JP4749604B2 - ガス拡散電極用イオン伝導性付与剤 - Google Patents
ガス拡散電極用イオン伝導性付与剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池のガス拡散電極において使用されるイオン伝導性付与剤、該イオン伝導性付与剤を含むガス拡散電極用組成物、前記イオン伝導性付与剤を含有するガス拡散電極をイオン交換膜に接合した固体高分子型燃料電池用部材、及び該部材を具備する固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹脂等の固体高分子を電解質として用いた燃料電池電池であり、動作温度が比較的低いという特徴を有する。該固体高分子型燃料電池は、図1に示されるように、それぞれ外部と連通する燃料ガス流通孔2及び酸化剤ガス流通孔3を有する電池隔壁1内の空間を、固体高分子電解質膜6の両面にそれぞれ燃料室側ガス拡散電極4及び酸化剤室側ガス拡散電極5が接合した接合体で仕切って、燃料ガス流通孔2を通して外部と連通する燃料室7、及び酸化剤ガス流通孔3を通して外部と連通する酸化剤室8が形成された基本構造を有している。そして、このような基本構造の固体高分子型燃料電池では、前記燃料室7に燃料流通孔2を通して水素ガスあるいはメタノール等からなる燃料を供給すると共に酸化剤室8に酸化剤ガス流通孔3を通して酸化剤となる酸素や空気等の酸素含有ガスを供給し、更に両ガス拡散電極間に外部負荷回路を接続することにより次のような機構により電気エネルギー発生させている。即ち、燃料室側ガス拡散電極4において該電極内に含まれる触媒と燃料とが接触することにより生成したプロトン(水素イオン)は固体高分子電解質膜6内を伝導して酸化剤室8に移動し、酸化剤室側ガス拡散電極5で酸化剤ガス中の酸素と反応して水を生成する。一方、燃料室側ガス拡散電極4においてプロトンと同時に生成した電子は外部負荷回路を通じて酸化剤室側ガス拡散電極5へと移動するので上記反応のエネルギーを電気エネルギーとして利用することができる。
【0003】
上記のような構造の固体高分子型燃料電池においては、電解質膜として陽イオン交換樹脂膜であるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜が最も一般的に用いられている。また、このようなパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いた場合のガス拡散電極としては、必要に応じてカーボンブラック等の導電剤に担持した白金等の金属粒子からなる電極触媒を多孔性材料からなる電極基材で支持したものが一般的に用いられており、通常、該ガス拡散電極はパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に熱圧着することに接合させられている。そして、このような方法で接合を行なう場合には、ガス拡散電極内部の触媒上で発生したプロトンの利用率を高めるため(換言すれば、該プロトンが効率よく酸化剤室に移動するようにするため)にガス拡散電極の接合面にイオン伝導性付与剤としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の有機溶液を塗布したり、或いは電極内部にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を配合させることが行われている(特開平3−208260号公報および特開平4−329264号公報)。なお、上記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂は、固体高分子電解質膜とガス拡散電極との接合性を向上させる機能も有している。
【0004】
ところが、このようなパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いた固体高分子型燃料電池においては、主としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に起因する問題点として(i)保水力が充分でないため水の補給が必要となる、(ii)物理的な強度が低いため薄膜化による電気抵抗の低減が困難である、(iii)高価である、(iv)燃料にメタノールを用いた場合にメタノールの透過性が高く、酸化剤側ガス拡散電極に到達したメタノールがその表面で酸素または空気と反応するため過電圧が増大し、出力電圧が低下するという問題が指摘されている。そしてこのような問題、特に上記(iv)の問題を解決するためにパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に替えて炭化水素系陰イオン交換膜を用いることが検討されており、そのような固体高分子型燃料電池が幾つか提案されている(特開平11−273695号公報、特開11−135137号公報、及び特開2000−331693号公報)。これら炭化水素系陰イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池における発電機構も基本的には陽イオン交換膜を用いた場合と同様であるが、通電時には酸化剤室側から燃料室側に水酸化物イオン等のアニオンが移動するためメタノールの移動が起り難くなり、上記(iv)の問題を解決することができると言われている。また、炭化水素系のイオン交換膜を用いているので、上記(i)〜(iii)の問題についても解決可能となっている。
【0005】
ところで、上記各公報に開示されている固体高分子型燃料電池におけるガス拡散電極においては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いた場合のガス拡散電極にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を添加するのと同様な理由から、イオン伝導性付与剤としてアニオン交換樹脂を添加することが行われており、このようなアニオン交換樹脂としては、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸の共重合体のクロロメチル化物をアミノ化して得られるアニオン交換樹脂(特開平11−273695号公報及び特開11−135137号公報)、又はスルホン酸基を有するパーフルオロカーボンポリマーの末端をジアミンで処理し4級化したポリマー或いはポリクロロメチルスルチレンの4級化物等のポリマーで好適には溶媒可溶性のもの(特開2000−331693号公報)が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者等が電解質膜として炭化水素系陰イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池について検討を行なったところ、固体高分子型燃料電池の性能はガス拡散電極に含まれるイオン伝導性付与剤の性状に大きく依存し、その性状によっては充分な性能の固体高分子型燃料電池が得られないことが判明した。即ち、イオン伝導性付与剤としてフッ素樹脂系のアニオン交換樹脂を用いた場合、炭化水素系陰イオン交換膜とガス拡散電極の接合界面において両者の馴染みが悪くなり、結着剤を添加しても接合強度が低下する場合があること、更にイオン伝導性付与剤として炭化水素系のアニオン交換樹脂を用いた場合にも長期間使用すると性能が低下する場合があることが判明した。
【0007】
そこで、本発明は、電解質膜として炭化水素系陰イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池であって、初期性能が高く、長期間使用してもその性能が低下し難い固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、炭化水素系陰イオン交換膜に接合して使用するガス拡散電極を作成する際に用いるイオン伝導性付与剤としては、電解質膜とガス拡散電極との接合性の観点からは基本的に炭化水素で構成されるアニオン交換樹脂を用いるのが好適であること、さらに該アニオン交換樹脂が水及びメタノールに対して難陽性であり、且つ適度な柔軟性を有する場合には、該イオン伝導性付与材を用いて製造した燃料電池は長期間使用してもその性能が低下し難いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、分子内に陰イオン交換基を有し、水及びメタノールに難溶な炭化水素系高分子エラストマーの溶液或いは懸濁液からなることを特徴とする高分子型燃料電池のガス拡散電極用イオン伝導性付与剤である。
【0010】
上記本発明のガス拡散電極用イオン伝導性付与剤は、その主要成分として陰イオン交換基を有する炭化水素系高分子エラストマーを用いているため、プロトンや水酸化物イオンのイオン導電体として機能し、ガス拡散電極中の触媒の有効利用率を高めるばかりでなく、炭化水素系陰イオン交換膜に接合するガス拡散電極用に用いる場合には、上記高分子エラストマーは陰イオン交換膜と同質の炭化水素系高分子であるため結着剤としても機能する。このため、固体高分子電解質膜とガス拡散電極とを良好に接合することが出来、高い電極活性を得ることが可能となる。また、該高分子エラストマーは水及びメタノールに対して難溶性であるため、本発明のイオン伝導性付与剤を用いて形成したガス拡散電極を用いた燃料電池を使用する際に燃料となるメタノール中、又は燃料中に含まれる水中或いは使用時に副生する水中に溶出することがなく、更に、該高分子エラストマーは適度な柔軟性を有するため燃料電池使用時の熱サイクル(加熱−冷却の繰り返し)により発生する応力を緩和することができるので、電池自体の耐久性を高くすることも可能である。
【0011】
上記本発明のイオン伝導性付与剤の中でも前記炭化水素系高分子エラストマーのヤング率が1〜300(MPa)であるものは、結着剤としての効果が高く、更に該イオン伝導性付与剤を用いた固体高分子型燃料電池の耐久性が特に高い。また、炭化水素系高分子エラストマーの溶液又は懸濁液からなるものは、ガス拡散電極中に上記高分子エラストマーを均一に分散させ易く、結果として電極反応性の高いガス拡散電極を与え得るという特徴がある。
【0012】
また、第二の本発明は、上記本発明のイオン伝導性付与剤、及び電極触媒を含有してなることを特徴とする固体高分子型燃料電池のガス拡散電極用組成物であり;第三の本発明は、炭化水素系陰イオン交換膜の少なくとも一方の面に上記本発明のイオン伝導性付与剤を含有するガス拡散電極が接合された接合体からることを特徴とする固体高分子型燃料電池用部材であり;第四の本発明は、該部材を構成部材として具備することを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のイオン伝導性付与剤は、分子内に陰イオン交換基を有し、水及びメタノールに難溶な炭化水素系高分子エラストマーの溶液或いは懸濁液からなる。ここで、イオン伝導性付与剤とは、従来技術で前記したような固体高分子型燃料のガス拡散電極を形成する際に、該ガス拡散電極内部又は表面近傍でのイオン(具体的にはガス拡散電極に含まれる白金族触媒上で生成するプロトンや水酸化物イオン等のイオン)の伝導性を高めるためにガス拡散電極用組成物内に添加したり、又は該組成物の表面に塗布して使用する薬剤を意味する。なお、本発明のイオン伝導性付与剤は、固体高分子型燃料のガス拡散電極であればどのようなガス拡散電極に対しても使用可能であるが、炭化水素系陰イオン交換膜を固体高分子電解質膜として用いた固体高分子型燃料電池のガス拡散電極用に用いた場合にその効果を最も発揮するのでこのような用途に使用するのが好適である。
【0014】
本発明のイオン伝導性付与剤で使用する“分子内に陰イオン交換基を有し、水及びメタノールに難溶な炭化水素系高分子エラストマー”は、分子内に少なくとも1個の陰イオン交換基を有し、水及びメタノールに難溶で、更に弾性を有する炭化水素系の高分子であれば特に限定されず、公知化合物、または公知の方法で合成される高分子化合物が制限なく使用できる。ここで、炭化水素系高分子とは、分子内に存在するイオン交換基以外の大部分が炭化水素基で構成された高分子化合物を意味する。但し、本発明の効果を阻害しない範囲であれば分子内の陰イオン交換基以外の部分に炭素原子及び水素原子以外の原子が含まれていてもよい。例えば、分子の主鎖及び側鎖を構成する結合として炭素−炭素結合や炭素=炭素結合(二重結合)以外に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、シロキサン結合等が、このような結合により導入される酸素、窒素、珪素、硫黄、ホウ素、リン等の原子が総計で分子を構成する全原子数の40%以下、好適には10%以下となるような量含まれていてもよい。さらにまた、分子内に存在する水素原子数の40%以下、好適には10%以下であれば主鎖及び側鎖に塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、その他原子が直接又は置換基として結合していてもよい。
【0015】
上記炭化水素系高分子エラストマー中に存在する陰イオン交換基としては、陰イオン交換能を有する置換基であれば特に限定されず、4級アンモニウム塩基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基、第3級アミン基、ホスホニウム基等の公知の陰イオン交換基が採用できるが、強塩基性の観点から4級アンモニウム塩基又はピリジニウム塩基を採用するのが好適である。イオン交換基の含有量は特に限定されないが、ガス拡散電極に良好なイオン伝導性を付与できるという観点から、陰イオン交換容量が0.1〜5.0mmol/g、好適には、0.5〜3.0mmol/gであるのが好ましい。但し、炭化水素系高分子エラストマーが、非架橋性のものである場合には、イオン交換容量が高いと水に可溶性となるため、0.5〜1.5mmol/gであるのが好ましい。
【0016】
上記炭化水素系高分子エラストマーは、水及びメタノールに難溶である必要がある。水又はメタノールに容易溶解する場合には、燃料電池を構成して使用した際にガス拡散電極から該エラストマーが溶出してしまい、電池性能が低下する。なお、ここで、水及びメタノールに難溶であるとは、20℃の水又はメタノールに対する溶解度(飽和溶液中の上記高分子エラストマーの濃度)がそれぞれ1重量%未満、好適には0.8重量%以下であることを言う。
【0017】
また、上記炭化水素系高分子エラストマーは適度な弾性率、好適には25℃におけるヤング率で表して1〜300(MPa)、特に3〜100(MPa)を有する必要がある。このような弾性率を有することにより、固体高分子電解質膜とガス拡散電極との密着性を向上させることができるようになるばかりでなく、燃料電池を構成して使用した場合に、ヒートサイクルにより発生する応力を分散することが可能となり、燃料電池の耐久性を大きく改善することが可能となる。
【0018】
本発明で使用する前記炭化水素系高分子エラストマーは、溶液若しくは懸濁液としてイオン伝導性付与剤として使用可能であるが、ガス拡散電極の接合面となる面に塗布したり、電極触媒(白金族触媒等)を含むガス拡散電極用組成物に配合したときに上記炭化水素系高分子エラストマーをガス拡散電極内や接合面近傍に均一に存在させることができ、接合性が良好で活性の高いガス拡散電極を作成することができるという観点から、溶液状態で使用するのが好適である。このような理由から、前記炭化水素系高分子エラストマーは、メタノール以外の有機溶媒に対して溶解性を示すのが好適である。上記メタノール以外の有機溶媒は特に限定されないが、溶液状のイオン伝導性付与剤として使用した時に、乾燥操作が容易であることから低沸点の有機溶媒であり、かつ誘電率が10以上の溶媒が好適である。このような有機溶媒を例示すればエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、N−ブタノール、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が上げられる。前記炭化水素系高分子エラストマーとしては、このような有機溶媒に対する溶解度(20℃においる飽和溶液中の上記炭化水素系高分子エラストマー濃度)が1重量%以上、特に3重量%以上であるものを用いるのが特に好適である。溶液状態の本発明のイオン伝導性付与剤における前記高分子エラストマーの濃度は特に限定されず、溶媒と炭化水素系高分子エラストマーの組み合わせ、電極触媒に対する使用量、粘度、施用時の浸透性等に応じて適宜決定すればよいが、通常1〜20重量%、特に1〜15重量%であるのが好適である。
【0019】
なお、上記炭化水素系高分子エラストマーを懸濁液として使用する場合の分散媒は特に限定されず、上記したような有機溶媒で上記高分子エラストマーを溶解しないものの他、水及びメタノールも使用可能である。また懸濁液中の全記高分子エラストマーの含有量も特に限定されないが、溶液状態における濃度と同程度とするのが好適である。
【0020】
本発明で使用する前記炭化水素系高分子エラストマーは、陰イオン交換樹脂として従来公知のものの中から本発明で特定する条件を満足するものを適宜選択して使用すればよいが、一般に水や有機溶媒に対する溶解性、ヤング率は、炭化水素系高分子エラストマー中に存在する陰イオン交換基の量、分子量、架橋度によって制御されるので、選択に際してはこのような点に着目して選択するのが好適である。また、上記のような因子は、陰イオン交換基を有する炭化水素系高分子エラストマーの一般的な合成方法において合成条件を変えることにより容易に調整できるので、本発明で使用する前記炭化水素系高分子エラストマーは以下に示すような方法で容易に合成することができる。
【0021】
即ち、前記炭化水素系高分子エラストマーは、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体または陰イオン交換基を有する単量体、及び共役ジエン化合物を、有機溶媒及び水に対する溶解特性が前記したような条件を満足するように重合し、その後、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体を用いた場合には陰イオン交換基の導入処理を施す方法において、使用する単量体の種類、その組合わせ、及び量比;架橋剤の使用の有無、或いはその使用量;陰イオン交換基の導入量;並びに高分子の重合度等を調整することにより容易に合成することができる。
【0022】
上記方法で使用する陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられるが、陰イオン交換基を導入のし易さの点から、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく使用される。また、陰イオン交換基を有する単量体としては、ビニルベンジルトリメチルアミン、ビニルベンジルトリエチルアミン等のアミン系単量体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素複素環系単量体、それらの塩類およびエステル類等が用いられる。
【0023】
上記方法で使用する共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。その含有量は特に限定されないが、高分子エラストマー中におけるの共役ジエン化合物単位の含有率は5〜75重量%、特に10〜50重量%が一般的である。
【0024】
なお、上記陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体または陰イオン交換基を有する単量体や共役ジエン化合物の他に、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な架橋性単量体を添加してもよい。また、上記方法で使用する架橋性単量体としては、特に制限されるものではないが、例えば、ジビニルベンゼン類、ジビニルスルホン、ジビニルビフェニル、トリビニルベンゼン等の多官能性ビニル化合物、トリメチロールメタントリメタクリル酸エステル、メチレンビスアクリルアミド、ヘキサメチレンジメタクリルアミド等の多官能性メタクリル酸誘導体が用いられる。これらの架橋性単量体を用いる場合、その使用量は一般には、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体または陰イオン交換基を有する単量体100重量部に対して、0.01〜5重量部、好適には0.05〜1重量部から採択される。架橋性単量体が0.01重量部以下の場合には、得られる陰イオン交換基を有する炭化水素系高分子は、水に可溶となり易く、5重量%以上では、有機溶媒に不溶になり易い。
【0025】
また、上記陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体または陰イオン交換基を有する単量体や共役ジエン化合物や架橋性単量体の他に、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体を添加してもよい。こうした他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、アクリル酸エステル等のビニル化合物が用いられる。その使用量は、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体または陰イオン交換基を有する単量体100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
【0026】
上記方法における重合方法は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合法が採用される。こうした製造条件は、単量体組成物の組成等によって左右されるものであり、特に限定されるものではなく適宜選択すればよい。ここで、前記性状を有する炭化水素系高分子を重合する場合、例えばスチレン等の上記例示した単量体であれば1万〜100万、好ましくは5万〜20万の平均分子量になるような重合条件で重合させるのが好ましい。陰イオン交換基を有する単量体を用いた場合には、このようにして重合を行なうことにより本発明で使用する炭化水素系高分子エラストマーを得ることができる。また、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体を用いた場合には、このような重合得られた重合体についてアミノ化、アルキル化等の高知の処方法により所望の陰イオン交換基を導入すればよい。
【0027】
なお、上記のような方法の中でも、効果の高い前記炭化水素系高分子エラストマーを容易に得ることができることから、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体または陰イオン交換基を有する単量体として、ハードセグメントとソフトセグメントを構成するような複数の種類単量体(通常芳香族ビニル化合物の重合ブロックがハードセグメントを構成し、共役ジエン化合物の重合ブロックがソフトセグメントを構成する)を用いてブロック共重合を行ない、所謂熱可塑性エラストマーとした後、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体を用いた場合には陰イオン交換基の導入処理を施す方法が特に好適である。
【0028】
この場合には、熱可塑性エラストマーの一般的な合成方法に準じて、共重合させる単量体の組み合わせを決定し、常法に従って重合を行なえばよい。陰イオン交換基が導入可能な熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体(SIS)、また、SBS、SISをそれぞれ水素添加したポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック(SEPS)共重合体が挙げられ、陰イオン交換基を有する熱可塑性エラストマーとしてポリスチレン−ポリビニルピリジン−ポリブタジエントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリビニルピリジン−ポリイソプレントリブロック共重合体等が挙げられるので、このような共重合体を与えるような単量体の組み合わせを採用すればよい。なお、陰イオン交換基が導入可能な熱可塑性エラストマーにおいては、イオン交換基を導入する工程での安定性の点から、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(SEPS)が好ましい。
【0029】
また、重合を行なう際のモノマー組成は特に限定されないが、熱可塑性エラストマーにおけるハードセグメントとなるブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物単位の含有率は電気的特性、機械的特性の点から5〜70重量%、特に10〜50重量%が好ましいので、このような含有率になるような組成にするのが好適である。
【0030】
また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物の共重合方法は特に限定されず、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、ラジカル重合等の公知の方法が採用されるが、ブロック構造を制御し易いという理由によりリビングアニオン重合が特に好適に採用される。なお、ブロック共重合の形態としては、ジブロック共重合、トリブロック共重合、ラジアルブロック共重合、マルチブロック共重合の何れであってもよいが、末端ブロックがお互いに凝集してドメインを形成し易いという理由からトリブロック共重合が好適である。さらに、熱可塑性樹脂と同様に成形加工し易いという理由から、各ブロック共重合体の平均分子量が1万〜30万、特に5万〜15万の平均分子量とになるような重合条件で重合するのが好適である。さらに、ブロック共重合体の共役ジエン部分を水素添加する場合には、水素添加率が95%以上になるよう水素を添加するのが好ましい。また、陰イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体を用いた場合における陰イオン交換基の導入は、前記と同様に行なうことができる。
【0031】
本発明のイオン伝導性付与剤は、固体高分子型燃料電池、好適には炭化水素系陰イオン交換膜を固体高分子電解質膜として用いた固体高分子型燃料電池のガス拡散電極に対して施用される。施用方法は、ガス拡散電極の固体高分子電解質膜と接合する面の少なくとも近傍に存在する電極触媒と本発明のイオン伝導性付与剤とが接触するような方法であれば特に限定されず、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いた固体高分子型燃料電池においてイオン伝導性付与剤としてのパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を施用するのと同様の方法が採用できる。例えば、▲1▼電極触媒に必要に応じて結着剤や分散媒を添加してペースト状の組成物とし、これをそのままロール成型するか又はカーボンペーパー等の支持層材料上に塗布した後に熱処理して層状物を得、その接合面となる表面に本発明のイオン伝導性付与剤を塗布した後に必要に応じて乾燥し、固体高分子電解質膜と熱圧着する方法;又は▲2▼電極触媒に本発明のイオン伝導性付与剤及び必要に応じて結着剤や分散媒を添加してペースト状の組成物とし、これをカーボンペーパー等の支持層材料上に塗布するか、ブランクに塗布して固体高分子電解質膜上に転写するか、または固体高分子電解質膜上に直接塗布するした後に乾燥させ、その後固体高分子電解質膜と熱圧着する方法により好適に施用することができる。これら方法においてはガス拡散電極における反応サイトの三次元化という観点からは、本発明のイオン伝導性付与剤は電極のより広い範囲に含有させるのがより好ましい。上記2つの方法の中でも電極の全体により均一にイオン伝導性付与剤を含有させ易いということから、▲2▼の方法を採用するのがより好ましい。なお、本発明のイオン伝導性付与剤は、固体高分子電解質膜の少なくとも一方の面に接合されるガス拡散電極に対して施用されればよいが、水酸化物イオン等のアニオンの伝導性付与効果が高いことから一方のガス拡散電極のみに施用する場合は酸化剤室側ガス拡散電極に対して施用するのが好適である。このときにおいても、燃料室側のガス拡散電極には他のイオン導電性付与剤を施用するのが好適である。該他のイオン導電性付与剤としては、公知のものが何ら制限なく使用できる。また、本発明のイオン導電性付与材はこれら該他のイオン導電性付与剤と併用する(例えば混合して使用する)ことも勿論可能である。
【0032】
上記施用方法▲1▼及び/又は▲2▼で使用する各種材料は、特に限定されず、従来の高分子型燃料電池で使用されているものが何ら制限なく使用できる。例えば、固体高分子電解質膜としては高分子型燃料電池用の固体高分子電解質膜として使用できることが知られている公知の陽イオン交換樹脂膜又は陰イオン交換樹脂膜が制限なく使用できる。しかしながら、前記した(i)〜(iv)のような問題が起り難いという観点から炭化水素系陰イオン交換膜を使用するのが好適である。好適に使用できる炭化水素系陰イオン交換膜を例示すればクロルメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルピリジン−ジビニルベンゼン等の共重合体をアミノ化、アルキル化等の処理により所望の陰イオン交換基を導入した膜が挙げられる。これらの陰イオン交換樹脂膜は、一般的には、熱可塑性樹脂製の織布、布織布、多孔膜等を基材により支持されているが、ガス透過性が低く、薄膜化が可能であることから該基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂製多孔膜からなる基材を用いるの好適である。また、これら炭化水素系陰イオン交換膜の膜厚は、電気抵抗を低く抑える観点及び支持膜として必要な機械的強度を付与する観点から、通常5〜200μmの厚みを有するものが好ましく、より好ましくは20〜150μmを有するものが好ましい。
【0033】
また、ガス拡散電極用の材料としても公知のものが特に制限なく使用可能である。即ち、電極触媒としては、水素の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、スズ、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、バナジウム、あるいはそれらの合金等の金属粒子が制限なく使用できるが、触媒活性が優れていることから白金族触媒を用いるのが好適である。なお、これら触媒となる金属粒子の粒径は、通常、0.1〜100nm、より好ましくは0.5〜10nmである。粒径が小さいほど触媒性能は高くなるが、0.5nm未満のものは、作製が困難であり、100nmより大きいと十分な触媒性能が得にくくなる。なお、これら触媒は、予め導電剤に担持させてから使用してもよい。導電剤としては、電子導電性物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等を単独または混合して使用するが一般的である。これら触媒の含有量は、電極触媒相をシート状とした状態における単位面積当たりの金属重量で、通常0.01〜10mg/cm2、より好ましくは0.1〜5.0mg/cm2である。
【0034】
また、必要に応じて添加する結着剤としては、各種熱可塑性樹脂が一般的に用いられるが、好適に使用できる熱可塑性樹脂を例示すれば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられる。該結着剤の含有量は、上記電極触媒相の5〜25重量%であることがが好ましい。また、結着剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0035】
また、必要に応じて使用される支持層材料としては、通常、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等の多孔質膜が使用される。これら支持層材料の厚みは、50〜300μmが好ましく、その空隙率は、50〜90%が好ましい。通常、このような支持層材料の空隙内及び表面上に前記電極触を含むペースト状の組成物は5〜50μmの厚みになるよう充填及び付着されてガス拡散電極が構成される。
【0036】
また、前記▲1▼及び▲2▼の方法において本発明のイオン伝導性付与剤の施用量は特に限定されないが、上記▲1▼の方法においては、イオン伝導性付与効果の観点から、接合面から全体の厚さの1〜50%の範囲の電極触媒に対して、本発明のイオン伝導性付与剤の含有量が5〜60重量%、特に10〜40重量%となる用に施用するのが好適である。また、上記▲2▼の方法においては全電極触媒に対して、本発明のイオン伝導性付与剤の含有量が5〜60重量%、特に10〜40重量%となる用に施用するのが好適である。
【0037】
さらに、前記▲1▼及び▲2▼の方法においてガス拡散電極を接合する際の熱圧着は、加圧、加温できる装置、一般的には、ホットプレス機、ロールプレス機等により行われる。プレス温度は固体高分子電解質膜のガラス転移温度以上であればよく、一般的には80℃〜200℃である。プレス圧力は、使用するガス拡散電極の厚み、硬度に依存するが、通常0.5〜20MPaである。
【0038】
このようにして本発明のイオン伝導性付与が施用されて調製された固体高分子電解質膜/ガス拡散電極接合体は、前記した図1に示すような基本構造の固体電解質用燃料電池に装着されて使用される。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例および比較例に示すイオン伝導性付与剤の特性は、以下の方法により測定した値を示す。
【0040】
(1)陰イオン交換容量
先ず、イオン伝導性付与剤を1(mol/l)のHCl水溶液に10時間以上浸漬して塩素イオン型とした後、1(mol/l)のNaNO3水溶液で硝酸イオン型に置換させ、遊離した塩素イオンを電位差滴定装置(COMTITE−900、平沼産業株式会社製)で定量した{なお、この時の定量値をA(mol)とする}。次に、同じイオン伝導性付与剤を1(mol/l)HCl水溶液に4時間以上浸漬し、60℃で5時間減圧乾燥させその重量を測定した{この時の重量をW(g)とする}。上記測定値に基づいて、陰イオン交換容量は次式
陰イオン交換容量=A×1000/W[mmol/g−乾燥重量]
により求めた。
【0041】
(2)燃料電池出力電圧
先ず、厚みが200μmであり、空孔率が80%のカーボンペーパー上に、触媒として平均粒子径が2nmの白金が30重量%坦持されたカーボンブラックとイオン伝導性付与剤の5重量%有機溶液とを重量比で1:5の割合で混合して得たペーストを塗布し、80℃で4時間減圧乾燥しガス拡散電極を作製した。該ガス拡散電極において、電極触媒相に対するイオン伝導性付与剤の含有量は20質量%であり、同じく電極触媒相に対する白金の含有量は1mg/cm2である。次に、ポリエチレンからなる多孔膜を母材とし、ビニルピリジン−ジビニルベンゼン共重合体をヨウ化メチルで4級化しピリジニウム基を導入した陰イオン交換容量が2.4mmol/gであり厚みが30μmである陰イオン交換膜の両面に上記のガス拡散電極をセットし、100℃、圧力5MPaの加圧下で100秒間熱圧着した後、室温で2分間放置し、陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を作製した。その後、得られた陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を図1に示す構造の燃料電池セルに組み込み、圧力2気圧、燃料電池セル温度50℃、加湿温度50℃の酸素と水素をそれぞれ200(ml/min.)、400(ml/min.)で供給して発電試験を行ない、電流密度0(A/cm2)、0.3(A/cm2)、及び1.0(A/cm2)におけるセルの端子電圧を測定した。
【0042】
(3)接合強度評価
上記出力電圧の評価後、燃料電池セルを解体し、陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体から、カーボンペーパーを剥離し、陰イオン交換膜の酸化剤室側表面に付着している白金担持カーボンの量を目視観察した。白金担持カーボンが陽イオン交換膜表面に均一に付着しているものを接合強度良好(○)、白金担持カーボンがはがれ、陰イオン交換膜面が露出しているものを接合強度不良(×)と評価した。また、これとは別に、熱圧着後の陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体から、幅1cm、長さ5cmのサンプルを切り出し、陰イオン交換膜の90°剥離強度を東洋精機製ストログラフM−1用いて測定した。
【0043】
(3)耐水性評価
前記出力電圧の評価後、燃料電池セルを解体し、陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体の酸化剤室側における、ガス拡散電極周囲の陰イオン交換膜表面上での、生成水によるイオン伝導性付与剤の流れ出しによる変色域(図2の点線で囲まれた領域)の有無を観察し、水酸イオン伝導性付与剤の耐水性を評価した。
【0044】
(4)耐久性評価
前記出力電圧の測定後、セル温度50℃、電流密度0.3A/cm2での条件下で連続発電試験を行い、250時間後の出力電圧を測定し、水酸イオン伝導性付与剤の耐久性を評価した。
【0045】
実施例1〜4
表1に示した熱可塑性エラストマー20(g)を1000(ml)のクロロホルムに溶解し、クロルメチルエチルエーテル100(g)、無水塩化スズ(SnCl4)100(g)を氷冷化で添加した後、100℃で3時間反応させた。次に、大量のメタノールを用いて重合物を沈殿させた後に分離し、真空乾燥によりクロルメチル化された熱可塑性エラストマー23(g)を得た。得られたクロルメチル化体を30重量%トリメチルアミン水溶液10重量部、水5重量部、アセトン5重量部よりなるアミノ化浴中、室温で所定の陰イオン交換容量を持つよう2〜10時間浸漬し、陰イオン交換基として4級アンモニウム基をもつ炭化水素系高分子を得た。これらの炭化水素系高分子を表1に示した有機溶媒に20℃下で溶解し、5重量%の濃度のイオン伝導性付与剤溶液とした。また、これらのブロック共重合体の20℃における水及びメタノールへの溶解度を調べた。更に、粘弾性測定装置により25℃におけるヤング率(MPa)を測定した。これら物性値を合わせて表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
上記イオン伝導性付与剤溶液を用いて陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を作成し、燃料電池セルに組み込んだ後、燃料電池出力電圧、接合強度、耐水性及び耐久性を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例5〜8
表3に示したイオン交換基を有する熱可塑性エラストマーを用いて、ヨウ化メチルとn−ヘキサンの1:3(重量比)の混合物中に30℃で24時間浸漬し、陰イオン交換基としてピリジニウム基をもつ炭化水素系高分子を得た。これらの炭化水素系高分子を表3に示した有機溶媒に20℃下で溶解し、5重量%の濃度の水酸イオン伝導性付与剤溶液とした。また、これらのブロック共重合体の20℃における水及びメタノールへの溶解度、並びに25℃におけるヤング率(MPa)を調べ表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】
このイオン伝導性付与剤溶液を用いて陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を作成し、燃料電池セルに組み込んだ後、燃料電池出力電圧、接合強度、耐水性および耐久性を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0052】
比較例1
水酸イオン伝導性付与剤として、平均分子量10万のポリビニルピリジンをヨウ化メチルで4級化したもの(陰イオン交換容量5.0:20℃水への溶解度50重量%、25℃におけるヤング率4000MPa)の10%水溶液を用いて、陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を作成し、燃料電池セルに組み込んだ後、燃料電池出力電圧、接合強度、耐水性及び耐久性を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0053】
該比較例は、イオン伝導性付与剤として、水溶性の炭化水素系陰イオン交換樹脂溶液を用いた例であるが、実施例の結果と比べ、耐水性が悪く、燃料電池出力が低下している。
【0054】
比較例2
水酸イオン伝導性付与剤として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(陽イオン交換容量0.9)のアルコールと水の5%溶液(アルドリッチ社製)を減圧乾燥して取り出した樹脂を、塩化チオニルを用いてスルホン酸基をスルホニルクロライド基に変換した。次いでN、N、N’−テトラメチルエチレンジアミンと反応させスルホン酸アミド基に変換した後、ヨウ化メチルを用いて4級化し、これを水と1−プロパノールの混合溶液に分散させて、イオン伝導性付与剤溶液とした(5重量%溶液)。この溶液を用いて陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を作成し、燃料電池セルに組み込んだ後、燃料電池出力電圧、接合強度、耐水性及び耐久性を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0055】
該比較例は、イオン伝導性付与剤としてパーフルオロカーボン樹脂系陰イオン交換樹脂を溶媒に分散させた例であるが、実施例の結果と比べ、接合強度が悪く燃料電池出力が低下している。
【0056】
比較例3
4級アンモニウム塩型のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ジビニルベンゼン含量8重量%:陰イオン交換容量3.7、水およびメタノールへの溶解度0.01重量%以下、25℃におけるヤング率5000MPa)(オルガノ社製、商品名:アンバーライト)を粉砕し、これを1−プロパノールに分散させて、イオン伝導性付与剤溶液とした(10重量%溶液)。この溶液を用いて陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体を作成し、燃料電池セルに組み込んだ後、燃料電池出力電圧、接合強度、耐水性及び耐久性を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0057】
該比較例は、イオン伝導性付与剤として炭化水素系陰イオン交換樹脂を溶媒に分散させた例であるが、実施例の結果と比べ、接合強度が悪く燃料電池出力が低下している。
【0058】
【発明の効果】
本発明のイオン伝導性付与剤は、炭化水素系陰イオン交換膜に対する結着剤としても機能し、燃料又は燃料中に存在する水分或いは副生する水分の影響を受け難く、更に陰イオン交換膜とガス拡散電極の間に発生る応力を緩和することができる。このため、本発明のイオン伝導性付与材を使用した電解質型燃料電池、特に炭化水素系陰イオン交換膜を用いた電解質型燃料電池においては、通常のイオン伝導性付与剤と同様に電極反応の反応サイトの三次元化により出力特性が優れたものとなるばかりでなく、その効果が長期間持続しる耐久性の高い燃料電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、固体高分子型燃料電池の基本構造を示す概念図である。
【図2】 図2は、出力電圧評価後のイオン伝導性付与剤の流れ出しが発生した場合における陰イオン交換膜/ガス拡散電極接合体の酸化剤室側表面を示す図である。
【符号の説明】
1;電池隔壁
2;燃料ガス流通孔
3;酸化剤ガス流通孔
4;燃料室側ガス拡散電極
5;酸化剤室側ガス拡散電極
6;固体高分子電解質(陰イオン交換膜)
7;燃料室
8;酸化剤室
9;水酸イオン伝導性付与剤の流出による変色域
Claims (6)
- 分子内に陰イオン交換基を有し、水及びメタノールに難溶な炭化水素系高分子エラストマーの溶液或いは懸濁液からなることを特徴とする高分子型燃料電池のガス拡散電極用イオン伝導性付与剤。
- 前記炭化水素系高分子エラストマーが、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、又はポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載のイオン伝導性付与剤。
- 前記炭化水素系高分子エラストマーのヤング率が1〜300(MPa)であることを特徴とする請求項1又は2記載のイオン伝導性付与剤。
- 請求項1乃至3に記載のイオン伝導性付与剤、及び電極触媒を含有してなることを特徴とする固体高分子型燃料電池のガス拡散電極用組成物。
- 炭化水素系陰イオン交換膜の少なくとも一方の面に請求項1乃至3に記載のイオン伝導性付与剤を含有するガス拡散電極が接合された接合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用部材。
- 請求項5記載の部材を構成部材として具備することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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