以下、本発明のテレビドアホン装置を適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の第1の態様の回路構成を示すブロック図であり、図2は、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の第2の態様の回路構成を示すブロック図である。ここで、図1に示すテレビドアホン装置は、玄関に設置される玄関子機1及び住戸内に設置される居室親機2の間が5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)により接続されている。一方、図2に示すテレビドアホン装置は、玄関に設置される玄関子機1及び住戸内に設置される居室親機2の間が3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)により接続されている。
なお、玄関子機1及び居室親機2の間を接続するにあたり、5線の伝送路La及び3線の伝送路Lbを構成する呼出・通話ラインL1、2線の電源・映像ラインL2、L3は、共通の当該伝送路である。また、5線の伝送路Laは、前述の呼出・通話ラインL1、2線の電源・映像ラインL2、L3の他に、警報制御ラインL4及びアースラインL5により構成されている。
玄関子機1には、呼出ボタン100、カメラ101、映像信号生成回路102、映像変調回路103、低周波数帯域通過回路(以下、LPFという。)104、映像不平衡・平衡変換回路105、子機マイク106、子機スピーカ107、子機通話回路108、戸外表示器109、2つの子機インピーダンス制御回路(以下、第1、第2の各子機インピーダンス制御回路という。)110、111、整流ダイオード112、子機電源回路113、映像撮像電源検出回路114、カメラ検出負荷回路115、警報信号検出回路116、及び5個のライン端子P1a、P1b、P1c、P1d、P1eが備えられている。
この玄関子機1において、呼出ボタン100は、玄関に居る人物、例えば、来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すために操作するものであり、ライン端子P1aを経由して呼出・通話ラインL1に接続されている。
カメラ101は、呼出操作を行った来訪者の映像(玄関の周囲近傍の映像を含む。)を撮像するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の各種の撮像媒体が好適とされる。また、映像信号生成回路102は、カメラ101にて撮像された映像を信号処理して電気信号の映像信号を生成するためのものである。また、映像変調回路103は、映像信号生成回路102にて生成された映像信号をFM変調するためのものである。また、LPF104は、映像変調回路103にてFM変調された映像信号の低周波数帯域のみを通過させるためのものである。さらに、映像不平衡・平衡変換回路105は、LPF104を経由した映像信号について、当該映像信号が伝送される2線の電源・映像ラインL2、L3との間の平衡をとるために不平衡・平衡変換するものであり、ライン端子P1bを経由して電源・映像ラインL2と、ライン端子P1cを経由して電源・映像ラインL3とにそれぞれ接続されている。
子機マイク106及び子機スピーカ107は、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。また、子機通話回路108は、子機マイク106及び子機スピーカ107にて入出力される音声である電気信号の音声信号について4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等、所定の信号処理を行うためのものであり、ライン端子P1aを経由して呼出・通話ラインL1に接続されている。なお、子機スピーカ107は、前述の通話機能の他に、後述する警報音や音声メッセージ等を鳴動するための警報発報機能が備えられており、ライン端子P1aを経由して呼出・通話ラインL1に接続されている。
戸外表示器109は、玄関の周囲近傍に居る不審者、例えば、泥棒等を威嚇する、又は住戸内にて発生したセキュリティ異常を発報するために駆動、ここでは、点滅されるものであり、ライン端子P1dを経由して警報制御ラインL4と、警報信号検出回路116とにそれぞれ接続されている。
第1、第2の各子機インピーダンス制御回路110、111はそれぞれ、ライン端子P1b、P1cに接続された電源・映像ラインL2、L3への交流電圧・信号の送出を遮断するためにインピーダンス値を制御するものである。また、第1の子機インピーダンス制御回路110は、前述の機能の他に、ライン端子P1bに接続された電源・映像ラインL2を経由して居室親機2から供給・伝送されてくる子機電源や警報信号のインピーダンスを上昇させて整流ダイオード112に送出することができる。なお、第2の子機インピーダンス制御回路111は、ライン端子P1eを経由してアースラインL5に接続されているとともに、アース接地されている。
整流ダイオード112は、第1の子機インピーダンス制御回路110から子機電源回路113、映像撮像電源検出回路114、カメラ検出負荷回路115、及び警報信号検出回路116への各電源供給路・信号伝送路をそれぞれ形成するためのものである。
子機電源回路113は、整流ダイオード112を経由して供給されてくる居室親機2からの子機電源を受電し、当該玄関子機の構成各部/回路にそれぞれ供給するためのものである。また、映像撮像電源検出回路114は、整流ダイオード112を経由して供給されてくる居室親機2からの子機電源の電圧レベルをもとに、この子機電源が待受電源であるのか映像撮像用の動作電源であるのかを検出するためのものであり、子機電源回路113に接続されている。また、カメラ検出負荷回路115は、ライン端子P1aに印加される子機電源の電圧レベルを検出するためのものである。さらに、警報信号検出回路116は、整流ダイオード112を経由して伝送されてくる居室親機2からの警報信号を検出し、戸外表示器109を点滅させるためのものである。
また、居室親機2には、呼出検出回路200、親機マイク201、親機スピーカ202、親機通話回路203、呼出・通話切替回路204、モニタ205、映像復調回路206、画面生成回路207、出画内容切替回路208、5線用警報制御回路209、親機電源回路210、カメラ検出回路211、3線用警報制御回路212、2つの親機インピーダンス制御回路(以下、第1、第2の各親機インピーダンス制御回路という。)213、214、操作部215、CPU216、及び5個のライン端子P2a、P2b、P2c、P2d、P2eが備えられている。
この居室親機2において、呼出検出回路200は、来訪者による玄関子機1の呼出ボタン100の操作の有無を検出するためのものであり、呼出・通話切替回路204、ライン端子P2aを経由して呼出・通話ラインL1と、CPU216とにそれぞれ接続されている。
親機マイク201及び親機スピーカ202は、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。また、親機通話回路203は、CPU216により制御され、親機マイク201及び親機スピーカ202にて入出力される音声である電気信号の音声信号について4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等、所定の信号処理を行うためのものであり、呼出・通話切替回路204、ライン端子P2aを経由して呼出・通話ラインL1と、CPU216とにそれぞれ接続されている。なお、親機スピーカ202は、前述の通話機能の他に、CPU216の制御により、来訪者からの呼び出しがあることの呼出音や音声メッセージ、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報音や音声メッセージ等を放音・鳴動することができる。
呼出・通話切替回路204は、CPU216の制御により切り替えられ、呼出・通話ラインL1からライン端子P2aを経由して呼出検出回路200への信号伝送路、又は、呼出・通話ラインL1及びライン端子P2aを経由して親機通話回路203の間の信号伝送路(通話路)を形成するためのものである。なお、当該テレビドアホン装置が待受状態、すなわち、来訪者により玄関子機1の呼出ボタン100が操作されておらず通話も成立していない状態において、この呼出・通話切替回路204は、呼出・通話ラインL1がライン端子P2aを経由して呼出検出回路200に接続されるように切り替えられている。
モニタ205は、CPU216の制御により出画状態に制御され、玄関子機1のカメラ101にて撮像された映像、或いは、玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を出画するためのものであり、例えば、LCD、PDP、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体が好適とされる。また、映像復調回路206は、CPU216により制御され、2線の電源・映像ラインL2、L3、ライン端子P2b、P2cをそれぞれ経由して伝送されてくる玄関子機1からの映像信号をFM復調するためのものである。さらに、画面生成回路207は、CPU216により制御され、モニタ205に出画させる玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を生成するためのものである。なお、モニタ205は、前述の出画機能能の他に、CPU216の制御により、来訪者からの呼び出しがあることの呼出メッセージや絵データ、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報メッセージや絵データ等を表示することができる。
出画内容切替回路208は、CPU216の制御により切り替えられ、映像復調回路206からモニタ205への信号伝送路、又は、画面生成回路207からモニタ205への信号伝送路を形成するためのものである。なお、当該テレビドアホン装置が待受状態、すなわち、来訪者により玄関子機1の呼出ボタン100が操作されておらず通話も成立していない状態において、この出画内容切替回路208は、映像復調回路206がモニタ205に接続されるように切り替えられている。
5線用警報制御回路209は、CPU216により制御され、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための警報信号を生成するものであり、ライン端子P2dを経由して警報制御ラインL4に接続されている。
親機電源回路210は、CPU216により制御され、商用電源について整流・平滑させた居室親機2の親機電源を生成し、当該居室親機の構成各部/回路にそれぞれ供給するとともに、所定の電圧レベルの子機電源を生成するためのものであり、カメラ検出回路211及び3線用警報制御回路212にそれぞれ接続されている。また、カメラ検出回路211は、CPU216により制御され、親機電源回路210にて生成される所定の電圧レベルの子機電源を高インピーダンスで玄関子機1に供給し、当該玄関子機に映像撮像機能(101、102、103、104、105)が備えられているか否かを検出するためのものであり、第1の親機インピーダンス制御回路213に接続されている。さらに、3線用警報制御回路212は、CPU216により制御され、親機電源回路210にて生成される子機電源の電圧値を変換させ、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための警報信号を生成するものであり、第1の親機インピーダンス制御回路213に接続されている。
第1、第2の各親機インピーダンス制御回路213、214はそれぞれ、ライン端子P2b、P2cに接続された電源・映像ラインL2、L3を経由して玄関子機1から伝送されてくる映像信号のインピーダンスを上昇させて映像復調回路206に送出するとともに、電源・映像ラインL2、L3への交流電圧・信号の送出を遮断するためにインピーダンス値を制御するものである。また、第1の親機インピーダンス制御回路213は、前述の機能の他に、カメラ検出回路211及び3線用警報制御回路212からそれぞれ供給・伝送されてくる子機電源や警報信号のインピーダンスを上昇させて電源・映像ラインL2に送出することができる。なお、第2の親機インピーダンス制御回路214は、ライン端子P2eを経由してアースラインL5に接続されているとともに、アース接地されている。
操作部215は、来訪者からの呼び出しがあることを確認した居住者が当該来訪者との間で通話を成立させるための操作(応答操作)、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作、玄関子機1及び居室親機2の間の接続の態様について前述の5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)による接続及び3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)による接続の何れかに設定するための操作等が行われるものであり、これらの操作は、CPU216にて検出される。また、CPU216は、当該居室親機の構成各部/回路をそれぞれ、前述のように制御するためのものである。
このように構成された本発明の実施例によるテレビドアホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。最初に、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の第1の態様のように、玄関子機1及び居室親機2の間が5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)により接続されている場合の動作について、図1を参照して説明する。
図1に示す玄関子機1及び居室親機2の間を5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)により接続する場合で当該テレビドアホン装置が待受状態、すなわち、来訪者により玄関子機1の呼出ボタン100が操作されておらず通話も成立していない状態において、施工業者や住戸内に在室中の居住者等は、居室親機2の操作部215を使用して5線接続用の設定操作を行う。この操作を検出したCPU216は、カメラ検出回路211を能動にするとともに、親機電源回路210を制御して、玄関子機1の映像撮像機能(101、102、103、104、105)を能動にするための例えば、DC12Vの子機電源を生成させる。この12Vの子機電源は、例えば、約3.3kΩの高インピーダンスで、第1の親機インピーダンス制御回路213、ライン端子P2b、電源・映像ラインL2を経由して玄関子機1のライン端子P1bに印加される。
ここで、玄関子機1のカメラ検出負荷回路115は、当該玄関子機が図示のように映像撮像機能(101、102、103、104、105)が備えられているため、(整流ダイオード112、第1の子機インピーダンス制御回路110を経由して、)ライン端子P1bに印加された子機電源の電圧レベルが、電源・映像ラインL2が有する例えば、約3.3kΩ〜330Ωのインピーダンスの影響を受けてDC12Vよりも低いDC3V以下であることを検出するとともに、このDC3V以下の子機電源は、居室親機2のカメラ検出回路211においても検出される。
居室親機2のカメラ検出回路211は、検出されたDC3V以下の子機電源をもとに、玄関子機1に映像撮像機能(101、102、103、104、105)が備えられていることを検出し、その旨の検出信号を生成してCPU216に送出する。この検出信号を受信したCPU216は、当該居室親機に5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)により接続されている玄関子機1に映像撮像機能(101、102、103、104、105)が備えられていることを検出し、その旨を、5線接続の態様と併せて記憶する。
次に、玄関子機1及び居室親機2の間が5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)により接続されている場合において、玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させる動作について説明する。
前述のような待受状態のとき、来訪者が居住者を呼び出すために玄関子機1の呼出ボタン100を操作すると、この呼出ボタン100からライン端子P1a、呼出・通話ラインL1、居室親機2のライン端子P2a、呼出・通話切替回路204を経由して呼出検出回路200に呼出信号が伝送される。
居室親機2の呼出検出回路200は、玄関子機1からの呼出信号を受信すると、来訪者による呼び出しがあったことを検出し、その旨の呼出検出信号を生成してCPU216に送出する。この呼出検出信号を受信したCPU216は、カメラ検出回路211の動作を停止させるとともに、親機電源回路210を制御して、当該居室親機の構成各部/回路が動作可能な所定の電圧レベルの親機電源及び玄関子機1の映像撮像機能(101、102、103、104、105)を能動にするための例えば、DC12Vの子機電源をそれぞれ生成させる。この12Vの子機電源は、例えば、約0Ωの低インピーダンスで、第1の親機インピーダンス制御回路213、ライン端子P2b、電源・映像ラインL2を経由して玄関子機1のライン端子P1bに印加される。
ここで、玄関子機1のカメラ検出負荷回路115は、(整流ダイオード112、第1の子機インピーダンス制御回路110を経由して、)ライン端子P1bに印加された子機電源の電圧レベルが、電源・映像ラインL2が有するインピーダンスの影響を何ら受けずにDC12Vであると検出する。このDC12Vの子機電源を検出した映像撮像電源検出回路114は、子機電源回路113は駆動して例えば、DC12VからDC5Vに降圧された電圧レベルの子機電源を生成させ、このDC5Vの子機電源によって当該玄関子機の映像撮像機能(101、102、103、104、105)が能動となる。
また、居室親機2において、呼出検出回路200からの呼出検出信号を受信したCPU216は、来訪者からの呼び出しがあることの呼出音や音声メッセージ等を生成して親機スピーカ202から放音させるとともに、モニタ205を出画可能な状態に制御することができる。
この後、玄関子機1の子機電源回路113からのDC5Vの子機電源が動作電源となり能動にされたカメラ101は、呼出操作を行った来訪者の映像(玄関の周囲近傍の映像を含む。)の撮像を開始する。この映像は、映像信号生成回路102を経由して電気信号の映像信号に信号処理される。また、映像変調回路103は、映像信号生成回路102にて生成された映像信号をFM変調した後、LPF104に送出する。また、LPF104は、映像変調回路103を経由した映像信号の低周波数帯域のみを通過させ、映像不平衡・平衡変換回路105は、LPF104を経由した映像信号を不平衡・平衡変換する。さらに、映像不平衡・平衡変換回路105にて不平衡・平衡変換された平衡映像信号は、ライン端子P1b、P1c、2線の電源・映像ラインL2、L3、居室親機2のライン端子P2b、P2cを経由して第1、第2の親機インピーダンス制御回路213、214に伝送され、当該親機インピーダンス制御回路の制御によりインピーダンス値が上昇された後、映像復調回路206にて受信される。
居室親機2の映像復調回路206は、玄関子機1からの平衡映像信号をFM復調し、出画内容切替回路208を経由してモニタ205に送出することにより、玄関子機1のカメラ101にて撮像された映像、すなわち、呼出操作を行った来訪者の映像(玄関の周囲近傍の映像を含む。)を、モニタ205に出画させることができる。なお、モニタ205には、CPU216の制御により、来訪者からの呼び出しがある旨の呼出メッセージや絵データ等を併せて表示させることもできる。
次に、前述の呼出報知及び映像の出画をもとに、呼出操作を行った来訪者が泥棒等の不審者であると確認した居住者は、居室親機2の操作部215を使用して玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作を行うことができる。この操作を検出したCPU216は、5線用警報制御回路209が能動となるように制御するとともに、出画内容切替回路208を制御して、映像復調回路206からモニタ205への信号伝送路を、画面生成回路207からモニタ205への信号伝送路に切り替え、さらには、画面生成回路207にて玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を生成させてモニタ205に出画する。この制御により、5線用警報制御回路209は、警報信号(以下、5線用警報信号という。)を生成し、ライン端子P2d、警報制御ラインL4、玄関子機1のライン端子P1dを経由して戸外表示器109に送出する。
玄関子機1の戸外表示器109は、居室親機2の5線用警報制御回路209からの5線用警報信号を受信すると点滅し、泥棒等の不審者に対して威嚇することができ防犯性が高められる。
なお、前述までの説明では、居室親機2の操作部215を使用して玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作が行われたとき、CPU216によるモニタ205への制御として、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を出画させたが、この制御に限定されるものではない。例えば、玄関子機1のカメラ101にて撮像される映像のモニタ205への出画を停止させることもできる。
また、前述までの説明では、居室親機2の操作部215を使用して玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作が行われたときの警報発報として、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させる態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、CPU216にて生成される警報音信号を、呼出・通話切替回路204、ライン端子P2a、呼出・通話ラインL1、玄関子機1のライン端子P1aを経由して子機スピーカ107に送出することにより、警報音や音声メッセージ等を子機スピーカ107から鳴動させ泥棒等の不審者に対して威嚇することもできる。
次に、前述の呼出報知及び映像の出画をもとに、来訪者からの呼び出しがあることを当該来訪者の識別と併せて確認できた居住者は、居室親機2の操作部215を使用して当該呼び出しに応答するための操作を行うことができる。この操作を検出したCPU216は、呼出・通話切替回路204を制御して、呼出・通話ラインL1からライン端子P2aを経由して呼出検出回路200への接続を、ライン端子P2aを経由して呼出・通話ラインL1及び親機通話回路203の間の接続に切り替えるとともに、親機通話回路203が能動となるように制御する。この制御により、居住者が使用する親機マイク201から親機通話回路203、呼出・通話切替回路204、ライン端子P2a、呼出・通話ラインL1、玄関子機1のライン端子P1a、子機通話回路108を経由して来訪者が使用する子機スピーカ107までの信号伝送路(下り通話路)と、来訪者が使用する当該玄関子機の子機マイク106から子機通話回路108、ライン端子P1a、呼出・通話ラインL1、当該居室親機のライン端子P2a、呼出・通話切替回路204、親機通話回路203を経由して居住者が使用する親機スピーカ202までの信号伝送路(上り通話路)とがそれぞれ形成され、形成された各信号路(通話路)を経由して音声信号を送受信させることで通話が成立し、居住者にとっては、モニタ205に出画されている来訪者の映像を確認しながら通話を成立させることができる。
次に、前述の呼出(呼出報知)時や通話の成立時において、住戸内にてセキュリティ異常が発生すると、これを検出した居室親機2のCPU216は、親機スピーカ202から警報音や音声メッセージ等を鳴動させ、モニタ205に警報メッセージや絵データ等を表示させて警報発報を行うとともに、5線用警報制御回路209が能動となるように制御し、また、出画内容切替回路208を制御して、映像復調回路206からモニタ205への信号伝送路を、画面生成回路207からモニタ205への信号伝送路に切り替え、さらには、画面生成回路207にて玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を生成させてモニタ205に出画する。この制御により、前述の泥棒等の不審者に対して威嚇する場合の該当動作と同様、玄関子機1の戸外表示器109は、居室親機2の5線用警報制御回路209からの5線用警報信号を受信して点滅され、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うことができる。また、居室親機2のモニタ205には、玄関子機1のカメラ101にて撮像される映像ではなく、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面が出画されることにより、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うことができる。
なお、前述までの説明では、住戸内にてセキュリティ異常が発生したとき、居室親機2のCPU216によるモニタ205への制御として、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を出画させたが、この制御に限定されるものではない。例えば、玄関子機1のカメラ101にて撮像される映像のモニタ205への出画を停止させることもできる。
また、前述までの説明では、住戸内にてセキュリティ異常が発生したときの警報発報として、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させる、居室親機2の親機スピーカ202から警報音や音声メッセージ等を鳴動させる、及び警報メッセージや絵データ等をモニタ205に表示させる態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、CPU216にて生成される警報音信号を、呼出・通話切替回路204、ライン端子P2a、呼出・通話ラインL1、玄関子機1のライン端子P1aを経由して子機スピーカ107に送出することにより、警報音や音声メッセージ等を子機スピーカ107から鳴動させ、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うこともできる。
次に、当該テレビドアホン装置が前述のような待受状態であるとき、住戸内にてセキュリティ異常が発生すると、これを検出した居室親機2のCPU216は、親機スピーカ202から警報音や音声メッセージ等を鳴動させ、モニタ205に警報メッセージや絵データ等を表示させて警報発報を行うとともに、5線用警報制御回路209が能動となるように制御する。この制御により、前述の泥棒等の不審者に対して威嚇する場合の該当動作と同様、玄関子機1の戸外表示器109は、居室親機2の5線用警報制御回路209からの5線用警報信号を受信して点滅され、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うことができる。
なお、前述までの説明から明らかなように、本発明の第1の態様における映像撮像・出画のためのアース接地、通話成立のためのアース接地、及び警報発報のためのアース接地はそれぞれ共通で、玄関子機1のライン端子P1c、P1dである。
次に、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の第2の態様のように、玄関子機1及び居室親機2の間が3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)により接続されている場合の動作について、図2を参照して説明する。
なお、図2に示す玄関子機1及び居室親機2の間が3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)により接続する場合で当該テレビドアホン装置が待受状態、すなわち、来訪者により玄関子機1の呼出ボタン100が操作されておらず通話も成立していない状態において、施工業者や住戸内に在室中の居住者等が居室親機2の操作部215を使用して3線接続用の設定操作を行った際の該当動作、すなわち、居室親機2に3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)を経由して接続されている玄関子機1に映像撮像機能(101、102、103、104、104、105)が備えられていることをCPU216が検出し、その旨を、3線接続の態様と併せて記憶する動作と、玄関子機1及び居室親機2の間が3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)により接続されている場合において、玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させる動作とはそれぞれ、前述の第1の態様における該当動作と同様であるため、その説明は省略する。
前述の第1の態様における該当動作と同様な呼出報知及び映像の出画をもとに、呼出操作を行った来訪者が泥棒等の不審者であると確認した居住者は、居室親機2の操作部215を使用して玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作を行うことができる。この操作を検出したCPU216は、3線用警報制御回路212が能動となるように制御するとともに、出画内容切替回路208を制御して、映像復調回路206からモニタ205への信号伝送路を、画面生成回路207からモニタ205への信号伝送路に切り替え、さらには、画面生成回路207にて玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を生成させてモニタ205に出画する。この制御により、3線用警報制御回路212は、親機電源回路210にて生成される例えば、DC12Vの子機電源の電圧値を変化、例えば、DC6.5Vに変化させた警報信号(以下、3線用警報信号という。)を生成する。この3線用警報信号は、第1の親機インピーダンス制御回路213、ライン端子P2b、電源・映像ラインL2、玄関子機1のライン端子P1b、第1の子機インピーダンス制御回路110、整流ダイオード112を経由して警報信号検出回路116に伝送される。
玄関子機1の警報信号検出回路116は、居室親機2の3線用警報制御回路212からの3線用警報信号を受信すると戸外表示器109を点滅させることにより、泥棒等の不審者に対して威嚇することができ防犯性が高められる一方、子機電源回路113は、第1の3線用警報信号の電圧レベルであるDC6.5Vが映像撮像機能(101、102、103、104、105)を能動にするための十分な電圧レベルでなく、居住者にとって視認性の高い映像をモニタ205に出画させることができない虞がある。
そこで、居室親機2のモニタ205には、前述のCPU216の制御により、玄関子機1のカメラ101にて撮像される映像ではなく、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面が出画されることにより、居住者に不快感を与えることはない。
なお、前述までの説明では、居室親機2の操作部215を使用して玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作が行われたとき、CPU216によるモニタ205への制御として、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を出画させたが、この制御に限定されるものではない。例えば、前述の第1の態様における該当動作と同様、モニタ205への映像の出画を停止させることもできる。
また、前述までの説明では、居室親機2の操作部215を使用して玄関子機1の戸外表示器109を点滅させるための操作が行われたときの警報発報として、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させる態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、前述の第1の態様における該当動作と同様、CPU216にて生成される警報音信号を、呼出・通話切替回路204、ラインL2a、呼出・通話ラインL1、玄関子機1のライン端子P1aを経由して子機スピーカ107に送出することにより、警報音や音声メッセージ等を子機スピーカ107から鳴動させ泥棒等の不審者に対して威嚇することもできる。
次に、前述の第1の態様における該当動作と同様な前述の呼出(呼出報知)時や通話の成立時において、住戸内にてセキュリティ異常が発生すると、これを検出した居室親機2のCPU216は、親機スピーカ202から警報音や音声メッセージ等を鳴動させ、モニタ205に警報メッセージや絵データ等を表示させて警報発報を行うとともに、3線用警報制御回路212が能動となるように制御し、また、出画内容切替回路208を制御して、映像復調回路206からモニタ205への信号伝送路を、画面生成回路207からモニタ205への信号伝送路に切り替え、さらには、画面生成回路207にて玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を生成させてモニタ205に出画する。この制御により、前述の泥棒等の不審者に対して威嚇する場合の該当動作と同様、玄関子機1の警報信号検出回路116は、居室親機2の3線用警報制御回路212からの3線用警報信号を受信すると戸外表示器109を点滅させ、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うことができる。また、居室親機2のモニタ205には、玄関子機1のカメラ101にて撮像される映像ではなく、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面が出画されることにより、居住者に不快感を与えることはない。
なお、前述までの説明では、住戸内にてセキュリティ異常が発生したとき、居室親機2のCPU216によるモニタ205への制御として、画面生成回路207にて生成された玄関子機1からの呼出中であることの表示画面を出画させたが、この制御に限定されるものではない。例えば、前述の第1の態様における該当動作と同様、モニタ205への映像の出画を停止させることもできる。
また、前述までの説明では、住戸内にてセキュリティ異常が発生したときの警報発報として、玄関子機1の戸外表示器109を点滅させる、居室親機2の親機スピーカ202から警報音や音声メッセージ等を鳴動させる、及び警報メッセージや絵データ等を表示させる態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、前述の第1の態様における該当動作と同様、CPU216にて生成される警報音信号を、呼出・通話切替回路204、ラインL2a、呼出・通話ラインL1、玄関子機1のライン端子P1aを経由して子機スピーカ107に送出することにより、警報音や音声メッセージ等を子機スピーカ107から鳴動させ、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うこともできる。
次に、当該テレビドアホン装置が前述のような待受状態であるとき、住戸内にてセキュリティ異常が発生すると、これを検出した居室親機2のCPU216は、親機スピーカ202から警報音や音声メッセージ等を鳴動させ、モニタ205に警報メッセージや絵データ等を表示させて警報発報を行うとともに、3線用警報制御回路212が能動となるように制御する。この制御により、前述の泥棒等の不審者に対して威嚇する場合の該当動作と同様、玄関子機1の戸外表示器109は、居室親機2の3線用警報制御回路212からの3線用警報信号を受信して点滅され、住戸内にてセキュリティ異常が発生したことの警報発報を行うことができる。
なお、前述までの説明から明らかなように、本発明の第2の態様における映像撮像・出画のためのアース接地、通話成立のためのアース接地、及び警報発報のためのアース接地はそれぞれ共通で、玄関子機1のライン端子P1cである。
本発明のテレビドアホン装置においては、前述の第1、第2の各態様の説明から明らかなように、映像の撮像機能、通話機能及び警報の発報機能が備えられている玄関子機1及び居室親機2の間の接続を、5線の伝送路La(L1、L2、L3、L4、L5)又は3線の伝送路Lb(L1、L2、L3)により選択切り換えることができるため、映像の撮像機能が不備で通話機能及び警報の発報機能が備えられている当該玄関子機から映像の撮像機能、通話機能及び警報の発報機能が備えられている当該玄関子機への交換(リニューアル)が容易となり施工性が高められる。
また、本発明のテレビドアホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成のテレビドアホン装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。