JP4957047B2 - 燃料電池用触媒層−電解質膜積層体 - Google Patents

燃料電池用触媒層−電解質膜積層体 Download PDF

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Description

本発明は、新規な燃料電池用触媒層−電解質膜積層体に関する。
固体高分子形燃料電池は、他の燃料電池と比して、軽量化、高出力密度等を達成できる観点から、さまざまな研究がなされている。固体高分子形燃料電池は、電解質膜としてイオン伝導性高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層及び電極基材を順に配置し、更にこれをセパレータで挟んだ構造をしている。
固体高分子形燃料電池は、通常、カチオン(H)を通過させるカチオン伝導性高分子電解質膜を使用するところ、近年、当該高分子電解質膜として、アニオン(OH)を通過させるアニオン伝導性高分子電解質膜を使用したアニオン伝導性固体高分子形燃料電池(「固体アルカリ形燃料電池」とも呼ばれている。)が提案されている(特許文献1及び2)。
しかしながら、上記カチオン形又はアニオン形の固体高分子形燃料電池は、触媒層に稀少で極めて高価な白金を用いている。そのため、固体高分子形燃料電池は、工業的生産するには不適であり、市場への導入がなかなか進まない問題点を有している。
特開平11−135137号公報 特開平11−273695号公報
従って、本発明は、白金の使用量を削減した又は実質的に使用しない固体高分子形燃料電池を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねて来た。その結果、高分子電解質にアニオン伝導性高分子電解質を使用し、かつ、触媒層に特定の金属を使用した触媒層を採用することにより、白金を実質的に使用せず、かつ実用上十分に使用可能な電池性能を有する固体高分子形燃料電池が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記に示す触媒層−電解質膜積層体に係る。
項1.アニオン伝導性高分子電解質膜に触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体用の触媒層であって、
前記触媒層は触媒及びアニオン伝導性高分子電解質を含有し、且つ、
触媒層とアニオン伝導性高分子電解質膜との間に、金属からなる多孔質層が形成されている、
燃料電池用触媒層−電解質膜積層体。
項2.前記金属からなる多孔質層が、銀及びニッケルのうち少なくとも1種の材料を含有する多孔質層である、項1に記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
項3.前記触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム及び銀からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒金属微粒子を含有する、
項1又は2に記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
.触媒金属微粒子が導電性炭素粒子に担持されている、項に記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
.触媒とアニオン伝導性高分子電解質(固形分)との重量比が、前者:後者=5:1〜1:4の範囲にある、項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
.触媒層は、さらにフッ素系樹脂を含有する、項のいずれかに記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体。
1.触媒
本発明の触媒は、触媒金属微粒子が担体に担持されてなる。本発明の触媒は、実質的に白金を含まないことが好ましい。
本発明で用いる触媒金属微粒子は、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム及び銀からなる群から選ばれた少なくとも1種である。これらを使用することにより、白金を用いなくとも、実用上十分な電池性能を発揮することができる。
当該触媒金属微粒子が2種以上からなる合金である場合は、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上含有する合金微粒子が好ましい。例えば、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等のほか、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。これらの金属の各比率は限定的でなく、幅広い範囲から適宜選択できる。
触媒金属微粒子の粒径は限定的でないが、通常0.05〜20nm程度、好ましくは0.1〜10nm程度、最も好ましくは0.3〜5nm程度である。
上記触媒金属微粒子が担持される担体としては限定的でなく、公知又は市販のものが使用でき、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、炭素粒子等が挙げられる。耐食性及び導電性が良好である観点から炭素粒子(特に導電性炭素粒子)が好ましい。
導電性炭素粒子としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックのほか、黒鉛、活性炭、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用してもよい。
炭素粒子の比表面積は限定されないが、通常10〜1500m/g程度、好ましくは10〜500m/g程度である。粒径は限定されないが、一般的には平均一次粒子径として0.01〜1μm程度、好ましくは0.01〜0.2μm程度である。
触媒金属微粒子の担持量は、触媒金属微粒子及び担体の種類等によって適宜決定されるが、担体100重量部に対して、通常1〜80重量部程度、好ましくは3〜50重量部程度である。
2.アニオン伝導性高分子電解質
本発明で用いられるアニオン性伝導性高分子電解質は公知である。
アニオン伝導性高分子電解質は、特に限定されるものではなく、アニオンとして水酸基イオン(OHイオン)を伝導できる電解質であればよい。具体的には炭化水素系及びフッ素樹脂系のいずれかの電解質を用いることができる。
炭化水素系樹脂電解質としては、例えば、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体のクロロメチル化物をアミノ化して得られる電解質等が挙げられる。
フッ素系樹脂電解質としては、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンポリマーの末端をジアミンで処理し4級化したポリマー、ポリクロロメチルスチレンの4級化物等のポリマー等が挙げられ、これらの中でも、溶媒可溶性のものが挙げられる。
上記電解質は、例えば、特開2003−86193号公報,特開2000−331693号公報で開示されたものを使用すればよい。
より具体的に説明すると、クロロメチル化は、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体にクロロメチル化剤を反応させて行う。クロロメチル化剤としては、例えば、(クロロメトキシ)メタン、1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタン、1−クロロメトキシ−4−クロロブタン、ホルムアルデヒド−塩化水素、パラホルムアルデヒド−塩化水素等が使用できる。
このようにして得られたクロロメチル化物を、アミン化合物と反応させてアニオン交換基を導入する。アミン化合物としては、例えば、モノアミン、1分子中に2個以上のアミノ基を有するポリアミン化合物等が使用できる。具体的にはアンモニアの他、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のモノアルキルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等のジアルキルアミン、アニリン、N−メチルアニリン等の芳香族アミン、ピロリジン、ピペラジン、モルホリン等の複素環アミン等のモノアミンや、m−フェニレンジアミン、ピリダジン、ピリミジン等のポリアミン化合物が使用できる。
これらアニオン伝導形高分子電解質は通常アルコール、エーテル等の有機溶剤又は当該有機溶剤と水との混合溶剤に5〜30重量%程度の濃度で分散されている。
3.触媒層
本発明の触媒層は、触媒及びアニオン伝導性高分子電解質を含有する。
触媒及びアニオン伝導性高分子電解質は上記したものが挙げられる。
触媒及びアニオン伝導性高分子電解質の含有量(重量比)は限定的でないが、好ましくは前者:後者=5:1〜1:4程度、より好ましくは前者:後者=3:1〜1:3程度である。
本発明の触媒層は、上記成分に加えてさらに、フッ素系樹脂を含有してもよい。このフッ素系樹脂を含有することにより、当該上記成分の結着性が向上し、より強固な触媒層となると同時に撥水性を付与することができる。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、より結着性及び撥水性が良好な点から、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
フッ素系樹脂を含有する場合の含有量は、触媒100重量部に対して、通常5〜25重量部程度、好ましくは10〜15重量部程度である。
触媒層の厚みは、電極基材の種類、電解質膜の厚み等を考慮して適宜決定すればよいが、通常10〜200μm程度、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは15〜50μm程度がよい。
4.アニオン伝導性高分子電解質膜
本発明で用いられるアニオン伝導性高分子電解質膜は公知である。
アニオン伝導性高分子電解質膜としては、例えば、炭化水素系及びフッ素樹脂系のいずれかの電解質膜を用いることができる。
電解質膜に高濃度のアルカリ水溶液を含浸させる場合は、耐アルカリ性の観点から、フッ素樹脂系電解質膜を使用することが好ましい。なお、耐アルカリ性のフッ素樹脂系を用いることにより、アニオン伝導性を向上することができる。
低濃度のアルカリ水溶液を使用する又はアルカリ水溶液を使用しない場合は、低コストの観点から、炭化水素系電解質膜が好ましい。
アルカリ水溶液としては、例えば、KOH溶液、NaOH溶液等が挙げられる。これらアルカリ源と、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール等のアルコールとを混合させることで電池を作動する燃料を調製する。
高濃度とは、使用するアルカリ水溶液の種類等によって適宜変更するが、本発明では、2モル/l程度以上をいい、低濃度とは、2モル/l程度以下をいう。
フッ素樹脂系電解質膜の具体例としては、例えば、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34等が挙げられる。炭化水素系電解質膜の具体例としては、例えば、旭化成(株)製のアシプレックス(登録商標)A−201、211、221;トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1、AHA等が挙げられる。
アニオン伝導性高分子電解質膜の厚みは、電極基材の種類、触媒層の厚み等を考慮して適宜決定すればよいが、通常20〜200μm程度、好ましくは25〜75μm程度である。
5.触媒層−電解質膜積層体
本発明の触媒層−電解質膜積層体は、上記触媒層が上記アニオン伝導性高分子電解質膜の一方面又は両面に積層されてなる。
触媒層−電解質膜積層体の触媒層と電解質膜との間に、さらに液体及び/又はガスを透過する層が形成(積層)されてい。この液体及び/又はガスを透過する層を設けることにより、多孔質性の液体及び/又はガスを透過する層に燃料が供給されることで燃料の拡散に優れ、燃料の利用率が高まる。また、液体及び/又はガスを透過する層は導電性材料から構成されるため、集電効果が向上する。
液体及び/又はガスを透過する層の材質は、燃料ガスを透過させることができる限り特に制限されず、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン等の金属のほか、カーボンから広く選択できる。また、透過層は触媒層と同一の材料から形成してもよい。
液体及び/又はガスを透過する層は多孔質であり、その空隙率は10〜80%程度、好ましくは30〜70%程度である。
液体及び/又はガスを透過する層が金属からなる場合、触媒活性作用に優れる点から、ニッケル又は銀が特に好ましい。
液体及び/又はガスを透過する層がカーボンからなる場合、ガス拡散性及び導電性の観点から導電性炭素が好ましい。例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックのほか、黒鉛、活性炭、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等から製造されるものが挙げられる。
液体及び/又はガスを透過する層の膜厚は限定的でなく、0.5〜50μm程度、好ましくは1〜20μm程度、より好ましくは1〜10μm程度である。
6.触媒層及び触媒層−電解質膜の製造方法
本発明の触媒層は、例えば、上記した触媒及びアニオン伝導性高分子電解質を粘度調整用の溶剤に分散させた触媒層形成用ペースト組成物を調製し、調製したペースト組成物を基材等に塗布及び乾燥することにより製造される。
粘度調整用の溶剤は限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択される。
例えば、各種アルコール、各種エーテル、各種ジアルキルスルホキシド、水又はこれらの混合物等が挙げられる。
これら溶剤の中でも、アルコールが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール及びプロピレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
上記ペースト組成物には、必要に応じてフッ素樹脂を加えてもよい。フッ素樹脂としては、上記したものが挙げられる。
本発明の触媒層形成用ペースト組成物の配合割合は特に制限されず、広い範囲内で適宜選択され得る。例えば、触媒1重量部に対して、アニオン伝導性高分子電解質(固形分)1〜3重量部、粘度調整用の溶剤1〜100重量部程度とすればよい。
塗布する基材は限定的でなく、例えば、アニオン伝導性高分子電解質膜;カーボンペーパ、カーボンクロス等のガス拡散基材;プラスチックフィルム等の転写基材など適宜選択できる。
ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
ペーストを塗布した後、乾燥することにより、触媒層が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。
触媒層−電解質膜積層体(図1に示す)の製造方法は、例えば、
1)触媒層形成用ペースト組成物を電解質膜に直接塗布及び乾燥する方法;
2)転写基材に触媒層形成用ペースト組成物を塗布及び乾燥した後、触媒層が電解質膜の片側面に対面するように触媒層形成転写基材を配置して加圧し、次いで、転写基材を剥離する方法、(さらに電解質膜の他方面に同様の操作を行うことにより触媒層が電解質膜の両面に積層された触媒層−電解質膜積層体を製造することもできる。)、
等が挙げられる。
上記2)の場合、作業性を考慮すると、触媒層を電解質膜の両面に同時に積層するのがよい。この場合には、例えば、電解質膜の両面に対面するように触媒層形成転写基材を配置し、加圧すればよい。
加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜20MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、より転写不良を避けるために加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常は80〜200℃程度、好ましくは135〜150℃程度とすればよい。
触媒層と電解質膜との間に液体及び/又はガスを透過する層が積層されている触媒層−電解質膜積層体(図2に示す)の製造方法としては、まず、電解質膜の片面又は両面に、液体及び/又はガスを透過する層を形成すればよい。
液体及び/又はガスを透過する層の形成方法としては、特に限定されるものではない。例えば、液体及び/又はガスを透過する層が金属からなる場合は、電気めっき、化学めっき等のめっき法;蒸着、スパッタリング等のドライプロセス;金属成分を含むペーストを用いたコーティング等のウェットプロセスなどにより形成すればよい。液体及び/又はガスを透過する層がカーボンからなる場合は、例えば、カーボンを含むペーストを電解質膜にコーティングすることにより形成すればよい。
電解質膜上に液体及び/又はガスを透過する層を形成した後、上記図1の触媒層−電解質膜積層体を製造する方法のいずれかを選択することにより、液体及び/又はガスを透過する層上に触媒層を形成できる。
また、液体及び/又はガスを透過する層を触媒層側に形成し、得られた液体及び/又はガスを透過する層付き触媒層を電解質膜に積層させることにより、製造することもできる。
本発明は、上記した触媒層−電解質膜積層体の両側にさらに公知のガス拡散基材及び公知のセパレータを配置(接合)することにより、固体高分子形燃料電池が製造される。
本発明によれば、高分子電解質にアニオン伝導性高分子電解質を使用し、かつ、触媒層に特定の金属を使用した触媒層を採用するため、実質的に高価な白金触媒を使用せずに、実用上十分に使用可能な電池性能を有する燃料電池を製造することができる触媒層及び触媒層−電解質膜積層体を提供することができる。
実施例を用いて、本発明をさらに詳述する。なお、本発明は下記の実施例に限定されない。
参考例1
まず、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体のクロロメチル化物をアミノ化することにより、5wt%アニオン(水酸基イオン)伝導性高分子電解質100gを得た。
銀担持炭素粒子(Ag:40wt%、E−TEK社製)10gに、上記で得られた5wt%アニオン(水酸基イオン)伝導性高分子電解質溶液100g及び60wt%ポリテトラフルオロエチレン分散液(溶剤:水)(アルドリッチ製)5gを配合し、分散機にて攪拌混合することにより、カソード用触媒層形成用ペースト組成物を調製した。
ニッケル担持炭素粒子(Ni:40wt%)10gに5wt%アニオン(水酸基イオン)伝導性高分子電解質溶液(上記と同じ)100g、60wt%ポリテトラフルオロエチレン分散液(上記と同じ)5gを配合し、分散機にて攪拌混合することにより、アノード用触媒層形成用ペースト組成物を調製した。
調製したカソード用触媒層形成用ペースト組成物及びアノード用触媒層形成用ペースト組成物を、転写基材(プラスチックフィルム;膜厚25μm)(東洋紡社製、「E5100」)上に、金属量として、カソード側は銀を、アノード側はニッケルをそれぞれ乾燥後の重量が1mg/cm2となるように塗布後、100℃で15分間乾燥させることにより、カソード用転写フィルム及びアノード用転写フィルムを作製した。
アニオン伝導性高分子電解質膜としては、アシプレックスA−221(厚さ130〜190μm、旭化成(株)製)を用い、当該電解質膜の両側に、上記で作製したカソード用転写フィルム及びアノード用転写フィルムを配置した後、圧力5Mpa、温度130℃で5分間熱圧着し、参考例1の触媒層−電解質膜積層体を製造した。
参考例2
カソード用触媒層及びアノード用触媒層として両方とも、触媒としてパラジウム担持炭素粒子(Pd:40wt%、E−TEK社製)を使用する以外は参考例1と同様にして、参考例2の触媒層−電解質膜積層体を製造した。なお、パラジウムの含有量は両触媒層とも1mg/cmとした。
(実施例
アニオン伝導性高分子電解質膜としてアシプレックスA−221(厚さ130〜190μm、旭化成(株)製)を用い、アノード触媒を形成する側にNiからなる多孔質なガス透過層を化学めっき法にて形成した。同様にカソード触媒層を形成する側に銀からなるガス透過層を化学めっき法にて形成した。
ニッケルからなるガス透過層の形成方法としては、第一段階として、アニオン伝導性高分子電解質膜を塩化第一すず4g、塩酸(35容量%)3.3g及び蒸留水93.7gからなるセンシタイザー中に室温(25℃)中で浸漬後、蒸留水で十分に洗浄した後、塩化パラジウム0.03g、塩酸(35容量%)0.25g及び蒸留水99.7gからなるアクチベータに浸漬し活性化処理した。第2段階として、硫酸ニッケル2g、次亜りん酸ナトリウム1.5g、クエン酸ナトリウム、3g、塩化アンモニウム3g及び蒸留水88.25gからなるアンモニアアルカリ浴中(50℃)にて浸漬処理することにより、形成した。この時の膜厚は約2μmであった。
銀からなるガス透過層の形成方法としては、2%硝酸銀水溶液30mlにアニオン伝導性高分子電解質膜を浸漬し、3mol/lアンモニア水を加えて、アルカリ性とした後、5%グルコース水溶液を加えることにより、形成した。この時の膜厚は約2μmであった。
透過層の形成にあたっては、透過層が必要な部分にのみ形成されるように、あらかじめ電解質膜の透過層が不必要な部分にマスキングテープを使用した。
触媒層の形成には、参考例1で調製したカソード用触媒層形成用ペースト組成物(触媒金属粒子=銀)及びアノード用触媒層形成用ペースト(触媒金属粒子=ニッケル)を使用した。銀からなるガス透過層上には、カソード用触媒層形成用ペースト組成物をスプレー法により、銀が1mg/cmとなるように形成した。同様にニッケルからなる透過層上には、アノード用触媒層形成用ペースト組成物を用い、ニッケルが1mg/cmとなるように塗布した後、100℃で15分間乾燥させることにより、実施例の触媒層−電解質膜積層体を製造した。
(実施例
鉄、コバルト及びニッケルの金属塩を炭素粒子に担持した鉄−コバルト−ニッケル担持カーボン(鉄1wt%、ニッケル1wt%、コバルト1wt%)10gに、参考例1で得られた5wt%アニオン(水酸基イオン)伝導性高分子電解質溶液100g及び60wt%ポリテトラフルオロエチレン分散液(溶剤:水)(アルドリッチ製)5gを配合し、分散機にて攪拌混合することにより、実施例の触媒層形成用ペースト組成物を調製した。
実施例で作製したガス透過層形成電解質膜の銀及びニッケルからなるガス透過層上に、上記実施例の触媒層形成用ペースト組成物をスプレー法により金属量(3成分合計)として(カソード側及びアノード側ともに)それぞれ1mg/cmとなるように塗工後、100℃で15分間乾燥させることにより、実施例の触媒層−電解質膜積層体を製造した。
参考例3
カーボンブラック(VulcanXC72R、Cabot製)10g、60wt%ポリテトラフルオロエチレン分散液(溶剤:水(アルドリッチ製)5g及び2−プロパノール20gを配合することにより、ガス透過層を形成するためのペースト組成物を調製した。
アニオン伝導性高分子電解質膜の両面に上記ペーストを膜厚が5μmとなるように塗布及び乾燥することにより、ガス透過層を形成した。
触媒層としては、実施例で調整した触媒形成用ペースト組成物(触媒金属微粒子=鉄、コバルト及びニッケル)を使用し、上記カーボンブラックからなる透過層を形成したガス透過層形成電解質膜上に、スプレー法により金属量(3成分合計)としてそれぞれ1mg/cmとなるように塗工した後、100℃で15分間乾燥させることにより、参考例3の触媒層−電解質膜積層体を製造した。
評価試験例
実施例1〜2及び参考例1〜3で製造した燃料電池用触媒層−電解質膜の両面にガス拡散層として、カーボンペーパ(TGP−H−090、275μm、東レ(株)製)を配置し、単セルを製造した。
カソード側には酸素ガス、アノード側にはエタノール水溶液を供給する事で、発電試験を行なったところ、下記の電池評価の結果からOCVを確認し、白金を触媒に使わない場合でも電池として作動し、また実用上使用できる電池性能であることがわかった。
参考例1 OCV 0.350V
参考例2 OCV 0.450V
実施例 OCV 0.580V
実施例 OCV 0.450V
参考例3 OCV 0.380V
なお、「OCV」は「開放起電力」を示す。
図1は、本発明の触媒層−電解質膜積層体の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の触媒層−電解質膜積層体の一例を示す断面図である。

Claims (6)

  1. アニオン伝導性高分子電解質膜に触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体用の触媒層であって、
    前記触媒層は触媒及びアニオン伝導性高分子電解質を含有し、且つ、
    触媒層とアニオン伝導性高分子電解質膜との間に、金属からなる多孔質層が形成されている、
    燃料電池用触媒層−電解質膜積層体。
  2. 前記金属からなる多孔質層が、銀及びニッケルのうち少なくとも1種の材料を含有する多孔質層である、請求項1に記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体。
  3. 前記触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム及び銀からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒金属微粒子を含有する、
    請求項1又は2に記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
  4. 触媒金属微粒子が導電性炭素粒子に担持されている、請求項に記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
  5. 触媒とアニオン伝導性高分子電解質(固形分)との重量比が、前者:後者=5:1〜1:4の範囲にある、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
  6. 触媒層は、さらにフッ素系樹脂を含有する、請求項のいずれかに記載の燃料電池用触媒層−電解質膜積層体
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