JP6344134B2 - ジアルキルカーボネートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ジアルキルカーボネートの製造方法に関する。
ジアルキルカーボネートを製造する方法として、尿素又は尿素誘導体とアルコールとを反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法(例えば、特許文献1参照)、アルキルカーバメートからジアルキルカーボネートを生成する方法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。例えば、尿素とアルコールを溶媒中で反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法では、180℃以上の高い反応温度を必要とし、かつ8時間以上の反応時間を必要とした。また、アルキルN−アリールカーバメートの不均化でジアルキルカーボネートを製造する方法では、反応によりジアルキルカーボネートと等モルのジアリール尿素が副生する。
特開平10−152455号公報 特開平8−198815号公報
尿素とアルコールとからジアルキルカーボネートを製造する方法においては、例えば、沸点が180℃以下のアルコールと尿素とからジアルキルカーボネートを製造する場合には反応器より蒸発したアルコールおよび溶媒等の成分を還流冷却管にて冷却し、反応系内に還流する必要があり、アンモニアの除去に大きなエネルギーを必要とするという課題があった。また、特許文献2に記載の製造方法では、ジアルキルカーボネートの製造に要する時間が充分に短縮できないという課題があった。
本発明は、従来技術の問題点に鑑み、アルキルカーバメートからジアルキルカーボネートを効率的に製造する製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 減圧下、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含むジアルキルカーボネートの製造方法である。
<2> O−アルキルカーバメートが下記一般式(I)で表される、<1>に記載の製造方法である。
Figure 0006344134
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族基又は炭素数6〜10のアリール基を表す)
<3> ジアルキルカーボネートが炭素数1〜5のアルキル基を有する、<1>又は<2>に記載の製造方法である。
<4> 触媒が、亜鉛、銅、鉛、スズ及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製造方法である。
<5> 46kPa以下の減圧下で行われる、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製造方法である。
<6> 減圧下、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含む第一の工程と、得られたジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下に反応させてアルキルアリールカーボネートを得る第二の工程とを含むアルキルアリールカーボネートの製造方法である。
<7> 減圧下、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含む第一の工程と、得られたジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下で反応させてアルキルアリールカーボネートを得る第二の工程と、得られたアルキルアリールカーボネートを触媒の存在下で不均化させてジアリールカーボネートを得る第三の工程とを含むジアリールカーボネートの製造方法である。
本発明によれば、アルキルカーバメートからジアルキルカーボネートを効率的に製造する製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明のジアルキルカーボネートの製造方法は、減圧下、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含む。
減圧下で、O−アルキルカーバメートを不均化させて生成するジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことで、平衡反応である不均化反応が効率的に進行して所望のジアルキルカーボネートを製造することができる。
O−アルキルカーバメートの構造は、所望のジアルキルカーボネートが得られる限り特に限定されず、目的等に応じて適宜選択することができる。O−アルキルカーバメートは、下記一般式(I)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0006344134
式中、Rはアルキル基を表す。R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。
で表されるアルキル基は、目的とするジアルキルカーボネートに応じて選択され、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。Rで表されるアルキル基は直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、置換基を有していてもよい。Rが有する置換基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子などを挙げることができる。
で表されるアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
で表されるアルキル基の炭素数が1〜5であると、得られたジアルキルカーボネートを用いてアリールカーボネートを製造する際に、アルキルオキシ基をフェノール化合物で置換することが容易になり、アリールカーボネートの製造効率が向上する傾向がある。
及びRで表される炭素数1〜6の脂肪族基は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることがより好ましい。R及びRで表される脂肪族基は置換基を有していてもよい。置換基としてはRにおける置換基と同様である。
及びRで表される炭素数1〜6の脂肪族基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
及びRで表される炭素数6〜10のアリール基は、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R及びRで表されるアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としてはRにおける置換基に加えて炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を挙げることができる。
及びRは、ジアルキルカーボネートの生成効率の観点から、一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜6の脂肪族基又は炭素数6〜10のアリール基であることが好ましく;一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜6の脂肪族基であることがより好ましく;一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが更に好ましい。
及びRの一方が、炭素数1〜6の脂肪族基であると、不均化反応で副生する尿素誘導体のO−アルキルカーバメートへの変換がより容易になる傾向がある。
O−アルキルカーバメートの具体例としては、O−メチル−N−メチルカーバメート、O−エチル−N−メチルカーバメート、O−エチル−N−エチルカーバメート、O−プロピル−N−プロピルカーバメート、O−ブチル−N−エチルカーバメート、O−ブチル−N−ブチルカーバメート、O−ペンチル−N−ペンチルカーバメート、O−メチル−N−フェニルカーバメート、O−エチル−N−フェニルカーバメートなどが挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。なお、具体例として挙げた各化合物には、その構造異性体が含まれる。
O−アルキルカーバメートは1種のみでも、2種以上を組合せて用いてもよい。
ジアルキルカーボネートの製造方法に用いられるO−アルキルカーバメートの純度は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。O−アルキルカーバメートの純度は例えば、70%以上であり、75%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、95〜100%が更に好ましい。
O−アルキルカーバメートが一般式(I)で表される場合、不均化反応は下記反応式(Scheme 1)で表され、一般式(II)で表されるジアルキルカーボネートと一般式(III)で表される尿素誘導体とが生成する。
Figure 0006344134
反応式中、R〜Rは上記と同義であり、cat.は触媒を意味する。
不均化反応によって生成する一般式(II)で表されるジアルキルカーボネートは、一般式(III)で表される尿素誘導体に比べて沸点が低く、減圧下で容易に反応系から分離して取り出すことができる。またScheme 1で表される不均化反応は、一般的には平衡反応であると考えられるから、一般式(II)で表されるジアルキルカーボネートが反応系から取り出されることで、化学平衡が移動し、より効率的にジアルキルカーボネートを製造することができ、単位時間当りのジアルキルカーボネートの収量が大幅に向上する。
更に、生成する一般式(III)で表される尿素誘導体は、後述するようにして、一般式(I)で表されるO−アルキルカーバメートに変換してリサイクル(再利用)することができる。
O−アルキルカーバメートは、触媒の存在下に不均化されてジアルキルカーボネートを生成する。不均化反応の触媒は特に制限されず、目的等に応じて、通常用いられるエステル交換触媒から適宜選択することができる。触媒としては例えば、有機金属化合物を用いることができる。有機金属化合物を構成する金属としては、例えば、亜鉛、銅、鉛、スズ、チタン、アルミニウム、ガリウム、イットリウム等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、亜鉛、銅、鉛、スズ及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、チタンが更に好ましい。有機金属化合物としては、例えば、金属アルコキシド、金属アリールオキシド、アルキル置換金属オキシド、金属アセチルアセトナート等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。有機金属化合物はそれ自体を触媒として用いてもよく、他の化合物とのアダクトを触媒として用いてもよい。
触媒(好ましくは、有機金属化合物又はそれと他の化合物とのアダクト)は、1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
触媒の中でも、Ti(OX)(Xは炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示されるチタンアルコキシド化合物、またはTi(OX)・XOH(Xは炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示されるチタン化合物のアダクトが特に好ましい。
チタンアルコキシド化合物の具体例としては、例えば、チタニウムテトラプロポキシド(及びその構造異性体)、チタニウムテトラブトキシド(及びその構造異性体)、チタニウムテトラアミルオキシド(及びその構造異性体)が例示される。
触媒の使用量は特に制限されず、触媒の種類等に応じて適宜選択することができる。触媒の使用量は、例えば、O−アルキルカーバメート100モル%に対して0.01〜20モル%とすることができ、1〜15モル%が好ましく、5〜12モル%がより好ましい。 触媒は、予め準備したO−アルキルカーバメートに添加して用いてもよく、後述するように尿素誘導体とアルコールとからO−アルキルカーバメートを調製する際に添加した触媒をそのまま用いてもよい。
不均化反応の反応温度は特に制限されず、O−アルキルカーバメート、触媒等に応じて適宜選択することができる。不均化反応の反応温度は例えば、140〜250℃であり、160〜200℃程度が好ましい。また不均化反応の圧力条件は、大気圧より低ければ特に制限されない。不均化反応の圧力条件は、反応温度に応じてジアルキルカーボネートと、O−アルキルカーバメート及び副生する尿素誘導体とを分離可能な圧力とすることが好ましい。圧力条件は例えば100kPa以下であり、46kPa以下が好ましい。圧力の下限は特に制限されず、例えば0.5kPa以上である。
不均化反応に要する時間は、目的等に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜7時間あり、1〜3時間であることが好ましい。
不均化反応は、溶媒の存在下に行ってもよい。溶媒としては、不均化反応に不活性な溶媒であれば特に制限されず、通常用いられる有機溶剤の中から適宜選択して用いることができる。
不均化反応の雰囲気は特に制限されず、大気の存在下であってもよく、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
不均化反応で生成したジアルキルカーボネートは、少なくともその一部が減圧下で反応系から取り出される。ここで反応系とは、少なくともO−アルキルカーバ―メートと触媒とを含む反応混合物であり、液体状態であることが好ましい。ジアルキルカーボネートの反応系からの取り出しは、生成したジアルキルカーボネートの少なくとも一部が、O−アルキルカーバ―メートと触媒とを含む反応混合物から分離されればよく、液体状の反応混合物からジアルキルカーボネートを含む気体として分離されることが好ましい。
ジアルキルカーボネートの反応系からの取り出しは、具体的には例えば、不均化反応を行う反応器からの留出物として取り出すことができ、不均化反応を行う反応器に配置された蒸留塔を通過させて留出物として取り出すことが好ましい。蒸留塔を用いる場合、蒸留塔の態様は特に制限されず、目的等に応じて、通常用いられる蒸留塔から適宜選択される。
ジアルキルカーボネートを留出物として反応系から取り出す場合、留出物はジアルキルカーボネートに加えて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分には、溶媒、O−アルキルカーバメート、尿素誘導体、O−アルキルカーバメートの分解物等を挙げることができる。留出物におけるジアルキルカーボネートの含有率は、溶媒を除いて10質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
ジアルキルカーボネートの取り出し条件は、ジアルキルカーボネートを不均化反応の反応系から取り出すことができる限り特に制限されず、好ましくは、ジアルキルカーボネートをO−アルキルカーバメート及び副生する尿素誘導体から分離することができる条件である。ジアルキルカーボネートの取り出しにおける温度条件としては、例えば、140〜250℃であり、160〜200℃程度が好ましい。圧力条件は例えば100kPa以下であり、46kPa以下が好ましく、5kPa以下がより好ましい。圧力の下限は特に制限されず、例えば0.5kPa以上である。また、ジアルキルカーボネートの沸点に応じて上記温度範囲に入るよう圧力条件を設定すればよい。また、取り出しの際の雰囲気は特に制限されず、大気の存在下であってもよく、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
ジアルキルカーボネートの製造方法においては、O−アルキルカーバメートの不均化反応と、生成するジアルキルカーボネートの反応系からの取り出しとを時間的に別々に行ってもよく、時間的に重複して行ってもよく、時間的に重複して行うことが好ましい。
不均化反応に要する時間及びジアルキルカーボネートの取り出しに要する時間は特に制限されない。例えば、O−アルキルカーバメートの不均化反応と、生成するジアルキルカーボネートの反応系からの取り出しとを時間的に重複して行う場合、ジアルキルカーボネートの製造に要する時間は、例えば0.5〜10時間とすることができ、2〜6時間であることが好ましい。
反応系から取り出したジアルキルカーボネートには、必要に応じて更に蒸留等の精製処理を行ってもよい。
ジアルキルカーボネートの製造方法で得られるジアルキルカーボネートの純度は例えば、90%以上であり、95〜100%が好ましい。
ジアルキルカーボネートの製造方法は、必要に応じて、O−アルキルカーバメートの不均化反応で副生する尿素誘導体をO−アルキルカーバメートに変換する工程を更に含んでいてもよい。尿素誘導体をリサイクル(再利用)することで、より効率的にジアルキルカーボネートを製造することができる。
尿素誘導体のO−アルキルカーバメートへの変換は、例えば、尿素誘導体を触媒の存在下にアルキルアルコールと反応させることで行うことができ、具体的には、特開昭55−102542号公報に記載された方法、反応条件等を参照することができる。反応条件は、例えば、常圧下、反応温度160〜220℃で、1〜5時間程度とすることができる。
<アルキルアリールカーボネートの製造方法>
アルキルアリールカーボネートの製造方法は、減圧下で、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含むジアルキルカーボネートを得る工程(以下、「第一の工程」ともいう)と、得られたジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下に反応させてアルキルアリールカーボネートを得る工程(以下、「第二の工程」ともいう)とを含む。
O−アルキルカーバメートを出発原料として不均化反応により得られるジアルキルアルコールを経由することで、アルキルアリールカーボネートを効率的に製造することができる。
(第一の工程)
第一の工程では、減圧下で、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させて、生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことで、ジアルキルカーボネートを得る。第一の工程の詳細及び好ましい態様は、既述のジアルキルカーボネートの製造方法と同様である。
(第二の工程)
第二の工程では、第一の工程で得られるジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下に反応させてアルキルアリールカーボネートを得る。第二の工程の詳細については、例えば、特開平10−152455号公報の記載を参照することができる。
第二の工程に用いられるフェノール化合物(芳香族ヒドロキシ化合物ともいう)は、特に制限されず、目的等に応じて通常用いられるフェノール化合物から選択することができる。フェノール化合物として具体的には、フェノール、並びに炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等によって置換されたフェノール化合物が挙げられる。具体的な例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−プロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−ブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、アニソール、p−フェノキシフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール等を挙げることができる。
フェノール化合物の使用量は、例えば、ジアルキルカーボネートに対して0.2〜10倍モルであり、好ましくは1〜5倍モルである。
第二の工程に用いられる触媒の詳細は、第一の工程に用いられる触媒と同様であり、好ましい態様も同様である。触媒の使用量は例えば、ジアルキルカーボネート100モル%に対して0.01〜10モル%である。
第二の工程の温度条件は、例えば160〜250℃であり、圧力条件は、例えば、10〜1000kPaである。
第二の工程では生成するアルコールを抜き出す、すなわち、生成するアルコールの少なくとも一部を反応系から除去することが好ましい。第二の工程は平衡反応であるため、生成するアルコールを反応系から除去することで、所望の反応をより効率的に進行させることができる。その場合、アルコールのみを選択的に反応系外に取出すために、反応器に蒸留塔を設置して、蒸留塔を通過させてアルコールを取り出することが好ましい。反応時間は1〜10時間程度である。第二の工程は、窒素などの不活性ガスを反応系に流しながら行なうこともできる。
<ジアリールカーボネートの製造方法>
ジアリールカーボネートの製造方法は、減圧下で、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含むジアルキルカーボネートを得る工程(以下、「第一の工程」ともいう)と、得られたジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下で反応させてアルキルアリールカーボネートを得る工程(以下、「第二の工程」ともいう)と、得られたアルキルアリールカーボネートを触媒の存在下で不均化させてジアリールカーボネートを得る工程(以下、「第三の工程」ともいう)とを含む。
O−アルキルカーバメートを出発原料として不均化反応により得られるジアルキルアルコール及びアルキルアリールカーボネートを経由することで、ジアリールカーボネートを効率的に製造することができる。
(第一の工程)
第一の工程では、減圧下で、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させて、生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことで、ジアルキルカーボネートを得る。第一の工程の詳細及び好ましい態様は、既述のジアルキルカーボネートの製造方法と同様である。
(第二の工程)
第二の工程では、第一の工程で得られるジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下に反応させてアルキルアリールカーボネートを得る。第二の工程の詳細は、既述のアルキルアリールカーボネートの製造方法における第二の工程と同様である。
(第三の工程)
第三の工程では、第二の工程で得られるアルキルアリールカーボネートを触媒の存在下に不均化させてジアリールカーボネートを得る。第三の工程の詳細については、例えば、特開平10−152455号公報の記載を参照することができる。
第三の工程に用いられる触媒の詳細は、第一の工程に用いられる触媒と同様であり、好ましい態様も同様である。触媒の使用量は例えば、アルキルアリールカーボネート100モル%に対して0.01〜10モル%である。第三の工程は、第二の工程で得られるアルキルアリールカーボネートを単離せずに行うことができる。その場合、第二の工程の反応液に触媒が含まれる場合はその触媒をそのまま用いることもできるし、新たに触媒を追加してもよい。
第三の工程の温度条件は、例えば160〜250℃であり、圧力条件は、例えば、1〜500kPaである。
第三の工程では生成するジアルキルカーボネートを抜き出す、すなわち、生成するジアルキルカーボネートの少なくとも一部を反応系から除去することが好ましい。第三の工程は平衡反応であるため、生成するジアルキルカーボネートを反応系から除去することで、所望の反応をより効率的に進行させることができる。その場合、ジアルキルカーボネートのみを選択的に反応系外に取出すために、反応器に蒸留塔を設置して、蒸留塔を通過させてジアルキルカーボネートを取り出することが好ましい。反応時間は1〜10時間程度である。第二の工程は、窒素などの不活性ガスを反応系に流しながら行なうこともできる。アルキルアリールカーボネートの転化率が80〜100%程度になるまで反応させた後、反応液から蒸留等の精製処理によりジアリールカーボネートを得ることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5)
100mLの四つ口フラスコに、中央にヘリコイルG−3を充填した内径20mm、長さ200mmの充填塔あるいは長さ125mmの空冷管を付け、反応器とした。
この反応器に表1に記載の各種アルキルカーバメート20gと、触媒を添加し、マグネチックスターラーで撹拌しながら反応を実施した。触媒はチタン(IV)テトラブトキシドモノマー(和光純薬工業社製)を使用し、触媒量はアルキルカーバメート1モルに対し、0.1モル添加した。オイルバスにて加熱し、反応液の温度を最初160℃〜200℃程度となるよう調整後、減圧を開始した。圧力は留出するジアルキルカーボネート種により異なるが、140〜250mmHg(18.7〜33.3kPa)程度まで減圧し、ジアルキルカーボネートを留去しつつ反応を実施した。減圧中も反応液の温度を160℃〜200℃程度を維持しつつ反応を実施した。反応液、留出液は反応終了後にサンプリングし、ガスクロマトグラフの原料及び生成物を定量した。ジアルキルカーボネートの単位時間(1時間)当りの収量を表1に示す。
(比較例1〜3)
実施例で用いた反応器に同様にしてカーバメート、触媒を添加し、減圧せずに常圧のまま、反応液の温度を160℃〜200℃程度となるよう調整し、反応を行った。ジアルキルカーボネートの単位時間(1時間)当りの収量を表1に示す。
Figure 0006344134
Figure 0006344134
表1中の略称は以下のとおりである。
MPCM:O−メチル−N−フェニルカーバメート(東京化成工業社製)
EPCM:O−エチル−N−フェニルカーバメート(東京化成工業社製)
EMCM:O−エチル−N−メチルカーバメート(東京化成工業社製)
BBCM:O−ブチル−N−ブチルカーバメート(N,N’−ジブチル尿素とブタノールから製造した)
BECM:O−ブチル−N−エチルカーバメート(N,N’−ジエチル尿素とブタノールから製造した)
DMC:ジメチルカーボネート
DEC:ジエチルカーボネート
DBC:ジブチルカーボネート
表1から、本発明のジアルキルカーボネートの製造方法は、単位時間当りの収量が大きく、O−アルキルカーバメートからジアルキルカーボネートを効率的に製造することができることが分かる。

Claims (5)

  1. 21.3kPa以下の減圧下、160〜185℃において、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含むジアルキルカーボネートの製造方法であって、
    前記O−アルキルカーバメートが下記一般式(I)で表される、ジアルキルカーボネートの製造方法。
    Figure 0006344134

    (式中、R は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R 及びR はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族基又は炭素数6〜10のアリール基を表す)
  2. ジアルキルカーボネートが炭素数1〜のアルキル基を有する、請求項に記載の製造方法。
  3. 触媒が、亜鉛、銅、鉛、スズ及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 21.3kPa以下の減圧下、160〜185℃において、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含む第一の工程と、
    得られたジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下に反応させてアルキルアリールカーボネートを得る第二の工程とを含むアルキルアリールカーボネートの製造方法であって、
    前記O−アルキルカーバメートが下記一般式(I)で表される、アルキルアリールカーボネートの製造方法。
    Figure 0006344134

    (式中、R は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R 及びR はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族基又は炭素数6〜10のアリール基を表す)
  5. 21.3kPa以下の減圧下、160〜185℃において、O−アルキルカーバメートを触媒の存在下で不均化させてジアルキルカーボネートを生成させること及び生成したジアルキルカーボネートを反応系から取り出すことを含む第一の工程と、
    得られたジアルキルカーボネートとフェノール化合物とを触媒の存在下で反応させてアルキルアリールカーボネートを得る第二の工程と、
    得られたアルキルアリールカーボネートを触媒の存在下で不均化させてジアリールカーボネートを得る第三の工程とを含むジアリールカーボネートの製造方法であって、
    前記O−アルキルカーバメートが下記一般式(I)で表される、ジアリールカーボネートの製造方法。
    Figure 0006344134

    (式中、R は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R 及びR はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族基又は炭素数6〜10のアリール基を表す)
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