JP2002343373A - 高分子電解質型燃料電池およびそのセパレータ板の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池およびそのセパレータ板の製造方法

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Kazufumi Nishida
和史 西田
Satoru Fujii
覚 藤井
Masato Hosaka
正人 保坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温で酸化性の雰囲気に曝されても、腐食や
溶解が起こらず、長期間使用できる、導電性に優れたセ
パレータ板を提供する。 【解決手段】 セパレータ板を構成する金属基板のガス
流路となる表面部分に、白金族金属の酸化物層を形成す
る。この酸化物層は、白金族金属塩の熱分解により形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポータブル電源、
電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステ
ム等に使用される高分子電解質型燃料電池、特にそのセ
パレータ板の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質を用いた燃料電池は、水素
を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガ
スとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱と
を同時に発生させるものである。この燃料電池は、基本
的には、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質
膜、および高分子電解質膜の両面に形成された一対の電
極、すなわちアノードとカソードから構成される。前記
の電極は、通常、白金族金属触媒を担持したカーボン粉
末を主成分とし、高分子電解質膜の表面に形成される触
媒層、およびこの触媒層の外面に形成される、通気性と
電子伝導性を併せ持つ拡散層からなる。さらに、電極に
供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスが外にリークした
り、二種類のガスが互いに混合しないように、電極の周
囲には高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケッ
トが配置される。これらのシール材やガスケットは、電
極及び高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立て
られる。これをMEA(電解質膜−電極接合体)と呼
ぶ。MEAの外側には、これを機械的に固定するととも
に、隣接したMEAを互いに電気的に直列に、場合によ
っては並列に、接続するための導電性のセパレータ板が
配置される。セパレータ板のMEAと接触する部分に
は、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを
運び去るためのガス流路が形成される。ガス流路は、セ
パレータ板と別に設けることもできるが、セパレータ板
の表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的であ
る。
【0003】これらの溝に燃料ガスおよび酸化剤ガスを
供給するためは、燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ
供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に分岐
し、その分岐先を直接セパレータ板の溝につなぐ配管治
具が必要となる。この治具をマニホルドと呼び、上記の
ような燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給配管から直接つ
なぎ込むタイプを外部マニホルドを呼ぶ。このマニホル
ドには、構造をより簡単にした内部マニホルドと呼ぶ形
式のものがある。内部マニホルドとは、ガス流路を形成
したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流路の出
入り口をこの孔まで通し、この孔から直接燃料ガスおよ
び酸化剤ガスを供給するものである。燃料電池は、運転
中に発熱するので、電池を良好な温度状態に維持するた
めに、冷却水等で冷却する必要がある。通常、1〜3セ
ル毎に、冷却水を流す冷却部が設けられる。冷却部をセ
パレータ板とセパレータ板との間に挿入する形式と、セ
パレータ板の背面に冷却水流路を設けて冷却部とする形
式とがあり、後者が多く利用される。これらのMEAと
セパレータ板および冷却部を交互に重ねて10〜200
セル積層し、その積層体を集電板と絶縁板を介して端板
で挟み、締結ボルトで両端から固定するのが一般的な積
層電池の構造である。
【0004】このような高分子電解質型燃料電池では、
セパレータ板は導電性が高く、かつ燃料ガスおよび酸化
剤ガスに対して気密性が高く、さらに水素/酸素を酸化
還元する際の反応に対して高い耐食性を持つ必要があ
る。このような理由から、従来のセパレータ板は、通常
グラッシーカーボンや膨張黒鉛などのカーボン材料で構
成され、ガス流路もその表面の切削や、膨張黒鉛の場合
は型による成型により、作製されていた。従来のカーボ
ン板の切削による方法では、カーボン板の材料コストと
共に、これを切削するためのコストを引き下げることが
困難であった。また、膨張黒鉛を用いた方法も材料コス
トが高く、これが実用化のための障害と考えられてい
る。近年、従来より使用されたカーボン材料に代えて、
ステンレス鋼などの金属板を用いる試みが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の金属板
を用いる方法では、金属板が高温においてpH2〜3程
度の酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間使用する
と、金属板の腐食や溶解が起こる。金属板が腐食する
と、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出力が低下す
る。また、金属板が溶解すると、溶解した金属イオンが
高分子電解質膜に拡散し、これが高分子電解質膜のイオ
ン交換サイトにトラップされ、結果的に高分子電解質自
身のイオン伝導性が低下する。これらの原因により、金
属板をそのままセパレータ板に使用し、電池を長期間運
転すると、発電効率が次第に低下するという問題があ
る。本発明は、高温で酸化性の雰囲気に曝されても、腐
食や溶解が起こらず、長期間使用できる、導電性に優れ
たセパレータ板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子電解質型
燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記電
解質膜を挟むアノードおよびカソード、前記アノードに
燃料ガスを供給するガス流路を有するアノード側導電性
セパレータ板、および前記カソードに酸化剤ガスを供給
するガス流路を有するカソード側導電性セパレータ板を
具備し、前記アノード側およびカソード側導電性セパレ
ータ板が、金属基板およびその燃料または酸化剤ガスと
接する表面に白金族金属の酸化物層を有することを特徴
とする。本発明は、金属基板の表面に、白金族金属塩の
熱分解により白金族金属の酸化物層を形成する工程を有
する高分子電解質型燃料電池用セパレータ板の製造方法
を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の導電性セパレータ板は、
金属基板およびその燃料または酸化剤ガスと接する表面
に白金族金属の酸化物層を有することを特徴とする。こ
こにおいて、前記の酸化物層は、ルテニウム、イリジウ
ム、オスミウム、ロジウム、白金などの白金族金属の酸
化物からなる。これらの酸化物層は、白金族金属塩の熱
分解により形成するのが好適である。導電性セパレータ
板の金属基板には、アルミニウム、チタン、タンタル、
ジルコニウム、ニオブなどの弁金属、またはステンレス
鋼が用いられる。ステンレス鋼は、高クロム含有ステン
レス鋼、チタン含有ステンレス鋼が好ましく用いられ
る。
【0008】本発明によれば、アルミニウム、チタン、
ステンレス鋼など、比較的低いアノード電位において、
溶解したり、酸化膜を生成したりする反応電流の流れる
金属が、白金族金属の酸化物層に覆われるために、これ
ら金属が直接pH2〜3程度の酸化性の雰囲気に曝され
ない構造になる。しかも白金族金属の酸化物は、次に示
すように金属導電体と同程度の導電性を示す。
【0009】酸化ルテニウム:4×10-5Ω・cm 酸化イリジウム:5×10-5Ω・cm 酸化オスミウム:6×10-5Ω・cm 酸化ルテニウム:10-4Ω・cm以下 酸化白金:6×10-5Ω・cm。
【0010】本発明のセパレータ板の製造方法におい
て、白金族金属の酸化物層を形成する工程に先だって、
金属基板の表面を電解エッチングまたはブラスティング
により粗面化する工程を有するのが好ましい。本発明に
好ましく用いる白金族金属塩は、塩化物、炭酸塩、硝酸
塩、および有機酸塩からなる群より選択される。なかで
も塩化物を硝酸により煮沸処理して得られた硝酸塩が好
ましい。また、塩化物と硝酸銀とを反応させ、その生成
物から塩化銀を濾別させて得られた硝酸塩が好ましい。
【0011】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。ここに用いられた構造図は理解を容易
にするためのものであって、各要素の相対的大きさや位
置関係は必ずしも正確ではない。図1は燃料電池積層体
の要部を模式的に示す断面図であり、図2はそのアノー
ド側セパレータ板の平面図、図3はカソード側セパレー
タ板の平面図である。10は水素イオン伝導性電解質膜
11、その両面に接合されたアノード12及びカソード
13、並びにこれらの周辺部に配されたガスケット1
4、15などからなる電解質膜−電極接合体(MEA)
を表す。このMEAの外側には、アノード側セパレータ
板21及びカソード側セパレータ板31が配置されてい
る。上記のMEA10及びセパレータ板21、31が単
セルを構成し、これらの単セルが複数個直列に接続され
るように積層されている。この例では、2セル毎にセパ
レータ板21と31との間に導電性の金属メッシュ16
及びガスケット17を挿入して、冷却水を通すための冷
却部を構成してある。
【0012】アノード側セパレータ板21は、図4に示
す金属板22と図5に示す絶縁性シート27とを貼り合
わせて構成したものである。金属板22はプレス加工に
より、アノードに対向する一方の主表面側に突出する複
数のリブ23の配列を中央に有し、左右には流体導入用
マニホルド孔24a、25a、26aと流体排出用マニ
ホルド孔24b、25b、26bを有する。一方、絶縁
性シート27は、シートを打抜き加工して作製したもの
で、金属板22のリブ23を有する面に貼り合わせるこ
とにより、流体導入用マニホルド孔24aから流体排出
用マニホルド孔24bに流体、すなわち燃料ガスを導く
溝28を形成するとともに、アノードに密着させたと
き、前記の溝28から燃料ガスが外部に洩れるのを防止
し、さらにマニホルド孔25a、25b、マニホルド孔
26a、26bを通る流体が外部に洩れるのを防止する
ガスケットとして機能する。セパレータ板21の表面に
形成される溝28は、金属板22のリブ23とシート2
7のリブ片29との組み合わせにより、リブ23の両側
に形成される2つの溝23’が燃料ガスを流通させるこ
とになる。
【0013】カソード側セパレータ板31は、図3に示
すように、プレス加工によりカソードに対向する一方の
主表面側に突出する複数のリブ33の配列を中央に有
し、左右には流体導入用マニホルド孔34a、35a、
36aと流体排出用マニホルド孔34b、35b、36
bを有する金属板32と、そのリブ33を有する面に貼
り合わせた絶縁性シート37とから構成されている。こ
のカソード側セパレータ板31のカソードと対向する表
面には、流体導入用マニホルド孔36aから流体導出用
マニホルド孔36bに流体、すなわち酸化剤ガスを導く
溝38が形成されている。そして、シート37は、前記
の溝38から酸化剤ガスが外部に洩れるのを防止すると
ともに、マニホルド孔34a、35a、マニホルド孔3
4b、35bを通る流体が外部に洩れるのを防止するガ
スケットとして機能する。前記の溝38は、金属板32
のリブ33とシート37のリブ片39との組み合わせに
より、リブ33の間に形成される4つの溝33’が酸化
剤ガスを流通させることとなる。このようにプレス加工
により複数のリブを形成した金属板と打抜き加工した絶
縁性シートとを組み合わせてセパレータ板を構成する
と、絶縁シートの形状を変えるのみで、流体通路用溝の
大きさを変えることができる。
【0014】上記の例では、カソード側セパレータ板3
1の溝38に連なるガス流路であるリブ33の間に形成
される流路の断面積は、アノード側セパレータ板21の
溝28に連なるガス流路であるリブ23の間に形成され
る流路の断面積より大きくしている。このようにリブ片
29および39の配列を変えることにより、酸化剤ガス
および燃料ガスそれぞれの流速と圧損にすることができ
る。上の例では、アノード側導電性セパレータ板および
カソード側導電性セパレータ板は各々独立に作製された
が、アノード側導電性セパレータ板およびカソード側導
電性セパレータ板が1枚のセパレータ板で構成され、そ
の一方の面側がアノード側導電性セパレータ板であり、
他方の面側がカソード側導電性セパレータ板である構成
とすることもできる。本発明では、上記の金属板22お
よび32は、少なくともガス流路となる部分に白金族金
属の酸化物層が形成される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 《実施例1》アセチレンブラック系カーボン粉末に、平
均粒径約30Åの白金粒子を重量比75:25の割合で
担持させた。この触媒粉末のイソプロパノール分散液
に、高分子電解質パーフルオロカーボンスルホン酸溶液
(旭硝子(株)のフレミオン)を混合し、ペースト状に
した。このペーストをスクリーン印刷法により、厚み2
50μmのカーボン不織布の一方の面に印刷し、乾燥し
て触媒層を形成した。得られた触媒層中に含まれる白金
量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホ
ン酸の量は1.2mg/cm2となるよう調整した。こ
のようにして作製した同一構成のカソードおよびアノー
ドを、これらの電極より一回り大きい面積を有する水素
イオン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、触媒層
が電解質膜側に接するように、ホットプレスによって接
合して、電解質膜−電極接合体(MEA)を作製した。
水素イオン伝導性高分子電解質膜として、パーフルオロ
カーボンスルホン酸を25μmの厚みに薄膜化したもの
を用いた。
【0016】次に、導電性セパレータ板の作製方法を示
す。図4に示したように、厚さ0.3mmの金属板SU
S316板を用い、その中央部10cm×9cmの領域
に、5.6mmピッチ(溝幅約2.8mm)の波状加工
部をプレス加工によって形成した。この時リブ23の高
さは約1mmとした。次に、この表面に4種の熱分解性
ルテニウム塩の水溶液を浸し、これを400℃の雰囲気
で熱分解し、金属板の表面に酸化ルテニウム層を形成し
た。この酸化ルテニウム層の形成前に、金属板の表面を
あらかじめブラスト法により粗面化しておくと、その粗
面化面に生成した酸化ルテニウム層とセパレータ板との
接触強度はより強くなる。次に、両端部にはそれぞれ水
素ガス、冷却水、空気を供給・排出するためのマニホル
ド孔を設けた。この様に処理した金属板22に、図5に
示すような厚み約1mmの絶縁性シート27を貼り合わ
せてアノード側セパレータ板21を作製した。同様に処
理した金属板32に絶縁性シート37を貼り合わせてカ
ソード側セパレータ板31を作製した。
【0017】これらのセパレータ板を上記のMEAに組
み合わせて50セルを積層し、この積層セルを集電板と
絶縁板を介し、ステンレス鋼製の端板と締結ロッドで、
20kgf/cm2の圧力で締結した。なお、図1で示
したように、水素側のガス流通溝と空気側のガス流通溝
の位置は対応するように構成し、電極に過剰な剪断力が
かからないようにした。電極外周部およびガスのマニホ
ルド部には、フェノール樹脂製のガスケットを設けるこ
とによってシール部とした。ガスケットとMEA、セパ
レータ板とセパレータ板、ガスケットとセパレータ板な
どのガスシールが必要な部分はグリースを薄く塗布する
ことによって、あまり導電性を低下させずにシール性を
確保した。比較例として、表面処理をしないステンレス
鋼SUS316板により導電性セパレータ板を構成した
他は実施例1と同じ構成の電池を組み立てた。
【0018】実施例1および比較例の高分子電解質型燃
料電池を、85℃に保持し、アノード側に83℃の露点
となるよう加湿・加温した水素ガスを、またカソード側
に78℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれ
ぞれ供給した。その結果、電流を外部に出力しない無負
荷時には、50Vの開路電圧を示した。これらの電池を
燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5
A/cm2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時
間変化を表1に示した。その結果、比較例の電池は時間
の経過と共に出力が低下するのに対し、実施例1の電池
は、8000時間以上にわたって約1000W(22V
−45A)の電池出力を維持した。
【0019】
【表1】
【0020】この実施例では、ガス流路が平行な複数の
直線状の溝と、複数の溝に共通の折返し部とを連結した
場合を試みたが、それぞれ湾曲部を有する複数の並行す
る溝でガス供給マニホルド孔からガス排出マニホルド孔
をつなぐ構造や、巻き貝の殻のように中央部のマニホル
ド孔と外側のマニホルド孔とを複数の並行する溝でつな
ぐ構造など様々な構造も可能である。
【0021】上記の4種の熱分解性塩水溶液は、以下の
ようにして調製した。 A液:塩化ルテニウムの1M水溶液をそのまま用いる。 B液:塩化ルテニウム1gを濃硝酸100cc中に溶解
し、適宜水を追加しながら当該液を1時間煮沸処理す
る。 C液:塩化ルテニウム1gを100ccの水に溶解し、
塩化ルテニウムの2倍モルの硝酸銀水溶液を添加し、塩
素イオンを塩化銀として沈殿させる。沈殿物を除去した
液を熱分解性母液として用いる。 D液:炭酸ルテニウムの1M水溶液を用いる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明のセパレータ板は、
金属基板を白金族金属の酸化物で被覆している。この白
金族金属の酸化物は、金属並の高導電性を有し、かつ高
温においてpH2〜3程度の酸化性の雰囲気に曝された
時反応して溶解や皮膜生成を起こしにくい。従って、本
発明によれば、従来のカーボン板の切削工法に替わり、
ステンレス鋼などの金属材料を切削加工しないで用いる
ことができるので、大幅なコスト低減が図れる。また、
セパレータ板を一層薄くできるので、積層電池のコンパ
クト化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の燃料電池積層体の要部を模式
的に示す断面図である。
【図2】そのアノード側セパレータ板の平面図である。
【図3】カソード側セパレータ板の平面図である。
【図4】アノード側セパレータ板を構成する金属板の平
面図である。
【図5】アノード側セパレータ板を構成する絶縁性シー
トの平面図である
【符号の説明】
10 MEA 11 電解質膜 12 アノード 13 カソード 21 アノード側セパレータ板 22、32 金属板 31 カソード側セパレータ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保坂 正人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB00 BB01 BB04 CC03 CC08 CX04 EE02 EE12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記
    電解質膜を挟むアノードおよびカソード、前記アノード
    に燃料ガスを供給するガス流路を有するアノード側導電
    性セパレータ板、および前記カソードに酸化剤ガスを供
    給するガス流路を有するカソード側導電性セパレータ板
    を具備し、前記アノード側およびカソード側導電性セパ
    レータ板が、金属基板およびその燃料または酸化剤ガス
    と接する表面に白金族金属の酸化物層を有することを特
    徴とする高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータ板の金属基板が、弁金属
    またはステンレス鋼からなる請求項1記載の高分子電解
    質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 金属基板の表面に、白金族金属塩の熱分
    解により白金族金属の酸化物層を形成する工程を有する
    ことを特徴とする高分子電解質型燃料電池用セパレータ
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】 白金族金属の酸化物層を形成する工程に
    先だって、金属基板の表面を電解エッチングまたはブラ
    スティングにより粗面化する工程を有する請求項3記載
    の高分子電解質型燃料電池用セパレータ板の製造方法。
  5. 【請求項5】 白金族金属塩が、塩化物、炭酸塩、硝酸
    塩、および有機酸塩からなる群より選択される請求項3
    記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータ板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 白金族金属塩が、塩化物を硝酸により煮
    沸処理して得られた硝酸塩である請求項3記載の高分子
    電解質型燃料電池用セパレータ板の製造方法。
  7. 【請求項7】 白金族金属塩が、塩化物と硝酸銀とを反
    応させ、塩化銀を濾別させて得られた硝酸塩である請求
    項3記載の高分子電解質型燃料電池用セパレータ板の製
    造方法。
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