JP2014135229A - 燃料電池用触媒インク - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池用触媒インクに含まれる触媒粒子の分散状態を良好に保持し、触媒粒子が電極の触媒層全体に広く行き渡せ、発電性能を向上させることができる燃料電池用触媒インクを提供することを課題とすること。
【解決手段】活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液を含有する触媒インクであって、上記アルコールは、多価アルコールのみからなることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池用触媒インク及び燃料電池用電極に関する。更に詳しくは、水と多価アルコールを含むイオノマー溶液をインク成分として含んだ燃料電池用触媒インク及び当該燃料用電池用触媒インクを触媒層に用いた燃料電池用電極及びその製造方法に関する。
近年、地球温暖化、オゾン層の破壊等のいわゆる地球環境問題及び資源不足、エネルギー枯渇問題が深刻化している。燃料電池はこのような問題を同時に解決することができる有力な技術手段として注目されている。燃料電池には、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体酸化物形燃料電池等のいくつかの種類が存在する。
これらの燃料電池の中でも、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)は、発電時において、気温と同じ温度で発電することができ、発電後において、燃料電池本体の温度を80℃程度に抑えられることができる。さらに、固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料電池本体を構成する部材に安価な汎用プラスチック等を採用することができるので、軽量化が可能となる。また、固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料電池本体を構成する電解質膜に薄膜を採用していることから、電気抵抗を小さくすることができ、発電時に発生した電気のロスを少なくすることができる。このように固体高分子形燃料電池(PEFC)は、多くの利点を有しているので、燃料電池自動車や家庭用コジェネレーションシステム等への応用が可能となっている。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料極(負極)、固体高分子膜(電解質)、空気極(正極)をこの順番に積層させて、これらを張り合わせて一体化した膜/電極接合体(Menbrane Electrode Assembly:MEA)を基本構成部材としている。
さらに、膜/電極接合体を水素、酸素等の反応ガスの供給流路が形成されたセパレータにより挟み込み一単位セルとする。複数の一単位セルを積み重ねることにより、スタックを形成し、固体高分子形燃料電池(PEFC)を製造することができる。
膜/電極接合体(MEA)を構成する電極である燃料極(負極)及び空気極(正極)は、ガス拡散層と、ガス拡散層上に燃料極(負極)及び空気極(正極)のそれぞれの触媒成分が含まれる触媒層を備えている。触媒層は、ガス拡散層に触媒層を形成するための燃料電池用触媒インクを塗布し、触媒インクからなる塗布膜を乾燥させることにより形成される。
通常、燃料電池用触媒インクには、撥水性を有するガス拡散層との湿潤性を向上させるためにエチルアルコール等の一価の低級アルコールをその成分として含有させていることが多い。しかしながら、燃料電池触媒インクの溶媒成分として一価の低級アルコールを含有させた場合、一価の低級アルコールと触媒粒子の接触による局所発熱が発生し、触媒粒子が凝集する。凝集して粗大化した粒子においては、発電に有効に寄与する最表面に位置する活性金属原子が減少する。その結果、膜/電極接合体(MEA)は、電極に含まれる活性金属が本来有する触媒活性を十分に発揮することができず、電池性能がきわめて低下するという問題点があった。
そこで、燃料用電池触媒インクの成分として、二価又は三価のアルコールを使用した燃料電池用触媒インクが提案されている(例えば、特許文献1)。この燃料電池用触媒インクは、エチレングリコール等の二価アルコール等を単独又は複数で使用することにより、当該触媒インクの粘度を増加させて、チクソ性を改善したものである。また、燃料電池用触媒用インクの溶媒として複数のアルコールを溶媒に用い、その際に発生するひび割れを抑制できる燃料電池用電極の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2)。なお、本件特許出願人は、上記文献公知発明が記載された刊行物として、以下の刊行物を提示する。
特開2002−280003号公報 特開2011−238438号公報
しかしながら、特許文献1に記載された燃料電池用触媒インクは、燃料電池用電極を製造する際の間欠塗工性の向上及び触媒インク塗膜のひび割れ発生の抑制効果を有するものの、当該触媒インクを利用した燃料電池の電池性能は、一価アルコールを使用した従来の触媒インクと同等であるか低下しない程度であって、格別な向上は見られていない。また、特許文献2に開示された燃料電池用触媒インクは、一価アルコールを含有するものであり、当該燃料電池用触媒インクからなる塗膜のひび割れを抑制できるものとなっているが、その発電性能への効果は記載されていない。
本発明は、かかる技術的事情に鑑みてなされたものであって燃料電池としての発電性能を大幅に向上させることができる燃料電池用触媒インクを提供することを課題とする。また、本発明は、当該燃料電池用触媒インクを触媒層に用いた燃料電池用電極及びその製造方法を提供することを課題とする。
本件発明者等は、鋭意検討を行った結果、燃料電池用触媒インクの成分として、触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質と水とアルコールとのイオノマー溶液を含有させ、アルコールとして一価アルコールを含まず多価アルコールのみを用いることにより、当該触媒インクを用いた発電性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
(1) 活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液を含有する触媒インクであって、
前記アルコールは、多価アルコールのみからなることを特徴とする燃料電池用触媒インク。
(2) 前記イオノマー溶液は、前記水100重量部に対し、前記多価アルコールを0.1〜50.0重量部含有することを特徴とする(1)に記載の燃料電池用触媒インク。
(3) 前記多価アルコールは、グリセリンであることを特徴とする(1)又は(2)いずれか1に記載の燃料電池用触媒インク。
(4) ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層とを備えた燃料電池用電極であって、
前記触媒層は、(1)〜(3)いずれか1に記載の燃料電池用触媒インクを用いて形成されたことを特徴とする燃料電池用電極。
(5) ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層と、前記ガス拡散層と前記触媒層との間に中間層が形成された燃料電池用電極であって、
前記触媒層は、(1)〜(3)いずれか1に記載の燃料電池用触媒インクを用いて形成され、
前記中間層は、カーボン粉末と水素イオン伝導性高分子電解質と一価アルコール及び/又は多価アルコールとを含有するカーボンインクを用いて形成されていることを特徴とする燃料電池用電極。
(6) 前記カーボンインクに含有される前記多価アルコールは、グリセリンであることを特徴とする(5)記載の燃料電池用電極。
(7) (4)〜(6)いずれか1に記載の燃料電池用電極を備えていることを特徴とする膜/電極接合体(MEA)。
(8) ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層とを備えた燃料電池用電極の製造方法であって、
活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液とを含有する触媒インクを前記ガス拡散層に塗布する工程と、
前記触媒インクが塗布された前記ガス拡散層を乾燥させ、前記触媒層を形成させる工程とを備え、
前記アルコールは、多価アルコールのみからなることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
(9) ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層と、
前記ガス拡散層と前記触媒層との間に形成された中間層と、を備えた燃料電池用電極の製造方法であって、
カーボン粉末と、水素イオン伝導性高分子電解質と、アルコールとを含有するカーボンインクを前記ガス拡散層に塗布する工程と、
前記カーボンインクが塗布された前記ガス拡散層を乾燥させ、前記中間層を形成させる工程と、
活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液を含有する触媒インクを前記中間層に塗布する工程と、
前記触媒インクが塗布された前記中間層を乾燥させ、触媒層を形成させる工程と、を備え、
前記触媒インクに含まれるアルコールが多価アルコールのみからなり、
前記カーボンインクに含まれるアルコールが一価アルコール及び/又は多価アルコール
であることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
(10) 前記中間層を形成させる工程は、前記カーボンインクが塗布されたガス拡散層を乾燥させ、中間層を形成させた後、
前記中間層を沸騰水で洗浄し、乾燥させる工程と、を備えたことを特徴とする(9)に記載の燃料電池用電極の製造方法。
本発明によれば、従来の燃料電池用電極に比較して発電性能を向上させることができる燃料電池用触媒インクが提供される。また、本発明によれば従来の燃料電池用電極に比較して発電性能にきわめて優れた燃料電池用電極が提供される。
燃料電池用触媒インクを用いた電極を採用する燃料電池の構造を示したモデル図である。 燃料電池用触媒インクを用いた触媒層を備えた電極の構造を示したモデル図である。 燃料電池用触媒インクを用いた触媒層と中間層を備えた電極の構造をモデル図である。 燃料電池用触媒インクを用いた燃料電池及びシステムの製造工程を示したフローチャートである。 燃料電池用触媒インクを用いた電極を採用する燃料電池の電池性能を示したグラフである(電流密度0〜2.0A)。 燃料電池用触媒インクを用いた電極を採用する燃料電池の電池性能を示したグラフである(電流密度0.001〜1.0A)。 燃料電池用触媒インクを用いた電極を採用する燃料電池の質量活性の向上を示したグラフである。
<燃料電池セルの構造>
図1は本発明の燃料電池用触媒用インクを用いた電極を備えた燃料電池用セル1の構造モデル図である。図1に示された燃料電池用セル1は、燃料電池本体の構成単位である。図1に示された燃料電池用セル1は、一単位セルであり、一単位セルを複数積み重ねることにより、スタックと呼ばれる燃料電池用セルの部材を形成する。
燃料電池用セル1は、電極である負極20a(アノード)と正極20b(カソード)を仕切る電解質30を備えた膜/電極接合体(MEA)の負極20a(アノード)側と正極20b(カソード)側の両面をセパレータ10a、10bにより挟持することにより形成される。本発明において、燃料電池用セル1の技術的特徴は、電極である負極20a(アノード)と正極20b(カソード)に使用されている燃料電池用触媒インクにあるので、燃料電池用触媒インクについて説明し、当該燃料電池用触媒インクを用いた燃料電池用電極及びその製造方法について説明する。
<燃料電池用触媒インク>
本発明の燃料電池用触媒インクは、触媒粒子とイオノマー溶液を主要な構成成分とし、該イオノマー溶液は水素イオン伝導性高分子電解質と水とアルコールとを含有することを特徴とする。燃料電池用触媒インクは電極である負極20a(アノード)及び正極20b(カソード)を構成する電極基材200上に形成される触媒層220に含まれる成分である。触媒層220に含まれる燃料電池用触媒インク中の触媒粒子が外部より導入される燃料又は空気と化学反応をすることにより、起電力が発生する。
(触媒粒子)
燃料電池用触媒インクに含まれる触媒粒子は、担体と活性金属をその主成分とし、活性金属が担体に担持されることによって形成されている。
触媒粒子に用いることができる活性金属は、負極(アノード)における水素ガスの酸化反応、及び正極(カソード)における酸素ガスの還元反応を十分に行うことができる金属であれば、特に制限されるものではない。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又はこれらのいずれかの金属を組み合わせからなる合金を例示することができる。特に、固体高分子形燃料電池用の触媒インクの活性金属としては、その触媒性能の観点から、負極(アノード)及び正極(カソード)の両方の電極に白金、あるいは白金を含有する合金やコアシェル構造体を使用することが好ましい。
また、負極20a(アノード)に導入される水素ガスにいわゆる改質ガスを使用した場合には、水素ガスに微量の一酸化炭素(CO)が含まれている場合がある。このため、触媒粒子に一酸化炭素(CO)に対する耐被毒性を持たせるために、活性金属として白金とルテニウム等の他の金属との合金を使用することが好ましい。
活性金属は、電極上における化学反応を十分に大きくするために、微粒子化することが好ましい。また、活性金属の担持率は、燃料電池の使用態様、負極(アノード)及び正極(カソード)に必要な化学反応の程度により、適宜設定することができ、特に制限されるものではない。活性金属の担持率としては、例えば、5〜50重量%であってもよい。燃料電池の使用態様によっては、さらに活性金属の担持率を上げ、活性金属が高密度に担持された触媒粒子としてもよい。しかしながら、白金等の活性金属は非常に高価であるため、白金等の活性金属の使用量を低減させ、その担持率を下げることが必要となる。
触媒粒子を構成する担体は、活性金属を担持することができ、イオノマー溶液中で分散することができる担体であれば、特に制限されるものではない。触媒粒子を構成する担体としては、活性金属との吸着性、担体の表面積の観点から、例えば、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、活性炭、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等を使用することができる。なお、触媒粒子は、活性金属を粒子またはイオンとして含む溶液を用いた含浸法や液相還元法、あるいは電気化学的析出反応等の公知の方法により、活性金属を担体に担持させることにより製造される。
(イオノマー溶液)
燃料電池用触媒インクは、水とアルコールと水素イオン電導性高分子電解質から成るイオノマー溶液を含有する。イオノマー溶液は、水を必須の構成成分とする。イオノマー溶液に含まれているアルコールは、多価アルコールであることを特徴としている。多価アルコールは、一価アルコール以外のアルコールをいう。すなわち、本発明の燃料電池用触媒インクは、その溶媒成分として通常使用されている一価アルコールを使用することなく、多価アルコールのみを使用し、イオノマー溶液の物理的性質を制御する点に技術的特徴を有する。
一般に、一価アルコールは、インク調製時の混合工程ならびに電極形成過程での塗布や乾燥工程において活性金属と接触することにより発熱し、触媒粒子の凝集を促進するものと考えられる。触媒粒子が凝集すると、その粒子の最表面に位置する活性金属原子だけが発電に寄与できるため、電極中に存在する活性金属の全量を十分に利用することができず、発電性能が低くなる。一方、多価アルコールは一価アルコールに比べて反応性が低いため触媒粒子を凝集させる作用が無く、発電性能を低下させることが無いものと考えられる。
イオノマー溶液に使用することができる多価アルコールは、水と混合した際に、そのイオノマー溶液中の触媒粒子の分散状態が良好であり、かつ触媒粒子を電極の触媒層全体に広く行き渡らせることができるアルコールであれば特に制限されるものではない。
イオノマー溶液の粘度が適度な範囲内であると、触媒粒子を電極の触媒層内に広く行き渡らせることができ、触媒粒子の分散状態が良好となる。その結果、有効に作用する触媒粒子が増加して発電性能が向上するので好ましい。
また、触媒層を形成する際には、触媒インクの塗布膜が短時間で乾燥することが必要となるが、イオノマー溶液の粘度を適度な範囲内に維持することにより、触媒インク塗布膜の均一性を損なうことなく短時間で乾燥し、また、乾燥するために多くの熱量を必要とすることもなく、燃料電池用電極に適した厚みを持った触媒層を形成することができる。
イオノマー溶液に含まれる多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール又は三価アルコールが挙げられる。二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオールを例示することができ、三価アルコールとしては例えば、グリセリンを例示することができる。これらの二価または三価アルコールの中でも水との相溶性の観点から比較的炭素数の少ないものが好ましく、さらに工業的に安定的かつ安価に入手でき、有害性が無いか極力低いものが好ましく、なかでも粘度調整作用に優れるグリセリンやポリエチレングリコール類が好ましい。
イオノマー溶液は、水と多価アルコールをその成分として含むものであり、水と多価アルコールとの混合比率は、インクを塗布する方法に適した粘度を与える比率であればよく、通常、水100重量部に対して、多価アルコールを0.1〜50.0重量部含有することが好ましい。また、イオノマー溶液に含まれる多価アルコールは、1種類であっても2種類以上であっても良く、必要とされる粘度等の物理的性質を損なわない範囲で複数の多価アルコールを混合することもできる。さらに、イオノマー溶液には、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を適宜含有させることもできる。
(水素イオン伝導性高分子電解質)
燃料電池用触媒インクは、触媒粒子を分散させ、燃料電池用電極を構成する部材であるガス拡散層との密着性を高めるためバインダー成分として、水素イオン導電性高分子電解質を含有する。燃料電池用触媒インクに含有される触媒粒子は、負極(アノード)において、外部より供給される水素ガスと接触して水素イオンを発生させる。ここで発生した水素イオンは、電解質中を通過して正極(カソード)まで移動した後さらに触媒粒子状で酸素と反応する。このため、燃料電池用触媒インクに含まれるバインダーは、水素イオン伝導性を備えていることが必要である。
水素イオン伝導性高分子電解質は、特に制限されるものではないが、公知のスルホン酸基、カルボン酸基を有するパーフルオロカーボン樹脂を例示することができる。容易に入手可能な水素イオン伝導性高分子電解質としては、ナフィオン(登録商標)を例示することができる。
燃料電池用触媒インクは、上記説明した触媒粒子、イオノマー溶液及び水素イオン伝導高分子電解質を混合し、粉砕、撹拌することにより作製することができる。燃料電池用触媒インクの作製は、ボールミル、超音波分散機等の粉砕混合機を使用して調製することができる。粉砕混合機を操作する際の粉砕条件及び撹拌条件は、燃料電池用触媒インクの態様に応じて適宜設定することができる。
燃料電池用触媒インクに含まれる触媒粒子及びイオノマー溶液ならびに水素イオン伝導性高分子電解質と多価アルコールの各組成は、触媒媒粒子の分散状態が良好であり、かつ触媒粒子を電極の触媒層全体に広く行き渡らせ、発電性能を向上させることができるように設定することが必要である。触媒粒子1.0重量部に対し、水素イオン伝導性高分子電解質0.1〜2.0重量部、多価アルコール0.01〜2.0重量部、水2.0〜20.0重量部とすることが好ましい。さらに好ましくは、触媒粒子1.0重量部に対し水素イオン伝導性高分子電解質0.3〜1.0重量部、多価アルコール0.1〜2.0重量部、水5.0〜6.0重量部であることが好ましい。各成分の組成が上記範囲内にあると燃料電池用触媒インクからなる塗布膜が成膜時に広がりすぎないため好ましく、また、燃料電池用触媒インクからなる塗布膜が適度かつ均一な厚さの塗膜を形成することができるため好ましい。なお、水素イオン伝導性高分子電解質の重量は乾燥状態の重量であって水素イオン伝導性高分子電解質溶液中の溶媒を含まない状態の重量であり、水の重量は水素イオン電導性高分子電解質溶液中に含まれる水を含む重量である。
<燃料電池用電極>
本発明の燃料電池用電極は、ガス拡散層とガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層とを備えている。以下、燃料電池用電極が備えている部材について説明する。
(ガス拡散層)
図2に示された燃料電池用電極が備えているガス拡散層200は、燃料電池用セル1の外部より、セパレータ10aとガス拡散層200との間に形成されているガス流路に導入される水素ガス、セパレータ10bとガス拡散層200との間に形成されているガス流路に導入される空気(酸素ガス)をそれぞれの触媒層220に拡散するために設けられている層である。また、ガス拡散層200は、触媒層220を燃料電池用電極に支持して、燃料電池用電極表面に固定化する役割を有している。ガス拡散層200は、触媒層220に含まれる触媒粒子と水素ガス、空気(酸素ガス)との接触を高める役割を有している。
ガス拡散層200は、ガス拡散層200から供給された水素ガス又は空気(酸素ガス)を良好に通過させて触媒層220に到達させる機能を有している。このため、ガス拡散層200は、ガス拡散層200に存在するミクロ構造である細孔構造が燃料電池用触媒成分である触媒粒子、正極(カソード)に生成する水により、塞がれることがないようにするため、撥水性を有していることが好ましい。このため、ガス拡散層200は、PTFE等の撥水成分を有している。
ガス拡散層200に用いることができる部材は、特に制限されるものではなく、燃料電池用電極のガス拡散層に用いられている公知の部材を用いることができる。例えば、カーボンペーパー、カーボンペーパーを主原料とし、その任意成分としてカーボン粉末、イオン交換水、バインダーとしてポリエチレンテレフタレートディスパージョンからなる副原料をカーボンペーパーに塗布したものが挙げられる。ガス拡散層200の厚みは、燃料電池用セルの大きさ等により適宜設定することができ、特に制限されるものではないが、反応ガスの拡散距離を短くするためには薄いものが好ましいが塗布ならびに組立工程での機械的強度を有することも併せて求められるので、例えば、通常50〜300μm程度のものが使用される。
(触媒層)
触媒層220は、負極20a(アノード)において、ガス拡散層200から送られた水素ガスが触媒層220に含まれている触媒粒子の作用により水素イオンに解離する化学反応が行われる層である。また、触媒層220は、正極20b(カソード)において、ガス拡散層200から送られた空気(酸素ガス)とアノードから電解質膜中を移動してきた水素イオンが触媒層220に含まれている触媒粒子の作用により結合する化学反応が行われる層である。
触媒層220は、上記燃料電池用触媒インクを用いて形成されている。触媒層220は、触媒層220を形成する燃料電池用触媒インク中に含まれる触媒粒子とガス拡散層200から送られた水素ガス又は空気(酸素ガス)との反応を十分に行わせることができるように大きい表面積を有していることが好ましい。また、触媒層220は、全体に亘って均一な厚みを有するように形成されていることが好ましい。触媒層220の厚みは適宜調整すればよく、2〜200μmであることが好ましい。
(中間層)
図3に示すように、燃料電池用電極20である負極20a(アノード)及び正極20b(カソード)は、ガス拡散層200、触媒層220との間に中間層240を備えていてもよい。すなわち、この燃料電池用電極20は、ガス拡散層200、中間層240及び触媒層220を備えた三層構造を有する燃料電池用電極20である。
燃料電池用電極20は、中間層240を備え、ガス拡散層200、中間層240及び触媒層220を備えており、各層の厚みが均一な三層構造を有する燃料電池用電極を形成している。燃料電池用電極20は、中間層240を設けることによって、触媒層220を形成する燃料電池用触媒インクが撥水性を有するガス拡散層200により、はじかれることがないようにして、各層の厚みが均一な三層構造を可能としている。
中間層240は、カーボン粉末と水素イオン伝導性高分子電解質と一価アルコール及び/又は多価アルコールとを含有するカーボンインクから形成される。このようなカーボンインクを採用した中間層240は、触媒層220及びガス拡散層200の両者に相溶性を有するものであり、ガス拡散層200及び触媒層220を形成する塗布膜に対して、はじきのないものとなっている。
カーボン粉末としては、カーボンブラックと総称される導電性カーボンが一般的に使用されるが特にこれに制限されるものではなく、黒鉛、炭素繊維、活性炭やその粉砕物、カーボンナノチューブ等の炭素化合物も使用できる。また、水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、触媒層220に用いた高分子電解質と同一または類似の成分からなる水素イオン伝導性高分子電解質、公知のスルホン酸基、カルボン酸基を有するパーフルオロカーボン樹脂を溶媒に溶解させたものを塗布剤とし、中間層240に用いるカーボンインクとすることができる。
カーボンインクに使用することができる溶媒としては、触媒層220及びガス拡散層200に含まれる溶媒と相溶性を有するものであることが好ましい。カーボンインクに用いる溶媒をガス拡散層200及び触媒層220と相溶性を有するものとすることにより、ガス拡散層200及び触媒層220とのはじきがなくなり、各層の厚みが均一な三層構造を有する燃料電池用電極を形成することができるからである。
具体的にカーボンインクに用いることができる溶媒は、一価アルコール又は多価アルコール、エーテルであることが好ましい。一価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。多価アルコールとしては、二価アルコール又は三価アルコールが挙げられる。二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオールを例示することができる。三価アルコールとしては、グリセリンを例示することができる。
<燃料電池用電極の製造方法>
次に、本発明の燃料電池用電極の製造方法について説明する。燃料電池用電極の製造方法は、活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液を含有する燃料電池用触媒インクをガス拡散層に塗布する工程と、この触媒インクが塗布されたガス拡散層を乾燥させ、触媒層を形成させる工程とを備え、アルコールは、多価アルコールのみからなることを特徴とする。以下、各工程について説明する。図4に燃料電池用電極の製造方法の各工程を示した。
(燃料電池用触媒インクを塗布する工程)
本発明の燃料電池用電極の製造方法において、燃料電池用触媒インクを塗布する工程は、ガス拡散層200上に燃料電池用触媒インクを塗布する工程である。この燃料電池用触媒インクは、既に説明した活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液とを含有する燃料電池用触媒インクである。また、ガス拡散層は、上記燃料電池用電極の構成部材として採用している部材と同一のものである。
燃料電池用触媒インクをガス拡散層200上に塗布する方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が挙げられる。例えば、バーコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、スプレー法等を挙げることができる。なお、燃料電池用触媒インクを塗布する方法は、当該触媒インクの形態により適宜採択することができる。
燃料電池用触媒インクをガス拡散層200上に塗布する工程において重要なことは、ガス拡散層200上に燃料電池用触媒インクを均一に塗布することである。燃料電池用触媒インクを均一に塗布することにより、ガス拡散層200上に均一な厚みを有する燃料電池用触媒インクからなる塗布膜が形成される。燃料電池用触媒インクの塗布量は、燃料電池の使用形態により適宜設定することができるが、燃料電池用電極を備えた燃料電池の電池性能の観点から、触媒層に含まれる白金等の活性金属の量として、0.1〜0.5(mg/cm2)であることが好ましい。
(触媒層形成工程)
次に、燃料電池用触媒インクがガス拡散層200上に塗布された後、このガス拡散層200に塗布された燃料電池用触媒インクの塗布膜を乾燥させて、ガス拡散層200上に触媒層220を形成させる。燃料電池用触媒インクの塗布膜が形成されたガス拡散層200を加熱することにより、燃料電池用触媒インクに含まれるイオノマー溶液中の水及び多価アルコールが気化し、燃料電池用触媒インクから消失する。その結果、燃料電池用触媒インクを塗布する工程において、ガス拡散層200上に存在している燃料電池用触媒インクの塗布膜は、触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質から形成される触媒層220となる。燃料電池用触媒インクからなる塗布膜を乾燥させる温度は、イオノマー溶液に含まれる水、多価アルコールの種類、及びこれらの組成により適宜設定することができる。
本発明の燃料電池用電極の製造方法は、燃料電池用触媒インクの溶媒成分に一価アルコールを含まないイオノマー溶液を採用しているため、ガス拡散層200上に触媒粒子が均一に分散し、かつガス拡散層上全体に一定の厚みを有する触媒層220を形成することができる。
(中間層形成工程)
本発明の燃料電池用電極の製造方法は、上記燃料電池用触媒インクを塗布する工程の前に、ガス拡散層200に中間層240を形成する工程を設けてもよい。中間層240は、カーボン粉末と、水素イオン伝導性高分子電解質と、アルコールとを含有するカーボンインクをガス拡散層に塗布する工程と、カーボンインクが塗布されたガス拡散層を乾燥させる工程により形成される。カーボンインクをガス拡散層に塗布する方法、及びカーボンインクからなる塗布膜を乾燥させる方法は、上記で説明した触媒インクからなる塗布膜を乾燥させる方法に準じて行う。
中間層形成工程を経て、ガス拡散層200上に中間層240が形成される。その後、中間層240上に触媒層220を形成させる。中間層240を形成するカーボンインクからなる塗布膜には、一価アルコール及び/又は多価アルコールが含まれている。このため、カーボンインクからなる塗布膜とガス拡散層200及び触媒層220とのそれぞれの界面における相溶性が良好となる。その結果、中間層形成工程により、ガス拡散層200及び触媒層220に対して、はじきがなく、均一かつムラのないカーボンインクからなる塗布膜を形成することができる。
中間層形成工程を採用することにより、ガス拡散層200、中間層240及び触媒層220を備えた三層構造を有する燃料電池用電極を得ることができる。
さらに、中間層形成工程は、上記中間層形成工程を経て形成された中間層を沸騰水で洗浄し、乾燥させる工程を備えていてもよい。形成された中間層を洗浄することによって、中間層に残存していた不純物等が除去され、洗浄後の中間層上に触媒層220を形成することができる。そして、中間層形成後の洗浄工程を経ることにより、三層構造を有する燃料電池用電極の発電性能がさらに向上する。
<膜/電極接合体(MEA)>
膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)は、本発明の燃料電池用触媒インクを用いた燃料電池用電極である負極20a(アノード)と正極20b(カソード)とこれらの電極を仕切る電解質30を備えている。膜/電極接合体(MEA)は、負極20a(アノード)、電解質30及び正極20b(カソード)をこの順序により積層した後、圧着することにより製造することができる。
さらに、得られた膜/電極接合体(MEA)の負極20a(アノード)及び正極20b(カソード)にセパレータを取り付け、一単位セル(単電池)とし、当該セルを集積させてスタックとする。スタックに周辺機器を取り付け、組み立てることにより、燃料電池システムが完成する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(燃料電池用触媒インクの製造)
テフロン製のボールミル容器とテフロン製ボールを備えた反応容器(以下「BM」と略する。)に触媒粉末(エヌ・イーケムキャット株式会社製「Pt担持カーボン触媒」:商品名「SA50BK」)1.0g(Pt担持率50wt%)と、イオン交換水3.0gをBM中に投入し、さらに、10wt%ナフィオン水溶液(デュポン社製 商品名「DE1020CS」)10.0gとグリセリン0.5gを加えて混合した。その後、反応容器を600rpmにて1分間撹拌して、上記燃料電池用触媒インクの原料を粉砕混合し、本発明の燃料電池用触媒インクを製造した。
(ガス拡散層(GDL)の作製)
カーボン粉末(電気化学工業株式会社製 商品名「デンカブラック」)と界面活性剤(ダウ・ケミカル社製 商品名「トライトン」(35%水溶液))をイオン交換水とともにBMに投入し、十分に混合する。さらに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン(三井・デュポン フロロケミカル社製 商品名「31−JR」をBM中に追加投入して混合した。上記混合した溶液を十分に撹拌し、ガス拡散層(GDL)用カーボン分散液とした。
上記調製したガス拡散層(GDL)用カーボン分散液をカーボンペーパー(東レ株式会社製 商品名「TGP−H−60」)の片面に塗布した。カーボン分散液の塗布は、バーコーダーを使用して行った。その後、カーボンペーパー上に塗布されたカーボン分散液を乾燥器中で十分に乾燥させた後、カーボンペーパーと、カーボン分散液からなる分散液の膜とを加熱圧着した。カーボンペーパーとカーボン分散液からなる分散液の膜を圧着させ、ガス拡散層(GDL)を作製した。
(二層燃料電池用電極及び膜/電極接合体(MEA)の製造)
上記作製したガス拡散層の表面に上記燃料電池用触媒インクをバーコート法にて塗布し、燃料電池用触媒インクからなる塗布膜を形成した。この塗布膜を室温(27℃)にて30分乾燥した後、60℃にて1.0時間乾燥し、触媒層とし、本発明の燃料電池用電極を製造した。
さらに、上記で製造した燃料電池用電極を2枚準備し、それぞれをカソード、アノードとする。そして、電解質膜(デュポン社製 商品名「ナフィオンNR212」)を準備し、上記電解質膜の両面にカソード用燃料電池用電極及びアノード用燃料電池用電極をこれらの電極が備える触媒層が電解質膜に接するように重ね合わせ、ホットプレス機により加熱圧着し、電極接合体(MEA)を製造した。なお、加熱圧着の条件は、140℃、5KNにて5分間、さらに140℃、25KNにて3分間プレスした。
<実施例2>
(三層燃料電池用電極及び膜/電極接合体(MEA)の製造)
実施例1で作製した二層燃料電池用電極において、ガス拡散層(GDL)と触媒層との間に中間層を設け、ガス拡散層(GDL)、中間層及び触媒層を備えた三層燃料電池用電極を得た。さらに、三層燃料電池用電極を2枚準備し、それぞれをカソード、アノードとし、実施例1と同様にして、膜/電極接合体(MEA)を製造した。なお、三層燃料電池用電極の中間層に用いられるカーボンインクは、以下のように製造した。
(中間層の形成)
カーボン粉末(電気化学工業株式会社製 商品名「デンカブラック」)0.3gと5.0wt%ナフィオンアルコール溶液(デュポン社製 商品名「DE520CS」)15.0gをイオン交換水3.0g及びグリセリン3.0gとともにBMに投入し十分に混合し、カーボンインクとした。上記作製したガス拡散層(GDL)の上にバーコーダーを使用して、カーボンインクを塗布し、このカーボンインクからなる膜を乾燥器中で十分に乾燥させ、ガス拡散層(GDL)の上に中間層となるカーボンインク層を備えた燃料電池用電極に用いるガス拡散層(GDL)を製造した。
(触媒層の形成)
上記製造したガス拡散層(GDL)の上にカーボンインク層を備えたガス拡散層(GDL)上に実施例1と同様にして触媒層を形成させた。実施例2において製造された燃料電池用電極は、ガス拡散層(GDL)上に中間層が形成され、さらに中間層上に触媒層が形成されている。実施例2で製造された燃料電池用電極は、ガス拡散層(GDL)、中間層及触媒層を備えた三層構造を有している。
<比較例1>
(一価アルコールの使用)
燃料電池用触媒インクに含まれる10wt%ナフィオン溶液に代えて5wt%ナフィオンアルコール溶液(デュポン社製 商品名「DE520CS」;1-プロパノール48wt%含有)を使用して燃料電池用触媒インクを製造した。この際、インク中のナフィオン含有量と粘度を実施例1と等価とするため、5wt%ナフィオンアルコール溶液の添加量を20.0g、グリセリンの添加量を1.0gとした以外は、実施例1と同様にして燃料電池用触媒インクを製造した。さらに、比較例1で製造した燃料電池用触媒インクを用いて、実施例1と同様に二層燃料電池用電極を製造した。
(膜/電極接合体(MEA)の製造)
比較例1で製造した各燃料電池用電極(アノード、カソード)及び電解質膜をアノード、電解質膜、カソードの順に積層し、実施例1と同様にして膜/電極接合体(MEA)を製造した。
<電池性能評価>
実施例1の燃料電池用電極を用いて製造した膜/電極接合体(MEA)は二層構造であり、実施例2の燃料電池用電極を用いて製造した膜/電極接合体(MEA)は、中間層を有する三層構造である。実施例1、2及び比較例1で製造した膜/電極接合体(MEA)の電池性能を評価した。なお、膜/電極接合体(MEA)の電池性能の評価は、以下の電池性能評価方法に従って行った。
実施例1、2及び比較例1で作製した膜/電極接合体(MEA)を燃料電池単セル評価装置(チノー社製)に組み込んだ。この燃料電池単セル評価装置の単セル温度を80℃とし、アノードには飽和水蒸気にて加湿した1.0気圧の純水素を、カソードには80℃の飽和水蒸気にて加湿した1.0気圧の純酸素をそれぞれの利用率がアノード70%、カソード50%となるように流量を増加させ、燃料電池単セル内での発電反応を進行させた。燃料電池の出力の評価は、燃料電池単セル評価装置付属の電子負荷装置により電流を制御して行い、電流値を0〜1.0A/cm2まで走査して得られる電圧をデータとして取得した。この結果を図5に示す。
上記測定データを、X軸(電流密度)を対数目盛としてプロットし直した図6から、電圧850mVに相当する電流密度(電極の単位面積当たりの電流値)を得た。このようにして得られた電流密度の値を電極の単位面積当たりの白金重量で除することにより、活性金属単位重量当たりの燃料電池出力として算出した。そして、算出された燃料電池出力を燃料電池用触媒インクの「質量活性」と規定し、触媒の酸素還元能の指標とした。結果を表1に示した。なお、図5は、電流値を0〜1.0Aまで走査して得られる電圧をデータを示し、図6は、0.001〜1.0Aまで走査して得られる電圧をデータを示す。
表1、図5及び6によれば、実施例1の燃料電池用電極触媒インクの成分を水と多価アルコールを含有するイオノマー溶液とすることにより、従来の一価アルコールを使用した場合に比較して電池性能がきわめて向上していることが明瞭に理解できる。さらに、実施例2からも明らかなように燃料電池用電極触媒インクの成分を水と多価アルコールを含有するイオノマー溶液とし、さらに燃料電池用電極の構造を触媒層とガス拡散層の間にカーボンインクを含有した中間層を設けることにより、850mvにおける質量活性が飛躍的に向上することが判明した。
図7は、実施例1、2及び比較例1において、燃料電池用電極触媒インクの成分を水と多価アルコールを含有するイオノマー溶液とした電極を用いた膜/電極接合体(MEA)と従来の一価アルコールを使用した電極を用いた膜/電極接合体(MEA)の質量活性を比較したデータを示す。
図7からも明らかなように、燃料電池用電極触媒インクの成分を水と多価アルコールを含有するイオノマー溶液とした電極を用いた膜/電極接合体(MEA)の質量活性は、従来の一価アルコールを使用した電極を用いた膜/電極接合体(MEA)の質量活性の2.5倍であることが判明した。これらの結果から、燃料電池用電極触媒インクの成分を水と多価アルコールを含有するイオノマー溶液とした電極を採用することにより、燃料電池用電極としての発電性能を向上できることが理解できる。さらに、燃料電池用電極触媒インクの成分を水と多価アルコールを含有するイオノマー溶液とし、触媒層とガス拡散層との間に中間層を設けることにより燃料電池用電極としての発電性能を大幅に向上させることができる。
本発明の燃料電池用触媒インクは、触媒粒子の分散状態を良好に保持し、触媒粒子が電極の触媒層全体に広く行き渡せ、発電性能を向上させることができるものであり、この結果、従来よりはるかに少量の白金(活性金属)量であっても実用的な発電能力を得ることができる。このことは、燃料電池自動車、携帯モバイル等の電機機器産業のみならず、エネファーム、コジェネレーションシステム等のエネルギー産業の発達に寄与するものである。
1 燃料電池用セル
2 膜/電極接合体(MEA)
10a セパレータ(水素ガス:燃料側)
10b セパレータ(酸素ガス:空気側)
20a 燃料電池用電極(負極:アノード)
20b 燃料電池用電極(正極:カソード)
30 電解質
200 ガス拡散層
220 触媒層
240 中間層

Claims (10)

  1. 活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液を含有する触媒インクであって、
    前記アルコールは、多価アルコールのみからなることを特徴とする燃料電池用触媒インク。
  2. 前記イオノマー溶液は、前記水100重量部に対し、前記多価アルコールを0.1〜50.0重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒インク。
  3. 前記多価アルコールは、グリセリンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用触媒インク。
  4. ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層とを備えた燃料電池用電極であって、
    前記触媒層は、請求項1〜3いずれか1項に記載の燃料電池用触媒インクを用いて形成されたことを特徴とする燃料電池用電極。
  5. ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層と、前記ガス拡散層と前記触媒層との間に中間層が形成された燃料電池用電極であって、
    前記触媒層は、請求項1〜3いずれか1項に記載の燃料電池用触媒インクを用いて形成され、
    前記中間層は、カーボン粉末と水素イオン伝導性高分子電解質と一価アルコール及び/又は多価アルコールとを含有するカーボンインクを用いて形成されていることを特徴とする燃料電池用電極。
  6. 前記カーボンインクに含有される前記多価アルコールは、グリセリンであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用電極。
  7. 請求項4〜6いずれか1項に記載の燃料電池用電極を備えていることを特徴とする膜/電極接合体(MEA)。
  8. ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層とを備えた燃料電池用電極の製造方法であって、
    活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液とを含有する触媒インクを前記ガス拡散層に塗布する工程と、
    前記触媒インクが塗布された前記ガス拡散層を乾燥させ、前記触媒層を形成させる工程とを備え、
    前記アルコールは、多価アルコールのみからなることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  9. ガス拡散層と、前記ガス拡散層の少なくとも一面に積層された触媒層と、
    前記ガス拡散層と前記触媒層との間に形成された中間層と、を備えた燃料電池用電極の製造方法であって、
    カーボン粉末と、水素イオン伝導性高分子電解質と、アルコールとを含有するカーボンインクを前記ガス拡散層に塗布する工程と、
    前記カーボンインクが塗布された前記ガス拡散層を乾燥させ、前記中間層を形成させる工程と、
    活性金属が担体に担持されてなる触媒粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質と、水とアルコールとのイオノマー溶液を含有する触媒インクを前記中間層に塗布する工程と、
    前記触媒インクが塗布された前記中間層を乾燥させ、触媒層を形成させる工程と、を備え、
    前記触媒インクに含まれるアルコールが多価アルコールのみからなり、
    前記カーボンインクに含まれるアルコールが一価アルコール及び/又は多価アルコール
    であることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  10. 前記中間層を形成させる工程は、前記カーボンインクが塗布されたガス拡散層を乾燥させ、中間層を形成させた後、
    前記中間層を沸騰水で洗浄し、乾燥させる工程と、を備えたことを特徴とする請求項9記載の燃料電池用電極の製造方法。
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