ穴30aに螺合締結することで、前記係止顎58が係止穴29aに挿入係止された状態で、流入側ベース部材34は搭載架台21の搭載面26上に固定される。このとき、それらのボルトとボルト挿通孔56とねじ穴30aとは流入路形成部材22(流入側ベース部材34)を搭載架台21に固定する締結手段を構成する。
前記ユニット弁35は弁ボデイ62に減圧弁60と流路閉止栓61を組み込んで一体化されているものであり、減圧弁60は弁ボデイ62の流路63を流れる流体(この例では水)の圧力が高くなったときには減圧弁60を通る流路面積を大きくして圧力の異常上昇を抑制する動作を行なうものであり、この種の減圧弁60の構成、機能、動作は公知であるので、その説明は省略する。
また、流路閉止栓61は操作ハンドル66を回転操作して弁体64を進出移動し、弁67を弁座65に押圧することで流路63を閉止し、操作ハンドル66を逆方向に回転することにより流路63を開放するものであり、このような流路閉止栓61の構成、機能、動作も公知であるのでその説明は省略する。
ユニット弁35の下部側の接続端部68は流入側ベース部材34側の連結筒部39にOリング40を介して水密に嵌合接続されている。接続端部68には連結筒部39側のピン挿通溝41の両側を通る間隔位置に一対の貫通孔が平行に形成されており、この対の貫通孔に接続端部68の外側からU字形状をしたピン105を貫通させて差し込むことにより、そのピン105はピン挿通溝41内を通ることとなるので、連結筒部39と接続端部68が抜け止め状態で嵌合接続し、かつ、ユニット弁35は流入側ベース部材34に対してユニット弁35の流路の中心軸(具体的には連結筒部39の中心軸)を回転中心軸として正逆回転(首振り回転)が自在の接続状態となる。
ユニット弁35の上端部と中空の流入側接続部材36の下部外周面にはそれぞれ外向きに突き出すフランジ69が形成されており、流入側接続部材36の下端部はユニット弁35の上端部の流路内壁面に嵌合し、流入側接続部材36側のフランジ69とユニット弁35側のフランジ69とが当接した状態で両フランジ69は両側から留め部材として機能するファスナ70によって挟み込み状態で止められ、これにより、流入側接続部材36はその取り付け部位におけるユニット弁35の流路の中心軸(具体的にはユニット弁35の入口側の筒部14の中心軸)を回転中心として回転が自在の接続状態と成している。このユニット弁35の上端部と流入側接続部材36との嵌合部にも水密用のOリング71が流入側接続部材36の嵌合面に周設された溝に収容されて設けられている。流入側接続部材36の上部側外周面には雄ねじ72が形成され、この雄ねじ72を利用して外部配管(図示せず)が接続される。
前記流出路形成部材23の斜視構成は図6に示されており、この流出路形成部材23は鋳物等により形成され、内部に流路73を有している。図1(a)に示されるように、この流路73の入口側には逆止弁74が配置されている。逆止弁74は周知のもので、通水停止状態にはスプリング78の付勢力でもって弁体76の弁77は弁座75に当接されているが、通水時には通水圧によって弁77が開弁方向(図1の右方向)に移動して流路(弁孔)が開放されて通水し、上流側が下流側よりも負圧化したときには弁77が閉じられて下流側から上流側へ水が逆流するのを防止する機能を有するものである。この逆止弁74が収容される流出路形成部材23の内壁面と逆止弁74の外周面との間には水密用のOリング79が逆止弁74の外周面の溝内に収容されて設けられている。
逆止弁74はその入水側の端面82が流出路形成部材23の筒状ハウジング80の入水側端面81よりも奥位置となるように筒状ハウジング80の流路73に収容されており、逆止弁74の端面82と、その端面82から入水側端面81に至る筒状ハウジング80の内周面(流路73の壁面)とは、水量メータ24の流出端側を受ける受け部83と成している。なお、水量メータ24の流出端側の端面を受ける逆止弁74の端面82にはリング状の溝が形成され、その溝にOリング84が収容され、このOリング84によって水量メータ24と逆止弁74との端面同士の水密当接が可能となっている。
筒状ハウジング80の前端(入水端)側の下部には平坦下面をもつ台座部85が設けられており、該台座部85の幅方向の両サイドには複数のねじ挿通穴86(図示の例では4個)が前記搭載架台21の搭載面26に形成されたねじ穴30bに対応する位置に形成されている。台座部85の前端部の底部からは前記搭載架台21の搭載面26に形成された係止穴29bに挿入する係止顎87が下方に向けて突き出し形成されている。
流出路形成部材23の台座部85は搭載架台21のねじ穴30a、30bが形成されている側の搭載面26の上側に搭載され、係止顎87を係止穴29bに挿入して係止した状態で、ねじ挿通穴86に取り付けボルト(図示せず)を通しその取り付けボルトをねじ穴30bに螺合締結することで、流出路形成部材23は搭載架台21の搭載面26上に固定されている。
台座部85の上面の中央部には筒状ハウジング80の入水側端面81から前端にかけて凹面状の支持受け面88が形成されている。この支持受け面88は水量メータ24の流出端側の下面を載置支持する面として機能し、一形態として支持受け面88の凹面は支持される水量メータ24の流出端側の下面の形状に整合した形状にするが、勿論、この形状に限定されない。
図6に例示された流出路形成部材23においては、支持受け面88の前端(先端)部に逃げ凹部89が形成されている。水量メータ24には上流側と下流側(入水側と流出側)の区別をするために水量メータ24の底部に上流側と下流側の一方側(ここに示す例では下流側)に突起状のリブ90(図1(a)参照)が設けられる場合があり、その場合に、逃げ凹部89は、そのリブ90が支持受け面88に乗り上がらないように凹部内に収容するものである。なお、リブ90が上流側(入水側)の底部に形成されている場合は流入側ベース部材34の支持面59に逃げ凹部89を設けることとなる。
筒状ハウジング80の流出端側、つまり、流出路形成部材23の出口側には外部配管を接続するための複数(図1の例では2個)の分岐接続口91a、91bを持った接続部材92が取り付けられている。図1(a)に示されるように、この接続部材92と流出路形成部材23(筒状ハウジング80)との接続構成は前述した流入側接続部材36とユニット弁35との接続構成と同一であるので、対応する部位に同一符号を付して簡単に説明すれば、筒状ハウジング80の流出端部と接続部材92の筒部93の流入端部にそれぞれ設けたフランジ69を当接し、両フランジ69を挟み込むようにファスナ70で留め、接続部材92を筒状ハウジング80に対して回転自在に取り付ける。なお、その回転中心軸は接続部材92が取り付けられる筒状ハウジング80の出側の流路73の中心軸である。なお、筒状ハウジング80の出口の内壁面(流路73の壁面)と接続部材92の入水端側の筒部93との嵌合当接面の水密はOリング71により達成されている。
接続部材92のそれぞれの分岐接続口91a、91bには雌ねじ94が形成されており、この雌ねじ94を利用して分岐接続口91a、91bは対応する外部配管(図示せず)に接続される。なお、分岐接続口91a、91bのうちの一方に外部配管が接続されない場合にはその分岐接続口に閉止栓が取り付けられて流路端は閉止される。
図7〜図10は流出路形成部材23と、その流路の出口側に接続される接続部材92との他の各種タイプ例を示す。図7に示す接続部材92は流出路形成部材23の流路73の中心軸に直交する方向に分岐接続口91aを設け、前記流路73の中心軸の延長方向に分岐接続口91bを設けたものである。図8に示すものは、流出路形成部材23の流路73の出口側の筒状ハウジング80を鉛直方向に曲げ、その流路73の出口側に図7に示すタイプと同じ接続部材92を取り付けたものである。
図9に示すものは、流出路形成部材23の筒状ハウジング80の流路73の中心軸に沿う出口を外部配管の接続口95と成し、筒状ハウジング80の長手方向の中央部に前記流路軸に直交する方向に接続部材92との接続口を設け、その接続口に接続部材92を取り付けて成るもので、その接続部材92は外部配管との接続口91を1つとしたものである。図10に示すものは、流出路形成部材23の筒状ハウジング80の流路の中心軸に沿う出口部と、筒状ハウジング80の長手方向の中央部に前記流路軸に直交する方向に延設した筒部の流路出口部とにそれぞれ1つの外部配管接続用の接続口91を持った接続部材92a、92bを取り付けたものである。これら図7〜図10において、接続部材92(92a、92b)は何れもその接続部材92(92a、92b)が取り付けられる流出路形成部材23側の流路73の出口側の中心軸(中心線)に対して回転自在に取り付けられている。
これら図7〜図9に示すように、各使用要求(仕様)に応じ、流出路形成部材23(筒状ハウジング80)の形状と、筒状ハウジング80の流路の出口に取り付けられる接続部材の形態は様々に変形し得るものである。
図1(a)は流量メータ設置ユニット20に水量メータ24が設置されている状態を示し、この状態で、流入側接続部材36と接続部材92に外部配管(図示せず)が接続されている。この外部配管の接続状態で、水量メータ24を交換するときの動作を次に説明する。図1(a)の状態から水量メータ24を取り外すに際して、先ず、ハンドル52を逆回転(反時計回転)操作する。このハンドル52の逆回転によって駆動シャフト49の雄ねじ54がシャフト挿通穴37側の雌ねじ53に対し抜け出し方向に螺合回転し、駆動シャフト49は抜け出し方向(図1(a)の左方向)に移動する。そして、駆動シャフト49に連結されているスライド部材42が後退方向にスライド移動して図3に示されるように、スライド部材42の受け面48と水量メータ24の流入端との間に水量メータ24を取り外すのに必要な間隙Cが形成される。
この時点で、ハンドル52の回転操作を停止し、水量メータ24を取り外す。新規の水量メータ24を取り付ける場合は、水量メータ24の流出端側を流出路形成部材23側の受け部83へ嵌合して逆止弁74の端面82へ当接し、水量メータ24の流出端側の下面は台座部85の支持受け面88へ載せ、水量メータ24の流入端側の下面は支持受け部57の支持面59へ載せてセットする。その状態でハンドル52を正方向に回転操作をすることにより、水量メータ24を取り外す場合と逆の動作によって駆動シャフト49およびスライド部材42が進出移動し、スライド部材42の受け面48が水量メータ24の流入端の端面に圧接し、水量メータ24の取り付けが完了する。
この水量メータ24の取り付け状態においては、水量メータ24の両端側が流入路形成部材22側の受け面48と流出路形成部材23側の受け部83の端面82に圧接しているので、流入路形成部材22と流出路形成部材23にはその圧接の力が両部材22、23を外側へ、つまり、図1(a)において流入路形成部材22に対しては左側へ、流出路形成部材23に対しては右側へ、押し込む方向に掛かる。しかし、本実施形態例では、流入路形成部材22と流出路形成部材23の係止顎58、87が搭載架台21の搭載面26に形成された対応する係止穴29a、29bに係止されているので、その押し込みの力は係止穴29a、29bの係止面によって確実に受け止められ、押し込み力が外部配管側へ伝わるのを確実に防止できる。
また、その押し込み力を搭載面26自体によって、より具体的には、搭載面26に設けた係止穴29a、29bの係止面によって、受け止める構成としたので、搭載架台21を形成する金属板25の厚みが薄いものであっても押し込み力に十分対抗できる機械的強度を確保することができ、次の交換時まで水量メータ24の設置状態を長期に保持していても係止穴29a、29b間の距離が経時変化によって変化することがないので、流入路形成部材22と流出路形成部材23の水量メータ24の受け部間の間隔が変化しないこととなり、これにより水量メータ24を緩みなく安定に保持することが可能となる。また、水量メータ24を保持する前記押し込み方向の力は係止顎58、87と係止穴29a、29bとの係止により搭載面26自体によって保持されるので、流入路形成部材22と流出路形成部材23を搭載面26に締結するボルトはこれらの部材22、23が搭載面26から浮き上がるのを防止する程度の締結力でよいので、ボルトの小型化、軽量化を図ることができるという効果が得られるものである。
特に、本実施形態例においては、図4に示すように、搭載架台21は金属板25を折り曲げ加工して形成されているが、その折り曲げ線Aは水量メータ24を保持する前記押し込み方向(流入路形成部材22と流出路形成部材23の受け部を直線で結ぶ方向)に対して平行状となっているので、押し込み力によって搭載架台21が曲げ変形することがない。押し込み力に平行方向の曲げ線を折り目とする曲げ部が形成され、その上、深絞り加工によって搭載面26に凹部27が形成されることによって、前記押し込み力に対する機械的強度(対抗強度)をより一層高めることができる。
また、ハンドル52は流入路形成部材22(流入側ベース部材34)の外側に突き出した駆動シャフト49の基端部(基端側)に設けられるので、ハンドル52を操作するのに必要な十分のスペースを確保でき、ハンドル52の操作がし易い上に、ハンドル52の直径の大きさを大きくできるので、小さい力でハンドル52の回転操作を行なうことができるので、水量メータ24の設置時、交換時におけるハンドルの操作性を十分に高めることができ、作業が非常に容易となる。
さらに、前記の如く、搭載架台21の搭載面26には水量メータ24の下方位置に凹部27を形成したので、図1(a)に示されるように水量メータ24の底部を凹部27に没入した形態で水量メータ24を設置保持することができる。そのため、水量メータ24の嵩高設置を回避して設置スペースの有効利用を図ることができる。また、水量メータ24の交換時に設置されていた水量メータ24を取り外す際に、水量メータ24内等の水が外に漏れ出ても、その漏れ水は凹部27で受け止められるので、漏れ水が床を濡らしたり床にしみ込むことを防止でき、凹部27に受け止められた水は拭けば済むので、水量メータ24の交換時の漏れ水処理が容易となる。
また、冬季の凍結防止を図るため、流量メータ設置ユニット20にカバーを設ける場合、水量メータ24の底部は凹部27に没入して凹部27の壁面との間に空気層が形成されるので、凹部27の壁部(板面)は凍結防止のカバーの機能を発揮する。そのため、カバーは流量メータ設置ユニット20の上側にのみ設ければよいので、カバーの費用節減が図れる上に、カバーの取り付け作業も容易となる。
さらに、流入路形成部材22にユニット弁35が回転自在に組み込まれているので、流量メータ設置ユニット20を設置する場合、減圧弁60や、流路閉止栓61の回転方向の位置を邪魔にならない位置に調整することができる。
また、流出路形成部材23の流路73の出口側に接続部材92を流出路形成部材23側の流路73の中心軸に対して回転自在に設けたので、外部配管の位置に応じてその接続口の位置を容易に調整することができる。例えば、図1(b)の状態は分岐接続口91aは上側を向き、分岐接続口91bは左側を向いており、その位置で外部配管との接続が達成されるが、外部配管が上側と右側にある場合は、接続部材92を時計回り方向に90度回転させればその接続位置となり、外部配管が右側と下側にある場合はさらに接続部材92を時計回り方向に90度回転させればよく、外部配管が左側と下側にある場合は図1(b)の状態から接続部材92を反時計方向に90度回転することにより外部配管との接続位置とすることができる。
図11、図12は本発明に係る流量メータ設置ユニット20の第2の実施形態例を示す。この第2の実施形態例が前記第1の実施形態例と異なることは、流出路形成部材23の筒状ハウジング80の流路73の出口側を互いに直交する4方向に突き出す筒部96(96a、96b、96c、96d)を形成し、各筒部96a、96b、96c、96dを外部配管との接続部としたものである。それ以外の構成は前記の第1の実施形態例の構成と同一であるので、その重複説明は省略する。
図11、図12の例では各筒部96の筒孔内壁面に雌ねじ97を設け、この雌ねじ97を利用して外部配管と接続するようにしているが、外部配管との接続用構成はこれに限定されず、例えば、各筒部96の先端側に図1(a)に示すようなフランジ69を設け、ファスナ70を用いた外部配管との接続構成としてもよい。この場合は外部配管の接続口にファスナ70で留められるフランジ69を設けることになる。この第2に実施形態例においても、4つの筒部96のうち、外部配管との接続に使用されない筒部96の流路出口は閉止栓(図示せず)によって(閉止栓が詰められて)閉止される。
この第2の実施形態例も前記第1の実施形態例と同様な効果を奏する。
図13は本発明に係る流量メータ設置ユニット20の第3の実施形態例を示す。この第3の実施形態例が前記第1、第2の各実施形態例と異なることは、減圧弁60を流出路形成部材23に設けたことであり、それ以外の構成は前記第1、第2の各実施形態例の構成と同様であるので、前記第1、第2の各実施形態例と共通となる構成部分には同一符号を付してその重複説明省略する。
図13において、流入路形成部材22は、流入側ベース部材34によって構成されており、流入側ベース部材34における連結筒部39の流入端側には筒形状の流入側接続部材111の下端側が嵌合され、流入側接続部材111は連結筒部39に対して回転自在に取り付けられている。この回転自在の取り付け構造は、図1においての連結筒部39とユニット弁35との回転自在の取り付け構造と同じであり、連結筒部39のピン挿通溝41に流入側接続部材111の外側からU字形状のピン(ピン足)105を差し込むことによりその回転自在の取り付け(接続)が達成されている。なお、流入側接続部材111の上端部の筒孔内壁面には雌ねじ112が周設されて図示されていない外部配管(管路)が螺合締結により接続されるようになっている。
一方、流出路形成部材23は筒状ハウジング80の出口側に、ユニット弁35と中継接続筒部116と逆止弁114とを順に接続して構成されている。すなわち、図1の例ではユニット弁35は流入路形成部材22の構成要素として機能しているが、図13においては、ユニット弁35は流出路形成部材23の構成要素として機能している。前記台座部85と筒状ハウジング80との一体物は流出側ベース部材として機能し、その筒状ハウジング80は流出後方側が直角に起立し、その起立端側(起立上端側)にユニット弁35の一端側が接続されている。
この接続構造は図1における流入側接続部材36とユニット弁35との接続構造と同じであり、筒状ハウジング80側とユニット弁35側の両方の接合フランジ69間にファスナ70を装着することで、ユニット弁35は筒状ハウジング80に対して回転自在に接続され、両者80、35の嵌合面にOリング71が介設されることで、その嵌合面間の水密が達成されている。この実施形態例においては、ユニット弁35は流路閉止栓61を減圧弁60よりも下流側となる向きにして筒状ハウジング80に装着されている。なお、図13に示す例では、流路閉止栓61はボールバルブ式の閉止栓としているが、閉止栓の構造は特に限定されず、図1に示されるような非ボールバルブタイプの閉止栓でもよい。
ユニット弁35の上端側の通路端部には中継接続筒部116の下端側が回転自在(相対回転自在)に接続されている。この接続構造は前記流入側ベース部材34の連結筒部39と流入側接続部材111との接続構造と同様であり、中継接続筒部116の嵌合外周面に設けたピン溝118に、ユニット弁35の筒部の外側からU字形状のピン(ピン足)119を挿通することで、ユニット弁35と中継接続筒部116は相対回転自在に接続され、両者35、116の嵌合面は同様にOリング117によって水密が達成されている。
中継接続筒部116の上端側には逆止弁114が接続装着されており、中継接続筒部116の上部外周面から張り出すフランジ69に逆止弁114のハウジング115側の下端部のフランジ69が接合され、その両者のフランジ69にファスナ70が装着(挟み込み装着)されることで、逆止弁114と中継接続筒部116とは相対回転自在に接続されている。この逆止弁114は下流側から上流側への流体(ここでは水)の逆流を防止するものである。
前記、逆止弁114のハウジング115の上端側のフランジ69には接続部材92の下端側のフランジ69が接合され、その両フランジ69を挟み込むファスナ70が装着されることで、逆止弁114と接続部材92とは回転自在(相対回転自在)に接続され、両者92、114の嵌合面の水密は同様にOリング120によって達成されている。接続部材92は出口側が横向きの分岐接続口91aと上向きの分岐接続口91bとに分岐されており、これらの一方又は両方の分岐接続口91a、91bに図示されていない外部配管(管路)が接続口の雌ねじ94を利用して接続される。なお、外部配管が接続されない分岐接続口には閉止栓が装着されてその分岐接続口は閉止される。この接続部材92の分岐接続口の分岐方向や、分岐の数は図示の例に限定されずに適宜に設定(設計)できるものである。
この第3の実施形態例においても、前記第1、第2の各実施形態例と同様な効果を奏するが、本第3の実施形態例では減圧弁60を流出路形成部材23側に設けたことで、水路の圧力損失をより一層低減できるという効果を奏する。すなわち、図1に示すように、減圧弁60を流入路形成部材22側に設ける場合は、流入圧力は減圧弁60によって設定の圧力に減圧されるが、その減圧弁60の下流側に水量メータ24が取り付けられるため、水量メータ24を出る水の水圧は減圧弁60の設定圧力よりも水量メータ24を通水することによって生じる圧力損失分だけ低減してしまう。
これに対し、この第3の実施形態例においては、水量メータ24の下流側で減圧弁60による減圧の圧力が設定されるので、水量メータ24を通る水圧損失が下流側に影響を与えることが無く、図1に示す場合に比べ、水量メータ24を通る水圧損失分の水圧低下を抑制することができるという効果が得られる。特に、この実施形態例では、流路閉止栓61は減圧弁60の上流側に設置されるので、流路閉止栓61を通る水圧の損失低減の影響をも抑制でき、水路の圧力損失の影響をより一層抑制し得る流量メータ設置ユニット20の提供が可能になる。勿論、流路閉止栓61の圧力損失が特に問題(支障)とはならない場合は、流路閉止栓61は減圧弁60の下流側に設置してもよい。
なお、本発明の流量メータ設置ユニットは上記の各実施形態例の構成に限定されることはなく他の様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記の第1、第2、第3の実施形態例では、駆動シャフト49とスライド部材42を、ねじ50を用いて連結したが、これを図14〜図16に示すように駆動シャフト49とスライド部材42を一体構造としてもよい。この図14〜図16に示すものは、駆動シャフト49をスライド部材側駆動シャフト49aとハンドル側駆動シャフト49bとによって構成し、スライド部材42は駆動シャフト49aと一体的に形成されている。そして、両シャフト49a、49bが対向する部位において、ハンドル側駆動シャフト49bの端面に凹部98が形成され、スライド部材側駆動シャフト49aの端部はその凹部98に嵌合されている。
この凹部98に嵌合されている部位のシャフト49aの外周面にはピン溝99が周設され、そのピン溝99の直径方向の両側溝を通る間隔位置にピン挿通孔がシャフト49bを貫通して設けられ、シャフト49bの外側からこの対のピン挿通孔にU字形状のピン(ピン足)100がピン溝99を通して装着されている。このことで、スライド部材側駆動シャフト49aとハンドル側駆動シャフト49bとがピン100を連結材として連結されている。両駆動シャフト49a、49bの連結領域に位置する流入側ベース部材34のシャフト挿通の筒壁部106には互いに対向する(図14においては上下に対向する)壁面に開口107が形成されている。
そして、この開口107の形成領域における駆動シャフト49aの位置にレバー17の基部が嵌めこまれている。このレバー17が嵌る駆動シャフト49aの面には摺り割り面が形成され、レバー17と駆動シャフト49aとは相対回転ができないように、かつ、駆動シャフト49aの軸方向にスライド自在に嵌合されている。レバー17の先端側(レバー操作部側)は一方側(図14では上側、図16では右側)の開口107を通して外に突き出されている。開口107の幅はレバー17の幅よりも十分に広く、この開口107内で、レバー17の正逆回転移動(回動)が可能となっている。駆動シャフト49aに嵌合するレバー17のシャフト嵌合穴の周縁部からは、両シャフト49a、49bの連結部を覆う凹部壁面19が形成されており、この凹部壁面19によって前記ピン溝99を通して挿通されたピン100のピン足連結部側が覆われて、ピン100の抜け出しが防止されている。
レバー17と流入側ベース部材34側の壁面間にはレバー17を両シャフト49a、49bの連結部側方向へ付勢するスプリング18が介設され、常時はこのスプリング18の付勢力を受けてレバー17は開口107の端面(図14、図15においては左側端面)で受け止められ、この位置で、凹部内壁面19はピン100を覆い、該ピン100の抜け止めを行なっている。ところで、駆動シャフト49bの外側からピン溝99を通るピン100のピン足を差し込む(挿入する)時にはその作業の邪魔にならないようにレバー17をスプリング18の付勢力に抗して退避方向(図14、図15では右方向)へスライド移動させた状態でその作業が行なわれる。なお、駆動シャフト49bの基端側には流入側ベース部材34のシャフト挿通穴37から外に突き出た位置でハンドル52が固定されている。
この図14〜図16に示す構成とした流量メータ設置ユニット20においては、水量メータ24を交換する際に、ハンドル52の操作と共に、或いは、ハンドル52の操作を行なう前に、レバー17を正逆回転操作を行なって、スライド部材42を含む駆動シャフト49a側の外周面(特にOリングの装着部)と流入側ベース部材34側の筒状穴の対向内壁面とを強制的に相対回転し、両壁面間の錆付き等による固着力を解除して(解除しながら)ハンドル52の操作を行うことができるので、無理な力を要せずにハンドル52の操作を小さな力で容易に行なうことができることとなる。
また、上記の各実施形態例では、駆動シャフト49(49a)にハンドル52を一体的に固定したが、ハンドル52は駆動シャフト49(49a)に着脱自在に取り付ける構成としてもよい。この場合は、駆動シャフト49(49a)の基端部に横断面が角型形状(例えば、四角形状、六角形状)等の非円形状に形成し、ハンドル52の中心部位に、対応する穴形状の中心穴を設け、ハンドル52を使用する時にハンドル52の中心穴を駆動シャフト49(49a)の基端部に嵌め込み装着して使用し、使用後は駆動シャフト49(49a)から取り外しておくようにしてもよい。なお、実施形態例ではハンドル52を円形状としたがレバー状のハンドルとしてもよくハンドルの形状は特に限定されることはない。
さらに、上記各実施形態例では、搭載架台21の搭載面26の水量メータ24の下側となる領域に凹部27を形成したが、この凹部27に代えて、開口を形成してもよい。この場合は、図17に示すように、開口101の開口端縁102に低位となる段差面を形成し、その段差面に受け皿103の折り曲げ縁104を掛けて(載せて)開口101に受け皿103を装着することが望ましい。この受け皿103は合成樹脂や、金属材料によって容易に形成できる。このように、受け皿103を装着すれば、水量メータ24の取り外しの際に受け皿103で受けた漏れ水を、受け皿103を開口101から取り外して外に捨てることができるので、漏れ水の処理がより容易となる。勿論、開口101に受け皿103を装着せずに流量メータ設置ユニット20を使用することも可能である。
さらに、上記各実施形態例では、搭載架台21を金属板25で形成したが鋳物等の他の部材によって形成してもよい。ただ、本実施形態例のように金属板25で形成すれば軽量化、小型化をより効果的に達成することが可能である。
さらに、上記各実施形態例では流入路形成部材22又は流出路形成部材23に減圧弁60と流路閉止栓61を一体化したユニット弁35をその取り付け位置の流路の中心軸に対して回転自在に組み込んだが、減圧弁60と流路閉止栓61を一体化せずに個別のものとしてもよい、その場合も、減圧弁60と流路閉止栓61はそれぞれ取り付け位置における流入路形成部材22や、流出路形成部材23の流路の中心軸に対して回転自在に取り付けることが望ましい。
さらに、流量メータ設置ユニット20によって水量メータ24を設置する場合、流量メータ設置ユニット20は水路の外部配管に接続できる位置であればどこに配置してもよく、上記においてはパイプシャフトを例にしたが、例えば、戸建ての家、工場等のパイプシャフト以外の場所に設置して使用してもよい。
さらに、上記各実施形態例では流量メータとして水量メータ24を例にして説明したが、流量メータ設置ユニット20をガスの外部配管に接続し、流量メータとしてガスメータを設置する構成としてもよい。勿論、流量メータ設置ユニット20を石油の通流配管や、牛乳、ジュース等の飲料食品の通流配管に接続して、それぞれの計測対象の流体の流量を計測する流量メータの設置ユニットとして適用することが可能である。
さらに、上記各実施形態例では、水密を行なう手段として水密を要する各個所にOリングを用いたが、Oリング以外のパッキン部材を用いてもよい。
さらに、図13に示す第3の実施形態例においては、流出路形成部材23に、2つの逆止弁74、114を設けたが、一方側の例えば筒状ハウジング80内の逆止弁74は省略することも可能である。