JP2002208412A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池

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JP2002208412A
JP2002208412A JP2001001058A JP2001001058A JP2002208412A JP 2002208412 A JP2002208412 A JP 2002208412A JP 2001001058 A JP2001001058 A JP 2001001058A JP 2001001058 A JP2001001058 A JP 2001001058A JP 2002208412 A JP2002208412 A JP 2002208412A
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polymer electrolyte
cooling medium
separator
gas
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JP2001001058A
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Teruhisa Kanbara
輝壽 神原
Kazuhito Hado
一仁 羽藤
Junji Niikura
順二 新倉
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子電解質型燃料電池の構成要素である冷
却板の冷却媒体流路から、冷却媒体が浸透したり、ま
た、この部分から金属イオンが流出することで、電池の
特性が低下する。 【解決手段】 冷却手段の前記冷却媒体が流通する部分
に、前記冷却媒体が透過しない膜を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】水素等を燃料とし、空気等を
酸化剤として発電を行う燃料電池に関し、特に常温から
100℃前後までの温度領域で動作する高分子電解質型
燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質を用いた燃料電池は、水素
を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤
ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱と
を同時に発生させる。図1に示したようにその構造は、
水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜11の両
面に、貴金属を担持したカーボン粉末を触媒体とし、こ
れに水素イオン伝導性高分子電解質を混合したもので触
媒反応層12を形成する。現在、高分子電解質膜11と
しては、化2に示した化学構造を持つパーフルオロスル
ホン酸が一般的に使用されている。
【0003】
【化2】
【0004】この触媒反応層の外面に、燃料ガスの通気
性と、電子導電性を併せ持つ、例えばカーボンペーパー
で拡散層13を形成する。この触媒反応層と拡散層とを
合わせて電極と呼ぶ。次に、供給する燃料ガスが外にリ
ークしたり、二種類の燃料ガスが互いに混合しないよう
に、電極の周囲にはガスシール材やガスケット14を配
置する。このシール材やガスケットは、電極及び高分子
電解質膜と一体化してあらかじめ組み立て、これを、M
EA(電極電解質膜接合体)15と呼ぶ。
【0005】MEAの外側には、これを機械的に固定す
るための導電性のセパレータ板16を配置する。セパレ
ータ板16がMEA15と接触する部分には、電極に反
応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運ぶためのガス
流路17を形成する。ガス流路はセパレータ板と別に設
けることもできるが、セパレータの表面に溝を設けてガ
ス流路とする方式が一般的である。このように、一対の
セパレータ16でMEA15を固定し、片側のガス流路
に水素などの燃料ガスを供給し、他方のガス流路に空気
などの酸化剤ガスを供給することで、0.8V程度の起
電力を発生させることが出来る。
【0006】一対のセパレータでMEAを固定したもの
を単電池と呼ぶ。しかし、通常、燃料電池を電源として
使うとき、数ボルトから数百ボルトの電圧を必要とす
る。このため、実際には、単電池を必要とする個数だけ
直列に連結する。このとき、セパレータ16の裏表の両
面にガス流路17を形成し、セパレータ/MEA/セパ
レータ/MEAの繰り返しで、直列の連結構成にする。
【0007】ガス流路に燃料ガスを供給するためは、燃
料ガスを供給する配管を、使用するセパレータの枚数に
分岐し、その分岐先を直接セパレータ状の溝につなぎ込
む配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼
び、上記のような燃料ガスの供給配管から直接つなぎ込
むタイプを、外部マニホールドを呼ぶ。
【0008】このマニホールドには、構造をより簡単に
した内部マニホールドと呼ぶ形式のものがある。内部マ
ニホールドとは、ガス流路を形成したセパレータ板に、
貫通した孔を設け、ガス流露の出入り口をこの孔まで通
し、この孔から直接燃料ガスを供給するものである。
【0009】燃料電池は運転中に発熱するので、電池を
良好な温度状態に維持するために、水などの冷却媒体を
流通し、冷却する必要がある。冷却媒体としては水のほ
かに、水にエチレングリコール等を添加した不凍液や、
オイルを使用する場合がある。通常、図2(a)に示し
たように1〜3セル毎に、冷却媒体を流す流路21を有
する冷却板22を、セパレータとセパレータとの間に挿
入するか、図2(b)に示したように、セパレータ23
の内部に冷却水流路21を設けて冷却部とする場合が多
い。
【0010】上述の冷却板を兼ねるタイプのセパレータ
の一例における表面の構成を図3の(a)に、また、裏
面の構成を図3の(b)に示した。図3の(a)は、燃
料ガスまたは酸化剤ガスの流路を形成したものであり、
図3の(b)は、冷却水を循環させるための溝を形成し
たものである。図3の(a)において、31aは燃料ガ
スを注入するための孔であり、31bはこのガスを排出
するための孔である。
【0011】32aは酸化剤ガスを注入するための孔で
あり、32bはこのガスを排出するための孔である。3
3aは冷却水を注入するための孔であり、33bはこれ
を排出するための孔である。31aから注入した燃料ガ
スは、ガス流路の凹部34を通じて、途中蛇行しながら
31bへと導かれる。35はガス流路の凸部である。3
6は、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却水をシールするた
めのシール材である。
【0012】また、このような高分子電解質型燃料電池
に用いるセパレータは、導電性が高く、かつ燃料ガスに
対して高いガス気密性を持ち、更に水素/酸素を酸化還
元する際の反応に対して高い耐食性、即ち耐酸性を持つ
必要がある。このような理由でセパレータおよび冷却板
はカーボン材料を用いるのが一般的であり、当初はグラ
ッシーカーボン板の表面に切削加工でガス流路を形成し
ていた。
【0013】しかし近年は量産性とコストを考慮して、
ガス流路溝を形成したプレス金型に樹脂バインダーと均
一に混合したカーボン粉末を入れ、これを熱間プレス成
形することで作製されることが多い。この場合、樹脂と
しては熱可塑性樹脂を用いる場合と熱硬化性樹脂を用い
る場合の双方がある。また、さらに量産性を向上させる
ため、多少の抵抗増加を承知の上でカーボン材料に添加
する熱可塑性樹脂の含有量を増加して流れ性を付与し、
射出成型法で製作することも検討されている。
【0014】しかし、いずれの場合も極力樹脂の量を減
らしているため、極めて微小ながら粒子間の間隙が残る
ことは避けられず、このことが一定のガス透過性を有す
ることの原因となっている。
【0015】また、近年、従来より使用されたカーボン
材料に代えて、ステンレスなどの金属板を用いる試みが
行われている。金属板を用いたセパレータは、金属板が
高温多湿で酸化性および還元性の雰囲気に曝されるた
め、長期間使用すると、金属板の腐食や溶解が起こる。
金属板が腐食すると、腐食部分の電気抵抗が増大し、電
池の出力が低下する。また、金属板が溶解すると、溶解
した金属イオンが高分子電解質に拡散し、これが高分子
電解質のイオン交換サイトにトラップされ、結果的に高
分子電解質自身のイオン電導性が低下して電池の出力も
低下する。
【0016】このような劣化を避けるため、比較的信頼
性の高い方法は金属板の表面にある程度の厚さを持つ金
メッキ、あるいは金スパッタを施すことが考えられる。
しかし、コストの面で問題があり、必ずしもメッキ面が
ピンホールフリーとは言えない状況である。このほかに
も、特開平6−333580号公報で提案されているよ
うに、エポキシ樹脂などに金属粉を混ぜることで作成し
た導電性樹脂で作成したセパレータが検討されている。
【0017】以上のように、MEAとセパレータ、また
方式によっては冷却板をも交互に重ねていき、10〜2
00セル積層する。そして、集電板と絶縁板を介し、端
板で積層セルを挟み、締結ボルトで両端から固定するの
が一般的な構造であり、これを燃料電池スタックと呼
ぶ。この概略を図4に示した。
【0018】図4において、41は単電池であり、必要
とする数だけ積層する。42は端板であり、複数の締結
ボルト43で締め上げる。44a、45a及び46aは
それぞれ、酸化剤ガス、燃料ガス、冷却水注入用の孔で
あり、44b、45b及び46bはそれぞれこれらの排
出用の孔である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】高分子電解質型燃料電
池の主要な構成要素である高分子電解質膜は、上述のよ
うなイオン交換膜である。この膜は、金属イオンが存在
すると、膜内のプロトンと置換して、これを捕捉する性
質がある。しかし、金属イオンを捕捉すると膜内を移動
するプロトンが減少するため、イオン伝導の抵抗が上昇
し、燃料電池としての性能は低下する。従って、金属イ
オンが電解質膜に到達することがないような構成が必要
である。
【0020】ところが、燃料電池を用いたシステムは、
冷却媒体は配管によって燃料電池積層体から外部の熱交
換器に運ばれ、再度燃料電池積層体に戻ってくるのが通
常である。熱交換器は一般に熱伝導の高い材料、すなわ
ち銅やアルミニウムなどの金属材料で構成されているこ
とが多いが、これらの材料には腐食が発生しやすい。従
って、冷却媒体が水であるような場合には特に腐食が起
こりやすく、冷却水中の金属イオン濃度は無視できない
程度にまで上昇する。
【0021】また、冷却板または冷却媒体流路を有する
セパレータを構成する材料は、従来例で記載したように
樹脂とカーボンの混合物とからなる場合が最も一般的で
ある。しかし、樹脂とカーボン粉末を混合して製作した
冷却板やセパレータには通常、極めて微細な間隙が粒子
間に存在するため、完全な気密性はないのが一般的であ
る。例えば窒素のガス透過係数としては1×10-16
2×10-15mol/m・s・Pa程度の値を有する。
【0022】上記は気体の透過能であるが、現実には液
体とそれに溶解している金属イオンも極めて微量ではあ
るが、樹脂とカーボンの混合物とからなる冷却板やセパ
レータの壁面を透過することができる。特に燃料電池が
動作している場合には、温度が上昇しており、また冷却
媒体を狭い流路内を循環させるために、ある程度の圧力
がかかっている。このため、多くの場合、冷却媒体の圧
に比べると燃料ガス、酸化剤ガス側の圧力が低く、冷却
媒体をガス流路側を押し出す力が働くためにさらに透過
量は増加する。
【0023】カーボン成形体に存在する微小な間隙や細
孔を通じて、冷却媒体がガス流路側に浸出すると、これ
が水の場合には過剰な加湿となり、場合によっては水滴
が発生し、これによってガスの円滑な流れが阻害され
る。また、オイル等の場合には電極表面に付着すること
により、電極の機能が阻害されるなど、燃料電池へ好ま
しくない影響が出てくる。
【0024】燃料電池の耐用年数は、コージェネレーシ
ョンシステムでは10年程度が必要である。このため、
極めて微量な冷却媒体の透過であっても、長期の間には
冷却媒体に含有される不純物、例えば金属イオンが冷却
媒体流路からガス流路に侵入し、最終的には高分子電解
質膜内に取り込まれて性能低下を引き起こす。
【0025】冷却媒体は燃料電池積層体のほぼ全体に循
環させるため、燃料電池自身の発電によって、冷却媒体
と接する構成部材は冷却媒体に対して少なからぬ電位を
有する状態となる。この電位は燃料電池積層体の部位に
よって異なるが、数十セルを積層した場合、冷却媒体に
イオン伝導性があれば、電気化学的反応による腐食が発
生するには充分なものであり、構成部材が溶出、腐食し
てくる可能性が極めて大きくなる。こうした現象は、冷
却板またはセパレータが、金属である場合に極めて重要
であり、カーボンと樹脂で構成されている場合でも無視
できない。
【0026】このため、冷却媒体のイオン伝導性の管理
は重要であり、水を使用する場合には燃料電池システム
動作中に不可避的に上昇するイオン伝導性を低く維持す
るために、冷却水の循環経路内にイオン交換樹脂を設置
し、イオン伝導性の上昇を抑制することが行われる場合
もある。しかしながらこの方法も完全なものとは言え
ず、冷却水の温度が高くなるとイオン交換樹脂の使用に
は厳しい条件となるため、性能や耐久性上の問題が出て
くる上、定期的にイオン交換樹脂を交換する必要がある
というデメリットがある。
【0027】また、セパレータをグラッシーカーボン板
で作成したものや、膨張黒鉛をプレス加工したものは、
材料の力学的強度の課題があり、特に電気自動車の動力
源として用いたときは、走行中の振動や衝撃で、ひびが
入ることがあった。さらに、導電性樹脂で作成したセパ
レータは、グラッシーカーボンや金属板に較べて導電性
が低く、さらに樹脂の表面が硬いため、電極との接触部
分の電気抵抗を下げるためには、強い圧力で締め付ける
必要があり、それだけ電池構造が複雑になった。
【0028】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め本発明の高分子電解質型燃料電池は、高分子電解質膜
を挟む一対の電極と、前記電極に燃料ガスと酸化剤ガス
とをそれぞれ供給排出する手段とを具備した単電池を、
導電性セパレータを介して積層し、前記電極と平行な面
方向に冷却媒体を流通する冷却手段を具備した高分子電
解質型燃料電池において、前記冷却媒体は、化1で表さ
れる化合物であることを特徴とする。
【0029】このとき、金属性の導電性セパレータを用
いることができる。
【0030】また、導電性炭素材料と結着剤とを加圧
し、加熱することで作成した導電性セパレータを用いる
こともできる。また、耐酸性を有する導電性気密弾性体
で作成した導電性セパレータを用いることも出来る。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のポイントは、燃料電池用
の冷却媒体として、化3に示した化合物を用いることに
ある。化3に示した化合物は、少なくとも−20℃から
150℃までの温度範囲で液体状態であり、電気的にも
絶縁性が高い。また、化学的には、分子の両末端基が−
OHではなく、炭素数が1から4までのアルキル基であ
るため、金属に対する腐食性が小さい。このため、この
冷却媒体を用いると、燃料電池のセパレータとして金属
板を用いることができる。
【0032】
【化3】
【0033】さらに、燃料電池の冷却媒体用として、ち
ょうど適当な粘度を持つ。すなわち、燃料電池に用いる
とき、粘度が小さすぎると、密閉性がとりにくくなり、
また逆に粘度が高すぎると、循環させるのに大きい圧力
が必要となる。とくに、導電性炭素材料と結着剤とを加
圧し、加熱することで作成した導電性セパレータを用い
るときは、化3に示した化合物のうち、両末端基をプロ
ピル、またはブチル基とし、エチレンオキサイドの繰り
替えし数を4、5または6にすると、ある程度ポーラス
なカーボンセパレータでも、中に浸透することはない。
【0034】以下に、本発明の実施の形態を高分子電解
質型燃料電池に適用した例を用いて説明する。
【0035】
【実施例】(実施例1)まず、MEAを以下の方法で作
成した。導電性炭素粉末(電気化学工業製:デンカブラ
ック)に、ポリテトラフルオロエチレンの分散液(ダイ
キン製:ルブロンLDW−40)を、導電性炭素粉末と
ポリテトラフルオロエチレンとの重量比としてとして
7:3になるように混合することで撥水層インクを作成
した。つぎに、カーボンペーパ(東レ製:TGPH06
0H)の表面に前記の撥水層インクを塗工し、熱風乾燥
機で350℃で加熱することでガス拡散層を形成した。
【0036】つぎに、30nmの平均一次粒子径を持つ
導電性カ−ボン粒子(オランダ国、AKZO Chem
ie社製:ケッチェンブラックEC)に、平均粒径約3
0Åの白金粒子を50重量%担持したものを、空気極側
の触媒担持粒子とした。また、ケッチェンブラックEC
に、平均粒径約30Åの白金粒子とルテニウム粒子と
を、それぞれ25重量%担持したものを燃料極側の触媒
担持粒子とした。
【0037】この触媒担持粒子と水素イオン伝導性高分
子電解質の溶液とを混合し、触媒ぺ−ストを作成した。
このとき、触媒担持粒子と水素イオン伝導性高分子電解
質との混合比は1:1重量比とした。また、水素イオン
伝導性高分子電解質はパーフルオロカーボンスルホン酸
(旭硝子社製:フレミオン)を用いた。
【0038】つぎに、上記のガス拡散層の片側の表面
と、水素イオン伝導性高分子電解質膜(米国デュポン
社、ナフィオン112)の両面とに、上記の触媒ぺ−ス
トを印刷した。燃料極側のガス拡散層と空気極側のガス
拡散層とを、水素イオン伝導性高分子電解質膜を中心と
して触媒ぺ−スト面どうしが合うように重ね合わせ、ホ
ットプレス方で接合するした。最後に、前記の電極/膜
接合体の高分子電解質膜の外周部にブチルゴム製のガス
ケット板を接合し、冷却水と燃料ガス及び酸化剤ガス流
通用のマニホールド穴を形成して、MEAとした。
【0039】次に、図3に示したように、外寸が20c
m×32cm、厚みが1.3mm、ガス流路および冷却
媒体流路の深さが0.5mmの樹脂含浸黒鉛板から構成
したセパレーターを準備し、セパレータ2枚を用い、M
EAシートの一方の面に酸化剤ガス流路が形成されたセ
パレーターを、裏面に燃料ガス流路が形成されたセパレ
ーターを重ね合わせ、これを単電池とした。この単電池
を2セル積層した後、冷却媒体流路を形成したセパレー
タでこの2セル積層電池を挟み込み、このパターンを繰
り返し、図4に示した100セル積層の電池スタックを
作成した。この時、電池スタックの両端部には、ステン
レス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板と
締結ロッドで固定した。この時の締結圧はセパレータの
面積当たり10kgf/cm2とした。
【0040】このように作製した高分子電解質型燃料電
池に、(化4)で示した冷却媒体を流すことで、電池の
温度を75℃に保持し、燃料極側に70℃の露点となる
よう加湿・加温し、一酸化炭素濃度を50ppm以下に
低減したメタンの水蒸気改質ガスを、空気極側に45℃
の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。
【0041】
【化4】
【0042】これを本実施例の電池Aとし、燃料利用率
85%、酸素利用率60%、電流密度0.7A/cm2
の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を計
測した。その結果を図5に示した。
【0043】比較例としては、上述の燃料電池に冷却媒
体として水道水とイオン交換水とを用いたものをそれぞ
れ電池ぼよびCとし、上記と同じ条件で運転をした。そ
の結果を図5に示した。
【0044】図5において、冷却媒体として水道水を用
いた電池Cは、早期に特性が低下したが、(化4)を用
いた電池Aは高い信頼性を示した。イオン交換水を用い
た電池Bは、水道水を用いたものより信頼性を高かった
が、定期的にイオン交換樹脂を取り替える必要がある点
と、長時間運転時には特性が下がるという課題があっ
た。
【0045】(実施例2)実施例1では、冷却媒体とし
て、(化4)で示したものを用いた。本実施例では、表
1に示したものを用いて電池を構成し、その特性を評価
した。本実施例で作成した電池は冷却媒体以外は全て実
施例1の電池Aと同一とした。
【0046】表1において、用いた冷却媒体を示すた
め、(化1)のR1,R2,nを規定した。また、電池
特性は、実施例1と同じ条件で、運転開始後100時間
の電池電圧と、3000時間の電池電圧を示した。
【0047】その結果、(化1)で示した冷却媒体の末
端基がメチル基からブチル基と、大きくなるに従って初
期性能は低下するが運転時間に対する安定性は大きくな
ることを見いだした。また、(化1)で示した分子中の
エチレンオキサイドの繰り返し数を大きくなるほど、初
期性能は低下するが運転時間に対する安定性は大きくな
ることも見いだした。この結果は即ち、(化1)で示し
た冷却媒体の分子が大きくなるほど、化学的な安定性が
増し、上述の課題で記載した効果が強くなるためと考え
る。しかし、分子が小さすぎる冷却媒体を用いた電池2
1は、初期特性は良好であるが、長期安定性には課題が
あり、また分子が大きすぎる冷却媒体を用いた電池25
は、安定性は優れているが、初期特性に課題があること
を見いだした。この結果により、燃料電池の冷却媒体と
しては、(化1)に規定したものが好ましいことを見い
だした。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例3)本実施例では電池の構成は実
施例1の電池Aと同じであるが、セパレータとして金属
製のものを用いた。セパレータの材料は、厚さ0.2m
mのステンレス板(SUS316)板を用い、ステンレ
ス板はプレス加工によりコルゲート板に加工し、表面に
金ストライクメッキを厚さ約1μmで施した。構成は図
3に示したもの同じとした。また、実施例1で用いた
(化4)で示した冷却媒体を用いた。
【0050】このようにして作成した電池をDとして、
実施例1と同じ条件で特性評価を行った。その結果を図
6に示した。
【0051】(実施例4)本実施例では電池の構成は実
施例1の電池Aと同じであるが、セパレータとして、耐
酸性を有する導電性気密弾性体で作成した導電性セパレ
ータを用いた。
【0052】(化5)で示した構成中のイソブチレンオ
リゴマーの繰り返し数mを56≦m≦72、平均64と
し、官能基XおよびYを共にアリル基とした液状原材料
を100gと、アセチレンブラックを50gと、繊維状
グラファイト(平均直径50μm、平均長0.5mm)
を50gとに、粘度調整用としてメチルエチルケトンを
200g加え、これを充分に混合することでセパレータ
ー用原液作成した。
【0053】
【化5】
【0054】この原液をステンレス製の金型に流し込
み、これを50℃で0.2気圧の減圧中に1時間保存す
ることで、メチルエチルケトンを揮発させた。つぎに、
これに加速電圧500keV、照射線量50Mradの
電子線照射を行うことでイソブチレンオリゴマーの末端
のアリル基を重合することで、導電性シートを作成し
た。この時の重合度は約1万であった。
【0055】なを、イソブチレンオリゴマーの繰り返し
数mを56よりも小さくすると、重合後のシートは堅
く、電池の組立時の締め付け圧力を大きくしないと、M
EAとの接触抵抗を下げることが出来なかった。また、
mを72より大きくすると柔らかすぎて、電池作成時の
締め付け圧力で、セパレータ表面に作成したガス流通溝
が押しつぶされてしまった。また、電子線の照射量を制
御して、重合度が与える影響を検討した結果、重合度が
5000より小さいとシートが柔らかすぎ、上記と同じ
くガス流通溝が押しつぶされてしまった。
【0056】また、末端官能基をこれ以外のアクリロイ
ル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ
基として、それぞれに適した重合反応により硬化したも
のも同様に使用できることを確認した。このとき、アク
リロイル基、メタクリロイル基を末端官能基としたとき
は上記同様の電子線照射を用い、またイソシアネート基
としたときは水分によりウレタン結合化、エポキシ基の
時はエチルジアミンなどの公知のアミン系硬化剤を用い
加熱により硬化した。しかしこのときも、官能基をアリ
ル基としたときと同様に、(化7)で示した構成中のイ
ソブチレンオリゴマーの繰り返し数mを56≦m≦72
とし、重合度を8000以上にしたときに、セパレータ
として適したものであった。
【0057】以上の方法で作成した導電性シートを、切
削及びプレス打ち抜き加工を施し、図3に示した導電性
セパレータとした。本実施例では、セパレータの大きさ
は10cm×20cm、厚さは4mmであり、溝部34
は幅2mmで深さ1.5mmの凹部であり、この部分を
ガスが流通する。また、ガス流路間のリブ部35は幅1
mmの凸部である。
【0058】また図3(b)は、冷却水を流すための冷
却流路の形状を示したものであり、図3の(a)に示し
た導電性セパレータの裏面に切削加工したものである。
図3(a)で、冷却水のマニホルド孔(注入口31a、
出口31b)の位置と大きさは、図3(b)で示した冷
却水のマニホルド孔33a及び33bと同一の位置に形
成し、また、ガス流通用のマニホールド穴31a、31
b、32a、32bの位置と大きさも、図3(b)のガ
スマニホルド孔と同一位置に形成した。
【0059】このようにして作成した電池をEとして、
実施例1と同じ条件で特性評価を行った。その結果を図
6に示した。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂とカーボン粉末を
原料として、例えば熱間プレス成型法等によって成形さ
れた冷却板、または冷却剤流路を有するカーボンセパレ
ータの冷却剤流路に残留する微細な間隙等を、ほぼ完全
に目止めすることができる。このため冷却媒体および冷
却媒体に含有される金属イオン等の不純物がガス流路側
に浸出し、さらに電極、電解質膜にまで至り、電池性能
を低下させるのを未然に防止することができる。
【0061】さらに、冷却媒体のイオン導電性が上昇し
た場合にもカーボン材料と冷却剤の直接接触を防止し、
主に電位が印加されることで誘起されるカーボン材料の
腐食を防止することができる。塗膜自身は導電性を有さ
ないため絶縁破壊が起こらない限りこの効果が維持され
る。
【0062】また金属材料を用いた冷却板またはセパレ
ータにおいては、材料自体が水分の存在下で腐される場
合が多いため、塗膜により金属製セパレータまたは冷却
板の直接冷却媒体と接触する部分を無くすことで、耐食
性を向上できる。また2枚の金属製構成要素で構成され
るセパレータまたは冷却板においては、両者が接触する
部分に隙間が存在するため、隙間腐食が発生する可能性
が高い。さらにこの接触部分には電流が流れるため、接
触抵抗等により発生する電位差によって腐食が発生しや
すい状況にある。これに対して本発明によれば、真空含
浸により、接触部の狭い空間にも塗料が充填され、金属
と冷却媒体との直接接触がされず、腐食発生に対する信
頼性を大きく向上することができる。
【0063】このほか、カーボン成形体に存在する空隙
が若干多く、多少ガス透過係数が大きいような場合に
も、本発明の処理によって冷却媒体および不純物の浸出
しを抑制することができるため、比較的低コストな緻密
度が低いカーボン成形体を使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である燃料電池のMEAとセパ
レータの構成の概略を示す断面図
【図2】本発明の実施例である燃料電池のMEA、セパ
レータ及び冷却板の配置構成の概略を示す断面図
【図3】本発明の実施例である燃料電池のセパレータの
構成を示す概略図
【図4】本発明の実施例である 燃料電池スタックの構
成の概略を示す外見図
【図5】本発明の第1の実施例である燃料電池の特性を
示した図
【図6】本発明の第3の実施例である燃料電池の特性を
示した図
【符号の説明】
11 高分子電解質膜 12 触媒反応層 13 拡散層 14 ガスケット 15 MEA(電極電解質膜接合体) 16 セパレータ 17 ガス流路 21 冷却媒体流路 22 冷却板 23 セパレータ 31a,b 燃料ガス供給口、排出口 32a,b 酸化剤ガス供給口、排出口 33a,b 冷却媒体供給口、排出口 34 ガス流路凹部 35 ガス流路凸部 36 シール材 41 単電池 42 端板 43 締結ボルト 44a,b 酸化剤ガス供給口、排出口 45a,b 燃料ガス供給口、排出口 46a,b 冷却媒体供給口、排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新倉 順二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 EE02 EE18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む
    一対の電極と、前記電極に燃料ガスと酸化剤ガスとをそ
    れぞれ供給排出する手段とを具備した単電池を、導電性
    セパレータを介して積層し、前記電極と平行な面方向に
    冷却媒体を流通する冷却手段を具備した高分子電解質型
    燃料電池において、前記冷却媒体は、化1で表される化
    合物であることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。 【化1】
  2. 【請求項2】 導電性セパレータが金属製であることを
    特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 導電性炭素材料と結着剤とを加圧し、加
    熱することで作成した導電性セパレータを用いたことを
    特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 導電性セパレータが耐酸性を有する導電
    性気密弾性体よりなることを特徴とする請求項1記載の
    高分子電解質型燃料電池。
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