JP5515241B2 - 燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池に関し、特に、アニオン伝導性固体高分子電解質を用いた、燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池に関する。
近年、燃料電池が次世代エネルギーシステムのひとつとして有望視されている。燃料電池には,アルカリ形燃料電池,リン酸形燃料電池,固体高分子形燃料電池,固体酸化物形燃料電池,および溶融炭酸塩形燃料電池等の種類があるが、それぞれの目的に応じた特徴を有している。その中で、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池と比べ、低温で作動し、高出力密度であるという特長を有することから、家庭用、自動車用、或いは携帯用等、多様な用途で開発が進められている。
従来、固体高分子形燃料電池は、電解質膜としてカチオン(プロトン)伝導性固体高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層及び電極基材を積層したものをセパレータで挟んだ構造をしたカチオン伝導性固体高分子形燃料電池がよく知られている。電解質膜の両面に触媒層を配置したもの(即ち、触媒層/電解質膜/触媒層の層構成のもの)は触媒層−電解質膜積層体と呼ばれ、さらにその両面に電極基材を配置したもの(即ち、電極基材/触媒層/電解質膜/触媒層/電極基材の層構成のもの)は、電極−電解質膜積層体と称されている。
電極−電解質膜積層体の電極の一方に燃料を、他方に酸化剤を供給すると、燃料(水素)を供給した電極(水素極)触媒上で水素がプロトンと電子に分かれる。このプロトンは電解質膜内を移動し、電子は外部回路を通り、酸化剤として空気(酸素)を供給した電極(酸素極)触媒上へ行き、そこで酸素、電子、プロトンが反応して水が生成される。これにより電流が流れ発電が行われる。
しかし、プロトン伝導性固体高分子電解質膜を用いた固体高分子形燃料電池は、触媒層に高価な白金を用いており工業的にはコストアップとなるため、市場への導入がなかなか進まないというのが現状である。
一方、最近では、低温作動、高効率、高出力密度、特には、触媒に高価な白金を使用しないという観点から、アルカリ形燃料電池が再び注目されている。中でも、固体高分子形燃料電池と同様に、水酸化物イオンをイオン伝導体とする電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体アルカリ形燃料電池に期待が寄せられている。例えば、アニオン(水酸化物イオン)伝導性固体高分子電解質膜としてフッ素系陰イオン交換膜を用いた燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−244961号公報
しかしながら、アルカリ形燃料電池用の電極においては、触媒形成用ペーストに含まれる触媒金属粒子とイオン伝導性電解質の分散により、触媒層形成用ペーストが低粘度化しやすいという問題があり、触媒層の形成時に形状を保てないという問題が生じる。また、電極端面においては、低粘度化した触媒層形成用ペーストの塗液ダレによる触媒層の剥離が生じるといった問題があった。一方で高粘度化した場合は、形状の維持は確保できるものの、触媒層の形成が困難であったり、触媒層のひび割れが生じやすいといった問題があった。
このように、触媒層の特性及び形状を失うことなく、触媒層を形成するための技術が切望されているものの、未だ開発されるに至っていないのが現状である。
本発明の目的は、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電極基材と、前記電極基材表面の周縁部に中央部を囲うように配置したスペーサ部材と、前記スペーサ部材で囲まれる領域に配置した触媒層とを備え、前記電極基材表面の中央部にスペーサ部材をさらに配置し、前記触媒層は、前記中央部に配置されたスペーサ部材を覆うようにして前記電極基材上に形成されていることを特徴する燃料電池用電極である。
また、請求項2に記載の発明は、前記中央部に配置されたスペーサ部材の厚みは、前記周縁部に配置されたスペーサ部材の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極である。
また、請求項に記載の発明は、前記スペーサ部材は、耐アルカリ性樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用電極である。
また、請求項に記載の発明は、前記スペーサ部材は、導電性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用電極である。
また、請求項に記載の発明は、前記スペーサ部材は、全体が導電性を有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用電極である。
また、請求項に記載の発明は、前記電極基材は、金属多孔質体からなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池用電極に記載の燃料電池用電極である。
また、請求項7に記載の発明は、電極基材表面の周縁部にスぺーサ部材を形成する工程と、前記電極基材表面の中央部にスペーサ部材をさらに配置する工程と、前記スぺーサ部材で囲まれる領域に触媒ペーストを前記中央部に配置されたスペーサ部材を覆うようにして塗布する工程と、前記触媒ペーストを乾燥した後、前記電極基材表面に圧着して触媒層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池用電極と、アニオン伝導性固体高分子電解質膜と、を備え、前記アニオン伝導性固体高分子電解質膜は、前記燃料電池用電極に挟持されたことを特徴とする電極−電解質膜積層体である。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の電極−電解質膜積層体と、一対のセパレータと、を備え、前記電極−電解質膜積層体は、前記セパレータに挟持されたことを特徴とする燃料電池セルである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項に記載の燃料電池セルを複数個積層したことを特徴とする燃料電池である。
本発明によれば、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態による燃料電池用電極及びその製造方法、電極−電解質膜積層体、燃料電池セル及び燃料電池を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることに留意すべきである。
[第1の実施の形態]
(電極の構造)
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用電極11は、図1に示すように、電極基材1と、電極基材1表面の周縁部に中央部を囲うように配置したスペーサ部材2と、スペーサ部材2で囲まれる領域に配置した触媒層3と、を備える。
(電極基材)
電極基材1は、電極の基体となるものであり、平面視において、例えば、略四角形状を有しており、厚みは、例えば、約100μm〜2mm程度であり、好ましくは、約300μm〜1mm程度、さらに好ましくは、約500〜800μm程度であるのがよい。なお、形状は、平面視において略四角形状に限定されるものでなく、多角形状、略円形状、略楕円形状等であってもよい。
電極基材1の材質としては、導電性を有し、多孔質なものであれば、特に限定はされない。好ましくは、液体燃料及び酸化剤ガスを後述する触媒層へ良好に拡散させるために、金属メッシュや金属発泡体等からなる多孔質金属体であるのがよい。金属体を用いることにより導電性が高まる。また、金属体に、例えば卑金属(base metal)を用いた場合は燃料電池反応に良好に寄与できることが知られている。特にアノード電極(燃料極側電極)側は、卑金属を用いない導電性多孔質基材と比べ、例えば、ニッケル等の卑金属の基材を用いた方が性能の良いことが実験からも確認されている。
したがって、多孔質金属体に用いる金属としては、ニッケル,パラジウム等の卑金属,或いは銀,ステンレスチール等を用いることができ、好ましくは、ニッケルや銀を用いるのがよい。また、金属発泡体を用いた場合、気孔率は、例えば、約50〜99%程度であり、好ましくは、約80〜98%程度であるのがよい。
電極11が、カソード電極(酸素極側電極)である場合、金属多孔質体の他に、導電性を有するカーボン系材料、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロス等の導電性多孔質体を用いることができる。この場合、厚さは、例えば、約100〜500μm程度であり、好ましくは、約150〜300μm程度であるのがよい。
また、カソード電極では、後述するように、反応時に水が生じることから、電極11に撥水性を付与することが好ましい。撥水性を付与するには、例えば、多孔質体にフッ素樹脂とカーボンからなるMPL(Micro Porous Layer)層を形成する方法を用いることができる。この場合、MPL層の厚みは、例えば、約10〜200μm程度であり、好ましくは、約30〜100μm程度であるのがよい。
(スペーサ部材)
スペーサ部材2は、後述の触媒層3の形状を保持するためのものであり、平面視において、略四角形の枠状の形状を有しており、厚さは、例えば、約10〜500μm程度であり、好ましくは、約30〜300μm程度、さらに好ましくは、約50〜250μm程度である。なお、スペーサ部材2の形状は、平面視において略四角枠状の形状に限定されるものでなく、多角形枠状、略円形枠状、略楕円形枠状等であってもよい。好ましくは、電極基材1の形状に合わせたものであるのがよい。
スペーサ部材2の材質としては、特に限定はされないが、好ましくは、耐アルカリ性を有する樹脂であるのがよい。例えば、フェノール樹脂,アクリル樹脂,フッ素樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。
強アルカリ耐性の観点から、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,スチレン−アクリロ二トリル共重合体,スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,高密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリプロピレン,ポリアセタール共重合体,メタクリル−スチレン共重合体,三フッ化塩化エチレン,四フッ化エチレン,四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体,四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体,四フッ化エチレン−エチレン共重合体,フッ化ビニリデン等であるのが好ましい。
中でも、さらに加工の観点から、ポリスチレン,スチレン−アクリロ二トリル共重合体,スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,高密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリプロピレン等がより好ましい。
上述した耐アルカリ性樹脂は、導電性物質を含有することが好ましい。導電性物質として、カーボンブラック,カーボンナノワイヤー,カーボンナノチューブ等の炭素材を挙げることができる。
(触媒層)
触媒層3は、触媒金属粒子、これを担持する担体、及びイオン伝導性電解質からなる。触媒層3の厚みは、上述したスペーサ部材2の厚さと同程度の厚みを有するのがよく、例えば、約10〜500μm程度であり、好ましくは、約30〜300μm程度、さらに好ましくは、約50〜250μm程度であるのがよい。
触媒層3の触媒重量としては、カソード電極側では、例えば、約0.5〜20mg/cm程度であり、好ましくは、約1〜15mg/cm程度であるのがよい。アノード電極側では、例えば、約5〜60mg/cm程度であり、好ましくは、約10〜50mg/cm程度であるのがよい。
触媒金属粒子は、平均粒径が、例えば、約0.05〜20nm程度であり、好ましくは、約0.1〜10nm程度、さらに好ましくは、約0.3〜5nm程度であるのがよい。
触媒金属粒子の材質としては、例えば、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,銀,ルテニウム,イリジウム,モリブデン,マンガン,白金等の金属やこれらの金属化合物、又はこれらの金属の2つ以上の金属からなる合金等を挙げることができる。
コストの面から、金属としては、特に、白金を除いた、鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,銀等であるのが好ましい。また、合金としては、鉄,コバルト,ニッケルを2つ以上組み合わせて合金化したものであるのが好ましい。このような合金としては、例えば、鉄−コバルト合金,コバルト−ニッケル合金,鉄−ニッケル合金等が挙げられる。また、これらをさらに複合化した鉄−コバルト−ニッケル合金を用いてもよい。これら合金の各金属の比率は、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
担体は、上述した触媒金属粒子を担持するためのものである。担体の平均粒径は、例えば、平均一次粒子として、約0.01〜1μm程度であり、好ましくは、約0.01〜0.2μm程度である。また、担体の比表面積は、特に限定はされないが、例えば、約10〜1500m/g程度であり、好ましくは、約10〜500m/g程度であるのがよい。
担体の材質としては、例えば、アルミナ,シリカ,炭素粉等を挙げることができる。好ましくは、導電性の点から炭素粉であるのがよい。
炭素粉としては、導電性を有する炭素粉であれば、特に限定はされない。好ましくは、耐蝕性及び導電性の高い材料、例えば、アセチレンブラック,ファーネスブラック,チャンネルブラック,ケッチェンブラック等のカーボンブラック,黒鉛,活性炭,カーボン繊維,カーボンナノチューブ,カーボンナノワイヤー等が挙げられる。また、これらの炭素質材料を単独又は2種以上用いてもよい。
イオン伝導性電解質は、イオンとして水酸化物イオン(OH)を伝導できるアニオン伝導性電解質であれば、特に限定はされない。例えば、炭化水素系電解質又はフッ素樹脂系電解質等を用いることができる。
炭化水素系電解質としては、例えば、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸の共重合体のクロロメチル化物をアミノ化して得られる電解質を挙げることができる。フッ素樹脂系電解質としては、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンポリマーの末端をジアミンで処理し、4級化したポリマー或いはポリクロロメチルスチレンの4級化物等のポリマーを挙げることができる。中でも、溶媒可溶性を有するものが好ましい。
上述したイオン伝導性電解質は、後述する触媒層形成用ペーストを作製する際、アルコール、エーテル等の有機溶剤や有機溶剤と水との混合溶剤に、例えば、約1〜30質量%程度の濃度で分散させて用いる。
(電極の製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用電極の製造方法は、図2に示すように、電極基材1表面の周縁部にスぺーサ部材2を形成する工程と、スぺーサ部材2で囲まれる領域に触媒ペーストを塗布する工程と、触媒ペーストを乾燥した後、圧着して触媒層3を形成する工程とを備える。
以下に、製造工程を詳述する。
(a)まず、図2(a)に示すように、例えば、平面視で約10〜50mm角程度で、厚さが約100〜500μm程度の金属発泡体からなる電極基材1を準備する。次いで、スペーサ部材2を、耐アルカリ性樹脂をペースト状にしたものを塗布等により、電極基材1表面の周縁部に枠状に形成する。スペーサ部材2の枠の幅は、例えば、平面視で約2〜10mm程度、厚さは約50〜250μm程度である。なお、スペーサ部材2は、耐アルカリ性樹脂を溶融して、押し出して形成することも、或いは印刷等により形成することもできる。
(b)次いで、平均粒径が、例えば、約0.3〜5nm程度の銀又はニッケルからなる触媒金属粒子、これを担持したカーボンブラック、及び炭化水素系イオン伝導性電解質からなる触媒層形成用ペースト(以下で、触媒ペーストと称する。)を作製する。
触媒ペースト中に含まれる触媒金属粒子とイオン伝導性電解質の割合は、乾燥後の質量比が、例えば、約3:1〜1:3程度となるように調整するのがよい。
触媒ペースト中に、粘度調整用の溶剤を用いてもよい。粘度調整用の溶剤は、特に限定されるものでなく、広い範囲内で適宜選択することができる。例えば、各種アルコール類,各種エーテル類,各種ジアルキルスルホキシド類,水,又はこれらの混合物等が挙げられる。好ましくは、アルコール類を用いるのがよい。アルコール類としては、例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール,tert−ブタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール,プロピレングリコール,ジエチレングリコール等の各種の多価アルコール等が挙げられる。
また、触媒ペーストに、フッ素樹脂をさらに加えてもよい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体等が挙げられる。特に、結着性と撥水性の観点から、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンを用いるのがよい。
(c)次に、図2(b)に示すように、触媒ペーストを電極基材1上のスペーサ部材2に囲まれた領域に、例えば、約50〜250μm程度の厚さで塗布する。触媒ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではない。例えば、ナイフコーター,バーコーター,スプレー,ディップコーター,スピンコーター,ロールコーター,ダイコーター,カーテンコーター,スクリーン印刷,押出しコート等を適宜用いることができる。
(d)次に、触媒ペーストを乾燥して触媒層3を形成する。乾燥温度は、例えば、約40〜100℃程度であり、好ましくは、約60〜80℃程度であるのがよい。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、例えば、約5分〜2時間程度であり、好ましくは、約30分〜1時間程度であるのがよい。
(e)最後に、触媒層3をプレス装置等により電極基材1に圧着し、図1に示す燃料電池用電極11が完成する。
このような燃料電池用電極11は、電極基材1表面の周縁部に配置された枠状のスペーサ部材2で囲まれる領域に触媒層3を形成するので、製造工程の効率がよくなる。また、所望の厚さの触媒層3を形成することができるので、電極の反応面積を良好に確保することができる。これにより、高性能な燃料電池用電極11が得られる。
また、触媒層3は、圧着により電極基材1に接合されるので、触媒層3と電極基材1の密着性が高まる。また、触媒層3は、スペーサ部材2により囲まれているので、触媒ペーストの粘度が低い場合、或いは粘度が高い場合でも触媒層3の形状が良好に維持される。これにより、長時間の使用においても触媒層3の剥落を防止することが可能となる。
本実施の形態に係る燃料電池用電極11及びその製造方法によれば、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる。
[第2の実施の形態]
(電極)
本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池用電極12(A,B,C)は、図3に示すように、第1の実施の形態で示した図1と同様の燃料電池用電極11において、電極基材1表面の中央部にスペーサ部材5をさらに配置する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
電極基材1表面の中央部に配置されるスペーサ部材5の形状は、特に限定はされないが、例えば、略四角柱や略三角柱等の柱状形状を挙げることができる。例えば、四角柱である場合、幅は約0.1〜2mm程度であり、高さは、少なくとも周縁部のスペーサ部材2の厚さと同じ程度かそれより低いことが好ましく、例えば、約10〜500μm程度であり、好ましくは、約30〜300μm程度、さらに好ましくは、約50〜250μm程度である。
このような柱状形状のスペーサ部材5は、例えば、図3(a)及び(b)に示すように、電極基材1上の中央部に少なくとも1つ、好ましくは、複数個が所定の間隔で互いに平行に形成されているのがよい。スペーサ部材5間の間隔は、適宜設定することができる。
スペーサ部材5は、図3(c)に示すように、格子状に形成してもよい。格子の幅、高さ及び間隔は、上述した柱状形状の場合と同程度に設定することができる。
また、スペーサ部材5は、図3(d)に示すように、ドット状に形成してもよい。各ドットの幅、高さ及び間隔は、上述した柱状形状の場合と同程度に設定することができる。
本実施の形態に係る燃料電池用電極の製造方法は、スペーサ部材5を形成する方法が第1の実施の形態における製造方法と異なる点であり、他は第1の実施の形態と同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施の形態に係る燃料電池用電極の製造方法において、耐アルカリ性樹脂を溶融して、押し出して形成することにより、或いは印刷等の方法を用いて、スペーサ部材5を形成することにより、図3に示す燃料電池用電極12(A,B,C)を製造することができる。
本実施の形態によれば、電極基材1表面の中央部にスペーサ部材5をさらに配置するので、触媒層3の反応面積が増大するとともに、触媒層3の形状が良好に維持され、電極基材1からの剥落を抑制することができる。
本実施の形態に係る燃料電池用電極12(A,B,C)及びその製造方法によれば、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる。
[第3の実施の形態]
(電極−電解質膜積層体)
本発明の第3の実施の形態に係る電極−電解質膜積層体13は、図4に示すように、第1の実施の形態で示した図1と同様の燃料電池用電極(8,9)と、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10とを備える。アニオン伝導性固体高分子電解質膜10は、燃料電池用電極(8,9)に挟持されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。なお、燃料電池用電極(8,9)に、第2の実施の形態で示した図3と同様の燃料電池用電極12(A,B,C)を用いてもよいことはいうまでもない。
カソード電極8は、電極基材1と、電極基材1表面の周縁部に中央部を囲うように配置したスペーサ部材2と、スペーサ部材2で囲まれる領域に配置した触媒層3とを備えている。同様に、アノード電極9は、電極基材4と、電極基材4表面の周縁部に中央部を囲うように配置したスペーサ部材7と、スペーサ部材7で囲まれる領域に配置した触媒層6とを備えている。
アニオン伝導性固体高分子電解質膜10は、カソード電極8で生成したアニオン(水酸化物イオン)をアノード電極9に伝導するためのものである。厚みは、例えば、約10〜300μm程度であり、好ましくは、約20〜200μm程度である。
本実施の形態に係るアニオン伝導性固体高分子電解質膜10としては、炭化水素系及びフッ素樹脂系のいずれかのアニオン伝導性固体高分子電解質膜を用いることができる。高濃度のアルカリ水溶液を用いた場合は、耐高濃度アルカリ性のフッ素樹脂系固体高分子電解質膜を使用することが好ましい。低濃度もしくはアルカリ水溶液を用いない場合は、コスト面からも炭化水素系を用いることが好ましい。これらの選択は適用するシステムにより適宜最適化することができる。
上述したアルカリ水溶液において、高濃度とは、アルカリ水溶液の種類等によって適宜変更することができるが、本実施の形態では、約2モル/リットル程度以上をいい、低濃度とは、約2モル/リットル程度未満をいう。
本実施の形態に係る炭化水素系のアニオン伝導性固体高分子電解質膜10としては、例えば、旭化成(株)製のアシプレックス(登録商標)A−201,211,221等、トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1,AHA等を用いることができる。また、フッ素樹脂系のアニオン伝導性固体高分子電解質膜10としては、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34等を用いることができる。
本実施の形態に係る電極−電解質膜積層体の製造方法は、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10に電極(8,9)を形成する方法が第1の実施の形態における製造方法と異なる点であり、他は第1の実施の形態と同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施の形態に係る電極−電解質膜積層体の製造方法において、図5(a)に示すように、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10の一方の主面にカソード電極8を形成する。次いで、図5(b)に示すように、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10の他方の主面にアノード電極9を形成した後、カソード電極8及びアノード電極9を、例えば、約50〜80℃程度の温度、及び約0.5〜2MPa程度の圧力にて熱プレスすることにより、図4に示す電極−電解質膜積層体13を製造することができる。
本実施の形態に係る電極−電解質膜積層体13によれば、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる。
[第4の実施の形態]
(燃料電池セル)
本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池セル20は、固体アルカリ形燃料電池セルであり、図6に示すように、第3の実施の形態で示した図4と同様の電極−電解質膜積層体13と、一対のセパレータ(21,22)とを備える。電極−電解質膜積層体13は、セパレータ(21,22)に挟持されている。その他の構成は、第3の実施の形態と同様であるので説明は省略する。なお、図6では、カソード電極8及びアノード電極9は触媒層(3,6)を省略して簡略に示してある。
セパレータ21は、酸化剤ガスをカソード電極8に供給するためのものであり、酸化剤ガスを流通するための酸化剤ガス流路23を有する。一方、セパレータ22は、燃料をアノード電極9に供給するためのものであり、燃料を流通するための燃料流路24を有する。
セパレータ(21,22)の材質としては、液体及びガスバリア性を有し、導電性を有するものであれば、特に限定はされない。例えば、グラファイトや金属等を挙げることができる。
なお、セパレータ(21,22)は、後述するように、燃料電池セル20を複数個積層して構成した燃料電池に用いる場合、集電体としての機能を有することができる。
燃料としては、例えば、水素が挙げることができ、さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類,ジメチルエーテル等のエーテル類,ヒドラジン,水加ヒドラジン等のヒドラジン類,等を挙げることができる。これら例示した燃料を単独又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
燃料として、さらにアルカリ水溶液を添加することができる。アルカリ水溶液としては、例えば、KOH溶液、NaOH溶液等が挙げられる。これらアルカリ源と、例えば、上述したアルコールとを混合させることで電池を作動する燃料を調製する。
本実施の形態に係る燃料電池セル20の製造方法は、セパレータ(21,22)を電極−電解質膜積層体13に形成する方法が第3の実施の形態における製造方法と異なる点であり、他は第3の実施の形態と同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施の形態に係る燃料電池セル20の製造方法において、酸化剤ガス流路23が形成されたセパレータ21を酸化剤ガス流路23がカソード電極8側に接するように配置し、燃料流路24が形成されたセパレータ22を燃料流路24がアノード電極9側に接するように配置することにより、図6に示す燃料電池セル20を製造することができる。
(動作原理)
本実施の形態に係る燃料電池セル20は、以下に示すようにして、発電させることができる。
まず、酸化剤ガス流路23を介して、カソード電極8側に酸素(O)を供給し、燃料流路24を介して、アノード電極9側に燃料となる、例えば、エタノール(COH)水溶液を供給する。カソード電極8においては、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10を介して到達した水(HO)と、外部回路(図示略)を介して到達した電子(e)とが、カソード電極8の触媒層3の触媒により、供給した酸素と反応して水酸化物イオン(OH)を生成し、式(1)の還元反応が進行する。
カソード電極:O+2HO+4e→4OH ・・・(1)
生成した水酸化物イオンは、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10を介してカソード電極8側からアノード電極9側へ移動する。そして、アノード電極9側においては、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10を通過した水酸化物イオンと燃料であるエタノールとが反応して電子を生成し、式(2)の酸化反応が進行する。
アノード電極:(1/3)COH+4OH→(2/3)CO+3HO+4e・・・(2)
生成した電子は、アノード電極9側から外部回路(図示略)を介してカソード電極8側に移動し、カソード電極8へ供給される。全体として、エタノールが酸素により酸化されて二酸化炭素と水が生成する式(3)の電池反応が進行し、発電が行われる。
電池反応:(1/3)COH+O→(2/3)CO+HO ・・・(3)
アノード電極9側で発生した二酸化炭素は、残余のエタノール水溶液とともに外部に排出される。また、カソード電極8側に生じた水は、残余の酸素とともに水蒸気として外部に排出される。
本実施の形態に係る燃料電池セル20には、アニオン伝導性固体高分子電解質膜10が設けられている。そのため、高い膜強度と有機燃料の透過(例えば、メタノールクロスオーバー)を抑制して高い発電効率を有する燃料電池セル20を得ることができる。
また、電極基材(1,4)表面の周縁部にスペーサ部材(2,7)を配置し、触媒層(3,6)をスペーサ部材(2,7)で囲まれる領域に配置するので、触媒層(3,6)の剥落を抑制することができる。これにより、信頼性が高く高効率な燃料電池セル20を得ることができる。
本実施の形態に係る燃料電池セル20によれば、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる。
[第5の実施の形態]
(燃料電池)
本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池は、第4の実施の形態で示した図6と同様の燃料電池セル20が複数個積層されている。その他の構成は、第4の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
本実施の形態に係る燃料電池は、セパレータ(21,22)を介して燃料電池セル20を複数個積層して構成される。
本実施の形態に係る燃料電池の製造方法は、燃料電池セル20を複数個積層する方法が第4の実施の形態における製造方法と異なる点であり、他は第4の実施の形態と同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施の形態に係る燃料電池の製造方法において、例えば、隣接するセパレータ(21,22)同士の電気的極性が互いに異なるように燃料電池セル20を積層することにより、燃料電池を製造することができる。
本実施の形態に係る燃料電池によれば、電極に凹凸部を形成することで、触媒形成用ペーストが低粘度、もしくは高粘度でも、触媒層の形成時に形状確保に優れ、電極の剥離を抑制することができ、電極反応に優れる。
[その他の実施の形態]
以上、上述した第1乃至第5の実施の形態によって本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した第1乃至第5の実施の形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更形態として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。以下、上述した第1乃至第5の実施の形態を一部変更した変更形態について説明する。
例えば、構成する部材の厚み等の寸法や構成する材料を変更することは可能である。
上述した第3の実施の形態に係る電極−電解質膜積層体13において、電解質としてアニオン伝導性固体高分子電解質膜10を用いる説明をしたが、電解質がアルカリ性溶液、或いはアルカリ性溶液を含浸させた耐アルカリ性多孔質体である場合にも適用可能である。
以下において、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
[実施例1]
(触媒ペースト)
まず、芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体のクロロメチル化合物をアミノ化することにより、1−メトキシエタンを溶剤とした、5質量%イオン(水酸化物イオン)伝導性電解質溶液100gを得た。
次いで、銀担持カーボン(Ag:40質量%、E−TEK社製)10gに、上記で得られた5質量%イオン伝導性電解質溶液10g、ポリテトラフルオロエチレン(60質量%分散液、アルドリッチ社製)5g、エタノール10gを配合し、分散機にて攪拌混合することにより、カソード電極8側触媒ペースト組成物を調製した。
また、ニッケル担持カーボン(Ni:40質量%)10gに、上記で得られた5質量%イオン伝導性電解質溶液10g、ポリテトラフルオロエチレン(60質量%分散液、アルドリッチ社製)5g、エタノール10gを配合し、分散機にて攪拌混合することにより、アノード電極9側触媒ペースト組成物を調製した。
(電極)
次に、カソード電極8側の電極基材1として、23mm角の銀からなる金属発泡体(三菱マテリアル社製、厚さ500μm)を用いた。この金属発泡体表面の周縁部に、エポキシ樹脂(アデカ社製、アデカレジンEP−49)とカーボン粒子(Cabot社製、バルカンXC72)からなるペーストを、幅約1mm、高さ約200μmの四角形枠状にスクリーン印刷により塗布してスペーサ部材2を形成した。次いで、スペーサ部材2で囲まれる領域に、上記で調製したカソード電極8側触媒ペースト組成物を充填し、乾燥させた。乾燥後、プレス装置により室温で約1MPaにて30秒プレスして、カソード電極8を形成した。触媒の塗工量は5mg/cmとなるように調整した。
アノード電極9側の電極基材4として、23mm角のニッケルからなる金属発泡体(三菱マテリアル社製、厚さ500μm)を用いた。この金属発泡体表面の周縁部に、エポキシ樹脂(アデカ社製、アデカレジンEP−49)とカーボン粒子(Cabot社製、バルカンXC72)からなるペーストを、幅約1mm、高さ約200μmの四角形枠状にスクリーン印刷により塗布してスペーサ部材7を形成した。次いで、スペーサ部材7で囲まれる領域に、上記で調製したアノード電極9側触媒ペースト組成物を充填し、乾燥させた。乾燥後、プレス装置により室温で約1MPaにて30秒プレスしてアノード電極9を形成した。触媒の塗工量は20mg/cmとなるように調整した。
(電極−電解質膜積層体)
アニオン伝導性固体高分子電解質膜10としては、アシプレックスA−221(厚さ130〜190μm、旭化成社製)を用いた。アニオン伝導性固体高分子電解質膜10の両主面に、それぞれ上記で作製したカソード電極8及びアノード電極9を配置した後、熱プレスにて約60℃、約1MPaにて熱接合し、図4に示すような電極−電解質膜積層体13を作製した。
[実施例2]
電極基材(1,4)のそれぞれの表面に、スペーサ部材5を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして、電極−電解質膜積層体13を作製した。すなわち、スペーサ部材5は、電極基材(1,4)のそれぞれの表面に、幅約1mm、高さ約200μmの直方体形状を有するスペーサ部材5を、約2mm間隔でストライプ状に形成した。ここで、触媒の塗工量は、実施例1と同様にした。
[実施例3]
カソード電極8の電極基材1を金属発泡体に代えてカーボンクロス(E−TEK社製、LT−1200W)を用いた以外は、実際例1と同様にして、電極−電解質膜積層体13を作製した。
[実施例4]
カソード電極8の電極基材1を金属発泡体に代えてカーボンクロス(E−TEK社製、LT−1200W)を用いた以外は、実際例2と同様にして、電極−電解質膜積層体13を作製した。
[比較例1]
電極基材(1,4)表面にスペーサ部材(2,5,7)を形成しない以外は、実施例1と同様にして、電極−電解質膜積層体13を作製した。
[比較例2]
電極基材(1,4)は、アノード電極9側及びカソード電極8側ともにスペーサ部材(2,5,7)を形成していないカーボンクロス(E−TEK社製、LT−1200W)を用いた以外は、実施例1と同様にして、電極−電解質膜積層体13を作製した。
(性能評価)
実施例1〜4及び比較例1,2で得られた電極−電解質膜積層体13の両主面にそれぞれセパレータ(21,22)を配置して、図6に示すような燃料電池セル20を作製し、起電力及び最高出力密度を調べることにより、性能評価を行った。カソード電極8側セパレータ21の酸化剤ガス流路23には酸素ガス、アノード電極9側セパレータ22の燃料流路24にはエタノール水溶液を供給することにより、発電試験を行なった。
その結果、実施例1〜4は起電力及び最高出力密度ともに比較例1,2に比べ高い性能を示した。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用電極の模式的断面構造図。 本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用電極の製造方法の説明図であって、(a)電極基材1の周縁部にスペーサ部材2を形成する工程図、(b)スペーサ部材2に囲まれた領域に触媒層3を形成する工程図。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池用電極の模式的構造図であって、(a)図3(b)のI−I線断面図、(b)スペーサ部材5の形状がストライプ状である電極12Aの平面図、(c)スペーサ部材5の形状が格子状である電極12Bの平面図、(d)スペーサ部材5の形状がドット状である電極12Cの平面図。 本発明の第3の実施の形態に係る電極−電解質膜積層体の模式的断面構造図。 本発明の第3の実施の形態に係る電極−電解質膜積層体の製造方法の説明図であって、(a)アニオン伝導性固体高分子電解質膜10の一方の主面にカソード電極8を形成する工程図、(b)アニオン伝導性固体高分子電解質膜10の他方の主面にアノード電極9を形成する工程図。 本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池セルの模式的断面構造図。
符号の説明
1,4・・・電極基材
2,5,7・・・スペーサ部材
3,6・・・触媒層
8・・・カソード電極
9・・・アノード電極
10・・・アニオン伝導性固体高分子電解質膜
11,12A,12B,12C・・・電極
13・・・電極−電解質膜積層体
20・・・燃料電池セル
21,22・・・セパレータ
23・・・酸化剤ガス流路
24・・・燃料流路

Claims (10)

  1. 電極基材と、
    前記電極基材表面の周縁部に中央部を囲うように配置したスペーサ部材と、
    前記スペーサ部材で囲まれる領域に配置した触媒層とを備え、
    前記電極基材表面の中央部にスペーサ部材をさらに配置し、
    前記触媒層は、前記中央部に配置されたスペーサ部材を覆うようにして前記電極基材上に形成されていることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 前記中央部に配置されたスペーサ部材の厚みは、前記周縁部に配置されたスペーサ部材の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極。
  3. 前記スペーサ部材は、耐アルカリ性樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用電極。
  4. 前記スペーサ部材は、導電性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用電極。
  5. 前記スペーサ部材は、全体が導電性を有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用電極。
  6. 前記電極基材は、金属多孔質体からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用電極。
  7. 電極基材表面の周縁部にスぺーサ部材を形成する工程と、
    前記電極基材表面の中央部にスペーサ部材をさらに配置する工程と、
    前記スぺーサ部材で囲まれる領域に触媒ペーストを前記中央部に配置されたスペーサ部材を覆うようにして塗布する工程と、
    前記触媒ペーストを乾燥した後、前記電極基材表面に圧着して触媒層を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用電極と、
    アニオン伝導性固体高分子電解質膜と、
    を備え、前記アニオン伝導性固体高分子電解質膜は、前記燃料電池用電極に挟持されたことを特徴とする電極−電解質膜積層体。
  9. 請求項8に記載の電極−電解質膜積層体と、
    一対のセパレータと、
    を備え、前記電極−電解質膜積層体は、前記セパレータに挟持されたことを特徴とする燃料電池セル。
  10. 請求項9に記載の燃料電池セルを複数個積層したことを特徴とする燃料電池。
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