JP2002280003A - 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法

Info

Publication number
JP2002280003A
JP2002280003A JP2001079918A JP2001079918A JP2002280003A JP 2002280003 A JP2002280003 A JP 2002280003A JP 2001079918 A JP2001079918 A JP 2001079918A JP 2001079918 A JP2001079918 A JP 2001079918A JP 2002280003 A JP2002280003 A JP 2002280003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
electrolyte membrane
polymer electrolyte
electrode
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001079918A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Hosaka
正人 保坂
Yoshihiro Hori
堀  喜博
Susumu Kobayashi
晋 小林
Kazuhito Hado
一仁 羽藤
Hiroaki Matsuoka
広彰 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001079918A priority Critical patent/JP2002280003A/ja
Publication of JP2002280003A publication Critical patent/JP2002280003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の溶媒は、間欠塗工にむかず、触媒イン
クの安定性が悪く塗膜にひび割れが発生するなどの課題
が生じた。 【解決手段】 触媒を坦持した導電性炭素粒子と、パー
フルオロカーボンスルホン酸重合体と、沸点が水より大
きなアルコール類溶媒とを攪拌混合して触媒インクを生
成し、触媒インクをパーフルオロカーボンスルホン酸重
合体を主成分とする高分子電解質膜に触媒層を形成する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素と酸素とを燃
料として発電を行う高分子電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質を用いた燃料電池は、水素
を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤
ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱と
を同時に発生させるものである。図1に示したようにそ
の構造は、まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子
電解質膜11の両面に、白金系の金属触媒を担持したカ
ーボン粉末を触媒体とし、これに水素イオン伝導性高分
子電解質を混合したもので触媒反応層12を形成する。
現在、高分子電解質膜11としては、化1に示した化学
構造を持つパーフルオロスルホン酸が一般的に使用され
ている。次に、この触媒反応層の外面に、燃料ガスの通
気性と、電子導電性を併せ持つ、例えば撥水処理を施し
たカーボンペーパーで拡散層13を形成する。この触媒
反応層と拡散層とを合わせて電極14と呼ぶ。
【0003】
【化1】
【0004】次に、供給する燃料ガスが外にリークした
り、二種類の燃料ガスが互いに混合しないように、電極
の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガス
ケットを配置する。このシール材やガスケットは、電極
及び高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立て、
これを、電極・電解質膜接合体15を構成する。
【0005】次に、図2において、電極・電解質膜接合
体の外側にはこれを機械的に固定するための導電性のセ
パレータ板21を配置する。セパレータ板21の電極・
電解質膜接合体15と接触する部分には、電極面に反応
ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガ
ス流路22を形成する。ガス流路はセパレータ板と別に
設けることもできるが、セパレータの表面に溝を設けて
ガス流路とする方式が一般的である。このように、一対
のセパレータ21で電極・電解質膜接合体15を固定
し、片側のガス流路に燃料ガスを供給し、他方のガス流
路に酸化剤ガスを供給することで0.8V程度の起電力
を発生させることが出来る。一対のセパレータで電極・
電解質膜接合体を固定したものを単電池23と呼ぶ。
【0006】しかし、通常、燃料電池を電源として使う
とき、数ボルトから数百ボルトの電圧を必要とする。こ
のため、実際には、単電池23を必要とする個数だけ直
列に連結する。このとき、セパレータ21の裏表の両面
にガス流路22を形成し、セパレータ/電極・電解質膜
接合体/セパレータ/電極・電解質膜接合体の繰り返し
で、直列の連結構成にする。
【0007】ガス流路に燃料ガスを供給するためは、燃
料ガスを供給する配管を、使用するセパレータの枚数に
分岐し、その分岐先を直接セパレータ状の溝につなぎ込
む配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼
び、上記のような燃料ガスの供給配管から直接つなぎ込
むタイプを外部マニホールドと呼ぶ。このマニホールド
には、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ぶ形
式のものがある。内部マニホールドとは、ガス流路を形
成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流露の
出入り口をこの孔まで通し、この孔から直接燃料ガスを
供給するものである。
【0008】燃料電池は運転中に発熱するので、電池を
良好な温度状態に維持するために、冷却水等を流通し、
冷却する必要がある。通常、1〜3セル毎に冷却水を流
す冷却部をセパレータとセパレータとの間に挿入する
が、セパレータの背面に冷却水流路を設けて冷却部とす
る場合が多い。上述のセパレータの表面の構成を図3
(a)に、また、裏面の構成を図3(b)に示した。
【0009】図3(a)は、燃料ガスまたは酸化剤ガス
の流路を形成したものであり、図3(b)は、冷却水を
循環させるための溝を形成したものである。図3(a)
において、31aは燃料ガスを注入するための孔であ
り、31bはこのガスを排出するための孔である。32
aは酸化剤ガスを注入するための孔であり、32bはこ
のガスを排出するための孔である。33aは冷却水を注
入するための孔であり、33bはこれを排出するための
孔である。31aから注入した燃料ガスは、ガス流路の
凹部34を通じて、途中蛇行しながら31bへと導かれ
る。35はガス流路の凸部である。36は、燃料ガス、
酸化剤ガス及び冷却水をシールするためのシール剤であ
る。
【0010】また、このような高分子電解質型燃料電池
に用いるセパレータは、導電性が高く、かつ燃料ガスに
対して高いガス気密性を持ち、更に水素/酸素を酸化還
元する際の反応に対して高い耐食性、即ち耐酸性を持つ
必要がある。このような理由で従来のセパレータは、グ
ラッシーカーボン板の表面に切削加工でガス流路を形成
したり、またガス流路溝を形成したプレス金型にバイン
ダーと共に膨張黒鉛粉末を入れ、これをプレス加工した
後、加熱焼成することで作製していた。
【0011】また、近年、従来より使用されたカーボン
材料に代えて、ステンレスなどの金属板を用いる試みが
行われている。金属板を用いたセパレータは、金属板が
高温で酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間使用する
と、金属板の腐食や溶解が起こる。金属板が腐食する
と、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出力が低下す
る。また、金属板が溶解すると、溶解した金属イオンが
高分子電解質に拡散し、これが高分子電解質のイオン交
換サイトにトラップされ、結果的に高分子電解質自身の
イオン電導性が低下する。
【0012】このような劣化を避けるため金属板の表面
にある程度の厚さを持つ金メッキを施すこと通例であっ
た。さらに、エポキシ樹脂などに金属粉を混ぜることで
作成した導電性樹脂で作成したセパレータが検討されて
いる。
【0013】以上のような電極・電解質膜接合体とセパ
レータおよび冷却部を交互に重ねていき、10〜200
セル積層した後、集電板と絶縁板を介し、端板でこれを
挟み、締結ボルトで両端から固定するのが一般的な構造
であり、これを燃料電池スタックと呼ぶ。この概略を図
4に示した。図4において、41は単電池であり、必要
とする数だけ積層する。42は単板であり、複数の締結
ボルト43で締め上げる。44a、45a及び46aは
それぞれ、酸化剤ガス、燃料ガス、冷却水注入用の孔で
あり、44b、45b及び46bはそれぞれこれらの排
出用の孔である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上に示した燃料電池
のMEAを製造する際には、触媒インクの溶媒としてエ
チルアルコールが使用されることが多い。エチルアルコ
ールは溶媒としては取り扱い易いが、乾燥速度が速く、
粘度も低いため、コーターのような連続塗工には向いて
いる触媒インクを供給することができる。しかし、間欠
塗工やスクリーン印刷やグラビア印刷でMEAを製造す
る場合には、混合溶液の粘度が低く、チクソ性がないこ
とや、溶剤の乾燥が速く、塗膜にひび割れが発生するな
どの課題が生じる。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め本発明の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法
は、触媒を坦持した導電性炭素粒子とパーフルオロカー
ボンスルホン酸重合体と沸点が水より大きな溶媒とを攪
拌混合して触媒インクを生成する工程と、パーフルオロ
カーボンスルホン酸を重合体した高分子電解質膜に前記
触媒インクを塗布し乾燥することで触媒層を形成する工
程とを有することを特徴とする。
【0016】このとき、溶媒が2価あるいは3価のアル
コール類であることが有効である。
【0017】また、触媒インクの固形分比が20〜50
重量%であることが有効である。
【0018】さらに、触媒インクの粘度が20〜100
ポイズであることが有効である。
【0019】また、触媒を坦持した導電性炭素粒子とパ
ーフルオロカーボンスルホン酸重合体と沸点が水より大
きな溶媒とを攪拌混合して触媒インクを生成する工程
と、パーフルオロカーボンスルホン酸を重合体した高分
子電解質膜の裏表の両面に前記触媒インクを塗布し乾燥
することで触媒層を形成する工程と、前記一対の触媒層
の外面を一対のガス拡散層で挟持する電解質膜電極の前
駆体作成工程と、前記電解質膜電極の前駆体に熱間圧縮
加工を施す工程とを有することを特徴とする高分子電解
質型燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法である。
【0020】このとき、溶媒が2価あるいは3価のアル
コール類であることが有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】触媒を坦持した導電性炭素粒子
と、パーフルオロカーボンスルホン酸重合体と、沸点が
水より大きなアルコール類溶媒とを攪拌混合して触媒イ
ンクを生成し、触媒インクをパーフルオロカーボンスル
ホン酸重合体を主成分とする高分子電解質膜に触媒層を
形成するものである。さらに、溶媒が2価あるいは3価
のアルコール類であることや、触媒インクの固形分比が
20〜50%であるものである。また、触媒を坦持した
導電性炭素粒子と、パーフルオロカーボンスルホン酸重
合体と、沸点が水より大きなアルコール類溶媒とを攪拌
混合して触媒インクを生成し、触媒インクをパーフルオ
ロカーボンスルホン酸重合体を主成分とする高分子電解
質膜の両面に触媒層を形成し、触媒層それぞれの外面に
ガス拡散層を有する電極を備え、2枚のガス拡散層で触
媒層を介して高分子膜をはさみ、熱間圧縮加工により電
極・電解質膜接合体を作成するものである。さらに、溶
媒が2価あるいは3価のアルコール類であるものであ
る。
【0022】以下に、本発明の実施の形態を、実施例を
用いて説明する。
【0023】
【実施例】(実施例1)図1に示すように、電極・電解
質膜接合体15は高分子電解質膜11と高分子電解質膜
11の両面に触媒層12a、bを有し、触媒層12a、
bそれぞれの外面にガス拡散層13を有する構成になっ
ている。本発明はこのような構成の電極・電解質膜接合
体の製造方法に関するもので、以下のようにして作成さ
れる。
【0024】パーフルオロカーボンスルホン酸重合体の
前駆体を溶融し、膜厚が5ミクロンから50ミクロンに
なるように塗布し、乾燥させ、外寸が20cm×32c
mの大きさに押し出し成型法あるいはキャスト法で成膜
し、アニール処理後加水分解して酸型に転化した高分子
電解質膜11を作成した。
【0025】空気極側の触媒は平均粒径50〜60nm
の導電性炭素粒子に平均粒径約2〜3nmの白金粒子を
50重量%担持したものを使用し、燃料極極側の触媒は
この導電性炭素粒子に、平均粒径約2〜3nmの白金粒
子とルテニウム粒子とを、それぞれ25重量%担持した
ものを使用した。
【0026】燃料極の触媒インクは白金粒子とルテニウ
ム粒子を担持した導電性炭素粒子5gに、予めイオン交
換水10gを添加混合したのちに、パーフルオロカーボ
ンスルホン酸重合体の75wt%エチレングリコール溶
液20gを添加して超音波振動下で混合分散することに
より得られる。
【0027】このようにして作成した触媒インクを用
い、高分子電解質膜に直接触媒層を形成することによ
り、高分子電解質型燃料電池用電極を製造することがで
きる。このとき、触媒層においては、形成後に表面に付
着した白金及び白金−ルテニウムの付着量を管理する必
要があり、通常0.2〜0.4mg/cm2程度を目処
に実施している。印刷あるいは塗布(または塗工)方法
を用いればこの付着量管理が容易に行えるもので、例え
ばスクリーン印刷では印刷版のメッシュ,乳剤の厚み,
印刷用のスキージ,印刷時の加圧力等の選定により可能
である。
【0028】ここで、触媒インクには白金やルテニウム
などの高価な貴金属を使用しているため、製造の際の低
コスト化を考慮すると、触媒インクの間欠塗工は必要な
条件である。このためには触媒インクを塗工した際のイ
ンクの切れ、乾燥時間やインクの安定性などが重要なフ
ァクターになってくる。
【0029】そこで、本実施例では溶媒に沸点が水より
大きなアルコール類溶媒であるエチレングリコールを使
用して、触媒インクを作成した。この触媒インクの粘度
は、固形分比にも影響を受けるが、おおむね20〜10
0ポイズの範囲に収めることができ、従来のエチルアル
コール溶媒の触媒インクに比べてチクソ性が改善され
て、触媒インクの安定性が向上した。さらに、粘度が増
加したことにより、印刷や塗工の際のインクの切れが大
幅に改善され、このため従来使用されていたエチルアル
コール溶媒の触媒インクに比べて間欠塗工性が大幅に向
上した。また、乾燥速度が遅くなり、スクリーン印刷に
おける印刷版メッシュの目詰まりや印刷塗膜のひび割れ
発生を抑制することができた。
【0030】本実施例では高分子電解質膜11上に、ス
テンレスメッシュ200の版とウレタンスキージを使用
して燃料極触媒インクをスクリーン印刷し、印刷後に室
温放置で乾燥してPt−Ru付着量0.3mg/cm2
(膜厚約10μm)の燃料極触媒層12aを形成した。
【0031】次に、触媒が塗布されてない面を上にし
て、ステンレスメッシュ200の版とウレタンスキージ
を使用して空気極インクをスクリーン印刷し、印刷後に
室温放置で乾燥して、高分子電解質膜11上に、Pt付
着量0.3mg/cm2(膜厚約10μm)の空気極触
媒層12bを形成した。
【0032】ここでは、溶媒に単一成分のエチレングリ
コールを使用したが、アルコール類の溶媒を任意の比率
で配合した多成分の混合溶媒を使用しても構わない。さ
らに、必要に応じて分散あるいは作業性を良くするため
に、界面活性剤等の添加剤を加えることも可能である。
また、触媒インクの安定性や塗工性から触媒インクの固
形分比は20〜50%が好ましく、粘度も20〜100
ポイズが好ましい。
【0033】(実施例2)実施例1で作成した両面に触
媒層が形成された高分子電解質膜を一対のガス拡散層で
挟み込み、電極・電解質膜接合体を形成する際には、ホ
ットプレス法を用いて加圧、加熱して接合する方法を採
用した。この方法を採用することにより、たとえ触媒層
に溶媒の未揮発成分が残存していたとしても、高分子電
解質膜とガス拡散層を接合する際にホットプレス機から
供給される熱により、触媒層中に含まれる溶媒成分を揮
発することができ、残存溶媒成分を除去することができ
る。
【0034】このとき、ホットプレスする際の作動温度
は、高分子電解質膜のガラス転移温度より高く、高分子
電解質膜の分解温度より低くすることが望ましい。さら
に、この電極・電解質膜接合体を補強枠で押さえ、沸騰
水中に約1時間浸漬することにより、触媒層中に残って
いる未揮発の溶媒成分を除去する方法を採用してもよ
い。したがって、触媒インクに使用する溶媒は水溶性の
方が好ましく、2価あるいは3価のアルコール類が適し
ている。
【0035】電極・電解質膜接合体を作成する際には、
高分子電解質膜の大きさを、ガス拡散層より一回り大き
くして、端部でガス拡散層どうしが電気的に短絡するこ
とを防止した。次に、作成した電極・電解質膜接合体の
電解質膜の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、冷
却水と燃料ガス及び酸化剤ガス流通用のマニホールド穴
を形成した。 さらに、外寸が20cm×32cm、厚
みが1.3mm、ガス流路および冷却水流路の深さが
0.5mmの樹脂含浸黒鉛板から構成したセパレーター
を準備し、セパレータ2枚を用い、電極・電解質膜接合
体シートの一方の面に酸化剤ガス流路が形成されたセパ
レーターを、裏面に燃料ガス流路が形成されたセパレー
ターを重ね合わせ、これを単電池とした。
【0036】この単電池を2セル積層した後、冷却水路
溝を形成したセパレータでこの2セル積層電池を挟み込
み、このパターンを繰り返して100セル積層の電池ス
タックを作成した。この時、電池スタックの両端部に
は、ステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さ
らに端板と締結ロッドで固定した。この時の締結圧はセ
パレータの面積当たり15kgf/cm2とした。この
ようにして作成した電池を燃料電池Aとした。
【0037】(比較例1)上記実施例2では、触媒イン
クの溶媒をエチレングリコールで作成し、スクリーン印
刷法で高分子電解質膜に触媒層を塗布したが、このかわ
りに、従来の溶媒であるエチルアルコールを使用した触
媒インクを作成し、コーター法で高分子電解質膜に触媒
層を塗布することにより燃料電池を作成した。これ以外
の構成と製造方法は、実施例2と同一とし、この電池を
比較例1の燃料電池Xとした。
【0038】(特性評価)以上の構成で作成した燃料電
池の特性を、以下の方法で評価した。燃料電池Aおよび
Xの燃料極に純水素ガスを供給し、空気極に空気をそれ
ぞれ供給した。電池温度を75℃、燃料ガス利用率(U
f)を70%、空気利用率(Uo)を40%とした。ガ
ス加湿は燃料ガスを70℃、空気を65℃のバブラーを
それぞれ通して行った。以上の条件で、水素と空気を燃
料とする燃料電池の特性を評価し、その結果を図5に示
した。
【0039】図5において、燃料電池AとXの放電特性
を示した。電流密度300mA/cm2における単電池
電圧で示すと、Aは740mV、Xの電圧は735mV
であった。A、Xともほぼ同じ電池性能を示しているこ
とがわかる。したがって、触媒インクを安定性や塗工性
に優れたエチレングリコールで作成しても、電池性能に
は影響を与えないことがわかった。
【0040】実施例において燃料の一例として、水素を
用いたが、水素は改質水素として炭酸ガスや窒素、一酸
化炭素などの不純物を含む燃料においても同様の結果が
得られ、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルな
どの液体燃料およびその混合物を用いても同様の結果が
得られた。また、液体燃料はあらかじめ蒸発させ、供給
してもよい。
【0041】さらに、本発明の固体高分子電解質と電極
との接合体を用いて、酸素、オゾン、水素などのガス発
生機やガス精製機及び酸素センサ、アルコールセンサな
どの各種ガスセンサーへの応用も効果があった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法により、従来の触媒インク
を使用して作成した燃料電池の電池性能を低下すること
なく、従来の触媒インクと比べて、チクソ性が改善され
て触媒インクの安定性が向上するとともに、粘度が増加
したことにより、印刷や塗工の際のインクの切れが大幅
に改善され、間欠塗工性が大幅に向上した。また、乾燥
速度が遅くなり、スクリーン印刷における印刷版メッシ
ュの目詰まりや印刷塗膜のひび割れ発生を抑制すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である燃料電池の構成要素であ
る電極電解質膜接合体の構成の概略を示す断面図
【図2】本発明の実施例である燃料電池スタックの構成
要素である単電池の構成の概略を示す断面図
【図3】本発明の実施例である燃料電池の構成要素であ
るセパレータの構成を示す概略図
【図4】本発明の実施例である燃料電池スタックの構成
の概略を示す外見図
【図5】本発明の実施例である燃料電池と比較例の特性
を示したグラフ
【符号の説明】
11 高分子電解質膜 12a 燃料極触媒反応層 12b 酸素極触媒反応層 13 拡散層 14 電極 15 MEA(電極電解質膜接合体) 21 セパレータ板 22 ガス流路 23 単電池 31a 燃料ガスを注入するための孔 32a 酸化剤ガスを注入するための孔 33a 冷却水を注入するための孔 31b 燃料ガスを排出するための孔 32b 酸化剤ガスを排出するための孔 33b 冷却水を排出するための孔 34 ガス流路の凹部 35 ガス流路の凸部 36 シール材 41 単電池 42 端板 43 締結ボルト 44a 酸化剤ガス注入用の孔 45a 燃料ガス注入用の孔 46a 冷却水注入用の孔 44b 酸化剤ガス排出用の孔 45b 燃料ガス排出用の孔 46b 冷却水排出用の孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 晋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 羽藤 一仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松岡 広彰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 BB01 BB03 BB06 BB08 EE03 EE05 HH00 HH05 5H026 AA06 BB01 BB02 BB03 BB04 BB08 CX04 HH00 HH05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒を坦持した導電性炭素粒子とパーフ
    ルオロカーボンスルホン酸重合体と沸点が水より大きな
    溶媒とを攪拌混合して触媒インクを生成する工程と、パ
    ーフルオロカーボンスルホン酸を重合体した高分子電解
    質膜に前記触媒インクを塗布し乾燥することで触媒層を
    形成する工程とを有することを特徴とする高分子電解質
    型燃料電池用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒が2価あるいは3価のアルコール類
    であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質型
    燃料電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒インクの固形分比が20〜50重量
    %であることを特徴とする請求項1または2記載の高分
    子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒インクの粘度が20〜100ポイズ
    であることを特徴とする請求項1、2または3記載の高
    分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒を坦持した導電性炭素粒子とパーフ
    ルオロカーボンスルホン酸重合体と沸点が水より大きな
    溶媒とを攪拌混合して触媒インクを生成する工程と、パ
    ーフルオロカーボンスルホン酸を重合体した高分子電解
    質膜の裏表の両面に前記触媒インクを塗布し乾燥するこ
    とで触媒層を形成する工程と、前記一対の触媒層の外面
    を一対のガス拡散層で挟持する電解質膜電極の前駆体作
    成工程と、前記電解質膜電極の前駆体に熱間圧縮加工を
    施す工程とを有することを特徴とする高分子電解質型燃
    料電池用電解質膜電極接合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶媒が2価あるいは3価のアルコール類
    であることを特徴とする請求項5記載の高分子電解質型
    燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法。
JP2001079918A 2001-03-21 2001-03-21 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法 Pending JP2002280003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001079918A JP2002280003A (ja) 2001-03-21 2001-03-21 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001079918A JP2002280003A (ja) 2001-03-21 2001-03-21 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002280003A true JP2002280003A (ja) 2002-09-27

Family

ID=18936287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001079918A Pending JP2002280003A (ja) 2001-03-21 2001-03-21 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002280003A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004036673A1 (ja) * 2002-10-21 2004-04-29 Kiyokawa Plating Industry Co., Ltd. 燃料電池用電極と電解質複合体およびそれらの製造方法
JP2005322531A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Inst Nuclear Energy Research Rocaec 印刷工程で製造する燃料電池膜電極アセンブリの製造方法
JP2006253146A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Samsung Sdi Co Ltd 担持電極触媒及び触媒の製造方法
CN100340021C (zh) * 2004-06-14 2007-09-26 中国科学院大连化学物理研究所 质子交换膜燃料电池电极及其制备方法
JP2008540793A (ja) * 2005-05-18 2008-11-20 ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー 重合体分散物及び電気触媒インク
JP2011238438A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Toyota Motor Corp 燃料電池用電極の製造方法
JP2012226847A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用電解質膜・電極構造体
JP2013543222A (ja) * 2010-09-30 2013-11-28 ユーティシー・パワー・コーポレーション ホットプレスされた直接堆積触媒層
JP2014135229A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Ne Chemcat Corp 燃料電池用触媒インク
JP2015185368A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 凸版印刷株式会社 膜電極接合体の製造方法及び膜電極接合体

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004036673A1 (ja) * 2002-10-21 2004-04-29 Kiyokawa Plating Industry Co., Ltd. 燃料電池用電極と電解質複合体およびそれらの製造方法
JP2005322531A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Inst Nuclear Energy Research Rocaec 印刷工程で製造する燃料電池膜電極アセンブリの製造方法
CN100340021C (zh) * 2004-06-14 2007-09-26 中国科学院大连化学物理研究所 质子交换膜燃料电池电极及其制备方法
JP2006253146A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Samsung Sdi Co Ltd 担持電極触媒及び触媒の製造方法
JP2008540793A (ja) * 2005-05-18 2008-11-20 ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー 重合体分散物及び電気触媒インク
JP2011238438A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Toyota Motor Corp 燃料電池用電極の製造方法
JP2013543222A (ja) * 2010-09-30 2013-11-28 ユーティシー・パワー・コーポレーション ホットプレスされた直接堆積触媒層
US9735441B2 (en) 2010-09-30 2017-08-15 Audi Ag Hot pressed, direct deposited catalyst layer
JP2012226847A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用電解質膜・電極構造体
JP2014135229A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Ne Chemcat Corp 燃料電池用触媒インク
JP2015185368A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 凸版印刷株式会社 膜電極接合体の製造方法及び膜電極接合体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1304753B1 (en) Polyelectrolyte fuel cell
US7226689B2 (en) Method of making a membrane electrode assembly for electrochemical fuel cells
US20050142397A1 (en) Membrane electrode assembly and fuel cell
US8795918B2 (en) Single fuel cell and fuel cell stack
US20080241641A1 (en) Membrane electrode assembly for fuel cell and process for manufacturing the same
EP1231656A1 (en) Polymer electrolytic fuel cell and method for producing the same
JP2002025560A (ja) 燃料電池
JP2002289230A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP3970026B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP2002280003A (ja) 高分子電解質型燃料電池用電極と電解質膜電極接合体の製造方法
JPH11345620A (ja) 高分子電解質型燃料電池およびその製造法
JP2005032681A (ja) 燃料電池用電解質膜・電極接合体およびその製造方法
JP2005078975A (ja) 高分子電解質膜−電極接合体およびこれを用いた高分子電解質型燃料電池
JP2002063912A (ja) 高分子電解質型燃料電池の製造方法
JP2000021418A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JP2004103296A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2008300347A (ja) 電気伝導度が向上した5層meaの製造方法
JP4561239B2 (ja) 燃料電池セパレータおよびそれを用いた燃料電池
US7060383B2 (en) Fuel cell
JP2002208412A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP3972705B2 (ja) 電解質膜電極接合体とその製造方法および燃料電池
JP2000021419A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JP2002343373A (ja) 高分子電解質型燃料電池およびそのセパレータ板の製造方法
JP6981883B2 (ja) 燃料電池のエージング方法
JP2002025565A (ja) 高分子電解質型燃料電池用電極とその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060124