JP5046314B2 - 水道メータシステム - Google Patents

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本発明は、水道メータを中間金具に組み付けてなる水道メータシステムであって、中間金具には、水道管に接続される1対の水道管接続部と、上流側の水道管接続部に連通した上流側端部流路と、下流側の水道管接続部に連通した下流側端部流路とが形成され、水道水が上流側端部流路から水道メータを通過して下流側端部流路に流れるようにした水道メータシステムに関する。
従来より、この種の水道メータシステムは、水道メータの上流と下流側とにそれぞれ止水部(具体的には、1対の回動操作弁)を備えた構造になっていた。そして、水道メータを取り外す際に、それら両方の止水部を閉じることで、水道メータが外された状態の中間金具から水道水が流出することを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−329601号公報(段落[0011]〜[0015]第1図、第2図)
ところが、上述した従来の水道メータシステムでは、水道メータを着脱する際に、2つの止水部を別々に操作する必要があるため、効率よく水道メータの着脱作業を行うことができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より効率よく水道メータの着脱作業を行うことが可能な水道メータシステムの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る水道メータシステムは、水道メータを中間金具に着脱可能に組み付けてなる水道メータシステムであって、中間金具には、水道管に接続される1対の水道管接続部と、上流側の水道管接続部に連通した上流側端部流路と、下流側の水道管接続部に連通した下流側端部流路とが形成され、水道水が上流側端部流路から水道メータを通過して下流側端部流路に流れるようにした水道メータシステムにおいて、中間金具に設けられて、第1の位置と第2の位置との間で移動操作可能な可動部材を設け、可動部材が第1の位置に配置された場合には、上流側端部流路と水道メータとの間及び下流側端部流路と水道メータとの間が共に連通する一方、可動部材が第2の位置に配置された場合には、上流側端部流路と水道メータとの間及び下流側端部流路と水道メータとが共に断絶するように構成し、可動部材に形成されて、可動部材が第2の位置に配置された場合に、上流側端部流路及び下流側端部流路の間を連絡する一方、可動部材が第1の位置に配置された場合に、上流側端部流路及び下流側端部流路の少なくとも一方から切り離されて、それら上流側端部流路及び下流側端部流路の間を断絶するバイパス流路を備えたたところに特徴を有する。
ここで、「中間金具」とは、水道管に水道メータを間接的に取り付けるための構造物であって、水道メータの業界では慣習上「中間金具」(「JIS B8570−1:2005」を参照)と呼ばれているが、その材質は金属に限るものではなく、例えば、合成樹脂等の他の材質でもよい。
請求項2の発明は、請求項1に記載の水道メータシステムにおいて、可動部材に、上流側端部流路と下流側端部流路とに対応した上流側中継流路と下流側中継流路とを形成し、可動部材が第1の位置に配置された場合には、上流側端部流路と上流側中継流路との間及び下流側端部流路と下流側中継流路との間が共に連通して、水道水が上流側端部流路から水道メータを通過して下流側端部流路に流れる一方、可動部材が第2の位置に配置された場合には、上流側端部流路と上流側中継流路との間及び下流側端部流路と下流側中継流路とが共に断絶するように構成したところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載の水道メータシステムにおいて、可動部材は、円筒状をなしかつ内部に水道メータを受容すると共に、上流側中継流路及び下流側中継流路は、可動部材の周方向に離して配置され、中間金具には、可動部材が嵌合可能なメータ受容部が形成されると共に、上流側端部流路及び下流側端部流路の各開口は、メータ受容部の周方向に離して配置され、可動部材は、メータ受容部に対して回動操作されて、第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成されたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載の水道メータシステムにおいて、水道メータは、可動部材の内部に嵌合される円柱形状をなしかつその径方向に貫通した計測流路を有し、計測流路を流れる水道水の通過体積を、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量するように構成され、可動部材が第1の位置に配置された場合に、上流側端部流路及び下流側端部流路の各開口と、上流側中継流路及び下流側中継流路と、計測流路とが同軸線上に配置されるように構成したところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の水道メータシステムにおいて、可動部材の一端部を前記水道メータシステムの外側に露出し、その露出部分に可動部材を操作するための操作部を備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項3又は4に記載の水道メータシステムにおいて、可動部材と水道メータとの間には、可動部材の内部への水道メータの挿抜を許容する一方、可動部材と水道メータとが一体回転するように係合する凸部及び凹部を備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載の水道メータシステムにおいて、凸部は、可動部材と水道メータとの一方の周面から側方に突出形成され、凹部は、可動部材と水道メータとの他方の周面に形成され、可動部材と水道メータとの嵌合方向に延びた溝状をなしたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の水道メータシステムにおいて、バイパス流路は、可動部材の周方向に沿って延びた溝形状であるところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項8に記載の水道メータシステムにおいて、バイパス流路は、可動部材の外周面の全周に亘って延びた環形状になっているところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項乃至7の何れかに記載の水道メータシステムにおいて、バイパス流路は、上流側中継流路の近傍部分において、可動部材における円筒壁部の内部を通過しかつ、上流側中継流路と立体交差したところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の水道メータシステムで水道水の通過体積を計測する場合には、可動部材を第1の位置に配置する。すると、上流側端部流路と水道メータとの間及び下流側端部流路と水道メータとの間が共に連通して、水道水が上流側端部流路から水道メータを通過して下流側端部流路に流れる。これにより、上流側端部流路と下流側端部流路との間を流れる水道水の通過体積が水道メータによって計量される。また、水道メータを取り外す場合には、可動部材を第1の位置から第2の位置に移動する。すると、上流側端部流路と水道メータとの間及び下流側端部流路と水道メータとが共に断絶し、水道メータには水道水が流れなくなる一方、バイパス流路によって上流側端部流路及び下流側端部流路の間が連絡されるので、断水させることなく水道メータを着脱することができる。これにより、水道メータを取り外した後の中間金具からの水道水の放水が防がれる。このように本発明によれば、可動部材を第1と第2の位置の間で移動する一操作で、水道メータと上流側及び下流側の端部流路の両方を一度に開閉することができ、従来より効率よく水道メータの着脱作業を行うことが可能になる。しかも、バイパス流路は可動部材に形成されたので、上流側端部流路と下流側端部流路との間を配管部材で連絡した構成に比較して、部材数の削減が図られ、水道メータシステムの寸法を小さくすることができる。
[請求項2の発明]
請求項2の水道メータシステムで、可動部材を第1の位置に配置すると、水道水は、上流側端部流路、上流側中継流路を通って水道メータ内に流入し、水道メータから下流側中継流路、下流側端部流路を通って水道メータシステムの下流側に流出する。これにより、上流側端部流路と下流側端部流路との間を流れる水道水の通過体積が水道メータによって計量される。一方、水道メータを取り外す場合には、可動部材をメータ受容部の内側で第1の位置から第2の位置に移動する。すると、上流側端部流路と上流側中継流路との間及び下流側端部流路と下流側中継流路とが共に断絶され、計測ユニット側に水道水が流入しなくなる。これにより、水道メータを取り外した後の中間金具からの水道水の放水が防がれる。このように本発明によれば、可動部材を第1と第2の位置の間で移動する一操作で、水道メータと上流側及び下流側の端部流路の両方を一度に開閉することができ、従来より効率よく水道メータの着脱作業を行うことが可能になる。
[請求項3の発明]
請求項3の水道メータシステムによれば、可動部材をメータ受容部に対して回動操作することで、可動部材が第1の位置と第2の位置との間で移動する。
[請求項4の発明]
請求項4の水道メータシステムでは、可動部材が第1の位置から第2の位置に向けて回動すると、上流側中継流路及び下流側中継流路が、メータ受容部に形成された上流側端部流路及び下流側端部流路の各開口に対して徐々にずらされ、第2の位置に至ると上流側端部流路及び下流側端部流路の各開口が可動部材の外面により塞がれる。また、可動部材が第1の位置に配置されたときに水道水をスムーズに流すことができる。
[請求項5の発明]
請求項5の水道メータシステムでは、水道メータシステムの外側から可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動操作することができる。
[請求項及びの発明]
請求項の水道メータシステムでは、水道メータを可動部材の内部へ挿抜可能としつつ、水道メータの回転操作により可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させることができる。具体的には、凸部は、可動部材と水道メータとの一方の周面から側方に突出形成され、凹部は、可動部材と水道メータとの他方の周面に形成され、可動部材と水道メータとの嵌合方向に延びた溝状とすればよい(請求項の発明)。
[請求項8及び9の発明]
請求項8の水道メータシステムでは、可動部材の外径を変更することなくバイパス流路を設けることができる。ここで、バイパス流路は、可動部材の外周面の全周に亘って延びた環形状であってもよい(請求項9の発明)。
[請求項10の発明]
請求項10の水道メータシステムでは、可動部材を第2の位置にした場合に、水道水を上流側端部流路から可動部材を構成する円筒壁部の内部を通して下流側端部流路に流すことができる。
[第実施形態]
本発明の第実施形態を図1図5に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る水道メータシステム200の全体構造が示されている。水道メータシステム200のうち中間金具10Bは、下端有底の円筒構造をなしたメータ受容部11Bの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。そして、図1における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Bは上端から下端に向かうに従って緩やかに縮径した円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。メータ受容部11Bの上端には開放口14が形成され、この開放口14から水道メータ20Bを収容した可動部材30Bが挿入されている。そして可動部材30Bはメータ受容部11Bに対して通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。なお、メータ受容部11Bの上端内周面に嵌合されたCリング15が可動部材30Bを抜け止めしている。
水道メータ20Bは、上端から下端に向かうに従って緩やかに縮径した円柱構造をなし、上端寄り部分に計測流路21を備える。計測流路21は水道メータ20Bを径方向に貫通しており、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。
図1に示すように、水道メータ20Bの上端部には外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング23Aが可動部材30Bの内周面に密着している。また、図5に示すように、水道メータ20Bの外周面のうち、周方向で互いに180度離れた位置には、水道メータ20Bと後述する可動部材30Bとを一体回動可能に連結した1対の連結凸部24,24が設けられている。
さらに、水道メータ20Bの上端には水道水の計量結果を表示するための表示部Mが一体に設けられて中間金具10Bから露出している。表示部Mは、所謂、バヨネット式の係止構造を備え、周縁部に形成された複数の係止爪によりメータ受容部11Bの上端縁に係止されている。
さて、可動部材30Bは以下のようである。可動部材30Bは下端有底の円筒構造をなし、メータ受容部11B及び水道メータ20Bの形状に対応して上端から下端に向かって緩やか縮径している。可動部材30Bのうち、その周方向で互いに180度離れた位置には、可動部材30Bの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。
図1に示すように、可動部材30Bの上端には外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング33Aがメータ受容部11Bの内面に密着している。また、図5に示すように、可動部材30Bの内面の周方向で互いに180度離れた位置には、1対の連結溝34,34が形成され、ここに水道メータ20Bの連結凸部24,24が凹凸嵌合している。連結溝34は可動部材30Bの軸方向(図5における上下方向)に延びて、上端開口32側に開放している。連結凸部24,24と連結溝34,34とが凹凸嵌合すると、水道メータ20Bの計測流路21と可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bとが同軸線上に位置決めされる(図1及び図3の状態)。また、これら連結凸部24,24と連結溝34,34とにより、水道メータ20Bと可動部材30Bとが一体回動可能されかつ、水道メータ20Bが可動部材30Bに対して挿抜可能とされている。
可動部材30Bの下面中央には、メータ受容部11Bの底面に向かって突出したボス36が形成されている。即ち、可動部材30Bの下面のうち、ボス36のみがメータ受容部11Bの底面に接触し、その他の部分がメータ受容部11Bの底面から浮いている。これにより、可動部材30Bの下面全体がメータ受容部11Bの底面に接触したものに比べて、可動部材30Bをメータ受容部11Bに対して回動させる際に可動部材30Bの下面にかかる摩擦が軽減され、可動部材30Bを回動させ易くなっている。
ところで、可動部材30Bの外周面にはバイパス流路37が形成されている。バイパス流路37は、可動部材30Bの外周面を半周に亘って陥没させた溝構造をなしている。詳細には、可動部材30Bのうち、上流側中継流路31Aから周方向における一方向(図3における時計回り方向)に約45度離れた位置にはバイパス入口部37Aが形成され、下流側中継流路31Bから周方向における一方向に約45度離れた位置にはバイパス出口部37Bが形成されている。そして、バイパス流路37は、バイパス入口部37Aから斜め下方に延び、可動部材30Bの下端寄り部分を周方向に延びて下流側中継流路31Bの下方を通り(図1を参照)、ここから斜め上方に延びてバイパス出口部37Bに繋がっている(図2を参照)。なお、バイパス流路37は、可動部材30Bの外周面を全周に亘って陥没させた溝構造をなしていてもよい。
本実施形態の水道メータシステム200に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Bを通水位置に配置する。具体的には、例えば、水道メータ20Bの表示部Mに付された目印をメータ受容部11Bに付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図1及び図3に示すように、中間金具10Bの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Bの計測流路21とが同軸線状に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Bを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Bを中間金具10Bから取り外す。具体的には、まず、可動部材30Bを通水位置から止水位置に向けて(図3における反時計回り方向)に回動操作する。具体的には、例えば、表示部Mを把持して、その表示部Mに付された目印をメータ受容部11Bに付された止水位置用の目印に近づけるように回動操作する。すると、水道メータ20Bと共に可動部材30Bが一体回動し、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが中間金具10Bの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。そして、可動部材30Bが図3における反時計回り方向に約45度回動されて止水位置に至ると、図4の(A)に示すように、上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bがメータ受容部11Bの内面で塞がれ、代わりに、上流側端部流路12の開口12Aとバイパス入口部37A、及び、下流側端部流路13の開口13Aとバイパス出口部37Bとがそれぞれ整合する。つまり、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間が断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とがバイパス流路37により連絡される。このとき、表示部Mに備えたバヨネットとメータ受容部11Bの上端縁との係止が解除されるので表示部Mを把持して水道メータ20Bを上方に引き上げ、可動部材30Bの上端開口32から抜き取る。
このとき、水道水は、可動部材30Bの内側に流れ込むことはなく、バイパス流路37を通って上流側端部流路12から下流側端部流路13に向けて流される(図4の(B)を参照)。
検査の済んだ水道メータ20B或いは新規な水道メータ20Bは、可動部材30Bの上端開口32から挿入して、水道メータ20Bの連結凸部24,24と可動部材30Bの連結溝34,34とを凹凸嵌合させCリング15で固定する。そして、水道メータ20Bを回動操作(図4の(A)における時計回り方向へ約45度回動操作)することで回動操作可動部材30Bを止水位置から通水位置に戻せば、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が連通して計測流路21に水道水が流され、再び水道水の通過体積が計量可能となる。
このように、本実施形態の水道メータシステム200によれば、可動部材30Bを第1と第2の位置の間で移動する一操作で、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間を断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とをバイパス流路37により連絡することができ、断水させることなく水道メータ20Bの着脱操作を行うことができると共に、従来より効率よく水道メータ20Bの着脱作業を行うことが可能になる。また、可動部材30Bを止水位置に配置すると可動部材30Bが止水部として機能して、水道メータ20Bよりも上流側と下流側との両方から水道水が可動部材30Bの内側に流れ込まなくなるので、水道メータ20Bを取り外した後の中間金具10Aからの水道水の放水が防がれる。しかも、止水部として機能する可動部材30Bは、メータ受容部11Bの内側に配置されているので、止水部とメータ受容部とを水道管との接続方向に横並びに配置した従来の水道メータシステムに比較して全長を短くすることができる。従って、従来の止水部を備えた水道メータシステムに比べて設置スペースを省スペース化できる。
なお、本実施形態の水道メータシステム200では、水道メータ20Bの着脱時に断水状態にすることも可能である。具体的には、可動部材30Bを止水位置とは反対方向(図3における時計回り方向)に約45度回動すれば、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動部材30Bの外面で塞がれて、上流側端部流路12と下流側端部流路13との間が断絶する。すると、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部でそれぞれ堰き止められて可動部材30Bの内側及びバイパス流路37に流れ込まなくなる。また、常には、水道メータ20Bと中間金具10Bとの間を図示しない回動禁止部材によって連結して、水道メータ20Bの中間金具10Bに対する回動操作を禁止しておけば、正規の作業者ではない者が水道メータ20Bを回動操作して、水道水が水道メータ20Bを経由せずにバイパス流路37を経由して不正に供給されることを防止できる。
[第実施形態]
本発明の第実施形態を図6図10に基づいて説明する。この第実施形態は、主に、可動部材の構成を前記第実施形態と異ならせたものである。以下、前記第実施形態と同じ構成については、同一符号を付す。
図6には、本実施形態に係る水道メータシステム300の全体構造が示されている。水道メータシステム300のうち中間金具10Cは、下端有底の円筒構造をなしたメータ受容部11Cの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。そして、図6における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Cは円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。メータ受容部11Cの上端には開放口14が形成され、この開放口14から水道メータ20Bを収容した可動部材30Bが挿入されている。そして、可動部材30Bはメータ受容部11Cに対して通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。なお、メータ受容部11Cの上端内周面に嵌合されたCリング15が可動部材30Bを抜け止めしている。
水道メータ20Bは、円柱構造をなし、下端寄り部分に計測流路21を備える。計測流路21は水道メータ20Bを径方向に貫通しており、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。
図6に示すように、水道メータ20Bの上端には、外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここにOリング23Aが装着されている。また、水道メータ20Bの外面には、計測流路21の上流側の開口縁を囲むようにOリング溝が形成され、ここにOリング23Bが装着されている。これらOリング23A,23Bは可動部材30Bの内周面に押し潰されて密着している。
また、図5に示すように、水道メータ20Bの外周面のうち、周方向で互いに180度離れた位置には、水道メータ20Bと後述する可動部材30Bとを一体回動可能に連結した1対の連結凸部が設けられている。
水道メータ20Bの上端には計量結果を表示するための表示部Mが一体に設けられて中間金具10Cから露出している。表示部Mは、所謂、バヨネット式の係止構造を備え、周縁部に形成された複数の係止爪によりメータ受容部11Cの上端縁に係止されている。
さて、可動部材30Bは、以下のようである。可動部材30Bは下端有底の円筒形状をなして水道メータ20Bのほぼ全体を収容し、その周方向で互いに180度離れた位置に、可動部材30Bの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。
図6に示すように、可動部材30Bの上端には外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここにOリング33Aが装着されている。また、可動部材30Bの外周面には、上流側中継流路31Aの開口縁を囲むようにOリング溝が形成され、ここにOリング33Bが装着されている。これらOリング33A,33Bはメータ受容部11Cの内面に押し潰されて密着している。
図5に示すように、可動部材30Bの上端内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置には、1対の連結溝34,34が形成されている。連結溝34は可動部材30Bの軸方向に延びて、上端開口32側に開放している。そして、この連結溝34に水道メータ20Bの連結凸部が凹凸嵌合することで、水道メータ20Bの計測流路21と可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bとが同一軸線状に配置されるように位置決めされている。また、これら連結溝34と連結凸部とにより、水道メータ20Bと可動部材30Bとを一体回動可能としつつ、水道メータ20Bを可動部材30Bに対して挿抜可能としてある。
可動部材30Bの下面中央には、メータ受容部11Cの底面に向かって突出したボス36が形成されている。即ち、可動部材30Bの下面のうち、ボス36のみがメータ受容部11Cの底面に接触し、その他の部分がメータ受容部11Cの底面から浮いている。これにより、可動部材30Bの下面全体がメータ受容部11Cの底面に接触したものに比べて、可動部材30Bをメータ受容部11Cに対して回動させる際に可動部材30Bの下面にかかる摩擦が軽減され、可動部材30Bを回動させ易くなっている。
ところで、可動部材30Bの外周面には、バイパス流路37が形成されている。バイパス流路37は、可動部材30Bの外周面を半周に亘って陥没させた溝構造をなしている。詳細には、可動部材30Bのうち、上流側中継流路31Aから周方向における一方向(図8における時計回り方向)に約45度離れた位置には、バイパス入口部37Aが形成され、下流側中継流路31Bから周方向における一方向に約45度離れた位置には、バイパス出口部37Bが形成されている。そして、バイパス流路37は、バイパス入口部37Aから斜め上方に延び、可動部材30Bの上端寄り部分を周方向に延びて下流側中継流路31Bの上方を通り(図6を参照)、ここから斜め下方に延びてバイパス出口37Bに繋がっている(図7を参照)。なお、バイパス流路は、可動部材30Bの外周面を全周に亘って陥没させた溝構造をなしていてもよい。
可動部材30Bの外周面のうち、周方向において上流側中継流路31Aを挟んでバイパス入口部37Aと反対側の部分(図8において上流側中継流路31Aから反時計回り方向に約45度離れた部分)、及び、下流側中継流路31Bを挟んでバイパス出口部37Bと反対側の部分(図8において下流側中継流路31Bから反時計回り方向に約45度離れた部分)には、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aよりも大きな径を有する環状溝が形成され、ここにOリング33C,33Cが装着されている。Oリング33C,33Cは、メータ受容部11Cの内面に押し潰されて密着するようになっている。
本実施形態の水道メータシステム300に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Bを通水位置に配置する。具体的には、例えば、水道メータ20Bの表示部Mに付された目印をメータ受容部11Bに付された通水位置用の目印に一致させように水道メータ20Bを回動操作する。すると、水道メータ20Bと共に可動部材30Bが一体回動し、図6及び図8に示すように、中間金具10Cの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Bの計測流路21とが同軸線上に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Bを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Bを中間金具10Cから取り外す。まず、可動部材30Bを通水位置から止水位置に向けて(図8における反時計回り方向)に回動操作する。具体的には、表示部Mを把持して、表示部Mの目印をメータ受容部11Bに付された止水位置用の目印に近づけるように水道メータ20Bを回動操作する。すると、可動部材30Bが水道メータ20Bと一体に回動し、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが中間金具10Cの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。そして、可動部材30Bが図8における反時計回り方向に約45度回動されて止水位置に至ると、図9の(A)に示すように、上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bがメータ受容部11Cの内面で塞がれ、代わりに、上流側端部流路12の開口12Aとバイパス入口部37A、及び、下流側端部流路13の開口13Aとバイパス出口部37Bとが整合する。つまり、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間が断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とがバイパス流路37により連絡される。このとき、表示部Mに備えたバヨネットとメータ受容部11Bの上端縁との係止が解除されるので、水道メータ20Bを上方に引き上げ、可動部材30Bの上端開口32から抜き取る。
このとき、水道水は、可動部材30Bの内側に流れ込むことはなく、バイパス流路37を通って上流側端部流路12から下流側端部流路13に向けて流される(図9の(B)を参照)。
また、水道メータ20Bの着脱操作時に断水状態にする場合は、可動部材30Bを通水位置から、止水位置とは反対方向(図8における時計回り方向)に約45度回動する。すると、図10に示すように、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動部材30Bの外面で塞がれて、上流側端部流路12と下流側端部流路13との間が断絶する。そして、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部で堰き止められて可動部材30Bの内側及びバイパス流路37に流れ込まなくなる。
このとき、可動部材30Bの外面に装着されたOリング33C,33Cが、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aを囲むようにメータ受容部11Cの内面に密着するので、堰き止められた水道水がメータ受容部11Cと可動部材30Bとの隙間に浸入することが防がれる。
検査の済んだ水道メータ20B或いは新規な水道メータ20Bは、可動部材30Bの上端開口32から挿入して、水道メータ20Bの連結凸部24,24と可動部材30Bの連結溝34とを凹凸嵌合させ、Cリング15で固定する。そして、水道メータ20Bを回動操作することで可動部材30Bを通水位置に戻せば、再び水道メータシステム300の計量流路21に通水されて、水道水の通過体積が計量可能となる。
本実施形態の水道メータシステム300によれば、上記第実施形態と同等の効果を奏することができる。
[第実施形態]
本発明の第実施形態を図11図15に基づいて説明する。なお、前記第1,実施形態と同じ構成については、同一符号を付す。
図11には、本実施形態に係る水道メータシステム400の全体構造が示されている。水道メータシステム400のうち中間金具10Dは、下端有底の円筒形状をなしたメータ受容部11Dの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。水道管接続部11J,11Kのメータ受容部11D寄り部分は、メータ受容部11Dに近づくに従って窄んで内部空間を徐々に絞った構造をなしている。そして、図11における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Dは円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。これら各開口12A,13Aは、図13の(B)に示すように、横長の矩形状をなしている。
図15の(A)に示すように、メータ受容部11Dの周壁にはパッキン着脱用窓11Rが貫通形成されている。パッキン着脱用窓11Rは、両水道管接続部11J,11Kから90度ずつ離れた位置に設けられている。パッキン着脱用窓11Rは横長矩形状をなし、通常使用時は蓋体11Sによって塞がれている(図13の(A)を参照)。
メータ受容部11Dの底壁には位置決め凸部11Pが設けられている。位置決め凸部11Pはメータ受容部11Dの底壁から起立してメータ受容部11Dの径方向(図11における紙面に直交する方向)に延びた壁構造をなしている。
メータ受容部11Dの上端には開放口14が形成され、その開放口14から水道メータ20Dを収容した可動部材30Dが挿入されている。そして可動部材30Dは、メータ受容部11Dに対して後述する通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。
水道メータ20Dは、メータ受容部11Dよりも長い円柱構造をなし、下端寄り部分に水道メータ20Dを径方向に貫通した計測流路21を備える。計測流路21は、幅方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短い断面扁平空間で構成され、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。水道メータ20Dの外周面で、計測流路21よりも上側部分と下側部分とには、外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング23C,23Cが可動部材30Dの内面に密着している。さらに、水道メータ20Dの下面中央には、位置決め凹部25が形成され、ここにメータ受容部11Dの位置決め凸部11Pが凹凸嵌合している(図11及び図12を参照)。位置決め凹部25と位置決め凸部11Pとが凹凸嵌合すると、水道メータ20Dの計測流路21と、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aとが同軸線上に配置されかつ、水道メータ20Dがメータ受容部11Dに対して回り止めされる。
水道メータ20Dの上端には水道水の計量結果を表示するための表示部Mが一体に設けられている。表示部Mは、水道メータ20Dよりも径の大きい扁平な円柱構造をなしている。そして、通常使用時には、表示部Mの周縁部に係止された連結ナット81が次述する可動部材30Dの上端部に締め付けられて、水道メータ20Dと可動部材30Dとが一体に固定されている。なお、水道メータ20Dと中間金具10Dとの間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Dが取り外されることが防止されている。
さて、可動部材30Dは、以下のようである。可動部材30Dは、メータ受容部11Dよりも長い両端開放の円筒構造をなし、その周方向で互いに180度離れた位置には、可動部材30Dの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。これら上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bは、計測流路21と同様に、幅方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短い断面扁平空間で構成されている。
図14に示すように、可動部材30Dの外面には、両中継流路31A,31Bの各開口を囲むようにパッキン装着溝が形成され、ここに装着されたパッキン33D,33Dがメータ受容部11Dの内面に密着するようになっている(図11を参照)。
可動部材30Dのうち中間金具10Dの開放口14から露出した部分には固定用フランジ部39Aが形成され、この固定用フランジ39Aがメータ受容部11Dの上端部に突き当たっている。また、固定用フランジ39Aの上方には、側方に張り出した操作用グリップ39B(本発明の「操作部」に相当する)が設けられ、操作用グリップ39Bと固定用フランジ39Aとの間の溝部に連結ナット80が係止されている。そして通常使用時には、この連結ナット80がメータ受容部11Dの上端部に締め付けられて、可動部材30Dがメータ受容部11Dに対して回動不能に固定されている。
ところで、可動部材30Dを構成する円筒壁部の内部にはバイパス流路38が形成されている。図15の(A)に示すように、バイパス流路38は、可動部材30Dのほぼ半周に亘って延びている。
詳細には、上流側中継流路31Aから周方向における一方向(図15(A)における時計回り方向)に約90度離れた位置と、下流側中継流路31Bから周方向における一方向に約90度離れた位置とには、バイパス流路38の端部空間38A,38Aが形成され、これら両端部空間38A,38Aを1対の閉塞流路38C,38Cによって連絡した構造をなす。
図12に示すように、両端部空間38A,38Aは、奥行き幅が上下方向の幅に比べて薄い扁平空間となっており、メータ受容部11Dの内面側に開口している。これら両端部空間38A,38Aの開口は、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aの形状に対応して横長矩形状をなしている。
一方、図11に示すように、閉塞流路38C,38Cは周囲を円筒壁部によって塞がれており、幅寸法に比べて上下寸法が短い扁平空間となっている。閉塞流路38C,38Cは、図15の(A)に示すように、円筒壁部の内部を可動部材30Dの周方向に沿って円弧状に延びかつ、図15の(B)に示すように、可動部材30Dの円筒壁部の内部で上流側中継流路31Aを上下方向から挟むように立体交差して互いに平行となっている。
図14に示すように、可動部材30Dの外周面には、バイパス流路38の両端部空間38A,38Aの開口を囲むように、パッキン33E,33Eが装着されている。これらパッキン33E,33Eは、可動部材30Dの外周面に陥没形成されたパッキン装着溝に嵌合され、メータ受容部11Dの内面に密着するようになっている。
本実施形態の水道メータシステム400に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Dを通水位置に配置する。具体的には、例えば、可動部材30Dに付された位置決め用の目印を中間金具10Dに付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図11に示すように、中間金具10Dの上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aと、可動部材30Dの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Dの計測流路21とが同一軸線上に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通って下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Dを検査或いは交換する場合には、以下の手順により水道メータ20Dを中間金具10Dから取り外す。まず連結ナット80,81を緩めて、可動部材30Dをメータ受容部11D及び水道メータ20Dに対して回動可能な状態とする。次に、可動部材30Dの操作用グリップ39Bを工具或いは手で握って通水位置から止水位置に向けて回動操作する。具体的には、例えば、可動部材30Dの目印をメータ受容部11Dに付された止水位置用の目印に近づける。すると、可動部材30Dが水道メータ20Dの外面とメータ受容部11Dの内面とに摺接しながら回動し、上流側中継流路31Aが上流側端部流路12の開口12Aに対してずらされると共に、下流側中継流路31Bが下流側端部流路13の開口13Aに対してずらされる。
そして、可動部材30Dが通水位置から約90度回転されて止水位置になると(図15の(A)の状態)、上流側端部流路12の開口12Aには、上流側中継流路31Aの代わりにバイパス流路38の一方の端部空間38Aが整合し、下流側端部流路13の開口13Aには、下流側中継流路31Bの代わりにバイパス流路38の他方の端部空間38Aが整合する。つまり、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間が断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とがバイパス流路38により連絡される。この状態で、連結ナット81を取り外して水道メータ20D及び表示部Mを可動部材30Dの上端開口32から上方へ引き抜く。このとき、水道水は、可動部材30Dの内側に流れ込むことはなく、バイパス流路38を通って上流側端部流路12から下流側端部流路13に向けて流される(図15の(B)を参照)。
検査の済んだ水道メータ20D或いは新規な水道メータ20Dは、可動部材30Dの上端開口32から挿入して、水道メータ20Dの位置決め凹部25とメータ受容部11Dの位置決め凸部11Pとを凹凸嵌合させる。次に、可動部材30Dを、水道メータ20Dの取り外し時とは反対方向に90度回動して通水位置に戻せば、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が連通して計測流路21に水道水が流れる。そして、最後に、連結ナット80,81を締め付けて可動部材30Dと水道メータ20Dとを中間金具10Dに固定すれば、再び水道水の通過体積が計量可能となる。
ところで、本実施形態の水道メータシステム400によれば、可動部材30Dの外周面に装着されたパッキン33D,33Eを中間金具10Dの外部からメンテナンスすることができる。具体的には、例えば、可動部材30Dを通水位置に配置した状態で蓋体11Sを取り外すと、パッキン着脱用窓11Rから、バイパス流路38の端部空間38A,38Aの開口を囲んだパッキン33E,33Eの何れか一方が中間金具10Dの外部に露出される。そして、パッキン着脱用窓11Rを介して、そのパッキン33Eを点検・交換する。このとき、水道水は、上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、計測流路21とを通って下流側に流されている。
パッキン33Eの点検・交換が終わったら、可動部材30Dを90度回転させて止水位置にする(図15の(A)の状態)。すると、上流側中継流路31A又は下流側中継流路31Bの開口を囲んだパッキン33D,33Dの何れか一方がパッキン着脱用窓11Rから外部に露出される。そして、パッキン着脱用窓11Rを介してこのパッキン33Dを点検・交換する。このとき、水道水はバイパス流路38を通って下流側に流されている。
以下同様に、可動部材30Dを一方向に90度回転させる毎にパッキン着脱用窓11Rからパッキン33Eとパッキン33Dとが交互に露出するので、その都度、点検・交換を行う。全てのパッキン33D,33Eの点検・交換が終わったら最後にパッキン着脱用窓11Rに蓋体11Sを取り付けてパッキン33D,33Eのメンテナンス作業は終了である。
このように、本実施形態によれば、上記第,第実施形態と同等の効果を奏すると共に、断水させることなくパッキン33D,33Eのメンテナンス作業を行うことができる。
第1実施形態に係る水道メータシステムの正断面図 可動部材の斜視図 通水状態における水道メータシステムの平断面図 (A)バイパス流路による通水状態時の水道メータシステムの平断面図(B)正断面図 水道メータと可動部材の分解斜視図 第2実施形態に係る水道メータシステムの正断面図 可動部材の斜視図 通水状態における水道メータシステムの平断面図 (A)バイパス流路による通水状態時の水道メータシステムの平断面図(B)正断面図 止水状態における水道メータシステムの平断面図 第3実施形態に係る水道メータシステムの正断面図 水道メータシステムの側断面図 (A)水道メータシステムの正面図(B)側面図 可動部材の斜視図 (A)バイパス流路による通水状態時の水道メータシステムの平断面図(B)図15の(A)におけるX−X断面図
10B〜10D 中間金具
11B〜11D メータ受容部
11J,11K 水道管接続部
12 上流側端部流路
13 下流側端部流路
20B,20D 水道メータ
21 計測流路
30B,30D 可動部材
31A 上流側中継流路
31B 下流側中継流路
37,38 バイパス流路
200〜400 水道メータシステム

Claims (10)

  1. 水道メータを中間金具に着脱可能に組み付けてなる水道メータシステムであって、前記中間金具には、水道管に接続される1対の水道管接続部と、上流側の前記水道管接続部に連通した上流側端部流路と、下流側の前記水道管接続部に連通した下流側端部流路とが形成され、水道水が前記上流側端部流路から前記水道メータを通過して前記下流側端部流路に流れるようにした水道メータシステムにおいて、
    前記中間金具に設けられて、第1の位置と第2の位置との間で移動操作可能な可動部材を設け、前記可動部材が前記第1の位置に配置された場合には、前記上流側端部流路と前記水道メータとの間及び前記下流側端部流路と前記水道メータとの間が共に連通する一方、前記可動部材が前記第2の位置に配置された場合には、前記上流側端部流路と前記水道メータとの間及び前記下流側端部流路と前記水道メータとが共に断絶するように構成し、
    前記可動部材に形成されて、前記可動部材が前記第2の位置に配置された場合に、前記上流側端部流路及び前記下流側端部流路の間を連絡する一方、
    前記可動部材が前記第1の位置に配置された場合に、前記上流側端部流路及び前記下流側端部流路の少なくとも一方から切り離されて、それら上流側端部流路及び下流側端部流路の間を断絶するバイパス流路を備えたことを特徴とする水道メータシステム。
  2. 前記可動部材に、前記上流側端部流路と前記下流側端部流路とに対応した上流側中継流路と下流側中継流路とを形成し、
    前記可動部材が前記第1の位置に配置された場合には、前記上流側端部流路と前記上流側中継流路との間及び前記下流側端部流路と前記下流側中継流路との間が共に連通して、水道水が前記上流側端部流路から前記水道メータを通過して前記下流側端部流路に流れる一方、前記可動部材が前記第2の位置に配置された場合には、前記上流側端部流路と前記上流側中継流路との間及び前記下流側端部流路と前記下流側中継流路とが共に断絶するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の水道メータシステム。
  3. 前記可動部材は、円筒状をなしかつ内部に前記水道メータを受容すると共に、前記上流側中継流路及び前記下流側中継流路は、前記可動部材の周方向に離して配置され、
    前記中間金具には、前記可動部材が嵌合可能なメータ受容部が形成されると共に、前記上流側端部流路及び前記下流側端部流路の各開口は、前記メータ受容部の周方向に離して配置され、前記可動部材は、前記メータ受容部に対して回動操作されて、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の水道メータシステム。
  4. 前記水道メータは、前記可動部材の内部に嵌合される円柱形状をなしかつその径方向に貫通した計測流路を有し、前記計測流路を流れる水道水の通過体積を、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量するように構成され、
    前記可動部材が前記第1の位置に配置された場合に、前記上流側端部流路及び前記下流側端部流路の各開口と、前記上流側中継流路及び前記下流側中継流路と、前記計測流路とが同軸線上に配置されるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の水道メータシステム。
  5. 前記可動部材の一端部を前記水道メータシステムの外側に露出し、その露出部分に前記可動部材を操作するための操作部を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の水道メータシステム。
  6. 前記可動部材と前記水道メータとの間には、前記可動部材の内部への水道メータの挿抜を許容する一方、前記可動部材と前記水道メータとが一体回転するように係合する凸部及び凹部を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の水道メータシステム。
  7. 前記凸部は、前記可動部材と前記水道メータとの一方の周面から側方に突出形成され、前記凹部は、前記可動部材と前記水道メータとの他方の周面に形成され、前記可動部材と前記水道メータとの嵌合方向に延びた溝状をなしたことを特徴とする請求項6に記載の水道メータシステム。
  8. 前記バイパス流路は、前記可動部材の周方向に沿って延びた溝形状であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の水道メータシステム。
  9. 前記バイパス流路は、前記可動部材の外周面の全周に亘って延びた環形状になっていることを特徴とする請求項8に記載の水道メータシステム。
  10. 前記バイパス流路は、前記上流側中継流路の近傍部分において、前記可動部材における円筒壁部の内部を通過しかつ、前記上流側中継流路と立体交差したことを特徴とする請求項乃至7の何れかに記載の水道メータシステム。
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