[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1には、本発明の水道メータシステム100の全体構造が示されている。水道メータシステム100のうち中間金具10Aは、下端有底の円筒構造をなしたメータ受容部11Aの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。そして、図1における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Aは円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。メータ受容部11Aの上端には開放口14が形成され、この開放口14から水道メータ20Aを収容した可動部材30Aが挿入されている。そして可動部材30Aはメータ受容部11Aに対して通水位置(本発明の「第1の位置」に相当する)と止水位置(本発明の「第2の位置」に相当する)との間で回動可能に嵌合されている。
水道メータ20Aは円柱構造をなし、下端部寄り部分に計測流路21を備える。計測流路21は水道メータ20Aを径方向に貫通しており、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車(図示せず)を利用して計量される。水道メータ20Aの下端部中央には、水道メータ20Aと後述する可動部材30Aとを一体回動可能に連結する断面非円形の連結凸部22が形成されている。
水道メータ20Aの上部には、外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング23Aが可動部材30Aの内面に密着している。また、水道メータ20Aの上端部には表示部Mが一体に設けられて中間金具10Aから露出しており、図示しないがその周縁部がメータ受容部11Aの上端部に係止されている。そして水道メータ20Aで計測された水道水の通過体積がこの表示部Mにて表示される。なお、水道メータ20Aと中間金具10Aとの間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Aが取り外されることが防止されている。
さて、可動部材30Aは、以下のようである。可動部材30Aは下端有底の円筒形状をなして水道メータ20Aのほぼ全体を収容し、その周方向で互いに180度離れた位置に、可動部材30Aの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。
図2に示すように、可動部材30Aの外周面には両中継流路31A,31Bの各開口を囲むようにOリング溝が形成され、ここにOリング33B,33Bが装着されている。また、両中継流路31A,31Bが設けられた部分よりも上側部分と下側部分とには、可動部材30Aの外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここにOリング33A,33Aが装着されている。これらOリング33A,33Bはメータ受容部11Aの内面に押し潰されて密着している。
可動部材30Aの内面底部には、連結凹部35が陥没形成され、ここに水道メータ20Aの連結凸部22が凹凸嵌合している。ここで、連結凹部35と連結凸部22とが凹凸嵌合すると、水道メータ20Aの計測流路21と可動部材30Aの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bとが同軸線上に位置決めされる。
図1に示すように、可動部材30Aの下面は、中央部から周縁部に向かうに従って、メータ受容部11Aの底面から離れるように緩やかに傾斜している。即ち、可動部材30Aの下面中央部がメータ受容部11Aの底面に接触し、その外側部分がメータ受容部11Aの底面から浮いている。これにより、可動部材30Aの下面全体がメータ受容部11Aの底面に接触したものに比べて、可動部材30Aをメータ受容部11Aに対して回動させる際に可動部材30Aの下面にかかる摩擦が軽減され、可動部材30Aを回動させ易くなっている。
なお、可動部材30Aは、通常使用時にはメータ受容部11Aの上端部に螺合された連結ナット80により、メータ受容部11Aに対して抜け止めされている。
本実施形態の水道メータシステム100に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Aを通水位置に配置する。具体的には、例えば水道メータ10Aの表示部Mに付された目印をメータ受容部11Aに付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図3に示すように、中間金具10Aの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Aの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Aの計測流路21とが同軸線上に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Aを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Aを中間金具10Aから取り外す。まず、表示部Mを把持して、水道メータ20Aをメータ受容部11Aに対して回動操作する。具体的には、例えば、表示部Mの目印をメータ受容部11Aに付された止水位置用の目印に近づける。すると、可動筒体30Aが水道メータ20Aと一体に回動し、可動筒体30Aの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが中間金具10Aの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。そして、可動筒体30Aが止水位置に至ると、図4に示すように、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動筒体30Aの外面で塞がれて、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が断絶する。この状態で表示部Mの周縁部とメータ受容部11Aとの係止を解除し、表示部Mを把持して上方に引き上げる。すると、図5に示すように、可動筒体30Aの上端開口32から水道メータ20Aが抜き取られる。このとき、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部で堰き止められて可動筒体30Aの内側に流れ込むことはない。
検査の済んだ水道メータ20A或いは新規な水道メータ20Aは、可動筒体30Aの上端開口32から挿入して、水道メータ20Aの連結凸部22と可動筒体30Aの連結凹部35とを凹凸嵌合させる。そして、表示部Mを把持して水道メータ20Aを回動操作すれば、可動筒体30Aが一体に回動する。そして、可動筒体30Aを通水位置に戻せば、水道メータ20Aの計量流路21に再び通水されて、水道水の通過体積が計量可能となる。
このように、本実施形態によれば、可動部材30Aを第1と第2の位置の間で移動する一操作で、水道メータ20Aの上流側と下流側の端部流路12,13の両方を一度に開閉することができ、従来より効率よく水道メータ20Aの着脱作業を行うことが可能になる。
また、可動部材30Aを止水位置に配置すると可動部材30Aが止水部として機能して、水道メータ20Aよりも上流側と下流側との両方から水道水が可動部材30Aの内側に流れ込まなくなるので、水道メータ20Aを取り外した後の中間金具10Aからの水道水の放水が防がれる。
しかも、止水部として機能する可動部材30Aは、メータ受容部11Aの内側に配置されているので、止水部とメータ受容部とを水道管との接続方向に横並びに配置した従来の水道メータシステムに比較して全長を短くすることができる。従って、従来の止水部を備えた水道メータシステムに比べて設置スペースを省スペース化できる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図6〜図10に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同一符号を付す。図6には、本実施形態に係る水道メータシステム200の全体構造が示されている。水道メータシステム200のうち中間金具10Bは、下端有底の円筒構造をなしたメータ受容部11Bの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。そして、図6における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Bは上端から下端に向かうに従って緩やかに縮径した円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。メータ受容部11Bの上端には開放口14が形成され、この開放口14から水道メータ20Bを収容した可動部材30Bが挿入されている。そして可動部材30Bはメータ受容部11Bに対して通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。なお、メータ受容部11Bの上端内周面に嵌合されたCリング15が可動部材30Bを抜け止めしている。
水道メータ20Bは、上端から下端に向かうに従って緩やかに縮径した円柱構造をなし、上端寄り部分に計測流路21を備える。計測流路21は水道メータ20Bを径方向に貫通しており、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。
図6に示すように、水道メータ20Bの上端部には外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング23Aが可動部材30Bの内周面に密着している。また、図10に示すように、水道メータ20Bの外周面のうち、周方向で互いに180度離れた位置には、水道メータ20Bと後述する可動部材30Bとを一体回動可能に連結した1対の連結凸部24,24が設けられている。
さらに、水道メータ20Bの上端には水道水の計量結果を表示するための表示部Mが一体に設けられて中間金具10Bから露出している。表示部Mは、所謂、バヨネット式の係止構造を備え、周縁部に形成された複数の係止爪によりメータ受容部11Bの上端縁に係止されている。
さて、可動部材30Bは以下のようである。可動部材30Bは下端有底の円筒構造をなし、メータ受容部11B及び水道メータ20Bの形状に対応して上端から下端に向かって緩やか縮径している。可動部材30Bのうち、その周方向で互いに180度離れた位置には、可動部材30Bの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。
図6に示すように、可動部材30Bの上端には外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング33Aがメータ受容部11Bの内面に密着している。また、図10に示すように、可動部材30Bの内面の周方向で互いに180度離れた位置には、1対の連結溝34,34が形成され、ここに水道メータ20Bの連結凸部24,24が凹凸嵌合している。連結溝34は可動部材30Bの軸方向(図10における上下方向)に延びて、上端開口32側に開放している。連結凸部24,24と連結溝34,34とが凹凸嵌合すると、水道メータ20Bの計測流路21と可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bとが同軸線上に位置決めされる(図6及び図8の状態)。また、これら連結凸部24,24と連結溝34,34とにより、水道メータ20Bと可動部材30Bとが一体回動可能されかつ、水道メータ20Bが可動部材30Bに対して挿抜可能とされている。
可動部材30Bの下面中央には、メータ受容部11Bの底面に向かって突出したボス36が形成されている。即ち、可動部材30Bの下面のうち、ボス36のみがメータ受容部11Bの底面に接触し、その他の部分がメータ受容部11Bの底面から浮いている。これにより、可動部材30Bの下面全体がメータ受容部11Bの底面に接触したものに比べて、可動部材30Bをメータ受容部11Bに対して回動させる際に可動部材30Bの下面にかかる摩擦が軽減され、可動部材30Bを回動させ易くなっている。
ところで、可動部材30Bの外周面にはバイパス流路37が形成されている。バイパス流路37は、可動部材30Bの外周面を半周に亘って陥没させた溝構造をなしている。詳細には、可動部材30Bのうち、上流側中継流路31Aから周方向における一方向(図8における時計回り方向)に約45度離れた位置にはバイパス入口部37Aが形成され、下流側中継流路31Bから周方向における一方向に約45度離れた位置にはバイパス出口部37Bが形成されている。そして、バイパス流路37は、バイパス入口部37Aから斜め下方に延び、可動部材30Bの下端寄り部分を周方向に延びて下流側中継流路31Bの下方を通り(図6を参照)、ここから斜め上方に延びてバイパス出口部37Bに繋がっている(図7を参照)。なお、バイパス流路37は、可動部材30Bの外周面を全周に亘って陥没させた溝構造をなしていてもよい。
本実施形態の水道メータシステム200に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Bを通水位置に配置する。具体的には、例えば、水道メータ20Bの表示部Mに付された目印をメータ受容部11Bに付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図6及び図8に示すように、中間金具10Bの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Bの計測流路21とが同軸線状に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Bを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Bを中間金具10Bから取り外す。具体的には、まず、可動筒体30Bを通水位置から止水位置に向けて(図8における反時計回り方向)に回動操作する。具体的には、例えば、表示部Mを把持して、その表示部Mに付された目印をメータ受容部11Bに付された止水位置用の目印に近づけるように回動操作する。すると、水道メータ20Bと共に可動部材30Bが一体回動し、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが中間金具10Bの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。そして、可動部材30Bが図8における反時計回り方向に約45度回動されて止水位置に至ると、図9の(A)に示すように、上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bがメータ受容部11Bの内面で塞がれ、代わりに、上流側端部流路12の開口12Aとバイパス入口部37A、及び、下流側端部流路13の開口13Aとバイパス出口部37Bとがそれぞれ整合する。つまり、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間が断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とがバイパス流路37により連絡される。このとき、表示部Mに備えたバヨネットとメータ受容部11Bの上端縁との係止が解除されるので表示部Mを把持して水道メータ20Bを上方に引き上げ、可動部材30Bの上端開口32から抜き取る。
このとき、水道水は、可動部材30Bの内側に流れ込むことはなく、バイパス流路37を通って上流側端部流路12から下流側端部流路13に向けて流される(図9の(B)を参照)。
検査の済んだ水道メータ20B或いは新規な水道メータ20Bは、可動部材30Bの上端開口32から挿入して、水道メータ20Bの連結凸部24,24と可動部材30Bの連結溝34,34とを凹凸嵌合させCリング15で固定する。そして、水道メータ20Bを回動操作(図9の(A)における時計回り方向へ約45度回動操作)することで回動操作可動部材30Bを止水位置から通水位置に戻せば、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が連通して計測流路21に水道水が流され、再び水道水の通過体積が計量可能となる。
このように、本実施形態の水道メータシステム200によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏することができる。また、断水させることなく水道メータ20Bの着脱操作を行うことができる。
なお、本実施形態の水道メータシステム200では、水道メータ20Bの着脱時に断水状態にすることも可能である。具体的には、可動部材30Bを止水位置とは反対方向(図8における時計回り方向)に約45度回動すれば、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動部材30Bの外面で塞がれて、上流側端部流路12と下流側端部流路13との間が断絶する。すると、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部でそれぞれ堰き止められて可動部材30Bの内側及びバイパス流路37に流れ込まなくなる。また、常には、水道メータ20Bと中間金具10Bとの間を図示しない回動禁止部材によって連結して、水道メータ20Bの中間金具10Bに対する回動操作を禁止しておけば、正規の作業者ではない者が水道メータ20Bを回動操作して、水道水が水道メータ20Bを経由せずにバイパス流路37を経由して不正に供給されることを防止できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図11〜図15に基づいて説明する。この第3実施形態は、主に、可動部材の構成を前記第2実施形態と異ならせたものである。以下、前記第2実施形態と同じ構成については、同一符号を付す。
図11には、本実施形態に係る水道メータシステム300の全体構造が示されている。水道メータシステム300のうち中間金具10Cは、下端有底の円筒構造をなしたメータ受容部11Cの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。そして、図11における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Cは円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。メータ受容部11Cの上端には開放口14が形成され、この開放口14から水道メータ20Bを収容した可動部材30Bが挿入されている。そして、可動部材30Bはメータ受容部11Cに対して通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。なお、メータ受容部11Cの上端内周面に嵌合されたCリング15が可動部材30Bを抜け止めしている。
水道メータ20Bは、円柱構造をなし、下端寄り部分に計測流路21を備える。計測流路21は水道メータ20Bを径方向に貫通しており、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。
図11に示すように、水道メータ20Bの上端には、外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここにOリング23Aが装着されている。また、水道メータ20Bの外面には、計測流路21の上流側の開口縁を囲むようにOリング溝が形成され、ここにOリング23Bが装着されている。これらOリング23A,23Bは可動部材30Bの内周面に押し潰されて密着している。
また、図10に示すように、水道メータ20Bの外周面のうち、周方向で互いに180度離れた位置には、水道メータ20Bと後述する可動部材30Bとを一体回動可能に連結した1対の連結凸部が設けられている。
水道メータ20Bの上端には計量結果を表示するための表示部Mが一体に設けられて中間金具10Cから露出している。表示部Mは、所謂、バヨネット式の係止構造を備え、周縁部に形成された複数の係止爪によりメータ受容部11Cの上端縁に係止されている。
さて、可動部材30Bは、以下のようである。可動部材30Bは下端有底の円筒形状をなして水道メータ20Bのほぼ全体を収容し、その周方向で互いに180度離れた位置に、可動部材30Bの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。
図11に示すように、可動部材30Bの上端には外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここにOリング33Aが装着されている。また、可動部材30Bの外周面には、上流側中継流路31Aの開口縁を囲むようにOリング溝が形成され、ここにOリング33Bが装着されている。これらOリング33A,33Bはメータ受容部11Cの内面に押し潰されて密着している。
図10に示すように、可動部材30Bの上端内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置には、1対の連結溝34,34が形成されている。連結溝34は可動部材30Bの軸方向に延びて、上端開口32側に開放している。そして、この連結溝34に水道メータ20Bの連結凸部が凹凸嵌合することで、水道メータ20Bの計測流路21と可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bとが同一軸線状に配置されるように位置決めされている。また、これら連結溝34と連結凸部とにより、水道メータ20Bと可動部材30Bとを一体回動可能としつつ、水道メータ20Bを可動部材30Bに対して挿抜可能としてある。
可動部材30Bの下面中央には、メータ受容部11Cの底面に向かって突出したボス36が形成されている。即ち、可動部材30Bの下面のうち、ボス36のみがメータ受容部11Cの底面に接触し、その他の部分がメータ受容部11Cの底面から浮いている。これにより、可動部材30Bの下面全体がメータ受容部11Cの底面に接触したものに比べて、可動部材30Bをメータ受容部11Cに対して回動させる際に可動部材30Bの下面にかかる摩擦が軽減され、可動部材30Bを回動させ易くなっている。
ところで、可動部材30Bの外周面には、バイパス流路37が形成されている。バイパス流路37は、可動部材30Bの外周面を半周に亘って陥没させた溝構造をなしている。詳細には、可動部材30Bのうち、上流側中継流路31Aから周方向における一方向(図13における時計回り方向)に約45度離れた位置には、バイパス入口部37Aが形成され、下流側中継流路31Bから周方向における一方向に約45度離れた位置には、バイパス出口部37Bが形成されている。そして、バイパス流路37は、バイパス入口部37Aから斜め上方に延び、可動部材30Bの上端寄り部分を周方向に延びて下流側中継流路31Bの上方を通り(図11を参照)、ここから斜め下方に延びてバイパス出口37Bに繋がっている(図12を参照)。なお、バイパス流路は、可動部材30Bの外周面を全周に亘って陥没させた溝構造をなしていてもよい。
可動部材30Bの外周面のうち、周方向において上流側中継流路31Aを挟んでバイパス入口部37Aと反対側の部分(図13において上流側中継流路31Aから反時計回り方向に約45度離れた部分)、及び、下流側中継流路31Bを挟んでバイパス出口部37Bと反対側の部分(図13において下流側中継流路31Bから反時計回り方向に約45度離れた部分)には、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aよりも大きな径を有する環状溝が形成され、ここにOリング33C,33Cが装着されている。Oリング33C,33Cは、メータ受容部11Cの内面に押し潰されて密着するようになっている。
本実施形態の水道メータシステム300に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Bを通水位置に配置する。具体的には、例えば、水道メータ20Bの表示部Mに付された目印をメータ受容部11Bに付された通水位置用の目印に一致させように水道メータ20Bを回動操作する。すると、水道メータ20Bと共に可動筒体30Bが一体回動し、図11及び図13に示すように、中間金具10Cの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Bの計測流路21とが同軸線上に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Bを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Bを中間金具10Cから取り外す。まず、可動筒体30Bを通水位置から止水位置に向けて(図13における反時計回り方向)に回動操作する。具体的には、表示部Mを把持して、表示部Mの目印をメータ受容部11Bに付された止水位置用の目印に近づけるように水道メータ20Bを回動操作する。すると、可動筒体30Bが水道メータ20Bと一体に回動し、可動筒体30Bの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが中間金具10Cの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。そして、可動筒体30Bが図13における反時計回り方向に約45度回動されて止水位置に至ると、図14の(A)に示すように、上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bがメータ受容部11Cの内面で塞がれ、代わりに、上流側端部流路12の開口12Aとバイパス入口部37A、及び、下流側端部流路13の開口13Aとバイパス出口部37Bとが整合する。つまり、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間が断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とがバイパス流路37により連絡される。このとき、表示部Mに備えたバヨネットとメータ受容部11Bの上端縁との係止が解除されるので、水道メータ20Bを上方に引き上げ、可動筒体30Bの上端開口32から抜き取る。
このとき、水道水は、可動部材30Bの内側に流れ込むことはなく、バイパス流路37を通って上流側端部流路12から下流側端部流路13に向けて流される(図14の(B)を参照)。
また、水道メータ20Bの着脱操作時に断水状態にする場合は、可動部材30Bを通水位置から、止水位置とは反対方向(図13における時計回り方向)に約45度回動する。すると、図15に示すように、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動部材30Bの外面で塞がれて、上流側端部流路12と下流側端部流路13との間が断絶する。そして、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部で堰き止められて可動部材30Bの内側及びバイパス流路37に流れ込まなくなる。
このとき、可動部材30Bの外面に装着されたOリング33C,33Cが、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aを囲むようにメータ受容部11Cの内面に密着するので、堰き止められた水道水がメータ受容部11Cと可動部材30Bとの隙間に浸入することが防がれる。
検査の済んだ水道メータ20B或いは新規な水道メータ20Bは、可動筒体30Bの上端開口32から挿入して、水道メータ20Bの連結凸部24,24と可動筒体30Bの連結溝34とを凹凸嵌合させ、Cリング15で固定する。そして、水道メータ20Bを回動操作することで可動筒体30Bを通水位置に戻せば、再び水道メータシステム300の計量流路21に通水されて、水道水の通過体積が計量可能となる。
本実施形態の水道メータシステム300によれば、上記第2実施形態と同等の効果を奏することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態を図16〜図20に基づいて説明する。なお、前記第1〜第3実施形態と同じ構成については、同一符号を付す。
図16には、本実施形態に係る水道メータシステム400の全体構造が示されている。水道メータシステム400のうち中間金具10Dは、下端有底の円筒形状をなしたメータ受容部11Dの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。水道管接続部11J,11Kのメータ受容部11D寄り部分は、メータ受容部11Dに近づくに従って窄んで内部空間を徐々に絞った構造をなしている。そして、図16における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Dは円筒内面を備え、その円筒内面のうち、周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。これら各開口12A,13Aは、図18の(B)に示すように、横長の矩形状をなしている。
図20の(A)に示すように、メータ受容部11Dの周壁にはパッキン着脱用窓11Rが貫通形成されている。パッキン着脱用窓11Rは、両水道管接続部11J,11Kから90度ずつ離れた位置に設けられている。パッキン着脱用窓11Rは横長矩形状をなし、通常使用時は蓋体11Sによって塞がれている(図18の(A)を参照)。
メータ受容部11Dの底壁には位置決め凸部11Pが設けられている。位置決め凸部11Pはメータ受容部11Dの底壁から起立してメータ受容部11Dの径方向(図16における紙面に直交する方向)に延びた壁構造をなしている。
メータ受容部11Dの上端には開放口14が形成され、その開放口14から水道メータ20Dを収容した可動部材30Dが挿入されている。そして可動部材30Dは、メータ受容部11Dに対して後述する通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。
水道メータ20Dは、メータ受容部11Dよりも長い円柱構造をなし、下端寄り部分に水道メータ20Dを径方向に貫通した計測流路21を備える。計測流路21は、幅方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短い断面扁平空間で構成され、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。水道メータ20Dの外周面で、計測流路21よりも上側部分と下側部分とには、外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング23C,23Cが可動部材30Dの内面に密着している。さらに、水道メータ20Dの下面中央には、位置決め凹部25が形成され、ここにメータ受容部11Dの位置決め凸部11Pが凹凸嵌合している(図16及び図17を参照)。位置決め凹部25と位置決め凸部11Pとが凹凸嵌合すると、水道メータ20Dの計測流路21と、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aとが同軸線上に配置されかつ、水道メータ20Dがメータ受容部11Dに対して回り止めされる。
水道メータ20Dの上端には水道水の計量結果を表示するための表示部Mが一体に設けられている。表示部Mは、水道メータ20Dよりも径の大きい扁平な円柱構造をなしている。そして、通常使用時には、表示部Mの周縁部に係止された連結ナット81が次述する可動部材30Dの上端部に締め付けられて、水道メータ20Dと可動部材30Dとが一体に固定されている。なお、水道メータ20Dと中間金具10Dとの間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Dが取り外されることが防止されている。
さて、可動部材30Dは、以下のようである。可動部材30Dは、メータ受容部11Dよりも長い両端開放の円筒構造をなし、その周方向で互いに180度離れた位置には、可動部材30Dの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。これら上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bは、計測流路21と同様に、幅方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短い断面扁平空間で構成されている。
図19に示すように、可動部材30Dの外面には、両中継流路31A,31Bの各開口を囲むようにパッキン装着溝が形成され、ここに装着されたパッキン33D,33Dがメータ受容部11Dの内面に密着するようになっている(図16を参照)。
可動部材30Dのうち中間金具10Dの開放口14から露出した部分には固定用フランジ部39Aが形成され、この固定用フランジ39Aがメータ受容部11Dの上端部に突き当たっている。また、固定用フランジ39Aの上方には、側方に張り出した操作用グリップ39B(本発明の「操作部」に相当する)が設けられ、操作用グリップ39Bと固定用フランジ39Aとの間の溝部に連結ナット80が係止されている。そして通常使用時には、この連結ナット80がメータ受容部11Dの上端部に締め付けられて、可動部材30Dがメータ受容部11Dに対して回動不能に固定されている。
ところで、可動部材30Dを構成する円筒壁部の内部にはバイパス流路38が形成されている。図20の(A)に示すように、バイパス流路38は、可動部材30Dのほぼ半周に亘って延びている。
詳細には、上流側中継流路31Aから周方向における一方向(図20(A)における時計回り方向)に約90度離れた位置と、下流側中継流路31Bから周方向における一方向に約90度離れた位置とには、バイパス流路38の端部空間38A,38Aが形成され、これら両端部空間38A,38Aを1対の閉塞流路38C,38Cによって連絡した構造をなす。
図17に示すように、両端部空間38A,38Aは、奥行き幅が上下方向の幅に比べて薄い扁平空間となっており、メータ受容部11Dの内面側に開口している。これら両端部空間38A,38Aの開口は、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aの形状に対応して横長矩形状をなしている。
一方、図16に示すように、閉塞流路38C,38Cは周囲を円筒壁部によって塞がれており、幅寸法に比べて上下寸法が短い扁平空間となっている。閉塞流路38C,38Cは、図20の(A)に示すように、円筒壁部の内部を可動部材30Dの周方向に沿って円弧状に延びかつ、図20の(B)に示すように、可動部材30Dの円筒壁部の内部で上流側中継流路31Aを上下方向から挟むように立体交差して互いに平行となっている。
図19に示すように、可動部材30Dの外周面には、バイパス流路38の両端部空間38A,38Aの開口を囲むように、パッキン33E,33Eが装着されている。これらパッキン33E,33Eは、可動部材30Dの外周面に陥没形成されたパッキン装着溝に嵌合され、メータ受容部11Dの内面に密着するようになっている。
本実施形態の水道メータシステム400に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Dを通水位置に配置する。具体的には、例えば、可動部材30Dに付された位置決め用の目印を中間金具10Dに付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図16に示すように、中間金具10Dの上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aと、可動部材30Dの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Dの計測流路21とが同一軸線上に配置される。即ち、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通って下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Dを検査或いは交換する場合には、以下の手順により水道メータ20Dを中間金具10Dから取り外す。まず連結ナット80,81を緩めて、可動部材30Dをメータ受容部11D及び水道メータ20Dに対して回動可能な状態とする。次に、可動部材30Dの操作用グリップ39Bを工具或いは手で握って通水位置から止水位置に向けて回動操作する。具体的には、例えば、可動部材30Dの目印をメータ受容部11Dに付された止水位置用の目印に近づける。すると、可動部材30Dが水道メータ20Dの外面とメータ受容部11Dの内面とに摺接しながら回動し、上流側中継流路31Aが上流側端部流路12の開口12Aに対してずらされると共に、下流側中継流路31Bが下流側端部流路13の開口13Aに対してずらされる。
そして、可動部材30Dが通水位置から約90度回転されて止水位置になると(図20の(A)の状態)、上流側端部流路12の開口12Aには、上流側中継流路31Aの代わりにバイパス流路38の一方の端部空間38Aが整合し、下流側端部流路13の開口13Aには、下流側中継流路31Bの代わりにバイパス流路38の他方の端部空間38Aが整合する。つまり、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側端部流路13と下流側中継流路31Bとの間が断絶する代わりに、上流側端部流路12と下流側端部流路13とがバイパス流路38により連絡される。この状態で、連結ナット81を取り外して水道メータ20D及び表示部Mを可動部材30Dの上端開口32から上方へ引き抜く。このとき、水道水は、可動部材30Dの内側に流れ込むことはなく、バイパス流路38を通って上流側端部流路12から下流側端部流路13に向けて流される(図20の(B)を参照)。
検査の済んだ水道メータ20D或いは新規な水道メータ20Dは、可動部材30Dの上端開口32から挿入して、水道メータ20Dの位置決め凹部25とメータ受容部11Dの位置決め凸部11Pとを凹凸嵌合させる。次に、可動部材30Dを、水道メータ20Dの取り外し時とは反対方向に90度回動して通水位置に戻せば、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が連通して計測流路21に水道水が流れる。そして、最後に、連結ナット80,81を締め付けて可動部材30Dと水道メータ20Dとを中間金具10Dに固定すれば、再び水道水の通過体積が計量可能となる。
ところで、本実施形態の水道メータシステム400によれば、可動部材30Dの外周面に装着されたパッキン33D,33Eを中間金具10Dの外部からメンテナンスすることができる。具体的には、例えば、可動部材30Dを通水位置に配置した状態で蓋体11Sを取り外すと、パッキン着脱用窓11Rから、バイパス流路38の端部空間38A,38Aの開口を囲んだパッキン33E,33Eの何れか一方が中間金具10Dの外部に露出される。そして、パッキン着脱用窓11Rを介して、そのパッキン33Eを点検・交換する。このとき、水道水は、上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、計測流路21とを通って下流側に流されている。
パッキン33Eの点検・交換が終わったら、可動部材30Dを90度回転させて止水位置にする(図20の(A)の状態)。すると、上流側中継流路31A又は下流側中継流路31Bの開口を囲んだパッキン33D,33Dの何れか一方がパッキン着脱用窓11Rから外部に露出される。そして、パッキン着脱用窓11Rを介してこのパッキン33Dを点検・交換する。このとき、水道水はバイパス流路38を通って下流側に流されている。
以下同様に、可動部材30Dを一方向に90度回転させる毎にパッキン着脱用窓11Rからパッキン33Eとパッキン33Dとが交互に露出するので、その都度、点検・交換を行う。全てのパッキン33D,33Eの点検・交換が終わったら最後にパッキン着脱用窓11Rに蓋体11Sを取り付けてパッキン33D,33Eのメンテナンス作業は終了である。
このように、本実施形態によれば、上記第2,第3実施形態と同等の効果を奏すると共に、断水させることなくパッキン33D,33Eのメンテナンス作業を行うことができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態を図21に基づいて説明する。なお、前記第1〜第4実施形態と同じ構成については、同一符号を付す。
本実施形態の水道メータシステム500のうち中間金具10Eは、円筒構造をなしたメータ受容部11Eの外周面から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなし、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。そして、図21における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
メータ受容部11Eは円筒内面を備え、その円筒内面のうち周方向で互いに180度離れた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが配置されている。メータ受容部11Eの上端には開放口14が形成され、この開放口14から水道メータ20Eを収容した可動部材30Eが挿入される。そして可動部材30Eは、メータ受容部11Eの内側において、通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合されている。
メータ受容部11Eの底壁中央には、可動部材突入孔11Mが設けられ、その側方には、水道メータ位置決め孔11Lが設けられている。また、メータ受容部11Eの底壁内面に敷設された図示しない滑りシートにより可動部材30Eをメータ受容部11Eに対して回動した際の可動部材30Eの下面にかかる摩擦が軽減されている
水道メータ20Eは略円柱構造をなし、上端部に表示部Mを備えると共に表示部Mの真下位置に計測流路21を備える。表示部Mは、水道メータ20Eの上端部に形成された陥没凹所に嵌め込まれて、例えば、スナップフィット86及び押さえナット85により水道メータ20Eに取り付けられている。
計測流路21は水道メータ20Eを径方向に貫通しており、この計測流路21を通過する水道水の通過体積が計量される。ここで、本実施形態の水道メータ20Eの主要部は、所謂、軸流羽根車式流量計で構成されている。即ち、計測流路21の内側には、計測流路21の軸線方向(図21における左右方向)に軸支された羽根車83が備えられている。そして、羽根車83の回転数を羽根車83の外縁部に備えたマグネット83Mと、表示部Mの下端部に備えた磁気センサー84とで検出し、その回転数に基づいて通過体積を算出して表示部Mにて表示している。なお、水道メータ20Eの主要部を、所謂、超音波式流量計又は電磁式流量計としてもよい。
水道メータ20Eのうち計測流路21よりも上側部分と下側部分とには、水道メータ20Eの外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着されたOリング23C,23Cが可動部材30Eの内面に密着している。
水道メータ20Eの下面には、位置決め凸部26が形成されている。位置決め凸部26は、可動部材30Eの底部を貫通してメータ受容部11Eに形成された位置決め孔11Lに嵌合している。位置決め凸部26と位置決め孔11Lとが凹凸嵌合すると、水道メータ20Eの計測流路21が上流側端部流路12及び下流側端部流路13と同軸線上に配置されかつ、水道メータ20Eがメータ受容部11Eに対して回り止めされる。なお、表示部Mが取り付けられた状態の水道メータ20Eは、メータ受容部11Eの開放口14に螺合した押さえナット85に係止されて、メータ受容部11Eからの抜け止めが図られている。以上が水道メータ20Eの説明である。なお、水道メータ20Eと中間金具10Eとの間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Eが取り外されることが防止されている。
さて、水道メータ20Eを収容した可動部材30Eは、以下のようである。可動部材30Eは全体として下端有底の円筒形状をなし、その周方向で互いに180度離れた位置に、可動部材30Eの円筒壁部を貫通した上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが形成されている。
可動部材30Eの上端部と下端部とには、可動部材30Eの外周面の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここにOリング33A,33Aが装着されている。また、可動部材30Eの外周面には上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bの開口を囲むようにOリング溝が形成され、ここにもOリング33B,33Bが装着されている。そして、これらOリング33A,33Bがメータ受容部11Eの内面に密着している。
可動部材30Eは、メータ受容部11Eの上端内周面に嵌合されたCリング15により抜け止めされている。また、Cリング15と可動部材30Eとの間には、例えば、ゴム製の押さえリング82が挟まれており、可動部材30Eの上下方向におけるがたつきが防止されている。さらに押さえリング82と可動部材30Eとの間には挟まれた図示しない滑りシートにより、可動部材30Eをメータ受容部11Eに対して回動した際の可動部材30Eの上端面にかかる摩擦が軽減されている。
可動部材30Eの底部は、メータ受容部11Eの可動部材突入孔11Mに突入してメータ受容部11Eの下面側に露出しており、この露出部分に可動部材30Eを回動操作するための操作レバー40が備えられている。即ち、中間金具10Eの外部から直接、可動部材30Eを回動操作可能となっている。なお、操作レバー40は可動部材30Eに対して着脱可能であってもよい。
本実施形態の水道メータシステム500に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Eを通水位置に配置する。具体的には、例えば図21に示すように、操作レバー40を水道管接続部11J,11Kに対して略平行にし、中間金具10Eの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Eの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bと、水道メータ20Eの計測流路21とを同軸線上に配置させる。すると、水道水が上流側端部流路12から計測流路21を通過して下流側端部流路13に向かって流れて、計測流路21を通過する際に羽根車83を回転させることで水道水の通過体積が計量される。
さて、水道メータ20Eを検査或いは交換する場合には以下の手順により水道メータ20Eを中間金具10Eから取り外す。まず、操作レバー40を操作して可動部材30Eを通水位置から止水位置に向けて回動させる。すると、可動部材30Eがメータ受容部11Eと水道メータ20Eとの間で摺動して、可動部材30Eの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが中間金具10Eの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。操作レバー40を通水位置から所定角度(例えば、約90度)回動させて止水位置に至ると、上流側端部流路12と計測流路21との間、及び、計測流路21と下流側中継流路31Bとの間に可動部材30Eを構成する円筒壁部が配置され、上流側端部流路12と下流側中継流路31Bとの間が断絶される。この状態で、押さえナット85を取り外し、表示部Mを把持して上方に引き上げると、水道メータ20Eがメータ受容部11Eから引き抜かれる。このとき、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部で堰き止められて可動部材30Eの内側に流入することはない。
検査の済んだ水道メータ20E或いは新規な水道メータ20Eは、可動部材30Eの上端開口32から挿入して、水道メータ20Eの位置決め凸部26とメータ受容部11Eの位置決め孔11Lとが凹凸嵌合するように嵌め込む。次いで、押さえナット85をメータ受容部11Eの上端部に螺合して水道メータ20Eを抜け止めする。最後に、操作レバー40を回動操作して可動部材30Eを通水位置に戻せば、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が連通して計測流路21に水道水が流れてその通過体積が計量可能となる。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。また、中間金具10Eの内部に収容された可動部材30Eを、中間金具10Eの外部から直接、回動操作できるので、通水位置と止水位置との切り替えを比較的容易に行うことができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態を図22〜図24に基づいて説明する。なお、前記第1〜第5実施形態と同じ構成については、同一符号を付す。
図22には、本実施形態の水道メータシステム600の全体構造が示されている。同図に示すように、中間金具10Fは、円柱構造をなした本体部11F(本発明の「円柱部」に相当する)の下端部から相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設しかつ、本体部11Fの外側に可動部材30Fを通水位置と止水位置との間で回動可能に嵌合した構造をなす。そして、この中間金具10Fの上端部、即ち本体部11F及び可動部材30Fの上端部に重ねて、水道メータ20Fが着脱可能に取り付けられている。
水道メータ20Fは中空構造をなし、内部空間が上流部屋27Aと下流部屋27Bとに二分割されている。これら上流部屋27Aと下流部屋27Bとの間は計測流路21によって連絡され、この計測流路21を流れる水道水の通過体積が、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車(図示せず)を利用して計量される。なお、水道メータ20Fは、図示しないボルトによって可動部材30Fに一体に固定されている。なお、水道メータ20Fと中間金具10F(可動部材30F)との間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Fが取り外されることが防止されている。
本体部11Fの内部には、図22における左側の水道管接続部11Jの内部空間から上方に延びて、本体部11Fの外周面の上端寄り部分に開口した上流側端部流路12と、図22における右側の水道管接続部11Kの内部空間から上方に延びて、本体部11Fの外周面の下端寄り部分に開口した下流側端部流路13とが形成されている。上流側端部流路12の下流側の開口12Aと下流側端部流路13の上流側の開口13Aは、本体部11Fの周方向において互いに180度離れた位置に設けられている。また、本体部11Fの外周面の上端部と下端部及びその中間部には、周方向の全周に亘ってOリング溝が形成され、ここに装着された3つのOリング23Dが、次述する可動部材30Fの内周面に押し潰されて密着している。
可動部材30Fは円筒構造をなし、その円筒壁部の内部に上流側中継流路31Aと下流側中継流路31Bとが形成されている。上流側中継流路31Aは、一端部が可動部材30Fの上端面に開口して水道メータ20Fの上流部屋27Aに連通しかつ、他端部が可動部材30Fの円筒内面に開口して上流側端部流路12に連通している。一方、下流側中継流路31Bは、一端部が可動部材30Fの上端面に開口して水道メータ20Fの下流部屋27Bに連通しかつ、他端部が可動部材30Fの円筒内面に開口して下流側端部流路13に連通している。なお、可動部材30Fの円筒壁部で囲まれた内側空間が本発明の「内面円筒嵌合部」に相当する。
本実施形態の水道メータシステム600に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Fを通水位置に配置する。具体的には、例えば可動部材30Fに付された目印を本体部11Fの可動部材30Fから露出した部分(例えば、水道管接続部11J,11K)に付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図22及び図24の(A)に示すように、中間金具10Fの上流側端部流路12及び下流側端部流路13と、可動部材30Fの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bとが連通する。すると、水道水は上流側端部流路12から上流側中継流路31Aを経由して上流部屋27Aに流入し、ここから計測流路21に流入する。そして計測流路21を通過する際に通過体積が計量され、水道水は、下流部屋27B及び下流側中継流路31Bを経由して下流側端部流路13に向かう。
さて、水道メータ20Fを検査或いは交換する場合には、まず、可動部材30Fを把持し、本体部11Fに対して回動操作して通水位置から止水位置に移動する。具体的には、例えば可動部材30Fを図24の(A)における反時計回り方向へ回動する。すると、可動部材30Fと水道メータ20Fとが一体回動し、可動部材30Fの上流側中継流路31A及び下流側中継流路31Bが本体部11Fの上流側端部流路12及び下流側端部流路13に対して徐々にずらされる。そして、可動部材30Fが止水位置に至ると、図23及び図24の(B)に示すように、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動部材30Fの円筒内面で塞がれて、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が断絶する。この状態で、水道メータ20Fと可動部材30Fとを固定したボルトを取り外して、図23に示すように、水道メータ20Fを中間金具10Fの上方に持ち上げる。このとき、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部で堰き止められているので、水道メータ20Fを取り外した後で中間金具10Fからの水道水の放水が防がれる。
検査の済んだ水道メータ20F或いは新規な水道メータ20Fは、上流部屋と上流側中継流路とが連通しかつ、下流部屋と下流側中継流路とが連通するように中間金具10Fの上端部に載置し、ボルトで可動部材30Fに固定する。そして、止水するときとは反対方向(図24の(B)における時計回り方向)に約90度回動して可動部材30Fを通水位置に戻せば、上流側端部流路12と上流側中継流路31Aとの間、及び、下流側中継流路31Bと下流側端部流路13との間が連通して計測流路21に水道水が流れる。これにより水道水の通過体積が計量可能となる。
このように、本実施形態によれば、可動部材30Fを通水位置と止水位置の間で移動する一操作で、水道メータ20Fの上流側と下流側の端部流路12,13の両方を一度に開閉することができ、従来より効率よく水道メータ20Fの着脱作業を行うことが可能になる。
また、可動部材30Fを止水位置に配置すると可動部材30Fが止水部として機能して、水道メータ20Fよりも上流側と下流側との両方から水道水が可動部材30Fの内側に流れ込まなくなるので、水道メータ20Fを取り外した後の中間金具からの水道水の放水が防がれる。
しかも、止水部として機能する可動部材30Fは、本体部11Fの外周に嵌合されているので、止水部とメータ受容部とを水道管との接続方向に横並びに配置した従来の水道メータシステムに比較して全長を短くすることができる。従って、従来の止水部を備えた水道メータシステムに比べて設置スペースを省スペース化できる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態を図25〜図27に基づいて説明する。図25には、本実施形態の水道メータシステム700の全体構造が示されている。同図に示すように、中間金具10Gには、可動部材30Gの両端部に嵌合された1対の水道管接続部11J,11K(本発明の「端部筒体」に相当する)を長ネジ60(本発明の「連結部材」に相当する)によって互いに連結してなるベース部11Gが設けられ、このベース部11Gに対して可動部材30Gが通水位置と止水位置との間で回動可能となっている。
ベース部11Gのうち、水道管接続部11J,11Kは、図示しない水道管に接続される螺合筒体61と可動部材30Gに嵌合される嵌合筒体62との間を扁平管63で繋いだ構成をなす。そして、図25及び図26における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12を構成する一方、右側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13を構成している。
水道管接続部11J,11Kのうち、螺合筒体61は、円筒形状をなして水道管(図示せず)側に開口している。また、螺合筒体61の外周面には螺子が形成され、ここにベース部11Gと水道管とを接続するための連結ナット(図示せず)が螺合されるようになっている。
一方、嵌合筒体62は、螺合筒体61よりも径の大きい一端有底の円筒形状をなして可動部材30G側に開口し、その奥面62Bの中心からずれた位置に上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが形成されている(図26を参照。同図には下流側端部流路13の開口13Aのみが示されている)。嵌合筒体62の外周面で周方向で互いに180度離れた位置にはフランジ62A,62Aが突設され、ここに前記長ネジ60が差し渡されている。なお、長ネジ60の両端部に螺合されたナット60A,60Aを締め付けると、水道管接続部11J,11Kが互いに近づいて可動部材30Gがベース部11Gに対して回動不能な状態となり、ナット60A,60Aを緩めると水道管接続部11J,11Kが互いに離れて可動部材30Gがベース部11Gに対して回動可能な状態となる。
ところで、可動部材30Gは、円柱体の長手方向の途中部分を外面から中心軸の近傍まで、所謂、蒲鉾状に切除してユニット取付凹部70を形成した構造をなし、ここに水道メータ20Gが取り付けられている。また、可動部材30Gの中心軸からずれた位置を軸方向に計測流路21Gが貫通しており、ユニット取付凹部70の底面には、計測流路21Gに連通した計測孔71が貫通形成されている。
ここで、水道メータ20Gは、前記ユニット取付凹部70の形状に対応して、所謂、蒲鉾状をなした表示部Mの下面に円柱状の計測突部28を備えてなる。そして水道メータ20Gのうち、計測突部28が計測孔71から計測流路21Gに突入すると共に、表示部Mがユニット取付凹部70の内側に嵌合している。計測突部28の下端寄り部分には、計測突部28を径方向に貫通した計測部28Aが形成され、水道水の通過体積はこの計測部28Aを通過する際に、所謂、超音波、電磁誘導又は羽根車を利用して計量される。
可動部材30Gの両端面には、例えばゴム製のパッキン33Fが敷設され、このパッキン33Fが水道管接続部11J,11Kに備えた嵌合筒体62の奥面62B(図26を参照)に密着している。また、可動部材30Gの両端部の外周面には周方向の全周に亘ってOリング33Gが装着され、これらOリング33Gが嵌合筒体62の内周面に密着している。なお、ユニット取付凹部70の底面と水道メータ20Gの表示部Mの下面との間には計測孔71を囲むようにしてOリング33Hが挟まれている。
本実施形態の水道メータシステム700に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道水の通過体積を計量する場合には、可動部材30Gを通水位置に配置する。具体的には、例えば可動部材30Gに付された目印を水道管接続部11J,11Kに付された通水位置用の目印に一致させる。すると、図27の(A)に示すように、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aと、可動部材30Fの計測流路21Gの両端開口とが整合する。これにより、水道水は上流側端部流路12から計測流路21に流入し、水道メータ20Gに備えた計測部28Aを通過して通過体積が計量される。計測部28Aを通過した水道水は計測流路21Gから下流側端部流路13を通って水道メータシステム700の下流側へ流れる。
さて、水道メータ20Gを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Gを中間金具10Gから取り外す。具体的には、まず、長ネジ60の両端部に螺合されたナット60Aを緩めて、可動部材30Gをベース部11Gに対して回動可能な状態とする。次に可動部材30Gを把持して周方向における一方向に回動操作し、通水位置から止水位置に移動する。具体的には、例えば可動部材30Gを図27の(A)における反時計回り方向へ回動操作する。すると、可動部材30Fの両端面に備えたパッキン33Fが嵌合筒体62の奥面62Bに摺接、或いは、嵌合筒体62の奥面62Bから離れた状態で回動し、可動部材30Fの計測流路21Gの両端開口が上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aに対して徐々にずらされる(図27の(B)を参照)。そして、可動部材30Fが通水位置から約180度回動して止水位置に至ると、図27の(C)に示すように、上流側端部流路12及び下流側端部流路13の各開口12A,13Aが可動部材30Fの両端面に備えたパッキン33Fで塞がれて、上流側端部流路12及び下流側端部流路13と計測流路21Gとの間が断絶する。この状態で、水道メータ20Gを固定したボルトBTを取り外して、水道メータ20Gをユニット取付凹部70から引き離すように移動すると水道メータ20Gが中間金具10Gから取り外される。このとき、水道水は上流側端部流路12及び下流側端部流路13の内部で堰き止められているので、水道メータ20Gを取り外した後で中間金具10Gからの水道水の放水が防がれる。
検査の済んだ水道メータ20G或いは新規な水道メータ20Gは、計測突部28を計測孔71に挿入し、表示部29BをOリング33Hを介してユニット取付凹部70に嵌合した状態でボルトBTによって可動部材30Gに固定する。そして、可動部材30Gの周方向における一方向(例えば、図27の(C)における時計回り方向)に約180度回動して可動部材30Gを通水位置に戻す。最後に、長ネジ60の両端部のナット60Aを締め付けて可動部材30Gをベース部11Gに対して回動不能に固定する。以上で、水道メータ20Gの検査・交換作業は終了であり、再び水道メータシステム700により水道水の通過体積が計量可能となる。
このように、本実施形態によれば、可動部材30Gを止水位置に配置すると可動部材30Gが止水部として機能して、水道水が可動部材30Gの内側に流れ込まなくなるので、水道メータ20Gを取り外した後の中間金具10Gからの水道水の放水が防がれる。そして、可動部材30Gを通水位置と止水位置の間で移動する一操作で、水道メータ20Gの上流側端部流路12と下流側端部流路13の各開口12A,13Aの両方を一度に開閉することができ、従来より効率よく水道メータ20Gの着脱作業を行うことが可能になる。なお、水道メータ20Gと中間金具10G(可動部材30G)との間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Gが取り外されることが防止されている。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態を図28及び図29に基づいて説明する。図28には、本実施形態の水道メータシステム800の全体構造が示されている。同図に示すように、水道メータシステム800の中間金具10Hは、両端開放の円筒壁90(本発明の「筒壁」に相当する)の下端開口90B(本発明の「開閉口」に相当する)の周りを包囲壁91で包囲してなり、この中間金具10Hから相反する方向に1対の水道管接続部11J,11Kを延設した構造をなす。そして、これら水道管接続部11J,11Kが、図示しない水道管に接続される。本実施形態では、図28における左側の水道管接続部11Jの内部空間が上流側端部流路12をなす一方、反対側の水道管接続部11Kの内部空間が下流側端部流路13をなしている。
上流側端部流路12の下流側開口12B(本発明の「終端口」に相当する)は、包囲壁91内に連通しており、下流側端部流路13の上流側開口13B(本発明の「始端口」に相当する)は、円筒壁90の上端開口90A(本発明の「収容口」に相当する)寄りの側部に開口している。また、円筒壁90の内周面で下流側端部流路13の上流側開口13Bよりも下側には、Oリング溝が形成され、ここにOリング33Kが嵌合されている。そして、円筒壁90の上端開口90Aから挿入組付された水道メータ20Hにより、中間金具10H内を通過する水道水の通過体積が計量される。
水道メータ20Hは、計量結果を表示する表示部Mから下端開放の羽根車収容筒29を突出した構造をなし、その羽根車収容筒29の内部に羽根車83が収容されている。
水道メータ20Hの各部について説明すると、表示部Mは羽根車収容筒29に向かって段付き状に縮径した扁平円柱構造をなし、円筒壁90の上端内側に嵌合して上端開口90Aを閉塞している。また、表示部Mの下端外周面にはOリング33Jが装着され、このOリング33Jが円筒壁90の内周面に密着している。
羽根車収容筒29は、表示部Mの下面中央から円筒壁90の下端開口90Bに向かって延びた円筒形状をなして、後述する直動筒体30Hの内周面に摺接可能に嵌合している。また、羽根車収容筒29の上端寄り部分には、直動筒体30Hに形成された連通孔72を介して下流側端部流路13の上流側開口13Bと整合した側部開口29Aが貫通形成されている。
羽根車83は、複数の羽根83Aをシャフト83Bの外周面から放射状に張り出して備える。シャフト83Bの軸心部には、下端開放の空洞が形成され、その空洞内に図示しない軸受けが組み付けられている。そしてシャフト83Bの下端から空洞内に、支持ピン73Bが挿入されて、その支持ピン73Bの先端が軸受けに突き当てられている。支持ピン73Bは、羽根車収容筒29の下端開口の中心部から起立して、放射状に延びた複数のリブによって羽根車収容筒29に一体に設けられている。なお、水道メータ20Hと中間金具10Hとの間は、常には図示しない取り外し防止部材によって連結されており、正規の作業者ではない者によって不正に水道メータ20Hが取り外されることが防止されている。
さて、中間金具10Hのうち、円筒壁90の内部には、両端開放の直動筒体30H(本発明の「直動部材」「可動部材」に相当する)が通水位置と止水位置との間で直動可能に嵌合されている。直動筒体30Hは円筒形状をなしその上端開口32寄りの側部には連通孔72が貫通形成されている。そして、図28に示すように、直動筒体30Hが通水位置に配置された場合には、連通孔72は下流側端部流路13の上流側開口13B及び羽根車収容筒29の側部開口29Aと整合している。つまり、円筒壁90(詳細には、羽根車収容筒29)の内部空間と下流側端部流路13とが連通している。
直動筒体30Hの下端開口の中心部にはボス部73が備えられ、ボス部73と直動筒体30Hとの間が、例えば、放射状に延びた複数のリブ73Aによって繋がっている。ボス部73は、下方に向かって丸みを帯びて先細りとなった形状をなしている。
ボス部73の周面からは、下方に向かって例えば3つの脚部73C(本発明の「連絡部材」に相当する)が放射状に張り出しており、これら脚部73Cの下端部には閉塞盤73Dが設けられている。閉塞盤73Dは、円筒壁90の下端開口90Bよりも径の大きい円板形状をなし、例えば、中央部分がプラスチックで構成され、周縁部分がゴム等の軟質性のシール部材73Eで構成されている。そして、図28に示すように、直動筒体30Hが通水位置に配置された場合には、閉塞盤73Dは中間金具10Hの底部に配置され、円筒壁90の下端開口90Bが開放されている。
ここで、本実施形態では、直動筒体30Hが通水位置に配置された場合における、円筒壁90の上端開口90AからOリング33Jが密着した部分までの距離が、閉塞盤73Dの上面から円筒壁90の下端開口90Bまでの距離よりも長くなるように構成されている。つまり、閉塞盤73Dが円筒壁90の下端開口90Bから離れている場合には、常に、Oリング33Jが円筒壁90の内周面に密着するようになっている。これにより、可動筒体30Hが通水位置と止水位置との間を移動する途中で中間金具10Hから漏水することが防止されている。
本実施形態の水道メータシステム800に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。水道メータ20Hを検査或いは交換する場合には以下の手順により、水道メータ20Hを中間金具10Hから取り外す。即ち、水道メータ20Hを中間金具10Hに固定した図示しないボルトを取り外し、表示部Mを把持して上方に引き上げる。すると、図示しない係止機構によって水道メータ20Hに係止された直動筒体30Hが水道メータ20Hと共に上方へ移動して、閉塞盤73Dが上方へ移動すると共に、円筒壁90の連通孔72が下流側端部流路13の上流側開口13Bに対して徐々にずらされる。このとき、水道メータ20H(詳細には、表示部M)に装着されたOリング33Jは、円筒壁90の内周面に密着しているので、水道メータ20Hと中間金具10Hとの隙間からの漏水が防がれる。
水道メータ20Hをさらに引き上げると、閉塞盤73Dの周縁部が円筒壁90の下端開口90Bの周縁部に突き当たって下端開口90Bが閉塞されると共に、下流側端部流路13の上流側開口13Bが直動筒体30Hの周壁で塞がれて、円筒壁90の内側に水道水が流入しなくなる。この時点で水道メータ20Hに装着されたOリング33Jは、円筒壁90の内周面に密着している。また、閉塞盤73Dの周縁部が円筒壁90の下端開口90Bの周縁部に突き当たることで直動筒体30Hの上方への移動が規制される。なお、このときの直動筒体30Hの位置が、本発明の「第2の位置」に相当する。
ここからさらに水道メータ20Hを引き上げると、羽根車収容筒29が直動筒体30Hの内周面に摺接しながら上方へ移動して、直動筒体30Hの上端開口32から引き抜かれる。このとき、閉塞盤73Dは水圧により円筒壁90の下端開口90Bの周縁部に押し付けられ、円筒壁90の下端開口90Bと下流側端部流路13の上流側開口13Bが閉塞状態に保持される(図29の状態)。
検査が済んだ水道メータ20H或いは新規な水道メータ20Hは、円筒壁90の上端開口90Aから直動筒体30Hの内側に挿入する。水道メータ20Hを直動筒体30Hに挿入して押し込むと、すぐに水道メータ20Hに装着されたOリング33Jが円筒壁90の内周面に密着する。さらに水道メータ20Hを押し込むと羽根車収容筒29の下端部と直動筒体30Hの下端開口のリブ73Aとが当接しかつ、表示部Mの下面に直動筒体30Hの上端部が当接する。そしてこのとき、直動筒体30Hの連通孔72と羽根車収容筒29の側部開口29Aとが整合する。ここからさらに水道メータ20Hを押し込むと、水道メータ20Hと共に直動筒体30Hが円筒壁90内を下方へ移動する。すると、閉塞盤73Dが円筒壁90の下端開口90Bから離れると共に、直動筒体30Hの周壁が下流側端部流路13の上流側開口13Bから徐々に退避する。そして、水道メータ20Hが中間金具10Hの最下部まで押し込むと、直動筒体30Hが通水位置に達し、閉塞盤73Dが中間金具10Hの下端面に突き当たると共に、下流側端部流路13の上流側開口13Bと直動筒体30Hの連通孔72とが整合する(図28の状態)。これにより、上流側端部流路12と下流側端部流路13との間が連通して、水道メータ20Hにて通過体積が計測可能となる。なお、このときの直動筒体30Hの位置が本発明の「第1の位置」に相当する。本実施形態によれば、第7実施形態と同等の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、羽根車83を利用して水道水の通過体積を計量していたが、電磁誘導又は超音波を利用して計量するようにしてもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)図30の(A)に示すように、柱状構造体55の内部に上流側端部流路と下流側端部流路とを互いに平行となるように設けると共に、上流側端部流路12及び下流側端部流路13にそれぞれボールバルブ50A,50Bを設けて、それらをギヤ50Cで連結してもよい。
また、図30の(B)に示すように、柱状構造体55の内部に、柱状構造体55に対して回転或いは直動可能な切り替え盤51を収容し、その切り替え盤51に上流側端部流路12に対応した貫通孔51Aと下流側端部流路13に対応した貫通孔51Bとを設けて、切り替え盤51を回転或いは直動させることで、それら貫通孔51A,51Bが各端部流路12,13に整合した位置(図30の(B)の状態)とずれた位置(図30の(C)の状態)との間で移動するようにしてもよい。
(2)上記第7実施形態では、水道管接続部11J,11Kの間を長ネジ60,60のみで連結していたが、図31に示すように水道管接続部11J,11Kの間に長ネジ60,60に加えて長板部材Nを差し渡してもよい。長板部材Nは、幅方向において円弧状に湾曲した構造をなす。また長ネジ60,60及び長板部材Nは、可動部材30Gが止水位置のときに水道メータ20Gに重ならないような位置に配置する。具体的には、可動部材30Gを通水位置(図32の(A)の状態)から90度回動したときに止水位置(図32の(B)の状態)となるように構成しかつ、長板部材Nの幅方向の長さを水道管接続部11J,11Kの嵌合筒体62の全周の1/4程度にする。このようにすれば、可動部材30Gを回動操作した際の長ネジ60,60のねじれが防がれる。なお、長板部材Nは複数のボルトBTによって水道管接続部11J,11Kに固定されるように構成しかつ、長板部材Nの一端側に形成されたボルト挿通孔HBは長板部材Nを差し渡した状態で水道管接続部11J,11K同士が可動部材30Gの軸方向へ移動できるように長円形とすることが好ましい。