JP4768124B2 - ジアルキルカーボネートを製造するための方法と触媒 - Google Patents
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Description
発明の背景
発明の分野
本発明は、反応物およびカーボネート生成物の分離と同時的に反応を行うというジアルキルカーボネート(特にジメチルカーボネート)の製造法に関する。さらに詳細には、本発明は、均一な有機錫化合物と電子供与体酸素原子含有化合物とを含んだ新規触媒複合物の存在下にて、メタノールと尿素および/またはアルキルカルバメートとを反応させるという製造法に関する。
【0002】
関連技術
ジアルキルカーボネートは重要な工業用化合物であり、その中で最も重要なのがジメチルカーボネート(DMC)である。ジメチルカーボネートはメチル化剤やカルボニル化剤として使用されている。ハロゲン化物溶媒(例えばクロロベンゼン)に置き換えて使用することもできる。ジメチルカーボネートの現行価格は燃料添加剤として使用するには非常に高すぎるけれども、組成変更ガソリン中のオキシジェネートやオクタン成分としてなら使用することができる。ジメチルカーボネートはMTBE(メチルtert-ブチルエーテル)やTAME(tert-アミルメチルエーテル)よりはるかに高い酸素含量を有しているので、同じ効果をもたせるのにより少ない量で済む。ジメチルカーボネートはRONが130であり、MTBEまたはTAMEより揮発性が低い。ジメチルカーボネートは、エーテルと違って良い匂いがし、生物分解性である。
【0003】
従来の工業的方法では、ジメチルカーボネートはメタノールとホスゲンから製造していた。ホスゲンは毒性が非常に高く、そしてかなり高価であるために、ホスゲンを使用しないで済む、より安全かつ低コストの製造法の開発が進められている。
【0004】
新開発のある工業的製造法によれば、メタノール、一酸化炭素、分子酸素、および塩化第一銅を使用し、酸化的カルボニル化反応を経てニ工程スラリー法にてジメチルカーボネートを製造する。このような製造法はEP0460735A2に開示されている。この製造法には幾つかの大きな欠点がある。すなわち、製造速度が遅いこと、生成物と反応物を分離するためのコストがかなりかかること、副生物が形成されること、リサイクルする上での要件が厳しいこと、および耐食性の反応器とプロセスラインが必要であること、などである。
【0005】
他の新規製造法がEP0742198A2とEP0505374B1に開示されており、該製造法によれば、上記特許文献におけるメトキシ塩化第二銅の形成の代わりに、亜硝酸メチルを形成させることによりジメチルカーボネートを製造する。窒素酸化物、二酸化炭素、およびギ酸メチルなどが副生物として生成する。共沸混合物をこわすための溶媒としてシュウ酸ジメチルを使用して、溶媒抽出蒸留により反応器からの生成物流れ中に存在するジメチルカーボネートを分離する。化学的事象としては単純そうに見えるし、また製造速度も増大するけれども、種々の流れセクションにおける多くの物質と残りの物質との分離、こみいったプロセス制御、および有害化学物質(亜硝酸メチル)の取り扱いなどのために、実際上、そのプロセスは極めて複雑なものとなる。
【0006】
さらに他の工業的製造法においては、メタノールと二酸化炭素からニ工程プロセスにてジメチルカーボネートを製造する。米国特許第4,786,741号、第4,851,555号、および第4,400,559号に開示されているように、第1の工程では、エポキシ化合物と二酸化炭素とを反応させることによって環状カーボネートを得る。第2の工程において、環状カーボネートとメタノールとの交換反応によって、ジメチルカーボネートをグリコールと共に生成させる。例えば、Y. Okadaらによる「"Dimethyl Carbonate Production for Fuel Additives", ACS, Div. Fuel Chem., Preprint, 41(3), 868, 1996」およびJohn F. Kniftonらによる「"Ethylene Glycol-Dimethyl Carbonate Cogeneration", Journal of Molecular Chemistry, vol.67, pp389-399, 1991」を参照のこと。この製造法は幾つかの利点を有するものの、エポキシ化合物と二酸化炭素との反応速度が遅く、高い圧力を必要とする。さらに、環状カーボネートとメタノールとの交換反応が平衡によって制限され、メタノールとジメチルカーボネートが共沸混合物を形成して分離が困難になる。
【0007】
周知のように、ジアルキルカーボネートは、種々の均一触媒(例えば、ジブチル錫ジメトキシドやテトラフェニル錫など)の存在下にて、脂肪族第一アルコール(例えばメタノール)と尿素とを反応させることによって製造することができる。例えば、P. Ballらによる「"Synthesis of Carbonates and Polycarbonates by Reaction of Urea with Hydroxy Compound", Cl Mol. Chem., vol.1, pp95-108, 1984」を参照のこと。アンモニアが副生物であり、下記の一連の反応のように再使用して尿素にすることができる。
【0008】
【化1】
【0009】
カルバメートを低めの温度で生成させ、次いでジアルキルカルボネートを高めの温度で生成させる。どちらの工程においてもアンモニアが生成する。
【0010】
【化2】
【0011】
反応式に示してあるように、上記2つの反応は反応条件下にて可逆性である。有機錫化合物の触媒活性の順序はR4Sn<R3SnX<<R2SnX2(式中、XはCl、RO、RCOO、またはRCOSである)である。ジアルキル錫(IV)化合物を使用すると、反応速度が最大となり、副生物の形成が最も少ないということが報告されている。ほとんどの触媒(ルイス酸)に対し、適切な助触媒(ルイス塩基)の存在下で反応を行う場合はより高い触媒活性が要求される。有機錫(IV)触媒(例えば、ジブチル錫ジメトキシドやジブチル錫オキシドなど)に対する好ましい助触媒としては、例えばトリフェニルホスフィンや4-ジメチルアミノピリジンなどがある。しかしながら、有機錫化合物(例えば、脂肪族カルバメートの合成において使用されるジブチル錫ジメトキシドまたはジブチル錫オキシド)によって、中間体カルバメートのイソシアン酸(HNCO)もしくはイソシアヌル酸((HNCO)3)とアルコールへの熱分解も容易に起こるようになる。WO95/17369は、ジアルキルカーボネート(例えばジメチルカーボネート)をアルコールと尿素からニ工程で製造する方法を開示しており、P. Ballらによって示されている化学反応と触媒を使用している。第1の工程においては、アルコールと尿素を反応させてアルキルカルバメートを生成させる。第2の工程においては、このアルキルカルバメートとアルコールとを第1の工程より高い温度でさらに反応させることによってジアルキルカルバメートを生成させる。これらの反応は、オートクレーブ反応器を使用して行う。しかしながら、メタノールをメチルカルバメートもしくは尿素と反応させると、N-アルキル副生物〔例えば、N-メチルメチルカルバメート(N-MMC)やN-アルキル尿素〕も生成する。ジアルキルカーボネートは、反応溶液のカルバメートとアルコールの合計含量を基準として1〜3重量%の量にて反応器中に存在する。
【0012】
発明の概要
ジアルキルカーボネートは、周期表第IVA族のSnの有機錫(IV)錯体(例えばジブチル錫ジメトキシド錯体)の存在下にて、アルコールを尿素もしくはアルキルカルバメートと又はこれら両方と反応させることによって製造する。
【0013】
好ましい実施態様においては、錯生成剤は、1分子当たり1個、2個、3個、4個、またはそれ以上の酸素原子(好ましくは1分子当たり2個以上の酸素原子)を有する高沸点の有機電子供与体化合物であり、沸点が好ましくはメタノールまたはジメチルカーボネートより高くて、助触媒かつ溶媒として機能するポリグリコールエーテル〔例えばトリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)〕であるのが好ましい。従って本発明は、反応が起こると同時に反応混合物からジアルキルカーボネートを同時的に留去することによって、そして好ましくは有機錫触媒に対して特定の錯生成剤を使用することによって、改良された方法を提供する。
【0014】
助触媒および/または溶媒として有用な、本発明の好ましい電子供与体酸素原子含有化合物は、R'2SnX2、R'3SnX、R'2SnO、Ph3-nR'SnXn、またはPh4-nSnXn(式中、XはCl、R'O、R'COO、またはR'COSであり、R'はCqH2q+1であり、nは0、1、または2であり、そしてqは1〜12である)との1:1のニ座付加物および/または1:2の単座付加物を形成するニ座配位子ならびにこれらの混合物を含む。さらに、これらの物質を、好ましくは8〜12個の炭素原子を有する高級炭化水素(例えば、ドデカンやキシレン)と混合してもよい。
【0015】
R'2SnX2との1:1のニ座付加物および/または1:2の単座付加物を形成する配位子の例としては、ジエチレングリコールエーテル、1,3-ジメトキシプロパン、1,2-ジメトキシプロパン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、およびジ-n-ブチルエーテルなどがある。
【0016】
尿素とメタノールからジメチルカーボネートを製造する際の利点の一つは、反応混合物からのジメチルカーボネートの分離しやすさにある。水が副生物として生成されないので、反応混合物(オーバーヘッド生成物)は三元共沸混合物を形成せず、従ってジメチルカーボネート生成物をオーバーヘッド混合物から分離することが、このような三元共沸混合物を処理しなければならない現行の工業的方法より簡単になる。
【0017】
好ましい実施態様の詳細な説明
反応は、電子供与体酸素原子含有高沸点溶媒(有機錫化合物との錯生成剤としても作用する)の存在下にて、蒸留器のリボイラーを反応器として使用することによって行うのが好ましい。反応温度は、蒸留塔のオーバーヘッドの圧力を変えることによって制御する。リボイラーと蒸留塔を使用することにより、均一触媒と溶媒を反応器中に保持しつつ、反応生成物であるジメチルカーボネートとアンモニア効果的に取り除くことが可能となる。蒸留塔は従来のいかなる形態であってもよい(例えば、段塔、充填塔、またはこれらの組合わせ)。
【0018】
本発明の新規有機錫触媒錯体は、有機錫化合物と電子供与体酸素原子含有高沸点化合物(例えばエーテル類)とを、ジアルキルカーボネート反応の開始時に、通常は室温にて反応ゾーン(例えばリボイラー)でその場で混合することによって調製することができる。有機錫ハロゲン化物、有機錫酢酸塩、または有機錫酸化物を触媒前駆体として使用する場合は、錯形成反応において発生する酸と水を除去するため、錯体の形成をジアルキルカーボネート反応の開始の前に行ってもよいが、これは必ずしも必要なことでないし、またそうするのが好ましいわけではない。なぜなら、酸成分と水は、ジアルキルカーボネート反応の開始時にオーバーヘッドとして容易に除去できるからである。
【0019】
過剰の2-エチルヘキシルアルコールの存在下での2-メチルヘキシルカルバメートの反応次数は、擬一次またはそれより低い次数であると報告されている。従って、メチルカルバメートのより高い転化率を得るためには、メチルカルバメートのある特定の濃度に対してメタノールの濃度が低めであるのが好ましいと考えられる。リボイラー-蒸留塔と酸素原子含有高沸点溶媒〔例えば、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、またはテトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)など〕を使用することにより、反応ゾーンにおける反応物(メタノール、尿素、およびカルバメート)と生成物(ジメチルカーボネート)のあらゆる所望の濃度をコスト的に最良の結果が得られるよう保持しつつ、いかなる所望の圧力下でも反応を行うことが可能となる。
【0020】
高沸点のエーテル溶媒を選択する際には、反応において得られるジアルキルカーボネートに注意を払う必要がある。例えば、トリエチレンジメチルエーテルは、ジメチルカーボネートの製造に対しては好ましいが、ジエチルカーボネートの製造に対しては好ましくない。なぜなら、生成物がメチルエチルカーボネートで汚染され、溶媒がトリエチレンジエチルエーテルに徐々に転化されるからである。ジエチルカーボネートを製造するための好ましい溶媒は、トリエチレングリコールジエチルエーテルまたはテトラエチレングリコールジエチルエーテルであろう。
【0021】
本発明では、リボイラーにおいて、カルバメートのある特定の濃度にて、または尿素とカルバメートのある特定の組合わせ濃度にてメタノール対電子供与体原子含有高沸点溶媒の比を変えることによって、反応媒体中における溶媒対メタノールの所望の比を制御する。電子供与体原子含有高沸点溶媒(例えばトリグライム)を反応媒体の一部としてだけでなく助触媒としても使用することにより、従来の製造法のもつ欠点が解消される。
【0022】
WO95/17369、ならびにP. Ballらによる“C1 Mol. Chem., 1, 95, 1984”、“ACS, Div. of Polymer Chemistry, Polymer Preprints, 25, 272, 1984”、および“C1 Mol. Chem., 1984, Vol.1, pp.95-108”には、カーボネートの高い収率と選択性が説明されているけれども、尿素とカルバメートの分解が起きていることに留意することが重要である。尿素は、ジアルキルカーボネートの製造に使用される反応条件下にて、熱的または触媒作用的に分解してイソシアン酸とアンモニウムイソシアネートもしくはビウレット(N2NCONHCONH2)とを生成することがある(D. J. Belson et al., Chemical Soc. Reviews, 11, 41-56, 1982)。反応中に採取したオーバーヘッド排出ガスの分析により、幾らかの二酸化炭素の生成が示されている。脂肪族カルバメートは分解することなく蒸留できるとP. Ballらは説明しているが、カルバメートは、イソシアン酸もしくはイソシアヌル酸とアルコールとに熱的または触媒作用的に分解することもあるし(J. J. Godfrey, 米国特許第3,314,754号)、あるいはアロファネート(ROCONHCONH2)を形成することもある(H. W. Blohm and E.I. Becker, Chem. Rev., 1952, 51, 471)。Ballらは、カルバメートのイソシアン酸とアルコールへの熱分解がカーボネートの形成と競争して起こる、と説明している。しかしながら該文献は、ある種の触媒に対しては適切な助触媒を存在させればこうした分解が起こらない、と主張している。トリフェニルホスフィンと4-ジメチルアミノピリジンが、有機錫触媒に対する良好な助触媒として挙げられている。本明細書の実施例4Aと4Bは、有機錫触媒の存在下にてメチルカルバメートが熱的または触媒作用的に分解することを示している。
【0023】
ジメチルカーボネートは極めて活性の高い化合物であり、従ってジメチルカーボネートへの選択性を高めるためには、リボイラー中のジメチルカーボネートの濃度をできるだけ低く保持すべきである。本発明においては、適切な高沸点溶媒を選択することによって、そしてメチルカルバメートのある特定濃度にて、あるいはメチルカルバメートと尿素とのある特定の組合わせ濃度にてオーバーヘッドの圧力(リボイラー中におけるメタノール対電子供与体原子含有高沸点溶媒の比の関数である)を調節することによって極めて低濃度のジメチルカーボネートが得られる。電子供与体原子含有高沸点化合物を助触媒かつ溶媒として使用することにより、ジアルキルカーボネートを形成する速度が高まり(反応ゾーンからアンモニアとジメチルカーボネートを効果的に取り除くことができるので)、そして同時に、副生物(例えばN-アルキルアルキルカルバメート、アルキルアミン、およびN-アルキル尿素)の形成が、あるいは反応器中とオーバーヘッド生成物中に存在するジアルキルカーボネートの、比較的高い濃度での尿素またはカルバメートへの分解が防止される。オーバーヘッド生成物中のジアルキルカーボネートの濃度が高いので、メタノールからのジアルキルカーボネートの分離費用が少なくなり、メタノールを再使用することができる。
【0024】
この反応はより低い圧力(100psig未満)で行うことができるので、本発明の新規製造法は多くの利点を有する。すなわち、構造材料にかかる費用がより少なくなること、触媒の在庫費用が少なくなること、アンモニア生成物とジメチルカーボネート生成物の除去がより簡単になること、およびジメチルカーボネートのでるだけ大きい形成速度と、ジメチルカーボネートへのできるだけ高い選択性が得られるよう、反応器中におけるメタノールの最適濃度を制御しやすいこと、などである。
【0025】
必ずしも必要なことではないが、反応器(リボイラー)を不活性ガスでフラッシングすることも始動の一部として含まれる。不活性ガスを使用してリボイラーをフラッシングする場合、本発明の反応系においてはより低い圧力を使用するのが好ましく、従って、不活性ガスに対してコンプレッサの代わりにブロアーを使用することができる。
【0026】
反応器温度の好ましい範囲は270〜400°Fであり、好ましくは300〜380°Fである。オーバーヘッドの圧力の好ましい範囲は10〜250psigであり、さらに好ましい範囲は20〜200psigであり、そして最も好ましい範囲は25〜150psigである。反応器中における電子供与体原子含有高沸点溶媒対メタノールの望ましい重量比は100〜0.01:1であり、好ましくは5〜0.1:1である。反応器中の有機錫化合物の濃度は、反応器中の総含量を基準として好ましくは0.5〜40重量%であり、さらに好ましくは2〜30重量%である。オーバーヘッド生成物の割合は、好ましくはジメチルカーボネートが4〜35重量%となるように、さらに好ましくは5〜25重量%となるように制御される。反応器中のメチルカルバメートの好ましい濃度、またはメチルカルバメートと尿素の好ましい組合わせ濃度は、連続運転中にて5〜60重量%であり、さらに好ましくは15〜55重量%である。
【0027】
ジメチルカーボネートを連続的に製造する場合、尿素溶液を反応器中に直接ポンプ移送してもよいし、あるいはある程度もしくは完全にメチルカルバメートに転化させてから反応器中にポンプ移送してもよい。このような転化は、供給予備加熱器(feed preheater)または別個の反応器にて行うことができる。尿素溶液を調製するための溶媒は、実質的にメタノールのみであってもよいし、あるいはジメチルカーボネートの極めて希薄なメタノール溶液であってもよい。ジメチルカーボネートの希薄溶液の例(メタノール中約2%のジメチルカーボネート)としては、ジメチルカーボネート回収塔からのオーバーヘッドリサイクル流れがある。1つの実施態様においては、尿素溶液の全部または一部をリボイラーにではなく蒸留塔に供給し、尿素の一部をメチルカーボネートに転化させてからリボイラーに送ることもできる。他の実施態様においては、リボイラーからの物質を、尿素供給流れと共に蒸留塔に加えることができるし、あるいは蒸留塔に沿った他の箇所にて蒸留塔に加えることもできる。
【0028】
図1には、下記の実施例において使用される実験装置の概略図が示されている。撹拌羽根12を装備した蒸留器の350ml容量のリボイラーを反応器として使用した。直径3/4インチの蒸留塔20に1/8インチのセラミックサドルを充填した。室温にてリボイラー10に反応物、溶媒、および触媒を仕込んだ。塔のオーバーヘッドの圧力を調節してリボイラーの温度を所定の温度に上昇させることによって反応を行った。反応中、反応物をリボイラーに連続的にポンプ移送した。リボイラーから反応生成物を、塔20からフローライン30を介してオーバーヘッド生成物として取り除き、凝縮器40において凝縮させ、そこでフローライン50を介してアンモニアを蒸気として除去し、生成物であるジメチルカーボネートをフローライン60を介して取り出す。反応中、追加のメタノール、メタノール-溶媒混合物、あるいは尿素もしくはメチルカルバメートをメタノールもしくはメタノール-溶媒混合物中に溶解して得られた溶液をフローライン70を介してポンプ移送することによって、リボイラー中の液体の体積を好ましい一定のレベルに保持した。所望により、尿素の一部をフローライン90を介して蒸留塔に直接供給してもよい。同様の仕方で、リボイラー10からの触媒錯体をフローライン100を介して蒸留塔に直接供給してもよい。分析用のサンプルを、フローライン80を介してリボイラーから取り出した。オーバーヘッド(全オーバーヘッド)と塔底からのサンプルをガスクロマトグラフによって分析した。オーバーヘッドの圧力を調節することによってリボイラーの温度を制御した。温度を上昇させるためには、オーバーヘッドの圧力を上げた。酸素原子含有高沸点溶媒を使用した場合は、ジブチル錫ジメトキシドと該溶媒(例えばトリグライム)とをリボイラー中で混合することによって新規有機錫錯体触媒を形成させた。反応器中の反応系は均一なものとして特徴付けることができる。
【0029】
実施例1A
蒸留器のリボイラーに、96gの尿素、112gのメタノール、113gのトリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、および25.5gの触媒(ジブチル錫ジメトキシド)を仕込み、撹拌しながらリボイラーの温度を所望の温度に上げた。加熱および反応中、トリグライムの5重量%メタノール溶液をリボイラーに連続的にポンプ送りして、リボイラー中の液体レベルを一定に保持した。反応中のリボイラーの温度は、オーバーヘッドの圧力を制御することによって保持した。リボイラーの温度が所望の温度(320°F)に達したときに、オーバーヘッド液体生成物の取り出しをライン60を介して1cc/mの割合で開始した。反応の開始時にリボイラーの温度を320°Fで1時間保持し、次いで運転を停止するまでは355°Fに保持した。320°Fと355°Fでの最初の時点におけるオーバーヘッドの圧力は、それぞれ100.6psigおよび106.5psigであった。リポイラーの温度が355°Fのとき、反応の開始時における塔底部分の温度は325°Fであり、塔頂部分の温度は253°Fであった。尿素のメチルカルバメートへの転化が進むにつれてオーバーヘッドの圧力が低下していった。この運転の終了時点(流れに対して6時間)におけるオーバーヘッドの圧力は68.1psigであった。塔の温度は、塔底部分が295°Fであり、塔頂部分が234°Fであった。オーバーヘッド液体生成物は、メタノール、ジメチルカーボネート、および溶解している少量のアンモニアで構成されていた。オーバーヘッド生成物中にはトリグライムは認められなかった。この運転中におけるオーバーヘッド液体生成物の組成の変化を図2に示す。6時間の運転の終了時に採取した塔底生成物サンプルは7.2%のジメチルカーボネートと22.6%のメチルカルバメートを含有していたが、オーバーヘッド生成物は16.0%のジメチルカーボネートを含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明である。なぜなら、尿素が分解を起こすために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できないからである。
【0030】
実施例1B
助触媒を使用せずに、実施例1Aと同様の仕方で反応を行った。96gの尿素、200gのメタノール、および50.1gのジメチル錫ジメトキシドをリボイラーに仕込んだ。オーバーヘッドの圧力を制御することによって、反応中のリボイラーの温度を保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量は1cc/分であった。運転中のリボイラーの液体レベルを一定に保持するために、高純度メタノールをリボイラー中にポンプ移送した。反応の開始時にリボイラーの温度を320°Fで1時間保持し、次いで運転を停止するまでは365°Fに保持した。320°Fと365°Fでの最初の時点におけるオーバーヘッドの圧力は、それぞれ163psigおよび261psigであった。リポイラーの温度が356°Fのとき、反応の開始時における塔底部分の温度は342°Fであり、塔頂部分の温度は325°Fであった。リボイラーの温度を365°Fに保持するために、反応が進行するにつれて圧力を上げた。この運転の終了時点(流れに対して7.1時間)におけるオーバーヘッドの圧力は357psigであった。塔の温度は、塔底部が362°Fであり、塔頂部が353°Fであった。この運転中におけるオーバーヘッド液体生成物の組成の変化を図2に示す。7.1時間の運転の終了時に採取した塔底生成物サンプルは7.8%のジメチルカーボネートと2.2%のメチルカルバメートを含有していたが、オーバーヘッド生成物は1.5%のジメチルカーボネートしか含有していなかった。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明である。なぜなら、尿素が分解を起こすために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できないからである。
【0031】
図2からわかるように、実施例1Aは、本発明において、反応生成物であるカーボネートを反応ゾーンからいかに効果的に取り出すことができるかを示している。本発明の好ましい実施態様に従って、尿素からスタートして反応を行う場合、尿素がメチルカルバメートに転化され、次いでジメチルカーボネートに転化されるので、オーバーヘッド中のジメチルカーボネート生成物の含量が急速に増大する。運転終了時におけるオーバーヘッド生成物と塔底生成物中のジメチルカーボネートの濃度で示されるように〔オーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネート含量(16%)のほうが塔底生成物中のジメチルカーボネート含量(7.2%)より多い〕、蒸留器の圧力が比較的低いことから、ジメチルカーボネート生成物をリボイラーからオーバーヘッド生成物として効率的に除去することができる。リボイラーから採取したサンプルは、メチルカルバメートを22.6%含有していた。尿素が効果的にジメチルカーボネートに転化されており、尿素とメチルカルバメートの分解は殆ど起こらなかった。実施例1Bの場合のようにトリグライムを使用せずに反応を行うと、図2からわかるように、オーバーヘッド生成物として取り出されるジメチルカーボネートの量は少なくなる。ジメチルカーボネートは、より高い圧力下での効果的な精留によって、オーバーヘッド混合物として取り出されるよりむしろリボイラー中に蓄積された。運転の終了時において、オーバーヘッド生成物は1.5%のジメチルカーボネートしか含有していなかったが、塔底生成物は7.8%のジメチルカーボネートを含有していた。リボイラー中にDMCが蓄積され、そして助触媒が存在しないので、ジメチルカーボネート生成物の望ましくない副反応、および尿素とカルバメートの分解が起こった。
【0032】
実施例2
触媒錯体
ジブチル錫ジメトキシド(室温にて液体)をメタノール、エチルエーテル、またはトルエンと混合した場合、ジブチル錫ジメトキシド触媒はこれらの溶媒中に完全に溶解し、TCD検出器とDB-5ガスクロマトグラフィーカラムを使用して溶液を分析すればガスクロマトグラフィーによって検出可能である。メタノール溶液またはトルエン溶液中のジブチル錫ジメトキシドは、5.38分の保持時間にてガスクロマトグラフィーによって検出できた。ジブチル錫ジメトキシドのジエチルエーテル溶液の分析により、溶液中の有機錫化合物はもはやジブチル錫ジメトキシドではないことがわかった。溶液中の錫化合物はジブチル錫ジメトキシドよりかなり分子量が大きく、従ってエーテル溶液中の新たな有機錫錯体化合物に対するピークの保持時間は約3倍(15.68分)であった。ジブチル錫ジメトキシドを、室温にてトリグライムとメタノールとの混合物またはトリグライム(CH3OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3)のみと混合したとき、白色のフワフワした析出物が形成され、ボトルの底部に徐々に沈んでいった。白色析出物が浮遊する溶液を直ちに濾過し、透明濾液をガスクロマトグラフィーで分析するとまだ有機錫化合物が検出されたが、その濃度は予想した濃度より低かった。混合溶液において低濃度(10重量%)の有機錫触媒を使用すると、白色析出物は完全に溶解し、室温で一晩静置することによって透明溶液となった。白色析出物が浮遊する溶液を加温すると、白色析出物はすぐに溶解した。これらの透明溶液をガスクロマトグラフィーで分析すると、ジメチル錫ジメトキシドはもはや検出されなかった。
【0033】
実施例2は、ジブチル錫ジメトキシド(Bu2Sn(IV)(OCH3)2)と電子供与体であるエーテル系化合物との反応による付加錯体化合物の形成を示している。本発明では、錯体化合物が触媒として使用され、これらの錯体化合物は、電子供与体酸素原子含有分子と有機錫化合物との付加物である。触媒作用のある錯体化合物は、ジブチル錫ジメトキシドと、トリグライムもしくは他の電子供与体エーテル系化合物とを、蒸留器のリボイラー中で単に混合することによって調製した。
【0034】
実施例3A
蒸留器のリボイラーに、125gのメチルカルバメート、100gのメタノール、100gのトリグライム、および24.7gのジブチル錫ジメトキシドを仕込んだ。オーバーヘッドの圧力を調節することによって、リボイラーの温度を355〜363°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量は1.5cc/分に設定した。リボイラーにて一定の液体レベルを保持するために、メタノールとトリグライムとの混合物(1650gのメタノールと142.5gのトリグライムとをミキシングすることによって作製)をリボイラー中に連続的にポンプ移送した。反応は、一日当たり6時間で二日行い、合計で12時間行った。6時間の運転後にユニットを停止した。翌日、ユニットを再び始動した。反応中、オーバーヘッド液体生成物をリザーバー中に捕集した。運転の終了時に、リザーバー中の全ての混成オーバーヘッド液体生成物、およびリボイラーと塔中の材料をシステムから取り出し、重量を測定し、そして分析した。運転中、ユニットから採取した分析用サンプルを秤量した。この実験の結果を表1に示す。運転中のオーバーヘッド液体生成物におけるジメチルカーボネートとメチルアミンの組成変化を、それぞれ図3と図4に示す。開始時と終了時における355°Fでのオーバーヘッド圧力は、それぞれ53.4psigおよび139psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において234°Fおよび200°Fであり、12時間の運転の終了時において288°Fおよび277°Fであった。12時間の運転の終了時にリボイラーから採取した塔底生成物サンプルの分析によれば、アンモニアが0.1%、ジメチルカーボネートが4.1%、N-MMCが0.3%、メチルカルバメートが2.7%、メタノールが32.6%、そしてトリグライムが60.2%であった。オーバーヘッド生成物は6.9%のジメチルカーボネートを含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できないからである。
【0035】
実施例3Aは、従来技術と比較して、ジメチルカーボネートの収率が高いこと、およびジメチルカーボネートに対する選択性が高いことを示している。本発明のオーバーヘッド液体生成物中のジメチルカーボネート含量は、ジブチル錫ジメトキシド単独(実施例3B)の場合の3倍以上であった。従って、オーバーヘッド生成物からのジメチルカーボネートの分離は、より低いコストにて、且つかなり少ない物質リサイクル量にて達成することができる。メタノール単独を溶媒として使用すると、オーバーヘッド液体生成物の速度が増大するため、ジメチルカーボネートの選択性が徐々に高まり、望ましくない副生物〔例えば、N-MMC(N-メチルメチルカルバメート)やメチルアミン〕の形成が減少する。しかしながら、望ましくない副生物の量は、まだ本発明の好ましい実施態様より約10倍多い。助触媒の使用によりオーバーヘッド生成物の速度が増大しても、ジメチルカーボネートの選択性には殆ど影響を及ぼさない。オーバーヘッド速度が増大しても、単にオーバーヘッド生成物流れ中のジメチルカーボネートの濃度が希釈されるにすぎない。本発明からのオーバーヘッド生成物は、一般にはメチルアミンを含有せず、たとえ含有するとしても微量である。
【0036】
実施例3B
蒸留器を使用することによって反応を行った。本実験は実施例3Aと同様の仕方で行ったが、助触媒は使用しなかった。125gのメチルカルバメート、200gのメタノール、および25.3gのジブチル錫ジメトキシドをリボイラーに仕込んだ。オーバーヘッド生成物の流量を1.5cc/mに設定した。メタノールをリボイラー中に連続的にポンプ移送して、リボイラーの液体レベルを一定に保持した。得られた結果を表1に示す。運転中におけるオーバーヘッド液体生成物中のジメチルカーボネートとメチルアミンの組成変化を、それぞれ図3と図4に示す。開始時と終了時における355°Fでのオーバーヘッド圧力は、それぞれ268.4psigおよび374.4psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において332°Fおよび321°Fであり、12時間の運転の終了時において353°Fおよび348°Fであった。12時間の運転の終了時にリボイラーから採取した塔底生成物サンプルの分析によれば、アンモニアが痕跡量、ジメチルカーボネートが6.9%、N-MMCが3.6%、メチルカルバメートが2.1%、メタノールが86.6%、そしてその他の物質が0.7%であった。オーバーヘッド生成物は、2.1%のジメチルカーボネート2.5%のメチルアミンを含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できないからである。
【0037】
実施例3C
反応ゾーンからジメチルカーボネート生成物を留去するためにトリグライムを溶媒として使用し、蒸留器を使用することによって反応を行った。本実験は、実施例3Aの場合と同様に行った。125gのメチルカルバメート、100gのメタノール、21gの4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)助触媒、79gのトリグライム、および24.4gのジブチル錫ジメトキシドをリボイラーに仕込んだ。運転を中断することなく12時間続けた。リボイラー中の液体レベルを一定に保持するために、1650gのメタノールと142.5gのトリグライムとをミキシングすることによって調製したメタノールとトリグライムの混合物を、リボイラー中に連続的にポンプ移送した。得られた結果を表1に示す。運転中におけるオーバーヘッド液体生成物中のジメチルカーボネートとメチルアミンの組成変化を、それぞれ図3と図4に示す。オーバーヘッドの圧力を制御することによって、リボイラーの温度を344〜357°Fに保持した。開始時と終了時における355°Fでのオーバーヘッド圧力は、それぞれ58.9psigおよび81psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において238°Fおよび226°Fであり、12時間の運転の終了時において256°Fおよび245°Fであった。12時間の運転の終了時にリボイラーから採取した塔底生成物サンプルの分析によれば、ジメチルカーボネートが0.2%、N-MMCが4.2%、メチルカルバメートが0.5%、メタノールが18.5%、4-ジメチルアミノピリジンが7.0%、トリグライムが69.3%、そしてその他の物質が0.3%であった。オーバーヘッド生成物は、1.4%のジメチルカーボネートと0.2%のメチルアミンを含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の濃度は不明であったが、極めて低いと考えられる。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例3Cでは、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を助触媒として使用した(Cl Mol. Chem., 1984, Vol.1, 95-108, Ball et al, "Synthesis of Carbonates and Polycarbonates by Reactions of Urea with Hydroxy compound"に開示)。さらに、本発明に従って低めの圧力で反応を行うためにトリグライムを使用した。DMAPはトリグライムよりはるかに強いルイス塩基なので、トリグライムが助触媒として触媒に及ぼす影響はかなり小さい。表1と図3に示すように、有機錫錯体化合物触媒〔付加物錯体(Bu2Sn[OCH3]2・xDMAP; 式中、xは1もしくは2、または両方である〕は、ジメチルカーボネートに対する選択性が極めて低い。運転中に採取したオーバーヘッド蒸気サンプルの分析により、メチルカルバメートの分解が確認された。サンプルがかなり多くの二酸化炭素を含有していたからである。実施例3Cにおいては、12時間の運転終了時に採取したオーバーヘッド液体生成物と塔底生成物の分析により、ジメチルカーボネートが反応ゾーンから効果的に取り出されたことがわかる。なぜなら、オーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの含有量が塔底生成物のそれより7倍多いからである。望ましくない副生物(N-MMCやメチルアミン)の形成は実施例3Aよりはるかに多かったものの、実施例3Bよりは幾らか良好であった。これはおそらく、運転中におけるジメチルカーボネートとアンモニアの除去が効果的になされたためであろう。
【0040】
実施例4A
比較
メチルカルバメートの熱分解を行った。還流塔を取り付けた350mlの丸底フラスコ中にて35gのメチルカルバメートを250gのトリグライムに溶解することによってメチルカルバメート溶液(12.3重量%)を作製した。本溶液を撹拌しながら338〜356°Fにて還流した。12.45時間の反応後にて本溶液は8.2%のメチルカルバメートと0.9%のメタノールを含有しており、このことはメチルカルバメートの熱分解が起きていることを示している。溶液の色が初期の無色透明から透明黄橙色へと変化し(より高分子量の化合物の形成を示している)、ごく少量の白色固体が凝縮器の底部に堆積した。
【0041】
実施例4B
比較
実施例4Aにおいて組み立てたのと同じ装置を使用することによって、メチルカルバメートの触媒分解を行った。35gのメチルカルバメートを250gのトリグライム中に溶解することによってメチルカルバメートのトリグライム溶液(11.9重量%)を調製し、次いでこの溶液に10gのジブチル錫ジメトキシドを加えた。313〜320°Fにて4時間反応させた後、本溶液は、7.6重量%のメチルカルバメート、1.4重量%のメタノール、および0.8重量%のジメチルカーボネートを含有しており、このことはジブチル錫ジメトキシド-トリグライム錯体により触媒されて分解速度がより速くなったことを示している。溶液の色が、初期の無色透明から透明オレンジ色に変化し、幾らかの白色固体が凝縮器の底部に堆積した。このことは、ガスクロマトグラフィーでは検出できない高分子量の物質が形成されていることを示している。約12時間の反応後、溶液は、わずか2.7重量%のメチルカルバメート、1.2重量%のメタノール、および2.7重量%のジメチルカーボネートを含有していた。目視検査により、還流塔の底部に堆積した白色固体物質の量は、実施例4Aと比較してわずかに増大した。
【0042】
実施例5A
実施例3Aの場合と同様の仕方で実験を行った。蒸留器のリボイラーに、125gのメチルカルバメート、100gのメタノール、100gのトリグライム、および25.0gのジブチル錫ジメトキシドを仕込んだ。反応中のオーバーヘッド圧力を制御することによって、リボイラーの温度を352〜356°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量を2.5cc/分に設定した。1960gのメタノールと40gのトリグライムとの混合溶液中に120gのメチルカルバメートを溶解することによって調製したメチルカルバメート溶液をリボイラーにポンプ移送して、リボイラー中の液体レベルを一定に保持した。12時間の運転後に反応を終了した。本実験の結果を表2に示す。開始時と終了時におけるオーバーヘッド圧力は、それぞれ39.4psigおよび123.9psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において224°Fおよび211°Fであり、12時間の運転の終了時において283°Fおよび272°Fであった。運転の終了時にリボイラーから採取したサンプルの分析によれば、アンモニアが0.2%、メタノールが14.8%、ジメチルカーボネートが3.3%、メチルカルバメートが22.4%、トリグライムが58.4%、そしてN-MMCが0.9%であった。オーバーヘッド生成物は、9.0%のジメチルカーボネートを含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できなかったからである。
【0043】
実施例5B
助触媒を使用しないこと以外は、実施例5Aの場合と同様の仕方で実験を行った。125gのメチルカルバメート、200gのメタノール、および24.6gのジブチル錫ジメトキシドをリボイラーに仕込んだ。反応中のオーバーヘッド圧力を制御することによって、リボイラーの温度を352〜356°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量を2.5cc/分に設定した。125gのメチルカルバメートを2000gのメタノール中に溶解することによって調製したメチルカルバメート溶液をリボイラーにポンプ移送して、リボイラー中の液体レベルを一定に保持した。12時間の運転後に反応を終了した。開始時と終了時におけるオーバーヘッド圧力は、それぞれ207.7psigおよび299.5psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において317°Fおよび305°Fであり、12時間の運転の終了時において342°Fおよび331°Fであった。運転の終了時にリボイラーから採取したサンプルの分析によれば、アンモニアが0.4%、メタノールが60.8%、ジメチルカーボネートが6.7%、メチルカルバメートが27.6%、N-MMCが4.2%、そして未知物質が0.2%であった。オーバーヘッド生成物は、4.7%のジメチルカーボネートと0.1%のメチルアミンを含有していた。結果を表2に示す。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できなかったからである。
【0044】
実施例4Aと4Bは、メチルカルバメートの熱分解が徐々に起こること、およびメタノールが存在しない場合は、有機錫化合物がメチルカルバメートと尿素の分解に対する効果的な触媒となりうることを示している。反応媒体中のメタノールの濃度が低すぎると、メチルカルバメートもしくは尿素またはこれら両方の分解が促進されることがある。メタノールの濃度が高すぎると、反応速度が低下するため反応器の圧力が高くなり、このためリボイラーからジメチルカーボネートを留去するのが困難になり、この結果副生物の形成が増える。従って、反応ゾーン中のメタノールの濃度を最適に保持することが重要である。
【0045】
実施例5Aと5Bでは、オーバーヘッド液体生成物の流量を2.5cc/分に増大させた。運転中にメチルカルバメート溶液を蒸留器のリボイラー中にポンプ移送して、連続運転をシミュレートした。反応を高い流量で行ったときは、低い流量(実施例3Aにおける1.5cc/分、表2)の場合と比較して殆ど改良は認められなかった。オーバーヘッド速度を増大させると、ジメチルカーボネートの濃度が実施例3Aにおける16〜18%から約9%に希釈され、これはオーバーヘッド液体生成物からジメチルカーボネートを分離する上で望ましくない。トリグライム溶媒を使用しないで反応を行った場合(実施例5B)はオーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの濃度はほぼ2倍であり、ジメチルカーボネートに対する見かけの選択性が改良されており、またメチルアミンの生成は実施例3Bの場合よりはるかに少ないが、N-MMCの形成については殆ど変化は認められなかった。オーバーヘッド液体生成物中のジメチルカーボネートの濃度は実施例5Aの場合の約半分であり、この結果、実施例5Aと比較すると、オーバーヘッド液体生成物としてのジメチルカーボネートの取り出し量は約1/3になる。塔底生成物中の尿素の濃度は不明であるが、メチルカルバメートの転化は、実施例5Bより実施例5Aのほうが高いと思われる。なぜなら、反応ゾーンからのジメチルカーボネートとアンモニアの除去が効果的だからである。
【0046】
【表2】
【0047】
実施例6A
125gのメチルカルバメート、100gのメタノール、100gのトリグライム、および24.8gのジブチル錫ジメトキシドを蒸留器のリボイラーに仕込んだ。反応中のオーバーヘッド圧力を制御することによって、リボイラーの温度を353〜357°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量を2.7cc/分に設定した。105.6gの尿素を2200gのメタノール中に溶解することによって調製した尿素溶液をリボイラーにポンプ移送して、リボイラー中の液体レベルを一定に保持した。連続的な12時間の運転後に反応を終了した。本実験の結果を表3に示す。運転中におけるオーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの組成変化を図5に示す。開始時と終了時におけるオーバーヘッド圧力は、それぞれ47.9psigおよび49psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において231°Fおよび219°Fであり、12時間の運転の終了時において232°Fおよび200°Fであった。12時間の運転の終了時にリボイラーから採取したサンプルの分析によれば、ジメチルカーボネートが1.1%、メタノールが13.1%、メチルカルバメートが30.2%、N-MMCが0.8%、トリグライムが54.3%、そして未知物質が0.5%であったが、オーバーヘッド生成物は、ジメチルカーボネートを7.3%含有し、メチルアミンを含有しなかった。12時間の運転中に採取したオーバーヘッドサンプルはいずれも、検出可能な量のメチルアミンを含有しなかった。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できなかったからである。
【0048】
実施例6B
蒸留器を使用して、実施例6Aの場合と同様に、但し助触媒を使用せずに反応を行った。125gのメチルカルバメート、200gのメタノール、および25.6gのジブチル錫ジメトキシドを蒸留器のリボイラーに仕込んだ。反応中のオーバーヘッド圧力を制御することによって、リボイラーの温度を352〜356°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量を2.7cc/分に設定した。105.6gの尿素を2000gのメタノール中に溶解することによって調製した尿素溶液をリボイラーにポンプ移送して、リボイラー中の液体レベルを一定に保持した。連続的な12時間の運転後に反応を終了した。本実験の結果を表3に示す。運転中におけるオーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの組成変化を図5に示す。開始時と終了時におけるオーバーヘッド圧力は、それぞれ222psigおよび236.7psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において332°Fおよび311°Fであり、12時間の運転の終了時において326°Fおよび314°Fであった。12時間の運転の終了時にリボイラーから採取したサンプルの分析によれば、ジメチルカーボネートが8.2%、メタノールが45.3%、メチルカルバメートが37.3%、N-MMCが8.0%、そして未知物質が0.8%であったが、初めの6時間の運転中に採取したオーバーヘッドサンプルは、検出可能な量のメチルアミンを含有しなかった。次の6時間中のオーバーヘッドサンプルは0.08〜0.1%のメチルアミンを含有した。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できなかったからである。
【0049】
【表3】
【0050】
実施例6Aは、尿素溶液を蒸留器のリボイラー(反応器)にポンプ移送して尿素をジメチルカーボネートに転化させるという連続的運転をシミュレートしている。これらの実験は、尿素を一工程でジメチルカーボネートに転化できること、すなわち、1つの反応器中で尿素をメチルカルバメートに転化させ、次いでもう一つの反応器中でメチルカルバメートをジメチルカーボネートに転化させるという必要がないことを示している。なぜなら、ジメチルカーボネートを二工程で生成させることを選択してもよいけれども、尿素をメチルカルバメートに転化させるときは、反応1によって生成される余分の量のアンモニアを反応ゾーン(リボイラー)から効果的に除去できるからである。表3に示すように、反応を本発明の好ましい実施態様に従って行うと、極めて良好な結果(すなわち、ジメチルカーボネートへの高い選択性がより高いこと、および副生物の形成がより少ないこと)が得られた。トリグライムを溶媒としても助触媒としても使用しなかった場合、生成されるN-MMCの量は、本発明に従って行われる反応より10倍多かった。
【0051】
尿素をメチルカルバメートに転化させる(反応1)ためには、尿素をメタノールと反応させなければならない。すなわち、メタノールに対してメチルカルバメートと尿素とを競争反応(反応2)させなければならない。12時間の運転後に採取した塔底生成物の分析によれば、実施例1A(助触媒なし)においてはメタノール濃度が低すぎる(13.1%)ために反応1と反応2が連続的に起こらず、メタノールに対する競争反応はない。蒸留器のリボイラー中におけるトリグライムの量が運転の開始時において高すぎた。このことは、尿素溶液をリボイラー中にポンプ移送して一工程にてジメチルカーボネートを生成させる場合、メチルカルバメートをジメチルカーボネートに転化させるのに使用されるトリグライム対メタノールの比を再調整(例えば低くする)しなければならない、ということを示している。
【0052】
実施例7
本実施例は、一工程によるDMCの実際の製造を示している。
125gのメチルカルバメート、120gのメタノール、80gのトリグライム、および25gのジブチル錫ジメトキシドを蒸留器のリボイラーに仕込んだ。12時間の連続運転中、オーバーヘッド圧力を制御することによって、リボイラーの温度を349〜357°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量を2cc/分に設定した。105.6gの尿素を2200gのメタノール中に溶解することによって調製した尿素溶液をリボイラーにポンプ移送して、リボイラー中の液体レベルを一定に保持した。連続的な12時間の運転後に反応を終了した。本実験の結果を表4に示す。オーバーヘッド生成物中のDMCの組成変化を図6に示す。開始時と終了時におけるオーバーヘッド圧力は、それぞれ66psigおよび134.7psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において248°Fおよび233°Fであり、12時間の運転の終了時において286°Fおよび274°Fであった。12時間の運転の終了時にリボイラーから採取したサンプルの分析によれば、ジメチルカーボネートが3.8%、メタノールが20.9%、メチルカルバメートが21.1%、N-MMCが1.5%、トリグライムが52.0%、そして未知物質が0.2%であったが、オーバーヘッド生成物は、ジメチルカーボネートを9.0%、メタノールを88.4%、メチルアミン(または水)を0.1%、およびアンモニアを2.5%含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できなかったからである。翌日の運転のためにユニットを停止した。複合オーバーヘッド生成物(composite overhead product)の重量は1054gであり、リボイラー中にポンプ移送した尿素溶液の重量は1252gであった。ユニットから採取したサンプルの合計量は210.8gであった。流れに対する時間が8〜12時間では、リボイラー中の液体レベルは低めであった。複合オーバーヘッド生成物は、11.5%のジメチルカーボネートを含有していた。12時間の反応時点にて排出ガス(ごくわずかな体積のガス)を捕集した。この排出ガスの分析によれば、CO2が0.05容量%およびO2が2.1容量%であり、メチルカルバメートまたは尿素の分解がほとんど起きていないことを示している。
【0053】
1650gのメタノールと142.5gのトリグライムとを混合することにより調製した混合溶液をリボイラー中にポンプ移送することによって、翌日運転を続けた。オーバーヘッド圧力を制御することによって、リボイラーの温度を348〜359°Fに保持した。オーバーヘッド液体生成物の流量を2cc/分に設定した。連続的な10時間の運転後に反応を終了した。本実験の結果を表4に示す。10時間の連続運転の開始時と終了時におけるオーバーヘッド圧力は、それぞれ232.1psigおよび201.7psigであった。塔の底部と頂部における塔温度は、開始時において248°Fおよび233°Fであり、10時間の運転の終了時において322°Fおよび313°Fであった。10時間の運転(完全に最初からは合計22時間の運転)の終了時にリボイラーから採取したサンプルの分析によれば、ジメチルカーボネートが1.7%、メタノールが22.2%、メチルカルバメートが1.5%、N-MMCが1.3%、トリグライムが71.9%、未知物質が1.3%、および空気が0.1%であったが、オーバーヘッド生成物は、ジメチルカーボネートを3.8%、メタノールを94.94%、およびアンモニアを1.2%含有していた。塔底生成物サンプル中の尿素の含量は不明であった。尿素が分解するために、ガスクロマトグラフィーによっては分析できなかったからである。複合オーバーヘッド生成物の重量は956gであり、リボイラー中にポンプ移送した混合溶液の重量は1088gであった。ユニットから採取したサンプルの総重量は197.2gであった。塔とリボイラーから捕集した物質の総重量は249gであった。運転中に捕集した排出ガス(ごく少量の体積のガス)は10.0容量%のCO2と0.7容量%のO2を含有していた。運転の第2の部分に対するオーバーヘッド生成物中のDMC組成の変化を図6に示す。オーバーヘッド生成物中のDMC濃度が高いのは極めて望ましいことである。なぜなら、メタノールとの二元共沸混合物を形成するために、DMCの分離はコストのかかるプロセスだからである。表4に示すように、DMCの選択率は極めて高い(98.2%)。尿素溶液を一工程合成プロセスにてリボイラー中に直接ポンプ移送すると、メチルカルバメートの分解はほとんど起こらず、従って選択率はこれまでで最も高い。
【0054】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を実施するのに使用できる装置の概略図である。
【図2】 図2は、オーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの量と流れに対する時間との関係をプロットしたものであり、メタノール単独の場合と(メタノール+トリグライム)の場合を比較している。
【図3】 図3は、オーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの量と流れに対する時間との関係をプロットしたものであり、1.5cc/分のオーバーヘッド生成物速度における、メタノール単独の場合と(メタノール+トリグライム)および(メタノール+トリグライム+DMAP)の場合とを比較している。
【図4】 図4は、オーバーヘッド生成物中のメチルアミンの量と流れに対する時間との関係をプロットしたものであり、1.5cc/分のオーバーヘッド生成物速度における、メタノール単独の場合と(メタノール+トリグライム)および(メタノール+トリグライム+DMAP)の場合とを比較している。
【図5】 図5は、オーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの量と流れに対する時間との関係をプロットしたものであり、2.7cc/分のオーバーヘッド生成物速度における、メタノール単独の場合と(メタノール+トリグライム)の場合とを比較している。
【図6】 図6は、単一工程プロセスに対する、オーバーヘッド生成物中のジメチルカーボネートの量と流れに対する時間との関係をプロットしたものである。
Claims (9)
- (a)尿素と第一アルコールを反応ゾーンに供給する工程;
(b)ポリグリコールエーテル溶媒と、R' 2 SnX 2 、R' 3 SnX、R' 2 SnO、Ph 3-n R'SnX n 、またはPh 4-n SnX n (式中、XはCl、R'O、R'COO、またはR'COSであり、R'はC q H 2q+1 であり、nは0、1、または2であり、そしてqは1〜12である)で示される有機錫化合物とを前記反応ゾーンに供給する工程;ならびに
(c)(i)前記有機錫化合物と前記ポリグリコールエーテル溶媒の存在下にて第一アルコールの一部と尿素とを反応させてジアルキルカーボネートを生成させること;および
(ii)ジアルキルカーボネートとアンモニアを前記反応ゾーンから蒸気として取り除くこと;
を前記反応ゾーンにおいて同時に行う工程;
を含むジアルキルカーボネートの製造法。 - 前記アルコールの一部とアンモニアを前記反応ゾーンから蒸気として取り除き、前記ジアルキルカーボネートと共にオーバーヘッドとして抜き取る、請求項1記載の製造法。
- 前記オーバーヘッドをある程度凝縮させて、前記アンモニアを前記ジアルキルカーボネートから蒸気として分離し、前記アルコールを液体として分離する、請求項2記載の製造法。
- 前記有機錫触媒がジブチル錫ジメトキシドである、請求項1記載の製造法。
- 前記ポリグリコールエーテル溶媒が、前記有機錫触媒との1:1のニ座付加物および/または1:2の単座付加物を形成するニ座配位子ならびにこれらの混合物を含む、請求項1記載の製造法。
- 前記ポリグリコールエーテル溶媒がトリエチレングリコールジメチルエーテルを含む、請求項5記載の製造法。
- 前記ポリグリコールエーテル溶媒が、一般式RO[CH2(CH2)kCH2O]mR(式中、各Rは、C1-12アルキル基、アルカリール基、またはアラルキル基から独立的にえらばれ、kは0、1、2、または3であり、そしてmは1、2、3、4、または5である)を有する物質およびこれらの混合物を含む、請求項1記載の製造法。
- ジメチルカーボネートの製造のため、前記反応ゾーンが、蒸留器のリボイラーであり、前記有機錫化合物が、ジアルキル錫触媒であり、前記ポリグリコールエーテル溶媒が、トリエチレングリコールジメチルエーテルである請求項1〜3いずれか記載の製造法。
- 前記第一アルコールがメタノールであり、前記ジアルキルカーボネートがジメチルカーボネートである、請求項1〜8いずれか記載の製造法。
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