JP2005015430A - カーボネート - Google Patents

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Akihiro Sato
明宏 佐藤
Nobutoshi Miyake
信寿 三宅
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Abstract

【課題】炭酸ジフェニルを効率よく製造するための原料として,取扱いが簡便で反応性が高い原料となる新規なカーボネート化合物を提供すること。
【解決手段】本発明は,下記式(1)で表される炭酸エステルである。
【化1】
Figure 2005015430

【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な炭酸エステル化合物に関し、詳しくはカルボニルソースとして使用される炭酸エステルであって、特にエステル交換法ポリカーボネート製造プロセスの中間体として有用な炭酸エステル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸エステルは、オクタン価向上のためのガソリン添加剤、排ガス中のパーティクルを減少させるためのディーゼル燃料用添加剤等の添加剤として使われるほか、電池電解質、ポリカーボネートやウレタン、医薬・農薬等の有機化合物を合成する際のアルキル化剤、カルボニル化剤、溶剤等として有用な化合物である。従来、例えば、エステル交換法のポリカーボネートの原料として炭酸ジフェニルが使用されている。炭酸ジフェニルの製造方法は、炭酸ジアルキルとフェノールとをエステル交換させて、炭酸メチルフェニルや炭酸ジフェニルを得る方法がある(例えば[特許文献1]特開昭57−183745号公報、[特許文献2]特開昭57−176932号公報)が、炭酸ジフェニルをエステル交換反応のみで製造する場合は、平衡定数が極めて小さいために炭酸メチルフェニルの不均化反応で製造する方法が採用され、例えば下式(2)から(3)の方法で製造される。
【0003】
即ち、下記式(2)に従って不均化反応を利用して炭酸ジフェニルを得、更に下記式(3)に従ってビスフェノールAとエステル交換してポリカーボネートを得る方法が広く知られている。
【0004】
【化2】
Figure 2005015430
【0005】
(式中: n,mは1以上の整数をあらわす)
【0006】
上記反応式(2)で表される不均化反応は、高温でおこなうことが反応を迅速にすすめるうえで好ましいが、温度が高い場合にはアニソールなどの好ましくない副生成物が生成すため、一般的に180℃から240℃の間で行うのが望ましい。更に一方で平衡は原料側に偏っているために生成物の一方である炭酸ジメチルを系外へ抜き出すことが反応を効率よくすすめるうえで好ましい。
しかし、その温度範囲において常圧での沸点が約210℃である炭酸メチルフェニルは液体−気体の相変化を伴う上に、生成物の一つである炭酸ジメチル(常圧での沸点90℃)は高圧の気体となるため、上記温度範囲で不均化反応をおこなうことは、反応容器の選定、及び設定を一定に保つことが難しいといった課題がある。
【0007】
炭酸ジフェニルを得る上記とは異なる方法として、尿素とアルコールを反応させて炭酸ジブチルや炭酸ジイソアミルを得て、更に炭酸ブチルフェニルや炭酸イソアミル−フェニルを製造し、炭酸ジフェニルの前駆体とした例もある(例えば[特許文献3]特開平10−152456号公報)が、カーバメートを含有した炭酸エステルを使用する方法であって、それら不純物による副反応が課題となる。また該公報中には、尿素と本発明の炭酸エステルを構成する2−エチル−1−ブタノールとを使用する記述があるが、本発明の炭酸エステルを製造した記述も記載も一切ない。更に、上記方法に使用されている炭酸ブチルフェニルの不均化反応により生成する炭酸ジブチルは、常圧での沸点は約207℃であり、これも好ましい反応温度領域(180°Cから240℃の間)では液体―気体の相変化を伴うために、反応容器の選定、及び設定を一定に保つことが難しいといった課題がある。
以上のように、炭酸ジフェニルを得る従来の方法では反応容器の選択が難しかったり、安定した条件を保つことが困難であるといった課題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭57−183745号公報
【特許文献2】
特開昭57−176932号公報
【特許文献3】
特開平10−152456号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭酸ジフェニルを、安定した条件で得られる炭酸エステルを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、不均化反応における原料及び生成物が、望ましい温度範囲(180°Cから240℃の間)において液体−気体の相変化を伴って少しの温度変化で反応器内圧力が大きく変化してしまうために反応の制御が難しいといった従来の課題を解決し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、以下のとおりである。
[1] 下記式(1)であらわされる炭酸エステル。
【0011】
【化3】
Figure 2005015430
【0012】
[2] [1]記載の炭酸エステルから炭酸ジフェニルを製造することを特徴とする炭酸ジフェニルの製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭酸エステルは下式(1)であらわされる炭酸エステルである。
【0013】
【化4】
Figure 2005015430
【0014】
本発明の炭酸エステルの製造方法は、公知の炭酸アルキルアリールの製造方法が好ましく使用される。例えばハロゲン化ギ酸フェニルと2−エチルブチルアルコールを反応させる方法、炭酸ジアルキルとフェノールとのエステル交換によって得る方法などが使用できる。好ましい方法としては、公知の炭酸アルキルアリールを製造する方法が好ましく用いられる。例えばハロゲン化ギ酸フェニルと2−エチルブチルアルコールを反応させる方法や炭酸ジ(2−エチル−ブチル)とフェノールから得る方法である。これらのうち、炭酸ジ(2−エチル−ブチル)とフェノールから得る方法では、上記した含窒素化合物や、反応容器を劣化させるハロゲン化物の使用量が少なく、好ましい方法である。
【0015】
本発明の炭酸エステルを炭酸ジフェニルの製造に用いる場合、本発明の炭酸エステルは極めて高純度であってもよいが、他の不純物を含んでいても構わないし、他の炭酸エステルとの混合物であっても構わない。電解質として用いる場合などの場合は、必要な成分を加えた組成物であっても構わない。ただし、炭酸ジフェニルを製造する際には、含窒素化合物をなるべく含まないことが好ましい。含窒素化合物は炭酸エステル類と反応しやすく、不純物、副生物の生成を引き起こすため好ましくない成分である。例えば、尿素類やカーバメート類やアロハン酸エステルなどの含窒素化合物からなる成分の群のうち少なくとも1種類が1000ppm以下であることが好ましい。
【0016】
本発明の炭酸エステルを用いれば、従来広く使用されているのメチルフェニル炭酸エステルの課題やブチルフェニル炭酸エステルの課題が解決できる。即ち、メチルフェニル炭酸エステルやブチルフェニル炭酸エステルでは一般的に不均化反応に望ましい温度範囲では反応容器の選定及び反応条件を安定させることが難しかった。
本発明の炭酸エステルを用いた不均化反応においては原料及び生成物が高い沸点を持つため一般的な反応容器を用いることができるし、本発明の炭酸エステルを不均化反応させた場合に生成する炭酸ジ(2−エチル−ブチル)は炭酸ジフェニルの沸点や、本発明の炭酸エステルである炭酸(2−エチル−ブチル)フェニルも低いために、生成物の一方である炭酸ジ(2−エチル−ブチル)を蒸留によって容易に系外に抜き出すことが可能であって、平衡反応を有利に生成物系にずらすことができる。
【0017】
上記のように、反応は不均化反応であり、不均化反応によって、炭酸(2−エチル−ブチル)フェニルから炭酸ジ(2−エチル−ブチル)と炭酸ジフェニルを得る。炭酸アルキルアリールから不均化反応を利用して炭酸ジフェニルを得る反応では、平衡が原系に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、これらを改良するためにいくつかの提案がされており、公知の方法が本発明においても好ましく使用できる。
【0018】
反応速度を速くするための触媒に関する提案に関するものは、数多くの金属含有触媒が知られている。公知の不均化反応を触媒する触媒を共存させても構わない。このような触媒の例は数多く提案されている。このような触媒として、例えば、ルイス酸およびルイス酸を発生しうる遷移金属化合物〔特開昭51−75044号公報(西独特許公開公報第2552907号、米国特許第4045464号明細書)〕、ポリマー性スズ化合物〔特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)〕、一般式R−X(=O)OH(式中XはSn及びTiから選択され、Rは1価炭化水素基から選択される。)で表される化合物、〔特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)〕、ルイス酸とプロトン酸の混合物〔特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書)〕、鉛触媒(特開平1−93560号公報)、チタンやジルコニウム化合物(特開平1−265062号公報)、スズ化合物(特開平1−265063号公報)、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物(特開平1−265064号公報)等が提案されている。このような触媒として、例えば下記の化合物から選択される。
【0019】
<鉛化合物>PbO、PbO、Pb等の酸化鉛類;PbS、PbS等の硫化鉛類;Pb(OH)、Pb(OH)等の水酸化鉛類;NaPbO、KPbO、NaHPbO、KHPbO等の亜ナマリ酸塩類;NaPbO、NaPbO、KPbO、K[Pb(OH) ]、KPbO、Ca PbO、CaPbO等の鉛酸塩類;PbCO、2PbCO・Pb(OH) 等の鉛の炭酸 塩及びその塩基性塩類;Pb(OCOCH、Pb(OCOCH、Pb(OCOCH・PbO・3HO等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;BuPb、PhPb、BuPbCl、PhPbBr、PhPb(又はPhPb)、BuPbOH、PhPbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。);Pb(OCH、(CHO)Pb(OPh)、Pb(OPh)等のアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sb等の鉛の合金類;ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物;
【0020】
<銅族金属の化合物>CuCl、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、CuI、Cu(OAc)、Cu(acac)、オレフイン酸銅、BuCu、(CHO)Cu、AgNO、AgBr、ピクリン酸銀、AgCClO、Ag(ブルバレン)NO、[AuC≡C−C(CH]n、[Cu(C)Cl]等の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。);
<アルカリ金属の錯体>Li(acac)、LiN(C等のアルカリ金属の錯体;
<亜鉛の錯体>Zn(acac)等の亜鉛の錯体;
<カドミウムの錯体>Cd(acac)等のカドミウムの錯体;
<鉄族金属の化合物>Fe(C10H)(CO)、Fe(CO)、Fe(C)(CO)、Co(メシチレン)(PEtPh)、CoC(CO)、Ni−π−CNO、フェロセン等の鉄族金属の錯体;
【0021】
<ジルコニウム錯体>Zr(acac),ジルコノセン等のジルコニウムの錯体;
<ルイス酸類化合物>AlX、TiX,TiX、VOX、VX、ZnX、FeX、SnX(ここでXはハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。)等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物;<有機スズ化合物>(CHSnOCOCH、(CSnOCOC、BuSnOCOCH、PhSnOCOCH、BuSn(OCOCH、BuSn(OCOC1123、PhSnOCH、(CSnOPh、BuSn(OCH、BuSn(OC、BuSn(OPh)、PhSn(OCH、(CSnOH、PhSnOH、BuSnO、(C17SnO、BuSnCl、BuSnO(OH)等の有機スズ化合物;
等が用いられる。
【0022】
もちろん、これらの触媒成分が反応系中に存在する有機化合物、例えば、アルコール類、芳香族ヒドロキシ化合物類、炭酸アルキルアリール類、芳香族炭酸エステル類、炭酸ジアルキル類等と反応したものであっても良いし、反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであってもよい。
本発明の炭酸エステルから不均化反応により炭酸ジフェニルと炭酸ジ(2−エチル−ブチル)を得る反応である。不均化反応は平衡の制約を受けるため、炭酸ジフェニルを多く得ようとすれば、不均化反応で生成する炭酸ジ(2−エチル−ブチル)と炭酸ジフェニルのうちの一方を系外に抜き出しながら反応させる方法が有利である。よって、沸点が最も低い炭酸ジ(2−エチル−1−ブチル)を系外に抜き出しながらおこなうことが好ましい。
【0023】
該反応に供給する化合物は、主に(2−エチル−1−ブチル)フェニル炭酸エステルのみもしくは必要であれば触媒であるが、反応に特に悪影響を与えない不純物が混入していてもかまわない。
本発明で触媒を用いる場合の触媒の量は、使用する触媒の種類、反応器の種類、及び原料である炭酸(2−エチル−ブチル)フェニルの量や、反応温度並びに反応圧力等の反応条件の違い等によっても異なるが、供給原料である炭酸ジ(2−エチル−ブチル)に対する割合で表わして、通常0.0001〜50重量%で使用される。また固体触媒を使用する場合には、反応器の空塔容積に対して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく用いられる。
【0024】
これらの供給原料中に、生成物である炭酸ジ(2−エチル−ブチル)、及び炭酸ジフェニル等が含まれていてもよいが、本反応は可逆反応であるため、これらの生成物のうち、濃度があまり高い場合には原料の反応率を低下させるため好ましくない場合がある。
上記反応の反応時間は、反応条件や反応器の種類や内部構造によっても異なるが、通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜5時間である。反応温度は、反応器内の温度であり、通常50〜350℃、好ましくは100〜280℃の範囲で、低い温度でおこなう場合には反応速度が遅く、高い温度でおこなう場合には、好ましくないエーテル類が生成するために、より好ましくは180℃から240℃の範囲である。また反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常10Pa〜20MPaの範囲で行われる。
【0025】
本発明においては、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン変脂肪族炭化水素類、ハロゲン芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いることができる。また、反応に不活性な物質として窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよいし、生成する低沸点副生成物の留去を加速する目的で連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよい。
【0026】
上記反応終了後は、公知の方法で触媒、炭酸(2−エチル−ブチル)フェニル、炭酸ジ(2−エチル−1−ブチル)、炭酸ジフェニル、フェノール、アルコールなどを分離し、炭酸ジフェニルを得る。
上記反応で使用する反応器の形式に特に制限はなく、攪拌槽方式、多段攪拌槽方式、多段蒸留塔を用いる方式、及びこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。これらの反応器はバッチ式、連続式のいずれでも使用できる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点で、多段蒸留塔を用いる方法が好ましく、多段蒸留塔を用いた連続法が特に好ましい。多段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。
【0027】
このような多段蒸留塔としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した 棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のものなど、通常多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。さらには棚段部分と充填物の充填された部分とをあわせもつ棚段−充填混合塔方式のものも好ましく用いられる。
【0028】
多段蒸留塔を用いて連続法を実施する場合、出発物質である炭酸ジ(2−エチル−ブチル)を連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内において金属含有触媒の存在下に液相または気−液相で不均化反応を行わせると同時に、製造される炭酸ジフェニルまたは炭酸ジフェニルを含む高沸点反応混合物を該蒸留塔の下部から液状で抜き出し、一方生成する炭酸ジ(2−エチル−ブチル)を含む低沸点反応混合物を蒸留によって該蒸留塔の上部からガス状で連続的に抜き出すことにより炭酸ジフェニルが製造される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<分析方法>
1)NMR分析方法
装置:日本電子(株)社製JNM−A400 FTNMRシステム
(1)H、13C−NMR分析サンプル溶液の作成
生成物を0.1から0.5gの範囲で計り取り、重クロロホルムを約0.9g加えてNMR分析サンプル溶液とする。
【0031】
2)炭酸エステルのガスクロマトグラフィー分析法
装置:(株)島津製作所製GC−2010システム
(1)分析サンプル溶液の作成
反応溶液約0.20g量り取り、脱水されたジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを約2.5ml加える。さらに内部標準としてジフェニルエーテル約0.06gを加えて、ガスクロマトグラフィー分析サンプル溶液とする。
(2)ガスクロマトグラフィー分析条件
カラム:DB−1(J&W Scientific)
液相:100%ジメチルポリシロキサン
長さ:30m
内径:0.25mm
フィルム厚さ:1μm
カラム温度:50℃(10℃/minで昇温)300℃
インジェクション温度:300℃
検出器温度:300℃
検出法:FID
(3)定量分析法
各標準物質の標準サンプルについて分析を実施し作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施する。
【0032】
3)炭酸エステルのガス質量分析法
装置:Agilentテクノロジー GC6890A、5973N Mass
Selective Detector
(1)分析サンプル溶液の作成
反応溶液約0.02g量り取り、脱水されたジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを約2.5ml加え,ガス質量分析サンプル溶液とする。
(2)ガス質量分析条件
カラム:DB−5(J&W Scientific)
液相:95%メチルポリシロキサン,5%フェニルメチルポリシロキサン
長さ:30m
内径:0.25mm
フィルム厚さ:0.25μm
カラム温度:50℃で5分後、10℃/分で200℃まで昇温し、5分おいた後、300℃まで更に昇温した、
インジェクション温度:300℃
検出器温度:300℃
検出法:電子衝撃法
【0033】
【実施例1】
(2−エチル−1−ブチル)フェニルカーボネートの製法
温度計、窒素導入管を備えた滴下漏斗、コンデンサーを備えた容量2L三口フラスコに、クロロギ酸フェニル(東京化成社製)84.3g(0.54モル)、及びトルエン(関東化学社製)21.9g及び攪拌のための攪拌子を入れ、滴下漏斗に2−エチル−1−ブタノール(東京化成社製)46.4g(0.45モル)を入れ、温度調節器を備えたオイルバスに浸漬した。窒素導入しながら液温を約110℃に保って滴下漏斗より2−エチル−1−ブタノールを3時間かけて滴下し、その後10時間攪拌して反応させた。反応液を真空ポンプと真空コントローラー(岡野製作所社製)を用いて減圧下において蒸留・分離することにより2−エチル−1−ブタノール、クロロギ酸フェニルを除去し、透明な生成物として(2−エチル−1−ブチル)フェニルカーボネートを含んだ液体63.3gを得た。
【0034】
NMR分析結果を図1(H−NMR)及び図2(13C−NMR)に示した。
H−NMR (CDCl) δ:7.5−7.0(5H、m)、4.2(2H、d、J=5.9Hz)、1.7−1.6(1H、m)、1.5−1.4(4H、m)、0.9(6H、t、J=7.3Hz)、(13C−NMR:153ppm、151ppm、129ppm、126ppm、121ppm、71ppm、40ppm、23ppm、10ppm)。ガス質量分析結果(m/Z=94、77、65、55、43、41、39、29)。生成物の沸点は大気圧下において274℃であった。
【0035】
【実施例2】
(2−エチル−1−ブチル)フェニルカーボネートの製法
(触媒の調整)
フェノール40gと一酸化鉛8gを180℃で10時間加熱し、生成する水をフェノールと共に留去することにより触媒Aを調整した。両端をスェージロックで固定可能な内径6mm、長さ50mmのSUS製チューブにジ(2−エチル−1−ブチル)カーボネート0.54g(2.3ミリモル)、フェノール0.46g(4.9ミリモル)及び触媒Aを8.4mg(鉛分が全液量の約400ppmとなるような量)を仕込み、スェージロックのキャップを締めて密栓した。温調器を備えたオイルバスの温度を220℃として、上記リアクターを浸漬して1.5時間反応させた。反応終了後、リアクターをオイルバスから取り出して放冷し、室温(約22℃)に冷却したのち、キャップをあけて反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィー(FID検知器)で分析したところ(2−エチル−ブチル)フェニルカーボネートが2.4重量%、ジフェニルカーボネートが0.03重量%得られた。
【0036】
【実施例3】
(2−エチル−1−ブチル)フェニルカーボネートの不均化反応
両端をスェージロックで固定可能な内径6mm、長さ50mmのSUS製チューブに(2−エチル−1−ブチル)フェニルカーボネート0.99g及び実施例3で作製した触媒A19mg(鉛として全液量の約1000ppmとなるような量)を仕込み、スェージロックのキャップを締めて密栓した。温調器を備えたオイルバスの温度を所定の温度に設定し、上記リアクターを浸漬して約18時間反応させた。反応終了後、リアクターをオイルバスから取り出して放冷し、室温(約22℃)に冷却したのち、キャップをあけて反応液を取り出した。反応液をガスクロマトグラフィー(FID検知器)で分析したところジフェニルカーボネートが20重量%得られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、炭酸ジフェニルの製造の際の反応条件設定が容易であり、産業上に大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNMR分析(H−NMR)図である。
【図2】本発明のNMR分析(13C−NMR)図である。

Claims (2)

  1. 下記式(1)であらわされる炭酸エステル。
    Figure 2005015430
  2. 請求項1記載の炭酸エステルから炭酸ジフェニルを製造することを特徴とする炭酸ジフェニルの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016041664A (ja) * 2014-08-18 2016-03-31 三菱瓦斯化学株式会社 ジアルキルカーボネートの製造方法

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