JP2010021022A - 固体アルカリ形燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

固体アルカリ形燃料電池及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 触媒層を形成する工程が簡易となり、運転前の出荷及び運搬作業等で触媒層の細孔が潰れることを抑制することができ、電極反応に優れた固体アルカリ形燃料電池及びその運転方法を提供する。
【解決手段】 本発明による固体アルカリ形燃料電池20は、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1と、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1の一方の面に触媒層3及び多孔質導電性基材4が順次積層されてなるアノード電極となる触媒電極5とアニオン伝導性固体高分子電解質膜1の他方の面に触媒層13及び多孔質導電性基材14が順次積層されてなるカソード電極となる触媒電極15と、触媒電極(5,15)のそれぞれの外側表面に配置されたセパレータ(7,17)と、少なくとも触媒層(3,13)のいずれか一方に混合された造孔剤6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体アルカリ形燃料電池及びその運転方法に関する。
近年、燃料電池が、次世代エネルギーシステムのひとつとして有望視されている。燃料電池には,アルカリ形燃料電池、リン酸形燃料電池,固体高分子形燃料電池,固体酸化物形燃料電池,および溶融炭酸塩形燃料電池等の種類があるが、それぞれの目的に応じた特徴を有している。その中で、固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く、電解質の抵抗が少ないことに加え、活性の高い触媒を用いるので小型でも高出力を得ることができる。そのため、家庭用コージェネレーションシステム等として早期の実用化に向けた開発が進められている。
従来、固体高分子形燃料電池は、電解質膜としてカチオン(H)伝導性高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層及び電極基材を積層したものをセパレータで挟んだ構造をしたカチオン伝導性固体高分子形燃料電池がよく知られている。
一方、近年、高分子電解質膜として、アニオン(OH)を通過させるアニオン伝導性固体高分子電解質膜を使用したアニオン伝導性固体高分子形燃料電池(固体アルカリ形燃料電池とも称されている。)が注目されている。例えば、アニオン伝導性固体高分子電解質膜としてフッ素系陰イオン交換膜を用いた固体アルカリ形燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
これら固体高分子形燃料電池の反応を連続的に円滑に行うためには、特に触媒層において燃料及びガスを効率的に拡散させる必要である。こうした要求に応える方法として、触媒層に細孔を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献2,3参照。)。
特開2006−244961号公報 特開平9−199138号公報 特開平6−203852号公報
しかしながら、これらの方法で触媒層に細孔を形成するには、強酸性溶液での溶解工程や温度を上げての昇華工程等があり、作業効率を低下させるという問題があった。さらにこれらの方法で形成された触媒層は、燃料電池の運転前に細孔が形成されており、運転前の出荷・運搬作業等で細孔が閉塞してしまうおそれがある。
本発明の目的は、触媒層を形成する工程が簡易となり、運転前の出荷及び運搬作業等で触媒層の細孔が潰れることを抑制することができ、電極反応に優れた固体アルカリ形燃料電池及びその運転方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、アニオン伝導性固体高分子電解質膜と、該アニオン伝導性固体高分子電解質膜の一方の面に触媒層及び多孔質導電性基材が順次積層されてなるアノード電極となる触媒電極と前記アニオン伝導性固体高分子電解質膜の他方の面に触媒層及び多孔質導電性基材が順次積層されてなるカソード電極となる触媒電極と、前記触媒電極のそれぞれの外側表面に配置されたセパレータと、少なくとも前記触媒層のいずれか一方に混合された造孔剤と、を備えたことを特徴とする固体アルカリ形燃料電池である。
また、請求項2に記載の発明は、前記造孔剤は、前記アノード電極となる触媒電極の触媒層に含まれることを特徴とする請求項1に記載の固体アルカリ形燃料電池である。
また、請求項3に記載の発明は、前記造孔剤は、水溶解性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体アルカリ形燃料電池である。
また、請求項4に記載の発明は、前記造孔剤は、アルカリ溶解性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体アルカリ形燃料電池。
また、請求項5に記載の発明は、前記造孔剤は、二酸化ケイ素又はケイ素塩を含む化合物であることを特徴とする請求項4に記載の固体アルカリ形燃料電池である。
また、請求項6に記載の発明は、前記触媒電極は、該触媒電極の端面に配置された枠状のガスケットで囲まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体アルカリ形燃料電池である。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体アルカリ形燃料電池の運転方法であって、運転開始前に、水又はアルカリ水溶液を前記アノード電極側触媒電極に供給して、前記造孔剤を溶解し、前記触媒層に細孔を形成することを特徴とする固体アルカリ形燃料電池の運転方法である。
本発明によれば、触媒層を形成する工程が簡易となり、運転前の出荷及び運搬作業等で触媒層の細孔が潰れることを抑制することができ、電極反応に優れた固体アルカリ形燃料電池及びその運転方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態による固体アルカリ形燃料電池を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることに留意すべきである。
[第1の実施の形態]
(燃料電池の構造)
本発明の第1の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20は、図1に示すように、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1と、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1の一方の面に触媒層3及び多孔質導電性基材4が順次積層されてなるアノード電極となる触媒電極5とアニオン伝導性固体高分子電解質膜1の他方の面に触媒層13及び多孔質導電性基材14が順次積層されてなるカソード電極となる触媒電極15と、触媒電極(5,15)のそれぞれの外側表面に配置されたセパレータ(7,17)と、少なくとも触媒層(3,13)のいずれか一方に混合された造孔剤6と、を備える。
本実施の形態において、図1に示すように、触媒電極(5,15)は、触媒電極(5,15)の端面に配置された枠状のガスケット(2,12)で囲まれていることが好ましい。
(アニオン伝導性固体高分子電解質膜)
アニオン伝導性固体高分子電解質膜1は、アニオンとして水酸化物イオン(OH)を伝導するためのものであり、平面視において、例えば、略四角形状を有しており、厚みは、例えば、約10〜300μm程度であり、好ましくは、約20〜200μm程度である。なお、形状は、平面視において略四角形状に限定されるものでなく、多角形状、略円形状、略楕円形状等であってもよい。
本実施の形態に係るアニオン伝導性固体高分子電解質膜1としては、アニオン伝導性を有する固体高分子電解質膜であれば、特に限定されないが、例えば、炭化水素系樹脂又はフッ素系樹脂等からなる電解質膜を用いることができる。
電解質膜に高濃度のアルカリ水溶液を含浸させる場合は、耐アルカリ性の観点から、フッ素系樹脂電解質膜を使用することが好ましい。なお、耐アルカリ性のフッ素系樹脂を用いることにより、アニオン伝導性を向上することができる。
低濃度のアルカリ水溶液を使用する場合、又はアルカリ水溶液を使用しない場合は、低コストの観点から、炭化水素系電解質膜を用いるのが好ましい。
上述したアルカリ水溶液において、高濃度とは、アルカリ水溶液の種類等によって適宜変更することができるが、本実施の形態では、約2モル/リットル程度以上をいい、低濃度とは、約2モル/リットル程度未満をいう。
フッ素系樹脂電解質膜の具体例としては、例えば、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34等が挙げられる。炭化水素系樹脂電解質膜の具体例としては、例えば、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)A201,211,221や、トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1,AHA等が挙げられる。
(触媒電極)
触媒電極(5,15)は、触媒層(3,13)及び多孔質導電性基材(4,14)から構成されており、燃料を供給する側の触媒電極5はアノード電極5、酸化剤ガスを供給する側の触媒電極15はカソード電極15となる。
(触媒層)
触媒層3は、アノード電極5側に配置され、触媒及びアニオン電解質からなる。触媒層3には、造孔剤6を混合することが好ましい。触媒層13は、カソード電極15側に配置され、触媒及びアニオン電解質からなる。
触媒層(3,13)の厚みは、電極基材の種類、電解質膜の厚み等を考慮して適宜設定すればよい。好ましくは、ガスケット(2,12)の厚さより小さい厚みを有するのがよく、例えば、約100〜2500μm程度であり、好ましくは、約150〜2000μm程度、さらに好ましくは、約200〜1500μmである。触媒層(3,13)の厚みがガスケット(2,12)の厚みと同等以上である場合には、触媒層(3,13)上に設ける多孔質導電性基材(4,14)の厚み分だけ厚くなり、さらにその上に積層する後述のセパレータ(7,17)との間に隙間ができ、集電効率が低下してしまう。
(触媒)
触媒は、触媒金属微粒子が担体に担持されてなる。触媒金属微粒子の材質としては、例えば、白金や白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム,パラジウム,ニッケル,モリブデン,イリジウム,鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。また白金を使用しない触媒金属微粒子は、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム及び銀からなる群から選ばれる少なくとも1種、又はこれら2種以上からなる合金である。合金である場合は、鉄,コバルト,ニッケルのうち少なくとも2種以上含有する合金微粒子が好ましい。例えば、鉄−コバルト合金,コバルト−ニッケル合金,鉄−ニッケル合金等のほか、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。これらの金属の各比率は限定的でなく、幅広い範囲から適宜選択できる。触媒金属微粒子の粒径は限定的ではないが、通常約0.05〜20nm程度、好ましくは、約0.1〜10nm程度、最も好ましくは、約0.3〜5nm程度である。
触媒金属微粒子が担持される担体としては限定的でなく、公知又は市販のものが使用でき、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、炭素粒子等が挙げられる。耐食性及び導電性が良好である観点から炭素粒子、特に導電性炭素粒子であるのが好ましい。導電性炭素粒子としては、例えば、アセチレンブラック,ファーネスブラック,チャンネルブラック,ケッチェンブラックなどのカーボンブラックのほか、黒鉛,活性炭,カーボン繊維,カーボンナノチューブ,カーボンナノワイヤー等が挙げられる。これらを1種又は2種以上使用してもよい。
炭素粒子の比表面積は限定されないが、通常約10〜1500m/g程度、好ましくは、約10〜500m/g程度である。粒径は限定されないが、一般的には平均一次粒子径として、約0.01〜1μm程度、好ましくは、約0.01〜0.2μm程度である。触媒金属微粒子の担持量は、触媒金属微粒子及び担体の種類等によって適宜決定されるが、担体100質量部に対して、通常約1〜80質量部程度、好ましくは、約3〜50質量部程度である。
(アニオン電解質)
アニオン電解質は、特に限定されるものではなく、アニオンとして水酸化物イオン(OH)を伝導できる電解質であればよい。具体的には炭化水素系樹脂及びフッ素系樹脂のいずれかの電解質を用いることができる。
炭化水素系樹脂電解質としては、例えば、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体のクロロメチル化物をアミノ化して得られる電解質等が挙げられる。フッ素系樹脂電解質としては、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンポリマーの末端をジアミンで処理し4級化したポリマー,ポリクロロメチルスチレンの4級化物等のポリマー等が挙げられる。中でも、溶媒可溶性のものであるのが好ましい。
より具体的に説明すると、クロロメチル化は、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体にクロロメチル化剤を反応させて行う。クロロメチル化剤としては、例えば、(クロロメトキシ)メタン,1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタン,1−クロロメトキシ−4−クロロブタン,ホルムアルデヒト−塩化水素,パラホルムアルデヒト−塩化水素等が使用できる。
このようにして得られたクロロメチル化物を、アミン化合物と反応させてアニオン交換基を導入する。アミン化合物としては、例えば、モノアミン,1分子中に2個以上のアミノ基を有するポリアミン化合物等が使用できる。具体的にはアンモニアの他、メチルアミン,エチルアミン,プロピルアミン,ブチルアミン等のモノアルキルアミン;ジメチルアミン,ジエチルアミン等のジアルキルアミン;アニリン,N−メチルアニリン等の芳香族アミン;ピロリジン,ピペラジン,モルホリン等の複素環アミン等のモノアミンや、m−フェニレンジアミン,ピリダジン,ピリミジン等のポリアミン化合物が使用できる。
上述したアニオン電解質は、後述する触媒層形成用ペーストを作製する際、アルコール,エーテル等の有機溶剤や有機溶剤と水との混合溶剤に、例えば、約1〜60質量%程度、好ましくは約5〜30質量%程度の濃度で分散させて用いる。
触媒及びアニオン電解質の含有量(質量比)は限定的でないが、好ましくは前者:後者=9:1〜1:5程度、より好ましくは前者:後者=5:1〜1:4程度である。
本実施の形態に係る触媒層(3,13)は、上記成分に加えてさらに、フッ素系樹脂を含有してもよい。このフッ素系樹脂を含有することにより、当該上記成分の結着性が向上し、より強固な触媒層(3,13)となると共に、撥水性を付与することができる。
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、より結着性及び撥水性の良好な点から、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
フッ素系樹脂を含有する場合の含有量は、触媒100質量部に対して、通常約3〜25質量部程度、好ましくは、約5〜15質量部程度である。
(造孔剤)
本実施の形態において、造孔剤6は、アノード電極5の触媒層3に混合されていることが好ましい。このことにより、運転開始前にアノード電極5側に供給される水又はアルカリ水溶液により、造孔剤6が溶解され、触媒層3に細孔を形成することができる。
造孔剤6は、形状は特に限定されないが、平均粒子径が約1〜500μm程度の粒子形状、或いは平均直径が約1〜500μm程度の繊維状の形状を有するものであるのがよい。造孔剤6としては、水溶解性を有するもの、好ましくは、アルカリ溶解性を有するものであるのがよい。
水溶解性のものとして、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂,ポリエチレンオキシド系樹脂,セルロース系樹脂,澱粉系樹脂等の水溶性高分子が挙げられる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール,ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース等及びこれらの金属塩が挙げられる。
アルカリ溶解性のものとして、例えば、ガラスやアルカリ溶解性樹脂等が挙げられる。好ましくは、ガラスを用いるのがよい。ガラスとしては、例えば、二酸化ケイ素又はケイ素塩を含む化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、二酸化ケイ素,ホウケイ酸ガラス,ソーダライムガラス等がある。また、アルカリ溶解性樹脂としては、例えば、ユリア樹脂,フェノール樹脂,ポリエステル樹脂,フッ素樹脂,ウレタン樹脂等が挙げられる。
(多孔質導電性基材)
多孔質導電性基材(4,14)は、燃料や酸化剤となる液体又はガスを触媒層(3,13)に拡散して流通させると共に、集電機能を有する。層の厚さは限定的でなく、例えば、約150〜800μm程度、好ましくは、約200〜600μm程度である。
多孔質導電性基材(4,14)の材料は、液体又はガスを透過できるものであれば、特に制限されない。好ましくは、多孔質の導電性材料からなるのがよい。例えば、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,銀,ルテニウム,イリジウム,モリブデン,マンガン等の金属のほか、カーボンから広く選択できる。これらの材料は、その空隙率が、例えば、約10〜80%程度、好ましくは約30〜70%程度である。
多孔質導電性基材(4,14)が金属からなる場合、触媒活性作用に優れる点から、ニッケル又は銀を用いるのが特に好ましい。また、多孔質導電性基材(4,14)がカーボンからなる場合、ガス拡散性及び導電性の観点から導電性炭素であるのが好ましい。例えば、アセチレンブラック,ファーネスブラック,チャンネルブラック,ケッチェンブラックなどのカーボンブラックのほか、黒鉛,活性炭,カーボン繊維,カーボンナノチューブ,カーボンナノワイヤー等から製造されるものが挙げられる。
多孔質導電性基材(4,14)としては、燃料電池用に一般に用いられている、燃料極及び空気極を構成する各種液体及びガスの拡散層を使用することができる。
(セパレータ)
セパレータ7は、燃料をアノード電極5に供給するためのものであり、燃料を流通するための燃料流路8を有する。一方、セパレータ17は、酸化剤ガスをカソード電極15に供給するためのものであり、酸化剤ガスを流通するための酸化剤ガス流路18を有する。
セパレータ(7,17)の材質としては、燃料電池20内の環境においても安定な導電性を有するものであればよい。一般的には、カーボン板に流路を形成したものが用いられる。また、セパレータ(7,17)は、ステンレススチール等の金属により構成し、その金属の表面にクロム,白金族金属又はその酸化物,導電性ポリマーなどの導電性材料からなる被膜を形成したものであってもよい。同様に、金属によって構成し、その金属の表面に銀,白金族の複合酸化物,窒化クロム等の材料によるメッキ処理を施したもの等も使用可能である。
なお、セパレータ(7,17)は、燃料電池20を複数個積層して構成した燃料電池に用いる場合、集電体としての機能を有することができる。
(ガスケット)
ガスケット(2,12)は、触媒層(3,13)の形状を保持するとともに、燃料や酸化剤の外部への漏出を防ぐためのものである。ガスケット(2,12)は、中央に開口部(9,19)を有し、平面視において略矩形枠状の形状を有している。なお、形状はこれに限定されるものでなく、多角形枠状、略円形枠状、略楕円形枠状等であってもよい。開口部(9,19)は、触媒電極(5,15)の形状に合わせるのがよい。
ガスケット(2,12)は、少なくともアニオン伝導性固体高分子電解質膜1表面の周縁部を覆っている。その覆っている周縁部の幅は、例えば、約1〜50mm程度、好ましくは、約2〜30mm程度、さらに好ましくは、約5〜20mm程度である。また、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1の外周縁からガスケット2の外周縁までの距離は、例えば、約1〜100mm程度であるのが好ましい。ガスケット(2,12)の厚さは、例えば、約250〜3000μm程度であり、好ましくは、約350〜2000μm程度、さらに好ましくは、約400〜1500μm程度である。
ガスケット(2,12)の材質としては、熱に耐えうる強度を保ち、かつ、外部に燃料及び酸化剤を漏出しない程度の液体及び/又はガスバリア性を有しているものであれば、特に、限定はされない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートやフッ素系樹脂シート,シリコーンゴムシート等を例示することができる。
(燃料)
燃料としては、メタノール,エタノール,プロパノール等の1価アルコールや、エチレングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコール等のアルコールを挙げることができる。燃料の水溶液には、アルカリ水溶液を用いるのが好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、KOH溶液,NaOH溶液等が挙げられる。これらアルカリ源と燃料とを混合して燃料水溶液を調製する。
(燃料電池の運転方法)
本実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20の運転方法は、運転開始前に、水又はアルカリ水溶液をアノード電極5側に供給して、造孔剤6を溶解し、触媒層3に細孔を形成するステップを備える。
本実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20の運転方法は、運転開始前に造孔剤6を除去するステップ以外は、通常の運転方法を用いることができる。
造孔剤6を除去するステップでは、まず、燃料供給部(図示略)から燃料を含むアルカリ水溶液をアノード電極5側セパレータ7の燃料流路8に供給する。この場合、供給する水溶液は燃料を含んでいなくてもよい。アルカリ水溶液の供給を、例えば、約5〜30分程度行う。これにより、アルカリ水溶液が触媒層3に浸透し、造孔剤6が溶解する。造孔剤6の溶解により、触媒層3に細孔が形成され、造孔剤6を除去するステップが終了する。
造孔剤6を除去するステップが終了した後、引き続き、以下のようにして、通常の発電を行う。
酸化剤ガス流路18を介して、カソード電極15側に酸素(O)を供給し、燃料流路8を介して、アノード電極5側に燃料となる、例えば、エタノール(COH)をKOH水溶液と混合した燃料水溶液を供給する。カソード電極15においては、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1を介して到達した水(HO)と、外部回路(図示略)を介して到達した電子(e)とが、カソード電極15の触媒層13の触媒により、供給した酸素と反応して水酸化物イオン(OH)を生成し、式(1)の還元反応が進行する。
カソード電極:O+2HO+4e→4OH ・・・(1)
生成した水酸化物イオンは、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1を介してカソード電極15側からアノード電極5側へ移動する。そして、アノード電極5側においては、アニオン伝導性固体高分子電解質膜1を通過した水酸化物イオンと燃料であるエタノールとが反応して電子を生成し、式(2)の酸化反応が進行する。
アノード電極:(1/3)COH+4OH→(2/3)CO+3HO+4e・・・(2)
生成した電子は、アノード電極5側から外部回路(図示略)を介してカソード電極15側に移動し、カソード電極15へ供給される。全体として、エタノールが酸素により酸化されて二酸化炭素と水が生成する式(3)の電池反応が進行し、発電が行われる。
電池反応:(1/3)COH+O→(2/3)CO+H ・・・(3)
アノード電極5側で発生した二酸化炭素は、残余のエタノール水溶液とともに外部に排出される。また、カソード電極15側に生じた水は、残余の酸素とともに水蒸気として外部に排出される。
(燃料電池の製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20の製造方法は、図2及び図3に示すように、転写基材(30,31)に触媒層(3,13)を形成する工程、触媒層(3,13)をアニオン伝導性固体高分子電解質膜1上に形成する工程、ガスケット(2,12)をアニオン伝導性固体高分子電解質膜1上に形成する工程、触媒層(3,13)上に多孔質導電性基材(4,14)を形成する工程、ガスケット(2,12)及び多孔質導電性基材(4,14)表面をセパレータ(7,17)で挟持する工程とを備える。
以下に、製造工程を詳述する。
(a)まず、上述した触媒及びアニオン電解質を粘度調整用の溶剤に分散させて触媒層形成用ペースト組成物を調製する。触媒層3を形成するペースト組成物には、例えば、ガラス粒子からなる造孔剤6を添加して調製する。
粘度調整用の溶剤は限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択される。例えば、各種アルコール,各種エーテル、各種ジアルキルスルホキシド,水又はこれらの混合物等が挙げられる。これらの溶剤の中でも、アルコールが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール,tert−ブタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール及びプロピレングリコール,ジエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
上記触媒ペースト組成物には、必要に応じてフッ素系樹脂を加えてもよい。フッ素系樹脂としては、上述したものが挙げられる。
本実施の形態に係る触媒層形成用ペースト組成物の配合割合は、特に制限されず、広い範囲内で適宜選択され得る。例えば、触媒1質量部に対して、アニオン電解質(固形分)を約0.2〜3質量部程度、粘度調整用の溶剤を約1〜100質量部程度とすればよい。造孔剤6の含有量は、触媒及びアニオン電解質100質量部に対して、例えば、約20〜200質量部程度、好ましくは、約50〜200質量部程度であるのがよい。
(b)次に、図2(a)に示すように、調製した触媒ペースト組成物を樹脂フィルムからなる転写基材(30,31)上に塗布等により形成して転写フィルムを作製する。この場合、造孔剤6を含有したペースト組成物を転写基材30上に塗布した後、乾燥することにより、触媒層3を形成する。乾燥温度は、通常約40〜120℃程度、好ましくは、約60〜100℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常約5分〜2時間程度、好ましくは、約30分〜1時間程度である。同様にして、造孔剤6を含まないペースト組成物を転写基材31上に塗布した後、乾燥することにより、触媒層13を形成する。
触媒ペースト組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター,バーコーター,スプレー,ディップコーター,スピンコーター,ロールコーター,ダイコーター,カーテンコーター,スクリーン印刷,押出しコート等の一般的な方法を適用できる。
本実施の形態において、触媒層(3,13)を形成する方法は、上述した転写基材(30,31)を用いて、触媒層(3,13)をアニオン伝導性固体高分子電解質膜1の表面に形成して作製する方法に限定されない。例えば、触媒層形成用ペースト組成物をアニオン伝導性固体高分子電解質膜1に直接塗布し、乾燥させる方法等を用いることができる。
(c)次に、図2(b)に示すように、平面視において、例えば、約10〜80mm角程度、厚み約20〜200μm程度の、例えば、炭化水素系樹脂からなるアニオン伝導性固体高分子電解質膜1を準備する。このアニオン伝導性固体高分子電解質膜1上に、触媒層(3,13)がアニオン伝導性固体高分子電解質膜1の表面に対向するように、上述した転写フィルムを配置し加圧して圧着する。次いで、転写基材(30,31)を剥離する。
(d)次に、図3(c)に示すように、平面視において触媒層(3,13)と同じ形状寸法の開口部(9,19)を有するガスケット(2,12)を、触媒層(3,13)の端面を囲うように配置する。ガスケット(2,12)は、例えば、テフロン(登録商標)シートからなり、平面視において、例えば、約10〜80mm角程度、枠の幅約5〜50mm程度の略四角枠形状を有する。なお、ガスケット(2,12)は、塗布等により形成することもできる。
(e)次に、図3(d)に示すように、多孔質導電性基材(4,14)を触媒層(3,13)上の開口部(9,19)内に形成する。
最後に、燃料流路8が形成されたセパレータ7を燃料流路8がアノード電極5側に接するように配置し、酸化剤ガス流路18が形成されたセパレータ17を酸化剤ガス流路18がカソード電極15側に接するように配置することにより、図1に示す固体アルカリ形燃料電池20を製造することができる。
このような固体アルカリ形燃料電池20は、触媒層3に造孔剤6を含有させて、出荷後細孔を形成するので、細孔を形成する工程を省けて、製造工程を簡易化することができる。
また、本実施の形態によれば、触媒層3の細孔の形成は、出荷した後、運転開始前に形成するので、出荷及び搬送過程で細孔が潰れたり、閉塞することを抑制することができる。
すなわち、運転と同時に造孔剤6を溶出させることができ、これにより触媒層3に細孔構造が形成されるので、良好な電極反応を確保でき、高性能な燃料電池を得ることができる。
本実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池20及びその運転方法によれば、触媒層を形成する工程が簡易となり、運転前の出荷及び運搬作業等で触媒層の細孔が潰れることを抑制することができ、電極反応に優れる。
[その他の実施の形態]
以上、上述した第1の実施の形態によって本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した第1の実施の形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更形態として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
以下において、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
[実施例1]
(触媒層形成用ペースト)
まず、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体のクロロメチル化合物をアミノ化することにより、5質量%アニオン(水酸化物イオン)電解質100gを得た。
次いで、ニッケル触媒担持カーボン(Ni担持量:40質量%)2gに、イソプロピルアルコール10g、エタノール10g、60質量%ポリテトラフルオロエチレン分散液(アルドリッチ社製)0.2g、上記で得られた5質量%アニオン電解質20g、造孔剤6としての二酸化ケイ素(シリカ)粒子(平均粒子径:10〜200μm、ナカライテスク社製)2g及び水6gを加え、これらを分散機にて攪拌混合することにより、アノード電極5側の触媒層形成用ペースト組成物を調製した。
また、銀触媒担持カーボン(銀担持量:40質量%、E−TEK社製)2gに、イソプロピルアルコール10g、エタノール10g、60質量%ポリテトラフルオロエチレン分散液(アルドリッチ社製)0.2g、上記で得られた5質量%アニオン電解質20g及び水6gを加え、これらを分散機にて攪拌混合することにより、カソード電極15側の触媒層形成用ペースト組成物を調製した。
(転写フィルム)
アノード電極5側及びカソード電極15側の触媒層形成用ペースト組成物を、50×50mmの樹脂フィルム(PETフィルム:E5100 東洋紡績株式会社製:厚さ12μm)からなる転写基材(30,31)上に金属量として、アノード電極5側にはニッケルを、カソード電極15側には銀をそれぞれ乾燥後の重量が約4mg/cm程度となるように塗工した。その後、約100℃程度で約15分間程度、乾燥させることにより触媒層(3,13)の形成された両極の転写フィルムを作製した。
(燃料電池)
アニオン伝導性固体高分子電解質膜1は、Aciplex A−221(厚さ130〜190μm:旭化成株式会社製)を用い、60×60mmの大きさに切断されたものを使用した。この電解質膜1の両面に上記で作製した転写フィルム(50×50mm)を配置した後、圧力約5MPa程度、温度約130℃程度で約5分間熱圧着した。圧着した後、転写基材(30,31)を剥離した。
次いで、50×50mmの開口部(9,19)を有する、テフロン(登録商標)シートからなるガスケット(2,12)を、転写された触媒層(3,13)が開口部(9,199内に収まるように配置した。
次に、アノード電極5側の触媒層3上に、49×49mmの発泡ニッケル(三菱マテリアル社製)からなる多孔質導電性基材4を形成した。また、カソード電極15側の触媒層13上に、49×49mmのカーボンクロス(E−TEK社製:LT−1200)からなる多孔質導電性基材14を形成した。
最後に、多孔質導電性基材(4,14)及びガスケット(2,12)上にセパレータ(7,17)を設置して、実施例1の固体アルカリ形燃料電池20を作製した。
[実施例2]
造孔剤6としてシリカ粒子に代えて、ソーダライムガラス粒子(平均粒子径:30〜100μm、モリテックス社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固体アルカリ形燃料電池20を作製した。
[実施例3]
造孔剤6としてシリカ粒子に代えて、ホウケイ酸ガラス粒子(平均粒子径:2〜20μm、モリテックス社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固体アルカリ形燃料電池20を作製した。
[実施例4]
造孔剤6としてシリカ粒子に代えて、ウレタン樹脂(ナカライテスク社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固体アルカリ形燃料電池20を作製した。
[比較例1]
造孔剤6を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、固体アルカリ形燃料電池20を作製した。
[比較例2]
造孔剤6としてシリカ粒子に代えて、スチレンポリマー(平均粒子径:500〜1500μm、ナカライテスク社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固体アルカリ形燃料電池20を作製した。
(性能評価)
実施例1〜4及び比較例1,2で得られた固体アルカリ形燃料電池20について、電池性能評価を実施した。
性能評価は、以下のようにして行った。すなわち、燃料電池20の作動温度を約60℃に設定し、カソード電極15側セパレータ17の酸化剤ガス流路18には酸素ガス、アノード電極5側セパレータ7の燃料流路8には10質量%水酸化カリウム溶液と10質量%エタノール水溶液を約10分間供給した後、開放起電力(OCV:Open Circuit Voltage)測定から得られる燃料電池の内部抵抗値(OCV抵抗値)及び最大出力密度を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2010021022
表1に示すように、比較例1,2は、触媒層3に細孔が形成されなかったので、OCV抵抗値は高くなり、最高出力密度は低い値を示した。これに対して、実施例1〜4は、触媒層3に細孔が形成されたので、OCV抵抗値は、いずれも比較例1,2に比べ低い値を示した。また、最高出力密度については、いずれも比較例1,2に比べ高い値を示した。このことから、本発明に係る固体アルカリ形燃料電池20が電極反応に優れ、高性能であることがわかった。
本発明の第1の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池の模式的断面構造図。 本発明の第1の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池の製造方法の説明図であって、(a)転写基材(30,31)に触媒層(3,13)を形成する工程図、(b)触媒層(3,13)をアニオン伝導性固体高分子電解質膜1上に形成する工程図。 本発明の第1の実施の形態に係る固体アルカリ形燃料電池の製造方法の説明図であって、(c)ガスケット(2,12)をアニオン伝導性固体高分子電解質膜1上に形成する工程図、(d)触媒層(3,13)上に多孔質導電性基材(4,14)を形成する工程図。
符号の説明
1・・・アニオン伝導性固体高分子電解質膜
2,12・・・ガスケット
3,13・・・触媒層
4,14・・・多孔質導電性基材
5,15・・・触媒電極(5;アノード電極、15;カソード電極)
6・・・造孔剤
7,17・・・セパレータ
8・・・燃料流路
9,19・・・開口部
18・・・酸化剤ガス流路
20・・・固体アルカリ形燃料電池
30,31・・・転写基材

Claims (7)

  1. アニオン伝導性固体高分子電解質膜と、
    該アニオン伝導性固体高分子電解質膜の一方の面に触媒層及び多孔質導電性基材が順次積層されてなるアノード電極となる触媒電極と
    前記アニオン伝導性固体高分子電解質膜の他方の面に触媒層及び多孔質導電性基材が順次積層されてなるカソード電極となる触媒電極と、
    前記触媒電極のそれぞれの外側表面に配置されたセパレータと、
    少なくとも前記触媒層のいずれか一方に混合された造孔剤と、
    を備えたことを特徴とする固体アルカリ形燃料電池。
  2. 前記造孔剤は、前記アノード電極となる触媒電極の触媒層に含まれることを特徴とする請求項1に記載の固体アルカリ形燃料電池。
  3. 前記造孔剤は、水溶解性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体アルカリ形燃料電池。
  4. 前記造孔剤は、アルカリ溶解性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体アルカリ形燃料電池。
  5. 前記造孔剤は、二酸化ケイ素又はケイ素塩を含む化合物であることを特徴とする請求項4に記載の固体アルカリ形燃料電池。
  6. 前記触媒電極は、該触媒電極の端面に配置された枠状のガスケットで囲まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体アルカリ形燃料電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体アルカリ形燃料電池の運転方法であって、運転開始前に、水又はアルカリ水溶液を前記アノード電極側触媒電極に供給して、前記造孔剤を溶解し、前記触媒層に細孔を形成することを特徴とする固体アルカリ形燃料電池の運転方法。
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JP2014060052A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Daihatsu Motor Co Ltd 燃料電池の製造方法
CN114883553A (zh) * 2022-05-11 2022-08-09 兰州理工大学 碱液选择腐蚀制备多孔纳米Li2FeSiO4/C的方法

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